JP6398793B2 - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び重合体 - Google Patents
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Description
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体及び[C]溶媒を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[D]酸拡散制御体、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)、及び[G]偏在化促進剤を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲においてその他の任意成分を含有してもよい。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性及び焦点深度(以下、「LWR性能等」ともいう)に優れ、かつ、膜収縮抑制性に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]重合体は、Lで表される2価の基を有するので、高い極性を有する。このため、現像液への溶解性を適度に調整することができ、露光部と未露光部との溶解コントラストを向上させることができる。また、[A]重合体は、Lで表される2価の基が主鎖の近傍に位置することにより、適度に高い剛直性を有する。[A]重合体は、上記構造を有することにより、高い極性及び適度に高い剛直性を有するので、[B]酸発生体から生じる酸の拡散長を適度に短く制御することができる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等が向上する。さらに、当該感放射線性樹脂組成物によれば、[A]重合体の適度に高い剛直性により、PEB時等のレジスト膜の収縮を抑制できる。
構造単位(I)は、下記式(1)で表される。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
カルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基、スルホ基等の極性基などが挙げられる。
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基等の1価のオキシ鎖状炭化水素基、
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の単環のシクロアルキルオキシ基;
シクロプロペニルオキシ基、シクロブテニルオキシ基、シクロペンテニルオキシ基等の単環のシクロアルケニルオキシ基;
ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロドデシルオキシ基等の多環のシクロアルキルオキシ基;
ノルボルネニルオキシ基、トリシクロデセニルオキシ基、テトラシクロドデセニルオキシ基等の多環のシクロアルケニルオキシ基等の1価のオキシ脂環式炭化水素基等、
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基等のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等のアルカンジイル基などの炭化水素基;
カルボキシ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアネート基、スルホ基等の極性基などが挙げられる。
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体が構造単位(II)を有することで、露光部と未露光部との溶解コントラストを適度なものに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基等の1価のオキシ鎖状炭化水素基等;
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の単環のシクロアルキルオキシ基;
シクロプロペニルオキシ基、シクロブテニルオキシ基、シクロペンテニルオキシ基等の単環のシクロアルケニルオキシ基;
ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロドデシルオキシ基等の多環のシクロアルキルオキシ基;
ノルボルネニルオキシ基、トリシクロデセニルオキシ基、テトラシクロドデセニルオキシ基等の多環のシクロアルケニルオキシ基等の1価のオキシ脂環式炭化水素基等;
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基等のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性を適度なものに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜と基板との密着性を向上させることができる。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−で表される基を含む環(ラクトン環)を有する構造をいう。また、環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される基を含む環(環状カーボネート環)を有する構造をいう。スルトン構造とは、−O−S(O)2−で表される基を含む環(スルトン環)を有する構造をいう。
構造単位(IV)は、アルコール性水酸基を有する構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(IV)をさらに有することで、現像液への溶解性をより適度なものに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等を向上させることができる。
構造単位(V)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(V)をさらに有することで、現像液への溶解性をより適度なものに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等を向上させることができる。また、KrF露光、EUV露光又は電子線露光の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度を高めることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(V)以外にもその他の構造単位を有していてもよい。上記その他の構造単位としては、例えば構造単位(I)以外の構造単位であって、フッ素原子を含む構造単位、非解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位等が挙げられる。[A]重合体が上記その他の構造単位を有する場合、上記その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体は、例えばラジカル重合開始剤等を用い、各構造単位を与える単量体を適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、「[B]酸発生剤」ともいう)でもよく、重合体の一部として組み込まれた形態でもよく、これらの両方の形態でもよい。
シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環のシクロアルカン構造;
シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環のシクロアルケン構造などが挙げられる。
ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造;
アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造;
チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造のイオウ原子含有複素環構造などが挙げられる。
ベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物に含まれる[C]溶媒としては、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて加えられる[D]酸拡散制御体、[E]重合体、[F]重合体、[G]偏在化促進剤及び後述するその他の任意成分を溶解又は分散できれば特に限定されないが、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒、これらの組み合わせ等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒などが挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などが挙げられる。
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する成分である。また、当該感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上するため、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができる。これにより、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。なお、[D]酸拡散制御体の含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、「[D]酸拡散制御剤」ともいう)でもよく、重合体の一部として組み込まれた形態でもよく、これらの両方の形態でもよい。
モノ(シクロ)アルキルアミン類;
ジ(シクロ)アルキルアミン類;
トリ(シクロ)アルキルアミン類;
2,6−ジイソプロピルアニリン等の置換アルキルアニリン又はその誘導体;
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
t−ブチル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物;
