JP6540944B2 - 植物体の害虫抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫の植物体への定着及び産卵を抑制する植物体の害虫抑制方法に関する。
近年、野菜の施設栽培では、冬場に加温することで周年栽培が行われている。このため、微小害虫は年間を通じて発生しており、その防除には主に薬剤が使用されている。しかし、施設という閉鎖空間においては、同一系統の薬剤が年間を通じて複数回散布されるため、害虫の薬剤感受性が低下し、新規登録された薬剤も数年後には防除効果が低下する。一方、新たな薬剤の開発には数年かかることから、薬剤防除だけに依存しない新たな防除方法を確立することが必要となってきている。
このような状況下において、光の植物体への照射により、害虫の植物体への定着及び産卵を抑制する害虫抑制方法が開発されてきている。例えば、下記特許文献1には、500〜600nmの波長成分を含ない疑似太陽光を圃場全体に照射するとともに、280〜700nmの波長範囲内にピークを有する誘引光を圃場の一部に照射し、誘引光の光源に集まる昼行性害虫を捕獲して、害虫の植物体への定着及び産卵を抑制する害虫抑制方法が示されている。また、下記特許文献2には、青色光より長い波長成分を含む誘引光(具体的には、470〜960nmの波長成分を含む誘引光)を植物体に照射して、ハダニの天敵害虫であるカブリダニを誘引することによりハダニを駆除するハダニ防除方法が示されている。
また、害虫の駆除ではないが、下記特許文献3には、280〜340nmの波長成分を含む紫外線を植物体に照射することにより、白色カビ病、うどんこ病などの糸状菌の成長を抑制することが示されている。さらに、下記特許文献4には、280〜340nmの波長成分と、100〜280nmの波長成分とを含む紫外線を植物体に照射することにより、前記と同種の糸状菌の成長を抑制することも示されている。
特開2011−67196号公報 特開2011−72200号公報 特開2005−328734号公報 特開2009−22175号公報
しかし、上記特許文献1による誘引光を用いた害虫の誘引及び誘引した害虫の捕獲においては、害虫を防除しようとする植物体近傍に生息している害虫以外の害虫、すなわち前記植物体から少し離れた位置に生息している害虫も前記植物体に集まって来て、害虫防除に対して逆効果となる可能性がある。また、上記特許文献2による誘引光を用いたハダニを駆除するハダニ防除方法では、対象植物体の環境によっては、ハダニの天敵害虫であるカブリダニ以外であって、対象植物体に対して害虫となる他の害虫が対象植物体に集まる可能性がある。
また、上記特許文献3,4による紫外線の照射は白色カビ病、うどんこ病などの糸状菌から植物体を守るための植物体の病害防除方法であり、糸状菌と害虫は異なるが、紫外線を植物体に照射すれば、害虫の植物体からの忌避に利用できるとも考えられる。しかし、紫外線を発光する光源装置の価格は非常に高く、低コストで植物体を害虫から防除できないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、低コストで害虫の植物体への定着及び産卵を抑制する害虫抑制方法を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、太陽光が照射される日中に、赤色光光源(12)からの600〜700nmの波長帯域を有する赤色光であって、対象植物体の照射面における光強度が1×10 18 photons/m 2 ・sec以上である赤色光を対象植物体(20A,20B)に照射して、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ及びネギアザミウマを含むアザミウマ類に属する害虫の前記対象植物体への定着及び産卵を抑制する植物体の害虫抑制方法にある。
この場合、対象植物体は、例えば、温室(10)内で育てられるメロン(20A,20B)、ナス又はキュウリである
前記本発明は、植物体に寄生するアザミウマ類に属する害虫が赤色光を忌避するという本発明者の発見に基づくものであり、後述する試験結果からも理解できるとおり、赤色光を対象植物体に照射すると、対象植物体へのアザミウマ類に属する害虫の定着及び産卵が抑制される。したがって、本発明によれば、アザミウマ類に属する害虫が対象植物体から除去され、対象植物体のアザミウマ類に属する害虫による被害を抑えることができる。また、アザミウマ類に属する害虫の除去のために対象植物体に薬剤を散布する場合でも、薬剤散布の回数を減らすことができ、害虫の薬剤感受性低下を抑制できて、薬剤の使用寿命を延長させることができる。さらに、紫外線を対象植物に照射する場合に比べて、低コストで本発明を実現できる。
また、本発明の他の特徴は、赤色光の照射に加えて、対象植物体が植えられた場所に光反射シートを敷いたことにある。これによれば、後述する試験結果からも理解できるとおり、対象植物体へのアザミウマ類に属する害虫の定着及び産卵がさらに抑制される。
本発明の一実施形態に係る植物体の害虫防除方法を採用した温室の概略斜視図である。 本発明で用いられる赤色光の発光帯域、試験に用いられた青色光及び白色光の発光帯域を説明するためのグラフである。 第1試験に用いた試験装置の概略図である。 第8試験に用いた試験装置の概略図である。 第8試験における蛍光灯照射条件下での環境温度の変化を示すグラフである。 第8試験における蛍光灯無照射条件下での環境温度の変化を示すグラフである。 第9試験に用いた試験装置の概略図である。 第9試験におけるミナミキイロアザミウマの幼虫及び成虫の合計数の変化を示すグラフである。 第10試験における試験場の概略図である。 (A)は第10試験におけるアザミウマ類の成虫数の変化を示すグラフであり、(B)は第10試験におけるアザミウマ類の幼虫数の変化を示すグラフである。 (A)は第10試験におけるミナミキイロアザミウマの成虫数の変化を示すグラフであり、(B)は第10試験におけるミナミキイロアザミウマの幼虫数の変化を示すグラフである。
a.実施形態
以下、本発明の一実施形態に係る植物体の害虫防除方法について説明する。図1は、前記植物体の害虫防除方法を採用した温室10の概略斜視図である。図1においては、左側にて栽培土壌11にメロンの種を播いて苗状態にあるメロン株20Aを高密度で育てている状態を示し、右側にて栽培土壌11に苗状態にあるメロン株20Aを定植して定植後のメロン株20Bをある程度大きな間隔をもって生育させている状態を示している。なお、苗状態にあるメロン株20Aは20〜30cm程度の高さまでの状態をさし、定植後のメロン株20Bは20〜30cmよりも大きく成長した状態をさす。なお、定植後のメロン株20Bは、2m程度の高さまで成長すると、上部がカットされる。
温室10内には、複数の箇所に赤色光光源12が配置されている。この赤色光光源としては、本実施形態では、「鍋清株式会社製の商品名DELED Plants」なる波長帯域が600〜700nmである赤色光を発光するLED光源が用いられている。具体的には、このLED光源による赤色光は、図2の発光帯域のグラフにて実線で示すように、約630nm及び660nmに2つの発光レベルのピークを有し、600〜700nmの波長帯域を有する赤色光である。なお、赤色光光源12としては、600〜700nmの波長帯域を有する赤色光を発光するものであれば、前記LED光源に限らず、種々の光源を利用できる。
