JP6446984B2 - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
化学増幅型感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等の露光光の照射により、露光部において酸発生体から酸を生成させ、この酸を触媒とする反応により、露光部と非露光部との現像液に対する溶解速度を変化させ、基板上にレジストパターンを形成する。
かかる感放射線性樹脂組成物には、加工技術の微細化に伴って、感度、解像性等のリソグラフィー性能に優れることが要求される。この要求に対し、感放射線性樹脂組成物中の重合体が有する酸解離性基の構造が種々検討され、特定の複数の環構造を有するものが知られている(特開2011−43794号公報参照)。また、上記重合体へ種々の極性基を導入することも検討され、ラクトン環構造を有するものが知られている(特開2000−26446号公報、特開2000−159758号公報、特開平10−207069号公報及び特開平10−274852号公報参照)。これらの感放射線性樹脂組成物によれば、解像性を向上できるとされている。
しかし、レジストパターンの微細化が線幅40nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、上記感放射線性樹脂組成物には、解像性以外にマスクエラー許容度を示すMEEF(Mask Error Enhancemnt Factor)性能、及び線幅のバラつきを示すLWR(Line Width Roughness)性能に優れることが求められている。しかし、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの性能を満足させることはできていない。
特開2011−43794号公報 特開2000−26446号公報 特開2000−159758号公報 特開平10−207069号公報 特開平10−274852号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、MEEF性能及びLWR性能に優れる感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、第1構造(以下、「構造(I)」ともいう。)を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう。)を有する第1重合体(以下、「[A]重合体」ともいう。)、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう。)及び溶媒(以下、「[C]溶媒」ともいう。)を含有し、構造(I)が、カルボニル基と、このカルボニル基の炭素原子に結合するα炭素原子と、このα炭素原子に結合するβ炭素原子と、上記α炭素原子及びβ炭素原子の一方に結合する水素原子と、上記α炭素原子及びβ炭素原子の他方に結合するヒドロキシ基とを有する感放射線性樹脂組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、MEEF性能及びLWR性能を向上させることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、構造(I)を含む構造単位(I)を有する[A]重合体、[B]酸発生体及び[C]溶媒を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい第2重合体(以下、「[D]重合体」ともいう。)、[E]酸拡散制御体及び[F]偏在化促進剤を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、MEEF性能及びLWR性能に優れる。また、[A]重合体は、上記構造単位(I)以外に、他の構造単位を有していてもよい。他の構造単位としては、酸解離性基を含む第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう。)、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを有する構造単位(III)、及び上記構造単位(I)〜(III)以外のその他の構造単位(IV)等が挙げられる。[A]重合体は、上記各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
なお、以下の説明において、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。「環員数」とは、環状構造を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環状構造として脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。ただし、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環状構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいい、単環の芳香族炭化水素基及び多環の芳香族炭化水素基の両方を含む。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「オキシ炭化水素基」とは、炭化水素基の結合手側の末端に酸素原子を含む基をいう。「酸解離性基」とは、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の極性基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離し得る基をいう。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、構造(I)を含む構造単位である。構造(I)としては、例えば下記式(I−1)又は下記式(I−2)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式(I−1)及び式(I−2)中、*1、*2、*3及び*4は、構造単位(I)の構造(I)以外の部分に結合する部位を示す。
当該感放射線性樹脂組成物が、構造(I)を含む構造単位(I)を有する[A]重合体を含有することで、MEEF性能及びLWR性能に優れる理由については必ずしも明確ではないが、構造(I)がα−ヒドロキシカルボニル構造又はβ−ヒドロキシカルボニル構造(以下、これらをまとめて「HC構造」ともいう。)を有することにより、[B]酸発生体から発生した酸と適度に相互作用することで、酸の拡散長を適度な長さに調整することができると推察される。その結果、MEEF性能及びLWR性能を向上させることができると考えられる。
構造(I)としては、安定性および合成の容易性の観点から、β−ヒドロキシカルボニル構造を有する上記式(I−1)で表される構造が好ましい。
構造単位(I)としては、MEEF性能及びLWR性能をより向上させる観点から、下記式(i)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0006446984
上記式(i)中、Rは、水素原子、フッ素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。R及びLが互いに合わせられ、これらの間に存在する−C−C(O)−O−と共に環員数5〜20の環構造を形成していてもよい。Zは、下記式(i−1)又は下記式(i−2)で表される構造である。
Figure 0006446984
上記式(i−1)及び(i−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。*は、上記式(i)中のLと結合する部位を表す。R、R、R及び上記式(i)中のLのうちの2つ以上が互いに合わせられ、これらの間に存在する炭素原子又は炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
上記Rで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜5のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
上記Rとしては、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば上記Rで表される基として例示した炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
上記Rとしては、水素原子が好ましい。
