JP6537188B2 - 封止用成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用成形材料及び電子部品装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6537188B2
JP6537188B2 JP2016029814A JP2016029814A JP6537188B2 JP 6537188 B2 JP6537188 B2 JP 6537188B2 JP 2016029814 A JP2016029814 A JP 2016029814A JP 2016029814 A JP2016029814 A JP 2016029814A JP 6537188 B2 JP6537188 B2 JP 6537188B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding material
component
sealing
general formula
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016029814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017145366A (ja
Inventor
藤枝 新悦
新悦 藤枝
元丈 安藤
元丈 安藤
兼央 近藤
兼央 近藤
竜二 石塚
竜二 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2016029814A priority Critical patent/JP6537188B2/ja
Publication of JP2017145366A publication Critical patent/JP2017145366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6537188B2 publication Critical patent/JP6537188B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、封止用成形材料、及び電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品封止の分野では、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。これは、エポキシ樹脂が、電気特性、耐湿性、機械特性、インサート品との接着性等のバランスに優れるからである。
近年、資源エネルギーの将来的な枯渇に対する不安や、いわゆる地球温暖化問題等を背景に世界的に省エネルギーの機運が高まっており、電力の制御や変換を行い、「省エネ技術のキーデバイス」と言われるパワーデバイス(パワー半導体)が注目されている。
パワー半導体にとって電力変換効率はその性能を決定する非常に重要な項目であるが、ここにきて、従来のSi素子より変換効率の高い炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等の化合物半導体の研究開発や市場での流通が活況を呈するようになってきた。
SiCやGaNの大きな特徴として、従来のSi素子と比較して高温動作が可能である点を挙げることができる。また、特にSiCについては、Si素子に比べ、より高い耐圧性を有するため、より小さな素子やパッケージでこれまで以上の耐圧性を実現することが期待されている。
一方、より小さな素子やパッケージで、これまで以上の耐圧性を実現することは、素子自身の発熱もこれまで以上になることを意味し、高温動作が可能となることと相まって、周辺部材にもこれまで以上の耐熱性が求められることになる。
SiCについては、300℃以上での動作報告もあり、封止用成形材料には高いガラス転移温度とともに高い耐熱分解性が求められることになる。
封止用成形材料に高いガラス転移温度を与え、高温時信頼性を確保しようとする技術としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、マレイミド基を有する化合物、及びアルケニル基を有するフェノール化合物を必須成分とする封止用エポキシ樹脂組成物(例えば、特許文献1)、マレイミド化合物とベンゾオキサジン化合物を特定の比率で配合し、トリアゾール系化合物を添加した封止用樹脂組成物(例えば、特許文献2)等の報告がある。
特許第4793565号 特開2015−101667号公報
しかしながら、一般に、ガラス転移温度(Tg)が高い樹脂系は、各種被着体への密着性を確保することが困難であることが多く、また、硬化性や金型離型性等の成形性を確保することが困難な系も多い。上述の特許文献1及び2では、これらの課題を十分に解決しているとは言い難い。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、成形性に優れるとともに、ガラス転移温度(Tg)及び熱分解温度が高く、耐熱性に優れ、各種被着体への十分な密着力を有する硬化物を得ることができる封止用成形材料、及び該封止用成形材料を用いた電子部品装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の骨格を有するフェノール系硬化剤と、特定構造を有するマレイミド樹脂とを特定の割合で含有し、更に、特定の特性を有する離型剤を含有する封止用成形材料が、上記課題を解決することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。
[1](A)トリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を有するフェノール系硬化剤と、(B)下記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂と、(C)軟化点が110℃以上125℃以下である酸化型ポリエチレンワックスとを含有し、前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分の全量100質量部に対し、10〜50質量部である、封止用成形材料。

(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rが複数存在する場合、該複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数、zは0〜10である。)
[2]さらに、(D)シリコーン系ワックスを含有する、上記[1]に記載の封止用成形材料。

[3]前記(C)成分の含有量が、前記(B)成分の全量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部である、上記[1]又は[2]に記載の封止用成形材料。
[4]前記(A)成分が、下記一般式(II)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂、下記一般式(III)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、及び下記一般式(IV)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の封止用成形材料。

(式(II)中、xは0〜10である。)

