JP6540321B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤに係る技術分野において、自動車の低燃費化のために、空気入りタイヤの重量の軽減及び転がり抵抗の低減のための開発が行われている。特許文献1には、ベルトとカーカス本体部との間までカーカス折り返し部を延ばし、サイド部におけるゴムゲージを小さくして、空気入りタイヤの軽量化及び低転がり抵抗化を図る技術が開示されている。
特開2012−091731号公報
空気入りタイヤの軽量化に伴って、その空気入りタイヤの剛性及び耐カット性が低下する可能性がある。そのため、剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる空気入りタイヤの開発が要望される。
本発明は、剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、回転軸を中心に指定された回転方向に回転可能であり、トレッド部及びタイヤ幅方向に関して前記トレッド部の両側に配置されるサイド部を有する空気入りタイヤであって、カーカス本体部、及びビードコアで折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部を有するカーカスと、前記カーカス本体部のカーカス外面と接続され、タイヤ最大幅位置が位置付けられるサイド面を有するサイドゴムと、前記サイド面に接続され、前記サイド面から突出し、タイヤ周方向に配置される形状及び寸法が同一である複数の凸部と、を備え、複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部は、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続され、複数の前記凸部はそれぞれ、第1端部、及びタイヤ径方向に関して前記第1端部の外側に配置される第2端部を有し、前記回転軸と直交する面内において、前記第1端部と前記第2端部との距離は、前記凸部の短手方向の幅よりも大きく、前記タイヤ幅方向のタイヤ中心をCL、前記タイヤ最大幅位置を通り前記回転軸と平行な平行線LPと前記カーカス外面との交点をP1、前記平行線LPと前記サイド面との交点をP2、前記タイヤ幅方向に関して最も外側に配置され、前記平行線LPと前記凸部の凸部外面との交点をP3、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P1との距離をW1、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P2との距離をW2、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P3との距離をW3、前記交点P1と前記交点P2との距離をG1、前記交点P2と前記交点P3との距離をG2、としたとき、
0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95 …(1)、且つ、
0.1 ≦ G1/G2 ≦1 …(2)、
の条件を満足し、複数の前記凸部は、前記第2端部が前記第1端部よりも前記回転方向の逆方向に配置されるように、前記回転軸に対する放射線に対して傾斜する、空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、サイドゴムのサイド面に凸部が設けられることにより、サイドゴムの厚みを示す距離G1を小さくして軽量化を図っても、剛性及び耐カット性の低下が抑制される。長手形状の凸部がタイヤ最大幅位置を含むようにサイド面に接続され、タイヤ周方向に複数配置されるので、サイド部の撓みが抑制され、サイドゴムは凸部により保護される。これにより、空気入りタイヤの剛性及び耐カット性の低下が抑制される。また、サイド部の撓みが抑制され、サイドゴムが保護されることによって、カーカスが十分に保護され、カーカスの劣化が抑制される。
また、タイヤ最大幅位置まで、カーカス折り返し部が延びていない形態が好ましい。カーカス折り返し部がタイヤ最大幅位置まで延びていなくても、凸部により空気入りタイヤの剛性及び耐カット性の低下は抑制される。また、カーカス折り返し部をタイヤ最大幅位置まで延ばさないようにすることで、カーカスによる空気入りタイヤの重量の増大が抑制される。
また、空気入りタイヤを装着した車両が走行する場合、タイヤ最大幅位置における空気抵抗が大きくなる傾向がある。長手形状の凸部がタイヤ最大幅位置を含むように配置されることにより、空気の流通促進効果及び整流効果が得られる。これにより、空気抵抗が低減され、車両の低燃費化を図ることができる。
距離W1はカーカス断面幅S1を規定し、距離W2はタイヤ断面幅S2を規定し、距離W3はタイヤ総幅S3を規定する。カーカス断面幅S1は距離W1の2倍に相当し、タイヤ断面幅S2は距離W2の2倍に相当し、タイヤ総幅S3は距離W3の2倍に相当する。距離G1は距離W2と距離W1との差であり、距離G2は距離W3と距離W2との差である。
距離W3が規定されることにより、装着される車両に適したタイヤ総幅を有する空気入りタイヤが製造される。距離W3が決定されることによって、(1)式より距離W1が一義的に決定される。W1/W3が0.95よりも大きいと、カーカス外面と凸部外面との距離が短過ぎることとなり、カーカスが十分に保護されない。W1/W3が0.80よりも小さいと、カーカス外面と凸部外面との距離が長過ぎることとなり、空気入りタイヤの軽量化が困難となる。(1)式の条件を満足することにより、カーカスを十分に保護しつつ軽量化を図ることができる。
距離W1及び距離W3が決定されることによって、(2)式より距離W2が一義的に決定される。距離G1はサイドゴムの厚みを示し、距離G2は凸部の高さを示す。G1/G2が0.1よりも小さいと、サイドゴムの厚みが薄過ぎることとなり、カーカスが十分に保護されない。G1/G2が1よりも大きいと、サイドゴムの厚みが凸部の高さよりも大きくなり、空気入りタイヤの軽量化が困難となる。(1)式の条件に加えて(2)式の条件を満足することにより、空気入りタイヤの剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ軽量化を図ることができる。
また、長手形状の凸部が傾斜して配置されることにより、カーカスが十分に保護されるとともに、タイヤ周方向に関するサイド部の剛性の偏りが抑制される。タイヤ周方向に関する剛性の偏りが抑制されるため、空気入りタイヤが路面を走行したとき、サイド部の変形状態が一定になるので、ユニフォミティが改善される。また、長手形状の凸部が傾斜して配置されることにより、タイヤ径方向に関するサイド部の剛性が過剰に高くなることが抑制される。そのため、空気入りタイヤが路面を走行したとき、サイド部はタイヤ径方向に適度に変形することができる。
また、複数の凸部の傾斜方向を同一にすることにより、タイヤ周方向に関するサイド部の剛性の偏りがより一層抑制される。そのため、ユニフォミティが効果的に改善される。
本発明は、回転軸を中心に指定された回転方向に回転可能であり、トレッド部及びタイヤ幅方向に関して前記トレッド部の両側に配置されるサイド部を有する空気入りタイヤであって、カーカス本体部、及びビードコアで折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部を有するカーカスと、前記カーカス本体部のカーカス外面と接続され、タイヤ最大幅位置が位置付けられるサイド面を有するサイドゴムと、前記サイド面に接続され、前記サイド面から突出し、タイヤ周方向に配置される形状及び寸法が同一である複数の凸部と、を備え、複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部は、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続され、複数の前記凸部はそれぞれ、第1端部、及びタイヤ径方向に関して前記第1端部の外側に配置される第2端部を有し、前記回転軸と直交する面内において、前記第1端部と前記第2端部との距離は、前記凸部の短手方向の幅よりも大きく、前記タイヤ幅方向のタイヤ中心をCL、前記タイヤ最大幅位置を通り前記回転軸と平行な平行線LPと前記カーカス外面との交点をP1、前記平行線LPと前記サイド面との交点をP2、前記タイヤ幅方向に関して最も外側に配置され、前記平行線LPと前記凸部の凸部外面との交点をP3、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P1との距離をW1、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P2との距離をW2、前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P3との距離をW3、前記交点P1と前記交点P2との距離をG1、前記交点P2と前記交点P3との距離をG2、としたとき、
