JP6540559B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6540559B2
JP6540559B2 JP2016047764A JP2016047764A JP6540559B2 JP 6540559 B2 JP6540559 B2 JP 6540559B2 JP 2016047764 A JP2016047764 A JP 2016047764A JP 2016047764 A JP2016047764 A JP 2016047764A JP 6540559 B2 JP6540559 B2 JP 6540559B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
wheel drive
wheel
state
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016047764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017159844A (ja
Inventor
亮平 湯浅
亮平 湯浅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016047764A priority Critical patent/JP6540559B2/ja
Publication of JP2017159844A publication Critical patent/JP2017159844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6540559B2 publication Critical patent/JP6540559B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、駆動力伝達軸の前輪側と後輪側とに設けられた2つの断接機構を備え、二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替え可能な車両の制御装置に関するものである。
駆動輪に駆動トルクを伝達する二輪駆動状態と駆動輪および従動輪に駆動トルクを伝達する四輪駆動状態とを切り替え可能な車両として、通常は二輪駆動状態で走行し、駆動輪が空転すると従動輪にも駆動トルクを自動的に伝達する所謂スタンバイ式の四輪駆動車両が従来から知られている。
このようなスタンバイ式の四輪駆動車両には、車速センサにより駆動輪の空転が検知されると、電子制御式の多板クラッチで従動輪に駆動トルクを伝達する電子制御スタンバイ式のものが良く知られている。
また、スタンバイ式の四輪駆動車両として、電子制御式の多板クラッチに加えて、駆動力伝達軸(例えばプロペラシャフト)の前輪側(例えば駆動側)と後輪側(例えば従動側)とに設けられた2つの断接機構を備えるディスコネクト式のものもある(例えば特許文献1参照)。このようなディスコネクト式の四輪駆動車両では、二輪駆動状態において2つの断接機構を解放して駆動力伝達軸等を回転停止させることで、二輪駆動状態において2つの断接機構のうちの一方のみを解放する場合と比べて、燃費を向上させることができる。
特表2014−508674号公報
ところで、電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両では、二輪駆動状態において、(1)センサ等により駆動輪の空転が検知されると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(2)カップリング電流がONとなり(多板クラッチが制御され)、(3)四輪駆動トルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
これに対し、ディスコネクト式の四輪駆動車両では、二輪駆動状態において、(1)センサ等により駆動輪の空転が検知されると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(2)前後の断接機構が接続され、(3)カップリング電流がONとなり、(4)四輪駆動トルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
このように、ディスコネクト式の四輪駆動車両では、前後の断接機構の接続という工程が増えるため、如何に素早く切り替えても、電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両よりも、トラクション発生が遅れることになる。このようなトラクション発生の遅れは、通常は問題とならないが、滑りやすい路面での急発進や加速時におけるタイヤの空転を防ぐTRC(TRaction Control)や、カーブを曲がる時に起こりやすい横滑りを抑えて車両を安定させるVSC(Vehicle Stability Control)を、運転者がOFFにするような状況下では問題となる場合がある。
