JP6539573B2 - 包装体および包装体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、包装体に係り、特に、袋体に液状物、粉状物または粘体物が充填された包装体および包装体の製造方法に関する。
一般に、工業用や業務用の液状物、粉状物または粘体物などは袋状の容器内に充填されて密封された包装体として流通しており、包装体の重量は数kg〜20kgにも達することがある。このような内容物自体が形状を保持できない重量物では、流通過程における衝撃の影響が大きく、この種の包装体の容器として用いられる袋体は、流通過程における破損を防止するために、高い耐衝撃性を有することが望まれている。
例えば、特許文献1には、線状低密度ポリエチレンフィルム等を積層した積層フィルムから形成される袋体が開示されている。
特許文献1の袋体は、流通過程における破損を防止することができるように耐衝撃性を向上させたものである。
特開2002−36462号公報
しかしながら、特許文献1の袋体は、耐衝撃性の向上により袋体を形成する積層フィルムが強い引張強度を有するために、包装体の開封にはナイフなどの刃物の使用が必要となるが、刃物を用いて開封すると、包装体から取り出された被充填物に袋体を形成する積層フィルムの切れ端が混入するおそれがあるという問題がある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、流通過程における破損を防止しながらも刃物を使用することなく開封することができる包装体および包装体の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る包装体は、少なくとも基材層とシーラント層を有する積層フィルムにより形成されると共にシーラント層が内部に露出するように配置された略円柱形状の袋体と、袋体の内部に充填されて密封された流動性を有する被充填物と、シーラント層の内部にまで至ることなく袋体の外表面に形成された開封用溝とを備え、開封用溝は、略円柱形状の軸方向の中心付近から軸方向に直交する周方向に対して25〜60度の角度で傾斜する方向に所定の長さだけ延びる1本の直線状に配置され、袋体に一定以上の外力が加わることで開封用溝から袋体が裂けることにより被充填物が取り出されるものである。
また、開封用溝は、軸方向に直交する周方向に対して通常は25〜60度の角度で傾斜するものであるが、29〜57度の角度が好ましく、35〜55度の角度がさらに好ましい。
積層フィルムは、開封用溝を有する部分が20〜40N/15mmの引張強度を有するものであることが好ましいく、25〜35N/15mmの引張強度を有するものがより好ましい。
また、積層フィルムは、加熱により収縮する熱収縮フィルムであり、袋体は、積層フィルムが収縮することで被充填物と共に略円柱形状を発現するものであっても良い。
この場合、積層フィルムは、収縮後に開封用溝を有する部分が20〜30N/15mmの引張強度を有するものが好ましい。
さらに、略円柱形状は、軸方向の長さが、軸方向に直交する幅方向の長さに対して1.5〜5倍の値を有するものであることが好ましい。
袋体は、略円柱形状の軸方向の両端部分を中央部分に対して相対的に変位させるように外力が加わることで開封用溝から裂けるように構成することができる。
開封用溝は、所定の長さにわたる連続した1つの溝部分から形成される、または、所定の長さの範囲内に配置された複数の溝部分から形成されるように構成することができる。
被充填物としては、粘体物、液状物または粉状物を用いることができる。
また、この発明に係る包装体の製造方法は、積層フィルムを用いて袋体を作製する第1工程と袋体の内部に被充填物を充填した後に袋体を密封する第2工程とを実行して上記の包装体を製造する方法であって、積層フィルムの外表面に開封用溝を形成する開封用溝形成工程を備えるものである。
開封用溝成形工程は、第1工程の前に行われても良く、あるいは、第1工程と第2工程の間に行われても良いが、第1工程の前に行われるのが好ましい。
なお、開封用溝は、積層フィルムの表面にレーザ光を照射することにより形成することができる。
