JP2019056941A - パターン形成方法 - Google Patents

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仁視 大▲崎▼
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Abstract

【課題】レジスト材料の種類によらずとも、LWRが小さく波長限界を超える微細なパターンを形成可能な方法を提供する。【解決手段】感放射線性樹脂組成物を用いて形成された塗布膜を露光する工程と、上記露光された塗布膜に第1アルカリ溶液を接触させる工程と、上記第1アルカリ溶液を接触させた塗布膜を加熱する工程と、上記加熱された塗布膜を水又は第2アルカリ溶液で洗浄する工程とを備え、上記感放射線性樹脂組成物が、第1アルカリ溶液との接触及び加熱によって上記水又は上記第2アルカリ溶液に対する溶解性が変化する官能基を有する重合体を含有するパターン形成方法である。上記溶解性が変化する官能基は、ラクトン環基、カーボネート環基及びスルトン環基であることが好ましく、ラクトン環基であることがより好ましい。上記重合体が酸解離性基をさらに有し、上記感放射線性樹脂組成物が感放射線性酸発生体をさらに含有することが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるパターンの微細化が要求されている。パターンの微細化方法の一つとして、形成したレジストパターンの線幅を最初に形成された線幅よりも細くする処理(いわゆる「スリミング処理」)が知られている。
スリミング処理の方法としては従来より、レジストパターンが形成された基板上に酸を含む溶液を塗布し、次いで熱処理し、その後洗浄する方法が行われている。
酸を含む溶液を用いるこの方法においては、スリミング量は、レジスト材料(感放射線性樹脂組成物)の種類及び酸の濃度に大きく依存する。そこで特開2010−267880号公報では、レジスト材料の種類によらず一定のスリミング量を得ることを目的として、溶液に含まれる酸の濃度、レジスト材料の種類及びそれに対応するスリミング量をデータベース化することが提案されている。
しかしながら、このデータベース化による方法は、レジスト材料の種類によってスリミング量が大きく依存することへの根本的な解決とはなっていない。加えて、酸を含む溶液を用いる方法においては、スリミング後のパターンにラフネスが発生し、LWR(Line Width Roughness)が大きいという問題がある。
特開2010−267880号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、レジスト材料の種類によらずとも、LWRが小さく波長限界を超える微細なパターンを形成可能な方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたプレパターンに第1アルカリ溶液(以下、「アルカリ溶液(1)」ともいう)を接触させる工程(以下、「接触工程(A)」ともいう)と、上記第1アルカリ溶液を接触させたプレパターンを加熱する工程(以下、「加熱工程(A)」ともいう)と、上記加熱されたプレパターンを、水又は第2アルカリ溶液(以下、「アルカリ溶液(2)」ともいう)で洗浄する工程(以下、「洗浄工程(A)」ともいう)とを備え、上記感放射線性樹脂組成物が、第1アルカリ溶液との接触及び加熱によって上記水又は上記第2アルカリ溶液に対する溶解性が変化する官能基を有する重合体(以下、「[a]重合体」ともいう)を含有するパターン形成方法(以下、「第1のパターン形成方法」ともいう)である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成された塗布膜を露光する工程(以下、「露光工程(B)」ともいう)と、上記露光された塗布膜に第1アルカリ溶液を接触させる工程(以下、「接触工程(B)」ともいう)と、上記第1アルカリ溶液を接触させた塗布膜を加熱する工程(以下、「加熱工程(B)」ともいう)と、上記加熱された塗布膜を水又は第2アルカリ溶液で洗浄する工程(以下、「接触工程(B)」ともいう)とを備え、上記感放射線性樹脂組成物が、[a]重合体を含有するパターン形成方法(以下、「第2のパターン形成方法」ともいう)である。
本発明の第1のパターン形成方法によれば、スリミング量のレジスト材料の種類による依存性が小さい。また、得られるパターンにおいてLWRが低減されている。本発明の第2のパターン形成方法によれば、レジスト材料の種類によらずとも、LWRが小さく波長限界を超える微細なパターンを形成することができる。従って、これらのパターン形成方法は、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体加工分野等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
本発明の第1のパターン形成方法の一実施形態を示す概略図である。
<第1のパターン形成方法>
以下、本発明の第1のパターン形成方法について図面を用いて説明する。当該パターン形成方法は、接触工程(A)、加熱工程(A)及び洗浄工程(A)を備える。以下、各工程について説明する。
<接触工程(A)>
本工程は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたプレパターンにアルカリ溶液(1)を接触させる工程である。本工程において、図1(A)に示す基板1上に形成されたプレパターン2が、図1(B)に示すようにアルカリ溶液3との接触下に置かれる。プレパターン2は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成される。
[感放射線性樹脂組成物]
感放射線性樹脂組成物は、[a]重合体を含有する。また、感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[b]感放射線性酸発生体を含有していてもよい。また、感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内でその他の成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
([a]重合体)
[a]重合体は、アルカリ溶液(1)との接触及び加熱によって水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する官能基を有する。すなわち、[a]重合体は、末端、主鎖及び側鎖のいずれかにこの官能基を有する構造単位(以下、構造単位(I)ともいう)を有する。この官能基は、後述のようにこの溶解性の変化によりプレパターンのスリミングに寄与する。官能基の導入の容易さ及び導入量の調整の容易さの観点から、構造単位(I)において、側鎖がこの官能基を有することが好ましい。
上記官能基としては、アルカリ溶液(1)との接触及び加熱によって水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する限り特に制限はないが、ラクトン環基、カーボネート環基及びスルトン環基が好ましく、ラクトン環基がより好ましい。これらの基が有する環は、アルカリ溶液(1)との接触及び加熱によって開裂し、これらの基の水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する。ラクトン環基、カーボネート環基又はスルトン環基を有する重合体を含むレジスト材料を用いて作製されたプレパターンは、基板との密着性が高いことが知られており、このようなレジスト材料は多用されている。したがって、溶解性が変化する官能基として、ラクトン環基、カーボネート環基及びスルトン環基を選択することは、従来の感放射線性樹脂組成物を使用できることから、実施の容易さ及びレジスト材料の種類の選択の幅広さの面で有利である。
