JP6543925B2 - 超純水製造装置の運転方法 - Google Patents

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本発明は、被処理水に紫外線を照射して酸化した後、貴金属触媒と接触させることにより、溶存酸素を除去した超純水を得る超純水製造装置の運転方法に係り、特に、超純水製造装置の運転開始時の装置の立ち上げに要する期間を短縮し得る超純水製造装置の運転方法に関する。
従来、半導体等の分野で用いられている超純水は、図1(a)に示す如く、前処理装置1、前処理水を処理する一次純水製造装置2、及び一次純水を処理する二次純水製造装置(サブシステム)3で構成される超純水製造装置で、原水(工業用水、市水、井水等)を処理することにより製造されている。
凝集(浮上)処理装置、沈殿、濾過又は膜濾過装置、吸着装置などで構成される前処理装置1では、原水中の懸濁物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能である。
逆浸透(RO)膜分離装置、脱気装置、再生型イオン交換装置(混床式又は4床5塔式など)、電気脱イオン装置、紫外線(UV)照射酸化装置等の酸化装置などを備える一次純水製造装置2では、原水中のイオンや有機成分の除去を行う。なお、RO膜分離装置では、塩類を除去すると共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。イオン交換装置又は電気脱イオン装置では、塩類を除去すると共にイオン交換樹脂によって吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を行う。脱気装置では無機系炭素(IC)、溶存酸素の除去を行う。酸化装置では、TOC成分の分解を行う。
低圧紫外線(UV)照射酸化装置、非再生型イオン交換装置及び限外濾過(UF)膜分離装置を備えるサブシステム3では、水の純度をより一層高め超純水にする。なお、低圧UV照射酸化装置では、低圧UVランプより出される波長185nmのUVによりTOCを有機酸、さらにはCOまで酸化分解する。分解により生成した有機酸及びCOは後段の非再生型イオン交換装置のイオン交換樹脂でイオン性物質と共に除去される。UF膜分離装置では、微粒子が除去され、イオン交換樹脂からの流出粒子も除去される。
非再生型イオン交換装置は、通常、容器内にアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂層が形成されたものであり、系内でイオン交換樹脂の再生を行わず、脱塩能力が低下した際には、一旦、通水ラインから切り外し、再生済みのイオン交換樹脂と取替えが行われる。この際、容器内のイオン交換樹脂のみを取替える場合と、容器ごと取替える場合とがある。また、非再生型イオン交換装置には、アニオン交換樹脂のみを充填したものもあり、このものは、通常、混床式イオン交換容器の前段に配置される。
図1(b)は、サブシステム3の代表例を示す図である。このサブシステムの運転中は、ポンプPを稼動して、サブタンク11の一次純水を熱交換器12、低圧UV照射酸化装置13、非再生型イオン交換装置14及びUF膜分離装置(RO膜分離装置であっても良い。)15に通水し、得られた超純水をユースポイントに送る。ユースポイントで使用されなかった超純水は循環ライン16を経てサブタンク11に返送され、再度処理される。
ところで、超純水の水質の向上のためには、水中の溶存酸素(DO)量を1μg/L以下、好ましくは0.5μg/L以下の極低濃度に低減する必要がある。しかし、上記構成の従来のサブシステムでは、低圧UV照射酸化装置13で後述の反応式によりHが生成し、このHが非再生型イオン交換装置14のアニオン交換樹脂でHOとOとに分解されることによりDOが増加するという問題がある。
このDOの除去方法として、特許文献1(特許第2988290号公報)には、被処理水にUVを照射した後、パラジウム触媒と接触させることにより、還元剤を注入することなく被処理水中のDOを除去する装置が提案されている。この特許文献1では、具体的には低圧UV照射酸化装置の後段にアニオン交換樹脂を充填したイオン交換樹脂充填容器を設け、その後段にパラジウム触媒を充填した容器を設け、被処理水を、低圧UV照射酸化装置、アニオン交換樹脂充填容器、及びパラジウム触媒充填容器に順次通水する。なお、パラジウム触媒としては、触媒性能に優れることから、通常、アニオン交換樹脂にパラジウムを担持させたパラジウム担持触媒樹脂(以下単に「触媒樹脂」と称す場合がある。)が用いられる。このようにして被処理水を低圧UV照射酸化装置、アニオン交換樹脂を含むイオン交換樹脂充填容器、及びパラジウム触媒充填容器に順次通水することにより、次のような作用機構でDOが除去される。
