JP6537655B1 - 内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の本体に温度センサを配置しなくとも、内燃機関の本体温度を低コストで精度よく推定できる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供する。【解決手段】内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出し、予め設定された第1時点及び第2時点でそれぞれ検出された吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際における内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する内燃機関の制御装置及び制御方法。【選択図】図2

Description

本願は、内燃機関の制御装置及び制御方法に関する。
従来、車両には、ECUと呼ばれる電子制御装置が搭載されている。ECUは、主にマイコンを用いて構成されており、運転に関わる車両用内燃機関の動作等を制御している。そのような内燃機関の動作制御には、様々なパラメータが関与している。制御に関与するパラメータの1つとして、内燃機関の温度情報が知られている。
内燃機関の本体に専用の温度センサを配置してその専用温度センサの測定結果を用いて内燃機関の制御をECUが行うフィードバック制御の場合、専用温度センサの測定時刻からECUの応答時刻への遅れが生じることから、適切な内燃機関の制御が困難である。
そこで、特許文献1では、内燃機関の起動の際における内燃機関の本体温度と、任意の時間の吸気管の温度と、シミュレーション用のモデルと、を用いて、その任意の時間における内燃機関の本体温度を推定する手法が提案されている。また特許文献1では、内燃機関の起動の際における内燃機関の本体温度を知るために、内燃機関の本体の筐体に専用の温度センサを設置して内燃機関の本体温度を直接的に検知する直接検知構成と、筐体ではないが内燃機関の本体の一部にあるエンジンオイルの温度または冷却水の温度を直接検知し、そのエンジンオイル温度または冷却水温度に基づく温度推定によって内燃機関の本体温度を間接的に検知する間接検知構成とが提案されている。
さらに、その吸気管の温度の推定について、特許文献2では、内燃機関の起動の際における吸気管内の温度と大気温度とが一致すると仮定し、内燃機関のシリンダ内の圧力と内燃機関の周囲にある大気温度とに基づき吸気管の温度を推定する温度推定方法が提案されている。
また、特許文献3では、クランク角センサのコイル抵抗の変化率から換算した温度を、内燃機関の仮想温度の初期値に設定し、仮想温度を順次変更しながら仮想温度に対応する燃料噴射指令を繰り返し、内燃機関の回転速度変化を検知することで、始動の際の実温度を探索しながら、内燃機関を始動させる手法が開示されている。
特開2005−83240号公報 特開2006−132526号公報 特開2015−63918号公報
しかしながら、内燃機関の本体温度を推定する従来の方法を用いた場合、比較的低コストで精度よく内燃機関の制御を行なうことが困難であった。
例えば、特許文献1の直接検知構成を用いた場合、内燃機関の本体の温度上昇に耐え得る耐熱性の温度センサを準備する必要があり、内燃機関の本体の表面にその耐熱性温度センサ取付用の穴あけなどの加工を行う必要が生じる。そのため、配線および部品の増大によって、製造コストおよび作業負担の増大を招く虞がある。また、特許文献1の間接検知構成の場合にも、エンジンオイルまたは冷却水の温度上昇に耐えうる耐熱性の温度センサを準備する必要があり、その耐熱性温度センサ取付作業を行う必要が生じる。そのため、配線および部品の増大によって、製造コストおよび作業負担の増大を招く虞がある。したがって、部品ならびに製造コストが高止まりする虞がある。
また、特許文献2の温度推定方法では、内燃機関の起動の際における吸気管内の温度と大気温度とが一致すると仮定している。そのため、内燃機関を停止させてから内燃機関を起動するまでの時間間隔が変化すると、仮定範囲にばらつきが見られ、温度推定精度が悪化する。したがって、特許文献2の温度推定方法を用いて推定した吸気管の温度を用いて特許文献1に基づく温度推定を行った場合、内燃機関の本体温度の推定精度がさらに悪化する虞がある。
例えば、特許文献3の温度推定方法では、起動前の内燃機関の実温度と仮想温度が乖離している場合が多く、内燃機関の実温度を探索するために余分な燃料噴射が必要になるなどの問題があった。また、低温時のおける噴霧は、燃料が液体のまま付着し、温度上昇後に気化されることで、一時的な燃料リッチ状態が生じ、燃焼が不安定になる、また、未燃ガスが生成するなど、排ガス組成に影響を及ぼす虞がある。
本願は、上記のような事情を鑑みてなされたものであり、内燃機関の本体温度を低コストで精度よく推定できる内燃機関の制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
本願に係る内燃機関の制御方法は、内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出ステップと、
排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点及び前記圧縮行程内において前記第1時点よりも後に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定ステップと、を実行するものである。
また、本願に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部と、
排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点及び前記圧縮行程内において前記第1時点よりも後に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定部と、を備えたものである。
また、本願に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部と、
前記吸気管に吸入される外気の温度である外気温を検出する外気温検出部と、
予め設定された第1時点及び第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、個体値を決定する個体値決定部と、
前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、
前記回転速度、前記外気温、予め設定された第3時点及び第4時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第3圧力及び第4圧力、及び前記個体値に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度を推定する本体温度推定部と、
始動の際の前記本体温度に基づいて前記内燃機関を制御する機関制御部と、を備え
前記本体温度推定部は、始動の際の前記本体温度をTe0とし、前記回転速度をNeとし、前記外気温をT0とし、前記第3圧力をP3とし、前記第4圧力をP4とし、前記個体値をAとし、予め設定された4つの定数をそれぞれB、C、D、Eとして、
Te0=A×(P4/P3−B) ×T0 ×Ne
の算出式により始動の際の前記本体温度を推定するものである。
同じ仕様の内燃機関であっても、スロットルバルブの閉止度合等の個体差によって、始動の際の吸気圧の挙動にばらつきが生じる。そのため、吸気圧の情報に基づいて、始動の際の内燃機関の本体温度を推定しようとすると、推定誤差が生じる場合がある。本願に係る内燃機関の制御装置及び制御方法によれば、始動の際の吸気圧の情報に基づいて個体値が決定されるので、内燃機関の個体差を学習することができる。この際、第1時点と第2時点との2つの時点の吸気圧の情報を用いるので、個体差により生じる吸気圧の挙動差を精度よく検知でき、個体値の決定精度を高めることができる。そして、温度センサを設けなくても、決定された個体値を用いて、低コストで精度よく内燃機関の本体温度を推定することができる。よって、本願に係る制御装置及び制御方法によれば、内燃機関の個体差の影響を受けることなく、内燃機関の本体温度を低コストで精度よく推定することが可能となる。