すなわち、運転者が意図的にTRC制御やVSC制御をOFFにする状況というのは、一般的に滑り易い路面において駆動力を必要とする場面であるため、タイヤの駆動力を路面に伝える能力であるトラクション性能が要求されることから、そもそも四輪駆動状態となっていることが望ましい。しかしながら、ディスコネクト式の四輪駆動車両では、このようなトラクション性能が要求される場面において、二輪駆動状態から四輪駆動状態に切り替わる際、前後の断接機構の接続の分だけ、電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両よりもトラクション発生が遅れるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、駆動力伝達軸の前輪側と後輪側とに設けられた2つの断接機構を備える車両の制御装置において、トラクション性能が要求される場面におけるトラクション発生の遅れを抑えることにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る車両の制御装置では、機構によるトラクション発生の遅れを、四輪駆動状態への切り替え指示タイミングを早めることでカバーするようにしている。
具体的には、本発明は、駆動力伝達軸の前輪側と後輪側とに設けられた2つの断接機構を備え、二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替え可能な車両に適用される制御装置を対象としている。
そして、上記車両は、車輪の空転および/または当該車両の横滑りを抑えるために駆動トルクを低減するトルク低減制御のON/OFFを、運転者の操作によって切り替える切替手段をさらに備えており、運転者の上記切替手段の操作によってトルク低減制御がOFFに切り替えられたときに、四輪駆動状態の場合には四輪駆動状態を維持する一方、二輪駆動状態の場合には四輪駆動状態に切り替えることを特徴とするものである。
ところで、従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両では、例えば二輪駆動状態において、(1)トルク低減制御のOFF操作が行われた後、(2)センサ等により駆動輪の空転が検知されると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(3)カップリング電流がONとなり、(4)四輪駆動トルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
これに対し、本発明によれば、例えば二輪駆動状態において、(1)トルク低減制御のOFF操作が行われると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(2)前後の断接機構が接続され、(3)カップリング電流がONとなり、(4)四輪駆動トルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
このように、トルク低減制御のOFF操作が行われた場合には、トラクション性能が要求される場面と捉え、直ちに四輪駆動状態へと切り替えることにより、前後の断接機構の接続という工程が増えも、トラクション発生の遅れを抑えることができる。
すなわち、本発明によれば、2つの断接機構を備えることで燃費の向上を図りつつ、従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両に比してトラクション発生が遅れるのを抑えることができる。
以上説明したように、本発明に係る車両の制御装置によれば、トラクション性能が要求される場面におけるトラクション発生の遅れを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る車両の概略構成を示す図である。 トルク低減制御の解除から四輪駆動トルク発生までの手順を模式的に説明する図であり、同図(a)は従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両に関するものであり、同図(b)は一般的なディスコネクト式の四輪駆動車両に関するものであり、同図(c)は本実施形態の車両に関するものである。 ECUが実行する処理のフローチャートを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両1の概略構成を示す図である。この車両1は、FF車ベースの四輪駆動車両であり、図1に示すように、エンジン6と、左右の前輪2,3と、左右の後輪4,5と、自動変速機7と、フロントデフ8と、フロント側断接機構9と、ドリブンピニオン12と、プロペラシャフト(駆動力伝達軸)13と、カップリング14と、ドライブピニオン15と、リヤ側断接機構16と、リヤデフ17と、ECU(Electronic Control Unit)18と、を備えている。
左右の前輪2,3は、二輪駆動状態(以下、2WD状態ともいう)および四輪駆動状態(以下、4WD状態ともいう)の両状態において駆動輪となる主駆動輪を構成している。また、左右の後輪4,5は、2WD状態では従動輪となる一方、4WD状態では駆動輪となる副駆動輪を構成している。
フロントデフ8は、デフケース8aと、当該デフケース8a内に収容されたディファレンシャルギヤ部8bと、を有しており、左右の前輪2,3に適宜差回転を与えつつ動力を伝達するように構成されている。デフケース8aには、自動変速機7の出力ギヤ7aと噛み合うデフリングギヤ8cと、入力軸10に設けられたドリブンギヤ10aと噛み合うドライブギヤ8dとが設けられている。これにより、エンジン6から出力された動力は、自動変速機7およびフロントデフ8を介して入力軸10に入力されるようになっている。
入力軸10は、略円筒状に形成されており、その内側を前輪車軸20が貫通している。入力軸10の軸方向の左端部には、上述したドリブンギヤ10aが設けられている一方、入力軸10の軸方向の右端部には、フロント側断接機構9の一部を構成するドライブギヤ10bが設けられている。入力軸10は、ドリブンギヤ10aがドライブギヤ8dと噛み合うことで、デフケース8aと一体的に回転する。
