JP6538364B2 - 保護素子 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電流ヒューズといった保護素子に関する。
特許文献1は、電流ヒューズを開示する。この電流ヒューズにおいて、円筒状のケースの中央部に電流ヒューズエレメントが配置される。両側のリードでもって電流ヒューズエレメントが支持される。電流ヒューズエレメントの周囲はフラックスでもって覆われる。
特許文献1に開示された電流ヒューズによれば、電流ヒューズエレメントの表面の酸化を防止できる。
特開平11−213852号公報
しかしながら、特許文献1に開示された電流ヒューズには、遮断限界電圧が低いという問題点がある。本発明は、このような問題を解決するものである。本発明の目的は、遮断限界電圧を従来よりも向上させる保護素子を提供することにある。
図面を参照し本発明の保護素子を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
上述した課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、保護素子は、導電体54と、ケース12とを備える。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。ケース12は導電体54を収容する。保護素子は接触材14をさらに備える。接触材14は導電体54およびケース12に接触する。接触材14は導電体54と共にケース12に収容される。ケース12内に空間が形成されている。また、保護素子は、被覆樹脂18をさらに備える。被覆樹脂18は、導電体54および接触材14を被覆する。被覆樹脂18が、無機フィラーと、合成樹脂とを含む。被覆樹脂18の一部が、ケース12の内周面の少なくとも一部を覆う。
導電体54が接触材14に接触されると、そうでない場合に比べ、通電により導電体54で発生した熱が容易に導電体54の外へ流出しやすくなる。熱が外へ流出しやすいので、そうでない場合に比べ、導電体54が溶断した後にアークが早く冷却される。さらに、ケース12内に形成されている空間によって、アーク発生による衝撃を緩和することができる。アークを早く冷却でき、かつ、アーク発生による衝撃を緩和できるので、遮断限界電圧を従来よりも向上できる。また、被覆樹脂18の一部がケース12の内周面の少なくとも一部を覆うと、そこへアークが到達したとき、そのアークを消弧できる。これにより、アークによる衝撃の発生を抑えることができる。
また、上述したケース12が少なくとも1つの仕切り42を有している。仕切り42は、複数の区画が並ぶようケース12内部を区切る。この場合、接触材14が、複数の区画のいずれかにおいて導電体54とケース12とに接触している。この場合、接触材14が導電体54とケース12とに接触している区画の隣の区画において空間が形成されている。
複数の区画が並ぶようケース12内部が仕切り42によって区切られる。導電体54とケース12とに接触材14が接触している区画の隣の区画において空間が形成されている。これらにより、導電体54が溶断した際のアーク発生による衝撃をその空間が緩和できる。接触材14が導電体54とケース12とに接触している区画と空間が形成されている区画とは仕切り42によって仕切られているので、そうでない場合に比べ、接触材14が変形したときその変形によって空間が塞がれてしまう可能性は低くなる。空間が塞がれてしまう可能性が低くなるので、その空間による衝撃緩和能力が損なわれる可能性も低くなる。
もしくは、上述した接触材14が導電体54とケース12とに接触している区画と空間が形成されている区画とが連通していることが望ましい。
接触材14が導電体54とケース12とに接触している区画と空間が形成されている区画とが連通していると、アーク発生による衝撃がその連通によって直接伝わる。これにより、これらの区画が仕切り42によって完全に遮断されている場合に比べ、衝撃緩和能力が高くなる。
また、上述したケース12が、仕切り42に加え、放熱体40を有していることが望ましい。放熱体40は、接触材14と直接接触し接触材14の熱を吸収する。放熱体40は、ケース12の外へ熱を放出する。
