JP5141414B2 - 空気入りタイヤ対 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前側に装着される前タイヤと車両の後側に装着される後タイヤとを備え、前タイヤおよび後タイヤについて高い操縦安定性を有しつつ耐久性の低下を抑制する空気入りタイヤ対に関するものである。
空気入りタイヤでは、車両に装着される前タイヤと後タイヤとを機能分離し、前タイヤを比較的狭幅に、後タイヤを比較的広幅にする、すなわち扁平率を前タイヤ>後タイヤにした空気入りタイヤ対により、前タイヤから優れた応答性を、後タイヤからは優れた路面グリップ力を得て、操縦安定性を向上できる。
そして、従来では、前タイヤの応答性、および後タイヤの路面グリップ力をさらに向上するため、ラジアルタイヤの上記空気入りタイヤ対において、ベルト層の外周側に配置された補強ベルトを備え、この補強ベルトについて、前タイヤのタイヤ幅方向中央区域と対応する部分でのタイヤ周方向剛性を、後タイヤのタイヤ周方向剛性より大きくした空気入りタイヤ対が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3035005号公報
ところで、近年では、さらなる車両性能の進歩に伴い、より高次元の操縦安定性が求められている。しかし、高次元の操縦安定性を得るために、タイヤ剛性を大きくすることは、耐久性の低下を招来するため、高性能の車両において好ましくない。しかも、扁平率を前タイヤ>後タイヤにした空気入りタイヤ対において、高偏平率の前タイヤは比較的剛性が小さいため、耐久性の確保が容易であるが、低扁平率の後タイヤでは比較的剛性が大きいため、耐久性の確保が難しい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、後タイヤおよび前タイヤについて高い操縦安定性を維持しつつ耐久性の低下を抑制することのできる空気入りタイヤ対を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる空気入りタイヤ対では、車両の前側に装着される前タイヤと、前記車両の後側に装着される後タイヤとを備え、前記前タイヤの扁平率Frと前記後タイヤの扁平率RrとがFr>Rrに設定されている空気入りタイヤ対において、タイヤ周方向に対する角度θが75[度]≦θ≦88[度]の範囲でカーカスコードが配置され、かつ前記カーカスコードが互いに交差する態様で重なり合う2つのカーカスと、前記カーカスのタイヤ幅方向の端部が折り返された内部に設けられたゴム材からなるビードフィラーと、を備え、子午断面にて、タイヤ径方向内側に配置された前記カーカスの折返端の高さPinh、タイヤ径方向外側に配置された前記カーカスの折返端の高さPouth、および前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端の高さFhの関係が、前記前タイヤはPouth>Fhに設定され、かつ前記後タイヤはPinh>Fh>Pouthに設定されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤ対によれば、前タイヤでは、外側のカーカスの折返端がビードフィラーのタイヤ径方向外側端を越えて延在しているので、サイドウォール部において、互いに重なり合う内側のカーカスと外側のカーカスとでカーカスコードが交差し、さらに外側のカーカスとその折り返し部分とでカーカスコードが交差することになる。このため、少なくとも3層のカーカスのカーカスコードが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性が大きくなるので、操縦安定性を向上することが可能になる。一方、後タイヤでは、内側のカーカスの折返端がビードフィラーのタイヤ径方向外側端を越えて長く延在し、外側のカーカスの折返端がビードフィラーのタイヤ径方向外側端を越えないように設けられているので、サイドウォール部において、互いに重なり合う内側のカーカスと外側のカーカスとでカーカスコードが交差するが、外側のカーカスと内側のカーカスの折り返し部分とではカーカスコードが交差しないことになる。このため、2層のカーカスのカーカスコードのみが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性を大きくしつつも、それ以上にタイヤ剛性が大きくなることが抑制されるので、耐久性の低下を抑制することが可能になる。この結果、前タイヤで高い操縦安定性を維持しつつ、後タイヤで耐久性の低下を抑制できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤ対では、前記前タイヤは、自身のタイヤ断面高さSfhに対して前記高さPouthが0.60≦Pouth/Sfh≦0.80の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSfhに対して前記高さFhが0.20≦Fh/Sfh≦0.55の範囲に設定され、前記高さPouthと前記高さFhとが15[mm]≦Pouth−Fhに設定されており、前記後タイヤは、自身のタイヤ断面高さSrhに対して前記高さPinhが0.60≦Pinh/Srh≦0.80の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSrhに対して前記高さFhが0.20≦Fh/Srh≦0.55の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSrhに対して前記高さPouthが0.10≦Pouth/Srh≦0.20の範囲に設定され、前記高さPinhと前記高さFhとが15[mm]≦Pinh−Fhに設定され、前記高さPouthと前記高さFhとが8[mm]≦Fh−Pouthに設定されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤ対によれば、前タイヤと後タイヤとのカーカスおよびビードフィラーの適正位置を規定することにより、前タイヤの剛性を大きくして高い操縦安定性を維持しつつ、後タイヤの過剰な剛性を抑制して耐久性の低下を抑制できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤ対では、前記前タイヤおよび前記後タイヤにおける前記ビードフィラーのJIS硬度Sが72≦S≦96の範囲に設定されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤ対によれば、ビードフィラーのJIS硬度Sが72未満で硬度が低くなると、剛性低下により操縦安定性が低下する。一方、ビードフィラーのJIS硬度Sが96を超えて硬度が高くなると、過剰な剛性により耐久性が低下する。このため、ビードフィラーのJIS硬度Sを72≦S≦96の範囲に設定することで、高い操縦安定性を維持しつつ耐久性の低下を抑制できる。
本発明にかかる空気入りタイヤ対は、前タイヤでは、少なくとも3層のカーカスのカーカスコードが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性が大きくなるので、操縦安定性を向上することが可能になる。一方、後タイヤでは、2層のカーカスのカーカスコードのみが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性を大きくしつつも、それ以上にタイヤ剛性が大きくなることが抑制されるので、耐久性の低下を抑制することが可能になる。この結果、前タイヤで高い操縦安定性を維持しつつ、後タイヤで耐久性の低下を抑制できる。
以下に、本発明にかかる空気入りタイヤ対の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤ対における前タイヤの子午断面図、図2は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤ対における後タイヤの子午断面図、図3は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤ対の性能試験の結果を示す図表である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bの回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cから離れる側をいう。
また、以下に説明する空気入りタイヤ対の前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されている。タイヤ赤道面Cとは、空気入りタイヤ対の回転軸に直交すると共に、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bのタイヤ幅Wの中心を通る平面である。タイヤ幅Wは、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から最も離れている部分間の距離である。また、タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面C上にあって前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bの周方向に沿う線をいう。そして、以下に説明する空気入りタイヤ対の前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されていることから、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bの回転軸を通る平面で該前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bを切った場合の子午断面図において、タイヤ赤道面Cを中心とした一側のみを図示して当該一側のみを説明し、他側の説明は省略する。
本実施の形態にかかる空気入りタイヤ対は、車両の前側(ステア軸)に装着される前タイヤ1A(図1参照)と、車両の後側に装着される後タイヤ1B(図2参照)とを備えている。これら前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。さらに、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、カーカス6と、ベルト層7とを含み構成されている。
トレッド部2は、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bの外部に露出したものであり、その表面が前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bの輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。このトレッド面21には、タイヤ周方向に延在して形成された複数(本実施の形態では4つ)の周方向主溝22や、タイヤ幅方向に延在しつつ周方向主溝22に開放して形成されたラグ溝23より区画形成された複数の陸部24が設けられている。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bにおけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間の内部に設けられたたゴム材からなる。