これらの赤色光光源12は、温室10の上部から吊り下げられるようにして設けられており、それらの高さを変更可能としている。苗状態のメロン株20Aに対しては赤色光光源12を低い位置に位置させ、定植後のメロン株20Bに対しては赤色光光源12を高い位置に位置させている。これにより、苗状態のメロン株20Aにも、定植後のメロン株20Bにも上方から大きな強度の赤色光を照射することができる。そして、本実施形態では、赤色光光源12からの赤色光をメロン株20A,20B(すなわち、メロン株の葉)に照射した際、赤色光の照射面(メロン株の葉の表面)における赤色光の光強度が1×1018 photons/m2・sec以上になるように、赤色光の強度が設定されている。
また、定植後のメロン株20Bに赤色光を照射する場合には、前述のようにメロン株20Bの上方のみからの赤色光の照射では、メロン株20Bは成長するために、メロン株20Bの下部の葉には適当な強度の赤色光が照射されないことが生じる。したがって、この場合には、メロン株20Bの成長に応じて赤色光光源12を上方に移動させて、赤色光光源12からの適当な強度の赤色光がメロン株20Bの全体の葉に照射されるようにする。また、赤色光をメロン株20Bの横方向から照射したり、上下方向に複数段の赤色光光源12を設けて、1本のメロン株に対して複数段の赤色光光源12からの赤色光を照射したりするようにする。さらには、メロン株20Bが植えられた土壌に光反射シートを敷いて、光反射シートで反射させた赤色光をメロン株20Bに照射するようにする。このようなメロン株20Bへの赤色光の照射により、メロン株20Bの葉にも、葉の表面における光強度が1×1018 photons/m2・sec以上となる赤色光が照射されるようになっている。
また、温室10内には、白色光(400〜800nmを波長帯域とする光)を発光する複数の蛍光灯13も温室10内の天井近傍に設けられている。複数の蛍光灯13は、太陽光が照射されない時間帯、特に日没後の所定時間及び日の出前の所定時間に渡って点灯され、日照時間が短い冬場などに太陽光の照射を補う。なお、夜間にも蛍光灯13を点灯するようにしてもよい。温室10内には、気温の低い冬場などに温室10内の温度を高めるために、暖房装置14も設けられている。さらに、温室10内には、メロン株20A,20Bが植えられた土壌近傍位置に、メロン株20A,20Bに水を与えるためのパイプなどを備えた図示しない給水装置も設けられている。
このように構成した温室10においては、太陽光がメロン株20A,20Bに照射される時間帯(すなわち、日中)及び蛍光灯13による白色光がメロン株20A,20Bへ照射される時間帯(例えば、日没後の所定時間及び日の出前の所定時間)に、赤色光光源12が点灯される。これにより、太陽光及び蛍光灯13からの光がメロン株20A,20Bに照射されるのに加えて、赤色光光源12からの赤色光もメロン株20A,20Bに照射される。このように日中及びその前後に赤色光光源12からの赤色光をメロン株20A,20Bに照射する理由は、メロン株に関しては、昼行性害虫であるアザミウマ類の微小害虫(ミナミキイロアザミウマ)による被害が主であるからである。
このような赤色光の照射においては、前述のように、苗状態にあるメロン株20Aに赤色光を照射する場合には、赤色光光源12をメロン株20Aの上方位置に固定して、赤色光をメロン株20Aに照射する。しかし、定植後のメロン株20Bに赤色光を照射する場合には、メロン株20Bの成長に応じて、赤色光光源12の位置、数などを変化させて、赤色光をメロン株20Bに照射する。
このような赤色光の照射により、詳しくは後述する試験結果を用いて説明するように、アザミウマ類の害虫(ミナミキイロアザミウマ)は、赤色光を忌避する。したがって、このようにして、害虫の苗状態にあるメロン株20Aへの産卵(図示X1参照)、害虫の苗状態にあるメロン株20Aへの飛び込み(図示X2参照)、害虫の定植後のメロン株20Bへの飛び込み及び定着(図示X3参照)、害虫の外部から温室10への飛び込み(図示X4参照)などが抑制される。言い換えれば、メロン株20A,20Bである対象植物体への害虫の定着及び産卵を抑制することにより、対象植物体から害虫を除去することになる。
その結果、前記のような赤色光の照射による害虫の除去により、対象植物体に対する害虫による被害を抑えることができる。また、害虫の除去により、対象植物体に薬剤を散布する場合でも、薬剤散布の回数を減らすことができ、害虫の薬剤感受性低下を抑制できるとともに、薬剤の使用寿命を延長させることができる。また、紫外線を対象植物体に照射する場合に比べて、前記実施形態の方法ではコストを低く抑えることができる。
なお、前述のような苗状態にあるメロン株20A及び定植後のメロン株20Bに対する害虫の除去のために、メロン株20A,20Bに赤色光を照射しても、メロンの生育、特にメロン果実の収穫に対する影響は全くなかった。
b.試験
次に、苗状態にあるメロン株20A及び定植後のメロン株20Bに対する害虫(アザミウマ類等の微小害虫)の除去に関し、本発明者が行った第1乃至第10試験について説明する。
b1.第1試験
アザミウマ類等の微小害虫(ミナミキイロアザミウマ)の赤色光に対する忌避についての第1試験を行った。試験装置としては、塩化ビニール製のパイプで25cm×25cm×1.2mの骨組みを作り、上面及び側面を紫外線が透過する農業用ポリ塩化ビニールシートで覆い、底面に光反射シート31を敷いたものを採用した。そして、図3に示すように、光反射シート31の上面において、その延設方向の中央位置(図示X位置)から両側50cmの位置にシャーレをそれぞれ置くとともに、各シャーレの上面に湿らせたろ紙を敷き、シャーレの大きさに合わせて切断したインゲンの一枚の葉32a,32bを各ろ紙の上にそれぞれ載せて、25℃に保たれた室内にて、光反射シート31の全面に照度1000ルクスの蛍光灯の光(白色光)を照射した。なお、前記蛍光灯の1000ルクスの照度とは、一般的な室内の照明程度の明るさである。この条件下で、インゲンの葉32aの20cm上方の位置から、光源33からの赤色光及び青色光をインゲンの葉32aにそれぞれ照射した。この試験で用いた光源33は、赤色光の場合には「CCS社製ISL−150×150H4RR(LED光源)」であり、青色光の場合には「CCS社製ISL−150×150BB(LED光源)」である。
この場合、図3のX位置(インゲンの葉32a,32b間の中央位置)に、メロンを栽培中の温室で採取した15頭のミナミキイロアザミウマの雌成虫を採取直後に放飼し、赤色光をインゲンの葉32aのみに24時間連続して照射した後に、赤色光を照射した側のインゲンの葉32aに定着したミナミキイロアザミウマの数と、赤色光を照射しない側のインゲンの葉32bに定着したミナミキイロアザミウマの数とを計測して、両数を比較した。この赤色光の照射においては、赤色光の照射面(インゲンの葉32aの上面)における赤色光の光強度が1×1017photons/m2・sec、1×1018photons/m2・sec、1×1019photons/m2・secにそれぞれなるように、赤色光の強度を変更した。