[a]重合体は、酸解離性基を有することが好ましい。[a]重合体が酸解離性基を有することで、上記感放射線性樹脂組成物が、レジスト材料として好適な感放射線性を容易に発揮することができる。[a]重合体は、末端、主鎖及び側鎖のいずれに酸解離性を有していてもよく、酸解離性の導入の容易さ及び導入量の調整の容易さの観点から、側鎖にこの官能基を有することが好ましい。
したがって、[a]重合体は、ラクトン環基、カーボネート環基及びスルトン環基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位を有することが好ましい。また、[a]重合体は、酸解離基を含む構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)を有することが好ましい。[a]重合体が含んでいてもよいその他の構造単位としては、親水性官能基を有する構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)が挙げられ、[a]重合体は、これらの構造単位以外のその他の構造単位を有していてもよい。[a]重合体は、各構造単位をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
(構造単位(I))
構造単位(I)は、末端、主鎖及び側鎖のいずれかにアルカリ溶液(1)との接触及び加熱によって水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する官能基を有する構造単位である。構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
Figure 2019056941
Figure 2019056941
Figure 2019056941
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[a]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、35モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、65モル%がより好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該パターン形成方法によってプレパターンのスリミングをより容易に行うことができる。
(構造単位(II))
構造単位(II)は、酸解離基を含む構造単位である。構造単位(II)としては、例えば下記式(1)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
上記式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の酸解離性基である。
上記Rで表される1価の酸解離性基としては下記式(i)で表される基が好ましい。
Figure 2019056941
上記式(i)中、Rp1は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Rp2及びRp3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
上記Rp1で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記Rp1、Rp2及びRp3で表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rp1、Rp2及びRp3で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Rp1、Rp2及びRp3で表される炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
これらのうち、Rp1が炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基であり、Rp2及びRp3の基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成されるアダマンタン構造又はシクロアルカン構造を表すことが好ましい。
構造単位(II)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−4)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
上記式(1−1)〜(1−4)中、Rは、上記式(1)と同義である。Rp1、Rp2及びRp3は、上記式(i)と同義である。nは、1〜4の整数である。
上記式(1)又は(1−1)〜(1−4)で表される構造単位としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
Figure 2019056941
上記式中、Rは、上記式(1)と同義である。
構造単位(II)を与える単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
構造単位(II)の含有割合の下限としては、[a]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、35モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、65モル%がより好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該パターン形成方法によれば、より良好な形状のパターンを形成することができる。
(構造単位(III))
構造単位(III)は、親水性官能基を有する構造単位(III)である。[a]重合体が構造単位(III)を有することで、プレパターンと基板との密着性が向上し、その結果、当該パターン形成方法によれば、より良好な形状のパターンを形成することができる。
上記親水性官能基としては、例えばヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、オキソ基(=O)、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキシ基が好ましい。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(III)の含有割合としては、[a]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%以上40モル%以下が好ましく、0モル%以上30モル%以下がより好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、当該パターン形成方法によれば、さらに良好な形状のレジストパターンを形成することができる。
[a]重合体は、上記構造単位以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、例えば非酸解離性の鎖状炭化水素基を含む構造単位、非酸解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位等が挙げられる。上記その他の構造単位の含有割合としては、[a]重合体を構成する全構造単位に対して、通常30モル%以下であり、20モル%以下が好ましい。上記その他の構造単位の含有割合が上記上限を超えると、感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