0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95 …(3)、且つ、
1.0[mm] ≦ G1 ≦2.5[mm] …(4)、
の条件を満足し、複数の前記凸部は、前記第2端部が前記第1端部よりも前記回転方向の逆方向に配置されるように、前記回転軸に対する放射線に対して傾斜する、空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、距離W3が決定されることによって、(3)式より距離W1が一義的に決定される。(3)式の条件を満足することにより、空気入りタイヤの剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ軽量化を図ることができる。距離G1はサイドゴムの厚みを示す。従来の空気入りタイヤのサイドゴムケージは2.5[mm]よりも厚い。従来のサイドゴムゲージよりも距離G1を小さくして2.5[mm]以下とすることにより、空気入りタイヤの軽量化を図ることができる。距離G1が1.0[mm]よりも小さいとサイドゴムの厚みが薄過ぎることとなり、カーカスが十分に保護されない。(3)式の条件に加えて(4)式の条件を満足することにより、カーカスを十分に保護しつつ軽量化を図ることができる。
また、長手形状の凸部が傾斜して配置され、その傾斜方向が同一であることにより、カーカスが十分に保護されるとともに、タイヤ周方向に関するサイド部の剛性の偏りが抑制される。そのため、ユニフォミティが効果的に改善される。
本発明において、複数の前記凸部の全部が、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続されることが好ましい。
複数の凸部の全部がタイヤ最大幅位置を含むように設けられることにより、タイヤ最大幅位置におけるサイド部の撓みが十分に抑制され、サイドゴム及びカーカスは十分に保護される。また、空気抵抗が低減され、車両の低燃費化を図ることができる。
本発明において、複数の前記凸部のうち、第1凸部と、前記タイヤ周方向に関して前記第1凸部の隣に配置される第2凸部の少なくとも一部とは、前記タイヤ径方向に関して重複することが好ましい。
隣り合う凸部が重複するように配置されることにより、カーカスは十分に保護され、タイヤ径方向に関するサイド部の剛性が適度に調整される。
本発明において、前記タイヤ径方向に関して最も内側の内端部と最も外側の外端部との距離を示すタイヤ断面高さをSHとしたとき、前記凸部は、前記タイヤ径方向に関して0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲に設けられることが好ましい。
0.4×SHよりも大きい範囲では、凸部がタイヤのサイド部の外側の領域に達することとなり、空気入りタイヤの重量が増大するだけで、凸部の機能である剛性低減抑制機能、耐カット性低減抑制機能、及びカーカス保護機能の顕著な向上は望めない。また、0.1×SHよりも小さい範囲ではカーカス保護機能が発揮できない。0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲に凸部が設けられることにより、空気入りタイヤの軽量化が図られつつ、凸部の機能が十分に発揮される。
本発明において、前記サイド面において前記タイヤ周方向に配置される前記凸部の数は、10以上50以下であることが好ましい。
凸部の数が10未満である場合、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。凸部の数が50を超える場合、凸部が空気抵抗となり、この場合においても、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。また、凸部の数が多すぎると、空気入りタイヤの重量の増大をもたらす。凸部の数を10以上50以下にすることにより、重量の増大を抑制しつつ、空気抵抗を改善し、車両の低燃費化を図ることができる。
本発明において、前記凸部の短手方向の幅は、0.5[mm]以上5.0[mm]以下であることが好ましい。
凸部の短手方向の幅が0.5[mm]未満である場合、凸部が変形し易くなり、空気の流通促進効果及び整流効果を得ることが困難となる。凸部の短手方向の幅が5.0[mm]を超える場合、凸部が空気抵抗となり、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。また、凸部が太過ぎると、空気入りタイヤの重量の増大をもたらす。凸部の短手方向の幅を0.5[mm]以上5.0[mm]以下にすることにより、重量の増大を抑制しつつ、空気抵抗を改善し、車両の低燃費化を図ることができる。
本発明において、隣り合う前記凸部の間の前記サイド面に設けられた複数の凹部を備えることが好ましい。
これにより、車両の空気抵抗がより一層抑制され、低燃費化を図ることができる。凸部に加えて凹部が設けられることにより、車両の前側から後側へ流れる空気は乱流化する。その結果、空気入りタイヤの周囲に乱流境界層が発生し、空気の拡がりが抑制される。通過する空気の拡がりが抑制されることにより、車両の空気抵抗が低減され、低燃費化を図ることができる。
本発明の態様によれば、剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ、軽量化を図ることができる空気入りタイヤが提供される。
図1は、第1実施形態に係る車両の一例を示す側面図である。 図2は、第1実施形態に係る車両を後方から見た図である。 図3は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一例を示す断面図である。 図4は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す子午断面図である。 図5は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す図である。 図6は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図7は、第1実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図8は、第2実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図9は、第2実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図10は、第2実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図11は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図12は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図13は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図14は、第3実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図15は、第4実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の一例を示す図である。 