本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。図1に示す本実施形態に係る紙幣処理装置11は、紙幣Sを識別し、その中から正常紙幣以外のリジェクト紙幣を排除しつつ正常紙幣のみを金種別に計数して合計金額を算出する識別処理を行うものである。言い換えれば、正常紙幣とは、紙幣処理装置11の識別処理にて金種別に計数される紙幣Sであり、リジェクト紙幣は、紙幣処理装置11の識別処理にて計数されずに排除される紙幣Sである。この紙幣処理装置11は、例えば、売上金を計数するために用いられる。
紙幣処理装置11は、その右側面の下部に設けられて右側方に開口する装填部12と、同じく右側面の上下方向中間部に設けられて右方に開口する第1リジェクト部13(リジェクト部)と、第1リジェクト部13の左方に配置されて装置前面に開口する複数(具体的には6カ所)の第2リジェクト部14と、対応する第2リジェクト部14の下方に隣接配置されて装置前面に開口する複数(具体的には6カ所)の集積部15とを有している。装填部12には、紙幣Sのセットの有無を検知するセット検知センサ16が設けられている。
複数の第2リジェクト部14と複数の集積部15とは、すべて同構造であり、格子の交点位置に位置するように3列4段に整列配置されている。具体的に、右列の最上段に第2リジェクト部14が、右列の上から2段目にこれに対応する集積部15が、右列の上から3段目に第2リジェクト部14が、右列の最下目にこれに対応する集積部15が、それぞれ設けられている。中間列についても、上から順に、第2リジェクト部14、これに対応する集積部15、第2リジェクト部14、これに対応する集積部15となっており、左列についても、上から順に、第2リジェクト部14、これに対応する集積部15、第2リジェクト部14、これに対応する集積部15となっている。
装填部12には、紙幣Sが上下方向に集積された状態でセットされることになり、装填部12は、セットされた紙幣Sを最下のものから一枚ずつ分離し繰り出して紙幣処理装置11内に取り込む。紙幣処理装置11の内部には、装填部12から繰り出された紙幣Sを搬送する搬送部21(集積部,リジェクト部,第1リジェクト部,第2リジェクト部)と、搬送部21で搬送中の紙幣Sの真偽および金種等を識別しつつ計数する識別部22とが設けられている。
搬送部21は、識別部22の識別結果に基づいて紙幣Sを第1リジェクト部13、複数の第2リジェクト部14および複数の集積部15のいずれか一つに択一的に振り分ける。搬送部21は、各部を結ぶように適宜分離して配置されて紙幣Sを搬送する搬送路25と、搬送路25の各分岐位置に設けられて紙幣Sを振り分ける複数の振分部26とを有している。
第1リジェクト部13は、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22で所定の異常と識別された第1リジェクト紙幣を紙幣処理装置11外に取り出し可能に排除するものである。第1リジェクト部13は、搬送部21から送り込まれる第1リジェクト紙幣を送り込み順(言い換えれば装填部12の繰り出し順)に下から上に集積させる。第1リジェクト紙幣は、紙幣処理装置11の識別処理にて金種別に計数されない紙幣Sである。
複数の第2リジェクト部14は、いずれも、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22で正常でないと識別された、上記第1リジェクト紙幣とは種類が異なる所定の異常の第2リジェクト紙幣を紙幣処理装置11外に取り出し可能に排除するものである。複数の第2リジェクト部14は、いずれも、搬送部21から送り込まれる第2リジェクト紙幣を送り込み順(言い換えれば装填部12の繰り出し順)に下から上に集積させる。第2リジェクト紙幣も、紙幣処理装置11の識別処理にて金種別に計数されない紙幣Sである。
複数の集積部15は、いずれも、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22で正常と識別された正常紙幣を紙幣処理装置11外に取り出し可能に集積させるものである。複数の集積部15は、いずれも、搬送部21から送り込まれる正常紙幣を送り込み順(言い換えれば装填部12の繰り出し順)に下から上に集積させる。ここで、正常紙幣は、紙幣処理装置11の識別処理にて金種別に計数される紙幣Sである。
紙幣処理装置11の前面には、操作入力を受け付けるとともに情報表示を行う操作表示部31(入力手段,表示手段,設定手段)が設けられている。また、紙幣処理装置11の内部には、装填部12、搬送部21、識別部22等の紙幣処理装置11の各部を制御する制御部32と、識別の基準となるマスタデータや識別計数結果のデータ等を記憶する記憶部33(画像データ記憶手段)とが設けられている。なお、記憶部33に記憶されるデータの一部または全部を、この記憶部33を含む紙幣処理装置11とは異なる他のデータベース装置に記憶させ、通信により、データの記憶および読み出しを行うことも可能である。
