JP6540375B2 - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線等の露光により、露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする反応により、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度を変化させ、基板上にレジストパターンを形成させる(特開昭59−45439号公報参照)。
かかる感放射線性樹脂組成物には、レジストパターン形成プロセスの安定性を確保するために、焦点深度、露光余裕度等のプロセス余裕度が大きいことが求められる。それと共に、例えば密集パターン、孤立パターン等のピッチや、ラインパターン、ホールパターン、トレンチパターン等の形状が異なる種々のパターンでも、それらが混在するパターンでも正確に形成できること等適用範囲が広いことも求められる。ピッチの異なるパターンを正確に形成するために、ピッチの違いによるパターンの寸法差を低減させ、かつ高い解像度を有するレジスト膜を形成できる感放射線性樹脂組成物が検討されている(特開2008−13662号公報参照)。
しかしながら、さらに微細なレジストパターンが求められる現在にあっては、混在パターンの形成における上記感放射線性樹脂組成物の焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥を抑制する性能は不十分である。
特開昭59−45439号公報 特開2008−13662号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、混在パターンにおける焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に共に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基を有する複数の重合体(以下、「[A]重合体」ともいう。)と、下記式(2)で表される感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう。)とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、上記複数の重合体が、重合体ごとに互いに異なる酸解離性基を有し、上記複数の重合体のうち少なくとも2種の重量平均分子量が互いに異なり、上記複数の重合体における重量平均分子量の最大値と最小値との差が2,000以上であり、重量平均分子量が最小である重合体の上記複数の重合体全体に対する含有量が50質量%以上であることを特徴とする。
Figure 0006540375
(上記式(2)中、Rは、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Rは、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
ここで、「酸解離性基」とは、カルボキシ基等が有する水素原子を置換する基であって酸の作用により解離する基をいう。「複数の重合体」とは、酸解離性基を異なる組み合わせで有する重合体の集合をいう。「重量平均分子量」とは、GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。「重量平均分子量が最小である重合体」とは、上記複数の重合体が2種の重合体から構成される場合は重量平均分子量が小さい方の重合体をいい、複数の重合体が3種以上の重合体から構成される場合は、最小の重量平均分子量を示す重合体をいう。但し、複数の重合体が3種以上の重合体から構成され、かつ最小の重量平均分子量を示す重合体が2種以上存在する場合は、この2種以上の重合体の集合をいう。
当該感放射線性樹脂組成物によれば、混在パターンにおける焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に共に優れる。従って、今後、さらに種々の形状及びサイズのパターンの形成、並びにさらなる微細化が要求されるリソグラフィー技術に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[C]酸拡散制御体、[D]フッ素原子含有重合体、[E]溶媒を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は酸解離性基を含む構造単位(I)を有する複数の重合体から構成され、この複数の重合体が、重合体ごとに互いに異なる酸解離性基を有し、上記複数の重合体のうち少なくとも2種の重量平均分子量(Mw)が互いに異なり、上記複数の重合体における重量平均分子量の最大値と最小値との差が2,000以上であり、重量平均分子量が最小である重合体の上記複数の重合体全体に対する含有量が50質量%以上である。
ここで、[A]重合体の重合体の分子骨格は直鎖状でも分岐状でもよく、重合体中の構造単位の配列はランダム、交互、ブロック等のいずれでもよい。
[A]重合体が2種の重合体(A1)及び(A2)から構成されている場合、重合体(A1)は1又は複数の酸解離性基を有するが、この酸解離性基のうち少なくとも1つは、重合体(A2)が有しているものとは異なる。なお、重合体(A1)が複数の酸解離性基を有している場合、そのうちの1つが重合体(A2)の有する酸解離性基と異なっていれば、それ以外の酸解離性基は重合体(A2)の有するものと同じであってもよい。同様に重合体(A2)も1又は複数の酸解離性基を有し、このうち少なくとも1つは、重合体(A1)が有しているものとは異なる。[A]重合体が3種以上の重合体から構成されている場合も同様である。
また、上記複数の重合体のうち少なくとも2種の重量平均分子量(Mw)が互いに異なり、上記複数の重合体における重量平均分子量の最大値と最小値との差が2,000以上である。さらに、[A]重合体を構成する複数の重合体のうち、Mwが最小である重合体の[A]重合体全体に対する含有量が50質量%以上である。
[A]重合体の態様としては、例えば[A]重合体が2種の重合体(A1)及び(A2)から構成され、重合体(A1)及び(A2)のMwが異なるもの等が挙げられる。ここで、重合体(A1)をMwが最小である重合体とすると、重合体(A2)のMwと重合体(A1)のMwとの差が2,000以上である。また、重合体(A1)の[A]重合体全体に対する含有量が50質量%以上である。
同様に、[A]重合体の他の態様としては、[A]重合体が3種の重合体(A1)、(A2)及び(A3)から構成され、この3種の重合体のMwがそれぞれ異なるもの、3種の重合体のうちいずれか2種の重合体のMwが同じであるもの等も挙げられる。ここで、重合体(A1)及び(A2)が同じMw値であり、かつ重合体(A3)のMwが重合体(A1)及び(A2)のMw値より大きい場合、重合体(A1)及び(A2)は共にMwが最小の重合体に該当する。この場合、重合体(A3)のMwと重合体(A1)及び(A2)のMwとの差が2,000以上であり、重合体(A1)及び(A2)の含有量の合計が[A]重合体全体に対して50質量%以上である。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を含有することで、混在パターンにおける焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に共に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]重合体を構成する複数の重合体は他の重合体が有さない酸解離性基を少なくとも1種有し、
上記複数の重合体のうち少なくとも2種の重量平均分子量(Mw)が互いに異なり、上記複数の重合体における重量平均分子量の最大値と最小値との差が2,000以上である。これにより、レジスト膜中において、重量平均分子量が大きい重合体の分子の間隙に重量平均分子量が小さい重合体が入り込んで分散した状態となる。重量平均分子量が大きい重合体と重量平均分子量が小さい重合体とは互いに異なる酸解離性基を有し、解離容易性が異なる。そのため、レジスト膜中に解離容易性が異なる領域が混在する。また、Mwが最小である重合体の[A]重合体全体に対する含有量が50質量%以上であるため、現像液等により溶解し易い低分子量の重合体が広く存在する。この結果、レジスト膜の現像液等に対する溶解性が適度に調整される。従って、密集パターン及び孤立パターンの双方を同時に形成する場合であっても焦点深度及び露光余裕度を高いレベルとすることができ、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性も向上する。