また、赤色光の場合と同様にミナミキイロアザミウマの雌成虫を放飼し、青色光をインゲンの葉32aのみに24時間連続して照射した後に、青色光を照射した側のインゲンの葉32aに定着したミナミキイロアザミウマの数と、青色光を照射しない側のインゲンの葉32bに定着したミナミキイロアザミウマの数とを計測して、両数を比較した。この青色光の照射においては、青色光の照射面(インゲンの葉32aの上面)における青色光の光強度が1×1018photons/m2・secになるように、青色光の強度を設定した。
なお、光強度1×1017photons/m2・secは1000ルクスの蛍光灯下で人間が赤色光を認識し難い程度の光の強度であり、光強度1×1018photons/m2・secは1000ルクスの蛍光灯下で人間が赤色光及び青色光を認識できる光の強度である。また、この試験は2反復である。この試験結果を下記表1に示す。なお、表1においては、放飼したミナミキイロアザミウマの総数に対して、インゲンの葉32aに定着したミナミキイロアザミウマの数の割合を太い縦線で示し、インゲンの葉32bに定着したミナミキイロアザミウマの数の割合を斜線で示している。
Figure 0006540944
この試験によれば、赤色光の全ての場合について、ミナミキイロアザミウマは赤色光を照射した側のインゲンの葉32aを忌避して、赤色光を照射しない側(表1の無照射側)のインゲンの葉32bに定着したことが、カイ2乗検定(x2検定)による5%水準での有意差ありとして確認された。なお、この表1及び後述する表2においては、前記有意差ありをマーク「*」により表し、前記有意差なしにはマークを付していない。青色光をインゲンの葉32aに照射した場合には、赤色光の場合とは逆に、ミナミキイロアザミウマは青色光を照射した側のインゲンの葉32aに定着することが確認された。
さらに、前記試験装置を用いて、太陽光が入射するガラスで覆った温室内においても、前記と同様な試験を行った。ただし、この場合には、インゲンの葉32a,32bから図3のX位置(インゲンの葉32a,32b間の中央位置)までの距離を30cmとし、X位置におけるミナミキイロアザミウマの放飼数を30頭とした。そして、両葉32a,32bに対して太陽光を照射し、かつ葉32aのみに対して赤色光を24時間照射する試験を行った。また、赤色光の照射においては、赤色光の照射面(インゲンの葉32aの上面)における赤色光の光強度が1×1017photons/m2・sec、1×1018photons/m2・secにそれぞれなるように、赤色光の強度を2種類で変更し、青色光の照射による試験を省略した。他の条件は、前記試験と同じである。なお、この試験も2反復である。そして、この試験結果を、下記表2に示す。なお、表2の記述態様も、前記表1の記述態様と同じである。
Figure 0006540944
この太陽光による照射下(日光下)における赤色光の連続24時間照射による温室内での試験結果によれば、赤色光の照射面における赤色光の光強度が1×1017photons/m2・secである場合には、ミナミキイロアザミウマは赤色光を照射した側のインゲンの葉32aを忌避して、赤色光を照射しない側のインゲンの葉32bに定着する事実は確認されなかった。しかし、赤色光の照射面における赤色光の光強度が1×1018photons/m2・secである場合には、ミナミキイロアザミウマは赤色光を照射した側のインゲンの葉32aを忌避して、赤色光を照射しない側のインゲンの葉32bに定着した事実が確認された。これらから、太陽光の照射下に加えた赤色光の照射においては、照射面における赤色光の光強度が1×1018photons/m2・sec以上であれば、ミナミキイロアザミウマは赤色光を忌避することが分かる。
b2.第2試験
次に、定植後のメロン株におけるアザミウマ類の害虫の赤色光に対する忌避についての第2試験を行った。この試験においては、温室内でメロン株の苗を定植し、定植後のメロン株に対して、太陽光の照射(日中のみの白色光の照射)に加えて、赤色光、青色光及び白色光を14日間それぞれ照射し続けた。また、赤色光、青色光及び白色光を全く照射しない場合の前記試験も行った。なお、この場合には、赤色光、青色光及び白色光を照射せず、温室内で日中の太陽光のもとで育てた育苗苗を定植苗として用いた。そして、定植から7日後及び14日後のメロン株に寄生するミナミキイロアザミウマの1株当たりの幼虫及び成虫の数を調べた。すなわち、赤色光、青色光及び白色光の24時間の連続照射と、赤色光、青色光及び白色光の無照射との4試験区によるミナミキイロアザミウマの定着の差を調べた。なお、この試験においては、1株のメロン株について2反復で行った。
さらに、この第2試験においては、日数が増すと、ミナミキイロアザミウマにより葉が食べられて葉の総面積が大きく変化するので、14日後の1株当たりの葉の総面積も調べた。そして、幼虫及び成虫の数を葉の総面積で除算して、単位面積当たりの幼虫及び成虫の数を計算して試験結果とした。
この場合の照射は、定植直後には、メロン株の直上20cmの位置に赤色光光源、青色光光源及び白色光光源をそれぞれ位置させた。しかし、定植後のメロン株の生長は比較的速いので、メロン株の成長に伴い、赤色光光源、青色光光源及び白色光光源をそれぞれ徐々に上方に移動させ、メロン株の上端の直上20cmの位置から常に赤色光、青色光及び白色光がそれぞれ照射されるようにした。また、赤色光光源としては、前記実施形態で用いた「鍋清株式会社製の商品名DELED Plants(LED光源)」を用い、メロン株の上部の赤色光の照射面における赤色光の光強度は1.5×1019photons/m2・secである。青色光光源としては、図2に点線で示す特性の波長帯域400〜500nmを有する青色光を発光する「鍋清株式会社製の商品名DELED Plants(LED光源)」を用い、メロン株の上部の青色光の照射面における青色光の光強度は1.2×1019photons/m2・secである。白色光光源としては、図2に破線で示す特性の波長帯域400〜800nmを有する白色光を発光する「パナソニック製の商品名LDA6N−H昼光色(LED光源)」を用い、メロン株の上部の白色光の照射面における白色光の光強度は1.2×1019photons/m2・secである。
この試験結果を下記表3に示す。なお、下記表3における符号a,b,c,dは、各試験区における値が他の符号が付された他の試験区の値に対して、テューキー(Turkey)のHSD検定による5%水準での有意差ありとして確認されたことを示す。そして、同一の符合が付された複数の異なる試験区における値に関しては、各値間で前記有意差なしとして確認されたことを示す。また、複数の符合(例えば、符号a,b)の付された試験区における値に関しては、複数の符合のうちの一方の符号(例えば、符号a又は符号b)が付された他の試験区における値に対して前記有意差なしとして確認されたことを示す。この種の符号に関しては、後述する表4〜6でも同様である。
Figure 0006540944