実施の形態1に係る内燃機関及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御装置のブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る始動の際の吸気圧の挙動しめすタイミングチャートである。 実施の形態1に係る吸気圧と本体温度との相関を表す特性図である。 実施の形態1に係る個体差による吸気圧の挙動差を示すタイミングチャートである。 実施の形態1に係る吸気圧の圧力差と個体値との相関を表す特性図である。 実施の形態1に係る個体値の決定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1に係る本体温度の推定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る第1圧力、第2圧力の検出時点を示すタイミングチャートである。 実施の形態2に係る吸気圧の圧力差と個体値との相関を表す特性図である。 実施の形態2に係る個体値の決定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3に係る第1圧力、第2圧力の検出時点を示すタイミングチャートである。 実施の形態4に係る第5圧力、第1圧力、第2圧力の検出時点を示すタイミングチャートである。 実施の形態4に係る個体値の決定処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5に係る本体温度の推定処理を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願が開示する制御装置および制御方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本願が限定されるものではない。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置121(以下、単に制御装置121と称す)及び内燃機関の制御方法について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関100及び制御装置121の概略構成図である。内燃機関100及び制御装置121は、車両に搭載され、内燃機関100は、車両(車輪)の駆動力源となる。
1−1.内燃機関の構成
内燃機関100は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4サイクルを1燃焼サイクルとして行う4サイクル機関とされている。内燃機関100は、ガソリン内燃機関である。内燃機関100は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室105を有している。燃焼室105は、シリンダ及びピストン113により構成されている。シリンダは、シリンダの壁面を構成するシリンダブロック122と、シリンダの頂部を構成するシリンダヘッド123とにより構成されている。
内燃機関の本体100aは、シリンダブロック122、ピストン113、及びシリンダヘッド123等の燃焼室105を構成する部分である。
内燃機関100は、燃焼室105に空気を供給する吸気通路101と、燃焼室105で燃焼した排気気体を排出する排気通路117とを備えている。吸気通路101には、上流側から、エアフィルタ102、スロットルバルブ103、吸気圧センサ104が設けられている。吸気圧センサ104は、スロットルバルブ103より下流側の吸気通路101である吸気管101a内の気体の圧力に応じた信号を出力する。吸気圧センサ104の出力信号は、制御装置121に入力される。吸気通路101には、スロットルバルブ103を迂回してスロットルバルブ103の上流側と下流側とを連通するバイパス流路106と、バイパス流路106の開度を調整するアイドルスピードコントロールバルブ107と、が設けられている。1つの吸気管101aは、1つの燃焼室105に接続されている。
吸気管101aにおける、吸気圧センサ104よりも下流側には、燃料を吸気ポート近傍に噴射するインジェクタ110が設けられている。インジェクタ110には、燃料タンク109から燃料ポンプ108によって汲み上げられた燃料が供給される。インジェクタ110は、制御装置121から出力された信号により駆動される。
燃焼室105の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグ112が設けられている。点火プラグ112の電極は、燃焼室105内に露出している。点火プラグ112には、制御装置121から点火コイル等を介して点火エネルギが供給される。また、燃焼室105の頂部(シリンダヘッド123)には、吸気通路101から燃焼室105内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ111と、燃焼室105内から排気通路117に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ116と、が設けられている。
ピストン113は、コンロッド114を介して、クランク軸115に連結されている。クランク軸115の回転に応じて、ピストン113がシリンダ内を上下に往復運動する。燃焼室105のクランク軸115付近には、クランク軸115の回転に応じた信号を出力するクランク角センサ118が設けられている。クランク角センサ118の出力信号は、制御装置121に入力される。排気通路117の下流側には、三元触媒119が設けられている。また、排気通路117における三元触媒119の上流には、排気ガスの酸素濃度に応じた信号を出力するO2センサ120が設けられている。O2センサ120の出力信号は、制御装置121に入力される。
スロットルバルブ103は、吸気通路101を開閉する弁である。スロットルバルブ103の開度の変化により、吸気管101aを介して燃焼室105に供給される空気量が調整される。運転者によるアクセル(不図示)の操作量に応じて、スロットルバルブ103の開度が変化する。アイドルスピードコントロールバルブ107は、内燃機関100のアイドリング運転時に、内燃機関100の回転速度を制御するために、バイパス流路106を流れる空気流量を調節する。
インジェクタ110は、吸気バルブ111の手前にて、吸気管101aを流通した空気に燃料を噴射して混合気を形成する。吸気バルブ111は、形成された混合気を燃焼室105に供給する。燃焼室105に設けられた点火プラグ112は、燃焼室105に供給された混合気に対して放電火花によって着火を行い、混合気を燃焼する。混合気の燃焼によって、外部へ仕事がなされる。具体的には、ピストン113及びコンロッド114を介してクランク軸115が回転し、混合気の燃焼から回転エネルギが取り出される。なお排気バルブ116は、混合気の燃焼によって生じた排気ガスを開動作によって排気通路117に排出する。
クランク軸115と一体回転するロータの外周部には、周方向に所定の間隔で設けられた複数の突起が設けられており(不図示)、クランク角センサ118は、これらの突起がこのクランク角センサ118を横切る時に、矩形状のクランク信号を出力する。本実施の形態では、複数の突起は、クランク軸115の回転角度で30度ごとに設けられている。なお、突起には、所定の箇所に欠け歯(突起がない箇所)が設けられており、クランク軸115が最大で360度回転すれば、ピストン113の位置を制御装置121が判別することができる。これにより、ピストン113が上死点及び下死点の位置にあることを、制御装置121が認識することができる。
4サイクル機関であれば、吸気圧センサ104からの情報とピストン113の位置を合せることで、制御装置121は、内燃機関100の4行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)の判別と、ピストン113の詳細な位置とを認識することできる。この結果、ピストン113の位置に応じて、制御装置121からインジェクタ110に燃料噴射の指令をだすことで、制御装置121が燃料噴射量及び空燃比など内燃機関100の制御を行う。
1−2.制御装置の構成