[A]重合体を構成する複数の重合体は、構造単位(I)以外にも、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位(II)を有することも好ましい。[A]重合体を構成する複数の重合体は構造単位(I)及び(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体を構成する複数の重合体は、上記構造単位をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、感度及び解像性が向上し、良好なレジストパターンを得ることができる。また、[A]重合体を構成する複数の重合体は、重合体ごとに互いに異なる酸解離性基を含む構造単位(I)を有する。このため、[A]重合体を構成する複数の重合体の酸に対する解離容易性がそれぞれ異なる。この結果、[B]酸発生体等から生じる酸による解離の程度が適度に調整され、混在パターンにおける焦点深度及び露光余裕度が良好なものとなり、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性にも優れる。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1)で表される構造単位が挙げられる。下記式(1)中、−CRで表される基は酸解離性基である。
Figure 0006540375
上記式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成する環員数3〜20の脂環構造を表す。
ここで「環員数」とは、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
上記Rとしては、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の飽和炭化水素基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基等の不飽和炭化水素基などが挙げられる。
上記R及びRで表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の飽和単環炭化水素基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の不飽和単環炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタニル基、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニル基等の飽和多環炭化水素基;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基、ビシクロ[2.2.2]オクテニル基等の不飽和多環炭化水素基などが挙げられる。
上記これらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造等の単環のシクロアルカン構造;ノルボルナン構造、アダマンタン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
構造単位(I)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)〜(I−4)」ともいう。)等が挙げられる。
Figure 0006540375
上記式(1−1)〜(1−4)中、R〜Rは、上記式(1)と同義である。nは、1〜4の整数である。
としては、1、2及び4が好ましく、1及び2がより好ましい。
構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006540375
Figure 0006540375
上記式中、Rは、上記式(1)と同義である。
構造単位(I)としては、構造単位(I−2)、(I−3)及び(I−4)が好ましく、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−iプロピル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、及び2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、10モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、85モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像液に対する溶解性を向上させることができ、その結果、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性が向上する。
[A]重合体が2種の重合体から構成されている場合、この2種の重合体のそれぞれが有する構造単位(I)の組み合わせとしては、構造単位(I−2)と(I−2)、(I−2)と(I−3)、及び(I−2)と(I−4)が好ましく、構造単位(I−2)と(I−2)、及び(I−2)と(I−4)がより好ましい。上記組み合わせが(I−2)と(I−2)又は(I−2)と(I−4)である場合、上記式(1−2)又は(1−4)中のそれぞれのnは異なっていることが好ましく、1つの重合体のnが1であり、もう1つの重合体のnが2であることがより好ましい。また、上記組み合わせが構造単位(I−2)と(I−2)の場合、上記式(1−2)中のR及びnが共に異なっていることが好ましい。[A]重合体を構成する複数の重合体が有する酸解離性基を上記組み合わせとすることで、当該感放射線性樹脂組成物は混在パターンにおける焦点深度及びレジストパターンの抜け性に優れる。
[A]重合体を構成する複数の重合体のうちいずれか1種の重合体が複数の酸解離性基を有する場合、単環の構造を含む酸解離性基及び多環の構造を含む酸解離性基の両方を有していることが好ましい。このような重合体としては、例えば構造単位(I−2)と(I−1)、(I−4)と(I−1)、(I−2)と(I−3)、(I−4)と(I−3)とを共に有するものが挙げられる。これらの中で、構造単位(I−4)と(I−3)とを共に有するものが好ましい。1種の重合体が構造単位(I)を上記組み合わせで有することにより、混在パターンにおける焦点深度等が優れたものとなるとともに、レジスト膜のエッチング耐性が向上するため、より良好なレジストパターンを得ることができる。
[A]重合体を構成する複数の重合体が有する酸解離性基のうち、重合体ごとに互いに異なる酸解離性基が、単環の環構造を含むことが好ましい。すなわち、[A]重合体が2種の重合体(A1)及び(A2)から構成されている場合、重合体(A1)が有し重合体(A2)が有さない酸解離性基、及び重合体(A2)が有し重合体(A1)が有さない酸解離性基が単環の環構造を含むものであるとよい。この単環の環構造を含む酸解離性基としては、例えば構造単位(I−2)及び(I−4)に含まれる酸解離性基が挙げられる。このように、[A]重合体を構成する複数の重合体が有する酸解離性基のうち、重合体ごとに異なるものが単環の環構造を含むことで、[A]重合体全体の酸に対する解離容易性が高くなる。その結果、混在パターンにおける焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に共に優れる。
また、[A]重合体を構成する複数の重合体のうちMwがより大きい重合体が、酸解離性基の解離反応の活性化エネルギーEが小さく、酸による解離容易性が高い酸解離性基を含む構造単位(I)を有し、Mwがより小さい重合体が、酸解離性基の解離反応の活性化エネルギーEが大きく、酸による解離容易性が低い酸解離性基を含む構造単位(I)を有することが好ましい。このようにMwの大小に応じて酸解離性基を選択することで、[A]重合体を構成する複数の重合体の現像液等に対する溶解性をより適切なものとすることができ、混在パターンにおける焦点深度及び露光余裕度が優れたものとなる。また、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性にも優れる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加えて、構造単位(II)をさらに有することで、現像液への溶解性をさらに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のレジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性を向上させることができる。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−で表される基を含む1つの環(ラクトン環)を有する構造をいう。また、環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される基を含む1つの環(環状カーボネート環)を有する構造をいう。スルトン構造とは、−O−S(O)−で表される基を含む1つの環(スルトン環)を有する構造をいう。
構造単位(II)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006540375
Figure 0006540375
Figure 0006540375
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記Rとしては、構造単位(II)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