この試験結果によれば、7日後では、赤色光及び青色光の試験区で成虫及び幼虫の数は、無照射の試験区の成虫及び幼虫の数に比べて少なくなった。しかし、14日後では、全ての試験区で成虫及び幼虫の数はあまり変わらない。これは、白色光及び無照射の試験区では、幼虫及び成虫によって葉が食べられて、葉の面積が非常に小さくなっているためであると考えられる。そこで、葉の単位面積当たりの幼虫及び成虫の数を参照すると、赤色光の試験区の幼虫の数は無照射の試験区の幼虫の数の1/18以下になり、赤色光の試験区の成虫の数は無照射の試験区の成虫の数の1/3以下になっている。ただし、赤色光の試験区の幼虫及び成虫の数は青色光及び白色光の試験区の幼虫及び成虫の数に対して、前記有意差は確認されない。しかし、赤色光の試験区における葉の総面積は他の試験区の葉の総面積に比べて極めて大きい。これは、メロン株の上方からの赤色光の照射では、赤色光は上側の葉に遮られて下側の葉にまで届き難いことが理由であると推定される。したがって、赤色光の照射はミナミキイロアザミウマの密度抑制に有効であったと考えられる。また、この赤色光の遮りを考慮して、赤色光をメロン株の横方向から照射するなどの対策も考える必要がある。
b3.第3試験
次に、赤色光の直接照射によるミナミキイロアザミウマの孵化抑制効果についての第3試験を行った。この試験においては、恒温室内において、プラスチックシャーレに、湿らせたろ紙と、約2cm四方に切断したインゲンの葉と、メロン温室で捕獲した10頭のミナミキイロアザミウマの雌成虫とを入れ、赤色光及び青色光をそれぞれ上面から24時間に渡って照射するとともに、赤色光及び青色光を照射しない試験(無照射の試験)も行った。すなわち、この試験では、赤色光24時間照射、青色光24時間照射及び無照射の3試験区に分けた。この場合、赤色光光源としては「CCS社製の商品名ISL−150×150H4RR:660nm(LED光源)」を用いるとともに、青色光光源としては「CCS社製の商品名ISL−150×150BB:470nm(LED光源)」を用い、これらの赤色光光源及び青色光光源をプラスチックシャーレの上方20cmの位置にそれぞれ位置させて、ろ紙及びインゲンの葉の赤色光及び青色光の照射面(インゲンの葉の表面)における赤色光及び青色光の光強度がそれぞれ1×1018photons/m2・secになるように、赤色光及び青色光の強度を設定した。また、全ての試験区において、プラスチックシャーレは、16時間点灯かつ8時間消灯の約1000ルクスの蛍光灯下に置かれた。すなわち、無照射区においても、プラスチックシャーレは16時間点灯かつ8時間消灯の約1000ルクスの蛍光灯下に置かれた。
この24時間に渡る赤色光及び青色光のそれぞれ照射後、並びに24時間に渡る無照射後、雌成虫を全て取出し、プラスチックシャーレを、前記と同じ1日当たり16時間点灯かつ8時間消灯の蛍光灯による照射条件下におき、96時間後に孵化した幼虫数を調べた。試験は、各試験区を、10反復で行った。この試験結果を下記表4に示す。
Figure 0006540944
この試験結果によれば、赤色光照射区における第一世代の幼虫の孵化数は減少し、無照射区に対する減少に対してテューキー(Turkey)のHSD検定による5%水準での有意差ありとして確認された。ただし、赤色光照射区における孵化数の減少は青色光照射区における孵化数の減少よりも大きいが、テューキー(Turkey)のHSD検定による5%水準での有意差ありとは確認されなかった。なお、24時間に渡る赤色光及び青色光の照射、並びに24時間に渡る無照射の直後には、全ての雌成虫は生存していた。
b4.第4試験
次に、メロン育苗期間における赤色光の照射によるミナミキイロアザミウマの密度抑制効果及び植物体への影響についての第4試験を行った。この試験においては、メロン(品種:アールス雅春秋系)の種を2日間に渡って水に浸漬し、発根が確認できた種をプラスチックポットに播種し、赤色光光源からの赤色光を播種した種(育苗苗)に育苗期間中照射した。赤色光光源としては、「鍋清株式会社製の商品名DPDL−R−9W:波長620−630nm(LED光源)」を用いた。この試験では、24時間照射、12時間昼間照射、12時間夜間照射及び無照射の4試験区に分けて、赤色光を照射した。この場合、ポットを温室内に配置し、1つの赤色光光源で5ポットを同時に照射した。また、赤色光光源の高さはポットの上面から110cmの高さであり、ポット上面の赤色光の照射面における赤色光の光強度が1×1018photons/m2・secになるように、赤色光の強度を設定した。そして、照射開始から7日後、14日後及び21日後のミナミキイロアザミウマの幼虫数、成虫数及び本葉数を調べた。また、21日後の育苗苗を温室内に定植し、定植から雌花開花までの日数も併せて調べた。なお、本葉数とは、種から発芽した双葉を除く葉の数である。試験は、1区5株とし、6反復で行った。この試験結果を下記表5に示す。なお、下記表5においては、本葉数を省略している。
Figure 0006540944
この試験結果によれば、播種21日後のミナミキイロアザミウマの幼虫及び成虫の発生数は、無照射区に対して、赤色光の24時間照射区及び12時間昼間照射区で減少したことがテューキー(Turkey)のHSD検定による5%水準での有意差ありとして確認された。また、本葉数(データ省略)及び雌花開花日数に対する影響は見られなかった。
b5.第5試験
次に、メロンの定植後における赤色光の照射によるミナミキイロアザミウマの密度抑制効果及び天敵の植物体上の定着への影響についての第5試験を行った。この試験においては、メロン(品種:アールス雅春秋系)を温室内に定植し、メロン株の定植直後(赤色光の照射開始直後)、メロン株の定植から14日後、28日後、42日後及び56日後における、1葉当たりのミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数を調べた。また、前記14日後、28日後及び42日後における本葉数を調べるとともに、定植から雌花開花までの日数も合わせて調べた。前記56日後の本葉数を調べない理由は、42日間のメロン株の成長のために、メロン株の上部をカットしたためである。さらに、メロン株の定植から14日後、28日後、42日後及び56日後における、ミナミキイロアザミウマの天敵であるスワルスキーカブリダニの数も調べた。なお、定植前のメロン株の苗は、ミナミキイロアザミウマがほとんど侵入しない閉鎖空間で育てられており、定植直後のミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数は極めて少ない。また、スワルスキーカブリダニは、メロン株の定植時に、農業使用登録上の使用量(1アール当たり250mlの容器に入った量のスワルスキーカブリダニの量)に準じて放飼された。
この場合、スワルスキーカブリダニを放飼したうえで赤色光を24時間にわって連続照射する第1試験区、スワルスキーカブリダニを放飼することなく赤色光を24時間に渡って連続照射する第2試験区、赤色光を照射することなくスワルスキーカブリダニの放飼のみを行った第3試験区、及び赤色光の照射及びスワルスキーカブリダニの放飼の両方を行わない無処理の第4試験区に分けて行った。また、赤色光を発光する赤色光光源としては、「鍋清株式会社製の商品名DPDL−R−9W:620−630nm(LED光源)」を用いた。また、赤色光光源の高さに関しては、定植から21日目までは、メロンの生長点の赤色光の照射面における赤色光の光強度が1×1018photons/m2・sec以上になるように、メロンの生長点と赤色光光源間の距離を110cmに調整し、定植から21日目以降には赤色光光源の高さを固定した。
