JP6539493B2 - チューブ切断装置 - Google Patents
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Description
ところで、巻き取ったチューブからチューブを引き出して切断する場合、巻き癖等によって比較的長いピッチで緩やかな捩れが発生し、この捩れを解放することなく巻き取ったチューブからチューブを引き出して切断する処理を続けると、チューブに捩れが蓄積され、その捩れが原因となってチューブの切断寸法精度が低下するなどの問題が発生する。
本発明の実施例に係るチューブ切断装置1は、自動車等の電気配線に用いるワイヤハーネスの組み立てに関する一連の作業を補助するシステムであるワイヤハーネス組立システム100に組み込まれている。
なお、制御部90は、ワイヤハーネス組立スステム100の不図示の制御装置に組み込むようにしてもよいし、不図示の制御装置とは別体の制御装置に設けるようにしても構わない。
なお、この実施例では、チューブ切断装置1は、3つの巻き取ったチューブC1の各チューブCを引き出しながら所定の長さにチューブCを切断する3つの切断機構部20を有する。
ここで、3つの切断機構部20を区別して説明する場合、図2中、向かって左側の切断機構部を第1切断機構部20Aと称し、中央の切断機構部20を第2切断機構部20Bと称し、向かって右側の切断機構部20を第3切断機構部20Cと称する。
なお、以下、巻き取ったチューブCと切断チューブCを区別する場合、巻き取ったチューブCの符号を「C1」とし、切断チューブCの符号を「C2」とする。
チューブCは、ワイヤハーネスの組み付け部品の一つとして用いられるものであり、電線を保護するものである。このチューブCは、合成樹脂等の絶縁性材料からなるコルゲートチューブと称するものであり、図3に示すように、屈曲自在な蛇腹形状をなす。
また、チューブCは、軸方向に沿ってスリットSを形成しており、このスリットSから電線をチューブC内に入れ込むようになっている。
なお、チューブCは、コルゲートチューブに限らず、例えば、直管状のチューブであってもよい。
すなわち、巻き取ったチューブC1は、リールに巻き直すことなくチューブ切断装置1にセットしている。
余長確保機構部10は、巻き取ったチューブC1と切断機構部20との間に設ける。この余長確保機構部10は、チューブ接触部11と、スライド移動駆動部12と、ガイド板13と、を有する。
このチューブ接触部11は、円柱状の部材であり、3つの巻き取ったチューブC1から引き出した各チューブCの一部が後述する3つのガイドスリット13aによって軸方向に互いに間隔をあけた状態で接触するようになっている。
なお、余長確保機構部10は、切断機構部20がチューブCを引き出す前に予め余長として巻き取ったチューブC1からチューブCを引き出すことができれば、その他の構成であっても構わない。
切断機構部20は、掴み固定部47と、掴み引き出し部40と、切断部60と、チューブCの掴み固定部47から切断部50までの区間を直線状に保持するチューブ直線状保持部70と、を有する。
なお、この実施例では、3つの巻き取ったチューブC1のそれぞれに対応した第1、2、3切断機構部20A、20B、20Cを板状部材21の横方向に並べて設けている。
また、板状部材21の表面の上端部には巻き取ったチューブC1のそれぞれから各切断機構部20にガイド孔22aにチューブCを通すことによって誘導するチューブ誘導部22を各切断機構部20A、20B、20Cに対応して設けている。
このため、掴み引き出しチャック部41は、一対の挟持部42、43によって断面矩形状にチューブCの外周を囲いこんでチューブCを掴むようになっている。このように掴み引き出しチャック部41は、チューブCの外周を囲いこんでチューブCを掴むことによって、チューブCを掴む際、チューブCを損傷し難いようになっている。
より具体的には、3つの切断機構部20A、20B、20Cの並び方向に延びる板状の連結部材46に各切断機構部20に対応した掴み引き出しチャック部41およびチャック開閉駆動部44を並べて配置し、連結部材46を一つの引き出し方向駆動部45が引き出し方向Dに移動するようになっている。
このため、掴み固定チャック部48は、チューブCを掴む際、チューブCを損傷し難いようになっている。
このため、掴み固定チャック部48から切断部60までの間隔が、チューブの材質等の仕様の違いからチューブCを直線的に引き出すには難しい距離であっても、チューブ直線状保持部70によって、チューブCを直線的に引き出すことができるようになっている。
より具体的には、切断機構部20は、巻き癖等によってチューブCに比較的長いピッチで緩やかな捩れが発生した場合であっても、掴み固定部47から切断部60までの間隔を比較的長いピッチに調整することによって、チューブCの捩れを解放できるようにしている。
このように、掴み固定部47と切断部60との間隔を調整できるのは、切断部60によってチューブCを切断する際、掴み固定部47でなく掴み引き出し部40がチューブCを掴む構成していることによる。つまり、切断部60によってチューブCを切断する際、掴み固定部47がチューブCを掴むようにすると、掴み固定部47と、切断部60との間隔が長すぎると、切断部60によってチューブCを切断する際のチューブCの保持力の低下を招き、結果的に、切断チューブC2の切断寸法不良を発生させるおそれがある。
