JP6540117B2 - インクジェット用処理液、インクジェット用処理液カートリッジ、インクジェット用インクセット、インクジェット用インクカートリッジセット、記録装置、及び記録方法 - Google Patents
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Description
色材凝集剤、ポリオレフィン粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ポリオレフィン粒子が、ポリプロピレン粒子であるインクジェット用処理液。
前記ポリオレフィン粒子のポリオレフィンの重量平均分子量が、1000以上100000000以下である<1>に記載のインクジェット用処理液。
<3>に係る発明は、
前記ポリオレフィン粒子の体積平均粒径が、50nm以上400nm以下である<1>又は<2>に記載のインクジェット用処理液。
前記色材凝集剤が、有機酸、及び有機酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液。
色材凝集剤、ポリオレフィン粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ポリオレフィン粒子が、ポリプロピレン粒子であるインクジェット用処理液を収容したインクジェット用処理液カートリッジ。
色材、水、及び水性有機溶媒を含むインクジェット用インクと、
<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液と、
を有するインクジェット用インクセット。
色材、水、及び水性有機溶媒を含むインクジェット用インクを収容したインクジェット用インクカートリッジと、
<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液を収容したインクジェット用処理液カートリッジと、
を有するインクジェット用インクカートリッジセット。
<6>に記載のインクジェット用インクセットを収容し、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を記録媒体の表面に吐出する吐出装置を備え、
前記記録媒体の表面に、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を互いに接触するように前記吐出装置から吐出することにより画像を記録する記録装置。
<6>に記載のインクジェット用インクセットを用いて、記録媒体の表面に、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を互いに接触するように吐出することにより画像を記録する記録方法。
<1>に係る発明によれば、ポリオレフィン粒子がポリエチレン粒子又はポリブテン粒子である場合に比べ、インク浸透性の高い記録媒体に対しても、線幅の細い画像の記録を実現するインクジェット用処理液が提供される。
<4>に係る発明によれば、色材凝集剤が無機酸又は無機酸の一価金属塩である場合に比べ、インク浸透性の高い記録媒体に対しても、線幅の細い画像の記録を実現するインクジェット用処理液が提供される。
本実施形態に係るインクジェット用処理液(以下、単に「処理液」とも称する)は、色材凝集剤、ポリオレフィン粒子、水、及び水性有機溶媒を含む。処理液は、必要に応じて、その他添加剤を含んでいてもよい。
なお、処理液は、色材、水、及び水性有機溶媒を含むインクジェット用インク(以下、単に「インク」とも称する。)と共に使用し、インクジェット記録方式で画像を記録する処理液である。
なお、インク浸透性の高い記録媒体とは、例えば、動的走査吸液計で測定した接触時間500ms以内におけるインクの最大吸液量が15ml/m2を超える記録媒体である。
しかし、インク浸透性が高い記録媒体(例えば、ブック、マガジン等の書籍用紙など)に対して画像を記録する場合、色材凝集剤による画像の滲み抑制が十分ではなく、線幅の細い画像を記録しようとすると、画像の線幅が広がる現象が生じることがある。具体的には、例えば、小さいポイントの文字画像を記録しようとすると、文字画像がつぶれて、判読性が低下することがある。これは、インク浸透性が高い記録媒体の繊維同士の空隙を通じて、色材凝集剤により凝集された色材が記録媒体の表層で拡散すると考えられるためである。
そして、本実施形態に係る処理液では、例えば、小さいポイントの文字画像のつぶれを抑制し、文字画像の判読性が高められる。
色材凝集剤は、インク中の色材と反応又は相互作用することで、色材の凝集を起こす効果を有する物質である。色材凝集剤としては、多価金属イオン、カチオン性物質が挙げられる。
色材凝集剤としては、例えば、有機酸又はその塩、無機電解質、有機アミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、色材凝集剤としては、線幅の細い画像の記録を実現する点、及び処理液の保管安定性の点から、有機酸、及び有機酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。そして、有機酸又はその塩は、線幅の細い画像の記録を実現する点から、酸解離定数pKaが4.5以下(好ましくは4.2以下、より好ましくは1.0以上4.0以下)の有機酸又はその塩がよい。
Rは、置換又は無置換のアルキル基を表す。このアルキル基の置換基としては水酸基等が挙げられる。Rは、CH3、C2H5、C2H4OHが好ましい。
Mは、水素原子、アルカリ金属、又はアミン類を表す。Mは、水素原子、Li、Na、K、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が好ましく、H、Na、Kがより好ましく、水素原子がより好ましい。
nは、3以上7以下の整数を表す。nは、「X」及び「C」とで形成される複素環が6員環又は5員環となる整数であることが好ましく、5員環となる整数であることがより好ましい。mは1又は2の整数を表す。
kは1又は2の整数を表す。lは、1以上5以下の整数を表す。
なお、「X」及び「C」とで形成される複素環は、飽和環であっても不飽和環であってもよい。
ポリオレフィン粒子は、オレフィンの重合体粒子である。ポリオレフィン粒子は、1種のオレフィンを重合した単独重合体粒子であってもよいし、2種以上のオレフィンを共重合した共重合体粒子であってもよい。
直鎖状又は分岐状の脂肪族オレフィンとしては、炭素数2以上30以下(好ましくは炭素数2以上18以下)の脂肪族オレフィンが挙げられる。具体的には、脂肪族オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げられる。