カーカス6は、両タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス6は、有機繊維(ナイロンやポリエステルなど)やスチールなどのカーカスコード(図示せず)が、ゴム材で被覆されたものである。カーカスコードは、タイヤ周方向、つまりタイヤ赤道線に対する角度θが、75[度]≦θ≦88[度]の範囲に設定されている。カーカス6は、2つ(2層)設けられ、トレッド部2からタイヤ幅方向両側のショルダー部3およびサイドウォール部4を経て、ビードコア51で折り返されるまで、カーカスコードが互いに交差するように重なり合って配置されている。すなわち、カーカス6は、トレッド部のタイヤ径方向内側に配置された内側カーカス61と、タイヤ径方向外側に配置された外側カーカス62とにより構成され、これらのカーカスコードが互いに交差して配置されている。このように、本実施の形態における空気入りタイヤ対の前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、カーカスコードが交差するカーカス6の構成によりハーフラジアル構造が採用されている。
ベルト層7は、複数のベルト71,72,73,74を積層した多層構造をなし、トレッド部2のカーカス6の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてカーカス6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72,73,74は、有機繊維(ナイロンやポリエステルなど)やスチールなどのコードがゴム材で被覆されたもので、該コードがタイヤ周方向、つまりタイヤ赤道線に対して、所定の角度をつけて配置されている。また、ベルト71,72は、相互にコードを交差して配置されている。
このような空気入りタイヤ対では、前タイヤ1Aの扁平率Frと後タイヤ1Bの扁平率RrとがFr>Rrに設定されている。なお、偏平率Fr,Rrとは、図1および図2に示すように、タイヤ幅Wに対するタイヤ断面高さSfh,Srhを比率で表したものである。また、タイヤ断面高さSfh,Srhは、(タイヤ径方向の外径−リム径)/2であって、ビード部5のタイヤ径方向内周側端部(ビード部5の底部のリムベースの位置)からタイヤ赤道面Cとトレッド面21との交点であるセンタークラウンCLまでのタイヤ径方向の高さである。
そして、前タイヤ1Aは、図1に示す子午断面で、タイヤ径方向内側に配置された内側カーカス61においてビードコア51にて折り返された折返部611の折返端611aの高さPinhと、タイヤ径方向外側に配置された外側カーカス62においてビードコア51にて折り返された折返部621の折返端621aの高さPouthと、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhとの関係が、Pouth>Fhに設定されている。なお、上記高さPinh,Pouth,Fhは、(タイヤ径方向の外径−リム径)/2であって、ビード部5のタイヤ径方向内周側端部(ビード部5の底部のリムベースの位置)からタイヤ径方向外側の高さである。すなわち、前タイヤ1Aは、外側カーカス62の折返端621aが、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aよりもタイヤ径方向外側に位置している。
一方、後タイヤ1Bは、図2に示す子午断面で、タイヤ径方向内側に配置された内側カーカス61においてビードコア51にて折り返された折返部611の折返端611aの高さPinhと、タイヤ径方向外側に配置された外側カーカス62においてビードコア51にて折り返された折返部621の折返端621aの高さPouthと、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhとの関係が、Pinh>Fh>Pouthに設定されている。すなわち、後タイヤ1Bは、内側カーカス61の折返端611aが、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aよりもタイヤ径方向外側に位置しており、かつ外側カーカス62の折返端621aが、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aよりもタイヤ径方向内側に位置している。
このように上述した空気入りタイヤ対では、前タイヤ1Aの扁平率Frと後タイヤ1Bの扁平率RrとがFr>Rrに設定されており、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bは、カーカスコードのタイヤ周方向に対する角度θが75[度]≦θ≦88[度]の範囲で設定され、かつカーカスコードが互いに交差するように重なり合う内側カーカス61および外側カーカス62を備えたハーフラジアル構造で、カーカス6(61,62)のタイヤ幅方向端部が折り返された内部にゴム材からなるビードフィラー52が設けられている。そして、この空気入りタイヤ対は、内側カーカス61の折返部611の折返端611aの高さPinh、外側カーカス62の折返部621の折返端621aの高さPouth、およびビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhの関係が、前タイヤ1AはPouth>Fhに設定され、かつ後タイヤ1BはPinh>Fh>Pouthに設定されている。
