JP6544101B2 - エンジン - Google Patents
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Description
なお、前記気体噴射口が、前記吸気ポート内の壁面に沿った方向に前記気体を噴射することが好ましい。
なお、前記気体噴射口が、前記吸気ポート内の屈曲箇所における外周側(旋回外側)の壁面に配置されることが好ましい。
(3)前記気体噴射口が、前記吸気弁のステム基端部と前記筒軸との間に向かって前記気体を噴射することが好ましい。
ここでいう「上流側」とは、前記吸気ポートの中心線を基準として、前記開口部から遠い側にあることを意味する。例えば、前記気体噴射口から前記中心線へ延ばした垂線の足の位置と、前記燃料噴射口から前記中心線へ延ばした垂線の足の位置とを比較し、前者が後者よりも前記開口部から近い側にある場合に、前記燃料噴射口が前記気体噴射口よりも上流側に配置されているものとする。
(6)前記燃料噴射口が、前記吸気ポートの分岐箇所に向かって前記燃料を噴射することが好ましい。
[1−1.エンジン]
本実施形態のエンジン20を図1に示す。このエンジン20は、排気の一部をシリンダヘッド21の吸気ポート1内に循環させるEGRシステム(排気再循環システム)を備えたガソリンエンジンである。エンジン20の気筒23の頂面形状は、吸気ポート1が接続される傾斜面と排気ポート3が接続される傾斜面とを三角屋根状に付き合わせてなるペントルーフ型(切妻屋根型)である。この頂面において、吸気ポート1に繋がる開口部2には吸気弁10が設けられ、排気ポート3に繋がる開口部4には排気弁15が設けられる。これらの開口部2,4,吸気弁10,排気弁15は、それぞれが一つの気筒23に二個ずつ設けられる。図2に示すように、吸気ポート1は、一本の通路を二つの開口部2に向かって分岐形成したサイアミーズ形状を有する。同様に、排気ポート3も、二つの開口部4に接続された通路を一本に合流させたサイアミーズ形状を有する。なお、開口部2,吸気弁10が各気筒23に一個ずつ設けられたものとしてもよく、吸気ポート1,排気ポート3がサイアミーズ形状を有していなくてもよい。
排気還流口6(気体噴射口)は、吸気ポート1内に気体を噴射するものであり、例えば排気戻り通路5内を通過した排気を、吸気ポート1内で開口部2に向かう排気流として噴射する機能を持つ。本実施形態の排気還流口6は、排気の一部を加圧せずに吸気ポート1内へと導入するEGR通路の端部開口である。なお、排気の一部を加圧して吸気ポート1内へと導入するEGRシステムが設けられている場合には、加圧された排気が流通するEGR通路の端部開口を排気還流口6として機能させてもよい。また、排気以外の気体を吸気ポート1内に噴射することとしてもよい。
燃料噴射口8は、エンジン20の吸気行程で燃料を吸気ポート1内に噴射する機能を持つ。燃料は、排気流が形成されている吸気ポート1内に噴射される。燃料噴射口8から噴射される燃料噴射量は、燃料噴射口8に供給される燃料の圧力(燃圧)や燃料噴射口8の開弁時間に応じて変動する。
燃料噴射口8の位置は、排気還流口6よりも上流側であって、縦断面で吸気ポート1の上側の内壁面に設定される。排気還流口6から噴射される排気流は、吸気ポート1の内壁面に沿って流通し、その表面をカバーする層流となる。一方、燃料は、表面が排気流によってカバーされた内壁面よりも上流側から噴射される。これにより、吸気ポート1の内壁面に対する燃料の付着が抑制される。
制御装置9は、少なくともエンジン20の燃料噴射系を制御する電子制御装置であり、CPU,MPUなどのプロセッサやROM,RAM,不揮発メモリなどを集積した電子デバイスである。プロセッサは、制御回路や演算回路,キャッシュメモリなどを内蔵する演算処理装置である。また、ROM,RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。制御装置9での制御内容は、アプリケーションプログラムとしてROM,RAM,不揮発メモリ内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAM内のメモリ空間内に展開され、プロセッサによって実行される。
燃料噴射のタイミングは、少なくともエンジン20の吸気行程内であって、吸気弁10の開放中に設定される。好ましくは、吸気行程内において、吸気弁10の開放加速度に基づいて制御される。ここでは、吸気行程内(排気上死点以降)であって、少なくとも吸気弁10の開弁後に燃料噴射が実施される。つまり、排気還流口6から噴射された排気流が、開放された吸気弁10と吸気ポート1との隙間を通って気筒23内に導入されている状態で、燃料噴射が実施される。また、本実施形態では、エンジン20の吸気行程内であって、少なくとも吸気弁10が開弁してから所定時間が経過した後〔図4(A)中のθ2〜θ5区間内〕に燃料噴射が開始される。ここでいう所定時間は、吸気弁10の開放加速度に基づいて設定される。例えば、吸気行程で吸気弁10の開放加速度が正から負に変化するまでの時間が、所定時間として設定される。