制御装置121は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図2に示すように、制御装置121は、吸気圧検出部51、回転速度検出部52、外気温検出部53、固有値決定部54、本体温度推定部55、及び機関制御部56等の制御部を備えている。制御装置121の各制御部51〜56等は、制御装置121が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置121は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りをする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶装置が備えられている。入力回路92は、各種のセンサ及びスイッチが接続され、これらセンサ及びスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90からの制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置121が備える各制御部51〜56等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置121の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部51〜56等が用いる個体値特性データ、定数、判定圧力等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、EEPROM等の記憶装置91に記憶されている。
本実施の形態では、入力回路92には、吸気圧センサ104、クランク角センサ118、O2センサ120、及び外気温センサ125等が接続されている。出力回路93には、インジェクタ110、及び点火プラグ112等が接続されている。
制御装置121は、各種のセンサの出力信号等に基づいて内燃機関1の各種の運転状態を検出する。例えば、制御装置121は、クランク角センサ118等の出力信号に基づいて内燃機関の回転速度及びクランク角度を検出する。制御装置121は、吸気圧センサ104等の出力信号に基づいて、内燃機関の4行程を判断する。制御装置121は、O2センサ120からの出力信号に基づいて、燃焼室105に充填された吸入空気量を算出する。制御装置121は、基本的な制御として、検出した運転状態に基づいて、燃料噴射量等を算出し、インジェクタ110等を駆動制御する。
<クランキング開始後の吸気圧変化>
図4の模式図を用いて、クランキング開始後の吸気管101a内の吸気圧の変化を説明する。横軸はピストンの位置を示すピストンクランク番号を示し、縦軸は吸気管101a内の気体の圧力である吸気圧を示している。ここで、ピストンクランク番号は、クランク角センサ118で検知される30度ごとに設けられた突起を順番に表したものである。
クランク軸の回転が停止し、制御装置121への電力供給が停止された電源OFF時は、RAMに記憶されていた各種センサの入力情報は消失する。制御装置121の電源がONになったとき、各種センサが動作を開始し、各種センサの出力信号が制御装置121に入力される。このとき、吸気管101a内の吸気圧は大気圧と等しくなっているため、吸気圧センサ104により検出された吸気圧は、大気圧の情報として扱うことができる。
その後、内燃機関100を始動させるために、セルモータに通電され、クランク軸を停止状態から回転させるクランキングが開始する。制御装置121は、クランキングの開始後、クランク角センサ118及び吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、上述したように、クランク角度を検出し、4サイクルのいずれの行程であるか判別を行う。
吸気行程では、ピストン113が上死点から下死点に向かって下がり、吸気バルブ111が開となり、排気バルブ116が閉となることから、吸気管101a内にある気体が燃焼室105内に導入され、吸気管101a内の吸気圧は大気圧よりも低い負圧になる。
下死点を通過すると、吸気バルブ111が閉止されその後、圧縮行程へと移行する。圧縮行程では、ピストン113が下死点から上死点に向かって上がり、燃焼室105内に導入された気体は、燃焼室105内でピストン113の上昇に伴って圧縮される。吸気及び排気バルブ116は閉止したまま、膨張行程となり、ピストン113が上死点から下死点に向かって下がる。その後、下死点付近で排気バルブ116が開放され、排気行程となり、ピストン113が下死点から上死点に向かって上がり、燃焼室105内の気体が排気管に排出される。
一方、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程では、吸気バルブ111が閉止され、スロットルバルブ103が閉止された状態になっている。この時、スロットルバルブ103及びアイドルスピードコントロールバルブ107の隙間から吸気管101aに外気が流入し、吸気管101a内の吸気圧は、大気圧に向かって上昇していく。なお、燃料噴射が開始されるまでは、吸気圧の変化は、ピストン113の上下運動、バルブの開閉、スロットルバルブ103等の隙間により生じる。
<吸気圧による始動の際の本体温度の推定原理>
始動の際の内燃機関の本体100aの温度(以下、始動の際の本体温度と称す)は、内燃機関100を制御する上で、非常に重要なパラメータである。燃焼が開始する前の始動の際の本体温度は、外気温、それ以前の内燃機関100の停止時の運転状態、及び停止からの経過時間によって異なる。始動の際の本体温度が低いと、噴射燃料の気化率が低いため、燃料噴射量を増加させないと、燃焼が良好に開始しないおそれがある。
そこで、内燃機関100において、燃料噴射を開始する前の吸気圧に着目し、内燃機関100の完全停止後、異なる経過時間を想定した試験を実施した。具体的には、同一仕様の2台の単気筒のガソリン内燃機関を用いて、5種類の内燃機関の本体の温度(25℃、60℃、80℃、100℃、115℃)を設定し、クランキングを開始してから燃料噴射を開始するまでの吸気圧について調べた。このとき、内燃機関の設置環境は、3種類の外気温(5℃、25℃、40℃)ならびに2種類の外気圧(101kP、0.89kP)とした。
内燃機関100の電源をONにすると、内燃機関100に設けられた吸気圧センサ104、クランク角センサ118、O2センサ120、及び外気温センサ125の出力信号が制御装置121に入力される。このとき、吸気管101a内の吸気圧は、大気圧を示すことから、内燃機関の周囲環境圧力(第3圧力P3)が分かる。次に、内燃機関100が始動操作を開始する。つまりセルモータ等がクランク軸115を回転させ、ピストンが移動し始める。それまでの間は、吸気管101aの圧力はほぼ大気圧を示す。
そして、吸気行程になると、吸気管101a内の気体が燃焼室105に引き込まれることから、吸気圧は、大気圧から約40kP程度まで低下する。この吸気行程における圧力変化は比較的速く、同一の内燃機関100においては、始動の際の本体温度の温度差に対して圧力変化の差異を見出すことはできなかった。一方、圧縮行程に設定された時点(第4時点)の吸気圧(第4圧力P4)と、始動の際の本体温度とに相関が見られた。本例では、第4時点は、吸気行程と圧縮行程との間の下死点後の2つ目のピストンクランク番号(下死点後60度)に設定されている。なお、本願において、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の各行程は、上死点と下死点との間の期間に対応しているものとする。
これらの実験データを基にして、実験式の導出を試みた。ここで、吸気圧は、外気圧及び外気温の影響を受ける。また、吸気管101a内に流入し、吸気管101aから燃焼室105に流入する気体の移動速度は、内燃機関の回転速度に依存する。そこで、パラメータとして本体温度、外気温、及び外気圧を変化させた実験を行い、これらのパラメータを考慮した式(1)の実験式を得た。
Te0=A×(P4/P3−B)×T0×Ne4 (1)
ここで、Te0は、始動の際の内燃機関の本体温度であり、P3は、大気圧(第3圧力)であり、P4は、代表吸気圧(第4圧力)であり、T0は外気温であり、Ne4は、内燃機関の回転速度であり、Aは、個体値であり、B、C、D、Eは、定数である。内燃機関の回転速度は、第4圧力P4を取得したタイミングでの値とした。
図5に、第4圧力P4と、始動の際の本体温度Te0の相関を示す模式図を示しているが、これにより、吸気圧の情報により、始動の際の本体温度を一意的に推定できることが確認された。
<個体差による推定誤差>