このため、前タイヤ1Aでは、外側カーカス62の折返端621aがビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aを越えて長く延在しているので、サイドウォール部4において、互いに重なり合う内側カーカス61と外側カーカス62とでカーカスコードが交差し、さらに外側カーカス62とその折返部621とでカーカスコードが交差することになる。この結果、少なくとも3層のカーカス6のカーカスコードが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性が大きくなるので、操縦安定性を向上することが可能になる。
一方、後タイヤ1Bでは、内側カーカス61の折返端611aがビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aを越えて長く延在し、外側カーカス62の折返部621がビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aを越えないように短く設けられているので、サイドウォール部4において、互いに重なり合う内側カーカス61と外側カーカス62とでカーカスコードが交差するが、外側カーカス62と内側カーカス61の折返部611とではカーカスコードが交差しないことになる。この結果、2層のカーカス6のカーカスコードのみが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性を大きくしつつも、それ以上にタイヤ剛性が大きくなることが抑制されるので、耐久性の低下を抑制することが可能になる。
すなわち、かかる構成の空気入りタイヤ対によれば、上記前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bにより、前タイヤ1Aで高い操縦安定性を維持しつつ、後タイヤ1Bで耐久性の低下を抑制することが可能になる。
ところで、図1において、前タイヤ1Aは、内側カーカス61の折返端611aが、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aおよび外側カーカス62の折返端621aよりもタイヤ径方向内側に位置しており、Pouth>Fh>Pinhに設定されており、3層のカーカス6のカーカスコードが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性が大きくして操縦安定性を向上している。なお、前タイヤ1Aは、上記Pouth>Fhに設定されていれば上記効果を得ることができ、内側カーカス61の折返端611aが、外側カーカス62の折返端621aにタイヤ径方向で一致することも含み、Pouth≧Pinh>Fhに設定されていてもよい。この場合、サイドウォール部4において、互いに重なり合う内側カーカス61と外側カーカス62とでカーカスコードが交差し、さらに外側カーカス62とその折返部621とでカーカスコードが交差し、さらにまた、外側カーカス62の折返部621と内側カーカス61の折返部611とでカーカスコードが交差することになる。この結果、4層のカーカス6のカーカスコードが相互に交差したハーフラジアル構造のタガ効果によりタイヤ剛性がさらに大きくなるので、操縦安定性をさらに向上することが可能になる。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ対では、前タイヤ1Aは、自身のタイヤ断面高さSfhに対し、外側カーカス62の折返端621aの高さPouthが、0.60≦Pouth/Sfh≦0.80の範囲に設定されていることが好ましい。また、前タイヤ1Aは、タイヤ断面高さSfhに対し、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが、0.20≦Fh/Sfh≦0.55の範囲に設定されていることが好ましい。さらに、前タイヤ1Aは、前記高さPouthと前記高さFhとが、15[mm]≦Pouth−Fhに設定されていることが好ましい。
一方、後タイヤ1Bは、自身のタイヤ断面高さSrhに対し、内側カーカス61の折返端611aの高さPinhが、0.60≦Pinh/Srh≦0.80の範囲に設定されていることが好ましい。また、後タイヤ1Bは、タイヤ断面高さSrhに対し、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが、0.20≦Fh/Srh≦0.55の範囲に設定されていることが好ましい。さらに、後タイヤ1Bは、タイヤ断面高さSrhに対し、外側カーカス62の折返端621aの高さPouthが、0.10≦Pinh/Srh≦0.20の範囲に設定されていることが好ましい。さらに、後タイヤ1Bは、前記高さPinhと前記高さFhとが15[mm]≦Pinh−Fhに設定されていることが好ましい。さらにまた、後タイヤ1Bは、前記高さPouthと前記高さFhとが8[mm]≦Fh−Pouthに設定されていることが好ましい。