放熱体40が接触材14と直接接触していると、導電体54で発生した熱が容易に導電体54の外へ流出しやすくなる。これにより、そうでない場合に比べ、導電体54が溶断した後にアークが早く冷却される。
また、上述した合成樹脂がエポキシ樹脂であることが望ましい。
もしくは、上述したケース12の内周面が、対向部36と、囲い部38とを有していることが望ましい。対向部36は導電体54および接触材14に対向する。囲い部38は対向部36と導電体54および接触材14との間の空間を取囲む。この場合、被覆樹脂18の一部が、対向部36の少なくとも一部を覆うことが望ましい。
被覆樹脂18の一部がケース12の対向部36の少なくとも一部を覆うと、アークによる衝撃の発生をより効果的に抑えることができる。
もしくは、上述した無機フィラーがアルミナを含むことが望ましい。
また、上述した接触材14がシリコーン樹脂を含むことが望ましい。
もしくは、上述したシリコーン樹脂がシリコーンゴムを含むことが望ましい。
もしくは、上述した接触材14が、シリコーン樹脂に加え、金属酸化物を含むことが望ましい。
もしくは、上述した金属酸化物が粒子状であることが望ましい。
もしくは、上述した金属酸化物がアルミナを含むことが望ましい。
本発明によれば、遮断限界電圧を従来よりも向上させる。
本発明のある実施形態にかかる保護素子の平面図である。 本発明のある実施形態にかかる保護素子の断面図である。 本発明のある実施形態にかかる導電部の平面図である。 本発明のある実施形態にかかるケースの斜視図である。 図2の拡大図である。
以下、本発明について図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる保護素子の平面図である。図1において、接触材14の一部と被覆樹脂18の一部と裏ロウ材66の一部とは取り除かれている。図2は、本実施形態にかかる保護素子の断面図である。図2において、本実施形態にかかる保護素子は、中央部分で切断されている。図1および図2に基づいて、本実施形態にかかる保護素子の構成が説明される。
本実施形態にかかる保護素子は、導電部10と、ケース12と、接触材14と、被覆樹脂18とを備える。導電部10は電流が流れる部分である。ケース12は導電部10および接触材14を収容する。接触材14は導電体54およびケース12に接触する。被覆樹脂18は、ケース12に収容された導電部10を被覆する。
図3は、本実施形態にかかる導電部10の平面図である。図3において、表ロウ材56の一部は取り除かれている。図1ないし図3に基づいて、本実施形態にかかる導電部10が説明される。本実施形態にかかる導電部10は、基板50と、一対の表電極52と、導電体54と、一対の表ロウ材56と、合金基部58と、低融点合金60と、一対の裏電極62と、一対のリード線64と、一対の裏ロウ材66とを有する。表電極52は、基板50のいずれかの面に配置される。本実施形態では、表電極52が配置されている面を基板50のおもて面とみなす。本実施形態の場合、表電極52として銅箔が基板50のおもて面に固定される。導電体54は、基板50のおもて面に配置される。導電体54は電流が流れるとその電流のエネルギの一部を熱にする。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると自ずと溶断する。「ジュール熱積分値」とは、ヒューズのエレメント(本実施形態の場合、導電体54が「ヒューズのエレメント」に相当する)が溶断するのに必要とされるエネルギのことである。ジュール熱積分値の算出式は周知なのでここではその説明は繰返されない。本実施形態の場合、導電体54は、一端が表電極52の一方に接続され他端が表電極52の他方に接続されている線材である。本実施形態の場合、導電体54は錫メッキされた純銅製である。表ロウ材56は、表電極52と導電体54とを接続する。これにより、表電極52と導電体54との間が導通する。合金基部58は、基板50のおもて面に固定される。低融点合金60は、導電体54と同様に、基板50のおもて面に配置される。低融点合金60は、合金基部58を介して基板50に固定される。本実施形態の場合、低融点合金60は導電体54の中央部分をまたぐようにして導電体54を覆っている。