次に、同一仕様の内燃機関の個体差を調べるため、同一環境条件下で同一仕様の2台の内燃機関(内燃機関X及び内燃機関Y)の比較試験を実施した。図6に、代表的な吸気圧の挙動を示す。いずれの温度条件においても、吸気行程と圧縮行程との間の下死点の前後、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程において、2台の内燃機関の吸気圧の挙動に差異が見られた。具体的には、吸気行程と圧縮行程との間の下死点での吸気圧が小さい程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程での圧力回復は遅くなり、同一ピストンクランク角番号における吸気圧が小さいことが分かった。つまり、同一仕様であっても内燃機関に個体差があるため、上記式(1)の推定手法では、推定誤差が生じることが分かった。
この要因を分析した結果、個体によって、スロットルバルブ103の閉止度合い、又はアイドルスピードコントロールバルブ107の開度が異なっており、吸入空気の抵抗が異なるためであると考えられる。言い換えると、同じ仕様の内燃機関であっても、部品精度及び組み立て精度などによって、アイドルスピードコントロールバルブ107の開度度合い、及びスロットルバルブ103の閉止度合いが微妙に異なると、吸気圧の挙動が変動することが分かった。
内燃機関Xと内燃機関Yは同一仕様であるが、本体の温度及び周囲環境を変化させた実験条件において、式(1)から本体温度を推定すると、推定値と測定値に40℃以上の差異がみられた。これは、前述のようにスロットルバルブ103又はアイドルスピードコントロールバルブ107の周辺における吸気抵抗が変わったことが主要因であると推定される。
<個体値の調整>
そこで、個体値Aを一定値でなく、内燃機関の個体毎に、フィッティングさせることを検討した。個体毎に個体値Aを別の値に設定することで、始動の際の本体温度及び周囲環境を変化させても、始動の際の本体温度の推定値と測定値とがよく一致することを見出した。
図6を詳細に見ると、吸気行程と圧縮行程との間の下死点から、圧縮行程を経て膨張行程に到るまでの間で、クランク角番号に対する吸気圧の変化率に差異がある。これは、圧縮行程及び膨張行程では、負圧が大きくなった吸気管内に、スロットルバルブ103の隙間及びアイドルスピードコントロールバルブ107を通って、空気が比較的大量に流れ込んでいる状態であり、スロットルバルブ103の隙間面積及びアイドルスピードコントロールバルブ107の開口面積の個体差が、吸気圧の変化率の差異となって表れるためだと推察される。
そこで、圧縮行程の前半に設定された時点(第1時点)の吸気圧(第1圧力P1)を検出する。本例では、第1時点は、吸気行程と圧縮行程との間の下死点後の2つ目のピストンクランク番号(下死点後60度)に設定されている。また、第1時点より後の圧縮行程に設定された時点(第2時点)の吸気圧(第2圧力P2)を検出する。本例では、第2時点は、圧縮行程と膨張行程との間の上死点前の2つ目のピストンクランク番号(上死点前60度)に設定されている。
図7は、横軸に、第1圧力P1と第2圧力P2との圧力差を示し、縦軸に、個体値Aを示した特性図である。所定のクランク角度間の圧力差(圧力変化量)が大きくなるほど、個体値Aが大きくなる関係が認められた。つまり、個体値Aは、スロットルバルブ103の隙間面積及びアイドルスピードコントロールバルブ107の開口面積と相関があること示唆している。
個体値Aは、内燃機関100の各部の温度が安定している定常条件下において、例えば、内燃機関の出荷前の検査段階及び調整段階において、決定される。ここで、内燃機関100の各部の温度の定常条件下とは、例えば、内燃機関が停止したままで、各部の温度と周囲温度がほぼ一致するような条件をいう。第1圧力P1と第2圧力P2との圧力差(|P2−P1|)と、個体値Aとの関係が予め設定された個体値特性データを参照し、個体値Aを決定する。決定した個体値Aは、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性の記憶装置に記憶される。これにより、内燃機関100の個体差があった場合でも、始動の際の本体温度を精度よく推定することが可能となる。
<個体値の決定処理>
次に、個体値Aを決定する一連の処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。制御装置121は、予め設定された個体値決定の実行条件が成立した場合に、図8のフローチャートの処理を実施する。例えば、出荷前の検査時、及び点検時等において個体値Aを決定するために、制御装置121は、個体値決定を指令するスイッチがオンにされた場合、又は外部のメンテナンス装置からの通信により、個体値決定の実行が指令された場合に、個体値決定の実行条件が成立したと判定する。或いは、スロットルバルブ103の閉止度合い、及びアイドルスピードコントロールバルブ107の開度の経時的な変化に対応するために、制御装置121は、外気温と内燃機関の本体温度が一致していると判定した場合、例えば、内燃機関の停止後予め設定された時間が経過した場合に、個体値決定の実行条件が成立したと判定する。
ステップS001において、内燃機関100の電源がOFFからONに切り替わり、制御装置121及び各種センサに電力が供給されると、ステップS002へと進む。ステップS002において、吸気圧センサ104、クランク角センサ118、及び外気温センサ125等の各種のセンサの動作が開始する。
ステップS003において、外気温検出部53は、外気温T0を検出する。外気温検出部53は、外気温センサ125の出力信号に基づいて外気温T0を検出してもよいし、外気温センサ125以外の他のセンサの情報を利用して、間接的に外気温T0を推定してもよい。
次に、ステップS004において、制御装置121は、セルモータへの通電を開始し、クランク軸を停止状態から回転させるクランキングを開始する。ステップS005において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、予め設定された第1時点及び第2時点で吸気圧を検出する。吸気圧検出部51は、第1時点で検出した吸気圧を、第1圧力P1に設定し、第2時点で検出した吸気圧を、第2圧力P2に設定する。
本実施の形態では、第1時点は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける圧縮行程の前半に予め設定されたクランク角度(本例では、下死点後60度)の時点とされている。第2時点は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける、第1時点よりも後の圧縮行程に予め設定されたクランク角度(本例では、上死点前60度(下死点後120度))の時点とされている。
第1時点を、下死点後60度にしたのは、下死点を通過しても瞬時に吸気バルブが完全に閉止しないので、閉止時点の遅れにより、一旦燃焼室105に吸入された空気が吸気管に逆流する可能性を排除するためである。勿論、吸気バルブの開閉タイミングは、内燃機関100の設計によって変更されることが考えられることから、第1時点は、下死点後60度に限定されず、圧縮行程の前半において、外乱が少なくなる適切なクランク角度の時点に設定されてもよい。また、第2時点は、上死点前60度に設定されたが、第1時点よりも後の圧縮行程において、クランク角度の変化に対する吸気圧力の変化量が大きくなる適切なクランク角度の時点に設定されてもよい。
ステップS006において、固有値決定部54は、第1圧力P1及び第2圧力P2に基づいて、始動の際の本体温度の推定に用いられる個体値Aを決定する。本実施の形態では、固有値決定部54は、第1圧力P1と第2圧力P2との圧力差に基づいて、個体値Aを決定する。具体的には、固有値決定部54は、圧力差と個体値Aの関係が予め設定された図7に示すような個体値特性データを参照し、今回算出した第1圧力P1と第2圧力P2との圧力差(|P2−P1|)に対応する個体値Aを算出する。
異なる外気温T0の条件でも個体値Aの決定精度を高めるために、固有値決定部54は、第1圧力P1、第2圧力P2、外気温T0、及び個体値Aに基づいて、個体値Aを決定するように構成されている。この場合は、個体値特性データは、圧力差と個体値Aとの関係が、複数の異なる外気温T0毎に設定されているとよい。
そして、ステップS007において、固有値決定部54は、決定した個体値Aを、制御装置121のEEPROM等の不揮発性の記憶装置に記憶する。これにより、次回以降の始動の際においても、不揮発性の記憶装置に記憶された個体値Aを用いて、始動の際の本体温度の推定を行うことができる。