構造単位(II)としては、これらの中で、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位オキサノルボルナンラクトン構造を含む構造単位、γ−ブチロラクトン構造を含む構造単位、エチレンカーボネート構造を含む構造単位、及びノルボルナンスルトン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、オキサノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノ置換ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、γ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、エチレンカーボネート−イルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シクロヘキセンカーボネート−イルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンスルトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、及びノルボルナンスルトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(II)の[A]重合体を構成する全構造単位に対する含有量の下限としては、20モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、35モル%がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、85モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。上記含有割合が上記下限より小さいと、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性が低下する場合がある。逆に、上記含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)及び(II)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えば極性基を含む構造単位等が挙げられる。
上記極性基としては、例えばヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキシ基、カルボキシ基及びカルボニル基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
Figure 0006540375
上記式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
これらの中で、ヒドロキシ基を含む構造単位が好ましく、ヒドロキシ基及びアダマンタン骨格を有する構造単位がより好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
上記その他の構造単位の含有割合の上限としては、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物の全固形分中に対する[A]重合体の含有量の下限としては、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を使用し、適当な重合反応溶媒中で重合することにより製造できる。この重合方法としては、単量体及びラジカル重合開始剤を含有する溶液を、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、重合反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法が好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤などが挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度の下限としては、通常40℃であり、50℃が好ましい。一方、上記反応温度の上限としては、通常150℃であり、120℃が好ましい。反応時間の下限としては、通常1時間である。一方、反応時間の上限としては、通常48時間であり、24時間が好ましい。
重合反応により得られた重合体は再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより目的の重合体を粉体として回収するとよい。上記再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して重合体を回収することもできる。
[A]重合体を構成する複数の重合体のうち、Mwが最小である重合体のMwの下限としては、2,000が好ましく、2,500がより好ましく、3,000がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、10,000が好ましく、9,500がより好ましく、9,000がさらに好ましい。上記Mwが上記下限より小さいと、レジスト膜の形成が困難となるおそれがある。逆に、上記Mwが上記上限を超えると、現像時におけるレジスト膜の現像液への溶解が不十分となるおそれがある。
[A]重合体を構成する複数の重合体のうち、Mwが最小である重合体の[A]重合体全体に対する含有量の下限としては、50質量%であり、60質量%が好ましく、70%がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、90質量%が好ましく、85質量%がより好ましい。上記含有量が上記下限より小さいと、レジスト膜の感度等が低下し、露光余裕度が低下するおそれがある。逆に、上記含有量が上記上限を超えると、混在パターンにおける焦点深度が向上し難くなるおそれがある。また、未露光部の膜減りが多くなり、良好なレジストパターンが得られ難くなるおそれがある。
[A]重合体を構成する複数の重合体のうち、Mwが最大である重合体のMwの下限としては、4,000が好ましく、4,500がより好ましく、5,000がさらに好ましい。一方、上記Mwの上限としては、40,000が好ましく、35,000がより好ましく、30,000がさらに好ましい。上記Mwが上記下限より小さいと、レジスト膜中において、Mwが大きい重合体の間隙にMwが小さい重合体が入り込み難くなるおそれがある。逆に、上記Mwが上記上限を超えると、微小なレジストパターンの形成が困難となるおそれがある。
ここで、「Mwが最大である重合体」とは、上記複数の重合体が2種の重合体から構成される場合はMwが大きい方の重合体をいい、複数の重合体が3種以上の重合体から構成される場合は、最大のMwを示す重合体をいう。但し、複数の重合体が3種以上の重合体から構成され、かつ最大の重量平均分子量を示す重合体が2種以上存在する場合は、この2種以上の重合体の集合をいう。
[A]重合体を構成する複数の重合体が示す最大のMwと最小のMwとの差の下限としては、2,000であり、3,500が好ましく、5,000がより好ましく、6,000以上がさらに好ましい。上記差の上限としては、30,000が好ましく、20,000がより好ましく、15,000がさらに好ましく、12,000が特に好ましい。逆に、上記差が上記下限より小さいと現像欠陥抑制性が不十分となるおそれがある。上記差が上記上限を超えると、混在パターンにおける焦点深度が向上し難くなるおそれがある。
[A]重合体を構成する複数の重合体が示す、それぞれの数平均分子量(Mn)に対するそれぞれのMwの比(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.2が好ましい。一方、上記比の上限としては、通常5であり、3が好ましく、2がさらに好ましく、1.7が特に好ましい。上記複数の重合体それぞれにおけるMw/Mnを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性を向上させることができる。ここで、「数平均分子量(Mn)」とは、GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃の分析条件で、検出器として示差屈折計を使用し、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、下記式(2)で表される化合物であり、露光光の照射により酸を発生する化合物である。その酸の作用により[A]重合体等の酸解離性基が解離してカルボキシ基等の極性基が生じ、その結果、[A]重合体等の現像液に対する溶解性が変化する。また、[B]酸発生体が下記式(2)で表される構造を有することで、[A]重合体の構造単位(II)との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性をさらに向上させることができる。
[B]酸発生体の含有形態としては、下記式(2)で表される化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する。)でもよく、下記式(2)で表される化合物が重合体の一部として組み込まれた形態でもよく、またこれらの両方の形態でもよい。
Figure 0006540375
上記式(2)中、Rは、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Rは、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