この発明によれば、包装体が、少なくとも基材層とシーラント層を有する積層フィルムにより形成されると共にシーラント層が内部に露出するように配置された袋体と、袋体の内部に充填されて密封された流動性を有する被充填物と、シーラント層の内部にまで至ることなく袋体の外表面に形成された開封用溝とを備え、袋体に一定以上の外力が加わることで開封用溝から袋体が裂けるので、流通過程における破損を防止しながらも刃物を使用することなく開封することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る包装体を示す平面図である。 実施の形態1に係る包装体を示す側面図である。 実施の形態1に係る包装体の部分拡大断面図である。 袋体の収縮前後における包装体を示す平面図である。 実施の形態1に係る包装体の開封方法を示す平面図である。 実施の形態1に係る包装体の開封方法を示す側面図である。 実施の形態1に係る包装体が開封された状態を示す側面図である。 実施の形態3に係る包装体を示す平面図である。 実施の形態4に係る包装体の部分拡大断面図である。 積層フィルムの引張試験の試験片を示す平面図である。 (A)〜(F)は、積層フィルムの引張試験の試験片に配置された溝の各種の態様を示す平面図である。 積層フィルムの引張試験の結果を示すグラフである。 実施例7〜24、比較例2および3で製造された包装体を示す平面図である。
以下、この発明の実施の形態1を添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1に係る包装体11を示す平面図である。この包装体11は、多数の菓子パン、調理パンなどを製造する際に用いられるジャムやピーナツクリームなどのペースト状の具材を被充填物として袋体12に充填して密封したもので、このような被充填物を輸送するために用いられる。したがって、包装体11が流通過程において受ける衝撃により袋体12が破損することを防止するために、袋体12には高い強度と高い耐衝撃性が求められる。同時に、被充填物である具材に周辺環境の影響が及ぶことを防止するために、袋体12には高い密封性や防気性などが求められる。
袋体12は中心軸C方向に延びる略円柱形状を有しており、中心軸C方向の長さは、中心軸C方向に直交する幅方向の長さよりも長く設定されている。袋体12の中心軸Cの方向から見ると、袋体12は図2に示されるような楕円形状を有している。図1に示されるように、袋体12の外表面には、袋体12の中心軸C方向の中心付近に配置され且つ中心軸C方向の中心付近から中心軸C方向に直交する周方向Dに対して、角度θで傾斜する方向に延びる開封用溝13が形成されている。開封用溝13は、所定の長さLを有する1本の直線状に形成されている。なお、角度θの値は、特に限定されるものではないが、包装体11の輸送に対する強度、包装体11の開封し易さ、および、開封後の包装体11からの被充填物の取り出し易さ考慮すると、29〜57度であることが好ましく、35〜55度の角度がさらに好ましい。
図3は、ペースト状の具材からなる被充填物14が充填されて密封された袋体12の開封用溝13を有する部分を中心軸C方向に沿って切断した部分断面図である。袋体12は、積層フィルム15から形成され、積層フィルム15の外表面Aに開封用溝13が形成される一方、積層フィルム15の内表面Bには被充填物14が密着している。積層フィルム15は、加熱により収縮する熱収縮フィルムであり、基材層16およびシーラント層17から形成され、基材層16が袋体12の外表面Aに露出するように配置され、シーラント層17が袋体12の内表面Bに露出し且つ被充填物14に密着するように配置されている。
積層フィルム15の基材層16は、包装体11の流通過程における袋体12の破損を防止するために、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成されている。シーラント層17は、袋体12に充填された被充填物14を密封するために、加熱接着(ヒートシール)可能な素材により形成されている。基材層16とシーラント層17は接着剤などにより互いに積層するように接着される。このように形成された積層フィルム15は、高い強度、耐衝撃性、密封性、防気性などを有している。
1枚の積層フィルム15から、図1に示したような袋体12が作製される。まず、1枚の積層フィルム15がシーラント層17が内側に配置されるように略円筒状に丸められる。次に、この積層フィルム15の端部におけるシーラント層17同士が加熱されて接着することで、略円柱形状の袋体12が作製され、この袋体12の外表面に開封用溝13が形成される。そして、袋体12の開口部から被充填物14が充填された後に、開口部の端部におけるシーラント層17同士が加熱されて接着することで接着部18が形成され、被充填物14が袋体12に密封される。
図3に示した開封用溝13は、袋体12を形成する積層フィルム15の外表面Aにおいて、積層フィルム15のうち基材層16の厚さ方向の一部あるいは全部を除去することで形成されている。ただし、開封用溝13は、シーラント層17の内部に達しないように形成されている。
このように開封用溝13を形成することで、積層フィルム15のうち開封用溝13を有する部分の強度は、開封用溝13を有しない部分の強度よりも低い所定の値を有することになる。