脂環式オレフィンとしては、炭素数4以上20以下(好ましくは炭素数4以上12以下)の脂環式オレフィンが挙げられる。具体的には、脂環式オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
なお、オレフィンは、1種単独で用いてもよいし、2以上併用してもよい。
なお、ポリオレフィン粒子は、予めポリオレフィン粒子が分散された水分散液(エマルション)を使用して、処理液に配合することがよい。
ポリオレフィン粒子の体積平均粒径の測定は、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈した処理液を測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には処理液を希釈する希釈液の粘度を、粒子屈折率はポリオレフィン粒子の屈折率を採用する。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
水溶性有機溶媒について説明する。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
処理液の表面張力は、10mN/m以上45mN/m以下であることが好ましく、15mN/m以上40mN/m以下がより好ましく、20mN/m以上35mN/m以下が更に好ましい。なお、処理液の表面張力は、インクの表面張力よりも小さいことが好ましい。
なお、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定する。
なお、粘度は、TV−20(東機産業製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は750s−1の条件で測定する。
本実施形態に係るインクジェット用インクセット(以下、単に「インクセット」とも称する)は、インクと、本実施形態に係る処理液と、を有する。
インクは、色材、水、及び水性有機溶媒を含む。インクは、その他成分を含んでもよい。
色材としては、目的とする色相のインクに応じたものを使用すればよく、具体的には、顔料が挙げられる。顔料としては、有機顔料、無機顔料が挙げられる。
マゼンタ色顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red−5,−7,−12,−48,−48:1,−57,−112,−122,−123,−146,−168,−177,−184,−202, C.I.Pigment Violet−19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow−1,−2,−3,−12,−13,−14,−16,−17,−73,−74,−75,−83,−93,−95,−97,−98,−114,−128,−129,−138,−151,−154,−180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色とシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
色材の体積平均粒径とは、色材そのものの粒径、又は色材に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。
体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151 (Microtrac社製)により行う。その測定は、1000倍希釈したインクを測定セルに入れて行う。なお、測定時の入力値として、粘度には特定インク希釈液の粘度を、粒子屈折率は色材の屈折率を採用する。
水としては、処理液で説明した水が挙げられる。
水の含有量は、インクの全質量に対して、30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上70質量%以下がより好ましい。
水溶性有機溶媒としては、処理液で説明した水溶性有機溶媒が挙げられる。
水溶性有機溶媒の含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましい。
その他添加剤としては、処理液で説明した周知の添加剤が挙げられる。
インクの表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下の範囲であることが好ましく、より好適には20mN/m以上35mN/m以下の範囲であり、更に好ましくは25mN/m以上35mN/m以下の範囲である。
なお、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定する。
なお、粘度は、TV−20(東機産業製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は750s−1の条件で測定する。
本実施形態に係る記録装置は、本実施形態に係るインクセットを収容し、インク及び処理液を記録媒体の表面に吐出する吐出装置を備え、記録媒体表面に、インク及び処理液を互いに接触するように吐出装置から吐出することにより画像を記録する記録装置である。
図1は、本実施形態に係る記録装置を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係る記録装置における記録ヘッド周辺を示す部分平面図である。
一方、記録ヘッド31は、処理液が、処理液カートリッジ31Aと供給管(不図示)を通じて連結され、処理液カートリッジ31Aにより、処理液が記録ヘッド31へ供給される。
なお、記録ヘッド30は、これに限られず、用紙Pの幅よりも短尺状の記録ヘッドであって、用紙Pの幅方向に移動してインクを吐出する方式(所謂キャリッジ方式)の記録ヘッドであってもよい。
記録ヘッド31の構成については、上記記録ヘッド30と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態に係る記録装置12では、用紙Pは、給紙容器16から取り出しロール18で1枚ずつ取り出され、搬入経路22を経由して搬送ベルト28へ搬送される。
次に、用紙Pは、帯電ロール32により搬送ベルト28に静電吸着され、搬送ベルト28の回転により記録ヘッド30の下方へ搬送される。
次に、用紙Pは、記録ヘッド31により、処理液が吐出される。これら処理液は、用紙Pのインクの付着領域(画像形成領域)に吐出する。
次に、用紙Pは、記録ヘッド30により、処理液が付着した領域にインクが吐出され、目的とする画像が記録される。
このインクと処理液とが接触することでインクに含まれる色材が凝集する。
(処理液(1)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 10.0質量%
・水酸化リチウム: 1.1質量%
