JP6537775B2 - 乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、乳化状態の経時的安定性に優れた乳化組成物に関する。さらに好ましくは、本発明は、乳化安定性に加えて、粘度の経時的安定性に優れた乳化組成物に関する。
従来、通常では互いに交じり合わない水と油(脂)を安定に混合するために乳化技術が汎用され、安定な乳化組成物を得るために、水と油の界面張力を低下させる乳化剤などが使用されている。例えば、水中に油性成分を分散した水中油型乳化組成物は、乳化剤の作用によって水と油性成分を安定的に混合させたもので、高付加価値を有する製剤として医薬品、化粧品など、幅広く展開されている。
例えば、肩こりや筋肉疲労などの痛みや炎症を抑えるために皮膚に塗布して使用される外用剤には、局所刺激成分または冷感成分として知られるl−メントールが汎用されるが、l−メントールは油系成分で極性が高く、乳化のエマルションを不安定化させ、乳化組成物の製剤安定化を阻害してしまうという課題がある。またクロルフェニラミンマレイン酸塩に代表される抗ヒスタミンの塩類は、増粘剤の架橋構造を壊し、乳化状態を不安定化することが知られている。これらの各成分ともに乳化を不安定化する作用があり、これらの成分を組み合わせて含有する乳化組成物を安定化させるのは非常に困難であった。
特許文献1には、水、油性成分、親水性界面活性剤及びテルペンを特定の割合で配合することで、熱安定性及び使用感の良好な乳化組成物が調製できること、また当該乳化組成物には、さらにサリチル酸エステルや塩形態を有する薬効成分を配合することができることが記載されている。しかし、当該文献に記載されている成分は低温安定性が悪く、低温保管時に粘度が大幅に上昇してしまうという問題があった。
特開2012−77027号公報
本発明の目的は、テルペンを含む乳化製剤における上記の問題を解決すること、すなわち、乳化状態の経時的安定性に優れた乳化組成物を提供するである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、テルペンを含有する乳化製剤の調製に際して、無極性油及び40℃で液状を呈する極性油を特定の割合で組み合わせて配合することで、テルペンの配合にも関わらず、乳化状態が安定に維持できることを見出した。また、本発明者らは、上記検討の過程で、テルペン、無極性油及び40℃で液状を呈する極性油に加えて、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの塩形態の薬物(抗ヒスタミン薬)を配合した乳化製剤は、経時的に増粘し、粘度が一定しないという問題があることを知見し、これを解消するための方法を検討していたところ、さらにこれに増粘剤を配合することで、上記経時的増粘化が抑制でき、テルペン及び塩形態の薬物(抗ヒスタミン薬)を含む乳化製剤の経時的安定性が一層高めることができることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を有するものである。
(I)乳化形態を有する組成物
(I-1)テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、無極性油、40℃で液状を呈する極性油、及び増粘剤を含有し、上記極性油1重量部に対する極性油の割合が0.5〜5重量部であることを特徴とする、乳化組成物。
(I-2)テルペンの含有量が、0.5〜10重量%である(I-1)記載の乳化組成物。
(I-3)2種以上の増粘剤を含有する(I-1)または(I-2)のいずれかに記載する乳化組成物。
(II)乳化安定化方法
(II-1)テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、及び増粘剤を含有する乳化組成物の乳化安定化方法であって、当該消炎鎮痛外用組成物にさらに40℃で液状を呈する極性油及び無極性油を、極性油1重量部に対して極性油0.5〜5重量部の割合で配合する方法。
(II-2)上記乳化組成物中のテルペンの含有量が、0.5〜10重量%である(II-1)記載の乳化安定化方法。
(II-3) 上記乳化組成物が2種以上の増粘剤を含有するものである、(II-1)または(II-2)に記載する乳化安定化方法。
(III)粘度安定化方法
(III-1)テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、40℃で液状を呈する極性油及び無極性油を含有する乳化組成物の粘度安定化方法であって、上記組成物にさらに増粘剤を配合し、極性油1重量部に対する極性油の配合割合を0.5〜5重量部とすることを特徴とする方法。
(III-2)上記乳化状組成物中のテルペンの含有量が、0.5〜10重量%である(III -1)記載の粘度安定化方法。
(III-3) 上記乳化組成物が2種以上の増粘剤を含有するものである、(III-1)または(III-2)のいずれかに記載する粘度安定化方法。
テルペンは、乳化製剤のエマルジョンを破壊する性質をするものであるが、本発明の乳化組成物によれば、当該テルペンを含んでいても、本発明の所望の効果(経時的乳化安定性、経時的粘度安定性)を発揮することができる。また本発明によれば、テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、並びに特定の割合で無極性油及び40℃で液状を呈する極性油に加えて、増粘剤を配合することで、低温で生じる粘度上昇が有意に抑制され、粘度安定性に優れた乳化組成物を提供することができる。