開封用溝13は、袋体12が作製される前に積層フィルム15の外表面Aにレーザ光を照射し、基材層16の厚さ方向の一部あるいは全部が融解されることで形成される。
図4に示されるように、積層フィルム15により形成される袋体12に被充填物14を充填して密封した後に加熱処理を施すことで、袋体12が収縮して被充填物14と共に所定の略円柱形状を発現する。
加熱処理を施す際には、図3に示したような積層フィルム15の基材層16が収縮する。この加熱処理の影響で、既に接着されたシーラント層17同士の接着部分の強度が損なわれることを防止するために、シーラント層17として、基材層16の熱収縮温度よりも高い温度で接着性を有することになる素材を用いることが望ましい。
基材層16には、例えば、熱収縮性ナイロンなどが用いられ、また、シーラント層17には、例えば、リニヤー低密度ポリエチレンまたは無延伸ポリプロピレンが用いられる。この場合、接着剤には、例えば、ポリエチレンなどが用いられる。接着方法として、例えば、ポリエチレンを用いた押し出しラミネート法や、ポリエチレン以外の接着剤を用いたドライラミネート法が挙げられる。あるいは、接着剤を使用せずに、基材層16とシーラント層17を融着させることで、これらを積層することもできる。
包装体11は、図5および図6に示されるように、支柱19を利用して開封することができる。まず、袋体12の開封用溝13が支柱19が延びる方向に沿うように且つ袋体12の開封用溝13とは袋体12を挟んだ反対側の外表面が支柱19の円周面に接触するように袋体12を配置する。そして、支柱19を支点として、袋体12の両端部分が中央部分に対して相対的に変位するように、袋体12の両端部分における2つの点Pに力を加える。例えば、水平方向に延びる支柱19を利用する際には、これら2つの点Pに、鉛直下方に力Fを加えることで、袋体12に所定の外力を加えることができる。
なお、2つの点Pは、必ずしも袋体12の両端部分に位置する必要はないが、支点となる支柱19からの距離が長いほど、より小さい力で袋体12を開封することができるので、袋体12の両端部分に設定されることが好ましい。さらに、袋体12の両端部分のうちでも、図5に示したように、支柱19からの距離が最長となる位置に点Pを設定すると効果的である。
前述したように、袋体12の外表面Aに形成された開封用溝13の存在によって、袋体12の開封用溝13を有する部分の強度は、開封用溝13を有しない部分の強度よりも低い値を有している。このため、図7に示されるように、袋体12が所定の外力を受けると、まず、開封用溝13が裂開する。さらに、裂開した開封用溝13の両端を始点に、開封用溝13が延びる方向に袋体12が裂けることで切り口20が形成され、包装体11が開封される。このようにして、ナイフなどの刃物を使用することなく、袋体12に充填され密封された被充填物14を包装体11から取り出すことができる。
また、図1に示したように、開封用溝13が周方向Dに対して角度θで傾斜する方向に延びることから、切り口20が、周方向Dに沿って袋体12が裂けたと仮定した場合の切り口よりも大きくなり、被充填物14が取り出しやすくなっている。
なお、前述したように、袋体12は、収縮により充填物14からの内圧を受けて所定の略円柱形状を維持しているため、袋体12の両端部をそれぞれ把持して開封動作を行うことが可能である。また、袋体12の中心軸C方向の長さが中心軸Cに直交する幅方向の長さよりも長いため、開封動作において力Fを加えやすくなり、これにより袋体12に所定の外力を加えやすくなる。
また、刃物を使用しないので、開封作業により袋体12を形成する積層フィルム15の切れ端が発生することがなく、菓子パン、調理パンなどの製造現場において取り出された具材の被充填物14にこのような切れ端が混入することを防止することができる。
さらに、刃物を使用することなく手作業のみで包装体11を開封することができるので、開封作業が簡素化される。
実施の形態2
実施の形態1では、積層フィルム15として、加熱により収縮する熱収縮フィルムを使用し、積層フィルム15により形成される袋体12の内部に被充填物14を充填した後に袋体12を収縮させたが、必ずしも袋体を収縮させる必要はない。すなわち、熱収縮しない積層フィルムから袋体を形成することもできる。
実施の形態1と同様にして、熱収縮しない積層フィルムからなる袋体の内部に被充填物14を充填して密封することで、包装体を形成することもできる。この場合にも、積層フィルムからなる袋体の外表面に開封用溝を形成することにより、ナイフなどの刃物を使用することなく、被充填物を包装体から取り出すことが可能となる。
なお、積層フィルムは、実施の形態1に記載したものと同様の材料から形成することができるが、熱収縮させる必要がないことから、例えば、積層フィルムの基材層に、熱収縮性を有しないナイロンを用いることができる。