フロント側断接機構9は、回転部材21と、スリーブ24と、シンクロナイザリング25と、を有している。回転部材21は、略円筒状に形成されており、その内側を前輪車軸20および入力軸10が貫通している。回転部材21の軸方向の左端部には、ドリブンピニオン12と噛み合うトランスファーリングギヤ23が設けられている一方、回転部材21の軸方向の右端部には、ドライブギヤ10bと略同径のドリブンギヤ22が設けられている。スリーブ24は、略円筒状に形成されており、その内周側には、ドライブギヤ10bおよびドリブンギヤ22と噛合可能な内周歯が形成されている。スリーブ24は、ECU18により制御されるアクチュエータ11によって軸方向に移動し、ドライブギヤ10bのみと噛み合う位置と、ドライブギヤ10bおよびドリブンギヤ22と噛み合う位置とを採るように構成されている。シンクロナイザリング25は、スリーブ24の内周歯とドリブンギヤ22とを噛み合わせる際にそれらを相互に同期させる同期機構である。
ドリブンピニオン12は、プロペラシャフト13を介してカップリング14に接続されている。
図1は、フロント側断接機構9が解放された状態を示している。この状態では、スリーブ24がドライブギヤ10bのみと噛み合っており、入力軸10と回転部材21との接続が遮断されているので、ドリブンピニオン12およびプロペラシャフト13に動力が伝達されない。一方、スリーブ24が移動されて、スリーブ24がドライブギヤ10bおよびドリブンギヤ22と噛み合うと、フロント側断接機構9が締結されて、入力軸10と回転部材21とが接続されるので、ドリブンピニオン12およびプロペラシャフト13を介してカップリング14に動力が伝達される。
カップリング14は、プロペラシャフト13とドライブピニオン15との間に設けられており、プロペラシャフト13と接続された回転要素14aと、ドライブピニオン15と接続された回転要素14bとの間でトルク伝達を行う。カップリング14は、例えば湿式多板クラッチで構成される公知の電子制御式カップリングであり、カップリング14の伝達トルクを制御することにより、前後輪2,3,4,5のトルク配分を連続的に変更することができるように構成されている。
リヤ側断接機構16は、ドライブピニオン15とリヤデフ17との間に設けられ、これらの間の動力伝達経路を選択的に断接するものであり、回転部材26と、スリーブ29と、シンクロナイザリング30と、を有している。回転部材26は、略円筒状に形成されており、その内側を後輪車軸32が貫通している。回転部材26の軸方向の左端部には、ドライブピニオン15と噛み合うリングギヤ27が設けられている一方、回転部材26の軸方向の右端部には、リヤデフ17に設けられたデフリングギヤ17cと略同径のドライブギヤ28が設けられている。スリーブ29は、略円筒状に形成されており、その内周側には、デフリングギヤ17cおよびドライブギヤ28と噛合可能な内周歯が形成されている。スリーブ29は、ECU18により制御されるアクチュエータ31によって軸方向に移動し、デフリングギヤ17cのみと噛み合う位置と、デフリングギヤ17cおよびドライブギヤ28と噛み合う位置とを採るように構成されている。シンクロナイザリング30は、スリーブ29の内周歯とドライブギヤ28とを噛み合わせる際にそれらを相互に同期させる同期機構である。
図1は、リヤ側断接機構16が解放された状態を示している。この状態では、スリーブ29がデフリングギヤ17cのみと噛み合っており、リヤデフ17と回転部材26との接続が遮断されているので、左右の後輪4,5に動力が伝達されない。一方、スリーブ29が移動されて、スリーブ29がデフリングギヤ17cおよびドライブギヤ28と噛み合うと、リヤ側断接機構16が締結されて、リヤデフ17と回転部材26とが接続されるので、左右の後輪4,5に動力が伝達される。
リヤデフ17は、デフケース17aと、当該デフケース17a内に収容されたディファレンシャルギヤ部17bと、を有しており、左右の後輪4,5に適宜差回転を与えつつ動力を伝達するように構成されている。
ECU(制御装置)18は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUがRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両1の各種制御を実行する。ECU18は、例えば、エンジン6の出力制御、自動変速機7の変速制御、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16の断接制御、カップリング14のトルク容量制御等を実行する。
また、ECU18は、例えばTRC制御やVSC制御などを実行し、低μ路などにおける発進走行時や旋回時の車両の安定性を高めるために、油圧ブレーキ制御回路(図示せず)を介して各車輪2,3,4,5に設けられたホイールブレーキ2WB,3WB,4WB,5WBを制御する。例えば、TRC制御では、ECU18は、例えば主駆動輪である前輪2,3にスリップが発生したと判定すると、スリップ率が予め設定された目標値内に入るようにエンジン6の出力トルクを低下させるとともに、ホイールブレーキ2WB,3WB等を用いてスリップ輪の駆動力を低下させる。また、VSC制御では、ECU18は、車両1の旋回走行時において、舵角、ヨーレート、前後左右加速度などに基づいて車両1のオーバステア傾向またはアンダステア傾向を判定し、そのオーバステアまたはアンダステアを抑制するように、ホイールブレーキ2WB,3WB,4WB,5WBおよびエンジン6の出力トルクを制御する。
