JP2019021650A - 保護素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部から力を受けることによる影響を抑え、かつ、遮断時のアーク発生によりカバー内の物質がカバー外に噴出す恐れを低くする。
【解決手段】保護素子は、基板50と、導電体54と、リード線64の対と、ロウ材66の対とを備える。導電体54は基板50のおもて面に固定される。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。ロウ材66の対はリード線64それぞれの一端を基板50の裏面へ基板50の裏面に沿って固定する。基板50に複数のスルーホール70が形成されている。リード線64の対が、基板50の他方の面へ基板50の他方の面に沿って固定されている。リード線64の対が、互いに異なるスルーホール70を経由して、導電体54と導通している。
【選択図】図1
【解決手段】保護素子は、基板50と、導電体54と、リード線64の対と、ロウ材66の対とを備える。導電体54は基板50のおもて面に固定される。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。ロウ材66の対はリード線64それぞれの一端を基板50の裏面へ基板50の裏面に沿って固定する。基板50に複数のスルーホール70が形成されている。リード線64の対が、基板50の他方の面へ基板50の他方の面に沿って固定されている。リード線64の対が、互いに異なるスルーホール70を経由して、導電体54と導通している。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば電流ヒューズといった保護素子に関する。
特許文献1は、ヒューズを開示する。このヒューズは、外部電極と、過電流保護材料と、成形樹脂とを備える。過電流保護材料は外部電極を接続する。成形樹脂は過電流保護材料を覆う。過電流保護材料と外部電極とは、接続部においてスポット溶接などにより固定される。特許文献1に開示されたヒューズは高感度である。
しかしながら、特許文献1に開示されたヒューズには、外部電極から力を受けたとき、過電流保護材料がその力の影響を受けるという問題点がある。過電流保護材料がその力の影響を受けると、過電流保護材料は伸び縮みする。
本発明は、このような問題を解決するものである。本発明の目的は、外部から力を受けることによる影響が抑えられる保護素子を提供することにある。
図面を参照し本発明の保護素子を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
上述した課題を解決するために、本発明のある局面に従うと、保護素子は、基板50と、導電体54と、リード線64の対と、ロウ材66の対とを備える。導電体54は基板50の一方の面に固定される。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。ロウ材66の対はリード線64それぞれの一端を基板50の他方の面へ基板50の他方の面に沿って固定する。基板50に複数のスルーホール70が形成されている。リード線64の対が、互いに異なるスルーホール70を経由して、導電体54と導通している。
導電体54は基板50の一方の面に固定される。リード線64の対が、基板50の他方の面へ基板50の他方の面に沿って固定されている。リード線64の対は、互いに異なるスルーホール70を経由して、導電体54と導通している。スルーホール70は、基板50に形成されている。これにより、リード線64の対のいずれかを引く力は、ロウ材66および基板50により支えられる。その力がロウ材66および基板50により支えられるので、そうでない場合に比べ、その力が導電体54に及ぶ割合は抑えられる。その割合が抑えられるので、外部から力を受けることによる導電体54への影響が抑えられる。
また、上述したロウ材66が銅および錫の少なくとも一方を含んでいることが望ましい。この場合、基板50がガラスエポキシ樹脂製であることが望ましい。
ロウ材66が銅および錫の少なくとも一方を含んでおり、基板50がガラスエポキシ樹脂製であると、そうでない場合に比べ、熱衝撃の繰り返しによる導電体54の変形が抑えられる。銅と錫とガラスエポキシ樹脂との熱膨張係数の差が銅および錫とアルミナとの熱膨張係数の差に比べて小さい傾向があるためである。
また、上述した保護素子が、ケース12と、密封材16とをさらに備えていることが望ましい。ケース12は、基板50および導電体54を収容する。密封材16は、基板50および導電体54を覆う。密封材16は、ケース12内部を密封する。この場合、リード線64は、一端がケース12の中に配置され、他端がケース12の外へ突出していることが望ましい。リード線64の一端から途中部分までが密封材16によって覆われていることが望ましい。