また、この試験においては、各試験区ごとに12株のメロン株を採用して、両端の2株ずつを除く8株を調査対象とし、各メロン株の上部位置と下部位置の2つの葉をそれぞれ抽出して、1葉当たりのミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数を調べた。そして、試験は3反復行った。この試験結果であるミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数を下記表6に示す。
Figure 0006540944
また、本葉数及び雌花開花までの日数に関する試験結果を下記表7に示し、スワルスキーカブリダニの数に関する試験結果を下記表8に示す。
Figure 0006540944
Figure 0006540944
この試験結果によれば、第1乃至第3試験区の赤色光の照射又はスワルスキーカブリダニの放飼により、定植42日後からミナミキイロアザミウマの幼虫及び成虫の発生数の減少は、第4試験区の無処理の場合に対して激減したことがテューキー(Turkey)のHSD検定による5%水準での有意差ありとして確認された(表6参照)。また、赤色光の照射及びスワルスキーカブリダニの放飼は、本葉数及び雌花開花日数に対して影響しないことも確認された(表7参照)。また、スワルスキーカブリダニの数の減少に関しては、赤色光を照射した場合と赤色光を照射しない場合とでは、定植から28日以降はほとんど変わらないことも確認された(表8参照)。さらに、表6と表8を参照すれば、赤色光の照射はスワルスキーカブリダニ(ミナミキイロアザミウマの天敵)のメロン株への定着に対して影響なく、赤色光の照射とスワルスキーカブリダニの放飼との併用は可能かつ有効であることが理解できる。
b6.第6試験
次に、赤色光の照射が、アザミウマ類に属するミカンキイロアザミウマの産卵、孵化及び次世代幼虫数に与える影響についての第6試験を行った。試験装置としては、直径25mm及び高さ25mmのガラス管の両面に、粘着性かつ伸長性を有するポリエチレン・ブタジエン・ラバーフィルム(東京硝子器械株式会社製・商品名ノビックス)を貼り付けたものを用いた。以下、このポリエチレン・ブタジエン・ラバーフィルムを単にラバーフィルムという。
まず、ミカンキイロアザミウマの産卵の試験について説明する。ガラス管の下面にラバーフィルムを貼り付けて下面を閉じ、ガラス管内へ5頭のミカンキイロアザミウマの雌成虫を入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れた。そして、ガラス管の上面にラバーフィルムを貼り付けて上面を閉じ、上面のラバーフィルム上に水を滴下し、その上にラバーフィルムを別途貼り付けた。これは、ミカンキイロアザミウマに、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルムを植物の葉と誤認させるためである。
そして、赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。赤色光照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、赤色光光源からの赤色光を24時間連続照射した後に、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルム間の水中に産卵された卵数を計測した。赤色光光源としては「CCS社製ISL−150×150H4RR(LED光源)を用い、ガラス管に、約1×1018photons/m2・secの光強度の赤色光を照射した。また、無照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、24時間後に、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルム間の水中に産卵された卵数を計測した。なお、ガラス管は、赤色光照射区及び無照射区の両区にて共に、蛍光灯が16時間点灯されるとともに8時間消灯され、かつ25℃の環境下に置かれた。試験は、20反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。この試験結果である1頭の雌成虫当たりの卵数を下記表9に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ミカンキイロアザミウマの産卵数は、赤色光を照射することで無照射と比べて少なくなったことが確認された。そして、赤色光の照射が、ミカンキイロアザミウマの産卵に与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとして確認された。
また、ミカンキイロアザミウマの孵化率の試験について説明する。この場合も、前記産卵数の試験と同様に、ガラス管内へ5頭のミカンキイロアザミウマの雌成虫を入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れ、かつ赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。
この試験では、赤色光照射区と無照射区との両試験区で、それぞれ5頭のミカンキイロアザミウマの雌成虫に24時間産卵させ、ガラス管から雌成虫を取出した後に、卵数を計測する。この24時間の産卵においても、ガラス管は、蛍光灯が16時間点灯されるとともに8時間消灯され、かつ25℃の環境下に置かれた。なお、この24時間の産卵においては、赤色光照射区でも赤色光は照射されてない。
その後、赤色光照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、赤色光光源からの赤色光を96時間連続照射した後に、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルム間における未孵化の卵数を計測し、幼虫の孵化率を計算した。なお、この場合も、赤色光光源としては「CCS社製ISL−150×150H4RR(LED光源)を用い、ガラス管に、約1×1018photons/m2・secの光強度の赤色光を照射した。また、無照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、96時間後に、前記と同様にして、幼虫の孵化率を計算した。なお、この96時間の間、ガラス管は、赤色光照射区及び無照射区の両区にて共に、蛍光灯が16時間点灯されるとともに8時間消灯され、かつ25℃の環境下に置かれた。試験は、10反復行い、カイ二乗検定により統計処理を行った。この試験結果を下記表10に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ミカンキイロアザミウマの孵化率は、赤色光を照射することで無照射と比べて低下することが確認された。そして、赤色光の照射が、ミカンキイロアザミウマの孵化に与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、カイ二乗検定により5%水準で有意差ありとして確認された。