<低圧UV照射酸化装置>
波長185nmのUVを照射することにより、水が分解して・OHラジカルと・Hラジカルを生成する。
O→・OH+・H
生成した・OHラジカルと・Hラジカルの大部分は、水中の有機物の分解に使用されるが、余剰の・OHラジカルと・Hラジカルは、下記の反応でHとHを生成する。
・OH+・OH→H
・H+・H→H
<イオン交換樹脂充填容器>
アニオン交換樹脂は固体の強アルカリ性物質であるため、その表面で、低圧UV照射酸化装置で生成したHが分解される。ただし、水とOへの完全分解ではないため、Hが残る。
→HO+1/2O+未反応H
<パラジウム触媒充填容器>
パラジウムの触媒作用で、低圧UV照射酸化装置で生成したHをHOとOに分解する。このHの分解は、通水条件にもよるが、アニオン交換樹脂とは異なり、ほぼ100%の分解率を得ることができる。また、パラジウムの触媒作用で、低圧UV照射酸化装置で生成したHにより水中のDOを水に還元する。
なお、低圧UV照射酸化装置の処理水を直接パラジウム触媒充填塔に導入しても、同様の反応でHの分解とDOの除去が行われる。
この特許文献1の装置によれば、還元剤を用いることなく、水中のDOを極低濃度にまで除去した超純水を得ることができるが、装置の定期点検、触媒やイオン交換樹脂の取替え等のために通水を停止して装置の運転を停止した後、運転を再開した際に、運転停止前のDO除去率にまで回復するために、即ち、運転停止前のDO濃度と同等の超純水を得るために要する装置の立ち上げに、2〜10日という非常に長い期間が必要であるという問題があった。
即ち、超純水製造装置の運転停止時において、ポンプを停止して通水を停止した後も触媒やイオン交換樹脂の充填容器の入口側及び出口側の開閉弁はいずれも開の状態のままであり、その他の弁についても配管内の水が抜けないように一部が閉とされるだけであって、システム全体は加圧状態から解放された大気圧下に保持され、パラジウム触媒充填容器内も、加圧下に保持されることはない。
このように、大気圧下に保持された場合、パラジウム触媒のDO還元触媒活性が低下する。即ち、パラジウム触媒として一般的に用いられている触媒樹脂は、詳細には、下記(1)〜(3)のようにして、水中のHを分解すると共にOをHOに還元する。
下記(1)の反応では、前段の低圧UV照射酸化装置で生成したHを水とOに分解する。また、下記(2)の反応で低圧UV照射酸化装置で生成したHを触媒樹脂(樹脂−Pd)が吸蔵し、Hを吸蔵した触媒樹脂となる。このH吸蔵触媒樹脂(樹脂−Pd−H)により、下記(3)の反応により、水中のDOが水に還元される。
→HO+1/2O …(1)
樹脂−Pd+H→樹脂−Pd−H …(2)
1/2O+樹脂−Pd−H→HO+樹脂−Pd…(3)
このように、水中のDOを水に還元するためには、触媒樹脂がHを吸蔵していることが必要となるが、装置の運転中加圧状態とされていた触媒樹脂が、装置の運転停止時に大気圧下で保持される従来の装置にあっては、この装置運転停止期間中に、触媒樹脂に吸蔵されたHが、下記(4)式のように放出されてしまう。
樹脂−Pd−H→樹脂−Pd+H…(4)
このため、装置運転停止後の運転再開時において、パラジウムの触媒作用で、前記(1)式によるHの分解反応は直ちに生じるが、触媒樹脂が、前記(3)式に従って、水中のOをHと再結合させるに十分な量のHを吸蔵した状態ではないために、まず、前記(2)式に従って前段から導入されたHを触媒樹脂が吸蔵するのに時間を要し、前記(3)式に従うDOの還元反応が起こるまでに長期間を要する。このため、この期間には、DOを十分に低減した超純水を得ることができない。
特許文献2(特開2006−192352)には、超純水製造装置の運転停止後の運転再開時において、装置の立ち上げ期間を短縮し、早期に低DO超純水の採水を行うことができる超純水製造装置として、被処理水が導入される紫外線照射酸化装置と、該紫外線照射酸化装置の流出水が通水されるパラジウム触媒充填容器とを有し、該被処理水に紫外線を照射して酸化した後、パラジウム触媒と接触させることにより溶存酸素を除去した超純水を得る超純水製造装置において、該パラジウム触媒充填容器への通水停止期間中に該充填容器内を加圧下に保持するようにしたものが記載されている。