上記Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば2価の鎖状炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記2価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
上記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
上記2価の芳香族炭化水素基としては、例えば
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ナフタレンジイルシクロヘキサンジイル基等のアレーンジイル(シクロ)アルカンジイル基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基とは、構造中に2価以上のヘテロ原子を有する基をいう。上記ヘテロ原子含有基はヘテロ原子を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
上記ヘテロ原子含有基が有する2価以上のへテロ原子としては、2価以上の原子価を有するヘテロ原子であれば特に限定されず、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば
−O−、−SO−、−SO−、−SOO−、−SO−等のヘテロ原子のみからなる基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。
上記これらの基の水素原子の一部又は全部を置換する置換基としては、例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基、オキソ基等が挙げられる。
上記Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、上記列挙した基のうち、炭素数1〜20の2価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の2価の炭化水素基がより好ましい。
また、上述したHC構造部分の機能を有効に発揮させる観点から、上記Lが酸解離性基を含まないことが好ましい。
上記R及びLが互いに合わせられ、これらの間に存在する−C−C(O)−O−と共に形成される環員数5〜20の環構造としては、例えばブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、カプロラクトン構造等が挙げられる。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記Lとして例示した炭素数1〜20の2価の炭化水素基の一方の結合手に水素原子が結合された基等が挙げられる。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば上記Lとして例示した炭素数1〜20の2価の炭化水素基の一方の結合手に水素原子が結合され、かつ他方の結合手に酸素原子が結合された基等が挙げられる。このようなオキシ炭化水素としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
上記Rとしては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基及び炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の1価の炭化水素基及び炭素数1〜10の1価のオキシ炭化水素基がより好ましい。
上記R及びRとしては、水素原子及び炭素数1〜20の1価の炭化水素基が好ましく、水素原子及び炭素数1〜10の1価の炭化水素基がより好ましい。
なお、上記R、R、R及び上記式(i)中のLのうちの2つ以上が互いに合わせられて環構造が形成される場合、形成される環は1つであってもよく、複数であってもよい。
上記式(I−1)で表される構造(I)を含む構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式中、R及びRは、上記式(i)と同義である。
上記式(I−2)で表される構造(I)を含む構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式中、R及びRは、上記式(i)と同義である。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、2モル%がより好ましく、3モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、20モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、12モル%がさらに好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、MEEF性能及びLWR性能をより向上させることができる。
[構造単位(II)]
[A]重合体は、酸解離性基を含む構造単位(II)を有していてもよい。[A]重合体が構造単位(II)を有すると、感度が向上するため、解像性により優れる。構造単位(II)としては、例えば下記式(3)で表される構造単位等が挙げられる。なお、構造単位(II)は、構造(I)を含まない。
Figure 0006446984
上記式(3)中、R35は、水素原子又はメチル基である。R36は、1価の酸解離性基である。
上記R35としては、水素原子が好ましい。
上記R36で表される1価の酸解離性基としては、例えばt−ブチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、2−メチルアダマンチル基、2−エチルアダマンチル基等が挙げられる。
構造単位(II)を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル等が挙げられる。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合が上記範囲である場合、解像性をより向上させることができる。
[構造単位(III)]
[A]重合体は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを有する構造単位(III)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が構造単位(III)をさらに有することで、レジスト膜と基板との密着性等、レジスト基本特性をより向上させることができる。また、レジスト膜の現像液への溶解性を高めることができる。なお、構造単位(III)は、構造(I)を含まない。
上記ラクトン構造を有する構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006446984
Figure 0006446984
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記環状カーボネート構造を有する構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記スルトン構造を有する構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(III)としては、レジスト膜と基板との密着性、及びレジスト膜の現像液への溶解性をより向上させる観点から、ラクトン構造を有する構造単位が好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、レジスト膜と基板との密着性、及びレジスト膜の現像液への溶解性をより向上させることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(III)以外にもその他の構造単位を有していてもよい。
上記その他の構造単位としては、例えば
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−2−アダマンチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、けい皮酸等の不飽和カルボン酸(無水物)類;
(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシ−n−プロピル等の不飽和カルボン酸のカルボキシアルキルエステル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド等の不飽和アミド化合物;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド化合物;