t−アミル−4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート等のN−t−アミルオキシカルボニル基含有アミノ化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)などが挙げられる。
イミダゾール類;
ピリジン類;
ピペラジン類;
ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、4−ヒドロキシ−N−アミロキシカルボニルピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール;モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、N−(2−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル)モルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール等のモルホリン類;
1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
[E]重合体は、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体である。当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有する場合、[E]重合体は撥水性重合体添加剤として作用する。このため、当該感放射線性樹脂組成物は、液浸露光法に好適なレジスト膜を容易に形成できる。特に、[A]重合体が[A1]重合体の場合、[E]重合体は[A1]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きいことが好ましい。[E]重合体が[A1]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい場合、当該感放射線性樹脂組成物は液浸露光法に好適なレジスト膜をより容易に形成できる。
[F]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体である。[A]重合体が[A2]重合体の場合、[F]重合体を含有することが好ましい。[F]重合体としては、例えば[A]重合体における構造単位(II)を有し、加えて構造単位(III)〜(V)を有する重合体等が挙げられる。
[G]偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が、上記撥水性重合体添加剤を含有する場合、[E]重合体を含有する場合等に、これらの重合体をより効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの[G]偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤や[E]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR性能等を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制し、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような[G]偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[G]成分以外にも、その他の任意成分を含有できる。上記その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分をそれぞれ1種単独で又は2種以上を混合して含有してもよい。
界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。また、界面活性剤の市販品としては、例えば信越化学工業社の「KP341」、共栄社化学社の「ポリフローNo.75」、「同No.95」、トーケムプロダクツ社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、DIC社の「メガファックF171」、「同F173」、住友スリーエム社の「フロラードFC430」、「同FC431」、旭硝子工業社の「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。当該感放射線性樹脂組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、通常2質量部である。
脂環式骨格含有化合物は、当該感放射線性樹脂組成物により形成されるレジストパターのドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。これらの脂環式骨格含有化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
増感剤は、[B]酸発生体等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]溶媒、必要に応じて含有される[D]酸拡散制御体、[E]重合体、[G]偏在化促進剤及びその他の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは孔径0.2μm程度のメンブレンフィルター等で濾過することにより調製することができる。
本発明のレジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成する。以下、各工程について説明する。
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。レジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜を露光する。この露光としては、例えば所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンとによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行う。第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部において真円状のコンタクトホールパターンが形成しやすくなる。
本工程では、現像液を用い、露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンが形成される。上記現像液としては、例えばアルカリ現像液、有機溶媒を主成分とする現像液等が挙げられる。ここで「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。上記現像液は形成するパターン形状に応じて選択することができる。マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に、光照射強度の強い領域をアルカリ性の水溶液で現像することにより、所定の閾値以上の露光部が溶解及び除去されることによってポジ型のレジストパターンを形成することができる。一方、マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に、光照射強度の弱い領域を有機溶媒を主成分とする現像液で現像することにより、所定の閾値以下の露光部が溶解及び除去されることによってネガ型のレジストパターンを形成することができる。所望する解像性やパターン形状に応じてこれらの現像液を組み合わせて現像することもできる。
本発明の重合体は、上記式(1’)で表される構造単位を有する重合体である。当該重合体によれば、LWR性能等に優れる感放射線性樹脂組成物を得ることができる。当該重合体については、上述の感放射線性樹脂組成物の[A]重合体のうち、Lとして(1−a)で表される基を有する重合体として説明している。
本発明の化合物は、上記式(i)で表される化合物である。当該化合物は、LWR性能等に優れる感放射線性樹脂組成物に含まれる[A]重合体の単量体として好適に用いることができる。当該化合物については、上述の感放射線性樹脂組成物の[A]重合体の項で説明している。[A]重合体で与える化合物[I]のうち、Lとして(1−a)で表される基を有する化合物として説明している。
東ソー社のGPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本及びG4000HXL:1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
[実施例1](化合物(M−1)の合成)
100mLの丸底フラスコに2−エチル−2−アダマンタノール5.00g(27.7mmol)、ピリジン2.85g(36.0mmol)及びテトラヒドロフラン20gを加え、室温で撹拌を開始した。そこへ、エチルオキサリルクロリド4.92g(36.0mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温で1時間撹拌し、その後、55℃に昇温して4時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加え析出した塩を濾過により除去した。水洗を2回した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去しカラムクロマトグラフィーで精製することで下記式(m−1)で表される化合物を6.92g(収率89%)得た。
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−15)で表される化合物を合成した。
各重合体の合成で用いた上記(M−1)〜(M−15)以外の単量体を以下に示す。
化合物(M’−2)8.78g(50モル%)、化合物(M’−1)7.96g(40モル%)及び化合物(M−1)3.26g(10モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.73g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合溶液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(15.7g、収率79%)。重合体(A−1)のMwは7,300であり、Mw/Mnは1.54であった。13C−NMR分析の結果、(M’−2)、(M’−1)及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.1モル%、40.2モル%及び9.7モル%であった。