本実施の形態では、本体温度が外気温T0と同じになっていると仮定し、外気温T0を用いて、個体値Aを決定したが、外気温T0の代わりに、検査用に内燃機関の本体に設けた温度センサからの温度情報を用いて、個体値Aを決定してもよい。この場合、他の検査工程等と組み合わせることで、作業効率が向上するなどの効果が得られる。
<始動の際の本体温度の推定処理>
次に、始動の際の本体温度を推定する一連の処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS101において、内燃機関100の電源がOFFからONに切り替わり、制御装置121及び各種センサに電力が供給されると、ステップS102へと進む。ステップS102において、吸気圧センサ104、クランク角センサ118、及び外気温センサ125等の各種のセンサの動作が開始する。
ステップS103において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて検出した吸気圧を、第3圧力P3として設定する。すなわち、本実施の形態では、第3時点は、電源ON後、クランク軸が回転し始めるまでの時点に設定されている。
ステップS104において、外気温検出部53は、外気温T0を検出する。上述したように、外気温検出部53は、外気温センサ125の出力信号に基づいて外気温T0を検出してもよいし、外気温センサ125以外の他のセンサの情報を利用して、間接的に外気温T0を推定してもよい。
次に、ステップS105において、制御装置121は、セルモータへの通電を開始し、クランク軸を停止状態から回転させるクランキングを開始する。ステップS106において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、クランク軸の回転開始後に予め設定された第4時点で吸気圧を検出する。吸気圧検出部51は、第4時点で検出した吸気圧を、第4圧力P4に設定する。本実施の形態では、第4時点は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける圧縮行程に予め設定されたクランク角度(本例では、下死点後60度)の時点とされている。
なお、第4時点は、下死点後60度に限定されず、圧縮行程又は膨張行程において、外乱が少なくなる適切なクランク角度の時点に設定されてもよい。
ステップS107において、回転速度検出部52は、第4時点における内燃機関(クランク軸)の回転速度Ne4を検出する。例えば、回転速度検出部52は、第4時点の前後における、ピストンクランク番号の変化周期、及び対応するクランク角度間隔に基づいて、回転速度Ne4を算出する。
ステップS108において、本体温度推定部55は、回転速度Ne4、外気温T0、第3圧力P3及び第4圧力P4、及び個体値Aに基づいて、始動の際の本体温度Te0を推定する。本実施の形態では、本体温度推定部55は、式(1)を用いて、始動の際の本体温度Te0を推定する。この際、本体温度推定部55は、EEPROM等の不揮発性の記憶装置から、個体値A、及び予め設定された4つの定数B、C、D、Eを読み出し、式(1)の算出に用いる。なお、始動の際の本体温度Te0は、電源ON後、クランキングを開始し、燃焼が開始するまでの期間における本体温度である。
ステップS109において、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0に基づいて内燃機関を制御する。本実施の形態では、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0に基づいて始動の際の燃料噴射量を変化させる。機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0の推定終了後に、燃料噴射制御及び点火制御を開始する。例えば、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0の推定終了後の最初の排気行程において1回目の燃料噴射を行う。
始動の際の本体温度Te0が低下するに従って、噴射燃料の気化率が低下し、燃焼に用いられる燃料が不足する。そこで、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0が低下するに従って、燃料噴射量を増加させる。例えば、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0が、予め設定された第1基準温度よりも低い場合は、燃料噴射量を基準噴射量よりも増加させる。一方、機関制御部56は、始動の際の本体温度Te0が、予め設定された第2基準温度よりも高い場合は、噴射した燃料はほぼ気化することから、燃料噴射量を基準噴射量に設定する。
ここで、始動の際の本体温度Te0が第1基準温度より低い場合は、2回目以降の燃料噴射において、それ以前の燃料噴射により吸気管101aの内部に付着した燃料が燃焼室105に供給され、燃焼される燃料が増加すると考えられる。そのため、機関制御部56は、2回目以降の燃料噴射量を、1回目の燃料噴射量から段階的に低減してもよい。或いは、本体温度推定部55は、クランク軸の回転開始後の2回目以降の4サイクルにおいても、本体温度の推定を継続し、機関制御部56は、本体温度が第3基準温度を超えたときに、燃料噴射量を低減してもよい。
以上で説明した構成により、内燃機関の本体温度を検出するための専用のセンサ、配線、及び熱電変換器等を設けなくとも、内燃機関の個体差を学習した個体値、並びに吸気圧、外気温、及び回転速度の測定結果に基づいて、本体温度を精度よく推定することができる。そして、推定した本体温度に基づいて始動の際の燃料噴射量を適切化する等、内燃機関を良好に制御することができる。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る内燃機関の制御装置121及び内燃機関の制御方法について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置121及び制御方法の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、実施の形態1と第1時点及び第2時点の設定が異なる。
本実施の形態では、図10に示すように、第1時点は、クランク軸が回転し始めるまでの時点とされている。よって、第1圧力P1は、大気圧となる。第2時点は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける吸気行程の後半に予め設定されたクランク角度(本例では、下死点前30度)の時点とされている。
このように設定しても、図11に示すように、第1圧力P1と第2圧力P2との圧力差と、個体値Aとの関係には相関が認められた。従って、本実施の形態でも、個体値Aを決定することができる。
本実施の形態では、吸気行程と圧縮行程との間の下死点までに、第1圧力P1及び第2圧力P2を取得して、個体値Aを決定できるので、実施の形態1よりも、個体値Aの決定時期を早期化できる。
また、第2時点は、下死点前30度に設定されたが、これに限定されるものではない。下死点付近は吸気バルブが開閉動作中であることが多いため、望ましくは、吸気バルブが閉止するタイミングより前であることが望ましく、さらには、閉止動作が始まる前であればさらに望ましい。
第1圧力P1は、吸気圧センサ104により検出された大気圧とされたが、他の手段を用いて大気圧を知ることができる場合は、これを利用してもよい。例えば、衛星通信等を利用してその位置情報から大気圧情報を入手する方法などが考えられる。
<個体値の決定処理>
個体値Aを決定する一連の処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS201において、内燃機関100の電源がOFFからONに切り替わり、制御装置121及び各種センサに電力が供給されると、ステップS202へと進む。ステップS202において、吸気圧センサ104、クランク角センサ118、及び外気温センサ125等の各種のセンサの動作が開始する。
ステップS203において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて検出した吸気圧を、第1圧力P1として設定する。すなわち、本実施の形態では、第1時点は、電源ON後、クランク軸が回転し始めるまでの時点に設定されている。ステップS204において、外気温検出部53は、外気温T0を検出する。