・グリセリン: 10.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株))製): 1.0質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=1000000、粒子のD50v=0.125μm): 16.7質量%
・純水: 61.2質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(1)を得た。この処理液のpHは、3.5であった。
・カーボンブラック: 5.0質量%
・スチレン−アクリル酸Na−アクリル酸アルキルエステル共重合体: 2.0質量%
・グリセリン: 15.0質量%
・2−ピロリドン: 5.0質量%
・1,2−ヘキサンジオール: 3.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株))製): 1.5質量%
・純水: 68.5質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性のブラックインク(1)を得た。
(処理液(2)の調製)
・コハク酸: 5.9質量%
・水酸化ナトリウム: 2.4質量%
・グリセリン: 8.0質量%
・ジエチレングリコール: 7.0質量%
・オルフィン E1004(日信化学工業(株)製): 0.5質量%
・サーフィノール 485(日信化学工業(株)製): 0.5質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=200000、D50v=0.08μm): 16.7質量%
・純水: 59.0質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(2)を得た。この処理液のpHは、3.9であった。
(処理液(3)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 7.0質量%
・水酸化リチウム: 0.8質量%
・グリセリン: 8.0質量%
・トリエチレングリコール: 5.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 1.0質量%
・サーフィノール 104(日信化学工業(株)製): 0.1質量%
・水性ポリエチレンエマルション(ポリエチレン粒子の水分散液(固形分25質量%)、ポリエチレンのMw=5000000、ポリエチレン粒子のD50v=0.170μm): 20.0質量%
・純水: 58.1質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(3)を得た。この処理液のpHは、4.1であった。
(処理液(4)の調製)
・リンゴ酸: 5.0質量%
・水酸化ナトリウム: 1.2質量%
・ジエチレングリコール: 8.0質量%
・1,2−へキサンジオール: 1.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 1.5質量%
・水性ポリブテンエマルション(ポリブテン粒子の水分散液(固形分20質量%)、ポリエチレンのMw=800000、ポリエチレン粒子のD50v=0.230μm): 25.0質量%
・純水: 58.3質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(4)を得た。この処理液のpHは、3.4であった。
(処理液(5)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 10.0質量%
・水酸化リチウム: 1.1質量%
・グリセリン: 10.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株))製): 1.0質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=1000000、粒子のD50v=0.125μm): 6.7質量%
・純水:71.2質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(5)を得た。この処理液のpHは、3.7であった。
(処理液(6)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 10.0質量%
・水酸化リチウム: 1.1質量%
・グリセリン: 10.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株))製): 1.0質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=1000000、粒子のD50v=0.125μm): 33.3質量%
・純水:44.6質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(6)を得た。この処理液のpHは、3.3であった。
(処理液(7)の調製)
・グルタミン酸: 2質量%
・グルタミン酸ナトリウム: 5質量%
・ジグリセリン: 5.0質量%
・ポリエチレングリコール400: 5.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 0.5質量%
・サーフィノール 440(日信化学工業(株)製): 0.2質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=30000、D50v=0.07μm): 20質量%
・純水: 59.0質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(7)を得た。この処理液のpHは、4.3であった。
(処理液(8)の調製)
・リン酸二水素ナトリウム: 6質量%
・グリセリン: 5.0質量%
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル: 2.0質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 0.7質量%
・1,2−オクタンジオール : 0.4質量%
・水性ポリエチレンエマルション(ポリエチレン粒子の水分散液(固形分20質量%)、ポリエチレンのMw=10000000、ポリエチレン粒子のD50v=0.260μm): 30質量%
・純水:55.9 質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の処理液(3)を得た。この処理液のpHは、4.5であった。
処理液は使用せず、実施例1で調製したブラックインク(1)のみを比較例1のインクセット(インク)とした。