すなわち、前タイヤ1Aは、外側カーカス62の折返端621aの高さPouthが、タイヤ断面高さSfhの60[%]以上80[%]以下の範囲に設定され、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが、タイヤ断面高さSfhの20[%]以上55[%]以下の範囲に設定され、外側カーカス62の折返端621aの高さPouthからビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhを差し引いた高さが15[mm]以上の範囲に設定されていることが好ましい。一方、後タイヤ1Bは、内側カーカス61の折返端611aの高さPinhが、タイヤ断面高さSrhの60[%]以上80[%]以下の範囲に設定され、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが、タイヤ断面高さSrhの20[%]以上55[%]以下の範囲に設定され、外側カーカス62の折返端621aの高さPouthが、タイヤ断面高さSrhの10[%]以上20[%]以下の範囲に設定され、内側カーカス61の折返端611aの高さPinhからビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhを差し引いた高さが15[mm]以上の範囲に設定され、ビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhから外側カーカス62の折返端621aの高さPouthを差し引いた高さが8[mm]以上の範囲に設定されていることが好ましい。
かかる構成の空気入りタイヤ対によれば、前タイヤ1Aと後タイヤ1Bとのカーカス6およびビードフィラー52の適正位置を規定することにより、前タイヤ1Aの剛性を大きくして高い操縦安定性を維持しつつ、後タイヤ1Bの過剰な剛性を抑制して耐久性の低下を抑制することが可能になる。
なお、前タイヤ1Aは、タイヤ断面高さSfhに対し外側カーカス62の折返端621aの高さPouthが0.70≦Pouth/Sfh≦0.78の範囲に設定され、タイヤ断面高さSfhに対しビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが0.30≦Fh/Sfh≦0.45の範囲に設定され、前記高さPouthと前記高さFhとが20[mm]≦Pouth−Fhに設定されていることがさらに好ましい。一方、後タイヤ1Bは、タイヤ断面高さSrhに対し内側カーカス61の折返端611aの高さPinhが0.70≦Pinh/Srh≦0.78の範囲に設定され、タイヤ断面高さSrhに対しビードフィラー52のタイヤ径方向外側端52aの高さFhが、0.30≦Fh/Srh≦0.40の範囲に設定されていることがさらに好ましい。
また、本実施の形態の空気入りタイヤ対では、前タイヤ1Aおよび後タイヤ1Bにおけるビードフィラー52のJIS硬度Sが、72≦S≦96の範囲に設定されていることが好ましい。
ビードフィラー52のJIS硬度Sが72未満で硬度が低くなると、剛性低下により操縦安定性が低下する。一方、ビードフィラー52のJIS硬度Sが96を超えて硬度が高くなると、過剰な剛性により耐久性が低下する。このため、ビードフィラー52のJIS硬度Sを72≦S≦96の範囲に設定することで、高い操縦安定性を維持しつつ耐久性の低下を抑制する効果が得られる。なお、ビードフィラー52のJIS硬度Sは、88≦S≦94の範囲に設定されていることがさらに好ましい。
本実施の形態では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、耐久性および操縦安定性に関する性能試験が行われた(図3参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ225/45R18の前タイヤと、タイヤサイズ245/40R18の後タイヤとを、正規リムに組み付け、正規内圧を充填し、正規荷重を加えた。なお、ここでいう正規リムとは、JATMAに規定される「標準リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
評価方法は、耐久性の性能試験では、ドラム径1707mmのドラムで、JIS D−4230,JATMA Y/B 2006年版規定荷重耐久性試験終了後、ドラム径1707mm、速度81[km/h]とし、荷重を15[%]ずつ4時間ごとに増加させて空気入りタイヤが破壊するまで試験を行ない、破損したときの走行距離を測定した。この結果に基づいて従来例を基準(Cランク)とし、AランクからEランクの5段階評価が行われる。なお、各ランクの走行距離は、Aランクが5000[km]以上、Bランクが4300[km]以上5000[km]未満、Cランクが3600[km]以上4300[km]未満、Dランクが2900[km]以上3600[km]未満、Eランクが2900[km]未満である。この評価は、少なくともCランクであることが好ましく、Aランクに近いほどより好ましい。操縦安定性の性能試験では、空気入りタイヤを試験車両(国産乗用車)に装着し、乾燥路面であるハンドリングコースでのフィーリングを評価した。この結果に基づいて従来例を基準(3)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。そして、耐久性の性能試験と操縦安定性の性能試験との評価を合わせた総合評価として、従来例を△とした評価が行われる。この評価は、△よりも○の方が好ましく、×は好ましくない。