[a]重合体の含有量としては、感放射線性樹脂組成物の全固形分中、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
([a]重合体の合成方法)
[a]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成することができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらのうち、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましい。これらのラジカル開始剤は、2種以上を用いてもよい。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を用いてもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃以上、好ましくは50℃以上であり、一方、通常150℃以下であり、好ましくは120℃以下である。反応時間としては、通常1時間以上であり、一方、通常48時間以下であり、好ましくは24時間以下である。
[a]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)としては、1,000以上が好ましい。一方、Mwとしては、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、30,000以下が特に好ましい。[a]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該パターン形成方法によれば、さらに良好な形状のパターンを形成することができる。
[a]重合体のMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)としては、通常1以上3以下であり、好ましくは1以上2以下である。
重合体のMw及びMnは、GPCにより東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を使用し、以下の条件により測定した値である。
溶離液:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
([b]感放射線性酸発生体)
[b]感放射線性酸発生体は、放射線の照射(露光)により酸を発生する物質である。当該パターン形成方法の好ましい一実施形態では、[a]重合体が酸解離性基をさらに有し、上記感放射線性樹脂組成物が感放射線性酸発生体をさらに含有する。[a]重合体は、上記[b]感放射線性酸発生体が発生した酸の作用により、[a]重合体中の酸解離性基を解離させてカルボキシ基等を生成させ、その結果、[a]重合体の現像液への溶解性が変化する。上記感放射線性樹脂組成物における[b]感放射線性酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[b]感放射線性酸発生剤」とも称する)でも、重合体に組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[b]感放射線性酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)ヘキサン−1−スルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(1−アダマンチル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート等が挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)−1,1−ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
[b]感放射線性酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩がより好ましい。[b]感放射線性酸発生剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
[b]感放射線性酸発生体の含有量としては、[b]感放射線性酸発生体が[b]感放射線性酸発生剤である場合、[a]重合体100質量部に対して、通常0.1質量部以上であり、好ましくは0.5質量部以上である。一方上記含有量は、通常20質量部以下であり、好ましくは15質量部以下である。[b]感放射線性酸発生剤の含有量が上記下限未満であると、上記感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性が低下する場合がある。一方、[b]感放射線性酸発生剤の含有量が上記上限を超えると、放射線に対する透明性が低下し、所望のレジストパターンが得られ難くなる場合がある。
(その他の成分)
その他の成分としては、例えば[c]溶媒、[d][a]重合体よりフッ素原子含有率が高い重合体、[e]酸拡散制御体、[f]界面活性剤、[g]脂環式骨格含有化合物、[h]増感剤等が挙げられる。
([c]溶媒)
[c]溶媒としては、[a]重合体及び他の成分を溶解又は分散することができれば特に限定されず用いることができる。[c]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル;
ジフェニルエーテル、ジトリルエーテル等のジ芳香族エーテル;
アニソール、フェニルエチルエーテル等の芳香族−脂肪族エーテル等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチルアミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等の脂肪族ケトン系溶媒;
アセトフェノン、プロピオフェノン、トリルメチルケトン等の脂肪族−芳香族ケトン系溶媒;
ベンゾフェノン、トリルフェニルケトン、ジトリルケトン等の芳香族ケトン系溶媒等が挙げられる。
上記アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、例えば
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等のモノエステル系溶媒;
ジ酢酸グリコール、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のジエステル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールモノエーテルアセテート系溶媒;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[c]溶媒としては、これらの中で、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、多価アルコールモノエーテルアセテート系溶媒及びラクトン系溶媒が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びγ−ブチロラクトンがより好ましい。ケトン系溶媒としては、環状ケトン系溶媒が好ましく、シクロヘキサノンがより好ましい。
([d]重合体)
[d]重合体は、[a]重合体よりフッ素原子含有率が高い重合体である。上記感放射線性樹脂組成物が[d]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に[d]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表層に偏在化する傾向がある。結果として、液浸露光を行う場合、酸発生剤や酸拡散制御剤等の液浸媒体への溶出を抑制でき好ましい。また、この[d]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。なお、フッ素原子含有率(質量%)は、重合体の構造を13C−NMR、H−NMR、IRスペクトル等を測定することにより求め、算出することができる。