基板50および導電体54がケース12に収容される。しかも、密封材16によってケース12内部が密封される。これにより、導電体54が溶断した際、導電体54の一部が保護素子の周りに散らばることは防止される。その上、基板50の一方の面に導電体54が固定され基板50の他方の面へリード線64の対が固定されている。これにより、導電体54が溶断した際にリード線64と密封材16との接触箇所を経由して導電体54の一部がケース12の外へ噴出することが防止される。
本発明によれば、外部から力を受けることによる影響が抑えられる。
以下、本発明について図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる保護素子の平面図である。図1において、接触材14の一部と密封材16の一部とロウ材66の一部とは取り除かれている。図2は、本実施形態にかかる保護素子の断面図である。図2において、本実施形態にかかる保護素子は、中央部分でリード線64に沿って切断されている。図1と図2とに基づいて、本実施形態にかかる保護素子の構成が説明される。
図1は、本実施形態にかかる保護素子の平面図である。図1において、接触材14の一部と密封材16の一部とロウ材66の一部とは取り除かれている。図2は、本実施形態にかかる保護素子の断面図である。図2において、本実施形態にかかる保護素子は、中央部分でリード線64に沿って切断されている。図1と図2とに基づいて、本実施形態にかかる保護素子の構成が説明される。
本実施形態にかかる保護素子は、導電部10と、ケース12と、接触材14と、密封材16とを備える。導電部10は電流が流れる部分である。ケース12は導電部10を収容する。接触材14は導電部10と共にケース12に収容される。密封材16は、ケース12に収容された導電部10を被覆する。密封材16は、ケース12内部を密封する。
図3は、本実施形態にかかる導電部10の平面図である。図3において、ロウ材66の一部は取り除かれている。図1ないし図3に基づいて、本実施形態にかかる導電部10の構成が説明される。本実施形態にかかる導電部10は、基板50と、一対の表電極52と、導電体54と、合金基部58と、低融点合金60と、一対の裏電極62と、一対のリード線64と、ロウ材66の対とを有する。基板50はガラスエポキシ樹脂(ガラス繊維にエポキシ樹脂をしみ込ませた後、そのエポキシ樹脂に熱硬化処理を施すことによって、そのエポキシ樹脂を板状にしたもの)製である。表電極52は、基板50のいずれかの面に配置される。本実施形態では、表電極52が配置されている面を基板50のおもて面とみなす。本実施形態の場合、表電極52として銅箔が基板50のおもて面に固定される。導電体54は、基板50のおもて面に固定される。ケース12の中において、導電体54はケース12の内周面に対向するように固定される。導電体54は電流が流れるとその電流のエネルギの一部を熱にする。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると自ずと溶断する。「ジュール熱積分値」とは、ヒューズのエレメント(本実施形態の場合、導電体54が「ヒューズのエレメント」に相当する)が溶断するのに必要とされるエネルギのことである。ジュール熱積分値の算出式は周知なのでここではその説明は繰返されない。本実施形態の場合、導電体54は線材である。本実施形態の場合、導電体54の一端は表電極52の一方に接続されている。導電体54の他端は表電極52の他方に接続されている。本実施形態の場合、導電体54は錫メッキされた純銅製である。合金基部58は、基板50のおもて面に固定される。低融点合金60は合金基部58を介して基板50に固定される。低融点合金60は、導電体54と同様に、基板50のおもて面に配置される。低融点合金60もケース12の内周面に対向する。本実施形態の場合、低融点合金60は導電体54の中央部分をまたぐようにして導電体54を覆っている。本実施形態の場合「低融点合金」とは、上述した導電体54が溶断する温度以下の融点であり、かつ、融解した状態であれば上述した導電体54が溶解する合金のことである。このような低融点合金は周知である。したがって、ここではその詳細な説明は繰返されない。裏電極62は、基板50の面のうち、上述したおもて面から見て裏にあたる面に配置される。本実施形態では、この面を基板50の裏面とみなす。本実施形態の場合、裏電極62は、表電極52と同様に銅箔である。一対の裏電極62のうち一方は、一対の表電極52のうち一方の裏にあたる位置に配置される。一対の裏電極62のうち他方は、一対の表電極52のうち他方の裏にあたる位置に配置される。一対のリード線64の一方が一対の裏電極62の一方に接続される。一対のリード線64の他方が一対の裏電極62の他方に接続される。リード線64はケース12の側壁を貫通する。ロウ材66の対は、表電極52と導電体54とを接続する。これにより、表電極52と導電体54との間が導通する。ロウ材66の対は、表電極52を介して基板50のおもて面に導電体54を固定する。ロウ材66の対は、リード線64それぞれの一端を基板50の裏面へ固定する。リード線64は、ロウ材66の対により、基板50の裏面に沿って固定される。ロウ材66の対は、裏電極62とリード線64とを接続する。これにより、裏電極62とリード線64との間が導通する。