(I)乳化形態を有する組成物
本発明の組成物は、乳化形態を有し、少なくともテルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、無極性油、40℃で液状を呈する極性油、及び増粘剤を含有する。以下、各成分について説明する。
(a)テルペン
テルペンとしては、モノテルペン、ヘミテルペン、セスキテルペンなどがあり、具体的には、テルペン系炭化水素、テルペン系アルコール、テルペン系アルデヒド、テルペン系ケトンなどが挙げられる。テルペン系炭化水素としては、リモネン、ピネン、カンフルなどのモノテルペン系炭化水素、及びリシチンなどのセスキテルペン系炭化水素が挙げられる。テルペン系アルコールとしては、シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、メントール、テルピネオール、及びボルネオールなどのモノテルペン系アルコール;ファルネソールなどのセスキテルペン系アルコール;及びジテルペン系アルコールなどが挙げられる。テルペン系アルデヒドとしては、シトロネラール、シトラール、及びサフラナールなどのモノテルペン系アルデヒド;及びレチナールなどのジテルペン系アルデヒドなどが挙げられる。テルペン系ケトンとしては、メントン、カルボメントン、及びヨノンなどのモノテルペン系ケトンなどが挙げられる。これらのテルペンは、d−,l−,dl−体のいずれであってもよい。本発明において用いられるテルペンとして好ましくはモノテルペンであり、より好ましくはモノテルペン系炭化水素、及びモノテルペン系アルコールである。さらに好ましくは環式モノテルペンであり、かかる環式モノテルペンとして、具体的にはl−メントール及びdl−カンフルを挙げることができる。
テルペンを用いる場合、本発明の乳化組成物における当該テルペンの配合割合は、通常0.1〜15重量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは0.5〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。
(b)塩形態の抗ヒスタミン薬
本発明が対象とする抗ヒスタミン薬は、抗ヒスタミン作用を有する塩の形態を有する化合物である。ここで塩の形態としては、塩酸、硫酸及び硝酸などの無機酸との塩;ならびにギ酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、マレイン酸、パモ酸、フマル酸、ベジル酸、タンニン酸、及びラウリル硫酸などの有機酸との塩の形態を挙げることができる。
塩の形態を有する抗ヒスタミン薬としては、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸プロメタジン、メチレンジサリチル酸プロメタジン、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ホモクロルシクリジン、塩酸アゼラスチン、パモ酸オキサトミド、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、塩酸フェキソフェナジン、塩酸プソイドエフェドリン、塩酸エピナスチン、塩酸オロパタジン、塩酸セチリジン、ベシル酸ベポタスチン、及び塩酸レボセチリジンなどが知られている。好ましくは、外用組成物に配合して使用される抗ヒスタミン薬であり、具体的には、塩酸ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミン、及びタンニン酸ジフェンヒドラミン等のジフェンヒドラミンの無機酸塩又は有機酸塩;ならびにマレイン酸クロルフェニラミン等のクロルフェニラミンの無機酸塩又は有機酸塩を挙げることができる。
本発明の乳化組成物における当該塩形態の抗ヒスタミン薬の配合割合は、通常0.1〜5重量%の範囲から適宜設定することができる。制限はされないものの、好ましくは0.1〜3重量%であり、より好ましくは0.1〜2重量%である。
(c)極性油
本発明が対象とする極性油は、IOB(無機性/有機性のバランス)が0.05〜1.1の範囲にある油であって、40℃条件で液状を呈するものである。40℃条件で液状であるか否かは、40℃に調製した対象の油が自重によって流動するか否かによって判断することができる。例えば、危険物確認試験実施マニュアル(平成2年5月18日発行、消防庁危険物規制課監修、新日本法規出版株式会社発行)の第91-92頁で規定されている「液状確認方法」に従って、液状であるか否かを判断することができる。具体的には、試験対象とする極性油(温度40±0.1℃)を内径30mm、高さ120mmの平即円筒型透明ガラス製試験管(管底から55mm及び85mmの高さのところに標線A及びBを付しておく)に、管底から55mmの高さ(標線A)まで入れ、これを台の上に水平に倒し、試験管内の極性油の先端が標線Bに到達するまでの時間を、ストップウォッチを用いて測定し、測定時間が90秒以内であるものを液状と判断する。