次に、ステップS205において、制御装置121は、セルモータへの通電を開始し、クランキングを開始する。ステップS206において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、予め設定された第2時点で吸気圧(第2圧力P2)を検出する。
ステップS207において、固有値決定部54は、第1圧力P1、第2圧力P2、及び外気温T0に基づいて、始動の際の本体温度の推定に用いられる個体値Aを決定する。そして、ステップS208において、固有値決定部54は、決定した個体値Aを、制御装置121のEEPROM等の不揮発性の記憶装置に記憶する。
3.実施の形態3
次に、実施の形態3に係る内燃機関の制御装置121及び内燃機関の制御方法について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置121及び制御方法の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、実施の形態1と第1時点及び第2時点の設定が異なる。
本実施の形態では、図13に示すように、第1時点は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける圧縮行程の前半に予め設定されたクランク角度(本例では、下死点後60度)の時点とされている。第2時点は、最初の4サイクルにおける、第1時点よりも後の膨張行程の前半に予め設定されたクランク角度(本例では、上死点後60度)の時点とされている。
本実施の形態では、第2圧力P2が膨張行程で得られるため、実施の形態1よりも個体値Aの決定時期が遅くなるが、個体差等に起因した流入空気量の差異が、膨張行程の吸気圧に顕著に現れることから、個体値Aの決定精度が高められる。
第2時点は、上死点後60度に設定されたが、膨張行程の前半において、クランク角度の変化に対する吸気圧力の変化量が大きくなる適切な時点に設定されてもよい。
4.実施の形態4
次に、実施の形態4に係る内燃機関の制御装置121及び内燃機関の制御方法について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置121及び制御方法の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、実施の形態1と第1時点及び第2時点の設定が異なる。
図14は、ピストン113が吸気行程の途中で停止している状態から、クランキングを開始したケースである。この場合は、最初の吸気行程で、ピストン113が下死点まで移動しても、吸気行程でフルに吸気される場合と比較して、吸気管101aから燃焼室105に吸引される空気容積が少なく、吸気圧の低下が少なくなり、その後の吸気圧の上昇も少なくなる。よって、吸気行程の途中からクランキングが開始する場合は、吸気行程でフルに吸気される場合に比べて、吸気圧の挙動が異なったものとなる。そのため、この場合の吸気圧の情報に基づいて個体値Aを決定すると、決定誤差が生じる。
そこで、本実施の形態では、固有値決定部54は、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける圧縮行程又は膨張行程に予め設定されたクランク角度(本例では、下死点後60度)の第5時点で検出された吸気圧である第5圧力P5が、予め設定された判定圧力よりも高い場合は、次の4サイクルにおける第1時点及び第2時点で検出された第1圧力P1及び第2圧力P2に基づいて、個体値Aを決定するように構成されている。なお、固有値決定部54は、第5圧力P5が判定圧力よりも低い場合は、実施の形態1と同様に、クランク軸の回転開始後の最初の4サイクルにおける第1時点及び第2時点で検出された第1圧力P1及び第2圧力P2に基づいて、個体値Aを決定する。
この構成によれば、最初の4サイクルで検出された第5圧力P5が判定圧力よりも高い場合は、吸気行程の途中からクランキングが開始したものと判定し、最初の4サイクルで検出した第1圧力P1及び第2圧力P2を用いた個体値Aの決定を行わないため、決定誤差が生じることを防止できる。そして、吸気行程でフルに吸気される、次の4サイクルで検出した第1圧力P1及び第2圧力P2を用いて、個体値Aを精度よく決定できる。一方、最初の4サイクルで検出された第5圧力P5が判定圧力よりも低い場合は、吸気行程でフルに吸気されたものと判定し、最初の4サイクルで検出した第1圧力P1及び第2圧力P2を用いて、個体値Aを精度よく決定できる。従って、クランキング開始時のピストン113の停止位置によらず、個体値Aを精度よく決定できる。
なお、第1時点及び第2時点は、実施の形態2又は3と同様の時点に設定されてもよい。判定圧力は、大気圧に応じて変化されてもよい。大気圧の変化による下死点時の吸気圧の変化を考慮することができるため、より精度の高い判定が可能となる。第5圧力P5が判定圧力よりも高い場合は、機関制御部56は、最初の4サイクルの排気行程で燃料噴射を開始せず、2回目以降の4サイクルの排気行程で燃料噴射を開始する。
個体値Aを決定する一連の処理について、図15に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS301において、内燃機関100の電源がOFFからONに切り替わり、制御装置121及び各種センサに電力が供給されると、ステップS302へと進む。ステップS202において、吸気圧センサ104、クランク角センサ118、及び外気温センサ125等の各種のセンサの動作が開始する。ステップS303において、外気温検出部53は、外気温T0を検出する。
次に、ステップS304において、制御装置121は、セルモータへの通電を開始し、クランキングを開始する。ステップS305において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、予め設定された第5時点(本例では、圧縮行程の下死点後60度)で吸気圧(第5圧力P5)を検出する。
ステップS306において、固有値決定部54は、第5圧力P5が判定圧力よりも高いか否かを判定する。吸気行程の途中からクランキングが開始しており、第5圧力P5が判定圧力よりも高い場合は、ステップS305へと戻る。そして、ステップS305において、吸気圧検出部51は、次の4サイクルにおける第5時点で第5圧力P5を検出し、ステップS306に進む。2回目の4サイクルでは、通常、吸気行程でフルに吸気されるため、ステップS306において、第5圧力P5が判定圧力よりも高くないと判定され、ステップS307に進む。そして、ステップS307において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、2回目の4サイクルにおける第1時点で吸気圧(第1圧力P1)を検出し、第2時点で吸気圧(第2圧力P2)を検出し、ステップS308に進む。
一方、吸気行程の途中からクランキングが開始しておらず、第5圧力P5が判定圧力よりも低い場合は、ステップS305に戻らず、ステップS306に進む。ステップS306において、吸気圧検出部51は、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、最初の4サイクルにおける第1時点で吸気圧(第1圧力P1)を検出し、第2時点で吸気圧(第2圧力P2)を検出し、ステップS308に進む。
ステップS308において、固有値決定部54は、第1圧力P1、第2圧力P2、及び外気温T0に基づいて、始動の際の本体温度の推定に用いられる個体値Aを決定する。そして、ステップS309において、固有値決定部54は、決定した個体値Aを、制御装置121のEEPROM等の不揮発性の記憶装置に記憶する。
5.実施の形態5
次に、実施の形態5に係る内燃機関の制御装置121及び内燃機関の制御方法について説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る制御装置121及び制御方法の基本的な構成は実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、燃焼の開始後も、本体温度を継続して推定するように構成されている点が異なる。
実施の形態1と同様の方法により、本体温度推定部55は、始動の際の本体温度Te0を推定する。燃焼の開始後、本体温度推定部55は、始動の際の本体温度Te0を初期値として、エネルギ収支に基づいて、本体温度を推定する。