N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、4−ビニルイミダゾール等の含窒素ビニル化合物などの単量体に由来する構造単位(IV)等が挙げられる。なお、構造単位(IV)は、構造(I)を含まない。
上記構造単位(IV)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、通常25モル%以下であり、15モル%以下が好ましい。構造単位(IV)の含有割合が上記上限を超えると、形成されるレジストパターンの解像度が低下する場合がある。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えばラジカル開始剤を使用して所定の各構造単位に対応する単量体を適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
重合反応により得られた樹脂は、再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の樹脂を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して、樹脂を回収することもできる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましい。また、上記Mwの上限としては、500,000が好ましく、400,000がより好ましく、300,000がさらに好ましい。[A]重合体のMwを上記下限以上とすることにより、レジストとしたときの耐熱性を向上させることができる。一方、[A]重合体のMwを上記上限以下とすることにより、レジストとしたときの現像性を向上させることができる。
また、[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、1が好ましい。また、上記比(Mw/Mn)の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。Mw/Mnを上記範囲とすることで、レジスト膜が解像性能に優れたものとなる。
本明細書のMw及びMnは、例えば東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した値をいう。
全重合体に対する[A]重合体の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、99質量%が好ましい。[A]重合体の含有量を上記範囲とすることで、MEEF性能及びLWR性能をより向上させることができる。なお、[A]重合体は、1種又は2種以上を用いることができる。
当該感放射線性樹脂組成物における[A]重合体の含有量の下限としては、全固形分([C]溶媒以外の成分の合計質量)に対して、40質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、60質量%がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、99質量%が好ましい。[A]重合体の含有量を上記範囲とすることで、MEEF性能及びLWR性能をより向上させることができる。
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生し、その酸により[A]重合体中に存在する酸解離性基を解離させる。その結果、[A]重合体の極性が増大する。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ということがある。)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。これらの[B]酸発生剤のうち、オニウム塩化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む。)、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、スルホニウム塩が好ましい。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。これらのスルホニウム塩のうち、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート及びトリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネートが好ましい。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。これらのテトラヒドロチオフェニウム塩のうち、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。これらのヨードニウム塩のうち、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。これらのN−スルホニルオキシイミド化合物のうち、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが好ましい。
また、[A]重合体との相互作用により酸の拡散長を適度に短くするためには、下記式(B1)で表される[B]酸発生剤を用いることが好ましい。下記式(B1)で表される[B]酸発生剤を用いると、[A]重合体との相溶性が高まるため、レジスト膜中の[B]酸発生剤の分散性を向上させることもできる。[B]酸発生剤の分散性が向上すると、得られるレジストパターンのリソグラフィー特性をより向上させることができる。
Figure 0006446984
上記式(B1)において、Rf及びRfは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のフッ素化アルキル基である。nは、1〜3の整数である。ただし、スルホネート基のα位の炭素に結合するRf及びRfの両方が水素原子である場合はない。nが2以上の場合、複数のRfは同一でも異なっていてもよく、複数のRfは同一でも異なっていてもよい。Rは、脂環式構造を有する炭素数3〜20の1価の有機基である。Xは、1価のカチオンである。
上記Rf及びRfで表される炭素数1〜4のフッ素化アルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、フルオロプロピル基、ジフルオロプロピル基、トリフルオロプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、フルオロブチル基、ジフルオロブチル基、トリフルオロブチル基、テトラフルオロブチル基、ペンタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基等が挙げられる。
上記Rで表される脂環式構造を有する1価の有機基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基、1−ノルボルネニル基、2−ノルボルネニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、フリル基、及びこれらの基が結合したメチレン基若しくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基などが挙げられる。この中で、ノルボルニル基、アダマンチル基等の多環の脂環式構造を有する基が好ましく、アダマンチル基を有する基がより好ましい。
上記Rが有する水素原子の一部又は全部は、置換基で置換されていてもよい。この置換基としては、例えばヒドロキシ基、カルボキシ基、アルキルカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。また、Rの同一炭素原子に結合する2個の水素原子を置換して形成されるケト基も挙げられる。
上記Rで表される脂環式構造を有する1価の有機基としては、下記式(B1−1)で表される基が好ましい。
Figure 0006446984
上記式(B1−1)において、Aは、(m+1)価の連結基である。mは、1〜3の整数である。Rr1は、脂環式構造を有する炭素数3〜20の1価の有機基である。
上記Aで表される(m+1)価の連結基としては、例えば
2価の連結基として、エステル基、エーテル基、カルボニル基、アミド基、イミノ基、アルカンジイル基、シクロアルカンジイル基、アリーレン基、アラルキレン基等が挙げられる。
3価の連結基として、アルカントリイル基、シクロアルカントリイル基、アレーントリイル基等が挙げられる。
4価の連結基として、アルカンテトライル基、シクロアルカンテトライル基、アレーンテトライル基等が挙げられる。