(式(III)中、y1は0〜10である。また、式(IV)中、y2は0〜10である。)
[5]さらに、(E)トリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の封止用成形材料。
[6]前記(E)成分が、下記一般式(V)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂、下記一般式(VI)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及び下記一般式(VII)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含む、上記[5]に記載の封止用成形材料。

(式(V)中、nは0〜10である。)

(式(VI)中、mは0〜10である。)
[7]前記(E)成分の含有量が、エポキシ当量換算で、前記(A)成分の水酸基100当量に対して10〜40当量である、上記[5]又は[6]に記載の封止用成形材料。
[8]上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の封止用成形材料により封止された素子を備える、電子部品装置。
本発明によれば、成形性に優れるとともに、ガラス転移温度(Tg)及び熱分解温度が高く、耐熱性に優れ、各種被着体への十分な密着力を有する硬化物を得ることができる封止用成形材料、及び該封止用成形材料を用いた電子部品装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(封止用成形材料)
まず、本発明の封止用成形材料の各成分について述べる。
〔(A)フェノール系硬化剤〕
本発明で用いる(A)成分のフェノール系硬化剤は、一分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、トリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を含む。具体的には、トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂、及びナフタレン骨格を有するフェノール樹脂のうち少なくとも1種を含む。
上記トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(II)で表されるフェノール樹脂が挙げられる。

(式(II)中、xは0〜10である。)
また、上記ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂としては、一分子中に少なくとも2個の水酸基を有し、少なくとも1つのナフタレン環を有するフェノール樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、下記一般式(III)、及び下記一般式(IV)で表されるフェノール樹脂が挙げられ、これらを好ましく用いることができる。