本実施形態の車両1の運転席には、TRC制御やVSC制御のON/OFFを、運転者の操作によって切り替え可能な切替スイッチ33が設けられている。これにより、運転者は、その選択によって、例えば、TRC制御をONにすることで、ECU18の制御により、滑りやすい路面で駆動輪が滑ることを防止することができるとともに、TRC制御をOFFにすることによって、雪路等を強引に抜けることができるようになっている。
なお、本実施形態では、TRC制御が、本発明で言うところの「車輪の空転を抑えるために駆動トルクを低減するトルク低減制御」に相当し、また、VSC制御が、本発明で言うところの「車両の横滑りを抑えるために駆動トルクを低減するトルク低減制御」に相当する。また、切替スイッチ33が本発明で言うところの「トルク低減制御のON/OFFを、運転者の操作によって切り替える切替手段」に相当する。
以上のように構成された本実施形態の車両1では、フロント側断接機構9、リヤ側断接機構16およびカップリング14の断接により、2WD走行と4WD走行とが可能となる。
4WDスタンバイ状態での2WD走行では、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16が接続される一方、カップリング14が遮断される。これより、エンジン6からの動力は、自動変速機7およびフロントデフ8を介して左右の前輪2,3に伝達される一方、カップリング14が遮断されるため左右の後輪4,5には伝達されない。
また、4WD走行では、フロント側断接機構9、リヤ側断接機構16およびカップリング14が接続される。これより、エンジン6の動力が自動変速機7およびフロントデフ8を介して左右の前輪2,3に伝達されるとともに、エンジン6の動力の一部がプロペラシャフト13、リヤデフ17等を介して左右の後輪4,5に伝達される。この4WD走行においては、カップリング14の伝達トルクが制御されることで、前後輪2,3,4,5のトルク配分が適宜調整される。
これらの2WD走行および4WD走行は、カップリングのみを備える従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両によっても実現することができるが、本実施形態の車両1では、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16を備えることにより、2WDディスコネクト状態での2WD走行が可能となっている。
すなわち、2WDディスコネクト状態での2WD走行では、フロント側断接機構9、リヤ側断接機構16およびカップリング14が全て遮断される。これより、エンジン6からの動力が左右の前輪2,3に伝達される一方、左右の後輪4,5には伝達されないことで2WDが実現されるのみならず、回転部材21、ドリブンピニオン12、プロペラシャフト13、カップリング14、ドライブピニオン15、回転部材26等の回転要素の回転が停止し、走行中における走行抵抗が低減される。それ故、本実施形態の車両1のように、2つの断接機構を備えた車両では、従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両よりも燃費を向上させることができる。
なお、以下の説明では、2WD状態とは、特に断らない限り、フロント側断接機構9、リヤ側断接機構16およびカップリング14が全て遮断された2WDディスコネクト状態を指すものとする。
もっとも、2つの断接機構を備えた車両では、以下のような問題が生じ得る。すなわち、運転者が切替スイッチ等を操作して意図的にTRC制御やVSC制御をOFFにする状況というのは、一般的に滑り易い路面において駆動力を必要とする場面であるため、タイヤの駆動力を路面に伝える能力であるトラクション性能が要求されることから、そもそも4WD状態となっていることが望ましい。例えばTRC制御は、ONにすることによって出力トルクを低下させて滑りやすい路面で主駆動輪が滑ることを防止することができるが、逆にOFFにすることによって出力トルクを低下させず、4WD状態における主駆動輪および副駆動輪から駆動力を路面に伝えて、雪路を強引に抜けることが可能となる。
しかしながら、2つの断接機構を備えた車両では、このようなトラクション性能が要求される場面において、2WDから4WDに切り替わる際、従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両よりもトラクション発生が遅れるという問題がある。
図2は、トルク低減制御の解除から四輪駆動トルク発生までの手順を模式的に説明する図であり、同図(a)は従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両に関するものであり、同図(b)は2つの断接機構を備えた四輪駆動車両に関するものであり、同図(c)は本実施形態の車両1に関するものである。従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両では、図2(a)に示すように、(1)TRC制御やVSC制御をOFFにした後、(2)センサ等により駆動輪の空転が検知されると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(3)カップリング電流がONとなり(カップリングが接続され)、(4)4WDトルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
これに対し、2つの断接機構を備えた四輪駆動車両では、図2(b)に示すように、(1)TRC制御やVSC制御をOFFにした後、(2)センサ等により駆動輪の空転が検知されると、四輪駆動状態へと切り替えるよう制御装置から指示が出され、(3)前後の断接機構が接続され、(4)カップリング電流がONとなり、(5)4WDトルクが発生して、四輪駆動状態が成立する。