基板50はスルーホール70を有する。本実施形態の場合、基板50は4個のスルーホール70を有する。表電極52の一方と裏電極62の一方とはスルーホール70において互いに接続されている。これにより、表電極52の一方と裏電極62の一方との間が導通する。表電極52の他方と裏電極62の他方とは別のスルーホール70において互いに接続されている。しかも、これらのスルーホール70には、ロウ材66の一部が充填されている。そのロウ材66は、スルーホール70の対(これらのスルーホール70の対は、共通する表電極52と共通する裏電極62とを貫通する。)の一方の内部から他方の内部にわたっている。リード線64の一方を流れた電流は、裏電極62の一方と表電極52の一方とを経て導電体54に流れる。導電体54に流れた電流は、裏電極62の他方と表電極52の他方とを経てリード線64の他方を流れる。
図4は、本実施形態にかかるケース12の斜視図である。図1と図2と図4とに基づいて、本実施形態にかかるケース12の構成が説明される。ケース12は、外殻部30と補強部32とを有する。外殻部30には導電部10が収容される。補強部32は外殻部30に力がかかったときに外殻部30の変形を抑える。
本実施形態の場合、外殻部30は合成樹脂製である。外殻部30の内周面は底面部36と側面部38とを有する。底面部36は、外殻部30の底となる部分である。側面部38は底面部36を取囲む。導電部10は、外殻部30のうち底面部36と側面部38とよって取囲まれる空間に配置されることとなる。
補強部32は1枚の補強板40と4枚の突出部42とを有する。本実施形態の場合、補強板40はアルミナ製である。本実施形態の場合、補強板40はアルミナを焼結したものである。本実施形態の場合、補強板40は直方体状である。本実施形態の場合、補強板40は、外殻部30の内周面のうち底面部36に固定される。これにより、補強板40のうち最も面積が大きい面が導電体54と対向する。本実施形態の場合、4枚の突出部42は外殻部30と一体となっている。4枚の突出部42は外殻部30の底面部36から突出する。4枚の突出部42のうち一対が補強板40の一端を挟むように配置される。4枚の突出部42のうち他の一対が補強板40の他端を挟むように配置される。
図1と図2とに基づいて、本実施形態にかかる接触材14が説明される。接触材14の一部は、ケース12の補強板40と導電体54との間に配置される。これにより、接触材14は導電体54およびケース12に接触することとなる。接触材14の他の一部は、突出部42の間を介して導電体54の両端方向へ及んでいる。本実施形態の場合、接触材14は、シリコーンゴム80と粒子状のアルミナ82と含む。これにより、接触材14は少なくとも導電体54の溶断の際に固体である。なお、漏電が発生しない程度の電気抵抗を接触材14が有することは言うまでもない。
図1と図2とに基づいて、本実施形態にかかる密封材16が説明される。密封材16は、ケース12内の空間のうち導電部10から側面部38の縁までの部分に充填される。これにより、上述したように、密封材16は、ケース12に収容された導電部10を被覆することとなる。密封材16の一部は、ケース12の側面部38を伝って導電部10と底面部36との間の空間に進入している。本実施形態の場合、密封材16は、エポキシ樹脂と粒子状のアルミナとを含む。
[製造方法の説明]
本実施形態にかかる保護素子の製造方法は、導電部形成工程と、接触材塗布工程と、ケース収容工程と、被覆工程とを備える。導電部形成工程において導電部10が形成される。導電部10を形成するための具体的な工程は、基板上に形成される周知の保護素子と同様なのでここではその詳細な説明は繰返されない。接触材塗布工程において、導電部10の導電体54にシリコーンゴムと粒子状のアルミナとの混合物が塗布される。ケース収容工程において、まず、ケース12の外殻部30に補強板40が固定される。外殻部30は射出成型によって予め製造されている。補強板40が固定された外殻部30がケース12である。ケース12は、導電部10に被せられる。これにより、外殻部30の区画のうち真ん中の区画において、接触材塗布工程において塗布された混合物が、導電体54と補強板40とに接触する。その区画の隣の区画においては、突出部42によってその混合物の進入が抑えられるので、空間が形成される。その後、接触材塗布工程において塗布された混合物は硬化させられる。硬化したその混合物が、接触材14となる。被覆工程において、まだ硬化していないエポキシ樹脂と粒子状のアルミナとの混合物がケース12内に充填される。これにより、ケース12内の導電部10は被覆される。その後、その充填されたエポキシ樹脂は硬化させられる。エポキシ樹脂が硬化した後の混合物が密封材16となる。