本実施形態の場合「低融点合金」とは、上述した導電体54が溶断する温度以下の融点であり、かつ、融解した状態であれば上述した導電体54が溶解する合金のことである。このような低融点合金は周知である。したがって、ここではその詳細な説明は繰返されない。裏電極62は、基板50の面のうち、上述したおもて面から見て裏にあたる面に配置される。本実施形態では、この面を基板50の裏面とみなす。本実施形態の場合、裏電極62は、表電極52と同様に銅箔である。一対の裏電極62のうち一方は、一対の表電極52のうち一方の裏にあたる位置に配置される。一対の裏電極62のうち他方は、一対の表電極52のうち他方の裏にあたる位置に配置される。一対のリード線64の一方が一対の裏電極62の一方に接続される。一対のリード線64の他方が一対の裏電極62の他方に接続される。リード線64はケース12を貫通する。裏ロウ材66は、裏電極62とリード線64とを接続する。これにより、裏電極62とリード線64との間が導通する。
基板50はスルーホール70を有する。本実施形態の場合、基板50は4個のスルーホール70を有する。表電極52の一方と裏電極62の一方とは2つのスルーホール70において互いに接続されている。これにより、表電極52の一方と裏電極62の一方との間が導通する。表電極52の他方と裏電極62の他方とは他の2つのスルーホール70において互いに接続されている。これにより、表電極52の他方と裏電極62の他方との間が導通する。その結果、リード線64の一方を流れた電流は、裏電極62の一方と表電極52の一方とを経て導電体54に流れる。導電体54に流れた電流は、裏電極62の他方と表電極52の他方とを経てリード線64の他方を流れる。
図4は、本実施形態にかかるケース12の斜視図である。図1と図2と図4とに基づいて、本実施形態にかかるケース12の構成が説明される。ケース12は、外殻部30と補強部32とを有する。外殻部30には導電部10が収容される。補強部32は外殻部30に力がかかったときに外殻部30の変形を抑える。
本実施形態の場合、外殻部30は合成樹脂製である。外殻部30の内周面は対向部36と囲い部38とを有する。対向部36は、ケース12の底面となる部分である。ケース12の中において、上述した導電体54はケース12の対向部36に対向するように配置される。低融点合金60も対向部36に対向する。囲い部38は対向部36と導電体54および接触材14との間の空間を取囲む。その結果、導電部10は、ケース12のうち対向部36と囲い部38とよって取囲まれる空間に配置されることとなる。
補強部32は1枚の放熱体兼補強板40と4枚の仕切り42とを有する。本実施形態の場合、放熱体兼補強板40はアルミナ製である。本実施形態の場合、放熱体兼補強板40はアルミナを焼結したものである。したがって、本実施形態の場合、放熱体兼補強板40は合成樹脂製の外殻部30よりも熱伝導率が高い。放熱体兼補強板40は接触材14の熱を吸収する。放熱体兼補強板40は、吸収した熱を、外殻部30を介して、ケース12の外へ放出する。本実施形態の場合、放熱体兼補強板40は直方体状である。本実施形態の場合、放熱体兼補強板40は、外殻部30の内周面のうち対向部36に固定される。これにより、放熱体兼補強板40のうち最も面積が大きい面が導電体54と対向する。本実施形態の場合、4枚の仕切り42は外殻部30と一体となっている。4枚の仕切り42は外殻部30の対向部36から突出する。4枚の仕切り42のうち一対が放熱体兼補強板40の一端を挟むように配置される。4枚の仕切り42のうち他の一対が放熱体兼補強板40の他端を挟むように配置される。仕切り42と仕切り42との間は空いている。これにより、仕切り42によって区切られた空間は互いに連通することとなる。
図2及び図4に基づいて、本実施形態にかかる接触材14が説明される。接触材14は、ケース12の放熱体兼補強板40から導電体54までの空間に充填される。接触材14が導電体54を密封することとなる。本実施形態の場合、接触材14は、シリコーンゴム80と粒子状のアルミナ82と含む。なお、漏電が発生しない程度の電気抵抗を接触材14が有することは言うまでもない。