上記Rr1で表される脂環式構造を有する炭素数3〜20の1価の有機基の例としては、上記Rの例を挙げることができる。
上記Xで表されるカチオンとしては、硫黄、ヨウ素、リン、窒素等のオニウムカチオンが挙げられ、具体的には、スルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン、ピリジニウムカチオン等が挙げられる。この中で、スルホニウムカチオン及びテトラヒドロチオフェニウムカチオンが好ましく、スルホニウムカチオンがより好ましい。
上記式(B1)で表される[B]酸発生剤としては、下記式で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0006446984
Figure 0006446984
上記式中、Xは、上記式(B1)と同義である。
上記式(B1)で表される[B]酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート、及びトリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートが好ましい。
これらの[B]酸発生体は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[B]酸発生体が[B]酸発生剤である場合の含有量の下限としては、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。同様の観点から、上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。
<[C]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物に含まれる[C]溶媒としては、少なくとも上記の[A]重合体、[B]酸発生体、及び必要に応じて加えられる任意成分を溶解又は分散できれば特に限定されず、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、これらの2種以上の混合溶媒等が使用できる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒などが挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
[C]溶媒としては、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒及び環状ケトン系溶媒が好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル及びシクロヘキサノンがより好ましい。これらの溶媒は1種でもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<[D]重合体>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率(質量%)が大きい[D]重合体を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有すると、レジスト膜を形成した際に、膜中の[D]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があるため、液浸露光時における[B]酸発生剤、後述する[E]酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[D]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなるため、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[D]重合体は、フッ素原子を構造中に含む単量体を1種類以上重合することにより形成される。
上記フッ素原子を構造中に含む単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体、側鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体、主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む重合体を与える単量体等が挙げられる。
主鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばα−フルオロアクリレート化合物、α−トリフルオロメチルアクリレート化合物、β−フルオロアクリレート化合物、β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、α,β−フルオロアクリレート化合物、α,β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、1つ以上のビニル部位の水素がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換された化合物等が挙げられる。
側鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばノルボルネンのような脂環式オレフィン化合物の二重結合を含まない部位にフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基が結合したもの、アクリル酸又はメタクリル酸とフルオロアルキル基又はその誘導基とのエステル化合物、1つ以上のオレフィンの二重結合を含まない部位にフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基が結合したもの等が挙げられる。
主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばα−フルオロアクリル酸、β−フルオロアクリル酸、α,β−フルオロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、β−トリフルオロメチルアクリル酸、α,β−トリフルオロメチルアクリル酸等とフルオロアルキル基又はその誘導基とのエステル化合物、1つ以上のビニル部位の水素がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換された化合物の二重結合を含まない部位にフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基が結合したもの、1つ以上の脂環式オレフィン化合物の二重結合に結合している水素をフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換し、かつ二重結合を含まない部位にフルオロアルキル基又はその誘導基が結合したもの等が挙げられる。なお、上記脂環式オレフィン化合物とは、環の一部が二重結合である化合物を示す。
[D]重合体が有する構造単位としては、下記式(D1)で表される構造単位(以下、「構造単位(D−I)」ともいう。)が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式(D1)中、R46は水素、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Eは2価の連結基である。R47は少なくとも1つ以上のフッ素原子を含有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導基である。
Eで表される2価の連結基としては、例えば単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等が挙げられる。
構造単位(D−I)を与える単量体としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
[D]重合体は、構造単位(D−I)を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。構造単位(D−I)の含有割合は、[D]重合体における全構造単位を100モル%とした場合に、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上である。この構造単位(D−I)の含有率が上記下限未満であると、70度以上の後退接触角を達成できない場合がある。
[D]重合体のMwの下限としては、1,000が好ましい。また、上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、10,000がさらに好ましい。[D]重合体のMwを上記下限以上とすることにより、十分な前進接触角を得ることができる。一方、Mwを上記上限以下とすることにより、レジストとした際の現像性を向上させることができる。