本実施形態にかかる保護素子の製造方法は、導電部形成工程と、接触材塗布工程と、ケース収容工程と、被覆工程とを備える。導電部形成工程において導電部10が形成される。導電部10を形成するための具体的な工程は、基板上に形成される周知の保護素子と同様なのでここではその詳細な説明は繰返されない。接触材塗布工程において、導電部10の導電体54にシリコーンゴムと粒子状のアルミナとの混合物が塗布される。ケース収容工程において、まず、ケース12の外殻部30に補強板40が固定される。外殻部30は射出成型によって予め製造されている。補強板40が固定された外殻部30がケース12である。ケース12は、導電部10に被せられる。これにより、外殻部30の区画のうち真ん中の区画において、接触材塗布工程において塗布された混合物が、導電体54と補強板40とに接触する。その区画の隣の区画においては、突出部42によってその混合物の進入が抑えられるので、空間が形成される。その後、接触材塗布工程において塗布された混合物は硬化させられる。硬化したその混合物が、接触材14となる。被覆工程において、まだ硬化していないエポキシ樹脂と粒子状のアルミナとの混合物がケース12内に充填される。これにより、ケース12内の導電部10は被覆される。その後、その充填されたエポキシ樹脂は硬化させられる。エポキシ樹脂が硬化した後の混合物が密封材16となる。
[使用方法の説明]
本実施形態にかかる保護素子の使用方法は、周知の電流ヒューズと同一である。すなわち、本実施形態にかかる保護素子は、図示されない回路に接続される。予め定められていた範囲の大きな電流が導電体54に流れると、導電体54の温度は所定の温度を超える。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。溶断後アークが発生する場合は保護素子内部で消弧される。これにより、保護素子が接続されていた回路において電流が遮断される。
本実施形態にかかる保護素子の使用方法は、周知の電流ヒューズと同一である。すなわち、本実施形態にかかる保護素子は、図示されない回路に接続される。予め定められていた範囲の大きな電流が導電体54に流れると、導電体54の温度は所定の温度を超える。導電体54はジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する。溶断後アークが発生する場合は保護素子内部で消弧される。これにより、保護素子が接続されていた回路において電流が遮断される。
[実施例の説明]
(実施例1)
上述した導電部10を11個作成した。各保護素子には、「1」ないし「11」という試験片番号が設定された。基板50の寸法は、横(リード線64が延びる方向)の長さが8.2ミリメートルであった。縦の長さが3.9ミリメートルであった。厚さが0.8ミリメートルであった。リード線64の寸法は、直径0.53ミリメートルであった。裏電極62の寸法は、横1.1ミリメートル、縦2.9ミリメートル、厚さ0.04ミリメートルであった。
(実施例1)
上述した導電部10を11個作成した。各保護素子には、「1」ないし「11」という試験片番号が設定された。基板50の寸法は、横(リード線64が延びる方向)の長さが8.2ミリメートルであった。縦の長さが3.9ミリメートルであった。厚さが0.8ミリメートルであった。リード線64の寸法は、直径0.53ミリメートルであった。裏電極62の寸法は、横1.1ミリメートル、縦2.9ミリメートル、厚さ0.04ミリメートルであった。
(実施例2)
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を10個作成した。その点は、スルーホール70内にロウ材66が充填されていないという点である。各保護素子には、「1」ないし「10」という試験片番号が設定された。
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を10個作成した。その点は、スルーホール70内にロウ材66が充填されていないという点である。各保護素子には、「1」ないし「10」という試験片番号が設定された。
(実施例3)