[d]重合体としては、[a]重合体よりフッ素原子含有率が高い限り特に限定されないが、フッ素化アルキル基を有することが好ましい。[d]重合体は、フッ素原子を構造中に含む単量体を少なくとも1種以上用いて重合することにより形成される。フッ素原子を構造中に含む単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む単量体、側鎖にフッ素原子を含む単量体、主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む単量体等が挙げられる。
主鎖にフッ素原子を含む単量体としては、例えばα−フルオロアクリレート化合物、α−トリフルオロメチルアクリレート化合物、β−フルオロアクリレート化合物、β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、α,β−フルオロアクリレート化合物、α,β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、1種類以上のビニル部位の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物等が挙げられる。
側鎖にフッ素原子を含む単量体としては、例えばノルボルネン等の脂環式オレフィン化合物の側鎖がフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基であるもの、アクリル酸又はメタクリル酸のフルオロアルキル基又はその誘導基を有するエステル化合物、1種類以上のオレフィンの側鎖(二重結合を含まない部位)がフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基である単量体等が挙げられる。
主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む単量体としては、例えばα−フルオロアクリル酸、β−フルオロアクリル酸、α,β−フルオロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、β−トリフルオロメチルアクリル酸、α,β−トリフルオロメチルアクリル酸等のフルオロアルキル基又はその誘導基を有するエステル化合物、1種類以上のビニル部位の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物の側鎖をフッ素原子又はフルオロアルキル基若しくはその誘導基で置換した単量体、1種類以上の脂環式オレフィン化合物の二重結合に結合している水素原子をフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換し、かつ側鎖がフルオロアルキル基又はその誘導基である単量体等が挙げられる。なお、この脂環式オレフィン化合物とは環の一部が二重結合である化合物を示す。
[d]重合体がフッ素原子を有する態様としては、下記式(F1)で表される構造単位(IV)を含むことが好ましい。
Figure 2019056941
上記式(F1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導基である。kは、1〜3の整数である。但し、Rが複数の場合、複数のRはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。Aは、単結合又は(k+1)価の連結基である。
上記Aで表される(k+1)価の連結基としては、例えば酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基、カルボニルオキシ−ジ(オキシカルボニル)エタンジイル基、カルボニルオキシ−ジ(オキシカルボニル)プロパンジイル基、トリ(カルボニルオキシ)エタンジイル基、カルボニルオキシ−トリ(オキシカルボニル)エタンジイル基、カルボニルオキシ−トリ(オキシカルボニル)プロパンジイル基、テトラ(カルボニルオキシ)エタンジイル基等が挙げられる。
構造単位(IV)を与える単量体としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル及び2,2−ジ(2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニル)エチル(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル及び2,2−ジ(2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニル)エチル(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
[d]重合体は、構造単位(IV)を2種以上有してもよい。構造単位(IV)の含有割合としては、[d]重合体における全構造単位に対して、通常5モル%以上であり、10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましい。構造単位(IV)の含有割合が5モル%未満であると、70°以上の後退接触角を達成できなかったり、レジスト膜からの酸発生剤等の溶出を抑制できないおそれがある。
[d]重合体には、構造単位(IV)以外にも、現像液に対する溶解速度をコントロールするために、ラクトン環基、カーボネート環基及びスルトン環基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む上記[a]重合体における構造単位(I)、酸解離性基を含む上記[a]重合体における構造単位(II)、脂環式炭化水素基を含む構造単位等の他の構造単位を1種以上含有することができる。
上記脂環式炭化水素基を含む構造単位としては、例えば下記式(F2)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2019056941
上記式(F2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Xは、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基である。
上記Xで表される炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等のシクロアルカン類に由来する脂環族環からなる炭化水素基が挙げられる。
上記他の構造単位の含有割合は、[d]重合体を構成する全構造単位に対して、通常90モル%以下であり、好ましくは80モル%以下である。
[d]重合体の含有量としては、[a]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。一方上記含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。[d]重合体の含有量を上記範囲とすることで、形成されるレジスト膜表面の撥水性をより適度に高めることができる。
([d]重合体の合成方法)
[d]重合体の合成方法としては、例えば[a]重合体の合成方法と同様の方法に従って合成することができる。[d]重合体のMwとしては、1,000以上が好ましく、一方50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、10,000以下がさらに好ましい。[d]重合体のMwが1,000未満の場合、十分な前進接触角を得ることができない場合がある。
([e]酸拡散制御体)