(比較処理液(C1)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 10質量%
・水酸化リチウム: 1.1質量%
・グリセリン: 10質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 1.0質量%
・純水: 77.9質量%
上記成分を混合したのち、0.45μmのフィルターでろ過を行い、水性の比較処理液(C1)を得た。この比較処理液のpHは、3.4であった。
(比較処理液(C1)の調製)
・グリセリン: 10質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 1.0質量%
・水性ポリプロピレンエマルション(ポリプロピレン粒子の水分散液(固形分30質量%)、ポリプロピレンのMw=1500000、D50v=0.115μm): 33.3質量%
・純水: 55.7質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の比較処理液(C2)を得た。この比較処理液のpHは、9.5であった。
(比較処理液(C3)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 10質量%
・水酸化リチウム: 1.1質量%
・グリセリン: 10質量%
・オルフィン E1010(日信化学工業(株)製): 1.0質量%
・ポリエチレングリコール 50000(水溶性ポリマー): 1.0質量%
・純水: 76.9質量%
上記成分を混合したのち、0.45μmのフィルターでろ過を行い、水性の比較処理液(C3)を得た。この比較処理液のpHは、3.4であった。
(比較処理液(C4)の調製)
・2−ピロリドン−5−カルボン酸: 7質量%
・水酸化リチウム: 0.7質量%
・グリセリン: 8質量%
・2−ピロリドン:3質量%
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル: 4質量%
・水性アクリルエマルション(アクリルエステルポリマー粒子の水分散液(固形分35質量%)、Mw=200000、D50v=0.25μm): 20質量%
・純水:57.3 質量%
上記成分を混合したのち、5μmのフィルターでろ過を行い、水性の比較処理液(C4)を得た。この比較処理液のpHは、3.7であった。
各例で得られたインクセットを、解像度600dpi(dot per inch)のピエゾ方式の記録ヘッドを2つ有する試作プリンターの2つのカートリッジ(タンク)に収容した。但し、比較例1は、インクのみをカートリッジ(タンク)に収容した。
この試作プリンターを用いて、各記録ヘッドから、処理液を記録媒体に吐出した後、記録媒体に付着した処理液に接触するようにして、1dotライン画像(線画像)、及び2ポイント文字画像(「響」、「音」、「る」の文字画像)の印字を行った。なお、記録媒体には、インク浸透性が高い書籍用紙として「オペラクリーム紙(日本製紙製)」を使用した。そして、得られた画像について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
画像解析装置を用い、得られた1dotライン画像の線幅を求めた。なお、線幅は、ライン画像の両端2か所と、中央部1箇所との計3か所での線幅の平均値として求めた。
文字画像を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
−評価基準−
A(○):文字全てが判読可能
B(△):判読しにくい文字も一部あるが、一応読み取れる
C(×):判読できない文字多数
・PCA:2−ピロリドン−5−カルボン酸
・SA:コハク酸
・PO粒子:ポリオレフィン粒子
・PP粒子: ポリプロピレン粒子
・PE粒子: ポリエチレン粒子
・PB粒子: ポリブテン粒子
14 筐体
16 給紙容器
18 ロール
20 搬入ローラ対
22 搬入経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30 記録ヘッド
30A インクカートリッジ
31 記録ヘッド
31A 処理液カートリッジ
32 帯電ロール
34 剥離板
36 排出経路
38 排出ローラ対
40 排紙容器
Claims (8)
- 色材凝集剤、ポリオレフィン粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ポリオレフィン粒子が、ポリプロピレン粒子であり、前記色材凝集剤が、有機酸、及び有機酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種であるインクジェット用処理液。
- 前記ポリオレフィン粒子のポリオレフィンの重量平均分子量が、1000以上100000000以下である請求項1に記載のインクジェット用処理液。
- 前記ポリオレフィン粒子の体積平均粒径が、50nm以上400nm以下である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用処理液。
- 色材凝集剤、ポリオレフィン粒子、水、及び水性有機溶媒を含み、ポリオレフィン粒子が、ポリプロピレン粒子であり、前記色材凝集剤が、有機酸、及び有機酸の塩からなる群から選択される少なくとも1種であるインクジェット用処理液を収容したインクジェット用処理液カートリッジ。
- 色材、水、及び水性有機溶媒を含むインクジェット用インクと、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液と、
を有するインクジェット用インクセット。 - 色材、水、及び水性有機溶媒を含むインクジェット用インクを収容したインクジェット用インクカートリッジと、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット用処理液を収容したインクジェット用処理液カートリッジと、
を有するインクジェット用インクカートリッジセット。 - 請求項5に記載のインクジェット用インクセットを収容し、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を記録媒体の表面に吐出する吐出装置を備え、
前記記録媒体の表面に、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を互いに接触するように前記吐出装置から吐出することにより画像を記録する記録装置。 - 請求項5に記載のインクジェット用インクセットを用いて、記録媒体の表面に、前記インクジェット用インク及び前記インクジェット用処理液を互いに接触するように吐出することにより画像を記録する記録方法。
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