JP2006310573A - ヒューズ入りタンタルコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 1つのヒューズとを温度ヒューズと電流ヒューズとして機能させる。
【解決手段】 タンタルコンデンサ素子2の陽極引き出し線4が陽極端子8に結合され、陰極層6がヒューズ12を介して陰極端子10に結合されている。ヒューズ12は、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、その抵抗値が1ミリオーム以上であって、150ミリオーム以下に選択されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 タンタルコンデンサ素子2の陽極引き出し線4が陽極端子8に結合され、陰極層6がヒューズ12を介して陰極端子10に結合されている。ヒューズ12は、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、その抵抗値が1ミリオーム以上であって、150ミリオーム以下に選択されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ヒューズ入りタンタルコンデンサに関し、特にヒューズが温度ヒューズ及び電流ヒューズとして機能するものに関する。
従来、固体電解コンデンサには、例えば特許文献1に開示されているように、温度ヒューズと電流ヒューズとを内蔵させたものがある。この文献1に開示されている固体電解コンデンサでは、タンタル固体電解コンデンサの陰極層と陰極リード端子との間に温度ヒューズ線で接続し、この陰極リードと電気的に結合されている別のリード端子とタンタル固体電解コンデンサの陰極層とを過電流ヒューズで接続したものである。
このように構成されたタンタル固体電解コンデンサでは、1つの固体電解コンデンサ中に温度ヒューズと電流ヒューズとが内蔵されているので、固体電解コンデンサをプリント基板に実装すると、この固体電解コンデンサが電流ヒューズとしても機能するので、別途電流ヒューズ素子をプリント基板等に実装する必要が無くなる。しかし、このタンタル固体電解コンデンサでは、温度ヒューズと電流ヒューズとを1つの固体電解コンデンサ中に内蔵する必要があり、その製造が面倒であった。
本発明は、固体電解コンデンサに内蔵されたヒューズが温度ヒューズとしても電流ヒューズとしても機能するように構成し、電流ヒューズ及び温度ヒューズとして機能しつつ、その製造が容易となるタンタル固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明の一態様によるタンタル固体電解コンデンサは、陽極と陰極とを有するタンタルコンデンサ素子を有している。前記陽極に陽極端子が接続され、前記陰極にヒューズを介して陰極端子が接続されている。前記ヒューズは、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、その抵抗値が1ミリオーム以上であって、150ミリオーム以下のものが使用されている。
本発明の他の態様のタンタル固体電解コンデンサは、上記態様のタンタル固体電解コンデンサと同様に、タンタルコンデンサ素子と、陽極端子と、陰極端子と、ヒューズとを、
具備している。前記ヒューズは、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、縦断面面積が0.0026平方ミリ以上であって0.2平方ミリ以下である。
具備している。前記ヒューズは、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、縦断面面積が0.0026平方ミリ以上であって0.2平方ミリ以下である。
上記の両態様において、前記ヒューズを鉛フリーの材質によって構成することができる。
上記両態様におけるヒューズ材としては、例えばAu−Sn合金(Sn:20%)やAu−Ge合金(Ge:12%)を使用することができる。ヒューズは、箔または線材に加工することができる。
これら両態様では、上記のヒューズ材が部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有するので、タンタルコンデンサ素子が短絡した場合、その発熱によってタンタルコンデンサ素子が発火する前に、ヒューズが溶融し、電流を遮断する。即ち、温度ヒューズとして機能する。さらに、上記のように縦断面積または抵抗値を設定することによって、タンタルコンデンサ素子が短絡し、電流が流れた場合、ヒューズ自身の自己発熱によって、タンタルコンデンサ素子が発火する前にヒューズが溶断する。即ち、電流ヒューズとして機能する。
単に電流ヒューズとして機能させることだけを考えれば、ヒューズ材としては、融点の高い材料を使用し、ヒューズ材の抵抗値を適切に選択すればよい。しかし、温度ヒューズとしても機能させることを考えると、融点は、タンタルコンデンサ素子が発火する温度よりも低い融点を持つ材料を選択する必要がある。
しかも、電流ヒューズとして機能させる場合、上述したように抵抗値を適切に選択したとしても、その値が余りにも大きいと、タンタルコンデンサ素子のESR(等価直列抵抗値)が大きくなり、コンデンサとして性能を損なってしまう。また、タンタルコンデンサ素子への充放電においてヒューズが溶断してはならない。従って、ヒューズの抵抗値の上限にも自ずと限界がある。
温度ヒューズとして機能させる場合、ヒューズ材の抵抗値が小さすぎると、タンタルコンデンサ素子のESRへのヒューズ材の影響は小さくなる。しかし、ヒューズ材の抵抗値を小さくするには、ヒューズ材の縦断面積を大きくするか、ヒューズ材の長さを短くするか、ヒューズ材の固有抵抗値を小さくするかのいずれかである。しかし、タンタルコンデンサ素子にヒューズを内蔵させる場合には、様々な制約上、実際には縦断面積を大きくすることしか選択肢はない。そして、縦断面積を大きくすると、可溶体としてのヒューズの体積を大きくすることになるので、温度ヒューズとして機能させるときに、ヒューズ溶断に時間がかかるようになり、温度ヒューズとしての機能を損なう。従って、ヒューズの抵抗値の下限も存在する。
以上のことから、種々の実験の結果、この発明では、抵抗値または縦断面積を上記のように設定し、温度ヒューズとしても電流ヒューズとしても、1つのヒューズが機能するように構成した。
以上のように、本発明によれば、1つのヒューズを温度ヒューズとしても電流ヒューズとしても機能させることができるので、両ヒューズ機能を備えた固体電解コンデンサの製造を容易にすることができる。