ここで、更新間隔Δt当たりの内燃機関の本体温度の変化量ΔTeの関係式は、式(2)で表すことができる。さらに、内燃機関から出力されるエネルギの総和は、式(3)で表せる。なお、式(3)の右辺第2項は、放熱量を示し、右辺第1項は、その他の出力エネルギを示す。
M×CP×ΔTe/Δt=QIN−QOUT (2)
QOUT=Σ(Qj)+β×(Te−T0) (3)
ここで、Mは、内燃機関の本体の重量(kg)であり、CPは、内燃機関の本体の比熱(J/(kg・K))であり、QINは、燃焼により内燃機関の本体に入力されるエネルギの総和(J/s)であり、QOUTは、内燃機関の本体から出力されるエネルギの総和(J/s)であり、Qjは、内燃機関の本体からの個別要素jの出力エネルギであり、tは、時間(s)であり、βは、予め設定された定数(W/K)である。QINは、燃焼エネルギに応じたエネルギとなる。更新間隔Δtは、例えば、燃焼の間隔(4サイクルの間隔)に設定される。
式(2)及び式(3)を解くことによって、更新間隔Δt経過後の本体温度の変化量ΔTeを計算することができる。よって、本体温度Teを、更新間隔Δt経過する毎に、始動の際の本体温度Te0から、本体温度の変化量ΔTeずつ変化させることにより、本体温度Teを継続して推定することができる。
次に、本体温度を推定する一連の処理について、図16に示すフローチャートを参照して説明する。ステップS401において、内燃機関100の電源がOFFからONに切り替わり、制御装置121及び各種センサに電力が供給されると、ステップS402へと進む。ステップS402において、制御装置121は、実施の形態1の図9のフローチャートと同様の方法により、始動の際の本体温度Te0を推定する。
ステップS403において、本体温度推定部55は、始動の際の本体温度Te0を、本体温度Teの初期値に設定する。ステップS404において、本体温度推定部55は、本体温度の更新タイミングになったか否かを判定し、更新タイミングになったと判定した場合は、ステップS405に進み、更新タイミングになっていない場合は、待機する。更新タイミングは、燃料噴射が行われ、燃焼が行われたタイミング等とされる。
ステップS405において、本体温度推定部55は、入力エネルギの総和QIN、出力エネルギの総和QOUT、及び個別要素の出力エネルギQjを演算するために必要な各種情報を取得する。ステップS406において、本体温度推定部55は、ステップS405で取得した各種情報を用いて、入力エネルギの総和QIN、出力エネルギの総和QOUT、及び個別要素の出力エネルギQjを演算する。
ステップS407において、本体温度推定部55は、入力エネルギの総和QIN、出力エネルギの総和QOUT、個別要素の出力エネルギQj、本体重量M、比熱CP、及び定数βを用いて、式(2)及び式(3)に従って、内燃機関の本体温度の変化量ΔTeを算出し、前回算出した本体温度Teに変化量ΔTeを加算した値を、新たな本体温度Teとして更新する(Te←Te+ΔTe)。
そして、ステップS408において、機関制御部56は、ステップS408で更新された本体温度Teに基づいて燃料噴射量を算出し、燃料噴射を行う。そして、制御装置121は、ステップS404に戻り、繰り返し本体温度Teを更新する。
このように、始動後の本体温度の変化を逐次予想して、燃料噴射量を制御することにより、本体温度の変化に適した燃料を供給することができ、内燃機関を良好に制御できる。
6.転用例
上記の各実施の形態では、内燃機関100の動作の一例を示したが、実施の形態はこれに限定されない。内燃機関100の特性に合わせて、排気バルブ116又は吸気バルブ111の開閉タイミングを変えても良い。例えば、排気行程と吸気行程との間の上死点で、吸気バルブ111と排気バルブ116とが同時に開く様に動作させていてもよい。また、ピストンが上死点または下死点に到る前に吸気バルブ111又は排気バルブ116の開閉動作をさせてもよい。
また、吸気バルブ及び排気バルブの一方又は双方の開閉タイミングを変える可変バルブタイミング機構が備えられ、機関制御部56は、始動の際の本体温度、及び燃焼開始後の本体温度に基づいて、可変バルブタイミング機構を制御して、吸気バルブ及び排気バルブの一方又は双方の開閉タイミングを変化させるように構成されてもよい。
上記の各実施の形態では、本体温度の推定と、推定された本体温度に基づく内燃機関の制御とを、制御装置121が実行するように構成されている場合について説明した。しかし、実施の形態はこれに限定されない。すなわち、制御装置121が本体温度を推定し、制御装置121とは別の電子制御装置が、推定された本体温度に基づく内燃機関の制御を行うように構成されてもよい。よって、制御装置121は、複数の電子制御装置から構成されてもよい。
上記の各実施の形態では、個体値の決定と、決定された個体値を用いた本体温度の推定とを、制御装置121が実行するように構成されている場合について説明した。しかし、実施の形態はこれに限定されない。すなわち、制御装置121とは別の電子制御装置が、個体値を決定し、決定した個体値が制御装置121の不揮発性の記憶装置に記憶され、制御装置121が、不揮発性の記憶装置から個体値を読み出して、本体温度の推定を行うように構成されてもよい。よって、制御装置121は、複数の電子制御装置から構成されてもよい。
上記の各実施の形態では、内燃機関の本体の温度を推定するように構成されている場合について説明したが、内燃機関の本体と同様の温度挙動となる対象、例えば、エンジンオイル、内燃機関の冷却水等の温度を推定するように構成されてもよい。
上記の各実施の形態では、吸気圧検出部51は、特定の時点で、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて、吸気圧を検出するように様に説明したが、実施の形態はこれに限定されない。例えば、吸気圧検出部51は、連続的に、吸気圧センサ104の出力信号に基づいて吸気圧を検出し、移動平均等のノイズ除去処理を行った後の吸気圧の情報を用いて、特定の時点の吸気圧を検出するように構成されてもよい。
上記の各実施の形態では、温度の物理的な次元を℃で説明したが、温度を表す数値であってもよい。したがって、物理的な次元も、℃である必要はない。
なお、実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
Ne4 回転速度、51 吸気圧検出部、52 回転速度検出部、53 外気温検出部、54 固有値決定部、55 本体温度推定部、56 機関制御部、100 内燃機関、100a 内燃機関の本体、101a 吸気管、121 内燃機関の制御装置、A 個体値、T0 外気温、Te0 始動の際の本体温度、P1 第1圧力、P2 第2圧力、P3 第3圧力、P4 第4圧力、P5 第5圧力

Claims (17)

  1. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出ステップと、
    排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点及び前記圧縮行程内において前記第1時点よりも後に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定ステップと、を実行する内燃機関の制御方法。
  2. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出ステップと、
    排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点、及び前記第1時点よりも後の前記膨張行程の前半に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定ステップと、を実行する内燃機関の制御方法。
  3. 前記吸気管に吸入される外気の温度である外気温を検出する外気温検出ステップと、
    内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出ステップと、
    前記回転速度、前記外気温、予め設定された第3時点及び第4時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第3圧力及び第4圧力、及び前記個体値に基づいて、始動の際の前記本体温度を推定する本体温度推定ステップと、