[e]酸拡散制御体は、露光により[b]感放射線性酸発生体から発生する酸等のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、[e]酸拡散制御体は、これを含有する感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させる効果も奏する。[e]酸拡散制御体の感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「[e]酸拡散制御剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[e]酸拡散制御剤としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;置換アルキルアニリン又はその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばN−(t−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−(t−ペンチルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン等のN−t−ペンチルオキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キナゾリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、2−キノキサリノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
[e]酸拡散制御剤としては、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基の一例として、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(K1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(K2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2019056941
上記式(K1)及び(K2)中、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子である。Z及びEは、OH、R−COO、R−SO 、R−N−SO−R又は下記式(K3)で表されるアニオンである。但し、Rは、アルキル基、アリール基又はアルカリール基である。Rは、フッ素原子を有していてもよいアルキル基である。
Figure 2019056941
上記式(K3)中、R11は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。
([f]界面活性剤)
[f]界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。[f]界面活性剤としては、一般的なレジスト材料に用いられるものと同様のものを用いることができる。
([g]脂環式骨格含有化合物)
[g]脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
[g]脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。感放射線性樹脂組成物における[g]脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[a]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
([h]増感剤)
[h]増感剤は、[b]感放射線性酸発生体からの酸の生成量を増加する作用を表すものであり、感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
[h]増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、2種以上を併用してもよい。
[感放射線性樹脂組成物の調製方法]
感放射線性樹脂組成物は、例えば[a]重合体及びその他の成分を所定の割合で混合することにより調製することができる。感放射線性樹脂組成物の全固形分濃度としては、通常、1質量%以上50質量%以下であり、1質量%以上25質量%以下が好ましい。
[プレパターン形成方法]
プレパターンは公知方法に従い形成することができる。具体的に例えば、感放射線性樹脂組成物を用い、塗布膜(レジスト膜)を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程(A)」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を行うことによりプレパターンを形成することができる。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、上記感放射線性樹脂組成物を用い、レジスト膜を形成する。レジスト膜は通常、基板の上面側に形成される。この基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、反射防止膜で被覆されたウェハ等が挙げられる。上記感放射線性樹脂組成物はこの基板上等に塗布等される。この塗布の方法としては、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の各方法等が挙げられる。具体的には、得られるレジスト膜が所定の膜厚となるように上記感放射線性樹脂組成物を塗布した後、ソフトベーク(SB)等を行うことにより塗膜中の溶媒を揮発させ、レジスト膜を形成する。SBの温度は、通常60℃以上、好ましくは80℃以上であり、一方、通常140℃以下であり、好ましくは130℃以下である。SBの時間は、通常5秒以上であり、好ましくは10秒以上であり、一方、通常600秒以下であり、好ましくは180秒以下である。
液浸露光を行う場合で、上記感放射線性樹脂組成物が撥水性重合体添加剤を含有していない場合等には、上記形成したレジスト膜上に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を避ける目的で、液浸液に不溶性の液浸用保護膜を設けてもよい。液浸用保護膜としては、現像工程の前に溶媒により剥離する溶媒剥離型保護膜(例えば特開2006−227632号公報参照)、現像工程の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えばWO2005−069076号公報、WO2006−035790号公報参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
[露光工程(A)]
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜を露光する。この露光は、フォトマスクを介し、液浸露光の場合は、さらに、水等の液浸媒体を介して行われる。露光光としては、目的とするパターンの線幅等に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線及び電子線が好ましく、遠紫外線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)及びKrFエキシマレーザー光(波長248nm)がさらに好ましく、ArFエキシマレーザー光が特に好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[b]感放射線性酸発生体から発生した酸による[a]重合体の酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光された部分(露光部)と露光されていない部分(未露光部)の現像液に対する溶解性に差が生じる。PEB温度は、通常50℃以上であり、好ましくは80℃以上であり、一方、通常180℃以下であり、好ましくは130℃以下である。PEB時間は、通常5秒以上であり、好ましくは10秒以上であり、一方、通常600秒以下であり、好ましくは300秒以下である。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、レジストパターンである所定プレパターンを形成することができる。