図16は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図17は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図18は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図19は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図20は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図21は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図22は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図23は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図24は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図25は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図26は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図27は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図28は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図29は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図30は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図31は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。 図32は、本発明に係るタイヤの評価試験の結果を示す図表である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る車両500の一例を示す側面図である。図2は、本実施形態に係る車両500を後方から見た図である。タイヤ1が車両500に装着される。タイヤ1は、空気入りタイヤである。車両500に装着されたタイヤ1は、回転軸AXを中心に回転して、路面RSを走行する。
以下の説明においては、タイヤ周方向、タイヤ径方向、及びタイヤ幅方向、という用語を用いて各部の位置関係について説明する。タイヤ周方向とは、タイヤ1の回転軸AXを中心とする回転方向である。タイヤ径方向とは、タイヤ1の回転軸AXに対する放射方向である。タイヤ幅方向とは、タイヤ1の回転軸AXと平行な方向である。
図1及び図2に示すように、車両500は、タイヤ1を含む走行装置501と、走行装置501に支持される車体502と、走行装置501を駆動するためのエンジン503とを備える。
走行装置501は、タイヤ1を支持するホイール504と、ホイール504を支持する車軸505と、走行装置501の進行方向を変えるための操舵装置506と、走行装置501を減速又は停止させるためのブレーキ装置507とを有する。
車体502は、運転者が搭乗する運転室を有する。運転室に、エンジン503の出力を調整するためのアクセルペダルと、ブレーキ装置507を作動するためのブレーキペダルと、操舵装置506を操作するためのステアリングホイールとが配置される。運転者は、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングホイールを操作する。運転者の操作により、車両500は走行する。
車両500は、4輪車両である。走行装置501は、車体502の左側に設けられる左前輪及び左後輪と、車体502の右側に設けられる右前輪及び右後輪とを有する。タイヤ1は、車体502の左側に装着される左タイヤ1Lと、車体502の右側に装着される右タイヤ1Rとを含む。
タイヤ1は、路面RSに接触するトレッド部10と、タイヤ幅方向に関してトレッド部10の両側に配置されるサイド部7とを有する。回転軸AXを中心とするタイヤ1の回転方向が指定されている。すなわち、車両500が前進するとき、回転軸AXを中心に指定された回転方向に回転するように、タイヤ1は車両500に装着される。左タイヤ1Lは、車両500の左側に装着された状態で、車両500の前進時において指定された回転方向に回転する。右タイヤ1Rは、車両500の右側に装着された状態で、車両500の前進時において指定された回転方向に回転する。
タイヤ1の回転方向又は車両500に対するタイヤ1の装着位置を示すマーク600がタイヤ1のサイド部7に設けられる。マーク600は、回転方向を示す矢印でもよいし、「OUTSIDE」のような文字でもよい。マーク600に基づいて、車両500の前進時において回転軸AXを中心に指定された回転方向に回転するように、タイヤ1が車両500に装着される。
次に、本実施形態に係るタイヤ1について説明する。図3は、本実施形態に係るタイヤ1の一例を示す断面図である。図4は、本実施形態に係るタイヤ1の一部を示す子牛断面図である。タイヤ1は、回転軸AXを中心に回転可能である。図3及び図4は、タイヤ1の回転軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の回転軸AXは、タイヤ赤道面CLと直交する。タイヤ赤道面CLは、タイヤ幅方向のタイヤ1の中心を示す。以下の説明においては、タイヤ赤道面CLを適宜、タイヤ中心CLと称する。
本実施形態において、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLから離れる方向をいう。タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLに近付く方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXから離れる方向をいう。タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXに近付く方向をいう。
タイヤ1は、カーカス2と、ベルト層3と、ベルトカバー4と、ビード部5と、トレッド部10と、サイドウォール部9を含むサイド部7と、サイド部7に設けられた凸部100とを備えている。トレッド部10は、トレッドゴム6を含む。サイド部7は、サイドゴム8を含む。凸部100は、例えばゴムで形成される。
タイヤ1の外径を示すタイヤ外径ODとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ1の直径をいう。
タイヤ1のリム径を示すタイヤリム径RDとは、タイヤ1に適合するホイールのリム径をいう。タイヤリム径RDは、タイヤ内径と等しい。
タイヤ1の断面高さを示す断面高さSHとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ径方向に関して最も内側のタイヤ1の内端部と最も外側のタイヤ1の外端部との距離をいう。
トレッド部10の接地幅を示すトレッド接地幅TW1とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときに測定される、タイヤ幅方向に関する接地幅の最大値をいう。すなわち、トレッド接地幅TW1とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側のトレッド部10の接地端Tと他方側のトレッド部10の接地端Tとの距離をいう。
トレッド部10の接地端Tとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときにトレッド部10が接地する部分のタイヤ幅方向の端部をいう。
トレッド部10の展開幅を示すトレッド展開幅TW2とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ1のトレッド部10の展開図における両端の直線距離をいう。
カーカス2の断面幅を示すカーカス断面幅S1とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ幅方向に関するカーカス2の最大の寸法をいう。すなわち、カーカス断面幅S1とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側に配置されたカーカス2の最も外側の部位を示すカーカス最大幅位置Eと、他方側に配置されたカーカス2の最も外側の部位を示すカーカス最大幅位置Eとの距離をいう。
タイヤ1の断面幅を示すタイヤ断面幅S2とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、サイド部7の表面から突出する構造物を除いたタイヤ幅方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。本実施形態においては、サイド部7の表面から突出する構造物として凸部100が存在する。タイヤ断面幅S2とは、凸部100を除いたときのタイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側に配置されたサイド部7の最も外側の部位を示すタイヤ最大幅位置Hと、他方側に配置されたサイド部7の最も外側の部位を示すタイヤ最大幅位置Hとの距離をいう。