化合物(M’−3)41.36g(50モル%)、化合物(M’−2)40.05g(40モル%)及び化合物(M−1)18.59g(10モル%)、ラジカル重合開始剤としてのAIBN4.19g(全単量体に対して5モル%)、並びにt−ドデシルメルカプタン1、14gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合溶液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで上記重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、更に、メタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−21)を得た(62.1g、収率70%)。重合体(A−21)のMwは7,200であり、Mw/Mnは1.88であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン、(M’−2)及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.2モル%、40.1モル%及び9.7モル%であった。
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用い、実施例14と同様の操作を行うことによって、重合体(A1−2)〜(A1−20)及び(F−1)を合成した。
化合物(M−13)93.78g(90モル%)及び化合物(M’−10)6.22g(10モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN2.43g(全単量体に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。
下記表2に示す種類及び使用量の単量体を用い、モノマーを適宜選択し、実施例33と同様の操作を行うことによって、重合体(A2−2)〜(A2−3)及び(E−1)を合成した。
下記実施例36〜63及び比較例1の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]溶媒、[D]酸拡散制御剤、[G]偏在化促進剤を以下に示す。
各構造式を以下に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
C−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
C−2:シクロヘキサノン
各構造式を以下に示す。
D−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
D−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
D−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
D−4:2,6−ジi−プロピルアニリン
D−5:トリn−ペンチルアミン
G−1:γ−ブチロラクトン
[実施例36](感放射線性樹脂組成物(J−1)の調製)
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]溶媒としての(C−1)2,240質量部及び(C−2)960質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[F]重合体としての(F−1)3質量部、並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
下記表3に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例36と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
下記表4に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例36と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、ブルワーサイエンス製)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した各フォトレジスト組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として23℃の2.38質量%のTMAH水溶液を用いて60秒間アルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
上記形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物を評価した。また、(J−24)〜(J−26)及び(CJ−1)を含有する感放射線性樹脂組成物については、現像欠陥抑制性についても評価した。これらの評価結果を表5に示す。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。
レジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど良いことを示す。
上記最適露光量において解像される最小のレジストパターンの寸法を測定し、この測定結果は解像性(nm)とした。測定値が小さいほど解像性は良いことを示す。
上記最適露光量において解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの中間での線幅Lb及び膜の上部での線幅Laを測定した。このとき、0.9≦La/Lb≦1.1である場合、断面形状は「良好」と、上記範囲外である場合、「不良」と評価できる。
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定結果を焦点深度(nm)とした。測定値が大きいほど焦点深度は良いことを示す。
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。そして、上記測定された欠陥をレジスト膜由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類し、レジスト膜由来と判断されるものの数を算出し、現像欠陥抑制性(個/cm3)とした。現像欠陥抑制性は、このレジスト膜由来と判断される欠陥の数が少ないほど良好である。
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(CLEAN TRACK ACT12、東京エレクトロン製)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ARC66、ブルワーサイエンス製)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR−S610C、NIKON製)を用い、70mJで全面露光を行った後に膜厚測定を実施し膜厚Aを求めた。続いて、90℃で60秒間のPEBを実施した後に、再度膜厚測定を実施し膜厚Bを求めた。このとき、100×(A−B)/A(%)を求め、これをPEBによる膜収縮率(%)とした。これらの結果を表6に示す。測定値が小さいほど膜収縮抑制性は良いことを示す。
[実施例62]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]溶媒としての(C−1)4280質量部及び(C−2)1830質量部、及び[D]酸拡散制御剤としての(D−1)3.6質量部を配合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−27)を調製した。
下記表7に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例62と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
8インチのシリコンウエハー表面にスピンコーター(CLEAN TRACK ACT8、東京エレクトロン製)を使用して、表6に記載の各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所製、型式「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm2)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
上記形成したレジストパターンについて、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性及び焦点深度を上述の実施例と同様の方法で評価した。これらの結果を表8に示す。
Claims (9)
- 上記炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基が有する炭化水素基が酸解離性基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるEが置換又は非置換のメタンジイル基である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 酸拡散制御体をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記第1重合体がフッ素原子を有し、
上記第1重合体よりもフッ素原子の質量含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する第2重合体をさらに含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。 - 上記式(1)におけるXが、炭素数1〜20の1価のフッ素化オキシ炭化水素基である請求項6に記載の感放射線性樹脂組成物。
- レジスト膜を形成する工程、
上記レジスト膜を露光する工程、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を備え、
上記レジスト膜を請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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