上記Rで表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えばシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記Rで表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えばノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基などが挙げられる。
で表される基の環員数の下限としては、上述の酸の拡散長がさらに適度になる観点から、8が好ましく、9がより好ましく、10がさらに好ましい。一方、上記環員数の上限としては、15が好ましく、13がより好ましい。
としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、及び環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基、アダマンタン−1−イルオキシカルボニル基、ノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニル基、及びピペリジン−1−イルスルホニル基がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基、1,1,2−トリフルオロブタンジイル基、及び1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパンジイル基がさらに好ましい。
上記Xで表される1価の感放射線性オニウムカチオンは、露光光の照射により分解するカチオンである。露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンとスルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。上記Xで表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えばS、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む感放射線性オニウムカチオンが挙げられる。これらの中で、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン、及びピリジニウムカチオンが好ましく、下記式(X−1)で表されるカチオン、下記式(X−2)で表されるカチオン、及び下記式(X−3)で表されるカチオンがより好ましい。
Figure 0006540375
上記式(X−1)中、Rb1、Rb2及びRb3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rb1〜Rb3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRb1〜Rb3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X−2)中、Rb4は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb4が複数の場合、複数のRb4は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb4は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb5は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb5が複数の場合、複数のRb5は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb5は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rb6及びRb7は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rb6、Rb7、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRb6、Rb7、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Rb1〜Rb7で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Rb1〜Rb7で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rb1〜Rb3、Rb6及びRb7で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記Rb4及びRb5で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基などが挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Rb1〜Rb7としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”、及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基、及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(X−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記Xとしては、上記式(X−1)で表されるカチオンが好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
上記式(2)で表される[B]酸発生剤としては、例えば下記式(2−1)〜(2−14)で表される化合物(以下、「化合物(2−1)〜(2−14)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 0006540375
[B]酸発生剤としては、これらの中でも、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩がより好ましく、化合物(2−1)、化合物(2−12)、化合物(2−13)、及び化合物(2−14)がさらに好ましい。
[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合における、[A]重合体100質量部に対する[B]酸発生体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性を確保する観点から、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。一方、上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、15質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性が向上する。[B]酸発生体は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。
[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」と称する。)の形態でもよく、重合体の一部として組み込まれた形態でもよい。また、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、窒素含有複素環化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;2,6−ジイソプロピルアニリン等の置換アルキルアニリン又はその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエタノールアミン、トリ(メトキシエトキシエチル)アミンなどが挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばt−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、t−アミル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート等のN−t−アミルオキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)などが挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
窒素含有複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、N−t−アミルオキシ−4−ヒドロキシピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール;モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、N−(2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)モルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール等のモルホリン類;1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