なお、サイド部7の表面から突出する構造物として、サイドゴム8により形成されたマーク600、文字、及び模様が挙げられる。なお、リムを保護するリムプロテクトバーがタイヤ1に設けられる場合がある。リムプロテクトバーは、タイヤ周方向に設けられ、タイヤ幅方向の外側に突出する。リムプロテクトバーが設けられたタイヤ1においては、タイヤ幅方向に関してリムプロテクトバーが最も外側の部位を含む。その場合、タイヤ断面幅S2は、リムプロテクトバーを除いた寸法である。
タイヤ1の総幅を示すタイヤ総幅S3とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの、タイヤ幅方向に関するタイヤ1の最大の寸法をいう。すなわち、タイヤ総幅S3とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側に配置されたタイヤ1を構成する構造物の最も外側の部位と、他方側に配置されたタイヤ1を構成する構造物の最も外側の部位との距離をいう。本実施形態においては、サイド部7の表面から突出する凸部100が設けられている。タイヤ総幅S3とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側に配置された凸部100の最も外側の部位を示す凸部最大幅位置Fと、他方側に配置された凸部100の最も外側の部位を示す凸部最大幅位置Fとの距離をいう。
「正規リム」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めているリムであり、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤ1が組まれる純正ホイールを用いる。
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
「正規荷重」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。但し、タイヤ1が乗用車である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれタイヤの数で除して求めた輪荷重とする。
カーカス2は、タイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス2は、カーカスコードを含み、タイヤ1に空気が充填されたときの圧力容器として機能する。カーカス2は、有機繊維のカーカスコードと、そのカーカスコードを覆うゴムとを含む。なお、カーカス2は、ポリエステルのカーカスコードを含んでもよいし、ナイロンのカーカスコードを含んでもよいし、アラミドのカーカスコードを含んでもよいし、レーヨンのカーカスコードを含んでもよい。
ビード部5は、カーカス2を支持する強度部材である。ビード部5は、タイヤ幅方向に関してカーカス2の両側に配置され、カーカス2の両端部を支持する。カーカス2は、ビード部5のビードコア51において折り返される。ビード部5は、タイヤ1をリムに固定させる。ビード部5は、ビードコア51と、ビードフィラー52とを有する。
カーカス2は、カーカス本体部21と、ビードコア51で折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部22とを有する。カーカス折り返し部22は、ビードコア51でカーカス2が折り返されることによりカーカス本体部21よりもタイヤ幅方向外側に配置された部分である。ビードコア51は、ビードワイヤがリング状に巻かれた部材である。ビードワイヤは、スチールワイヤである。ビードフィラー52は、カーカス2がビードコア51で折り返されることにより形成されたカーカス本体部21とカーカス折り返し部22との間の空間に配置されるゴム材である。
ベルト層3は、タイヤ1の形状を保持する強度部材である。ベルト層3は、ベルトコードを含み、カーカス2とトレッドゴム6との間に配置される。ベルト層3は、金属繊維のベルトコードと、そのベルトコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルト層3は、有機繊維のベルトコードを含んでもよい。ベルト層3は、第1ベルトプライ31と、第2ベルトプライ32とを含む。第1ベルトプライ31と第2ベルトプライ32とは、第1ベルトプライ31のベルトコードと第2ベルトプライ32のベルトコードとが交差するように積層される。
ベルトカバー4は、ベルト層3を保護し、補強する強度部材である。ベルトカバー4は、カバーコードを含み、タイヤ1の回転軸AXに対してベルト層3の外側に配置される。ベルトカバー4は、金属繊維のカバーコードと、そのカバーコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルトカバー4は、有機繊維のカバーコードを含んでもよい。
トレッドゴム6は、カーカス2を保護する。トレッド部10は、複数の溝15が設けられたトレッドゴム6を含む。トレッド部10は、溝15の間に配置される陸部12を含み、陸部12は、路面と接触する接地面(踏面)11を有する。溝15は、タイヤ周方向に配置される複数の主溝と、少なくとも一部がタイヤ幅方向に配置されるラグ溝とを含む。
トレッド部10は、タイヤ中心CLを含むセンター部13と、タイヤ幅方向に関してセンター部13の両側に設けられるショルダー部14とを含む。主溝は、センター部13及びショルダー部14のそれぞれに設けられる。ラグ溝も、センター部13及びショルダー部14のそれぞれに設けられる。
サイドゴム8は、カーカス2を保護する。サイド部7は、サイドゴム8を含み、タイヤ幅方向に関してトレッド部10の両側に配置される。サイドウォール部9は、サイド部7のうち、タイヤ幅方向外側に最も膨らんだ部分を含む。サイド部7の表面は、タイヤ中心CLに対してトレッド部10の接地端Tよりも外側に配置される。
サイド部7の表面は、サイドゴム8の表面であるサイド面8Sを含む。サイド面8Sは、トレッド部10の接地端TとリムチェックラインRとの間のサイド部7の表面である。接地端Tは、トレッド部10のショルダー部14とサイド部7との境界を含む。リムチェックラインRとは、タイヤ1のリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインである。一般に、リムチェックラインRは、タイヤ径方向に関してリムフランジよりも外側のビード部5の表面において、リムフランジに沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示される。
凸部100は、サイド面8Sに接続され、サイド面8Sからタイヤ幅方向外側に突出する。凸部100は、タイヤ幅方向外側を向く凸部外面100Sを有する。凸部100は、サイド面8Sに複数設けられる。
図5は、図4の一部を拡大した図である。図4及び図5に示すように、カーカス本体部21は、タイヤ幅方向外側を向くカーカス外面21Sを有する。サイドゴム8は、カーカス本体部21のカーカス外面21Sと接続される。凸部100は、サイドゴム8のサイド面8Sと接続される。カーカス最大幅位置Eは、カーカス本体部21のカーカス外面21Sに位置付けられる。タイヤ最大幅位置Hは、サイドゴム8のサイド面8Sに位置付けられる。凸部最大幅位置Fは、凸部100の凸部外面100Sに位置付けられる。
凸部100は、接地端TとリムチェックラインRとの間のサイド面8Sにおいて、タイヤ周方向に複数配置される。
凸部100は、タイヤ最大幅位置Hを含むようにサイド面8Sに接続される。凸部100は、第1端部101と、タイヤ径方向に関して第1端部101の外側に配置される第2端部102を有する長手形状である。第1端部101と第2端部102との間の凸部100の中央部が、タイヤ最大幅位置Hに配置される。
図5に示すように、タイヤ最大幅位置Hを通り、回転軸AXと平行な線を、平行線LPとする。本実施形態において、平行線LPは、カーカス最大幅位置E、タイヤ最大幅位置H、及び凸部最大幅位置Fを通る。
カーカス折り返し部22の端部は、カーカス最大幅位置E、タイヤ最大幅位置H、及び凸部最大幅位置Fを含む平行線LPよりもタイヤ径方向内側に配置される形態が好ましい。
平行線LPとカーカス外面21Sとの交点をP1とし、平行線LPとサイド面8Sとの交点をP2とし、平行線LPと凸部外面100Sとの交点をP3とする。交点P1は、カーカス外面21Sのうち、タイヤ幅方向に関して最も外側に配置されたカーカス最大幅位置Eに位置付けられる。交点P2は、サイド面8Sのうち、タイヤ幅方向に関して最も外側に配置されたタイヤ最大幅位置Hに位置付けられる。交点P3は、凸部外面100Sのうち、タイヤ幅方向に関して最も外側に配置された凸部最大幅位置Fに位置付けられる。