かかる特許文献2の超純水製造装置によれば、通水停止中(装置の運転停止中)にパラジウム触媒充填容器を加圧状態で保持するため、触媒樹脂はHを十分に吸蔵した状態で保持され、従って運転再開時には、このH吸蔵触媒樹脂により、Hの分解のみならず、OとHとの再結合反応も直ちに開始され、運転再開後短時間で、低DO濃度の超純水を得ることができるようになる。
特許第2988290号公報 特開2006−192352号公報
特許文献2の超純水製造装置によれば、超純水製造装置の運転再開後のDO濃度が低いものとなるが、超純水製造装置の最初の運転開始時のDO濃度は、依然として運転開始から長時間経過しないと低くならない。
本発明は、最初の運転開始直後からDO濃度が低い値となる超純水製造装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の超純水製造装置の運転方法は、被処理水が導入される紫外線照射酸化装置と、該紫外線照射酸化装置の流出水が通水される貴金属触媒充填容器とを有し、該被処理水に紫外線を照射して酸化した後、貴金属触媒と接触させることにより溶存酸素を除去した超純水を得る超純水製造装置を運転する方法において、該超純水製造装置の運転を開始するのに先立って、水素を吸蔵した貴金属触媒を予め該貴金属触媒充填容器に充填しておくことを特徴とするものである。
前記水素を吸蔵した貴金属触媒は、貴金属触媒に水素水又は水素含有ガスを接触させることにより水素を吸蔵させたものであることが好ましい。
本発明では、水素吸蔵処理容器内に貴金属触媒を収容して水素水又は水素含有ガスを該水素吸蔵処理容器に流通させて貴金属触媒に水素を吸蔵させ、その後、水素吸蔵貴金属触媒を密閉収納体内に収納して保管又は運搬することが好ましい。
また、前記収納体内の水素吸蔵貴金属触媒を前記触媒充填容器内に充填した後、所定時間内に該触媒充填容器を水封し、所定期間内に超純水製造装置の運転を開始することが好ましい。
本発明の超純水製造装置の運転方法では、超純水製造装置の運転開始に先立って、水素を吸蔵した貴金属触媒を予め貴金属触媒充填容器に充填しておくので、運転開始直後から超純水中のDO濃度が低い値となる。
なお、本発明では、現場に設置された超純水製造装置に、直接活性化処理を行う手段を設け、現場にて貴金属触媒を活性化することもできる。
(a)図は超純水製造装置の構成を示す系統図、(b)図は超純水製造装置のサブシステムの構成を示す系統図である。 実施例及び比較例の結果を示すグラフである。 水素吸蔵処理装置のフロー図である。 別の水素吸蔵処理装置のフロー図である。 実験例の結果を示すグラフである。
以下に本発明の超純水製造装置の運転方法の実施の形態を詳細に説明する。
本発明方法に用いられる超純水製造装置は、例えば、図1(b)に示す超純水製造装置のサブシステムにおいて、低圧UV照射酸化装置13の後段であって非再生型イオン交換装置14の前段又は後段に、低圧UV照射酸化装置の流出水が通水される貴金属触媒充填容器を設けた構成とすることが好ましい。貴金属触媒は非再生型イオン交換装置14内に充填されてもよい。
本発明において使用される貴金属触媒としては、Hの分解、及びOとHとの再結合反応に、常温常圧で触媒作用を示すものであれば良く、特に制限はないが、例えば、金属パラジウム、酸化パラジウム、水酸化パラジウムなどのパラジウム化合物の他、イオン交換樹脂やアルミナ、活性炭、ゼオライト、ステンレススチールなどの担体にパラジウムを担持させた触媒を用いることができる。パラジウム担持触媒を用いる場合、パラジウムの担持量は、通常、担体に対して0.1〜10重量%程度であり、特に、担体としてアニオン交換樹脂を用いた場合には、少ないパラジウム担持量で優れた効果を発揮することができ、好ましい。パラジウム以外の白金等の貴金属を用いてもよいが、パラジウムが好適である。
なお、アニオン交換樹脂にパラジウムを担持させるには、アニオン交換樹脂をカラムに充填し、次いで塩化パラジウムの酸性溶液を通水すれば良い。金属パラジウムとして担持する場合には、これを更にヒドラジンなどを用いて還元すれば良い。
パラジウム触媒の形状は粉末状、粒状、ペレット状、あみ状などいずれの形状でも使用できる。パラジウム触媒は、異なる種類のもの、異なる形状のものを2種以上混合して用いることもできる。本発明においては、特に、粒径0.1〜3mm程度の球状又はペレット状のアニオン交換樹脂にパラジウムを担持してなる触媒樹脂を用いるのが好適である。
本発明において、サブシステムの触媒充填容器内に充填される貴金属触媒は、超純水製造装置の運転開始前に、予め水素吸蔵処理したものである。