これらの中で、アミン化合物、及び窒素含有複素環化合物が好ましく、置換アルキルアニリン、トリ(メトキシエトキシエチル)アミン、及びN−t−アミルオキシ−4−ヒドロキシピペリジンがより好ましく、2,6−ジイソプロピルアニリントリ(メトキシエトキシエチル)アミン、及びN−t−アミルオキシ−4−ヒドロキシピペリジンがさらに好ましい。
また、[C]酸拡散制御剤として、露光により弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。上記光崩壊性塩基は、未露光部ではアニオンによる酸捕捉機能が発揮されクエンチャーとして機能し、露光部から拡散する酸を捕捉する。一方、露光部では光崩壊性塩基が酸を発生してアニオンが消滅するため、酸捕捉機能が失われる。このように、光崩壊性塩基が未露光部のみにおいてクエンチャーとして機能することで、酸解離性基の解離反応のコントラストが向上する。その結果、当該感放射線性樹脂組成物の解像度等のリソグラフィー性能をより向上できる。
上記光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(C1)で示されるスルホニウム塩化合物、下記式(C2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 0006540375
上記式(C1)及び式(C2)中、Rc1〜Rc5はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。Q及びEはそれぞれ独立して、OH、R−COO、R−SO 又は下記式(C3)で表されるアニオンである。Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
Figure 0006540375
上記式(C3)中、Rc6は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。
上記式(C1)及び(C2)におけるRc1〜Rc5としては、水素原子、及び−SO−Rが好ましい。また上記Rとしては、シクロアルキル基が好ましく、シクロヘキシル基がより好ましい。
上記Rで表されるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等、これらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるシクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等、これらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等、これらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記Rで表されるアラルキル基としては例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、これらの基の水素原子の一部又は全部が置換された基等が挙げられる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基が有する置換基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ラクトン基、アルキルカルボニル基等が挙げられる。
上記光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006540375
光崩壊性塩基としては、これらの中で、トリフェニルスルホニウムサリチレート、及びトリフェニルスルホニウムカンファースルホナートが好ましく、トリフェニルスルホニウムカンファースルホナートがより好ましい。
[C]酸拡散制御体が[C]酸拡散制御剤の場合における、[A]重合体100質量部に対する[C]酸拡散制御体の含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、0.7質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。上記含有量が上記下限より小さいと、[C]酸拡散制御体による酸の拡散制御能が不十分となるおそれがある。一方、上記含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下するおそれがある。[C]酸拡散抑制剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
<[D]フッ素原子含有重合体>
[D]フッ素原子含有重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体である。当該感放射線性樹脂組成物が[D]フッ素原子含有重合体を含有する場合、レジスト膜を形成した際に、[D]フッ素原子含有重合体の撥油性に優れるため、レジスト膜表面近傍に[D]フッ素樹脂含有重合体が偏在化する傾向がある。これにより、液浸露光等の際における酸発生体、酸拡散制御体等の液浸媒体への溶出を抑制できる。また、この[D]フッ素原子含有重合体は撥水性に優れるため、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制することができる。さらに、[D]フッ素原子含有重合体が撥水性に優れることで、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、高速でのスキャン露光においても液浸媒体の液滴が残留し難くなる。このように、当該感放射線性樹脂組成物は、[D]フッ素原子含有重合体をさらに含有することで、ArF露光等の場合における液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
上記[D]フッ素原子含有重合体としては、フッ素原子を有する重合体である限り特に限定されない。上記[D]フッ素原子含有重合体が有するフッ素含有構造単位としては、例えばトリフルオロメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロエチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ)ヘキシル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロ)プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ)ペンタ(メタ)アクリレートに由来する構造単位、メトキシカルボニル−1,1−ジフルオロ−ブタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、トリフルオロエトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、5−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ)カルボニルノルボルナンラクトン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位等が挙げられる。
上記フッ素含有構造単位としては、これらの中で、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ)プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、メトキシカルボニル−1,1−ジフルオロ−ブタン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、トリフルオロエトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、及び5−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルオキシ)カルボニルノルボルナンラクトン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましい。
[A]重合体100質量部に対する[D]フッ素原子含有重合体の含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。一方、上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、[D]フッ素原子含有重合体、及び後述するその他の任意成分を溶解又は分散することができるものであれば特に限定されない。[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数3〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノエチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒などが挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