回転軸AXと平行な方向に関してタイヤ中心CLと交点P1との距離をW1とし、回転軸AXと平行な方向に関してタイヤ中心CLと交点P2との距離をW2とし、回転軸AXと平行な方向に関してタイヤ中心CLと交点P3との距離をW3とする。また、交点P1と交点P2との距離をG1、交点P2と交点P3との距離をG2とする。
カーカス断面幅S1は距離W1の2倍に相当し、タイヤ断面幅S2は距離W2の2倍に相当し、タイヤ総幅S3は距離W3の2倍に相当する。距離G1は距離W2と距離W1との差であり、距離G2は距離W3と距離W2との差である。すなわち、2×W1=S1、2×W2=S2、2×W3=S3、G1=W2−W1、G2=W3−W2、が成立する。
本実施形態においては、
0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95 …(1)
0.1 ≦ G1/G2 ≦1 …(2)
の条件を満足するように、距離W1、距離W2、及び距離W3が定められている。
凸部100は、タイヤ径方向に関して0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲に設けられている。本実施形態においては、図5に示すように、凸部100は、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向外側にα×SH以下の範囲に設けられるとともに、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向内側にβ×SH以下の範囲に設けられている。αとβとは等しいことが好ましい。
図6は、凸部100が設けられたタイヤ1のサイド面8Sを模式的に示す図であり、図7は、図6の一部を拡大した図である。図6及び図7に示すように、凸部100は、タイヤ周方向に複数配置される。図6及び図7に示す例では、凸部100は、12[個]設けられている。複数の凸部100の全部がタイヤ最大幅位置Hを含むようにサイド面8Sに接続される。また、複数の凸部100の形状及び寸法は同一である。
複数の凸部100はそれぞれ、第1端部101と、タイヤ径方向に関して第1端部101の外側に配置される第2端部102とを有する。回転軸AXと直交する面内において、第1端部101と第2端部102との距離L100は、凸部100の短手方向の幅D100よりも大きい。凸部100の短手方向の幅D100は、0.5[mm]以上5.0[mm]以下である。
複数の凸部100は、第2端部102が第1端部101よりも指定された回転方向の逆方向(回転方向後方)に配置されるように、回転軸AXに対する放射線LRに対して傾斜する。凸部100は、傾斜方向に長い長手形状を有する。
本実施形態において、複数の凸部100は、タイヤ周方向に等間隔で配置されることが好ましい。
複数の凸部100について、第1端部101に対して第2端部102がシフトする方向は同一である。すなわち、複数の凸部100の傾斜方向は同一である。
また、複数の凸部100の傾斜角度θは同一である。凸部100の傾斜角度θとは、第1端部101の短手方向の中心と第2端部102の短手方向の中心とを結ぶ直線LMと、放射線LRとがなす角度をいう。傾斜角度θは、1[°]≦θ<90[°]の条件を満足するように定められる。
本実施形態によれば、タイヤ1の軽量化のためにサイドゴムゲージを示す距離G1を小さくしても、サイドゴム8のサイド面8Sに凸部100が設けられることにより、タイヤ1の剛性及び耐カット性の低下が抑制される。また、凸部100及びサイドゴム8により、サイド部7のカーカス2は十分に保護される。
本実施形態においては、カーカス折り返し部22がタイヤ最大幅位置Hまで延びてなく、タイヤ最大幅位置Hにおいてカーカス本体部21とサイドゴム8とが接続される形態が好ましい。カーカス折り返し部22の量が増えると、タイヤ1の重量の増大をもたらす。本実施形態においては、カーカス折り返し部22がタイヤ最大幅位置Hまで延びていないので、タイヤ1の重量の増大が抑制される。
また、タイヤ1を装着した車両が走行する場合、タイヤ最大幅位置Hにおける空気抵抗が大きくなる傾向がある。長手形状の凸部100がタイヤ最大幅位置Hを含むように配置されることにより、空気の流通促進効果及び整流効果が得られる。これにより、空気抵抗が低減され、車両の低燃費化を図ることができる。
通常、タイヤ1のタイヤ最大幅位置Hに凸部が存在する場合、空気抵抗は悪化する傾向にある。本実施形態においては、最小幅タイヤに長手形状の凸部100が設けられ、長手形状の凸部100が存在しないタイヤ(比較対象タイヤ)と同等のタイヤ総幅S3であることから、空気抵抗の大幅な悪化が抑制される。
W1/W3が0.95よりも大きいと、カーカス外面21Sと凸部外面100Sとの距離が短過ぎることとなり、カーカス2が十分に保護されない。W1/W3が0.80よりも小さいと、カーカス外面21Sと凸部外面100Sとの距離が長過ぎることとなり、タイヤ1の軽量化が困難となる。(1)式の条件が満足されることにより、カーカス2を十分に保護しつつタイヤ1の軽量化を図ることができる。
G1/G2が0.1よりも小さいと、サイドゴム8の厚みが薄過ぎることとなり、カーカス2が十分に保護されない。G1/G2が1よりも大きいと、サイドゴム8の厚みが凸部100の高さよりも大きくなり、タイヤ1の軽量化が困難となる。(1)式及び(2)式の条件が満足されることにより、タイヤ1の剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ軽量化を図ることができる。
また、長手形状の凸部100が傾斜して配置されることにより、カーカス2が十分に保護されるとともに、タイヤ周方向に関するサイド部7の剛性の偏りが抑制される。タイヤ周方向に関する剛性の偏りが抑制されるため、タイヤ1が路面を走行したとき、サイド部7の変形状態が一定になるので、ユニフォミティが改善される。また、長手形状の凸部100が傾斜して配置されることにより、タイヤ径方向に関するサイド部7の剛性が過剰に高くなることが抑制される。そのため、タイヤ1が路面を走行したとき、サイド部7はタイヤ径方向に適度に変形することができる。
また、複数の凸部100の傾斜方向を同一にすることにより、タイヤ周方向に関するサイド部7の剛性の偏りがより一層抑制される。そのため、ユニフォミティが効果的に改善される。
また、複数の凸部100の全部が、タイヤ最大幅位置Hを含むようにサイド面8Sに接続されることにより、タイヤ最大幅位置Hにおけるサイド部7の撓みが十分に抑制され、サイドゴム8及びカーカス2が十分に保護される。また、空気抵抗が低減され、車両の低燃費化を図ることができる。
また、凸部100が両側のサイド部7に設けられることにより、サイドゴム8を薄くして軽量化を図りつつ、2つのサイド部7の両方のカーカス2を十分に保護することができる。
また、凸部100が、タイヤ径方向に関して0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲に設けられることにより、タイヤ1の軽量化が図られつつ、凸部100の機能が十分に発揮される。0.4×SHよりも大きい範囲に凸部100が設けられると、タイヤ1の重量が増大する一方、凸部100の機能である剛性低減抑制機能、耐カット性低減抑制機能、及びカーカス保護機能の顕著な向上は望めない。また、0.1×SHよりも小さい範囲に凸部100が設けられると、カーカス保護機能が発揮されない。0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲に凸部100が設けられることにより、タイヤ1の軽量化及び凸部100の機能の発揮の両立が図られる。
また、凸部100の短手方向の幅D100が、0.5[mm]以上5.0[mm]以下であるので、タイヤ1の重量の増大を抑制しつつ、空気抵抗を改善し、車両の低燃費化を図ることができる。凸部100の短手方向の幅D100が0.5[mm]未満である場合、凸部100が変形し易くなり、空気の流通促進効果及び整流効果を得ることが困難となる。凸部100の短手方向の幅D100が5.0[mm]を超える場合、凸部100が空気抵抗となり、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。また、凸部100が太過ぎると、タイヤ1の重量の増大をもたらす。凸部100の短手方向の幅D100を0.5[mm]以上5.0[mm]以下にすることにより、タイヤ1の重量の増大を抑制しつつ、空気抵抗を改善し、車両の低燃費化を図ることができる。
(変形例)
凸部100を有するタイヤ1において、
0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95 …(3)
1.0[mm] ≦ G1 ≦2.5[mm] …(4)