    始動の際の前記本体温度に基づいて前記内燃機関を制御する機関制御ステップと、を更に実行する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御方法。
  4. 前記本体温度推定ステップでは、始動の際の前記本体温度をTe0とし、前記回転速度をNeとし、前記外気温をT0とし、前記第3圧力をP3とし、前記第4圧力をP4とし、前記個体値をAとし、予め設定された4つの定数をそれぞれB、C、D、Eとして、
    Te0=A×(P4/P3−B) ×T0 ×Ne
    の算出式により始動の際の前記本体温度を推定する請求項3に記載の内燃機関の制御方法。
  5. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出ステップと、
    予め設定された第1時点及び第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定ステップと、を実行し、
    前記吸気管に吸入される外気の温度である外気温を検出する外気温検出ステップと、
    内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出ステップと、
    前記回転速度、前記外気温、予め設定された第3時点及び第4時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第3圧力及び第4圧力、及び前記個体値に基づいて、始動の際の前記本体温度を推定する本体温度推定ステップと、
    始動の際の前記本体温度に基づいて前記内燃機関を制御する機関制御ステップと、を更に実行し、
    前記本体温度推定ステップでは、始動の際の前記本体温度をTe0とし、前記回転速度をNeとし、前記外気温をT0とし、前記第3圧力をP3とし、前記第4圧力をP4とし、前記個体値をAとし、予め設定された4つの定数をそれぞれB、C、D、Eとして、
    Te0=A×(P/P−B)×T0×Ne
    の算出式により始動の際の前記本体温度を推定する内燃機関の制御方法。
  6. 前記個体値決定ステップでは、前記第1圧力と前記第2圧力との圧力差に基づいて、前記個体値を決定する請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。
  7. 前記吸気管に吸入される外気の温度である外気温を検出する外気温検出ステップを更に実行し、
    前記個体値決定ステップでは、前記第1圧力、前記第2圧力、及び前記外気温に基づいて、前記個体値を決定する請求項1からのいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。
  8. 前記内燃機関は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の4サイクルを行う4サイクル機関であり、
    前記第1時点は、クランク軸の回転開始後の最初の前記4サイクルにおける前記圧縮行程の前半に予め設定されたクランク角度の時点であり、前記第2時点は、前記最初の4サイクルにおける、前記第1時点よりも後の前記圧縮行程に予め設定されたクランク角度の時点である請求項に記載の内燃機関の制御方法。
  9. 前記内燃機関は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の4サイクルを行う4サイクル機関であり、
    前記第1時点は、クランク軸が回転し始めるまでの時点であり、前記第2時点は、前記クランク軸の回転開始後の最初の前記4サイクルにおける前記吸気行程の後半に予め設定されたクランク角度の時点である請求項に記載の内燃機関の制御方法。
  10. 前記内燃機関は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の4サイクルを行う4サイクル機関であり、
    前記第1時点は、クランク軸の回転開始後の最初の前記4サイクルにおける前記圧縮行程の前半に予め設定されたクランク角度の時点であり、前記第2時点は、前記最初の4サイクルにおける、前記第1時点よりも後の前記膨張行程の前半に予め設定されたクランク角度の時点である請求項に記載の内燃機関の制御方法。
  11. 前記内燃機関は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の4サイクルを行う4サイクル機関であり、
    前記個体値決定ステップでは、クランク軸の回転開始後の最初の前記4サイクルにおける前記圧縮行程又は前記膨張行程に予め設定されたクランク角度の第5時点で検出された前記吸気圧である第5圧力が、予め設定された判定圧力よりも高い場合は、次の前記4サイクルにおける前記第1時点及び前記第2時点で検出された前記第1圧力及び前記第2圧力で検出された前記第2圧力に基づいて、前記個体値を決定する請求項1から10のいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。
  12. 前記内燃機関は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、及び排気行程の4サイクルを行う4サイクル機関であり、
    前記第3時点は、クランク軸が回転し始めるまでの時点であり、前記第4時点は、前記クランク軸の回転開始後の最初の前記4サイクルにおける前記圧縮行程又は前記膨張行程に予め設定されたクランク角度の時点である請求項又はに記載の内燃機関の制御方法。
  13. 前記本体温度推定ステップでは、始動の際の前記本体温度を初期値とし、燃焼の開始後、エネルギ収支に基づいて、前記本体温度を推定する請求項、及び12のいずれか一項に記載の内燃機関の制御方法。
  14. 前記機関制御ステップでは、始動の際の前記本体温度に基づいて始動の際の燃料噴射量を変化させる請求項3又は5に記載の内燃機関の制御方法。
  15. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部と、
    排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点及び前記圧縮行程内において前記第1時点よりも後に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定部と、を備えた内燃機関の制御装置。
  16. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部と、
    排気行程、吸気行程、圧縮行程、及び膨張行程を含んだサイクルのうちの前記圧縮行程内に予め設定された第1時点、及び前記第1時点よりも後の前記膨張行程の前半に予め設定された第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度の推定に用いられる個体値を決定する個体値決定部と、を備えた内燃機関の制御装置。
  17. 内燃機関の始動の際に、予め設定された複数の時点で、吸気管内の気体の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出部と、
    前記吸気管に吸入される外気の温度である外気温を検出する外気温検出部と、
    予め設定された第1時点及び第2時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第1圧力及び第2圧力に基づいて、個体値を決定する個体値決定部と、
    前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記回転速度、前記外気温、予め設定された第3時点及び第4時点でそれぞれ検出された前記吸気圧である第3圧力及び第4圧力、及び前記個体値に基づいて、始動の際の前記内燃機関の本体温度を推定する本体温度推定部と、
    始動の際の前記本体温度に基づいて前記内燃機関を制御する機関制御部と、を備え
    前記本体温度推定部は、始動の際の前記本体温度をTe0とし、前記回転速度をNeとし、前記外気温をT0とし、前記第3圧力をP3とし、前記第4圧力をP4とし、前記個体値をAとし、予め設定された4つの定数をそれぞれB、C、D、Eとして、
    Te0=A×(P4/P3−B) ×T0 ×Ne
    の算出式により始動の際の前記本体温度を推定する内燃機関の制御装置。
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