(式(III)中、y1は0〜10である。また、式(IV)中、y2は0〜10である。)
上記(A)成分のフェノール樹脂は、上記一般式(II)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂、上記一般式(III)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、及び上記一般式(IV)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂から選択される少なくとも1種を含むことが、封止用成形材料の硬化物の耐熱性を高める観点から好ましい。
上記(A)成分のフェノール系硬化剤の含有量は、後述する(B)成分の全量100質量部に対し、10〜50質量部であり、好ましくは20〜45質量部、より好ましくは20〜40質量部である。10質量部未満では、封止用成形材料を十分に硬化させることができない等、成形性の低下を招くおそれがある。50質量部を超えると、硬化物の耐熱性が不十分となり、剥離やクラックが発生するおそれがある。
なお、上記一般式(II)〜(IV)で表されるフェノール樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を併用する場合、その合計量を上記範囲内となるようにする。
上記一般式(II)で表されるフェノール樹脂は、MEH−7500(明和化成(株)製)として、上記一般式(III)で表されるフェノール樹脂は、SN−485(新日鉄住金化学(株)製)として、上記一般式(IV)で表されるフェノール樹脂は、SN−395(新日鉄住金化学(株)製)として、それぞれ市販品として入手することができる。
また、上記トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂及びナフタレン骨格を有するフェノール樹脂の軟化点は、主として生産性の観点から、好ましくは65〜130℃、より好ましくは70〜125℃、更に好ましくは75〜120℃である。
(A)成分のフェノール系硬化剤全量に対する、上記一般式(II)〜(IV)で表されるフェノール樹脂の含有量は、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。上記範囲内とすることにより、封止用成形材料の硬化物の耐熱性を向上させることができる。
上記(A)成分のフェノール系硬化剤は、上記トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂及び上記ナフタレン骨格を有するフェノール樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で半導体素子封止材料として用いられるフェノール系樹脂を併用することができる。併用可能な樹脂としては、例えば、フェノールノボラック、o-クレゾールノボラック等を挙げることができるが、これら以外のフェノール系樹脂を併用してもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、無水酸系硬化剤、アミン系硬化剤等を併用してもよい。
なお、上記(A)成分以外のフェノール系樹脂を併用する場合、その配合量は(A)成分のフェノール系硬化剤100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが更に好ましい。
〔(B)マレイミド樹脂〕
本発明で用いる(B)成分のマレイミド樹脂は、下記一般式(I)で表され、1分子内にマレイミド基を2つ以上含む化合物であり、加熱によりマレイミド基が反応することで3次元的網目構造を形成し、硬化する樹脂である。また、上記マレイミド樹脂は、耐熱性や耐熱分解性に優れる。
上記一般式(I)中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、該炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数である。
上記炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基などの1価の炭化水素基が挙げられる。
また、Rが複数存在する場合、該複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。
zは0〜10であり、好ましくは0〜4である。
上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂は、上記(A)成分のフェノール系硬化剤と、有機リン系触媒等の存在下、170℃以上の温度で比較的容易に付加反応を行い、封止用成形材料の硬化物に高い耐熱性を与える。
上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂の具体例としては、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。
また、上記マレイミド樹脂は、例えば、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミドでz=0を主成分とするBMI、BMI−70(以上、ケイアイ化成(株)製)、BMI−1000(大和化成工業(株)製)、同じくz=0〜2を主成分とするBMI−2300(大和化成工業(株)製)等が市販品として入手することができる。
上記(B)成分のマレイミド樹脂は、その一部若しくは全部を上記(A)成分のフェノール系硬化剤の一部若しくは全部と、予め予備混合を行なってから用いてもよい。予備混合の方法は特に限定されず、公知の混合方法を用いることができる。例えば、攪拌可能な装置を用い、(A)成分のフェノール系硬化剤を50〜180℃で溶融した後、攪拌しつつ(B)成分のマレイミド樹脂を徐々に加えて混合し、その全てが溶融してから更に10〜60分程度攪拌し、予備混合樹脂とする方法等が挙げられる。
なお、予備混合において、(A)成分のフェノール系硬化剤を2種以上用いてもよい。
上記(B)成分のマレイミド樹脂は、本発明の効果を妨げない範囲で、上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂以外のマレイミド樹脂を併用してもよい。併用可能なマレイミド樹脂としては、例えば、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシン)フェニル]プロパン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン等を挙げることができるが、これら以外の従来公知のマレイミド樹脂を併用してもよい。