実施の形態3
図8に実施の形態2に係る包装体21を示す。実施の形態1では、図1に示したように開封用溝13は1本の直線状であったが、必ずしも1本の直線状である必要はなく、図8に示されるように、袋体22の外表面に複数の溝部分23Aを所定の長さLにわたって直線状に配列した開封用溝23を配置することもできる。袋体22は、実施の形態1に係る包装体11の袋体12と同様に積層フィルム15から形成されている。
このように袋体22の外表面に複数の溝部分23Aからなる開封用溝23を配置しても、袋体22のうち開封用溝23を有する部分の強度が、開封用溝23を有しない部分の強度よりも低くなり、実施の形態1と同様に、刃物を使用することなく手作業のみで包装体21を開封することができる。
なお、実施の形態2に係る包装体に対しても、図8に示したような複数の溝部分23Aからなる開封用溝23を配置することができる。
実施の形態4
実施の形態1〜3では、図3に示したように積層フィルム15は1層の基材層16とシーラント層17を有していたが、基材層を2層以上有していても良く、図9に示されるような第1の基材層31A、第2の基材層31Bおよびシーラント層32を有する積層フィルム33を用いることもできる。
積層フィルム33の外表面Aに形成された開封用溝34は、第1の基材層31Aを貫通して第2の基材層31Bにまで至っており、第2の基材層31Bの厚さ方向の一部あるいは全部を除去し且つシーラント層32の内部に達しないように形成されている。
また、開封用溝34は、第1の基材層31Aの厚さ方向の一部あるいは全部を除去し、第2の基材層31Bの内部に達しないように形成することもできる。
積層フィルム33を構成する第1の基材層31Aには、例えば、熱収縮性ポリエチレンテレフタレートなどが用いられ、第2の基材層31Bには、例えば、熱収縮性ナイロンなどが用いられ、また、シーラント層32には、例えば、リニヤー低密度ポリエチレンまたは無延伸ポリプロピレンが用いられる。これらを互いに積層するように接着するには、例えば、ポリエチレンを使用した押し出しラミネート法、ポリエチレン以外の接着剤を使用したドライラミネート法、あるいは融着を利用することができる。
なお、上記の実施の形態2のように、熱収縮しない積層フィルムから袋体を形成する場合には、第1の基材層31Aおよび第2の基材層31Bの形成材料として、熱収縮性を有しない材料を用いることができる。
このように2層の基材層を有する積層フィルム33を用いた袋体に被充填物を充填して包装体を構成しても、開封用溝34を形成することにより、実施の形態1〜3と同様に、刃物を使用することなく手作業のみで包装体を開封することができる。
なお、実施の形態1〜4における開封用溝13、23および34は、袋体12または22を形成する積層フィルム15または33の外表面Aにレーザ光を照射する以外の手段、例えば、薬品、治具などにより形成することもできる。また、積層フィルム15の外表面Aに開封用溝13、23または34を形成する工程は、必ずしも袋体12、22に被充填物14が充填される前に行われる必要はない。すなわち、袋体12、22に被充填物14が充填された後において、袋体12、22が密封される前、あるいは、袋体12、22が密封された後に、積層フィルム15または33の外表面Aに開封用溝13、23または34を形成することもできる。また、袋体12、22が作製される前に、積層フィルム15または33の外表面Aに開封用溝13、23または34を形成してもよい。
さらに、袋体12または22の略円柱形状は、中心軸C方向の長さが、中心軸C方向に直交する幅方向の長さに対して1.5〜5倍の値を有すると、図5および図6に示した開封方法において力Fを加えやすく、包装体11、21を開封しやすくなるので好ましい。
なお、上記の実施の形態1〜4において、ペースト状の被充填物14の代わりに、小麦粉などの粉状物、シロップなどの液状物、または、粘体物等の流動性を有する各種の被充填物を用いることもできる。
実施例1
実施の形態1における積層フィルム15に対してJIS K 7127に準拠する引張試験を実施した。この引張試験は、周囲温度23℃、相対湿度50%の環境下において試験片の長さ方向のそれぞれの端部を長さ方向に互いに離れるように引張り、試験片が破断するときの引張強さを測定するものである。