また、ミカンキイロアザミウマの孵化幼虫数の試験について説明する。この場合も、前記産卵数及び孵化率の試験と同様に、ガラス管内へ5頭のミカンキイロアザミウマの雌成虫を入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れ、かつ赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。
この試験では、前記孵化率の試験と同様に、5頭のミカンキイロアザミウマの雌成虫に24時間産卵させ、ガラス管から雌成虫を取出す。そして、赤色光照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、赤色光光源からの赤色光を96時間連続照射した後に、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルム間における幼虫数を計測した。なお、この場合も、赤色光光源としては「CCS社製ISL−150×150H4RR(LED光源)を用い、ガラス管に、約1×1018photons/m2・secの光強度の赤色光を照射した。また、無照射区では、ガラス管を蛍光灯下に設置して、96時間後に、前記と同様にして、幼虫数を計測した。なお、この96時間の間、ガラス管は、赤色光照射区及び無照射区の両区にて共に、蛍光灯が16時間点灯されるとともに8時間消灯され、かつ25℃の環境下に置かれた。試験は、10反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。この試験結果である次世代幼虫数を、下記表11に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ミカンキイロアザミウマの次世代幼虫数は、赤色光を照射することで無照射と比べて少なくなったことが確認された。そして、赤色光の照射が、ミカンキイロアザミウマの次世代へ与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとして確認された。
このような第6試験によれば、赤色光の照射が、ミカンキイロアザミウマの産卵、孵化及び次世代幼虫数を抑制することに対して、有効であることが判明した。したがって、赤色光の照射は、ミカンキイロアザミウマによる植物への被害も抑制できることが判明した。
b7.第7試験
次に、赤色光の照射が、アザミウマ類に属するヒラズハナアザミウマの産卵、孵化及び次世代幼虫数に与える影響についての第7試験を行った。試験装置に関しては、上記第6試験の場合と同様な装置を用いる。
まず、ヒラズハナアザミウマの産卵の試験について説明する。この場合も、上記第6試験における産卵の試験の場合と同様に、5頭のヒラズハナアザミウマの雌成虫をガラス管内に入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れた。
そして、赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。この試験では、赤色光照射区では赤色光光源からの赤色光を48時間連続照射した後に産卵された卵数を計測する点、無照射区では48時間後に産卵された卵数を計測する点で、上記第6試験における産卵数の試験とは異なる。しかし、赤色光光源、赤色光の強度、環境温度、蛍光灯の点灯時間及び消灯時間については上記第6試験における産卵の試験と全く同じであるので、詳しい説明を省略する。また、試験は、10反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。この試験結果である1頭の雌成虫当たりの卵数を下記表12に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ヒラズハナアザミウマの産卵数は、赤色光を照射することで無照射と比べて少なくなったことが確認された。しかし、赤色光の照射が、ヒラズハナアザミウマの産卵に与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとは確認されなかった。
また、ヒラズハナアザミウマの孵化率の試験について説明する。この場合も、前記第6試験における孵化率の試験と同様に、ガラス管内へ5頭のヒラズハナアザミウマの雌成虫を入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れ、かつ赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。
この試験では、5頭のヒラズハナアザミウマの雌成虫に48時間産卵させ、雌成虫を取出した後に卵数を計測する。この48時間の産卵においても、ガラス管は、蛍光灯が16時間点灯されるとともに8時間消灯され、かつ25℃の環境下に置かれた。なお、この48時間の産卵においては、赤色光照射区でも赤色光は照射されてない。
その後、赤色光照射区では、赤色光光源からの赤色光を144時間連続照射した後に、未孵化の卵数を計測して、幼虫の孵化率を計算した。また、無照射区では、144時間後に、未孵化の卵数を計測して、幼虫の孵化率を計算した。この試験における赤色光光源、光色光の強度、環境温度、蛍光灯の点灯時間及び消灯時間については上記第6試験における孵化率の試験と全く同じであるので、詳しい説明を省略する。そして、試験は、10反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。この試験結果を下記表13に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ヒラズハナアザミウマの孵化率は、赤色光を照射することで無照射と比べて低下することが確認された。しかし、赤色光の照射が、ヒラズハナアザミウマの孵化率に与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとは確認されなかった。
また、ヒラズハナアザミウマの孵化幼虫数の試験について説明する。この場合も、前記第6試験における孵化幼虫数の試験と同様に、ガラス管内へ5頭のヒラズハナアザミウマの雌成虫を入れるとともに、餌としてチャの花粉を入れ、かつ赤色光光源からの赤色光を照射する赤色光照射区と、赤色光をしない無照射区での試験を行った。
この試験では、前記孵化率の試験と同様にして、5頭のヒラズハナアザミウマの雌成虫に48時間産卵させ、ガラス管から雌成虫を取出す。そして、赤色光照射区では、赤色光光源からの赤色光を144時間連続照射した後に、ガラス管の上面の2枚のラバーフィルム間における幼虫数を計測した。また、無照射区では、144時間後に、前記と同様にして、幼虫数を計測した。この試験における赤色光光源、光色光の強度、環境温度、蛍光灯の点灯時間及び消灯時間については上記第6試験における孵化幼虫数の試験と全く同じであるので、詳しい説明を省略する。そして、試験は、10反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。この試験結果を下記表14に示す。
Figure 0006540944
この試験によれば、ヒラズハナアザミウマの次世代幼虫数は、赤色光を照射することで無照射と比べて少なくなったことが確認された。しかし、赤色光の照射が、ヒラズハナアザミウマの次世代へ与える影響は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとは確認されなかった。