図5は図2の拡大図である。図2と図4と図5とに基づいて、本実施形態にかかる被覆樹脂18が説明される。被覆樹脂18は、ケース12の導電部10の外周部分から囲い部38の縁までの空間に充填される。これにより、上述したように、被覆樹脂18は、ケース12に収容された導電部10および接触材14を被覆することとなる。被覆樹脂18の一部は、導電部10の外周部分と囲い部38との隙間から、外殻部30の内周面に流入している。本実施形態の場合、被覆樹脂18の一部は、外殻部30の内周面のうち対向部36に達している。本実施形態の場合、被覆樹脂18は、エポキシ樹脂と粒子状のアルミナとを含む。この粒子状のアルミナは、無機フィラーとして被覆樹脂18に含まれている。
[製造方法の説明]
本実施形態にかかる保護素子の製造方法は、導電部形成工程と、接触材塗布工程と、ケース収容工程と、被覆工程とを備える。導電部形成工程において導電部10が形成される。導電部10を形成するための具体的な工程は、基板上に形成される周知の保護素子と同様なのでここではその詳細な説明は繰返されない。接触材塗布工程において、導電部10の導電体54にシリコーンゴムと粒子状のアルミナとの混合物が塗布される。この混合物中のシリコーンゴムは、塗布された後、硬化する。硬化したその混合物が、接触材14となる。ケース収容工程において、まず、ケース12の外殻部30に放熱体兼補強板40が固定される。外殻部30は射出成型によって予め製造されている。放熱体兼補強板40が固定された外殻部30がケース12である。ケース12は、導電部10に被せられる。これにより、外殻部30の区画のうち真ん中の区画において、接触材塗布工程において塗布された混合物が、導電体54と放熱体兼補強板40とに接触する。その区画の隣の区画においては、仕切り42によってその混合物の進入が抑えられるので、空間が形成される。その後、接触材塗布工程において塗布された混合物は硬化させられる。硬化したその混合物が、接触材14となる。被覆工程において、ケース12内にまだ硬化していないエポキシ樹脂と粒子状のアルミナとの混合物が充填される。これにより、ケース12内の導電部10は被覆される。その後、その充填された混合物は硬化させられる。硬化した後の混合物が被覆樹脂18となる。
[使用方法の説明]
本実施形態にかかる保護素子の使用方法は、周知の電流ヒューズと同一である。すなわち、本実施形態にかかる保護素子は、図示されない回路に接続される。予め定められていた範囲の大きな電流が導電体54に流れると、導電体54の温度は所定の温度を超える。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。溶断後アークが発生する場合は保護素子内部で消弧される。これにより、保護素子が接続されていた回路において電流が遮断される。
[実施例の説明]
(実施例1)
上述した保護素子を5個作成した。ただし、ケース収容工程において、外殻部30に放熱体兼補強板40が固定された後、対向部36と囲い部38とに、エポキシ樹脂と粒子状のアルミナとの混合物が塗布された。この混合物の組成は被覆工程において充填される混合物と同一成分であった。この混合物が塗布されたのは、導電部10の外周部分と囲い部38との隙間から被覆樹脂18の一部が外殻部30の内周面に流入し対向部36に到達した状況を再現するためである。これにより、対向部36の表面と囲い部38の表面とには、被覆樹脂18の層が形成された。各保護素子には、「1」ないし「5」という試験片番号が設定された。
(実施例2)
上述した保護素子を2個作成した。ただし、ケース収容工程において、外殻部30に放熱体兼補強板40が固定された後、囲い部38に、エポキシ樹脂と粒子状のアルミナとの混合物が塗布された。この混合物の組成は被覆工程において充填される混合物と同一成分であった。対向部36にはその混合物は塗布されなかった。この混合物が塗布されたのは、導電部10の外周部分と囲い部38との隙間から被覆樹脂18の一部が外殻部30の内周面に流入し囲い部38まで到達した状況を再現するためである。これにより、囲い部38の表面には、被覆樹脂18の層が形成された。対向部36の表面には、被覆樹脂18の層が形成されてなかった。各保護素子には、「1」ないし「2」という試験片番号が設定された。
(比較例1)