[D]重合体のMwとMnとの比(Mw/Mn)の下限としては、1が好ましい。また、上記比(Mw/Mn)の上限としては、3が好ましく、2がより好ましい。
[D]重合体は、例えばラジカル開始剤を使用して所定の各構造単位を与える単量体を適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含む場合、[D]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物における[D]重合体の含有量が上記範囲の場合、得られるレジスト膜表面の撥水性及び溶出抑制性をより高めることができる。
<[E]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、[E]酸拡散制御体を含有していてもよい。[E]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御することによって、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、当該感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上するため、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができる。これにより、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。当該感放射線性樹脂組成物における[E]酸拡散制御体の含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「[E]酸拡散制御剤」ということがある。)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[E]酸拡散制御剤としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;置換アルキルアニリン及びその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、i−シアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
また、[E]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基の一例としては、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物がある。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(E1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(E2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記式(E1)及び式(E2)中、R40〜R44は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子又は−SO−Rである。Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基である。Yは、OH、R50−COO、R−SO−N−R50、R50−SO 又は下記式(E3)で示されるアニオンである。R50及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜30の1価の有機基である。
Figure 0006446984
上記式(E3)中、R45は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは0〜2の整数である。
50及びRで表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば上記式(i)のLとして例示した炭素数1〜20の2価の有機基の一方の結合手に水素原子が結合された基等が挙げられる。
上記式(E1)で表されるスルホニウム塩化合物としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006446984
上記光崩壊性塩基としては、上記式(E1)で表されるスルホニウム塩化合物が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウム塩がさらに好ましく、トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼン−1−スルホネート及びトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートが特に好ましい。
[E]酸拡散制御体が[E]酸拡散制御剤の場合、[E]酸拡散制御剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常5質量部以下である。[E]酸拡散制御剤の含有量が5質量部を超えると、レジストとしての感度が低下する傾向にある。
<[F]偏在化促進剤>
当該感放射線性樹脂組成物は、[F]偏在化促進剤を含有していてもよい。[F]偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有する場合等に、[D]重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物に[F]偏在化促進剤を含有させることで、[D]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、MEEF性能及びLWR性能を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を効果的に抑制できる。[F]偏在化促進剤としては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
[F]偏在化促進剤としては、液浸由来欠陥をさらに効果的に抑制する観点から、ラクトン化合物が好ましく、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[F]偏在化促進剤を含有する場合、[F]偏在化促進剤の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物における重合体の総量100質量部に対して、10質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましく、25質量部が特に好ましい。また、[F]偏在化促進剤の含有量の上限としては、500質量部が好ましく、300質量部がより好ましく、250質量部がさらに好ましく、200質量部が特に好ましい。[F]偏在化促進剤の含有量が上記範囲内の場合、液浸由来欠陥をさらに効果的に抑制できる。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分として、脂環式骨格化合物、界面活性剤、増感剤等のその他の成分を含有していてもよい。
[脂環式骨格化合物]
当該感放射線性樹脂組成物が、上記脂環式骨格化合物を含んでいると、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善することができる。脂環式骨格化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常50質量部以下であり、好ましくは30質量部以下である。
[界面活性剤]
当該感放射線性樹脂組成物が、上記界面活性剤を含んでいると、塗布性、ストリエーション、現像性等をさらに改善することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常2質量部以下である。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生体からの酸の生成量を増加させる作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量は、目的に応じて適宜決定すればよい。