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を1個作成した。その点は、基板50の素材がアルミナであるという点である。
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を1個作成した。その点は、基板50の素材がアルミナであるという点である。
(比較例)
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を10個作成した。その点は、導電部がロウ材66を備えていないという点である。各保護素子には、「1」ないし「10」という試験片番号が設定された。
次に述べられる点を除き実施例1にかかる導電部10と同一構造の導電部を10個作成した。その点は、導電部がロウ材66を備えていないという点である。各保護素子には、「1」ないし「10」という試験片番号が設定された。
(最大強度の測定)
実施例1と実施例2と比較例とにかかる導電部を、株式会社島津製作所製の引張試験装置「AUTOGRAPH AG−1000A」で引張ることにより、導電部の最大強度が測定された。ここでいう「最大強度」とは、引張られる導電部においてリード線の基板からの剥離(リード線が電極ごと基板から剥離する場合も含む)が生じた際までに導電部にかかる荷重の最大値をいう。試料の数は各10個であった。測定において、リード線64が引張試験装置により把持された。把持された箇所の間隔は20ミリメートルであった。引張速度は10ミリメートル毎分であった。表1には、測定結果の一覧が示される。表1における最大強度の単位はニュートンである。
実施例1と実施例2と比較例とにかかる導電部を、株式会社島津製作所製の引張試験装置「AUTOGRAPH AG−1000A」で引張ることにより、導電部の最大強度が測定された。ここでいう「最大強度」とは、引張られる導電部においてリード線の基板からの剥離(リード線が電極ごと基板から剥離する場合も含む)が生じた際までに導電部にかかる荷重の最大値をいう。試料の数は各10個であった。測定において、リード線64が引張試験装置により把持された。把持された箇所の間隔は20ミリメートルであった。引張速度は10ミリメートル毎分であった。表1には、測定結果の一覧が示される。表1における最大強度の単位はニュートンである。
表1に示されるように、実施例1にかかる導電部の場合、最大引張強度の平均値は51.62[N]であった。最大値は54.9[N]であった。最小値は48.4[N]であった。実施例2にかかる導電部の場合、最大引張強度の平均値は37.69[N]であった。最大値は41.2[N]であった。最小値は32.2[N]であった。比較例にかかる導電部の場合、最大引張強度の平均値は16.87[N]であった。最大値は18.7[N]であった。最小値は15.3[N]であった。
表1の結果から明らかな通り、スルーホール70にロウ材66が進入している導電部は、そうでない導電部に比べて、引張強度が高かった。スルーホール70にロウ材66が進入している導電部の中では、スルーホール70内にロウ材66が充填されている導電部は、そうでない導電部に比べて、引張強度が高かった。したがって、スルーホール70にロウ材66が進入している導電部は、そうでない導電部に比べて、引張強度が高いと言える。その中でも、スルーホール70内にロウ材66が充填されているものは、特に引張強度が高いと言える。
(熱衝撃サイクルの影響)
実施例1と実施例3とにかかる導電部に、次に述べられる手順で熱衝撃が与えられた。まず、導電部の抵抗値が測定された。本実施形態においては、これは「初期の抵抗値」と称される。次に、50サイクルの熱衝撃が導電部に与えられた。1サイクルの熱衝撃は、導電部が摂氏マイナス20度で30分間保持された後にその導電部が摂氏120度で30分間保持されるというものであった。50サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。次に、その導電部に50サイクルの熱衝撃が与えられた。これにより、その導電部には、合計100サイクルの熱衝撃が与えられたことになる。合計100サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。抵抗値が測定されると、次の式(1)に基づいて、抵抗変化率が測定された。
100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率[%]=[[100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗値]−[初期の抵抗値]]÷[初期の抵抗値]×100・・・(1)