本発明の1実施形態のタンタル固体電解コンデンサは、図1に示すようにタンタルコンデンサ素子2を有している。このタンタルコンデンサ素子2は、例えば直方体状に形成され、その一方の端面から陽極引き出し線4が突出し、この陽極引き出し線4が突出している端面以外の全ての面に陰極層6が形成された、公知のものである。
陽極引き出し線4が引き出されている端面側に、側面形状が倒立させた概略U字状の陽極端子8が配置されている。この陽極端子8に陽極引き出し線4が溶接等によって電気的及び機械的に結合されている。
コンデンサ素子2を挟んで陽極端子8と対向するように陰極端子10が配置されている。陰極端子10も側面形状が倒立させた概略U字状のものである。この陰極端子10にヒューズ12の一端が電気的及び機械的に結合され、他端が導電性塗料14を介して陰極層6に電気的及び機械的に結合されている。
陽極端子8及び陰極端子10の下面及び側面が露出するように、コンデンサ素子2、陽極引き出し線4及びヒューズ12の全て並びに陽極端子8及び陰極端子10の一部が内部に埋没するように合成樹脂による外装16が設けられている。
ヒューズ12は、はんだフリーの材料、例えばAu・Sn系の材料、具体的には80%Au−20%Sn(抵抗率18.9*10−6Ωcm)が使用されており、箔状または線状のものが使用されている。
ここで、ヒューズ12として(1)縦断面積を0.0026平方mm、長さを1.8mm、抵抗値を0.129Ω、(2)縦断面積を0.0079平方ミリ、長さを2.4mm、抵抗値を0.058Ω、(3)縦断面積を0.2平方ミリ、長さを1.1mm、抵抗値を0.001Ωとした場合の溶断特性を測定した。なお、縦断面積は、図1におけるA−A線に沿う断面の面積を示し、長さは図1にLで示してある。
温度ヒューズとしての性能は、1.5Aの電流を流して溶断するまでの時間を測定し、電流ヒューズとしての性能は、5Aの電流を流して溶断するまでの時間を測定した。(1)の場合、1.5Aの電流を流すと0.027秒で、5Aの電流を流すと0.006秒で、(2)の場合、1.5Aの電流を流すと9.638秒で、5Aの電流を流すと0.087秒で、(3)の場合、1.5Aの電流を流すと42.0秒で、5Aの電流を流すと0.620秒で、それぞれ溶断した。これら溶断時間であれば、それぞれ温度ヒューズとして、電流ヒューズとして充分な性能である。なお、これらの測定は、定格35Vの3.3μFのタンタルコンデンサを図1のように構成し、20個の平均をとっている。
このように、縦断面積を0.0026乃至0.2平方ミリで、抵抗値を0.129Ω乃至0.001Ωとすることによって、温度ヒューズとしても電流ヒューズとしても使用することが可能である。しかも、ヒューズ材として鉛フリーのAu−Snを使用しているので、環境に悪影響を与えることもない。
上記の実施の形態では、ヒューズ材としてAu−Sn合金を使用したが、これに限ったものではなく、例えばAu−Ge合金(Ge:20%)を使用することもできるし、他の合金材を使用することもできる。
2 タンタル固体電解素子
4 陽極引き出し線
6 陰極層
8 陽極端子
10 陰極端子
12 ヒューズ
4 陽極引き出し線
6 陰極層
8 陽極端子
10 陰極端子
12 ヒューズ
Claims (3)
- 陽極と陰極とを有するタンタルコンデンサ素子と、
前記陽極に接続された陽極端子と、
前記陰極にヒューズを介して接続された陰極端子とを、
具備し、前記ヒューズは、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、その抵抗値が1ミリオーム以上であって、150ミリオーム以下であるヒューズ入りタンタル固体電解コンデンサ。 - 陽極と陰極とを有するタンタルコンデンサ素子と、
前記陽極に接続された陽極端子と、
前記陰極にヒューズを介して接続された陰極端子とを、
具備し、前記ヒューズは、部品をはんだ付けする際の最大温度以上であって前記タンタルコンデンサ素子の発火温度よりも低い融点を有し、縦断面面積が0.0026平方ミリ以上であって0.2平方ミリ以下であるヒューズ入りタンタル固体電解コンデンサ。 - 請求項1または2記載のヒューズ入りタンタルコンデンサにおいて、前記ヒューズが鉛フリーの材質によって構成されているヒューズ入りタンタル固体電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005131775A JP2006310573A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ヒューズ入りタンタルコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005131775A JP2006310573A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ヒューズ入りタンタルコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006310573A true JP2006310573A (ja) | 2006-11-09 |
Family
ID=37477125
Family Applications (1)
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JP2005131775A Pending JP2006310573A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ヒューズ入りタンタルコンデンサ |
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JP (1) | JP2006310573A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010251716A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-11-04 | Rohm Co Ltd | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
CN104319093A (zh) * | 2014-07-22 | 2015-01-28 | 正泰电气股份有限公司 | 一种具有改进的内部熔丝结构的电力电容器 |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005131775A patent/JP2006310573A/ja active Pending
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