図10は、引張試験のための試験片41を示す平面図である。試験片41は、長さ150mm、幅15mm、厚さ0.075mmの矩形の積層フィルムにより形成され、試験片41の長さ方向の中心付近に、幅方向に延び且つ幅方向の両端にそれぞれ達する開封用溝42が配置されている。図11(A)に示されるように、開封用溝42として、試験片41を幅方向に横切る1本の直線状の溝を使用した。すなわち、開封用溝42は、試験片41の幅に等しい、15mmの長さを有している。なお、実施の形態1および実施の形態3により近い条件で試験を実施するため、加熱処理により予め熱収縮させた積層フィルムにより試験片41を形成した。
実施例2
開封用溝42として、図11(B)に示されるように、試験片41の幅方向に沿って2つの溝部分に分割することにより溝部分の合計の長さを14mmとした溝を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
実施例3
開封用溝42として、図11(C)に示されるように、試験片41の幅方向に沿って3つの溝部分に分割することにより溝部分の合計の長さを13mmとした溝を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
実施例4
開封用溝42として、図11(D)に示されるように、試験片41の幅方向に沿って4つの溝部分に分割することにより溝部分の合計の長さを12mmとした溝を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
実施例5
開封用溝42として、図11(E)に示されるように、試験片41の幅方向に沿って6つの溝部分に分割することにより溝部分の合計の長さを10mmとした溝を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
実施例6
開封用溝42として、図11(F)に示されるように、試験片41の幅方向に沿って8つの溝部分に分割することにより溝部分の合計の長さを7.5mmとした溝を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
比較例1
開封用溝を一切有しない試験片41を使用する他は、実施例1と同様にして引張試験を行った。
図12は、実施例1〜6および比較例1における引張試験の試験結果を示すグラフである。縦軸は試験片41の引張強さを示している。実施例1から比較例1にかけて図12のグラフの右方へ向かうほど、すなわち、開封用溝42を構成する溝部分の長さの合計が小さくなるほど、試験片41の引張強さの値が高くなる傾向にあるという試験結果が得られた。特に、比較例1の開封用溝を一切有しない試験片41の引張強さの値は、実施例1〜6の開封用溝42を有する試験片41の引張強さの値に対して、顕著に高いという結果になった。
さらに、実施例1〜6および比較例1における試験片41の開封用溝の態様を図1に示した実施の形態1の包装体11あるいは図8に示した実施の形態2の包装体21に適用して、JIS Z 0200に準拠する輸送試験を実施した。それぞれの包装体は略円柱形状を有しており、長さ方向の長さは500mm、長さ方向に直交する幅方向の長さは160mmである。実施例1〜6における開封用溝を適用した袋体の外表面には、袋体の中心軸方向の中心付近から略円柱形状の周方向に100mmにわたって開封用溝の配置部分が設定されている。
輸送試験の結果、実施例3〜6および比較例1における試験片41の開封用溝の態様を適用した袋体は、輸送に対して十分な強度を有していることがわかった。一方、実施例1および実施例2における試験片41の開封用溝の態様を適用した袋体は、実施例3〜6と比較して、長距離の輸送に対しては強度が不足する面もあるが、同一工場内での輸送など強度があまり必要でない用途で使用すると小さな力で開封できるので好ましい。
また、これらの包装体に対して、図5および図6で示したような支柱19を利用して開封実験を実施したところ、実施例1〜5における試験片41の開封用溝の態様を適用した包装体は、容易に開封できるという結果が得られた。また、実施例6における試験片41の開封用溝の態様を適用した包装体は、開封するために大きな力を要することがわかった。
一方、開封用溝を一切有しない比較例1に対応する包装体は、支柱19を利用しても、手作業のみで開封することは困難であった。
すなわち、図12のグラフより、開封用溝が配置された部分の積層フィルム15が20〜40N/15mmの引張強さを有するものである場合に、特に、輸送に対して十分な強度を有しながらも刃物を使用することなく手作業のみで開封し易い包装体を形成し得ることが確認された。
実施の形態2のように、熱収縮しない積層フィルムから袋体を形成する場合においても、開封用溝が配置された部分の積層フィルムの引張強さが20〜40N/15mmであれば、輸送に対して十分な強度を有しながらも刃物を使用することなく手作業のみで開封し易い包装体を形成することができる。