吸気弁10が開放されると、吸気ポート1の内部圧力が低下して負圧となり、排気戻り通路5を介して排気が排気還流口6から噴射される。このとき、燃料噴射は停止しているため、おもに排気流が吸気ポート1から気筒23へと流入する。排気流は、図5中に黒矢印で示すように、吸気弁10の傘部12と開口部2との隙間のうち、筒軸C寄りの位置を通って気筒23の内部へと導入される。また、気筒23内では、排気流がシリンダブロック22のシリンダライナ24に向かって直進する。シリンダライナ24の近傍では、一方の開口部2から流入した排気流と他方の開口部2から流入した排気流とが衝突し、内筒面に沿って下方へと拡散しながら流通する。これにより、排気がシリンダライナ24の表面に沿って下降し、その後、ピストン頂面に沿って気筒23の筒軸Cに向かうように旋回する旋回流が形成される。
(1)上記のエンジン20では、図1,図3に示すように、吸気弁10と開口部2との隙間のうち、筒軸C寄りの位置Eを通る方向に向かって排気流が噴射される。この排気流は、気筒23内においてシリンダライナ24に突き当たり、気筒23の内筒面に沿って下方へと流通する。これにより、シリンダライナ24の表面を排気流でカバー(被覆)することができ、気筒23内の壁面への燃料付着を抑制することができる。したがって、気筒23内における燃焼状態を改善することができる。
さらに、所定時間が経過した吸気行程内に燃料を噴射することで、燃料を新気と混合させつつ、排気流の表層に乗せて気筒23内へと導入することができる。これにより、気筒23内における燃焼状態をさらに改善することができる。
図8に示すエンジン20は、上述の実施形態における燃料噴射口8の位置を変更し、吸気ポート1の中心線を挟んで排気還流口6に対向する壁面(すなわち、吸気ポート1の中心線よりも下方の壁面)に配置したものである。燃料噴射口8の位置は、排気還流口6よりも上流側であって、縦断面で吸気ポート1の下側の内壁面に設定される。一方、燃料の噴射方向は、上述の実施形態と同様に、排気還流口6から噴射される排気流の噴射方向に沿った方向とされる。このように、排気還流口6を燃料噴射口8とは反対側の壁面に配置することで、排気流でカーテン状にカバーされた吸気ポート1の壁面に向かって燃料を噴射することができる。これにより、燃料のポート付着量やシリンダライナ24への付着量を減少させることができ、燃料の気筒23内への輸送性を高めることができるとともに、気筒23内における燃焼状態を改善することができる。
2 開口部
5 排気戻り通路
6 排気還流口(気体噴射口)
7 インジェクタ
8 燃料噴射口
9 制御装置
10 吸気弁
23 気筒
24 シリンダライナ
Claims (8)
- 吸気ポートの気筒側の開口部を開閉する吸気弁と、
前記吸気ポート内において、開放された前記吸気弁と前記開口部との隙間のうち前記気筒の筒軸寄りの位置を通る方向、かつ、前記気筒のシリンダライナに突き当たる方向に向かって気体を噴射する気体噴射口と、
前記気体の流れが形成されている前記吸気ポート内に燃料を噴射する燃料噴射口とを備え、
前記吸気ポートが、一本の通路を複数の前記開口部に向かって分岐形成したサイアミーズ形状を有し、
前記気体噴射口は、二つの前記開口部のそれぞれに対して一つずつ設けられ、各々の噴射方向の延長線の交点が前記シリンダライナの表面近傍に位置している
ことを特徴とするエンジン。 - 前記気体噴射口が、前記吸気ポートの中心線よりも上方の壁面に配置される
ことを特徴とする、請求項1記載のエンジン。 - 前記気体噴射口が、前記吸気弁のステム基端部と前記筒軸との間に向かって前記気体を噴射する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン - 前記燃料噴射口が、前記吸気ポートの中心線よりも上方の壁面かつ前記気体噴射口よりも上流側に配置される
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。 - 前記燃料噴射口が、前記吸気ポートの中心線よりも下方の壁面に配置される
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。 - 前記燃料噴射口が、前記吸気ポートの分岐箇所に向かって前記燃料を噴射する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン。 - 前記気体噴射口から噴射される前記気体が、前記エンジンの排気の一部である
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のエンジン。 - 前記燃料噴射口は、吸気行程において少なくとも前記吸気弁が開弁するまでは燃料噴射を停止し、前記気体が前記気筒内に流入する前記吸気弁の開弁後に前記燃料噴射を開始する
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のエンジン。
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Family Applications (1)
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