の条件を満足するように、距離W1、距離W2、及び距離W3が定められてもよい。
(3)式の条件が満足されることにより、タイヤ1の剛性及び耐カット性の低下を抑制しつつ軽量化を図ることができる。
また、(4)式の条件が満足されることにより、カーカス2を十分に保護しつつタイヤ1の軽量化を図ることができる。従来のタイヤのサイドゴムケージは2.5[mm]よりも厚い。従来のサイドゴムゲージよりも距離G1を小さくして2.5[mm]以下とすることにより、タイヤ1の軽量化を図ることができる。距離G1が1.0[mm]よりも小さいとサイドゴム8の厚みが薄過ぎることとなり、カーカス2が十分に保護されない。(3)式及び(4)式の条件が満足されることにより、カーカス2を十分に保護しつつ軽量化を図ることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係る凸部100の配置例を示す。図9は、図8の一部を拡大した図である。図8及び図9に示す例では、凸部100は、24[個]設けられている。複数の凸部100は、第2端部102が第1端部101よりも指定された回転方向の逆方向に配置されるように放射線LRに対して傾斜する。また、複数の凸部100のうち、ある凸部100と、タイヤ周方向に関してその凸部100の隣に配置される凸部100の少なくとも一部とは、タイヤ径方向に関して重複する。
隣り合う凸部100が重複するように配置されることにより、カーカス2は十分に保護され、タイヤ径方向に関するサイド部7の剛性が適度に調整される。
図10は、凸部100の別の配置例を示す。図10に示す例では、凸部100は、48[個]設けられている。図10に示す例においても、隣り合う凸部100は重複する。
このように、凸部100の数は任意に設定可能である。サイド面8Sにおいてタイヤ周方向に配置される凸部100の数は、10以上50以下の範囲で設定されることが好ましい。凸部100の数が10未満である場合、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。凸部100の数が50を超える場合、凸部100が空気抵抗となり、この場合においても、空気の流通促進効果及び整流効果が十分に得られない。また、凸部100の数が多すぎると、タイヤ1の重量の増大をもたらす。凸部100の数を10以上50以下にすることにより、タイヤ1の重量の増大を抑制しつつ、空気抵抗を改善し、車両の低燃費化を図ることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る凸部100の配置例を示す。図12は、図11の一部を拡大した図である。上述の実施形態においては、回転軸AXと直交する面内において、凸部100は直線状の形状を有することとした。図11及び図12に示すように、回転軸AXと直交する面内において、凸部100は、曲線部を有してもよい。また、1つの凸部100において、曲線部が複数設けられていてもよい。図11及び図12に示す例では、凸部100は、タイヤ周方向に12[個]設けられている。
本実施形態においても、複数の凸部100は、形状及び寸法が同一である。複数の凸部100の全部が、第2端部102が第1端部101よりも回転方向の逆方向に配置されるように、回転軸AXに対する放射線LRに対して傾斜する。また、複数の凸部100の傾斜角度θは同一である。
図13及び図14は、凸部100の別の配置例を示す。図13に示すように、曲線部を有する凸部100が、タイヤ周方向に24[個]設けられてもよいし、図14に示すように、36[個]設けられてもよい。
<第4実施形態>
図15は、本実施形態に係る凸部100を有するサイド面8Sを模式的に示す図である。図15に示すように、タイヤ1は、タイヤ周方向に配置される複数の凸部100と、隣り合う凸部100の間のサイド面8Sに設けられた複数の凹部200とを備えている。
サイド面8Sは、ディンプル加工されている。凹部200は円形であり、凹部200の深さの寸法は、凸部100の高さの寸法よりも小さい。
サイド面8Sにディンプルである凹部200が設けられることにより、車両の空気抵抗がより一層抑制され、低燃費化を図ることができる。凸部100に加えて凹部200が設けられることにより、車両の前側から後側へ流れる空気は乱流化する。その結果、タイヤ1の周囲に乱流境界層が発生し、空気の拡がりが抑制される。通過する空気の拡がりが抑制されることにより、車両の空気抵抗が低減され、低燃費化を図ることができる。
なお、上述の実施形態においては、複数の凸部100の全部がタイヤ最大幅位置Hを含むように配置されることとした。複数の凸部100のうち、一部の凸部100がタイヤ最大幅位置Hを含むように配置され、一部の凸部100はタイヤ最大幅位置Hを含まないように配置されてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
<実施例>
本発明に係るタイヤ1についての評価試験を行った。以下、評価試験の内容及び結果について説明する。
(評価試験1)
上述の(1)式及び(2)式についての評価試験について説明する。評価試験では、(1)式及び(2)式の条件を満足する場合及び満足しない場合のそれぞれについて、「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を確認する評価試験を行った。
「G1/G2」が、「0.09」、「0.10」、「0.11」、「0.50」、「0.99」、「1.00」、「1.01」であるときに、「W1/W3」が、「0.79」、「0.80」、「0.81」、「0.85」、「0.90」、「0.94」、「0.95」、「0.96」について、「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」について評価を行った。
各タイヤ1について、タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲は同一であり、タイヤ周方向に配置される凸部100の数は同一であり、凸部100の短手方向の幅は同一である。タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲を「0.3×SH」とし、タイヤ周方向に配置される凸部100の数を「30個」とし、凸部100の短手方向の幅を「3.0mm」とした。
「耐カット性」の評価試験では、上述の各条件を有する各タイヤ1を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、試験車両に装着して、走行速度20[km/h]かつ進入角度30[°]にて高さ110[mm]の縁石に乗り上げ、タイヤ1のサイド部7に発生した亀裂(亀裂の長さや深さ)を観察した。そして、この観察結果に基づいて、亀裂が発生したタイヤ1を「×」とし、亀裂が発生しないタイヤ1を「○」とした。評価結果が「○」である場合、耐カット性に優れていることを示す。
「タイヤ軽量化率」の評価試験では、凸部100が存在しない従来タイヤを基準とし、従来タイヤに対する上述の各条件を有するタイヤ1の軽量化率を評価した。上述の各条件を有するタイヤ1のタイヤ総幅S3と、従来タイヤのタイヤ総幅とは同一である。従来タイヤに対してタイヤ軽量化率が規定値に満たないタイヤ1を「×」とし、規定値を満足するタイヤ1を「○」とした。評価結果が「○」である場合、タイヤ軽量化率が優れていることを示す。
図16から図22に評価試験の結果を示す。図16は、「G1/G2」が0.09である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図17は、「G1/G2」が0.10である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図18は、「G1/G2」が0.11である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図19は、「G1/G2」が0.50である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図20は、「G1/G2」が0.99である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図21は、「G1/G2」が1.00である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図22は、「G1/G2」が1.01である場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。
図16及び図22に示すように、(2)式の条件を満たしていない場合、耐カット性及びタイヤ軽量化率の両方とも不良であることが確認できる。