100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率が測定されると、その導電部にさらに200サイクルの熱衝撃が与えられた。これにより、その導電部には、合計300サイクルの熱衝撃が与えられたことになる。合計300サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。抵抗値が測定されると、次の式(2)に基づいて、抵抗変化率が測定された。
300サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率[%]=[[300サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗値]−[初期の抵抗値]]÷[初期の抵抗値]×100・・・(2)
表2には、測定結果の一覧が示される。
実施例1と実施例3とにかかる導電部に、次に述べられる手順で熱衝撃が与えられた。まず、導電部の抵抗値が測定された。本実施形態においては、これは「初期の抵抗値」と称される。次に、50サイクルの熱衝撃が導電部に与えられた。1サイクルの熱衝撃は、導電部が摂氏マイナス20度で30分間保持された後にその導電部が摂氏120度で30分間保持されるというものであった。50サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。次に、その導電部に50サイクルの熱衝撃が与えられた。これにより、その導電部には、合計100サイクルの熱衝撃が与えられたことになる。合計100サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。抵抗値が測定されると、次の式(1)に基づいて、抵抗変化率が測定された。
100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率[%]=[[100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗値]−[初期の抵抗値]]÷[初期の抵抗値]×100・・・(1)
100サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率が測定されると、その導電部にさらに200サイクルの熱衝撃が与えられた。これにより、その導電部には、合計300サイクルの熱衝撃が与えられたことになる。合計300サイクルの熱衝撃が導電部に与えられると、その導電部の抵抗値が測定された。抵抗値が測定されると、次の式(2)に基づいて、抵抗変化率が測定された。
300サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗変化率[%]=[[300サイクルの熱衝撃が与えられた時点の抵抗値]−[初期の抵抗値]]÷[初期の抵抗値]×100・・・(2)
表2には、測定結果の一覧が示される。
表2の結果から明らかな通り、基板の素材がガラスエポキシ樹脂である導電部は、300サイクルの熱衝撃が与えられても、抵抗値がほとんど変化しなかった。一方、基板の素材がアルミナである導電部は、100サイクルの熱衝撃が与えられると断線した。したがって、基板の素材がガラスエポキシ樹脂である導電部は、基板の素材がアルミナである導電部に比べて、熱衝撃に強いと言える。
[効果の説明]
本実施形態にかかる保護素子において、リード線64の対のいずれかを引く力は、 スルーホール70を経由するロウ材66の対により支えられる。その力がロウ材66の対により支えられるので、そうでない場合に比べ、その力が導電体54に及ぶ割合は抑えられる。その割合が抑えられるので、外部から力を受けることによる導電体54への影響が抑えられる。
本実施形態にかかる保護素子において、リード線64の対のいずれかを引く力は、 スルーホール70を経由するロウ材66の対により支えられる。その力がロウ材66の対により支えられるので、そうでない場合に比べ、その力が導電体54に及ぶ割合は抑えられる。その割合が抑えられるので、外部から力を受けることによる導電体54への影響が抑えられる。
また、本実施形態にかかる保護素子では、ロウ材66の対の一方が、スルーホール70の対の一方の内部から他方の内部にわたっている。これにより、リード線64の対の一方が引張られた際、そのリード線64はスルーホール70の対双方の内部において支えられることとなる。そのリード線64が支えられるので、スルーホール70の対の片方の内部においてそのリード線64が支えられる場合に比べ、リード線64の対の一方が引張られた際にロウ材66にかかる曲げ応力は小さくなる。曲げ応力が小さくなるので、外部から力を受けることによる導電体54への影響が抑えられる。