チューブ一時保持部80は、切断部60によって切断されたチューブC2を収容するチューブ収容本体部81と、チューブ収容本体部81の下端開口を開閉することによってチューブ収容本体部81内に収容した切断チューブC2を下方に落下させるシャッター部82と、を有する。
制御部90は、CPU、メモリ等を有してなり、チューブ切断装置1の各部に接続することによって各部の動作を制御するものである。
図9は、(a)が連結した3つの掴み引き出しチャック41が第1切断機構部20Aによって切断するチューブCの長さに対応した寸法分引き出し方向に移動し、第1切断機構部20Aの切断部60によってチューブCを切断する様子を示した図であり、(b)が連結した3つの掴み引き出しチャック部41が引き出し方向に第1切断機構部20Aで切断するチューブCの長さに対応した寸法分さらに移動し、第1切断機構部20Aの切断部60および第2切断機構部20Bの切断部60よってチューブCを切断する様子を示した図である。図10は、(a)が連結した3つの掴み引き出しチャック部41を第3切断機構部20Cによって切断するチューブCの長さに対応した寸法分さらに引き出し方向に移動し、第3切断機構部20Cの切断部60によってチューブCを切断する様子を示した図であり、(b)が連結した3つの掴み引き出しチャック部41を第2切断機構部20Bによって切断するチューブCの長さに対応した寸法分さらに引き出し方向に移動し、第2切断機構部20Bの切断部60によってチューブCを切断する様子を示した図である。図11は、(a)が連結した3つの掴み引き出しチャック部41を第3切断機構部20Cによって切断するチューブCの長さに対応した寸法分さらに引き出し方向に移動し、第3切断機構部20Cの切断部60によってチューブCを切断する様子を示した図であり、(b)が連結した3つの掴み引き出しチャック部41が引き出し動作完了位置に移動した後、引き出し動作開始位置に戻る様子を示した図である。図12は、チューブCに発生した捩れが解放されることを説明するための説明図である。
このとき切断寸法制御部91は、3つの切断機構部20の各掴み固定チャック部48を開き、各掴み引き出しチャック部41を閉じるように制御する。
このとき切断寸法制御部91は、3つの切断機構部20の各掴み固定チャック部48は開いたまま維持し、各掴み引き出しチャック部41は閉じたまま維持するように制御する。
なお、第2切断機構部20Bによって切断するチューブCの長さは、上述した1回目および2回目の引き出し動作によって引き出した寸法分を合わせた長さになっている。
このとき切断寸法制御部91は、第2および第3切断機構部20B,20Cの各掴み固定チャック部48は開いたまま維持し、第1切断機構部20Aの掴み固定チャック部48は閉じるように制御する。
また、切断寸法制御部91は、第2および第3切断機構部20B、20Cの各掴み引き出しチャック部41は閉じたまま維持し、第1切断機構部20Aの掴み引き出しチャック部41は開いた状態にして連結した3つの掴み引き出しチャック41を引き出し方向Dに移動する。
このため、第1切断機構部20Aでは巻き取ったチューブC1からチューブCが引き出さ出されず、第2および第3切断機構部20B、20CによってチューブCが引き出されるようになっている。
また、第3切断機構部20Cによって切断するチューブCの長さは、上述した1回目、2回目、および、3回目の引き出し動作によって引き出した寸法分を合わせた長さになる。
このとき切断寸法制御部91は、第2および第3切断機構部20B、20Cの各掴み固定チャック部48は開いたまま維持し、第1切断機構部20Aの掴み固定チャック部48は閉じたまま維持するように制御する。
また、切断寸法制御部91は、第2および第3切断機構部20B、20Cの各掴み引き出しチャック部41は閉じたまま維持し、第1切断機構部20Aの掴み引き出しチャック部41は開いたまま維持して連結した3つの掴み引き出しチャック部41を引き出し方向Dに移動する。
このため、第1切断機構部20Aでは巻き取ったチューブC1からチューブCが引き出さ出されず、第2および第3切断機構部20B、20CによってチューブCが引き出されるようになっている。
また、第2切断機構部20Bによって切断するチューブCの長さは、上述した3回目および4回目の引き出し動作によって引き出した寸法分を合わせた長さになる。
このとき切断寸法制御部91は、第3切断機構部20Cの掴み固定チャック部48は開いたまま維持し、第1切断機構部20Aの掴み固定チャック部48は閉じたまま維持し、第2切断機構部20Bの掴み固定チャック部48を閉じる。
また、切断寸法制御部91は、第1切断機構部20Aの掴み引き出しチャック部41を開いたまま維持し、第2切断機構部20Bの掴み引き出しチャック部41を開き、第3切断機構部20Cの掴み引き出しチャック部41を閉じたまま維持して連結した3つの掴み引き出しチャック41を引き出し方向Dに移動する。
このため、第1および第2切断機構部20A、20Bでは巻き取ったチューブC1からチューブCが引き出されず、第3切断機構部20CによってのみチューブCが引き出されるようになっている。