かかる極性油としては、植物油及びエステル油を挙げることができる。制限はされないものの、植物油としては、例えばメンドウフォーム油、紅花油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ゴマ油、キャノーラ油、トウモロコシ油、大豆油、落花生油、ミンク油、アボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、及びサザンカ油等を挙げることができる。またエステル油としては、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸コレステリルアジピン酸イソプロピル、アジピン酸イソブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルチミン酸イソプロピル、パルチミン酸セチル、オレイン酸エチル、ステアリン酸バチル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、リノール酸イソプロピル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、オクタン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、ナフタリンジカルボン酸ジエチルヘキシル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、及びジピバリン酸トリプロピレングリコール等を挙げることができる。これらの油は天然由来であっても、合成物であってもよく、特にその起源を制限するものではない。また1種単独であっても、また2種以上を任意に組み合わせた混合油であってもよい。好ましくは上記セバシン酸ジエチル、セバシン酸イソプロピル、及びセバシン酸ジイソプロピルなどのセバシン酸アルキルエステルであり、なかでも好ましくはセバシン酸ジエチルである。
本発明の乳化組成物における当該極性油の配合割合は、後述する無極性油との関係で適宜設定されるが、通常0.1〜25重量%の範囲から適宜設定することができる。制限はされないものの、好ましくは0.5〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。
(d)無極性油
本発明において無極性油は、IOB(無機性/有機性のバランス)が0以上0.05未満である油を意味する。かかる無極性油としては、スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー、ゲル化炭化水素、流動パラフィン、流動イソパラフィン、及びワセリン等の炭化水素油を挙げることができる。これらの油は天然由来であっても、合成由来であってもよく、特にその起源を制限するものではない。また1種単独であっても、また2種以上を任意に組み合わせた混合油であってもよい。好ましくは軽質流動パラフィン、重質流動パラフィンであり、最も好ましくは軽質流動パラフィンである。
本発明の乳化組成物における当該無極性油の配合割合は、前述する極性油との関係で適宜設定されるが、通常0.1〜25重量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは0.5〜20重量%であり、より好ましくは0.5〜15重量%である。
本発明の乳化組成物は、当該無極性油1重量部に対して前述する極性油を0.5〜5重量部の割合で含有することを特徴とする。後述する実施例に示すように、本発明の乳化組成物は、上記配合割合で極性油及び無極性油を含むことで、その乳化状態が安定化されてなり、長期にわたり、良好な乳化状態を維持することができる。極性油1重量部に対する極性油の割合として、好ましくは1〜2重量部である。
なお、本発明の乳化組成物は、極性油及び無極性油を上記の割合で含有することを特徴とするが、極性油及び無極性油の総量が5〜25重量%の範囲、好ましくは10〜20重量%の範囲にあることが好ましい。
(e)増粘剤
本発明において増粘剤としては、カラギーナンガム、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、キャロブガム、カラヤガム、タマリンドガム、ペクチン、カンテン、クインスシード、アルゲコロイド、デンプン(コメ、コムギ、トウモロコシ)、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン;カルボキシメチルデンプンやメチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、ニトロセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系高分子;ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、及び無水ケイ酸等を挙げることができる。
これらの増粘剤は天然由来であっても、合成由来であってもよく、特にその起源を制限するものではない。また1種単独であっても、また2種以上を任意に組み合わせた混合物であってもよい。好ましくは、キサンタンガム、カーボポール、カルボキシルビニルポリマー、及びアルギン酸Naである。