上記現像に用いる現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解した第3アルカリ溶液(以下、アルカリ溶液(3)ともいう)等が挙げられる。アルカリ溶液(3)は、特にアルカリ水溶液である。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[c]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることができる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥を行ってもよい。
本工程において形成されるプレパターンとしては、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン等が挙げられる。
当該パターン形成方法において、プレパターンは、上記感放射線性樹脂組成物の塗布膜をアルカリ溶液(3)で現像することにより形成されるポジ型のプレパターンであることが好ましい。
[接触操作]
次にプレパターンにアルカリ溶液(1)を接触させる方法について説明する。
アルカリ溶液(1)としては、例えば上記現像工程で使用されるアルカリ溶液(3)と同じものが挙げられる。
プレパターンにアルカリ溶液(1)を接触させる第1の方法としては、上述のようにプレパターンを形成し、このプレパターンにアルカリ溶液(1)を塗布する方法が挙げられる。
<加熱工程(A)>
本工程は、アルカリ溶液(1)を接触させたプレパターンを加熱する工程である。上記接触工程(A)及びこの加熱工程(A)により、プレパターンとアルカリ溶液(1)とが接触した部分において、上記感放射線性樹脂組成物に含有される[a]重合体の有する官能基の、水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する。具体的には、この官能基が、ラクトン環基、カーボネート環基又はスルトン環基であった場合には、開環して酸性基が生成することにより、水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する。すなわち、[a]重合体が、水又はアルカリ溶液(2)に対して可溶性になる。したがって、本工程では、図1(C)に示すように、プレパターン2とアルカリ溶液3とが接触していた部分において、溶解性変化領域4が形成される。
加熱は公知のベーク方法に準じて行うことができる。加熱温度は、通常60℃以上であり、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。一方加熱温度は、通常140℃以下であり、好ましくは130℃以下であり、より好ましくは120℃以下である。加熱温度が上記の範囲内であれば、官能基の水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性を効率よく変化させることができる。
<洗浄工程(A)>
本工程は、上記加熱されたプレパターンを、水又はアルカリ溶液(2)で洗浄する工程である。本工程では、図1(D)に示すように、プレパターン2に形成された溶解性変化領域4が洗浄により除去され、プレパターン2がスリミングされる。
アルカリ溶液(2)としては、例えば上記現像工程で使用されるアルカリ溶液(3)と同じもの等が挙げられる。
好適な一実施形態においては、洗浄工程(A)で、水を用いる。この場合、薬品の使用を避けることができるため、環境面及び実施の容易さの面で有利である。
好適な別の実施形態においては、洗浄工程(A)でアルカリ溶液(2)を用い、このアルカリ溶液(2)がアルカリ溶液(1)と同じである。アルカリ溶液(2)にアルカリ溶液(1)と同じものを用いることによって、当該パターン形成方法の実施が容易になる。
洗浄は、従来のレジストパターンの現像方法と同様にして行うことができる。
このように当該パターン形成方法では、プレパターンがアルカリ溶液(1)と接触した部分において、水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化してプレパターンのスリミング(波長限界を超える微細なパターンの形成)を達成できる。当該パターン形成方法によれば、スリミングに寄与するのが水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する官能基であり、感放射線性樹脂組成物が含有する重合体のこの官能基以外の部位は、基本的にスリミングに影響を及ぼさないので、この官能基以外の部位を比較的自由に選択することができる。その結果、スリミング量のレジスト材料の種類による依存性が小さくなっている。また、得られるパターンにおいて、LWRが低減されるという効果も奏する。
<第2のパターン形成方法>
以下、本発明の第2のパターン形成方法について説明する。当該パターン形成方法は、露光工程(B)と、接触工程(B)と、加熱工程(B)と、洗浄工程(B)とを備える。以下、各工程について説明する。第1のパターン形成方法では、パターン形成後の塗布膜(プレパターン)にアルカリ溶液を接触させるが、第2のパターン形成方法では、パターン形成前の塗布膜(露光後のレジスト膜)にアルカリ溶液を接触させる。パターン形成前の塗布膜にアルカリ溶液を接触させた後に加熱することで、第1のパターン形成方法と同様の原理によって、パターン形成前の塗布膜にアルカリ溶液を接触させた後に加熱しない通常の現像の場合に比べて、微細でLWRの小さいパターンを得ることができる。
<露光工程(B)>
本工程は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成された塗布膜を露光する工程である。
本工程で用いられる感放射線性樹脂組成物は、アルカリ溶液(1)との接触及び加熱によって水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する官能基を有する重合体を含有するものであり、第1のパターン形成方法で用いられる感放射線性樹脂組成物と同じものを用いることができる。上記溶解性が変化する官能基としては、ラクトン環基、カーボネート環基又はスルトン環基が好ましく、ラクトン環基がより好ましい。好ましくは、上記重合体が酸解離性基をさらに有し、上記感放射線性樹脂組成物が感放射線性酸発生体をさらに含有する。
塗布膜の形成は、第1のパターン形成方法のレジスト膜形成工程で説明したレジスト膜形成操作を行うことにより実施することができる。
塗布膜の露光操作は、第1のパターン形成方法の露光工程(A)における露光と同様の操作により行うことができる。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[b]感放射線性酸発生体から発生した酸による[a]重合体の酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光された部分(露光部)と露光されていない部分(未露光部)の現像液に対する溶解性に差が生じる。PEB温度は、通常50℃以上であり、好ましくは80℃以上であり、一方、通常180℃以下であり、好ましくは130℃以下である。PEB時間は、通常5秒以上であり、好ましくは10秒以上であり、一方、通常600秒以下であり、好ましくは300秒以下である。