このようにして、掴み固定部47と切断部60との間で3つの切断機構部20の連結した3つの掴み引き出しチャック部41がチューブCの引き出し開始位置(1回目の引き出し動作開始位置)から引き出し完了位置(5回目の引き出し動作完了位置)まで間欠的に引き出し方向Dに移動する間に各切断機構部20によるチューブの切断加工処理を完了する。
ここで、切断寸法制御部91は、3つの掴み固定チャック部48の全てを閉じた状態にするとともに、3つの掴み引き出しチャック部41の全てを開いた状態にする。
このため、巻き癖等によって比較的長いピッチで緩やかな捩れが各チューブCに発生した場合であっても、各チューブCが掴み固定チャック部48によって固定した部分から切断された自由端部までの比較的長い区間Iで発生したチューブCの捩れを解放する(図12参照)。
なお、各切断機構部20によって切断した複数のチューブC2は、チューブ一時保持部80の各チューブ収容本体部81内に一時的に収容され、移動式作業台110がチューブ切断装置1を配置した作業エリアAに移動配置したタイミングでシャッター部82が開くことによって、移動式作業台110の各供給先111にまとめて落下される。
(変形例)
図13は、変形例のチューブ切断装置2の斜視図である。
この変形例のチューブ切断装置2は、切断機構部20を1つのみ有する点で実施例のチューブ切断装置と異なる。
なお、その他の構成は実施例と同様であり、実施例と同一構成部分には同一符号を付している。
10 余長確保機構部
11 チューブ接触部
12 スライド移動駆動部
13 ガイド板
13a ガイドスリット
20、20A、20B、20C 切断機構部
21 板状部材
22 チューブ誘導部
22a ガイド孔
40 掴み引き出し部
41 掴み引き出しチャック部
42、43 挟持部
42a、43a 底壁
42b、43b 側壁
44 チャック開閉駆動部
45 引き出し方向駆動部
46 連結部材
47 掴み固定部
48 掴み固定チャック部
49、50 挟持部
49a、50a 底壁
49b、50b 側壁
51 チャック開閉駆動部
60 切断部
61 切断刃
62 刃物駆動部
63 切断ガイド部
63a 切断ガイドスリット
70 チューブ直線状保持部
71 直線ガイド部
80 チューブ一時保持部
81 チューブ収容本体部
82 シャッター部
82a 扉部
82b 扉駆動部
90 制御部
91 切断寸法制御部
100 ワイヤハーネス組立システム
110 移動式作業台
111 供給先
C、C1、C2 チューブ
S スリット
Claims (5)
- 巻き取ったチューブから該チューブの一部を掴んで所定の長さ分だけ引き出す掴み引出し部と、該掴み引出し部に比して前記巻き取ったチューブ寄りに配置し、かつ、引き出した前記チューブの一部を掴んで固定する掴み固定部と、前記掴み引出し部によって引き出した前記チューブを引き出し方向に直交する方向に切断する切断部と、を有するチューブ切断装置であって、
前記切断部は、
前記掴み引き出し部に比して前記チューブの引き出だし方向前方側に配置し、
前記掴み固定部が前記チューブの一部を掴み、前記掴み引き出し部が前記チューブを離した状態で前記掴み固定部から前記切断部まで延びる部分に発生した前記チューブの捩れを解放する
ことを特徴とするチューブ切断装置。 - 前記チューブの前記掴み固定部から前記切断部までの区間を直線状に保持するチューブ直線状保持部
を有することを特徴とする請求項1に記載のチューブ切断装置。 - 前記掴み固定部と前記切断部との間隔が所望の長さのチューブを複数本切断可能な寸法である場合、前記掴み引き出し部が前記掴み固定部と前記切断部との間で引き出し開始位置から引き出し完了位置に移動するまでの間に複数の前記チューブを切断加工する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ切断装置。 - 前記掴み引き出し部は、
開閉することによって複数の前記巻き取ったチューブのそれぞれのチューブの一部を掴み、または、離すように動作する複数の掴み引き出しチャック部を有し、かつ、該複数の掴み引き出しチャック部を引き出し方向の移動のための駆動部となる一つの引き出し方向駆動部に連結して設け、
前記掴み固定部は、
開閉することによって前記複数の巻き取ったチューブのそれぞれのチューブの一部を掴み、または、離すように動作する複数の掴み固定チャック部を有し、
当該チューブ切断装置は、
前記一つの引き出し方向駆動部によって前記複数の巻き取ったチューブから前記チューブを引き出す
ことを特徴とする請求項1、2、または3に記載のチューブ切断装置。 - 前記一つの引き出し方向駆動部による前記複数の掴み引き出しチャック部の引き出し方向への移動の際、該複数の掴み引き出しチャック部、および、前記複数の掴み固定チャック部の開閉動作のタイミングをそれぞれ制御することによって、前記複数の巻き取ったチューブのそれぞれから所望の長さの前記チューブを切断する制御を行う切断寸法制御部
を有することを特徴とする請求項4に記載のチューブ切断装置。
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