このように、2つの断接機構を備えた車両では、従来の電子制御スタンバイ式の四輪駆動車両よりも燃費を向上させることができる反面、2つの断接機構の接続の分だけトラクション性能が要求される場面におけるトラクション発生が遅れるという問題がある。
そこで、本実施形態の車両1では、機構によるトラクション発生の遅れを、2WD状態から4WD状態への切り替え指示タイミングを早めることでカバーするようにしている。具体的には、ECU18は、運転者の切替スイッチ33の操作によってTRC制御および/またはVSC制御がOFFに切り替えられたときに、4WD状態の場合には4WD状態を維持する一方、2WD状態の場合には4WD状態に切り替えるように構成されている。
つまり、本実施形態の車両1では、図2(c)に示すように、(1)TRC制御やVSC制御がOFFにされると、センサ等による空転の検知の有無を問わず、2WD状態から4WD状態への切り替えまたは4WD状態を維持するようECU18から指示が出され、(2)フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16が接続され、(3)カップリング電流がONとなり、(4)4WDトルクが発生して、4WD状態が成立する。このように、TRC制御やVSC制御のOFF操作が行われた場合には、トラクション性能が要求される場面と捉え、直ちに4WD状態へと切り替えることにより、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16の接続という工程が増えも、トラクション発生の遅れを抑えることができる。
次に、本実施形態の制御の手順を図3のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップS1では、ECU18が、運転者の切替スイッチ33の操作によってTRC制御やVSC制御といったトルク低減制御が解除(OFF)されたか否かを判定する。ステップS1での判定がNOのとき、すなわち、TRC制御および/またはVSC制御がONのときは、トラクション性能が要求される場面ではないので、そのままENDする。この場合には、予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両1の各種制御を実行する通常制御が行われる。一方、ステップS1での判定がYESのときはステップS2に進む。
次のステップS2では、ECU18が、二輪駆動状態か否かを判定し、この判定がYESのとき、すなわち、車両1が2WD状態のときは、ステップS3に進む。次のステップS3では、ECU18が、4WD状態に切り替えるべく、アクチュエータ11を制御してスリーブ24をドライブギヤ10bおよびドリブンギヤ22と噛み合う位置に移動させるとともに、アクチュエータ31を制御してスリーブ29をデフリングギヤ17cおよびドライブギヤ28と噛み合う位置に移動させる。このようにして、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16が接続されると、ECU18がカップリング電流をONにしてカップリング14を接続した後、ENDする。一方、ステップS2での判定がNOのときすなわち、車両1が4WD状態のときは、ステップS4に進む。
次のステップS4では、ECU18が、2WD状態に切り替るのを禁止するべく、スリーブ24をドライブギヤ10bおよびドリブンギヤ22と噛み合う位置に固定するとともに、スリーブ29をデフリングギヤ17cおよびドライブギヤ28と噛み合う位置に固定し、且つ、カップリング電流のON状態を継続し、その後ENDする。
なお、4WD状態への切り替えおよび4WD状態を維持する制御は、例えば、車速が所定速度以上となった場合に解除されるようにしてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神または主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、回転部材21,26とスリーブ24,29とシンクロナイザリング25,30とをそれぞれ有するフロント側およびリヤ側断接機構9,16を備える車両1に本発明を適用したが、2つの断接機構を備えるため従来の電子制御スタンバイ式よりもトラクション発生が遅れるような車両であれば、これに限らず、どのようなタイプの断接機構を備える車両に本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態(特に図2(c)および図3)では、2WDディスコネクト状態を想定して説明を行ったが、これに限らず、フロント側断接機構9およびリヤ側断接機構16が接続される一方、カップリング14が遮断された4WDスタンバイ状態においても、運転者の切替スイッチ33の操作によってトルク低減制御がOFFに切り替えられたときに、4WD状態に切り替えるようにしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、トラクション性能が要求される場面におけるトラクション発生の遅れを抑えることができるので、駆動力伝達軸の前輪側と後輪側とに設けられた2つの断接機構を備え、二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替え可能な車両の制御装置に適用して極めて有益である。
1 車両
2,3 前輪
4,5 後輪
9 フロント側断接機構