なお、上記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂以外のマレイミド樹脂を配合する場合、その配合量は、(B)成分のマレイミド樹脂100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが更に好ましい。
〔(C)軟化点が110℃以上125℃以下である酸化型ポリエチレンワックス〕
本発明で用いる(C)成分の軟化点が110℃以上125℃以下である酸化型ポリエチレンワックスは、離型剤として働くものである。
本発明の封止用成形材料は、マレイミド樹脂を主体とし、該樹脂に良好な金型離型性を与えるために、上記(C)成分を添加する。
ここで、「ポリエチレンワックス」とは、主としてエチレンを繰り返し単位とするポリマーのうち、常温(20℃前後)で固体または半固体であって、常温から160℃付近までの温度範囲で溶融するものをいう。また、繰り返し単位の一部にプロピレンを含んでいても良い。具体的には、ポリマー全量のうち、20質量%未満のプロピレンを含んでいても良い。
また、本発明において、「酸化型ポリエチレンワックス」とは、酸価が1mgKOH/g以上のポリエチレンワックスを指す。その具体例としては、例えば、分子の一部にカルボキシル基を含むポリエチレン、又はエチレン・プロピレン共重合物のうち、上記性質を示すものが挙げられる。カルボキシル基の導入は、いわゆる空気酸化による方法でもよいし、他化合物との共重合による方法でもよい。
上記(C)成分の酸価は、3〜50mgKOH/gであることが好ましく、5〜40mgKOH/gであることがより好ましく、10〜30mgKOH/gであることが更に好ましい。3mgKOH/g以上であると被着体への密着性が向上し、また、金型界面への均一な分散を可能とする。50mgKOH/g以下であると金型離型性を高めることができる。
軟化点が110℃以上の酸化型ポリエチレンワックスは、一般に、数平均分子量や重量平均分子量が大きく、比較的高い結晶性を有することが多い。このような酸化型ポリエチレンワックスは、金型界面へ染み出しやすく、樹脂成形物に良好な金型離型性を与える。また、被着体との密着性の観点から、その軟化点は125℃以下とする。
上記(C)成分は、軟化点が110℃以上、125℃以下である。下限値としては、好ましくは112℃以上、より好ましくは115℃以上であり、上限値としては、好ましくは122℃以下、より好ましくは120℃以下である。軟化点が110℃未満では、金型界面へ染み出しにくくなり、樹脂成形物の金型離型性を低下させ、成形性を悪化させるおそれがある。軟化点が125℃を超えると金型界面への過剰な染み出しにより、被着体への密着性の低下を招くおそれがある。
なお、本発明における軟化点とは、「環球式軟化点」を指し、ASTM D36に準拠して測定された値をいう。
上記(C)成分の含有量は、上述の(B)成分100質量部に対し、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、0.03〜0.4質量部であることがより好ましく、0.05〜0.3質量部であることが更に好ましい。0.01質量部以上とすることで金型離型性を高めることができ、0.5質量部以下とすることで被着体への密着性が向上し、成形物の外観を良好にすることができる。
上記(C)成分は、封止用成形材料中に直接添加してもよいし、予め上記(A)成分や上記(B)成分と予備混合を行ってから添加してもよい。予備混合の方法は特に限定されず、公知の混合方法を用いることができる。具体的には、上記(B)成分で説明した方法が挙げられる。
上記(C)成分は、例えば、HW−4052E(三井化学(株)製、軟化点115℃、酸価20mgKOH/g)、HW−4051E(三井化学(株)製、軟化点120℃、酸価12mgKOH/g)等が市販品として入手することができる。
本発明の封止用成形材料は、さらに(D)成分のシリコーン系ワックスを含有することが好ましい。中でも、常温で液状のアミン変性シロキサン化合物、とりわけ両末端アミン変性シロキサン化合物が、密着性及び離型性のバランスの観点から、好ましい。
上記(D)成分の含有量は、上述の(B)成分100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることが更に好ましい。0.1質量部以上とすることで金型離型性を高めることができ、10質量部以下とすることで被着体への密着性を高めることができる。
上記(D)成分は、封止用成形材料中に直接添加してもよいし、予め上記(A)成分や上記(B)成分の一部、又は全部と予備混合を行ってから添加してもよい。予備混合の方法は特に限定されず、公知の混合方法を用いることができる。具体的には、上記(B)成分で説明した方法が挙げられる。
常温で液状の両末端アミン変性シロキサン化合物としては、例えば、X−22−1660B−3(信越化学工業(株)製)、PAM−E、KF−8010、X−22−161A、X−22−161B、KF−8012、KF−8008、X−22−9409(以上、信越化学工業(株)製)、SF 8417、BY 16−849、BY 16−205、FZ−3760、BY 16−892、FZ−3785、BY 16−872(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)等が市販品として入手することができる。
なお、上記化合物は、予備混合時のアミノ基の反応性、密着性、離型性の観点から適宜選択して使用する。
本発明の封止用成形材料には、上記(C)成分及び上記(D)成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、天然カルナバワックスや合成脂肪酸系ワックス等、封止用成形材料向けに従来公知の離型剤を配合してもよい。
上記(C)成分及び上記(D)成分以外の離型剤を配合する場合、その配合量は、封止用成形材料全量に対し、1質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以下とすることがより好ましく、0.3質量%以下とすることが更に好ましい。
〔(E)エポキシ樹脂〕
本発明の封止用成形材料は、さらに(E)成分のエポキシ樹脂を含有することが、封止用成形材料の硬化物のガラス転移温度(Tg)をより高くする観点から好ましい。上記(E)成分のエポキシ樹脂は、一分子中に2個以上のエポキシ基を有し、トリフェニルメタン骨格、及び/又はナフタレン骨格を含む。具体的には、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂、及びナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂のうち少なくとも1種を含む硬化性エポキシ樹脂である。
上記トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。