このような第7試験によれば、赤色光の照射が、ヒラズハナアザミウマの産卵、孵化及び次世代幼虫数を抑えることに対して、有効であることが判明した。したがって、赤色光の照射は、ヒラズハナアザミウマによる植物への被害も抑制できることが判明した。
b8.第8試験
次に、赤色光の照射が、アザミウマ類に属するミカンキイロアザミウマ及びヒラズハナアザミウマ、並びにアザミウマ類に属さないオンシツコナジラミ及びワタアブラムシの移動分散に与える影響についての第8試験を行った。試験装置としては、図4に示すように、縦40cm、横40cm及び高さ40cmを有する立方体状の3つの透明のプラスチック製の容器41,42,43を蛍光灯下に横1列に並べ、赤色光光源44として「CCS社製の商品名ISL−150×150H4RR(LED光源)」を容器41の上方に位置させた。図4において、容器41の左面、上面及び下面は閉止され、容器41の右面は解放され、かつ容器41の前面及び後面には細かな網が設けられている。容器42の上面及び下面は閉止され、容器42の左面及び右面は解放され、かつ容器42の前面及び後面には細かな網が設けられている。容器43の右面、上面及び下面は閉止され、容器43の左面は解放され、かつ容器43の前面及び後面には細かな網が設けられている。これにより、容器41,42,43により、外部からは遮断され、かつ内部に直方体状の連続した空間が形成されている。また、前記内部の空間は前後面から通気される。
そして、容器41,43の底面中央にインゲンの株(初生葉展開期)45a,45bをそれぞれ置き、インゲンの株45aには、赤色光光源から、約1×1018photons/m2・secの光強度の赤色光が照射されるようにした。この場合、赤色光を照射した試験区(容器41)を赤色光照射区とし、赤色光が照射されない試験区(容器43)を無照射区とする。
そして、ミカンキイロアザミウマの雌成虫、ヒラズハナアザミウマの雌成虫、オンシツコナジラミの雄雌成虫及びワタアブラムシの有翅虫(雌)をそれぞれ50頭ずつ、容器42に放飼して、48時間後にインゲンの株45a,45bに移動した虫数を計測した。試験は、温度25℃かつ蛍光灯照射条件下(16時間点灯及び8時間消灯)と、温度25℃かつ蛍光灯無照射条件下との2条件下で行った。試験は、3反復行い、StudentのT検定により統計処理を行った。蛍光灯照射条件下での試験結果を下記表15に示すとともに、蛍光灯無照射条件下での試験結果を下記表16に示す。なお、表15,16中における「*」は有意差ありを表し、「**」は顕著に有意差ありを表し、「n・s」は有意差なしを表している。
Figure 0006540944
Figure 0006540944
この蛍光灯照射条件下での試験結果によれば、ミカンキイロアザミウマ及びヒラズハナアザミウマは、無照射区と比べ、赤色光照射区への移動分散が減少することが確認された。そして、赤色光の照射が、前記赤色光照射区への移動分散の減少は、赤色光照射区と無照射区とで、StudentのT検定により5%水準で有意差ありとして確認された。しかし、アザミウマ類に属さないオンシツコナジラミ及びワタアブラムシの移動分散は無照射区と赤色光照射区とで差がないことが確認された。また、蛍光灯無照射条件下での試験結果によれば、ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、オンシツコナジラミ及びワタアブラムシの全てが、赤色光照射区に多く移動した。
なお、この試験には影響しなかったと思われるが、48時間の試験中の環境温度の変化も測定したので、その測定結果を示しておく。図5は、蛍光灯照射条件下における48時間の試験中の環境温度の変化を示している。図6は、蛍光灯無照射条件下における48時間の試験中の環境温度の変化を示している。図5,6においては、実線により赤色光照射区の温度変化を示し、破線により無照射区の温度変化を示している。蛍光灯照射条件下における環境温度の大きな変化は、蛍光灯の点灯及び消灯によるものと思われる。また、環境温度の細かな変化は、温度を25℃に保つためのエアーコンディショナーの作動変化によるものと思われる。
この第8試験によれば、蛍光灯照射条件下では、赤色光照射が、アザミウマ類に属するミカンキイロアザミウマ及びヒラズハナアザミウマの植物体上への移動分散阻害があることが明らかとなった。一方、アザミウマ類に属さないオンシツコナジラミ及びワタアブラムシについては、赤色光の照射の影響は見られなかったことが分かる。
b9.第9試験
次に、光反射シートとの併用による赤色光の照射が、ミナミキイロアザミウマの密度抑制に与える影響についての第9試験を行った。試験装置としては、図7(A)の断面図で示すように、ビニールハウス内に設置され、上方を解放させて方形状に形成されたベンチ51内に土により畝52を形成し、12本のメロン53(53〜5312)を畝52に沿って等間隔で順に一列に定植した。メロン53〜5312は、5月14日に播種したメロン株を6月4日に定植した。そして、後述する第1及び第3試験区において、白色に光る光反射シート54(デュポン社製の商品名タイベック400WP)を、メロン53〜5312の両側にてベンチ51の全体を覆うように配置した。また、後述する全ての試験区において、定植時にベストガード粒剤を1株当たり2gずつ散布した。
この試験では、赤色光照射及び光反射シート配置を第1試験区とし、赤色光照射のみを第2試験区とし、光反射シート配置のみを第3試験区とし、無処理を第4試験区とした。この場合、第1及び第2試験区では、5つの赤色光光源55を、12本のメロン53〜5312のうちの両端に位置するメロン53,5312を除く10本のメロン53〜5311に対して、メロン53,53、メロン53,53、メロン53,53、メロン53,53及びメロン5310,5311の各中間位置の上方に配置した。赤色光光源55としては、鍋清株式会社製の商品名DPDL−R−9W:波長620−630nm(LED光源)を用いた。10本のメロン53〜5311の生長点での光強度が、約1×1018photons/m2・sec以上になるように、24時間連続で照射した。
そして、第1乃至第4試験区において、定植日(6月4日)から収穫期である8月13日まで2週間ごとに、両端のメロン53,5312を除く10本のメロン53〜5311の上位葉、中位葉及び下位葉の3葉に寄生するミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数を計測した。第1乃至第4試験区における各試験は、3反復でそれぞれ行った。また、花芽形成への影響も調べるため、最初の雌花開花までの日数も調べた。
図8は、第1乃至第4試験区におけるメロン30株当たりのミナミキイロアザミウマの幼虫及び成虫の合計数の変化をそれぞれ示すグラフである。下記表17は、第1乃至第4試験区における雌花開花日までの日数を示す。
Figure 0006540944
この第9試験によれば、第1試験区(赤色光と光反射シートの併用区)、第2試験区(赤色光区)及び第3試験区(光反射シート区)では、収穫期におけるミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数が無照射区よりも少なくなった。特に、第1試験区(赤色光と光反射シートの併用区)では、収穫期におけるミナミキイロアザミウマの幼虫数及び成虫数が最も少なくなった。さらに、赤色光及び光反射シート設置が雌花開花の日数に与える影響は見られなかったことが分かった。したがって、赤色光及び光反射シートを併用することが、有効であることが分かる。