13 プロペラシャフト(駆動力伝達軸)
16 リヤ側断接機構
18 ECU(制御装置)
33 切替スイッチ(切替手段)

Claims (1)

  1. 駆動力伝達軸の前輪側と後輪側とに設けられた2つの断接機構を備え、二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替え可能な車両に適用される制御装置であって、
    上記車両は、車輪の空転および/または当該車両の横滑りを抑えるために駆動トルクを低減するトルク低減制御のON/OFFを、運転者の操作によって切り替える切替手段をさらに備えており、
    運転者の上記切替手段の操作によってトルク低減制御がOFFに切り替えられたときに、四輪駆動状態の場合には四輪駆動状態を維持する一方、二輪駆動状態の場合には四輪駆動状態に切り替えることを特徴とする車両の制御装置。
JP2016047764A 2016-03-11 2016-03-11 車両の制御装置 Active JP6540559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016047764A JP6540559B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 車両の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016047764A JP6540559B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 車両の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017159844A JP2017159844A (ja) 2017-09-14
JP6540559B2 true JP6540559B2 (ja) 2019-07-10

Family

ID=59853492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016047764A Active JP6540559B2 (ja) 2016-03-11 2016-03-11 車両の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6540559B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2514161B (en) * 2013-05-16 2015-09-02 Jaguar Land Rover Ltd Vehicle control system and method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017159844A (ja) 2017-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5523869B2 (ja) 車両の駆動状態制御装置
KR102684126B1 (ko) 사륜구동 차량 제어 시스템 및 방법
JP6070630B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP6380055B2 (ja) 四輪駆動車の制御装置
US9701196B2 (en) Four-wheel-drive vehicle
JP6020514B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP5983675B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP6565871B2 (ja) 車両用4輪駆動装置の制御装置
JP5658717B2 (ja) 4輪駆動車の制御装置
JP5942946B2 (ja) 4輪駆動車両の制御装置
EP2017501B1 (en) Automatic transmission control apparatus and the corresponding method
JP5506533B2 (ja) 車両の駆動状態制御装置
JP2007269072A (ja) 作業車両
JP2019026151A (ja) 4輪駆動車両の駆動状態切換装置
JP6287567B2 (ja) 四輪駆動車両の制御装置
JP6540559B2 (ja) 車両の制御装置
JP2021025551A (ja) 制御装置及び、制御方法
JP6268982B2 (ja) 4輪駆動車両の駆動制御装置
JP2008230465A (ja) 駆動力配分装置
JP5966913B2 (ja) 四輪駆動車の動力伝達装置
JP3579962B2 (ja) 四輪駆動装置
JP2017154682A (ja) 四輪駆動車両の制御装置
WO2023047587A1 (ja) 4輪駆動車の走行駆動制御装置
JP6757802B2 (ja) 四輪駆動車両のトルク制御装置
JP2017039340A (ja) 4wd車用トランスファの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190305

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190527

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6540559

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151