(式(V)中、nは0〜10である。)
また、上記ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、一分子中に少なくとも2個以上のグリシジル基を有し、少なくとも1つのナフタレン環を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、下記一般式(VI)、及び下記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂が挙げられ、これらを好ましく用いることができる。

(式(VI)中、mは0〜10である。)
上記(E)成分のエポキシ樹脂は、上記一般式(V)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂、上記一般式(VI)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及び上記一般式(VII)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含むことが、封止用成形材料の硬化物のガラス転移温度(Tg)を高め、成形性を良好にする観点から好ましい。
なお、上記一般式(V)〜(VII)で表されるエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(V)で表されるエポキシ樹脂は、EPPN−502H(日本化薬(株)製)として、上記一般式(VI)で表されるエポキシ樹脂は、ESN−375(新日鉄住金化学(株)製)として、上記一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂は、HP−4710(DIC(株)製)として、それぞれ市販品として入手することができる。
また、上記トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂及びナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の軟化点は、主として生産性の観点から、好ましくは55〜100℃、より好ましくは60〜90℃、更に好ましくは65〜85℃である。
上記(E)成分の含有量は、エポキシ当量換算で、上記(A)成分の水酸基100当量に対して10〜40当量であることが好ましい。10当量以上とすることで、封止用成形材料のガラス転移点を高め、硬化物の耐熱分解性を向上させることができる。また、40当量以下とすることで、上記(A)成分のフェノール系硬化剤との架橋構造の増加による耐熱分解温度の低下を抑えることが可能となる。
(E)成分のエポキシ樹脂全量に対する、上記一般式(V)〜(VII)で表されるエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは90〜100質量%である。上記範囲内とすることにより、封止用成形材料の硬化物の耐熱性を向上させることができる。
なお、2種以上を併用する場合には、それらの合計量が上記範囲内となるように調製する。
上記(E)成分のエポキシ樹脂は、上記トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂及び上記ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂の他に、本発明の効果を損なわない範囲で半導体素子封止材料として用いられるエポキシ樹脂を併用することができる。併用可能なエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これら以外のエポキシ樹脂を併用してもよい。
なお、上記(E)成分以外のエポキシ樹脂を併用する場合、その配合量は(E)成分のエポキシ樹脂100質量部に対し、30質量部以下とすることが好ましく、20質量部以下とすることがより好ましく、10質量部以下とすることが更に好ましい。
本発明の封止用成形材料では、その硬化を促進させるために、上記(A)〜(E)成分の他に、硬化促進剤を添加することが好ましい。適用可能な硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボロン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等を挙げることができる。耐熱信頼性と成形性とのバランスの観点から、リン系硬化促進剤、中でもトリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、又はトリフェニルホスフィンを単独で、或いは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等と併用して用いることが好ましい。
本発明の封止用成形材料では、耐湿性や機械強度、被着体との密着性等の観点から、シランカップリング剤を添加することが好ましく、中でも、機械強度、及び被着体との密着性のバランスの観点から、トリメトキシシラン系カップリング剤とトリエトキシシラン系カップリング剤とを併用することが好ましい。
上記トリメトキシシラン系カップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記トリエトキシシラン系カップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
トリメトキシシラン系カップリング剤とトリエトキシシラン系カップリング剤との併用例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとの併用等が挙げられるが、その他、上記したシランカップリング剤同士の任意の組み合わせや、それ以外の組み合わせも可能である。