本発明の効果(乳化安定性、及び粘度安定性)をより効果的に奏するためには増粘剤は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。制限されないものの、かかる組み合わせには、キサンタンガム、カーボポール、カルボキシルメチルセルロース(CMC)、アルギン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される増粘剤の少なくとも1つを用いることが好ましい。より好ましくは、これらの群に属する増粘剤を2種以上組み合わせてなる態様である。具体的には、キサンタンガムとそれ以外の1または2以上の増粘剤(カーボポール、CMC、アルギン酸、及びこれらの塩)との組み合わせを挙げることができる。
本発明の乳化組成物における当該増粘剤の配合割合(2種以上を併用する場合は総量)は、通常0.1〜10重量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.1〜3重量%である。また制限されないものの、本発明の乳化状消炎鎮痛外用組成物に含まれる塩形態の抗ヒスタミン薬1重量部に対する増粘剤の割合を0.1〜10重量部の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは0.2〜7.5重量部、さらに好ましくは0.3〜5重量部を挙げることができる。
(f)乳化組成物に配合するその他の成分
本発明の乳化組成物は、上記成分に加えて、さらに乳化に必要な成分を含む。かかる成分として、水及び界面活性剤が挙げられる。
(f-1)水の種類は、特に制限されない。例えば、精製水、蒸留水、イオン水、滅菌水、生理食塩水、及び海洋深層水などを、制限なく使用することができる。好ましくは精製水である。本発明の乳化組成物における当該水の配合割合は、通常20〜90重量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは30〜80重量%であり、より好ましくは40〜80重量%である。
(f-2)界面活性剤としては、HLB8〜19の親水性の界面活性剤を好適に使用することができる。好ましくはHLB8〜13.5の親水性界面活性剤である。なお、HLBとは親水親油バランス(hydrophile-lipophile balance)の略称であり、界面活性剤が果たす効果を表す指標の一つであり、HLB値が大きいほど親水性が高いことを示す。本発明においてHLBは、Daviesの式であるHLB=7+Σ(親水基の基数)−Σ(親油基の基数)によって算出した値をいう。また、2種以上の界面活性剤を含有する場合は加重平均値をいう。
親水性界面活性剤としては、医薬品、医薬部外品、化粧品などで通常使用されるものであれば特に限定されないが、熱安定性及び流動性の観点から、ノニオン性の親水性界面活性剤が好ましい。ノニオン性の親水性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POE)付加タイプの界面活性剤が好適であり、例えば、POE(10〜50モル)フィトステロールエーテル、POE(10〜50モル)ジヒドロコレステロールエーテル、POE(10〜50モル)2−オクチルドデシルエーテル、POE(10〜50モル)デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)オレイルエーテル、POE(10〜50モル)セチルエーテル、POE(5〜30モル)ポリオキシプロピレン(5〜30モル)2−デシルテトラデシルエーテル、POE(10〜50モル)ポリオキシプロピレン(2〜30モル)セチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;これらのリン酸・リン酸塩(POEセチルエーテルリン酸ナトリウムなど);POE(20〜60モル)ソルビタンモノオレート、POE(10〜60モル)ソルビタンモノイソステアレート、POE(10〜80モル)グリセリルモノイソステアレート、POE(10〜30モル)グリセリルモノステアレート、POE(20〜100)ヒマシ油、POE(20〜100)POE・ポリオキシプロピレン変性シリコーン、POE・アルキル変性シリコーン、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらの親水性界面活性剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の乳化組成物における親水性界面活性剤の配合割合は、乳化という目的が達成できる量であればよく、通常0.1〜10重量%の範囲から適宜設定することができる。好ましくは0.3〜7.5重量%であり、より好ましくは0.5〜5重量%である。
(g)任意成分
本発明の乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その形態等に応じて、他の成分を適宜選択し、1種又は2種以上を併用して配合できる。例えば、前述する油性成分(極性油、無極性油)以外の油性成分、並びに外用製剤の調製に一般的に使用される安定化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤等の各種添加剤を挙げることができ、具体的には以下のものが挙げられる。
(g-1)油性成分としては、高級アルコールが挙げられる。高級アルコールとしては、炭素数6以上、より好ましくは炭素数6〜30の脂肪族アルコールが挙げられる。当該油性成分は、常温(25℃)で液状のものが好ましい。具体的には、セタノール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。これらの高級アルコールは、1種単独で用いてもよいし、また2種以上を併用してもよい。