また、本実施形態にかかる保護素子では、ロウ材66の対の一方の一部がスルーホール70の対のいずれかの内部に充満しているので、そうでない場合に比べ、そのロウ材66によって支え得る力は大きくなる。その力が大きくなるので、外部から力を受けることによる導電体54への影響が抑えられる。
また、本実施形態にかかる保護素子では、ロウ材66が銅および錫の少なくとも一方を含んでおり、基板50がガラスエポキシ樹脂製であるので、そうでない場合に比べ、熱衝撃の繰り返しによる導電体54の変形が抑えられる。銅と錫とガラスエポキシ樹脂との熱膨張係数の差が銅および錫とアルミナとの熱膨張係数の差に比べて小さい傾向があるためである。
また、本実施形態にかかる保護素子では、基板50および導電体54がケース12に収容される。しかも、密封材16によってケース12内部が密封される。これにより、導電体54が溶断した際、導電体54の一部が保護素子の周りに散らばることは防止される。その上、基板50の一方の面に導電体54が固定され基板50の他方の面へリード線64の対が固定されている。これにより、導電体54が溶断した際にリード線64と密封材16との接触箇所を経由して導電体54の一部がケース12の外へ噴出することが防止される。
〈変形例の説明〉
上述した保護素子は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述した保護素子は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
上述した保護素子は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものである。上述した保護素子は、本発明の技術的思想の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
例えば、上述した保護素子は、ケース12に収容されていなくてもよい。ロウ材の組成は特に限定されない。ロウ材66の対の少なくとも一方がスルーホールの内部に充満していなくともよい。ロウ材66の対のいずれかがスルーホール70の対の一方の内部から他方の内部にわたっていなくともよい。基板50に設けられるスルーホールの数は限定されない。
また、上述した導電部10の構成及び形態は上述したものに限定されない。
10…導電部、
12…ケース、
14…接触材、
16…密封材、
30…外殻部、
32…補強部、
36…底面部、
38…側面部、
40…補強板、
42…突出部、
50…基板、
52…表電極、
54…導電体、
58…合金基部、
60…低融点合金、
62…裏電極、
64…リード線、
66…ロウ材、
70…スルーホール、
80…シリコーンゴム、
82…粒子状のアルミナ、
12…ケース、
14…接触材、
16…密封材、
30…外殻部、
32…補強部、
36…底面部、
38…側面部、
40…補強板、
42…突出部、
50…基板、
52…表電極、
54…導電体、
58…合金基部、
60…低融点合金、
62…裏電極、
64…リード線、
66…ロウ材、
70…スルーホール、
80…シリコーンゴム、
82…粒子状のアルミナ、
Claims (3)
- 基板と、
前記基板の一方の面に固定され、ジュール熱積分値が所定の値以上になると溶断する導電体と、
リード線の対と、
前記リード線それぞれの一端を前記基板の他方の面へ前記基板の他方の面に沿って固定するロウ材の対とを備える保護素子であって、
前記基板に複数のスルーホールが形成されており、
前記リード線の対が、互いに異なる前記スルーホールを経由して前記導電体と導通していることを特徴とする保護素子。 - 前記ロウ材が銅および錫の少なくとも一方を含んでおり、
前記基板がガラスエポキシ樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の保護素子。 - 前記保護素子が、
前記基板および前記導電体を収容するケースと、
前記基板および前記導電体を覆い、かつ、前記ケース内部を密封する密封材とをさらに備えており、
前記リード線は、前記一端が前記ケースの中に配置され、他端が前記ケースの外へ突出しており、
前記リード線の前記一端から途中部分までが、前記密封材によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載の保護素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018212822A JP2019021650A (ja) | 2018-11-13 | 2018-11-13 | 保護素子 |
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2018
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