なお、シランカップリング剤は、後述するシリカ等の無機充填材と単純に混合して用いてもよいし、予め無機充填材に表面処理を施してもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、アルミネート系カップリング剤やチタネート系カップリング剤を添加しても構わない。
本発明の封止用成形材料では、硬化物の機械強度、線膨張係数、熱伝導性等を向上させる観点から、無機充填材を添加してもよい。無機充填材としては、封止用成形材料に一般に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、窒化アルミ、窒化ホウ素等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記無機充填材の平均粒径は、通常、0.5〜30μm程度、好ましくは5〜20μmである。なお、上記平均粒径は、レーザ回折散乱方式(たとえば、(株)島津製作所製、装置名:SALD-3100)により測定された値である。
封止用成形材料全量に対する上記無機充填材の配合量は、流動特性や線膨張係数、熱伝導率等の観点から、好ましくは60〜95質量%、より好ましくは65〜90質量%、更に好ましくは70〜85質量%である。
本発明の封止用成形材料では、必要に応じ難燃剤を添加してもよい。難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸エステル等のリン化合物、メラミン、シクロホスファゼン等を挙げることができるが、これら以外の従来公知の難燃剤を用いてもよい。これらは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の封止用成形材料には、半導体素子の耐湿性や高温放置特性向上等の観点から、陰イオン交換体等のイオントラップ剤を配合してもよい。陰イオン交換体としては、例えば、ハイドロタルサイト類、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等から選ばれる元素の含水酸化物等を挙げることができるが、これら以外の従来公知の陰イオン交換体を用いてもよい。これらは、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、上述した成分以外にも、必要に応じ、着色剤や低応力剤等、封止用成形材料向けに従来公知の添加剤等を添加することが可能である。
本発明の封止用成形材料は、上述した各成分を所定量配合したものを均一に分散混合することにより、調製することができる。調製方法は、特に限定されないが、一般的な方法として、例えば、上記各成分を所定量配合したものを、ミキサー等で十分に混合し、次いで、ミキシングロール、押出機等により溶融混合した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。
このようにして得られた封止用成形材料は耐熱性、及び成形性に優れる。また、上記封止用成形材料の硬化物のガラス転移温度は、好ましくは250℃以上、より好ましくは260℃以上、更に好ましくは270℃以上である。上記封止用成形材料の硬化物の熱分解温度は、好ましくは360℃以上、より好ましくは370℃以上、更に好ましくは380℃以上である。さらに、上記封止用成形材料の硬化物の密着力は、信頼性の観点から、好ましくは7MPa以上、より好ましくは10MPa以上である。
なお、硬化物のガラス転移温度、熱分解温度、及び密着力は、実施例に記載の方法により測定できる。
(電子部品装置)
本発明の電子部品装置は、上記封止用成形材料により封止された素子を備える。上記電子部品装置とは、リードフレーム、単結晶シリコン半導体素子又はシリコン、ガリウム等の化合物半導体素子等の支持部材、これらを電気的に接続するためのワイヤやバンプ等の部材、及びその他の構成部材一式に対し、必要部分を上記封止用成形材料により封止された電子部品装置のことである。
また、上記封止用成形材料を用いることにより、耐熱性に優れ、高温放置後でも剥離やクラックを発生しにくい電子部品装置とすることができる。
本発明の封止用成形材料を用いて封止する方法としては、トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
次に実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1〜10、及び比較例1〜7)
表1及び表2に記載の種類及び配合量の各成分をミキシング二軸ロールで混練し、封止用成形材料を調製した。各実施例及び比較例における混練温度は、約120℃に設定した。なお、表1及び表2中、空欄は配合なしを表す。
封止用成形材料の調製に使用した表1及び表2に記載の各成分の詳細は以下のとおりである。
<フェノール系硬化剤>
〔(A)成分〕
・MEH−7500:トリフェニルメタン型フェノール樹脂(一般式(II)中のx=1〜4であるフェノール樹脂が主成分)、明和化成(株)製、商品名、水酸基当量97、軟化点110℃
・SN−485:ナフトールアラルキル樹脂(一般式(III)中のy1=0〜3であるフェノール樹脂が主成分)、新日鉄住金化学(株)製、商品名、水酸基当量215、軟化点87℃
<マレイミド樹脂>
〔(B)成分〕
・BMI−1000:N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド(一般式(I)中のz=0を主成分とする)、大和化成工業(株)製、商品名
・BMI−2300:ポリフェニルメタンマレイミド(一般式(I)中のz=0〜2を主成分とする)、大和化成工業(株)製、商品名