貴金属触媒に水素を吸蔵させるには、貴金属触媒を水素吸蔵処理用の容器に収容し、該処理容器に水素水を通水するか、又は水素含有ガスを通気するのが好ましい。
図3は水素水通水方式の処理装置のフロー図であり、処理容器31内に貴金属触媒Rが収容されている。配管32を流れる超純水に対し配管33から水素ガスを吹き込んで水素水とし、この水素水を容器31内の上部に供給する。容器31内の貴金属触媒Rと接触した処理排水は、容器31内の下部から配管34,35を介して排出される。一部の排水を配管36に分取し、DO計37によってDO濃度を測定する。
配管33,35には流量計33a,35aが設けられ、配管34には圧力計34aが設けられている。
図3の装置による水素吸蔵処理作業に入る前に、通水ラインの清浄度を確認するために、水素吹き込みを行わずに超純水を容器31をバイパスさせて流し、流出水の抵抗率が給水−1.0MΩ・cm以内でありより好ましくは−0.5MΩ・cm以内、TOCが給水+5.0μg/L以内より好ましくは+2.0μg/以内であることを確認することが好ましい。清浄度の確認後、まず超純水の通水を開始し、その後、水素の吹き込みを開始するのが好ましい。
この水素水通水は、水素吸蔵効率を高めるために加圧状態で行うのが好ましい。例えば、水素吹き込み部分で0.2〜1.0MPa好ましくは0.4〜0.6MPa、充填容器内で0.1〜1.0MPa好ましくは0.2〜0.5MPaの加圧状態で操作する。また、水素リッチな状態で水素を吸蔵させるために、通水中、DO計37の検出DO濃度が1μg/L未満であるようにすることが好ましい。
この図3の装置による水素吸蔵処理時の温度は常温でよい。
通水する水素水は溶存酸素が実質的にない状態である必要がある。そのため、溶存酸素除去された超純水を用いるのが適当である。但し、微量の酸素(1〜5μg/L)が溶存している超純水に対しては溶存酸素量に対して濃度(μg/L)比で1/8超の水素を溶解させることで対応可能である。後者の場合は酸素量に対して超過した分の水素量で触媒樹脂への吸蔵量を計算する。
貴金属触媒が貴金属担持触媒樹脂である場合、水素濃度(mg/L)×通水量(L/h)×通水時間(h)/触媒樹脂充填量(L)で算出される触媒樹脂に対する水素積算接触量が25mg−H/L−resin以上となるように、給水中の水素濃度及び通水時間を設定することが好ましい。この給水中の水素濃度は0.1〜10mg/L特に0.3〜5mg/Lであることが好ましい。給水の通水速度(SV)は0.1〜200h−1特に1〜100−1程度が好ましい。触媒充填量は1〜10000L特に10〜1000L程度が好ましい。通水時間は1〜200h特に2〜100h程度が好ましい。水素積算接触量は25〜1000mg−H/L−resin特に50〜500mg−H/L−resin程度が好ましい。
この処理後に容器31内から水抜きする必要がある場合には、水素・窒素混合ガス又は窒素等の不活性ガスで容器内を置換する。
図4は、容器41内に貴金属触媒を収容し、配管42,44を介して水素含有ガスを通気する水素吸蔵処理装置のフロー図である。配管42には流量計42aが設けられ、配管44には圧力計44aが設けられている。外気の侵入を防ぐため、配管44の末端は水封槽45中に差し込まれ、水封されている。外気侵入防止のために、操作圧力は大気圧以上が好ましい。
貴金属触媒は湿潤状態とされることが好ましい。貴金属触媒を水没させておき、水中に水素含有ガスを吹き込んでもよい。
水素含有ガスとしては、引火防止のため、水素濃度5%以下、例えば3〜5%程度の水素・窒素混合ガスが好ましい。窒素の代りにアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いてもよい。この場合も、水素濃度(vol%)/100×2000(mg/mol)/22.4(L/mol)×通気量(L/h)×通気時間(h)/触媒樹脂充填量(L)で算出される水素の積算接触量が25〜1000mg−H/L−resin特に50〜500mg−H/L−resinとなるように、水素含有ガスの濃度及び通気時間を設定するのが好ましい。この処理時の温度は常温でよい。
図3,4のいずれの処理においても、処理が終了した後、直ちに容器31,41を取り外して密栓し、空気中の酸素との接触を防止することが好ましい。なお、容器から貴金属触媒を取り出し、ポリエチレン袋等の非通気性の密閉収納体内に収容し、密封してもよい。
処理後の貴金属触媒を容器31,41内で保管したり、運搬する場合、容器31,41内を大気圧以上に加圧してもよい。