(g-2)安定化剤の一例として、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び乾燥亜硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
(g-3)防腐剤の一例として、ブチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノール、及びベンジルアルコール等を挙げることができる。
(g-4)緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、イプシロン−アミノカプロン酸、アスパラギン酸、及びアスパラギン酸塩等を挙げることができる。
(g-5)pH調整剤の一例として、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸等の無機酸;乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸等の有機酸;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジン等の有機塩等を挙げることができる。
(g-6)その他の成分として、カルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、乳糖、ハードファット、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリン、D−ソルビトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシデンプン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン等を挙げることができる。
さらに、本発明の乳化組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、目的とする薬効成分を配合することもできる。
薬効成分としては、特に制限しないが、例えば、ステロイド剤(デキサメタゾン、塩酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、塩酸ヒドロコルチゾン、吉草酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン等)、局所麻酔剤(リドカイン、ジブカイン、プロカイン、テトラカイン、ブピパカイン、メピパカイン、クロロプロカイン、プロパラカイン、メプリルカイン又はこれらの塩、安息香酸アルキルエステル(例えばアミノ安息香酸エチル、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル)、オルソカイン、オキセサゼイン、オキシポリエントキシデカン、ロートエキス、ペルカミンパーゼ、テシットデシチン等)、抗炎症剤(グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸モノアンモニウム、アラントイン、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム等)、殺菌剤(塩化ベンザルコニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、アンモニア水、スルファジアジン、乳酸、フェノール等)、鎮痒剤(クロタミトン、チアントール等)、皮膚保護剤(コロジオン、ヒマシ油等)、血行促進成分(ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、カプサイシン、トウガラシエキス等、ビタミンE)、ビタミン類(ビタミンA,B,C,D等)、ムコ多糖類(コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルコサミン、ヒアルロン酸等)などが挙げられる。
(h)乳化組成物の調製方法及び使用方法
本発明の乳化組成物は、上記(a)〜(e)及び(g)成分、さらに必要に応じて、(h)に記載するいずれか少なくとも1種の成分を混合し、75〜85℃程度の温度になるように加熱した後、ホモジナイザーやホモミキサーや攪拌機などの混合機を用いて所定条件で乳化するなど、周知の方法で乳化することで調製することができる。
ここで、本発明の乳化組成物は、その粘度を特に制限するものではないが、通常1000〜150000cp、好ましくは1500〜130000cp、より好ましくは2000〜100000cpとなるように調整される。なお、粘度は、粘度計「型式:LVDV−II+(BROOKFIELD社製、スピンドルE型)」を使用して下記方法による測定値である。
(方法)
試料(乳化組成物)35gをマルエムスクリュー管(No.7若しくはNo.8)のサンプル容器に入れ、室温下(25℃付近)で、3rpmで測定し、最大値と最小値の中間値を測定値として採用する。
本発明の乳化組成物は、液状〜半固形状の水中油型乳化組成物であって、限定されないものの、例えば皮膚外用剤として用時に好適に使用することができる。当該皮膚外用剤の形態として、具体的には液状〜半固形状の乳液、及びクリームを例示することができる。このように、本発明の乳化組成物は液状〜半固形状態を有するため、使用時に手にとりやすく、展延性が良好であり、ベタツキが少なく、肌になじみやすく、使用感も優れている。