図17から図21に示すように、(2)式の条件を満たしている場合において、(1)式の条件も満たす場合、耐カット性及びタイヤ軽量化率の両方が良好であることが確認できる。
(評価試験2)
上述の(3)式及び(4)式についての評価試験について説明する。評価試験では、(3)式及び(4)式の条件を満足する場合及び満足しない場合のそれぞれについて、「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を確認する評価試験を行った。
「G1」が、「0.99mm」、「1.00mm」、「1.01mm」、「2.00mm」、「2.49mm」、「2.50mm」、「2.51mm」であるときに、「W1/W3」が、「0.79」、「0.80」、「0.81」、「0.85」、「0.90」、「0.94」、「0.95」、「0.96」について、「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」について評価を行った。
「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」の評価試験の内容及び手順は、評価試験1と同様である。
図23から図29に評価試験の結果を示す。図23は、「G1」が0.99mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図24は、「G1」が1.00mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図25は、「G1」が1.01mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図26は、「G1」が2.00mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図27は、「G1」が2.49mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図28は、「G1」が2.50mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。図29は、「G1」が2.51mmである場合において、「W1/W3」を変更したときの「耐カット性」及び「タイヤ軽量化率」を示す。
図23及び図29に示すように、(4)式の条件を満たしていない場合、耐カット性及びタイヤ軽量化率の両方とも不良であることが確認できる。
図24から図28に示すように、(4)式の条件を満たしている場合において、(3)式の条件も満たす場合、耐カット性及びタイヤ軽量化率の両方が良好であることが確認できる。
(評価試験3)
凸部100がタイヤ径方向に関して「0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲」に設けられることについての評価試験について説明する。評価試験では、「0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲」を満足する場合及び満足しない場合のそれぞれについて、タイヤの「重量」及び「タイヤ剛性」を確認する評価試験を行った。
断面高さSHに乗ずる数値xが、「0.09」、「0.10」、「0.11」、「0.39」、「0.40」、「0.41」、「0.50」、「0.60」であるときについて、「重量」及び「タイヤ剛性」について評価を行った。
「重量」の評価試験では、凸部100のサイズを増減させたときのタイヤ1の重量が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
「タイヤ剛性」の評価試験では、上述の各条件を有するタイヤ1を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、ドラム試験機にて、速度120[km/h]、荷重負荷5[kN]で走行開始し、24時間ごとに速度を10[km/h]毎に増加させながら、タイヤ1が破損するまで試験を行ない、破損したときの走行距離を測定する。そして、この測定に基づいて、走行距離が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
各タイヤ1について、タイヤ周方向に配置される凸部100の数は同一であり、凸部100の短手方向の幅は同一である。タイヤ周方向に配置される凸部100の数を「30個」とし、凸部100の短手方向の幅を「3.0mm」とした。また、「W1/W3」は、上述の(1)式及び(3)式の条件を満足する値(0.9)であり、「G1/G2」は、上述の(2)式の条件を満足する値(0.5)であり、「G1」は、上述の(4)式の条件を満足する値(1.5mm)である。
図30に評価試験の結果を示す。図30に示すように、数値xが0.4よりも大きい場合、タイヤ剛性は良好であるものの、重量が規定値を超えてしまう。また、数値xが0.4よりも大きい場合、重量が増加するものの、タイヤ剛性の顕著な向上は認められなかった。また、数値xが0.1よりも小さい場合、タイヤ1は軽量化されるものの、タイヤ剛性が規定値を満たさなくなる。これより、凸部100がタイヤ径方向に関して「0.1×SH以上0.4×SH以下の範囲」を満たすことにより、タイヤ1の重量を抑えつつ、凸部の機能である「剛性低減抑制機能」の低下を抑制できることが確認できた。
(評価試験4)
タイヤ周方向に配置される凸部100の数が「10以上50以下」であることについての評価試験について説明する。評価試験では、凸部100の数が「10以上50以下」を満足する場合及び満足しない場合のそれぞれについて、タイヤ1の「軽量化」及びタイヤ1が装着された車両の「燃費」を確認する評価試験を行った。
凸部100の数が、「9」、「10」、「11」、「49」、「50」、「51」であるときについて、「軽量化」及び「燃費」について評価を行った。
「軽量化」の評価試験では、凸部100の数を増減させたときのタイヤ1の重量が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
「燃費」の評価試験では、上述の各条件を有するタイヤ1を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、試験車両に装着して、走行速度40[km/h]で走行距離1000[km]を走行させたときの燃費を測定した。燃費が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
各タイヤ1について、タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲は同一であり、凸部100の短手方向の幅は同一である。タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲を「0.3×SH」とし、凸部100の短手方向の幅を「3.0mm」とした。また、「W1/W3」は、上述の(1)式及び(3)式の条件を満足する値(0.9)であり、「G1/G2」は、上述の(2)式の条件を満足する値(0.5)であり、「G1」は、上述の(4)式の条件を満足する値(1.5mm)である。
図31に評価試験の結果を示す。図31に示すように、凸部100の数が10よりも少ない場合及び50よりも多い場合のそれぞれにおいて、タイヤ1の重量は規定値を満足せず、燃費も悪化することが確認できた。
(評価試験5)
凸部100の短手方向の幅は、「0.5[mm]以上5.0[mm]以下」であることについての評価試験について説明する。評価試験では、凸部100の短手方向の幅が「0.5[mm]以上5.0[mm]以下」を満足する場合及び満足しない場合のそれぞれについて、タイヤ1の「軽量化」及びタイヤ1が装着された車両の「燃費」を確認する評価試験を行った。
凸部100の短手方向の幅が、「0.49mm」、「0.50mm」、「4.99mm」、「5.00mm」、「5.01mm」であるときについて、「軽量化」及び「燃費」について評価を行った。
「軽量化」の評価試験では、凸部100の短手方向の幅の寸法を増減させたときのタイヤ1の重量が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
「燃費」の評価試験では、上述の各条件を有するタイヤ1を正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、試験車両に装着して、走行速度40[km/h]で走行距離1000[km]を走行させたときの燃費を測定した。燃費が規定値を満足するときを「○」とし、規定値を満足しないときを「×」とした。