[E]溶媒としては、これらの中で、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、ラクトン系溶媒、及び環状ケトン系溶媒がより好ましい。[E]溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の成分として界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有できる。なお、当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分をそれぞれ1種単独で又は2種以上を混合して含有してもよい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
また、界面活性剤の市販品としては、例えばKP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、当該感放射線性樹脂組成物のドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナンなどが挙げられる。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生体からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[E]溶媒中で[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御体、[D]フッ素含有重合体及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。調製された感放射線性樹脂組成物は、例えば孔径20nmのフィルター等で濾過して用いることが好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましく、10質量%が特に好ましい。
<レジストパターン形成方法>
本発明のレジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成する。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
レジスト膜形成工程では、当該感放射線性樹脂組成物を基板の一方の面側に塗布することでレジスト膜を形成する。この基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板の一方の面に形成してもよい。
当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。形成されるレジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましい。また、上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物の塗布後、必要に応じてプレベーク(PB)を行い、塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PB温度は当該感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、その下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、PB温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。また、PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。一方、PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
また、レジスト膜形成後に、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止する保護膜や、レジスト膜からの[B]酸発生体等の流出を防止するために液浸用保護膜をレジスト膜の一方の面に設けてもよい。この保護膜としては、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているものが挙げられる。また、上記液浸用保護膜としては、例えば特開2005−352384号公報等に開示されているものが挙げられる。なお、これらの膜を共に形成してもよい。
[露光工程]
露光工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜を露光する。この露光としては、例えば所望の領域にアイソラインパターンマスクを介した縮小投影露光が挙げられる。この縮小投影露光によりアイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。2回以上露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行うことができる。
また、露光において用いるマスクが密集パターン及び孤立パターンが混在したものであることが好ましい。この場合、後述する現像工程において形成されるレジストパターンが2種以上のピッチを有する。この密集パターン及び孤立パターンの混在パターンとしては、例えばx方向及びy方向に整列したホールパターンであって、x方向のホール間隔が狭くy方向のホール間隔が広いもの等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物によれば、上記混在パターンの場合でも、焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に優れる。
液浸露光の際に用いられる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。特に、露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から、液浸液としては水が好ましく、蒸留水がより好ましい。液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させ、かつ界面活性力を増大させる添加剤を微量添加しても良い。この添加剤は、レジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響を無視できるものが好ましい。
露光に用いる放射線としては、[B]酸発生体の種類に応じて適宜選択されるが、例えば紫外線、遠紫外線、可視光線、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光、及びKrFエキシマレーザー光(波長248nm)がより好ましく、ArFエキシマレーザーがさらに好ましい。露光量等の露光条件は、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択される。当該パターン形成方法においては露光工程を複数回有してもよく、複数回の露光は同じ光源を用いても異なる光源を用いても良いが、1回目の露光にはArFエキシマレーザー光を用いることが好ましい。
また、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なうことが好ましい。PEBを行うことにより、当該感放射線性樹脂組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行できる。PEB温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましく、70℃がさらに好ましい。一方、PEB温度の上限としては、200℃が好ましく、170℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。PEB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。一方、PEB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[現像工程]
現像工程では、上記露光工程で露光したレジスト膜を現像液を用いて現像することでレジストパターンを得る。
現像工程における現像の種類としては、アルカリ現像及び有機溶媒現像が挙げられる。一般に、アルカリ現像の場合、露光部が現像液により除去されポジ型のレジストパターンが形成される。また、有機溶媒現像の場合、未露光部が現像液により除去されネガ型のレジストパターンが形成される。