<当該感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]溶媒及び任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。混合する際の組成物中の固形分([C]溶媒以外の成分)の濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。また、上記濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。また、当該感放射線性樹脂組成物は、その使用に際して、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって調製される。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう。)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、及び現像液で上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)を備えるレジストパターン形成方法であって、上記感放射線性樹脂組成物として、当該感放射線性樹脂組成物を用いる。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述した当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、MEEF性能及びLWR性能を向上させることができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、レジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウエハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウエハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。PB温度の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚の下限としては、10nmが好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚の上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましい。
環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を抑制するために、例えば特開平5−188598号公報等に開示されている保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。さらに、露光を液浸露光により行う場合、レジスト膜からの[B]酸発生体等の流出を抑制するために、例えば特開2005−352384号公報等に開示されている液浸用保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。なお、これらの技術は併用できる。
[露光工程]
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介する等して、露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)及びKrFエキシマレーザー光(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましい。露光量等の露光条件は、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光光を透過させることができ、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウエハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。PEB温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。PEB温度の上限としては、180℃が好ましく、130℃がより好ましい。PEB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PEB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[現像工程]
本工程では、現像液を用い、露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンが形成される。上記現像液としては、例えばアルカリ現像液、有機溶媒を含有する現像液等が挙げられる。
上記アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液などが挙げられる。
上記有機溶媒を含有する現像液に含まれる有機溶媒としては、例えば当該感放射線性樹脂組成物の[C]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、レジストパターンのコントラスト向上の観点から、酢酸n−ブチル、酢酸i−プロピル、酢酸アミル、メチルエチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、及びメチル−n−アミルケトンが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、露光部と非露光部とのコントラストを向上させることができる。なお、有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えばイオン性若しくは非イオン性のフッ素系界面活性剤及び/又はシリコン系の界面活性剤を用いることができる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
上記現像後は、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥することが好ましい。上記リンスの方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
<Mw、Mn及びMw/Mn>
Mw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするGPCにより測定した。また分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C−NMR分析>
重合体の各構造単位の含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−Delta400」)を用いて行った。分析の際、測定溶媒として重クロロホルムを用いた。
<重合体の合成>
重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 0006446984
[[A]重合体の合成]
(重合例1:重合体(A−1)の合成)
化合物(M−1)1.71g(5モル%)、化合物(M−11)15.98g(60モル%)、及び化合物(M−12)12.31g(35モル%)を2−ブタノン60gに溶解させ、さらに、ラジカル開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.30g(単量体の合計100モル%に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次に、30gの2−ブタノンを100mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。窒素パージ後、三口フラスコ内を攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下終了後、6時間撹拌することにより重合反応を行った。重合反応終了後、重合溶液を水冷により30℃以下に冷却した。次に、600gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を120gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を得た(収率71%)。重合体(A−1)のMwは6,100であり、Mw/Mnは1.3であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−11)及び化合物(M−12)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ5.4モル%、59.1モル%及び35.5モル%であった。
(重合例2〜10及び比較重合例11、12)
表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は重合例1と同様に操作して、各重合体を合成した。なお、使用した単量体の合計質量は、いずれも30gとした。合成した各重合体の収率(%)、Mw及びMw/Mnを表1に合わせて示す。