<接触工程(B)>
本工程は、上記露光された塗布膜にアルカリ溶液(1)を接触させる工程である。本工程は、上記露光された塗布膜上にアルカリ溶液(1)を公知方法に従って塗布することによって行うことができる。これにより、露光された塗布膜の表面にアルカリ溶液(1)が付着したものが形成される。アルカリ溶液(1)としては、例えば上記第1のパターン形成方法で使用されるアルカリ溶液(1)と同じものが挙げられる。
<加熱工程(B)>
本工程は、上記アルカリ溶液(1)を接触させた塗布膜を加熱する工程である。上記接触工程(B)及びこの加熱工程(B)により、塗布膜とアルカリ溶液(1)とが接触した部分において、上記感放射線性樹脂組成物に含有される[a]重合体の有する官能基の、水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する。具体的には、この官能基が、ラクトン環基、カーボネート環基又はスルトン環基であった場合には、開環して酸性基が生成することにより、水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化する。すなわち、[a]重合体が、水又はアルカリ溶液(2)に対して可溶性になる。したがって、本工程では、塗布膜とアルカリ溶液が接触していた部分において、溶解性変化領域が形成される。
加熱は公知のベーク方法に準じて行うことができる。加熱温度は、通常50℃以上であり、好ましくは60℃以上であり、より好ましくは70℃以上であり、さらに好ましくは75℃である。一方加熱温度は、通常140℃以下であり、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは90℃以下であり、特に好ましくは85℃以下である。加熱時間は、通常10秒以上であり、好ましくは20秒以上であり、より好ましくは30秒以上であり、さらに好ましくは40秒以上である。一方加熱時間は、通常600秒以下であり、300秒以下が好ましく、180秒以下がより好ましく、120秒以下がさらに好ましく、90秒以下が特に好ましい。加熱温度が上記の範囲内であれば、官能基の水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性を効率よく変化させることができる。
<洗浄工程(B)>
本工程は、上記加熱された塗布膜を水又はアルカリ溶液(2)で洗浄する工程である。本工程は、第1のパターン形成方法の洗浄工程(A)と同様の操作により行うことができる。本工程では、上記塗布膜に形成された溶解性変化領域が洗浄により除去され、パターンが形成される。上記加熱工程(B)によって、塗布膜の水又はアルカリ溶液(2)に対する溶解性が変化しているため、洗浄工程(B)後に得られるパターンは、パターン形成前の塗布膜を加熱しない通常の現像の場合に比べて微細なものとなる。すなわち、波長限界を超える微細なものとなる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制限されるものではない。
[1]重合体(A−1)の合成
重合体(A−1)の物性の測定及び評価は、下記の要領で行った。
(1)Mw及びMn
重合体(A−1)のMw及びMnは、GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用いて、以下の条件により測定した。
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
(2)13C−NMR分析
重合体(A−1)の13C−NMR分析は、日本電子社の「JNM−EX270」を用いて行った。
以下、重合体(A−1)の合成について説明する。重合体(A−1)の合成に用いた単量体[化合物(M−1)〜(M−4)]を以下に示す。
Figure 2019056941
<重合体(A−1)の合成>
まず、単量体として上記化合物(M−1)35モル%、化合物(M−2)25モル%、化合物(M−3)10モル%、(M−4)30モル%及び開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN))を30gのメチルエチルケトンに溶解した単量体溶液を準備した。仕込み時の単量体の合計量は30gに調製した。尚、各単量体のモル%は単量体全量に対するモル%を表し、開始剤の使用割合は、単量体と開始剤の合計量に対して5モル%とした。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mLの三つ口フラスコにエチルメチルケトン30gを加え、30分間窒素パージを行った。その後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。
次いで、上記単量体溶液をフラスコ内に、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下後3時間熟成させ、その後、30℃以下になるまで冷却して重合体溶液を得た。この重合溶液を600gのメタノール中へ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を2回、120gずつのメタノールでスラリー状にして洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥し、白色粉末状の重合体(A−1)を得た(23.3g、収率:77.7%)。13C−NMR分析の結果、重合体(A−1)における化合物(M−1)〜(M−4)由来の構造単位の含有割合(モル%)は、それぞれ36.7:22.3:9.8:31.2(モル%)であった。また、重合体(A−1)のMwは6,500、Mw/Mnは、1.4であった。
[2]感放射線性樹脂組成物の調製
重合体(A−1)100質量部、感放射線性酸発生剤(B−1)12質量部、酸拡散制御剤(C−1)0.64質量部、並びに溶媒(D−1)1980質量部、(D−2)849質量部及び(D−3)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブレンフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(E−1)を調製した。尚、使用した酸発生剤(B−1)、酸拡散制御剤(C−1)及び溶媒(D−1)〜(D−3)は以下の通りである。
<感放射線性酸発生剤>
(B−1):下記に示す化合物
Figure 2019056941
<酸拡散制御剤>
(C−1): 下記に示す化合物
Figure 2019056941
<溶媒>
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):シクロヘキサノン
(D−3):γ−ブチロラクトン
[3]感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成