なお、上記マレイミド樹脂は、その全量を(A)成分のフェノール系硬化剤の全量に加え予備混合して用いた。予備混合は、120〜150℃で(A)成分のフェノール系硬化剤の全量を溶融させた後、同温度で、マレイミド樹脂を徐々に加えて混合し、その全量が溶融した後、更に30分程攪拌した。
<軟化点が110℃以上125℃以下である酸化型ポリエチレンワックス>
〔(C)成分〕
・HW−4052E:三井化学(株)製、商品名、軟化点115℃、酸価20mgKOH/g
・HW−4051E:三井化学(株)製、商品名、軟化点120℃、酸価12mgKOH/g
<(C)成分以外の離型剤(ポリエチレンワックス)>
・HW−200P:三井化学(株)製、商品名、軟化点130℃、非酸化型
・HW−405MP:三井化学(株)製、商品名、軟化点128℃、酸価1mgKOH/g
・HW−4202E:三井化学(株)製、商品名、軟化点107℃、酸価17mgKOH/g
<シリコーン系ワックス>
〔(D)成分〕
・X−22−1660B−3:アミン変性ジメチルシロキサン化合物、信越化学工業(株)製、商品名
上記アミン変性ジメチルシロキサン化合物は、その全量を予め(A)成分及び(B)成分の全量に加え予備混合して用いた。予備混合は、120〜150℃で(A)成分の全量を溶融させた後、(B)成分を添加し、(B)成分の全量を溶解させた後に、アミン変性ジメチルシロキサン化合物を加えて混合し、その全量が溶融した後、更に10分程攪拌した。
<エポキシ樹脂>
〔(E)成分〕
・EPPN−502H:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(一般式(V)中のn=0〜3であるエポキシ樹脂が主成分)、日本化薬(株)製、商品名、エポキシ当量168、軟化点67℃
・ESN−375:ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(一般式(VI)中のm=0〜3であるエポキシ樹脂が主成分)、新日鉄住金化学(株)製、商品名、エポキシ当量172、軟化点75℃
・HP−4710:ジヒドロキシナフタレンノボラック型エポキシ樹脂(一般式(VII)で表されるエポキシ樹脂)、DIC(株)製、商品名、エポキシ当量161、軟化点82℃
<その他>
・KBM−403:カップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製、商品名
・FB−105:無機充填材(溶融球状シリカ)、電気化学工業(株)製、商品名、平均粒径18μm、比表面積4.5m/g
・PP−200:硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)、北興化学工業(株)製、商品名
・2P4MHZ:硬化促進剤(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)、四国化学工業(株)製、商品名
・MA−600:着色剤(カーボンブラック)、三菱化学(株)製、商品名
以下に示す測定条件により、実施例1〜10、及び比較例1〜7で調製した封止用成形材料の特性の測定、及び評価を行った。評価結果を表1及び表2に示した。なお、成形材料の成形は、明記しない限りトランスファ成形機により、金型温度185℃、成形圧力10MPa、硬化時間180秒の条件で行った。また、後硬化は220℃で6時間行った。
<評価項目>
(1)ガラス転移温度(Tg)
封止用成形材料の硬化物の耐熱性の目安の一つとしてガラス転移温度(Tg)を測定した。まず、縦4mm×横4mm×高さ20mmの金型を用いて、封止用成形材料を上記条件で成形し、更に、上記条件で後硬化させ、成形品(縦4mm×横4mm×厚み20mm)を作製した。該成形品を必要な寸法に切り出したものを試験片とし、該試験片のガラス転移温度(Tg)を、熱分析装置(セイコーインスツル(株)製、SSC/5200)を用いて測定した。なお、250℃以上を合格とする。
(2)熱分解温度
封止用成形材料の硬化物の耐熱性のもう一つの目安として、TG−DTAによる熱分解温度を測定した。上記(1)と同サイズの試験片を乳鉢で十分にすり潰して得られた粉末を用い、昇温速度10℃/分で室温(25℃)から600℃まで加熱した。得られた重量変化チャートから、1%の重量減少が認められた温度を熱分解温度とした。測定装置はセイコーインスツル(株)製の「EXSTAR6000」を用いた。なお、360℃以上を合格とする。
(3)成形性
離型荷重測定成形機(京セラケミカル(株)製、商品名「GM−500」)を用いて、PBGA(Plastic Ball Grid Array、30mm×30mm×1mm、t/2ヶ取り)に対して、300ショットの連続成形を行った。金型温度を185℃、成形時間を180秒とした。なお、以下の基準で評価した。
◎:300ショットまで連続成形が可能であり、金型汚れ等も見られなかった
○:300ショットまで連続成形が可能であった
×:未硬化、又は金型への貼りつき等により300ショットまでの連続成形が不可能であった
(4)密着力
無電解Niメッキリードフレーム((株)三井ハイテック製、商品名「KLF−125」)上に、直径3.5mmの封止用成形材料を上記条件で成形し、更に、上記条件で後硬化させた成形品をそれぞれ10個作製した。ボンドテスター−SS−30WD(西進商事(株)製、商品名)を用い、ヘッドスピード0.08mm/秒でシェア強度を測定した。なお、ヘッド高さは被着体上0.5mmとした。7MPa以上を合格とする。
以上説明したように、(A)成分〜(C)成分を含有する封止用成形材料を用いた実施例1〜10では、いずれも硬化物のガラス転移温度が270℃以上、熱分解温度が395℃以上で耐熱性に優れ、また、成形性が良好であり、密着力が高い結果が得られた。
一方、(C)成分を含まない比較例1〜7では、耐熱性は有するものの成形性及び/又は密着力の評価が悪い結果となった。
本発明の封止用成形材料は、電子部品装置などに利用できる。