各タイヤ1について、タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲は同一であり、タイヤ周方向に配置される凸部100の数は同一である。タイヤ径方向に関して凸部100が設けられる範囲を「0.3×SH」とし、タイヤ周方向に配置される凸部100の数を「30個」とした。また、「W1/W3」は、上述の(1)式及び(3)式の条件を満足する値(0.9)であり、「G1/G2」は、上述の(2)式の条件を満足する値(0.5)であり、「G1」は、上述の(4)式の条件を満足する値(1.5mm)である。
図32に評価試験の結果を示す。図32に示すように、凸部100の短手方向の幅が0.5[mm]よりも小さい場合及び5.0[mm]よりも大きい場合のそれぞれにおいて、タイヤ1の重量は規定値を満足せず、燃費も悪化することが確認できた。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
2 カーカス
3 ベルト層
4 ベルトカバー
5 ビード部
6 トレッドゴム
7 サイド部
8 サイドゴム
8S サイド面
9 サイドウォール部
10 トレッド部
11 接地面(踏面)
12 陸部
13 センター部
14 ショルダー部
15 溝
21 カーカス本体部
21S カーカス外面
22 カーカス折り返し部
31 第1ベルトプライ
32 第2ベルトプライ
51 ビードコア
52 ビードフィラー
100 凸部
100S 凸部外面
101 第1端部
102 第2端部
200 凹部
500 車両
501 走行装置
502 車体
503 エンジン
504 ホイール
505 車軸
506 操舵装置
507 ブレーキ装置
600 マーク
AX 回転軸
CL タイヤ中心(タイヤ赤道面)
E カーカス最大幅位置
H タイヤ最大幅位置
F 凸部最大幅位置
LP 平行線
OD タイヤ外径
R リムチェックライン
RD タイヤリム径
RS 路面
S1 カーカス断面幅
S2 タイヤ断面幅
S3 タイヤ総幅
SH 断面高さ
T 接地端
TW1 トレッド接地幅
TW2 トレッド展開幅

Claims (8)

  1. 回転軸を中心に指定された回転方向に回転可能であり、トレッド部及びタイヤ幅方向に関して前記トレッド部の両側に配置されるサイド部を有する空気入りタイヤであって、
    カーカス本体部、及びビードコアで折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部を有するカーカスと、
    前記カーカス本体部のカーカス外面と接続され、タイヤ最大幅位置が位置付けられるサイド面を有するサイドゴムと、
    前記サイド面に接続され、前記サイド面から突出し、タイヤ周方向に配置される形状及び寸法が同一である複数の凸部と、
    を備え、
    複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部は、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続され、
    複数の前記凸部はそれぞれ、第1端部、及びタイヤ径方向に関して前記第1端部の外側に配置される第2端部を有し、
    前記回転軸と直交する面内において、前記第1端部と前記第2端部との距離は、前記凸部の短手方向の幅よりも大きく、
    前記タイヤ幅方向のタイヤ中心をCL、
    前記タイヤ最大幅位置を通り前記回転軸と平行な平行線LPと前記カーカス外面との交点をP1、
    前記平行線LPと前記サイド面との交点をP2、
    前記タイヤ幅方向に関して最も外側に配置され、前記平行線LPと前記凸部の凸部外面との交点をP3、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P1との距離をW1、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P2との距離をW2、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P3との距離をW3、
    前記交点P1と前記交点P2との距離をG1、
    前記交点P2と前記交点P3との距離をG2、
    としたとき、
    0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95、且つ、
    0.1 ≦ G1/G2 ≦1、
    の条件を満足し、
    複数の前記凸部は、前記第2端部が前記第1端部よりも前記回転方向の逆方向に配置されるように、前記回転軸に対する放射線に対して傾斜する、
    空気入りタイヤ。
  2. 回転軸を中心に指定された回転方向に回転可能であり、トレッド部及びタイヤ幅方向に関して前記トレッド部の両側に配置されるサイド部を有する空気入りタイヤであって、
    カーカス本体部、及びビードコアで折り返されることにより形成されるカーカス折り返し部を有するカーカスと、
    前記カーカス本体部のカーカス外面と接続され、タイヤ最大幅位置が位置付けられるサイド面を有するサイドゴムと、
    前記サイド面に接続され、前記サイド面から突出し、タイヤ周方向に配置される形状及び寸法が同一である複数の凸部と、
    を備え、
    複数の前記凸部のうち少なくとも一つの凸部は、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続され、
    複数の前記凸部はそれぞれ、第1端部、及びタイヤ径方向に関して前記第1端部の外側に配置される第2端部を有し、
    前記回転軸と直交する面内において、前記第1端部と前記第2端部との距離は、前記凸部の短手方向の幅よりも大きく、
    前記タイヤ幅方向のタイヤ中心をCL、
    前記タイヤ最大幅位置を通り前記回転軸と平行な平行線LPと前記カーカス外面との交点をP1、
    前記平行線LPと前記サイド面との交点をP2、
    前記タイヤ幅方向に関して最も外側に配置され、前記平行線LPと前記凸部の凸部外面との交点をP3、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P1との距離をW1、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P2との距離をW2、
    前記回転軸と平行な方向に関して前記タイヤ中心CLと前記交点P3との距離をW3、
    前記交点P1と前記交点P2との距離をG1、
    前記交点P2と前記交点P3との距離をG2、
    としたとき、
    0.80 ≦W1/W3 ≦ 0.95、且つ、
    1.0[mm] ≦ G1 ≦2.5[mm]、
    の条件を満足し、
    複数の前記凸部は、前記第2端部が前記第1端部よりも前記回転方向の逆方向に配置されるように、前記回転軸に対する放射線に対して傾斜する、
    空気入りタイヤ。
  3. 複数の前記凸部の全部が、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続される、
    請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 複数の前記凸部のうち、第1凸部と、前記タイヤ周方向に関して前記第1凸部の隣に配置される第2凸部の少なくとも一部とは、前記タイヤ径方向に関して重複する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤ径方向に関して最も内側の内端部と最も外側の外端部との距離を示すタイヤ断面高さをSHとしたとき、
    前記凸部は、前記タイヤ最大幅位置を含むように前記サイド面に接続され、且つ、前記タイヤ径方向に関して0.1×SH以上0.4×SH以下の寸法の範囲に設けられる、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイド面において前記タイヤ周方向に配置される前記凸部の数は、10以上50以下である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記凸部の短手方向の幅は、0.5[mm]以上5.0[mm]以下である、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 隣り合う前記凸部の間の前記サイド面に設けられた複数の凹部を備える、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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