従来例の空気入りタイヤ対は、前タイヤおよび後タイヤ共に2つのカーカスの角度θが90[度]のラジアル構造で、後タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置は適正化されているが、前タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置が後タイヤと同じく規定されている。比較例1〜比較例3の空気入りタイヤ対は、前タイヤおよび後タイヤ共に2つのカーカスの角度θが85[度]のハーフラジアル構造で、比較例1は、前タイヤと後タイヤとのカーカスおよびビードフィラーの位置が双方逆に規定されている。また、比較例2は、前タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置は適正化されているが、後タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置が後タイヤと同じく規定されている。また、比較例3は、後タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置は適正化されているが、前タイヤのカーカスおよびビードフィラーの位置が後タイヤと同じく規定されている。一方、実施例の空気入りタイヤ対は、前タイヤおよび後タイヤ共に2つのカーカスの角度θが85[度]のハーフラジアル構造で、前タイヤと後タイヤとのカーカスおよびビードフィラーの位置が適正化されている。
図3の試験結果に示すように、実施例の空気入りタイヤ対では、後タイヤおよび前タイヤについて高い操縦安定性を維持しつつ、耐久性の低下が抑制されていることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤ対は、後タイヤおよび前タイヤについて高い操縦安定性を維持しつつ耐久性の低下を抑制することに適している。
本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤにおける前タイヤの子午断面図である。 本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤにおける後タイヤの子午断面図である。 本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1A 前タイヤ
1B 後タイヤ
2 トレッド部
3 ショルダー部
4 サイドウォール部
5 ビード部
51 ビードコア
52 ビードフィラー
52a タイヤ径方向外側端
6 カーカス
61 内側カーカス
611 折返部
611a 折返端
62 外側カーカス
621 折返部
621a 折返端
7 ベルト層
C タイヤ赤道面
CL センタークラウン
Fr 前タイヤの扁平率
Rr 後タイヤの扁平率
Pinh 内側カーカスの折返端高さ
Pouth 外側カーカスの折返端高さ
Fh ビードフィラーのタイヤ径方向外側端高さ
Sfh 前タイヤのタイヤ断面高さ
Srh 後タイヤのタイヤ断面高さ
S ビードフィラーJIS硬度
W タイヤ幅
θ カーカスにおけるカーカスコードの角度

Claims (3)

  1. 車両の前側に装着される前タイヤと、前記車両の後側に装着される後タイヤとを備え、前記前タイヤの扁平率Frと前記後タイヤの扁平率RrとがFr>Rrに設定されている空気入りタイヤ対において、
    タイヤ周方向に対する角度θが75[度]≦θ≦88[度]の範囲でカーカスコードが配置され、かつ前記カーカスコードが互いに交差する態様で重なり合う2つのカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ幅方向の端部が折り返された内部に設けられたゴム材からなるビードフィラーと、
    を備え、子午断面にて、タイヤ径方向内側に配置された前記カーカスの折返端の高さPinh、タイヤ径方向外側に配置された前記カーカスの折返端の高さPouth、および前記ビードフィラーのタイヤ径方向外側端の高さFhの関係が、前記前タイヤはPouth>Fhに設定され、かつ前記後タイヤはPinh>Fh>Pouthに設定されていることを特徴とする空気入りタイヤ対。
  2. 前記前タイヤは、自身のタイヤ断面高さSfhに対して前記高さPouthが0.60≦Pouth/Sfh≦0.80の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSfhに対して前記高さFhが0.20≦Fh/Sfh≦0.55の範囲に設定され、前記高さPouthと前記高さFhとが15[mm]≦Pouth−Fhに設定されており、
    前記後タイヤは、自身のタイヤ断面高さSrhに対して前記高さPinhが0.60≦Pinh/Srh≦0.80の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSrhに対して前記高さFhが0.20≦Fh/Srh≦0.55の範囲に設定され、前記タイヤ断面高さSrhに対して前記高さPouthが0.10≦Pouth/Srh≦0.20の範囲に設定され、前記高さPinhと前記高さFhとが15[mm]≦Pinh−Fhに設定され、前記高さPouthと前記高さFhとが8[mm]≦Fh−Pouthに設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ対。
  3. 前記前タイヤおよび前記後タイヤにおける前記ビードフィラーのJIS硬度Sが72≦S≦96の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ対。
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