Claims (8)

  1. (A)トリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を有するフェノール系硬化剤と、(B)下記一般式(I)で表されるマレイミド樹脂と、(C)軟化点が110℃以上125℃以下である酸化型ポリエチレンワックスとを含有し、前記(A)成分の含有量が、前記(B)成分の全量100質量部に対し、10〜50質量部である、封止用成形材料。

    (式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基であって、炭化水素基はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rが複数存在する場合、該複数のRは、互いに同一でも異なっていてもよい。pはそれぞれ独立に0〜4の整数、qは0〜3の整数、zは0〜10である。)
  2. さらに、(D)シリコーン系ワックスを含有する、請求項1に記載の封止用成形材料。
  3. 前記(C)成分の含有量が、前記(B)成分の全量100質量部に対し、0.01〜0.5質量部である、請求項1又は2に記載の封止用成形材料。
  4. 前記(A)成分が、下記一般式(II)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂、下記一般式(III)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂、及び下記一般式(IV)で表されるナフタレン骨格を有するフェノール樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止用成形材料。

    (式(II)中、xは0〜10である。)

    (式(III)中、y1は0〜10である。また、式(IV)中、y2は0〜10である。)
  5. さらに、(E)トリフェニルメタン骨格及び/又はナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止用成形材料。
  6. 前記(E)成分が、下記一般式(V)で表されるトリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂、下記一般式(VI)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及び下記一般式(VII)で表されるナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項5に記載の封止用成形材料。

    (式(V)中、nは0〜10である。)

    (式(VI)中、mは0〜10である。)
  7. 前記(E)成分の含有量が、エポキシ当量換算で、前記(A)成分の水酸基100当量に対して10〜40当量である、請求項5又は6に記載の封止用成形材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の封止用成形材料により封止された素子を備える、電子部品装置。
JP2016029814A 2016-02-19 2016-02-19 封止用成形材料及び電子部品装置 Active JP6537188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029814A JP6537188B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 封止用成形材料及び電子部品装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016029814A JP6537188B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 封止用成形材料及び電子部品装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017145366A JP2017145366A (ja) 2017-08-24
JP6537188B2 true JP6537188B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=59682784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016029814A Active JP6537188B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 封止用成形材料及び電子部品装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6537188B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019116532A (ja) * 2017-12-26 2019-07-18 京セラ株式会社 封止成形材料用組成物及び電子部品装置
TWI804615B (zh) 2018-05-18 2023-06-11 日商信越化學工業股份有限公司 半導體密封用熱固性馬來醯亞胺樹脂組合物及半導體裝置
JPWO2021039687A1 (ja) * 2019-08-26 2021-03-04

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2635621B2 (ja) * 1987-09-30 1997-07-30 株式会社東芝 半導体装置封止用樹脂組成物
JP3128291B2 (ja) * 1990-10-31 2001-01-29 株式会社東芝 マレイミド樹脂組成物およびこれを用いた樹脂封止型半導体装置
JP6060541B2 (ja) * 2012-02-23 2017-01-18 日立化成株式会社 半導体封止用熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP6111708B2 (ja) * 2013-02-04 2017-04-12 日立化成株式会社 硬化性樹脂組成物及び電子部品装置
JPWO2015019407A1 (ja) * 2013-08-05 2017-03-02 日立化成株式会社 エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2016023279A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 住友ベークライト株式会社 封止用樹脂組成物、半導体装置および構造体
JP6537170B2 (ja) * 2015-05-12 2019-07-03 京セラ株式会社 封止用成形材料及び電子部品装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017145366A (ja) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6614700B2 (ja) 封止用成形材料及び電子部品装置
JP7356931B2 (ja) 炭化ケイ素、酸化ガリウム、窒化ガリウム及びダイヤモンド素子封止用成形材料組成物、並びに電子部品装置
JP6497652B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品
JP6537188B2 (ja) 封止用成形材料及び電子部品装置
JP2018104683A (ja) 封止成形材料用組成物及び電子部品装置
TW201710383A (zh) 液狀樹脂組成物
JP6537170B2 (ja) 封止用成形材料及び電子部品装置
JP6992967B2 (ja) 封止成形材料用組成物及び電子部品装置
JP6794218B2 (ja) 封止成形材料用組成物及び電子部品装置
TWI814868B (zh) 半導體封裝用熱固性樹脂組合物及半導體裝置
JP6566349B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品
JP2019172738A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP6611861B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品
JP6733950B2 (ja) 封止用成形材料及び電子部品装置
TWI696655B (zh) SiC及GaN元件密封用成形材料組合物、電子零件裝置
JP6943010B2 (ja) 半導体装置
JP2002194064A (ja) 半導体封止用樹脂組成物、およびそれを用いた半導体装置
JP2004256729A (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置
JP5943486B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置
JP3358447B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物
JP3842258B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品封止装置
JP5943488B2 (ja) 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置
JP2004256648A (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置
CN116997608A (zh) 模塑用环氧树脂组合物
JP2019189765A (ja) 熱硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170830

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180810

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6537188

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150