感放射線性樹脂組成物(E−1)について、次のようにして、90nmのラインアンドスペースのパターンが形成されたシリコンウエハを作製した。8インチシリコンウエハ上に、下層反射防止膜(ブルワーサイエンス社の「ARC29A」)を、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートすることにより膜厚77nmとなるように塗布し、PB(205℃、60秒)を行って塗膜を形成した。形成した塗膜上に、感放射線性樹脂組成物溶液を、「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートし、PB(100℃、60秒)を行って膜厚100nmのレジスト膜を形成した。形成したレジスト膜を、ニコン社のArFエキシマレーザー露光装置「NSR S306C」(照明条件;NA0.78、σ0/σ1=0.93/0.62、Dipole)を用い、90nmLine180nmPitchのマスクパターンを介して露光した。PEB(100℃、60秒)を行った後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液によって、23℃、30秒の条件で現像した。水洗した後、乾燥することによりポジ型のレジストパターンを形成した。なお、このとき、90nmLine180nmPitchのマスクパターンを介して露光した部分が線幅90nmのLineを形成する露光量を最適露光量(Eop)とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。
[4]パターン微細化評価
[実施例1]
上記の方法で90nmのラインアンドスペースのパターンが形成された8インチウエハの上に、パターン微細化剤として2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートした。ベーク(80℃、60秒)を行った後、超純水にてリンスし、乾燥することにより、評価基板を作製した。
[実施例2]
上記の方法で90nmのラインアンドスペースのパターンが形成された8インチウエハの上に、パターン微細化剤として2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートした。ベーク(100℃、60秒)を行った後、超純水にてリンスし、乾燥することにより、評価基板を作製した。
[実施例3]
上記の方法で90nmのラインアンドスペースのパターンが形成された8インチウエハの上に、パターン微細化剤として2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートした。ベーク(120℃、60秒)を行った後、超純水にてリンスし、乾燥することにより、評価基板を作製した。
[実施例4]
8インチシリコンウエハ上に、下層反射防止膜(ブルワーサイエンス社の「ARC29A」)を、東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートすることにより膜厚77nmとなるように塗布し、PB(205℃、60秒)を行って塗膜を形成した。形成した塗膜上に、感放射線性樹脂組成物(E−1)溶液を、「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートし、PB(100℃、60秒)を行って膜厚100nmの塗布膜(レジスト膜)を形成した。形成した塗布膜を、ニコン社のArFエキシマレーザー露光装置「NSR S306C」(照明条件;NA0.78、σ0/σ1=0.93/0.62、Dipole)を用い、90nmLine180nmPitchのマスクパターンを介して上記最適露光量にて露光した。PEB(100℃、60秒)を行った後、露光した塗布膜に2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、23℃で、30秒間接触させた。2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が塗布膜の表面に付着したまま、80℃で60秒間ベークした後、超純水にてリンスし、乾燥することでポジ型のレジストパターンを形成した。
[比較例1]
90nmのラインアンドスペースのパターンが形成された8インチウエハの上に、パターン微細化組成物としてビニルスルホン酸0.05質量部及び4−メチル−2−ペンタノール99.95質量部の混合溶液を「CLEAN TRACK ACT8」を用いてスピンコートした。ベーク(80℃、60秒)を行った後、23℃の冷却プレートで30秒間冷却した。次いで2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液によって、23℃、20秒の条件で洗浄後、超純水にてリンスし、乾燥することにより評価基板を作製した。
[比較例2]
パターン微細化組成物を用いない場合として、ベーク及び現像処理のみを施し評価基板を作製した。
[線幅微細化度(%)]
上記実施例及び比較例において、微細化処理前後のレジストパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡「S−9380」で測定し、下記式(1)により線幅微細化度を算出した。
線幅微細化度(%)=(処理前の線幅(nm)−処理後の線幅(nm))/(処理前の
線幅(nm))×100 ・・・(1)
[LWR(Line Width Roughness)(nm)]
上記実施例及び比較例において、微細化処理後のレジストパターンの寸法を、上記走査型電子顕微鏡「S−9380」のLWR測定モードにて測定した。ラインパターン縦軸間(測定範囲1000nm)を等間隔に32箇所測定し、その32箇所の線幅の3σ値を計測した。これを異なる10個のラインパターンにて測定し、それら10個の3σ値の平均値をLWRとした。評価結果を表1に示す。
LWR={1個目のラインパターン(3σ値)+2個目のラインパターン(3σ値)+
・・・・10個目のラインパターン(3σ値)}÷10
Figure 2019056941
表1から、実施例のパターン形成方法によれば、微細化処理をしない場合に比べて線幅が小さく、かつLWRが小さいパターンを形成することができることがわかる。
本発明の第1のパターン形成方法によれば、スリミング量のレジスト材料の種類による依存性が小さい。また、得られるパターンにおいてLWRが低減されている。本発明の第2のパターン形成方法によれば、レジスト材料の種類によらずとも、LWRが小さく波長限界を超える微細なパターンを形成することができる。従って、これらのパターン形成方法は、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体加工分野等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
1 基板
2 プレパターン
3 アルカリ溶液
4 溶解性変化領域

Claims (5)

  1. 感放射線性樹脂組成物を用いて形成された塗布膜を露光する工程と、
    上記露光された塗布膜に第1アルカリ溶液を接触させる工程と、
    上記第1アルカリ溶液を接触させた塗布膜を加熱する工程と、
    上記加熱された塗布膜を水又は第2アルカリ溶液で洗浄する工程と
    を備え、
    上記感放射線性樹脂組成物が、第1アルカリ溶液との接触及び加熱によって上記水又は上記第2アルカリ溶液に対する溶解性が変化する官能基を有する重合体を含有するパターン形成方法。
  2. 上記溶解性が変化する官能基が、ラクトン環基、カーボネート環基又はスルトン環基である請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 上記溶解性が変化する官能基が、ラクトン環基である請求項2に記載のパターン形成方法。
  4. 上記重合体が酸解離性基をさらに有し、上記感放射線性樹脂組成物が感放射線性酸発生体をさらに含有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパターン形成方法。
  5. 上記加熱工程において、上記塗布膜と上記第1アルカリ溶液との接触部分に溶解性変化領域が形成され、
    上記洗浄工程において、上記溶解性変化領域が除去される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
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