水素吸蔵貴金属触媒をサブシステムの触媒充填容器に充填した後、所定時間内(例えば12時間以内好ましくは2時間以内)に該触媒充填容器を水封し、所定期間内(例えば7日以内好ましくは1日以内)に超純水製造装置の運転を開始することが好ましい。
以下に比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[比較例1]
図1(b)に示すサブシステムにおいて、非再生型イオン交換装置14に、パラジウム担持触媒樹脂KR−UM10(栗田工業株式会社)を750L(カチオン交換樹脂350L、アニオン交換樹脂350L、触媒樹脂50L)を充填した。この比較例1では、触媒樹脂は大気中に11ヶ月保管したものをそのまま充填した。
低圧UV照射酸化装置13の出力は0.1kW/mである。
TOC1.0μg/L、比抵抗18MΩ・cmの一次純水をこのサブシステムで処理した。63L/hrの通水量(触媒樹脂充填容器での通水SV=84/h)にて運転を開始し、得られた超純水中のDO濃度の経時変化を測定した。結果を図2に示す。
[実施例1]
比較例1において、大気中に11ヶ月保管したパラジウム担持触媒樹脂を図3に示す水素吸蔵処理装置を用いて下記条件で処理したものを用いた他は同様にしてサブシステムの運転を開始した。運転開始からの超純水中のDO濃度の経時変化を図2に示す。
<水素吸蔵処理条件>
容器31内の触媒樹脂の体積 50L
水素水の水素濃度 0.67mg/L
水素水の給水速度 170L/h
通水時間 24h
水素積算接触量 55mg−H/L−resin
[考察]
図2に示すように、比較例1では100h経過してもDO濃度は3μg/L以上であるのに対し、実施例1によると、運転開始直後からDO濃度が3μg/Lよりも低いものとなった。この結果より、本発明によると、超純水製造装置の最初の運転開始直後からDO濃度が低い値となることが認められた。
[実験例]
図3の装置により水素吸蔵処理を行う場合の水素の積算接触量の好適範囲を求める実験を行った。
容器31内に上記パラジウム担持触媒KR−UM10を5L充填した。DO濃度4740μg/Lの超純水をSV=80h−1で通水すると共に、この超純水に7900μg−H/minにてHを注入した。H注入開始後の容器31からの流出水中のDO濃度の経時変化を図5に示す。
図5の通り、H注入開始後、DO濃度は急激に低下し、注入後30分でDO濃度は約1ppb以下程度に安定する。
そこで、30分間に注入された水素量Vから酸素除去に消費された水素量Vを減算した値(V−V)に基づいて30分間の水素積算接触量を求めると、
−V=237(mg)−112(mg)=125mg
であった。この125mgの水素量を樹脂量5Lで除算することにより、30分間の水素積算接触量は、125mg−H/5L−resin=25mg−H/L−resinと求められた。30分以上にわたって樹脂を処理すれば触媒樹脂の水素吸蔵量は十分であるので、水素積算接触量は25mg−H/L−resin以上であれば良いことが認められた。
1 前処理装置
2 一次純水製造装置
3 二次純水製造装置(サブシステム)
11 サブタンク
12 熱交換器
13 低圧UV照射酸化装置
14 非再生型イオン交換装置
15 UF膜分離装置
16 循環ライン
31,41 水素吸蔵処理容器

Claims (2)

  1. 被処理水が導入される紫外線照射酸化装置と、該紫外線照射酸化装置の流出水が通水される貴金属触媒充填容器とを有し、該被処理水に紫外線を照射して酸化した後、貴金属触媒と接触させることにより溶存酸素を除去した超純水を得る超純水製造装置を運転する方法において、
    該超純水製造装置の運転を開始するのに先立って、水素を吸蔵した貴金属触媒を予め該貴金属触媒充填容器に充填しておく超純水製造装置の運転方法であって、
    前記水素を吸蔵した貴金属触媒は、水素吸蔵処理容器内に貴金属触媒を収容して水素水又は水素含有ガスを該水素吸蔵処理容器に流通させて貴金属触媒に水素を吸蔵させ、その後、水素吸蔵貴金属触媒を密閉収納体内に収納して保管又は運搬したものであることを特徴とする超純水製造装置の運転方法。
  2. 請求項において、前記収納体内の水素吸蔵貴金属触媒を前記触媒充填容器内に充填した後、所定時間内に該触媒充填容器を水封し、所定期間内に超純水製造装置の運転を開始することを特徴とする超純水製造装置の運転方法。
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