本発明の乳化組成物は、塩形態の抗ヒスタミン薬を含むので、例えば花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの諸症状を緩和する薬剤、風邪の諸症状を緩和する薬剤、睡眠改善薬、乗り物酔いの薬、咳や痰の症状を緩和する薬剤、肩こりや筋肉痛の治療薬、虫さされ等に伴う痒みを抑制する薬剤として、好適に調製することができる。
(II)乳化安定化方法
本発明は、テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、及び増粘剤を含有する乳化組成物の乳化安定化方法を提供する。当該方法は、当該乳化組成物の調製に際して、上記成分に加えて、さらに40℃で液状を呈する極性油及び無極性油を、極性油1重量部に対して極性油0.5〜5重量部の割合で配合することで実施することができる。極性油1重量部に対する極性油の割合として好ましくは1〜2重量部である。
本発明の方法で使用するテルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、増粘剤、40℃で液状を呈する極性油、及び無極性油の種類、並びにその配合割合は、上記(I)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(a)、(b)、(e)、(c)及び(d)の記載を援用することができる。
本発明の乳化組成物の乳化安定化方法において、対象とする乳化組成物の調製方法も上記(I)の(h)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(h)の記載を援用することができる。また、乳化組成物の調製に際しては、上記(a)〜(e)成分に加えて、さらに乳化に必要な水及び界面活性剤が使用される。水及び界面活性剤の種類及びその使用量についても上記(I)の(f)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(f)の記載を援用することができる。
乳化安定化させる対象の乳化組成物には、本発明の効果を妨げない限り、上記(a)〜(f)の他、任意成分として、前述する油性成分(極性油、無極性油)以外の油性成分、薬効成分、並びに外用製剤の調製に一般的に使用される安定化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。かかる各成分の具体例については、上記(I)の(g)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(g)の記載を援用することができる。
本発明の乳化安定化方法によれば、後述する実施例に示すように、乳化組成物の乳化状態(エマルジョン)を長期にわたって安定に維持することが可能になる。
(III)粘度安定化方法
本発明は、テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、40℃で液状を呈する極性油及び無極性油を含有する乳化組成物の粘度安定化方法を提供する。当該方法は、当該乳化組成物の調製に際して、上記成分に加えて、さらに増粘剤を配合し、さらに上記極性油1重量部に対して極性油0.5〜5重量部の割合で配合することで実施することができる。極性油1重量部に対する極性油の割合として好ましくは1〜2重量部である。
本発明の方法で使用するテルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、増粘剤、40℃で液状を呈する極性油、及び無極性油の種類、並びにその配合割合は、上記(I)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(a)、(b)、(e)、(c)及び(d)の記載を援用することができる。
本発明の乳化組成物の粘度安定化方法において、対象とする乳化組成物の調製方法も上記(I)の(h)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(h)の記載を援用することができる。また、乳化組成物の調製に際しては、上記(a)〜(e)成分に加えて、さらに乳化に必要な水及び界面活性剤が使用される。水及び界面活性剤の種類及びその使用量についても上記(I)の(f)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(f)の記載を援用することができる。
粘度安定化させる対象の乳化組成物には、本発明の効果を妨げない限り、上記(a)〜(f)の他、任意成分として、前述する油性成分(極性油、無極性油)以外の油性成分、薬効成分、並びに外用製剤の調製に一般的に使用される安定化剤、防腐剤、緩衝剤、pH調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。かかる各成分の具体例については、上記(I)の(g)で説明した通りである。従って、当該発明において、上記(I)における(g)の記載を援用することができる。
本発明の粘度安定化方法によれば、下記の実験例に示すように、乳化組成物の粘度の経時的な不安定性を改善し、粘度を安定に維持することが可能になる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実験例