また、図13に示されるような外表面に開封用溝を有する略円柱形状の包装体について、開封用溝を構成する複数の溝部分のそれぞれの長さ、包装体の中心軸C方向に直交する周方向Dに対して開封用溝が傾く角度θを変更した複数の包装体を製造した。
実施例7
まず、長さ方向の長さが500mm、長さ方向に直交する幅方向の長さが120mmである略円柱形状の袋体を作製したときに、周方向Dに対して63度の角度θで傾斜する方向に延び且つ周方向Dに100mmの長さの開封用溝になるように、包装フィルムの外表面に溝を形成し、袋体を製造した。このような袋体の内部に被充填物を充填し、さらにこの袋体を密封することで包装体を製造した。なお、複数の溝部分のそれぞれの長さを4mmとし、互いに隣り合うそれぞれの溝部分の間に1mmの未加工部分を設定した。
実施例8
複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例9
角度θを61度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例10
角度θを61度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例11
角度θを59度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例12
角度θを59度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例13
角度θを55度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例14
角度θを55度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例15
角度θを52度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例16
角度θを52度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例17
角度θを47度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例18
角度θを47度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例19
角度θを42度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例20
角度θを42度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例21
角度θを36度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例22
角度θを36度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例23
角度θを29度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例24
角度θを29度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
比較例2
角度θを0度とする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
比較例3
角度θを0度、複数の溝部分のそれぞれの長さを2mmとする以外は、実施例7と同様に包装体を製造した。
実施例7〜24および比較例2および3の包装体に対して、JIS Z 0200に準拠する輸送試験を行った。また、図5および図6で示したような支柱19を利用して実施例7〜24および比較例2および3の包装体の開封し易さを官能評価する開封性評価、および、開封された後の被充填物の取り出し易さを官能評価する取出性評価を行ったところ、表1に示すような結果が得られた。
表1において、輸送試験結果Aは包装体が破袋しなかった場合を示し、輸送試験結果Bは包装体が破袋した場合を示している。また、開封性の評価結果Aは容易に包装体を開封できた場合を示し、評価結果Bは容易ではないものの包装体を開封できた場合を示し、評価結果Cは開封が困難であった場合を示している。さらに、取出性の評価結果Aは容易に包装体から被充填物を取出せた場合を示し、評価結果Bは容易ではないものの包装体から被充填物を取り出せた場合を示し、評価結果Cは被充填物の取出が困難であった場合を示している。
表1より、輸送試験の結果、実施例8、10、12〜24、比較例2および3において製造された包装体は、輸送に対して十分な強度を有していることが分かった。一方、実施例7、9および11において製造された包装体は、長距離の輸送に対しては強度が不足する面もあるが、同一工場内での輸送など強度があまり必要ない状況で使用することができると考えられる。