b10.第10試験
次に、メロン以外の植物であるナス及びキュウリに対する光反射シートとの併用による赤色光の照射が、アザミウマの発生密度抑制に与える影響についての第10試験を行った。試験場所としては、面積41m2(間口4.5m及び奥行9m)かつ高さ2,5mのハウス内に、図9に示すように、幅130cmの3本の畝61を設ける。ハウス開口部は1mm目合いの防虫ネットを転張し、サイドビニルは自動巻上げ装置により25℃以下で閉じるようにした。そして、ナス及びキュウリを、株間55cmの間隔でそれぞれ一条植して、1ハウス当たり39株ずつそれぞれ定植した。ナスは5月13日に定植し、キュウリは8月28日に定植した。
第1試験区を赤色蛍光灯区とし、第2試験区を赤色光を照射しない無処理区とした。赤色蛍光灯区では、畝61間に3本ずつ2列の赤色光光源62を均等な間隔で全てのナス及びキュウリの生長点から約20cm上方位置に配置した。赤色光光源62としては、赤色蛍光灯(パナソニック株式会社製の商品名FL20SR、ピーク波長660nm)に、600nm以下の波長を除去する赤色フィルム(パナソニック株式会社製の商品名NK92050R)を巻き付けたものを用いた。なお、各赤色光光源62の長さは、100cmである。光強度に関しては、ナスでは、生長点付近の光強度が、最大値3.9×1019photons/m2・sec、最小値1.3×1018photons/m2・sec及び平均値2.0×1019photons/m2・secであった。キュウリでは、生長点付近の光強度が、最大値2.6×1019photons/m2・sec、最小値8.8×1017photons/m2・sec及び平均値1.6×1019photons/m2・secであった。
そして、赤色蛍光灯区では、ナスに対して定植時である5月13日から7月2日までに渡って、赤色光を24時間連続照射した。また、キュウリに対しては、定植時である8月28日から10月15日までに渡って、赤色光を24時間連続照射した。また、赤色蛍光灯区では、光反射シート(デュポン社製の商品名タイベック700AG)を畝61間の通路に敷いた。
調査方法としては、ナスでは5月20日から7月2日まで7日ごとに7回、キュウリでは9月4日から10月15日まで7日ごとに7回、赤色蛍光灯区及び無処理区でそれぞれ30株の上位及び中位の2葉(計60葉)についてアザミウマ類の生息虫数を調べた。ただし、ナスでは複数種類のアザミウマ類の発生が見られたために、無処理区において、6月24日に葉に生息していたアザミウマ類の成虫28頭を捕獲し、実体顕微鏡で種を同定したところ、ネギアザミウマが54%、ミナミキイロアザミウマが46%であった。キュウリではミナミキイロアザミウマが優占していた。
また、ナスでは5月23日と6月19日に気門封鎖剤を散布した。キュウリでは薬剤散布は行わなかった。
図10(A)は、赤色蛍光灯区及び無処理区における、ナス1葉当たりのアザミウマ類の成虫数の変化をそれぞれ示している。図10(B)は、赤色蛍光灯区及び無処理区における、ナス1葉当たりのアザミウマ類の幼虫数の変化をそれぞれ示している。図11(A)は、赤色蛍光灯区及び無処理区における、キュウリ1葉当たりのミナミキイロアザミウマの成虫数の変化をそれぞれ示している。図11(B)は、赤色蛍光灯区及び無処理区における、キュウリ1葉当たりのミナミキイロアザミウマの幼虫数の変化をそれぞれ示している。
この第10試験によれば、ナスにおいても、赤色蛍光灯区におけるアザミウマ類(ネギアザミウマ及びミナミキイロアザミウマ)の生息密度は、無処理区と比べて減少した。これにより、ナスにおいても、赤色光照射と光反射シートの併用によるアザミウマ類の密度抑制効果があることが分かる。キュウリにおいても、赤色蛍光灯区におけるミナミキイロアザミウマの生息密度は、無処理区と比べて顕著に減少した。これにより、キュウリにおいては、赤色光照射と光反射シートの併用によるミナミキイロアザミウマの密度抑制効果は高いことが分かる。
c.他の適用例
さらに、前記第1乃至第10試験によれば、微小害虫であるアザミウマ類のメロン株上での密度抑制及び産卵抑制を確認した。特に、アザミウマ類に属するミナミキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ及びネギアザミウマなどについて確認した。そして、前記各種アザミウマと同類であるアザミウマ類に属する他害虫も、前記各種アザミウマと類似した性質を有するので、本発明は、前記アザミウマ類に属する他害虫の植物体への定着及び産卵の抑制にも適用され得る。
また、第10試験によれば、ナス及びキュウリにおける、前記アザミウマ類に属する害虫の密度抑制も確認した。したがって、赤色光の照射は、メロンに加えて、ナス及びキュウリにおける、前記アザミウマ類に属する害虫の密度抑制効果もある。また、アザミウマ類の害虫は、メロン、ナス及びキュウリ以外のピーマン、ネギなどの野菜(植物体)、及びカーネーション、バラ、キクなどの花卉(植物体)にも定着するとともに産卵して、これらの植物体に害を与えることは分かっている。したがって、上記実施形態のように、これらの植物体に上記実施形態の赤色光を照射すれば(又は赤色光の照射と光反射シートとを併用すれば)、これらの植物体へのアザミウマ類に属する害虫による被害を防ぐことも可能である。すなわち、本発明の赤色光を照射する(又は赤色光の照射と光反射シートと併用する)対象植物体は、メロン、ナス及びキュウリ以外のピーマン、ネギ、カーネーション、バラ、キクなどの植物体でもよい。
10…温室、11…栽培土壌、12,44,55,62…赤色光光源、13…蛍光灯、14…暖房装置、20A…苗の状態にあるメロン株、20B…定植後のメロン株、31,54…光反射シート、32a,32b,45a,45b…インゲンの葉、33…光源、41〜43…容器、51…ベンチ、52,61…畝、53-5312,53…メロン

Claims (4)

  1. 太陽光が照射される日中に、赤色光光源からの600〜700nmの波長帯域を有する赤色光であって、対象植物体の照射面における光強度が1×10 18 photons/m 2 ・sec以上である赤色光を対象植物体に照射して、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ及びネギアザミウマを含むアザミウマ類に属する害虫の前記対象植物体への定着及び産卵を抑制する植物体の害虫抑制方法。
  2. 前記対象植物体は、メロン、ナス又はキュウリである請求項1に記載した植物体の害虫抑制方法。
  3. 前記対象植物体は、温室内で育成される請求項1又は2に記載した植物体の害虫抑制方法。
  4. 前記対象植物体が植えられた場所に光反射シートを敷いたことを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一つに記載した植物体の害虫抑制方法。
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