アルカリ現像の場合における現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合における現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、これらの有機溶媒を含有する溶媒などが挙げられる。この有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒において例示したものと同様の溶媒等が挙げられる。これらの中で、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒が好ましい。また、エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。さらに、ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加できる。この界面活性剤としては、例えばイオン性又は非イオン性のフッ素系界面活性剤、イオン性又は非イオン性のシリコン系界面活性剤等を用いることができる。この界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬するディップ法、表面張力によりレジスト膜表面に現像液を盛り上げて一定時間静止させるパドル法、レジスト膜表面に現像液を噴霧するスプレー法、一定速度で回転している基板上のレジスト膜表面に現像液を吐出し続けるノズルを一定速度でスキャンさせるダイナミックディスペンス法等が挙げられる。
上記現像後に、形成されたレジストパターンをリンス液により洗浄処理することが好ましい。アルカリ現像の場合におけるリンス液としては、水が好ましく、純水がより好ましい。有機溶媒現像の場合におけるリンス液としては、アルコール系溶媒、及びエステル系溶媒が好ましく、炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒がより好ましく、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、及び4−メチル−2−ペンタノールがさらに好ましい。
上記洗浄処理の方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出し続ける回転塗布法、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬するディップ法、基板表面にリンス液を噴霧するスプレー法等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定的に解釈されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw及びMn測定]
重合体のMw及びMnは、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR分析]
重合体の各構造単位含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−EX400」)を使用して測定した。
<[A]重合体の合成>
下記方法に従い、[A]重合体としての重合体(A−1)〜(A−20)を合成した。[A]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。なお、単量体(M−1)〜(M−5)は構造単位(I)を、単量体(M−6)〜(M−12)は構造単位(II)をそれぞれ与える。
Figure 0006540375
[合成例1]
(重合体(A−1)の合成)
化合物(M−1)53.2g(60モル%)及び化合物(M−6)46.8g(40モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに、ラジカル重合開始剤としてのAIBN(化合物の合計モル数に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次に、2−ブタノン300gを入れた100mLの三口フラスコを1分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。メタノール500g中に上記冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をメタノール500gで2回洗浄した後、ろ別し、60℃で12時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を得た(75g、収率75%)。重合体(A−1)のMwは5,300、Mw/Mnは1.32であった。また13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)及び(M−6)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ59.5モル%及び40.5モル%であった。
[合成例2〜20]
(重合体(A−2)〜(A−20)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用い、AIBNの使用量を変えた以外は合成例1と同様に操作して、重合体(A−2)〜(A−20)を合成した。なお、用いる化合物の合計質量は100gとした。合成した各重合体の各単量体に由来する構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)、Mw及びMw/Mnを表1に合わせて示す。
Figure 0006540375
<[D]フッ素含有重合体の合成>
下記方法に従い、[D]フッ素含有重合体としての重合体(D−1)〜(D−4)を合成した。上記単量体以外に[D]フッ素含有重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 0006540375
[合成例21]
(重合体(D−1)の合成)
化合物(M−3)6.6g(30モル%)及び化合物(F−1)18.4g(70モル%)を2−ブタノン12.5gに溶解し、さらに、ラジカル重合開始剤としてのAIBNg(化合物の合計モル数に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。続いて、2−ブタノン25gを入れた100mLの三口フラスコを1分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応が終了した後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却し、n−ヘキサン125g中に重合反応液を滴下し、30分攪拌した。その後、デカンテーションにより上澄みを除去し、重合体(D−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(16.2g、収率65%)。重合体(D−1)のMwは4,300、Mw/Mnは1.51であった。13C−NMR分析の結果、化合物(M−3)及び(F−1)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ30.4モル%及び69.6モル%であった。
[合成例22〜24]
(重合体(D−2)〜(D−4)の合成)
下記表2に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は合成例21と同様に操作して、重合体(D−2)〜(D−4)を合成した。なお、用いる化合物の合計質量は25gとした。合成した各重合体の各単量体に由来する構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)、Mw及びMw/Mnを表2に合わせて示す。
Figure 0006540375
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
[[B]酸発生剤]
B−1:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニル−1,1−ジフルオロメタンスルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニル−1,1−ジフルオロメタンスルホネート(下記式(B−2)で表される化合物)
B−3:トリフェニルスルホニウム4−(アダマンタン−1−イルオキシカルボニル)−1,1,2−トリフルオロブタン−1−スルホネート(下記式(B−3)で表される化合物)
B−4:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート(下記式(B−4)で表される化合物)
Figure 0006540375
[[C]酸拡散制御剤]
C−1:2,6−ジイソプロピルアニリン(下記式(C−1)で表される化合物)
C−2:トリ(メトキシエトキシエチル)アミン(下記式(C−2)で表される化合物)
C−3:N−t−アミルオキシ−4−ヒドロキシピペリジン(下記式(C−3)で表される化合物)
Figure 0006540375
[[E]溶媒]
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)50質量部及び(A−7)50質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)0.6質量部、[D]フッ素含有重合体としての(D−1)3質量部並びに[E]溶媒としての(E−1)1886質量部、(E−2)472質量部、及び(E−3)100質量部を混合し、得られた混合液を20nmのメンブランフィルターで濾過することにより感放射線性樹脂組成物(P−1)を調製した。
[実施例2〜20及び比較例1〜3]