また、図5および6に示したような支柱19を利用してこれらの包装体の開封し易さを官能評価する開封性評価を行ったところ、実施例13、15〜24、比較例2および3の包装体は、支柱19を利用して容易に開封できるという結果が得られた。一方、実施例9、11および14の包装体は、比較的容易に開封することができ、実施例7、8、10および12の包装体は、大きな力を要するものの開封が可能であった。
さらに、開封されたこれらの包装体の被充填物の取り出し易さを官能評価する取出性評価を行ったところ、実施例7〜22の包装体から容易に被充填物を取り出せるという結果が得られた。また、実施例23および24の包装体から被充填物を取り出すには、比較的時間がかかることが分かった。
一方、比較例2および3の開封用溝が延びる方向が周方向Dに対して傾斜していない包装体については、被充填物を取り出し難いためにさらに長い時間がかかり、短い時間で被充填物を取り出すのは困難であった。
上述した輸送試験、開封性評価および取出性評価の結果より、実施例13〜22の包装体のように、角度θが36〜55度であることが好ましいと考えられる。角度θが36〜55度に設定されることで、それぞれの溝部分の長さが2mmあるいは4mmであっても、輸送に対して十分な強度を有しながらもナイフなどの刃物を用いずに手作業で比較的容易に開封することができ、さらに、開封後の被充填物を容易に取出すことができる包装体が実現される。
11,21 包装体、12,22 袋体、13,23,34,42 開封用溝、14 被充填物、15,33 積層フィルム、16 基材層、17,32 シーラント層、18 接着部、19 支柱、20 切り口、23A 溝部分、31A 第1の基材層、31B 第2の基材層、41 試験片、A 外表面、B 内表面、C 中心軸、L 所定の長さ、F 力、D 方向、θ 角度、P 点。

Claims (11)

  1. 少なくとも基材層とシーラント層を有する積層フィルムにより形成されると共に前記シーラント層が内部に露出するように配置された略円柱形状の袋体と、
    前記袋体の内部に充填されて密封された流動性を有する被充填物と、
    前記シーラント層の内部にまで至ることなく前記袋体の外表面に形成された開封用溝と
    を備え、
    前記開封用溝は、前記略円柱形状の軸方向の中心付近から軸方向に直交する周方向に対して25〜60度の角度で傾斜する方向に所定の長さだけ延びる1本の直線状に配置され
    前記袋体に一定以上の外力が加わることで前記開封用溝から前記袋体が裂けることにより前記被充填物が取り出されることを特徴とする包装体。
  2. 前記積層フィルムは、前記開封用溝を有する部分が20〜40N/15mmの引張強度を有するものである請求項1に記載の包装体。
  3. 前記積層フィルムは、加熱により収縮する熱収縮フィルムであり、
    前記袋体は、前記積層フィルムが収縮することで前記被充填物と共に略円柱形状を発現する請求項1に記載の包装体。
  4. 前記積層フィルムは、収縮後に前記開封用溝を有する部分が20〜40N/15mmの引張強度を有するものである請求項に記載の包装体。
  5. 前記略円柱形状は、軸方向の長さが、軸方向に直交する幅方向の長さに対して1.5〜5倍の値を有するものである請求項1〜のいずれか一項に記載の包装体。
  6. 前記袋体は、前記略円柱形状の軸方向の両端部分を中央部分に対して相対的に変位させるように前記外力が加わることで前記開封用溝から裂ける請求項1〜のいずれか一項に記載の包装体。
  7. 前記開封用溝は、前記所定の長さにわたる連続した1つの溝部分から形成される、または、前記所定の長さの範囲内に配置された複数の溝部分から形成される請求項1〜のいずれか一項に記載の包装体。
  8. 前記被充填物は、粘体物、液状物または粉状物である請求項1〜のいずれか一項に記載の包装体。
  9. 前記積層フィルムを用いて前記袋体を作製する第1工程と前記袋体の内部に前記被充填物を充填した後に前記袋体を密封する第2工程とを実行して請求項1〜のいずれか一項に記載の包装体を製造する方法であって、
    前記積層フィルムの外表面に前記開封用溝を形成する開封用溝形成工程を備えることを特徴とする包装体の製造方法。
  10. 前記開封用溝成形工程は、前記第1工程の前に行われる請求項に記載の包装体の製造方法。
  11. 前記開封用溝は、前記積層フィルムの表面にレーザ光を照射することにより形成される請求項または10に記載の包装体の製造方法。
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