Figure 0006446984
[[D]重合体の合成]
化合物(M−14)79.9g(70モル%)及び化合物(M−15)20.91g(30モル%)を2−ブタノン100gに溶解させ、さらに、ラジカル開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを溶解させて単量体溶液を調製した。次に、100gの2−ブタノンを1,000mLの三口フラスコに投入し、30分間窒素ガスによりパージした。窒素パージ後、三口フラスコ内を攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下終了後、6時間撹拌することにより重合反応を行った。重合反応終了後、重合溶液を水冷により30℃以下に冷却した。次に、重合溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次に、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分間静置した。その後、下層を酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルにより溶剤置換し、重合体(D−1)を含む溶液を得た(収率60%)。得られた重合体(D−1)のMwは7,200であり、Mw/Mnは2.00であった。また、13C−NMR分析の結果、化合物(M−14)及び化合物(M−15)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
[[B]酸発生剤]
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
上記[B]酸発生剤の構造式を以下に示す。
Figure 0006446984
[[C]溶媒]
C−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
C−2:シクロヘキサノン
[[E]酸拡散制御剤]
E−1: トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼン−1−スルホネート
E−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
E−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
E−4:トリn−ペンチルアミン
上記[E]酸拡散制御剤の構造式を以下に示す。
Figure 0006446984
[[F]偏在化促進剤]
F−1:γ−ブチロラクトン
<実施例1>
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]溶媒としての(C−1)2,427質量部及び(C−2)1,040質量部、[D]重合体としての(D−1)3質量部、[E]酸拡散制御剤としての(E−1)2.3質量部、並びに[F]偏在化促進剤としての(F−1)100質量部を混合し、実施例1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
<実施例2〜10及び比較例1、2>
表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様に操作して各感放射線性樹脂組成物を調製した。
<レジストパターンの形成(1)>(アルカリ現像)
12インチのシリコンウエハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、マスクパターンを介して最適露光量(Eop)で露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。なお、上記Eopは、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクパターンを介して線幅40nmの1対1ラインアンドスペースのレジストパターンが形成される露光量とした。
<レジストパターンの形成(2)>(有機溶媒現像)
上記<レジストパターンの形成(1)>においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記<レジストパターンの形成(1)>と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、下記方法により測定を行うことにより、感放射線性樹脂組成物についてのMEEF性能及びLWR性能を評価した。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。
[MEEF性能]
上記Eopにて、線幅が38nm、39nm、40nm、41nm、42nmである各マスクパターンを用いて形成されたレジストパターンの線幅を縦軸に、各マスクパターンの線幅を横軸にプロットしたときの直線の傾きを算出し、これをMEEF性能とした。MEEF性能は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを示す。本評価方法によるMEEF性能は、2.7以下の場合は良好と2.7を超える場合は不良と評価できる。
[LWR性能]
上記Eopにて、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクパターンを用いて形成されたレジストパターンについて、上記走査型電子顕微鏡によりパターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほどパターンの線幅の均一性が良好であることを示す。本評価方法によるLWR性能は、3.5μm以下の場合は良好と3.5μmを超える場合は不良と評価できる。
Figure 0006446984
上記表2の結果から分かるように、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、MEEF性能及びLWR性能を向上させることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、MEEF性能及びLWR性能を向上させることができる。

Claims (6)

  1. 下記式(i)で表される第1構造単位を有する第1重合体、感放射線性酸発生体及び溶媒を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0006446984
    (式(i)中、R は、水素原子、フッ素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。R は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。R 及びLが互いに合わせられ、これらの間に存在する−C−C(O)−O−と共に環員数5〜20の環構造を形成していてもよい。Zは、下記式(i−1)又は下記式(i−2)で表される構造である。)
    Figure 0006446984
    (式(i−1)及び(i−2)中、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。但し、上記式(i)中のZが、上記式(i−1)で表される構造である場合、R は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。*は、上記式(i)中のLと結合する部位を表す。R 、R 、R 及び上記式(i)中のLのうちの2つ以上が互いに合わせられ、これらの間に存在する炭素原子又は炭素鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。)
  2. 上記第1重合体が、酸解離性基を含む第2構造単位をさらに有する請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記第1重合体を構成する全構造単位に対する上記第1構造単位の含有割合が、1モル%以上30モル%以下である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記第1重合体よりもフッ素原子含有率の大きい第2重合体をさらに含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 全重合体に対する上記第1重合体の含有量が、50質量%以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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