実施例1において、下記表3に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(P−2)〜(P−20)及び(CP−1)〜(CP−3)を調製した。なお、感放射線性樹脂組成物(P−1)〜(P−20)において、[A]重合体を構成する2種の重合体が有する酸解離性基はそれぞれ異なる。
Figure 0006540375
<評価>
[焦点深度]
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜形成用組成物(JSR社の「CT08」)をスピンコーター(東京エレクトロン社の「ACT12」)を用いて塗布し、300℃で60秒間加熱することにより膜厚300nmの下層反射防止膜を形成した。次に、この反射防止膜上に、3層レジストプロセス用中間層組成物溶液(JSR社の「SOG700」)をスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK Lithius Pro i」)で塗布し、200℃で45秒間加熱することにより平均厚み45nmの中間層を形成した。続いて、この中間層上に、各感放射線性樹脂組成物を上記「ACT12」を用いて塗布し、100℃で45秒間PBを行うことにより平均厚み120nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜について、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ratio=0.750の条件により、ターゲットサイズが短軸が45nmホール135nmピッチ、長軸が135nmホール810nmピッチのマスクパターンを介して露光した。露光後、100℃で60秒間PEBを行った。露光後、95℃で45秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のTMAH水溶液により20秒間現像し、20秒間純水によりリンスし2000rpmで液振り切り乾燥して密集パターン及び孤立パターンが混在したホールパターンを形成した。
このとき、短軸が45nmのホールを形成する露光量を最適露光量とした。そして、形成されるホールパターンの短軸が、ターゲットとなるホールパターンの短軸の±10%以内となる場合のフォーカスの振れ幅を焦点深度(μm)とした。この値が大きいほどフォーカスの変化に対するパターニング性能の変量が小さく良好である。焦点深度の評価は、焦点深度の値が0.3μm以上の場合は「A」と、0.21μm以上0.3μm未満の場合は「B」と、0.24μm未満の場合は「C」と評価した。評価結果を表4に示す。なお、ホールパターンの短軸及び長軸は、測長SEM(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いてパターン上部から観察することにより測定した。
[露光余裕度]
短軸が50nmホール100nmピッチ、長軸が150nmホール200nmピッチのマスクパターンを用いた以外は、上記焦点深度の評価と同様の手順を行い密集パターン及び孤立パターンが混在したホールパターンを形成した。このとき、短軸が50nmのホールを形成する露光量を最適露光量とした。また、最適露光量前後で0.5mJごとに露光量を0.5mJずつ変化させながら露光を行い、得られた線幅を測定した。そして、この線幅と露光量の関係から短軸が55nm及び45nmとなる露光量E(55)及びE(45)を算出した。さらに、露光余裕度=(E(55)−E(45))×100/(最適露光量)として露光余裕度を計算した。この値が大きいほど露光量が変動した際のパターンのサイズ変動が小さく、デバイス作成時の歩留まりに好影響を与える。露光余裕度評価は、10%以上の場合は「A」と、8%以上10%未満の場合は「B」と、8%未満の場合は「C」と評価した。評価結果を表4に示す。
[抜け性]
短軸が50nmホール100nmピッチ、長軸が150nmホール200nmピッチのマスクパターンを用いた以外は、上記焦点深度の評価と同様の手順を行い密集パターン及び孤立パターンが混在したホールパターンを形成した。このとき、短軸が50nmのホールを形成する露光量を最適露光量とした。最適露光量で露光したシリコンウェハを1cm角に切断し基板とした。この基板に10倍に希釈したバッファードフッ酸(ダイキン工業社の「BHF120U」)2ccを滴下し、5分間静置した。その後、100mLの超純水で基板を洗浄し、乾燥空気にて基板上の水滴を乾燥させた。走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−4800」)を用いてホールパターンを上方から100個観察し、露光部に溶け残りの発生が認められたホールパターンの数を計測した。抜け性評価は、溶け残りが認められたホールパターンの数が30個未満の場合は「A」と、30個以上60個未満の場合は「B」と、60個を超える場合は「C」と評価した。評価結果を表4に示す。
[現像欠陥抑制性]
90nmホール900nmピッチのマスクパターンを用いた以外は、上記焦点深度の評価と同様の手順を行い孤立パターンであるホールパターンを形成した。このとき、90nmのホールパターンを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に90nmホール900nmピッチのパターンを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CC−4000」)を用いた。また、欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定し、この測定された欠陥を、レジスト膜由来と判断されるものと外部異物由来と判断されるものとに分類し、レジスト膜由来と判断される欠陥の数の合計を欠陥抑制性の指標とした。欠陥抑制性は、ウェハ1枚あたりの欠陥数が100個未満の場合は「A」と、100個以上500個以下の場合は「B」と、500個を超える場合は「C」と評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0006540375
表4に示されるように、実施例では密集パターン及び孤立パターンが混在したパターンにおける焦点深度、露光余裕度及びレジストパターンの抜け性、並びに孤立パターンにおける現像欠陥抑制性の全てにおいて優れていた。
一方、複数の重合体が有する酸解離性基が同じである比較例1では、レジストパターンの抜け性に劣っていた。また、Mwが最小である重合体の[A]重合体における含有量が50質量%未満である比較例2では、レジストパターンの抜け性以外の全ての性能が劣っていた。さらに、[A]重合体が複数の重合体ではなく1種の重合体である比較例3では、混在パターンにおける焦点深度に劣っていた。
当該感放射線性樹脂組成物によれば、混在パターンにおける焦点深度、露光余裕度、レジストパターンの抜け性及び現像欠陥抑制性に共に優れる。従って、今後、さらに種々の形状及びサイズのパターンの形成、並びにさらなる微細化が要求されるリソグラフィー技術に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 酸解離性基を有する複数の重合体と、下記式(2)で表される感放射線性酸発生体とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、
    上記複数の重合体が、重合体ごとに互いに異なる酸解離性基を含む第1構造単位を有し、
    上記複数の重合体のうち少なくとも2種の重量平均分子量が互いに異なり、
    上記複数の重合体における重量平均分子量の最大値と最小値との差が2,000以上であり、
    上記複数の重合体のうち少なくともいずれかが、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせである第2構造単位を有し、
    上記第2構造単位の含有量は、上記複数の重合体を構成する全構造単位に対して20モル%以上であり、
    重量平均分子量が最小である重合体の上記複数の重合体全体に対する含有量が60質量%以上であることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0006540375
    (式(2)中、Rは、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Rは、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。)
  2. 上記重合体ごとに互いに異なる酸解離性基が単環の環構造を含む請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記複数の重合体において、重量平均分子量が最小である重合体の重量平均分子量が2,000以上10,000以下である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
  5. 形成するレジストパターンが2種以上のピッチを有する請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
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