次に述べられる2点を除き実施例1にかかる保護素子と同一構造の保護素子を10個作成した。その第1点目は、接触材塗布工程における混合物の塗布がなかったという点である。その結果、この保護素子は、接触材14を備えていなかった。第2点目は、ケース収容工程における対向部36と囲い部38とへの混合物の塗布がなかったという点である。その結果、この保護素子において、対向部36の表面と囲い部38の表面とには、被覆樹脂18の層が形成されなかった。各保護素子には、「1」ないし「10」という試験片番号が設定された。
(比較例2)
次に述べられる2点を除き実施例1にかかる保護素子と同一構造の保護素子を8個作成した。その第1点目は、接触材塗布工程において、ケース12内に充満するよう混合物が塗布されたという点である。その結果、この保護素子において、ケース12内に空間が形成されなかった。第2点目は、ケース収容工程における対向部36と囲い部38とへの混合物の塗布がなかったという点である。その結果、この保護素子において、対向部36の表面と囲い部38の表面とには、被覆樹脂18の層が形成されなかった。各保護素子には、「1」ないし「8」という試験片番号が設定された。
(遮断限界電圧の測定)
実施例1と実施例2と比較例1と比較例2とにかかる保護素子により、遮断限界電圧が測定された。測定は、電流値50アンペアかつ電圧値が互いに異なる直流電流を各保護素子に流すという方法で行った。直流電流が流れた結果、次のいずれかの要件を満たす保護素子は、不合格と判定された。その第1の要件は、漏れ電流が2.5ミリアンペアを超えるというものである。第2の要件は、発火するというものである。第3の要件は、例えば破壊するといった外観上の問題が生じるという要件である。第4の要件は、絶縁抵抗が0.2MΩ未満であるという要件である。これらの要件のいずも満たさない保護素子は合格と判定された。また、遮断限界電圧の測定後に、各保護素子の絶縁抵抗が測定された。表1には、測定結果の一覧が示される。
Figure 0006538364

表1に示されるように、実施例1にかかる保護素子の場合、電圧値が490ボルト以下の直流電流が流されたものはいずれも合格と判定された。電圧値が500ボルトの直流電流が流されたものは発火した。したがって、実施例1にかかる保護素子の遮断限界電圧は490ボルトと判定された。実施例2にかかる保護素子の場合、電圧値が450ボルトの直流電流が流されたものは合格と判定された。電圧値が460ボルトの直流電流が流されたものは発火した。したがって、実施例2にかかる保護素子の遮断限界電圧は450ボルトと判定された。比較例1にかかる保護素子の場合、電圧値が240ボルト以下の直流電流が流されたものはいずれも不合格と判定された。絶縁抵抗が0.2MΩ未満であり、かつ、漏れ電流が2.5ミリアンペアを超えたためである。電圧値が260ボルトの直流電流が流されたものには外観上の問題が生じた。すなわち、不合格と判定された。したがって、比較例1にかかる保護素子はいずれも不合格なので、その遮断限界電圧は100ボルト未満と判定された。比較例2にかかる保護素子の場合、電圧値が420ボルト以下の直流電流が流されたものはいずれも合格と判定された。電圧値が430ボルトの直流電流が流されたものの中には外観上の問題が生じたものがあった。したがって、比較例2にかかる保護素子の遮断限界電圧は420ボルトと判定された。
表1の結果から明らかな通り、接触材14を備えている保護素子は、そうでない保護素子に比べて、遮断限界電圧が大幅に高い。接触材14を備えている保護素子の中では、空間が形成されている保護素子は、そうでない保護素子に比べて、遮断限界電圧が高い。接触材14を備え、かつ、空間が形成されている保護素子の中では、対向部36に被覆樹脂18の層が形成されている保護素子は、そうでない保護素子に比べて、遮断限界電圧が高い。したがって、接触材14を備え、かつ、空間が形成されている保護素子は、そうでない保護素子に比べて、遮断限界電圧が高いと言える。その中でも、外殻部30の内周面に被覆樹脂18の層が形成されているものは、特に遮断限界電圧が高いと言える。その結果、被覆工程においてケース12内に充填された混合物の一部が対向部36と導電部10との間に進入したものは、そのような進入がないものに比べ、遮断限界電圧が高くなる。特に、被覆工程においてケース12内に充填された混合物の一部が対向部36に達したものは、遮断限界電圧が高くなる。