(1)乳化組成物(実施例1〜20及び比較例1〜10)の調製
表1に記載する処方に従って、水中油型乳化組成物を調製した。具体的には、表1に記載する各配合成分のうち、油性成分(表1中、a、c、d、f-2、g-1、及びg-3成分)、及び水性成分(表1中、b、e、f-1、g-2、及びg-4成分)をそれぞれ秤量し、80℃にて加熱溶解し、油相及び水相を調製した。同温度にて、撹拌しながら、上記で調製した油相に水相を徐々に加え、その後、40℃以下に冷却して、水中油型の乳化組成物を調製した。なお表中の%は重量%を示す。
(2)乳化組成物の乳化安定性評価
上記で調製した乳化組成物を25℃条件で1日以上静置した後、50℃の恒温槽内で保存し、外観観察により、乳化組成物の性状が変化(水相と油相との分離[断層]の発生)するまでの日数を測定し、下記の基準に従って評価した。
[評価基準]
◎:8日間以上、分離が認められない。
○:7日間までは分離が認められないか、又はわずかに離水しているが全体に乳化状態が安定している。
×:7日より前に分離が発生(上部又は下部に油相若しくは水相が発現し、断層が生じている)。
(3)乳化組成物の粘度変化評価
上記で調製した乳化組成物を25℃条件で1日以上静置した後、室温(25℃)条件下で粘度を測定した後(初期粘度)、サイクル式恒温槽内で5℃〜−20℃/12時間のサイクルで保存した。10サイクル経過後、再度、室温(25℃)条件下で粘度を測定し、下記の基準で、乳化組成物の粘度変化を評価した。
[評価基準]
◎:初期粘度の2倍未満
○:初期粘度の2倍〜3倍未満
×:初期粘度の3倍以上。
なお、粘度は下記の条件で測定した。
[粘度測定条件]
粘度計『型式:LVDV−II+(BROOK FIELD社製、スピンドルT型)を用いて、試料80gをマルエムスクリュー管(No.7もしくはNo.8)のサンプル容器にいれ、室温(25℃)にて3rpmで測定し、最大値と最小値の中間値を測定値とする。
(4)評価結果
結果を表1に示す。なお、表中、空欄は添加無し(0%)を意味する。
Figure 0006537775
Figure 0006537775
表1の実施例と比較例との対比からわかるように、テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、無極性油、40℃で液状を呈する極性油、及び増粘剤を含有する乳化組成物において、無極性油1重量部に対する上記極性油の割合を0.5〜5重量部とすることで、乳化の熱安定性が良好で、乳化安定性が長期にわたり維持できることが判明した。また、無極性油1重量部に対する上記極性油の割合を、特に1〜2重量部とすることで、より一層乳化安定性が向上することが判明した(実施例8〜18)。
また、テルペン、塩形態の抗ヒスタミン薬、無極性油、及び40℃で液状を呈する極性油を含有する乳化組成物は、無極性油1重量部に対する上記極性油の割合を0.5〜5重量部とした場合でも、経時的に粘度が上昇する傾向が認められるのに対して(比較例10)、これに増粘剤を併用することで当該粘度の上昇が抑制できることが判明した。また当該粘度上昇抑制効果は、増粘剤を、1種類よりも2種以上併用することで、より一層高い効果が得られることが判明した(実施例15〜18)。

Claims (3)

  1. l−メントール及びdl−カンフルより選択される少なくとも1種のテルペンを0.5〜5重量%、塩形態を有するジフェンヒドラミン及びクロルフェニラミンからなる群より選択される少なくとも1種の抗ヒスタミン薬を0.1〜2重量%、IOBが0以上0.05未満である無極性油、IOBが0.05〜1.1である40℃で液状を呈する極性油、並びに、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも2種の増粘剤を含有し、上記極性油1重量部に対する極性油の割合が1〜2重量部であり、経時的乳化安定性及び低温粘度安定性を有することを特徴とする乳化組成物。
  2. l−メントール及びdl−カンフルより選択される少なくとも1種のテルペン、塩形態を有するジフェンヒドラミン及びクロルフェニラミンからなる群より選択される少なくとも1種の抗ヒスタミン薬、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の増粘剤を含有し、50℃の保存で7日より前に分離が発生する乳化組成物において、当該乳化組成物にさらにIOBが0以上0.05未満である無極性油、及びIOBが0.05〜1.1である40℃で液状を呈する極性油を、極性油1重量部に対して極性油1〜2重量部の割合で配合する乳化安定化方法。
  3. l−メントール及びdl−カンフルより選択される少なくとも1種のテルペン、塩形態を有するジフェンヒドラミン及びクロルフェニラミンからなる群より選択される少なくとも1種の抗ヒスタミン薬、IOBが0以上0.05未満である無極性油、並びにIOBが0.05〜1.1である40℃で液状を呈する極性油を含有する乳化組成物において、当該乳化組成物にさらにキサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも種の増粘剤を配合し、前記極性油1重量部に対する極性油の配合割合を1〜2重量部とすることを特徴とする低温粘度安定化方法。
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