[効果の説明]
本実施形態にかかる保護素子では、導電体54が接触材14に接触されると、そうでない場合に比べ、通電により導電体54で発生した熱が容易に導電体54の外へ流出しやすくなる。熱が外へ流出しやすいので、そうでない場合に比べ、導電体54が溶断した後においてアークが早く冷却される。ケース12内に形成されている空間によって、アーク発生による衝撃を緩和することができる。アークを早く冷却でき、かつ、アーク発生による衝撃を緩和できるので、遮断限界電圧を従来よりも向上できる。
本実施形態にかかる保護素子では、複数の区画が並ぶようケース12内部が仕切り42によって区切られる。ケース12内部の外殻部30の区画のうち真ん中の区画において、導電体54と放熱体兼補強板40とに接触材14が接触する。これらにより、導電体54が溶断した際のアーク発生による衝撃をその空間が緩和できる。導電体54と放熱体兼補強板40とに接触材14が接触する区画と空間が形成されている区画とは仕切り42によって仕切られているので、そうでない場合に比べ、接触材14が変形したときその変形によって空間が塞がれてしまう可能性は低くなる。空間が塞がれてしまう可能性が低くなるので、その空間による衝撃緩和能力が損なわれる可能性も低くなる。
本実施形態にかかる保護素子では、導電体54が配置される区画と空間が形成されている区画とが連通しているので、アーク発生による衝撃がその連通によって直接伝わる。これにより、これらの区画が仕切り42によって完全に遮断されている場合に比べ、衝撃緩和能力が高くなる。
本実施形態にかかる保護素子では、放熱体兼補強板40が接触材14と直接接触しているので、導電体54で発生した熱が容易に導電体54の外へ流出しやすくなる。これにより、そうでない場合に比べ、導電体54が溶断した後にアークが早く冷却される。また、本実施形態にかかる保護素子では、アルミナ製の放熱体兼補強板40を備えているので、そうでない場合に比べ、ケース12の機械的強度が高くなる。
本実施形態にかかる保護素子では、被覆樹脂18の一部がケース12の対向部36を覆うので、そこにアークが到達したとき、そのアークを消弧できる。被覆樹脂18がアルミナを含むためである。これにより、アークによる衝撃の発生を抑えることができる。
本実施形態にかかる保護素子では、導電体54に電流が流れると、導電体54はその電流のエネルギの一部を熱にする。熱は、接触材14のアルミナ82とシリコーンゴム80と低融点合金60とに伝わる。接触材14に接触されるので、周りが空間である場合に比べ、導電体54で発生した熱は容易にアルミナ82及びシリコーンゴム80へ流出する。粒子状のアルミナ82を伝って、熱は接触材14全体に拡がる。これにより、導電体54の温度上昇を効果的に抑制できる。
本実施形態にかかる保護素子では、接触材14がシリコーンゴム80を含むので、他の耐熱性が悪い合成樹脂が接触材14に含まれる場合に比べ熱による接触材14の劣化を抑制できる。
〈変形例の説明〉
上述した保護素子は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述した保護素子は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上述した放熱体兼補強板40の形状及び素材は特に限定されない。すなわち放熱体兼補強板40はアルミナ以外の金属酸化物を焼結したものであってもよい。放熱体兼補強板40は焼結以外の方法により製造されたものでもよい。保護素子は放熱体兼補強板40を備えていなくともよい。
また、上述した接触材14は、繊維状のアルミナを含んでもよい。アルミナ以外の金属酸化物を接触材14は含んでもよい。アルミナ以外の金属酸化物の例には、ケイ砂と酸化チタンとがある。この場合、アルミナ以上の熱伝導率の金属酸化物であれば、接触材14全体に素早く熱を伝えることができる。接触材14は金属酸化物を含まなくてもよい。
また、上述した接触材14が含む物質はシリコーンゴム80に限定されない。例えば、シリコーンゴム80以外のシリコーン樹脂でもよい。シリコーン樹脂以外の重合体でもよい。接触材14が重合体と金属酸化物とを含む場合、それらの比率は限定されない。接触材14が重合体と金属酸化物とを含む場合、重合体の体積%よりも金属酸化物の体積%が高い方が好ましい。接触材14の組成にかかわらず、金属酸化物は50質量%以上含まれていることが好ましい。
また、無機フィラーと合成樹脂とを含む限り、上述した被覆樹脂18の成分も上述したものに限定されない。例えば、被覆樹脂は、上述したアルミナに代えて他の無機フィラーを含んでもよい。被覆樹脂は、エポキシ樹脂に代えて、他の合成樹脂を含んでもよい。
また、上述した導電部10の構成及び形態は上述したものに限定されない。
10…導電部、
12…ケース、
14…接触材、
18…被覆樹脂、
30…外殻部、
32…補強部、
36…対向部、
38…囲い部、
40…放熱体兼補強板、
42…仕切り、
50…基板、
52…表電極、
54…導電体、
56…表ロウ材、
58…合金基部、
60…低融点合金、
62…裏電極、
64…リード線、
66…裏ロウ材、
70…スルーホール、
80…シリコーンゴム、
82…粒子状のアルミナ、

Claims (11)

  1. ジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する導電体と、
    前記導電体を収容するケースとを備える保護素子であって、
    前記導電体および前記ケースに接触し前記導電体と共に前記ケースに収容される接触材をさらに備え、
    前記ケース内に空間が形成されており、
    前記導電体および前記接触材を被覆する被覆樹脂をさらに備え、
    前記被覆樹脂が、
    無機フィラーと、
    合成樹脂とを含み、
    前記被覆樹脂の一部が、前記ケースの内周面の少なくとも一部を覆い、
    前記ケースが、複数の区画が並ぶよう前記ケース内部を区切る少なくとも1つの仕切りを有しており、
    前記接触材が、前記複数の区画のいずれかにおいて前記導電体と前記ケースとに接触しており、
    前記導電体と前記ケースとに前記接触材が接触している前記区画の隣の前記区画において前記空間が形成されていることを特徴とする保護素子。
  2. 前記接触材が前記導電体と前記ケースとに接触している前記区画と前記空間が形成されている前記区画とが連通していることを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  3. 前記ケースが、前記仕切りに加え、前記接触材と直接接触し前記接触材の熱を吸収し前記ケースの外へ前記熱を放出する放熱体を有していることを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  4. 前記合成樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
  5. 前記ケースの内周面が、
    前記導電体および前記接触材に対向する対向部と、
    前記対向部と前記導電体および前記接触材との間の空間を取囲む囲い部とを有しており、
    前記被覆樹脂の一部が、前記対向部の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  6. 前記無機フィラーがアルミナを含むことを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  7. 前記接触材がシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
  8. 前記シリコーン樹脂がシリコーンゴムを含むことを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  9. 前記接触材が、前記シリコーン樹脂に加え、金属酸化物を含むことを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  10. 前記金属酸化物が粒子状であることを特徴とする請求項に記載の保護素子。
  11. 前記金属酸化物がアルミナを含むことを特徴とする請求項又は請求項10に記載の保護素子。
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