識別部22には、紙幣Sの両面の画像データを取り込む画像データ取込部41(読取手段,画像データ取込手段)が設けられている。この画像データ取込部41は、搬送部21上を移動する紙幣Sの厚さ方向の一側の面の画像をスキャンする一面画像検出部41Aと、搬送部21上を移動する紙幣Sの厚さ方向の他側の面の画像をスキャンする他面画像検出部41Bとからなっている。ここで、一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bとしては例えばCCDカメラやラインセンサ等が用いられる。画像データ取込部41を構成する一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bは、制御部32に接続されており、制御部32は、一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bの画像データに基づいて、機外から装填部12にセットされた紙幣Sが、正常紙幣、第1リジェクト紙幣および第2リジェクト紙幣のいずれであるのかと、正常紙幣の金種とを識別し、正常紙幣を金種別に計数して合計金額を算出する。
制御部32には、図2に示すように、OCR部45(読取手段)が設けられている。OCR部45は、光学式文字読取装置であり、一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データから文字情報を読み取り、その中から紙幣Sに印刷により形成された図3に示す一対の記番号情報Dを抽出する。言い換えれば、画像データ取込部41およびOCR部45は、装填部12で繰り出された紙幣Sからこの紙幣Sに形成された一対の記番号情報Dを読み取る。なお、一対の記番号情報Dは紙幣Sの片面にしか形成されていないため、一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bによる紙幣Sの両面の画像検出が必要となる。一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bの配置は、紙幣Sの両面の画像を取り込んで、いずれかの面に形成されている一対の記番号情報Dを確実に読み取ることができるものであれば、どのような配置構成を採用しても良い。一対の記番号情報Dは、紙幣毎に設定された規定の位置に印刷されている。
記憶部33には、一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データと比較するための基準の金種別のマスタデータが記憶されている。紙幣Sの各金種別のマスタデータは、紙幣Sの両面の少なくとも模様のデータを含むものであり、模様、色彩および色の濃淡のデータとなっている。模様、色彩および色の濃淡のデータは、紙幣Sが正常紙幣であるか否かを判別する際に判別の主体とされる主判別データである。
制御部32は、制御本体部50と、搬送制御部51(集積部,リジェクト部,第1リジェクト部,第2リジェクト部)と、合成部53(合成手段)と、判定部54(判定手段)とを有している。搬送制御部51は、搬送部21つまり搬送路25および振分部26を制御して、装填部12から繰り出される紙幣Sを、判定部54の判定結果に基づいて、第1リジェクト部13、複数の第2リジェクト部14および複数の集積部15の中から択一的に搬送する。合成部53は記憶部33に記憶されるデータまたは記憶部33に記憶されたデータを加工する。
制御部32は、その制御本体部50が、操作表示部31に入力された、排除対象となるリジェクト紙幣の記番号情報つまり排除記番号情報を記憶部33に記憶させるようになっている。つまり、制御本体部50は、操作表示部31を用いて入力案内がされる設定入力モードにおいて、操作表示部31を介して排除記番号情報の入力を可能とし、操作表示部31を介して排除記番号情報が入力されると、これを記憶部33に記憶させるようになっている。偽券は、同じ記番号情報が形成されたものが複数枚作成されることが多いことから、排除記番号情報として過去に発見された偽券に形成された記番号情報を設定することにより、偽券を見つけ出すことができる。
ここで、排除記番号情報としては、図3に示す紙幣Sの記番号情報の番号そのものを特定する情報である数字およびアルファベットの全文字列(例えば、図3の「AB123456A」等)の入力は勿論、紙幣Sの記番号情報の数字の通し番号を特定する情報である数字列(例えば、図3の「123456」等)の入力も可能である。また、紙幣の記番号情報の頭記号のアルファベットを特定する情報であるアルファベットの文字あるいは文字列(例えば、図3の「AB」等)の入力や、全文字列のうちの所定の一部の箇所(例えば、図3の3番目および4番目の「12」等)の入力も可能であり、紙幣Sの記番号の色(例えば「黒」)の選択入力も可能となっている。
制御本体部50は、排除記番号情報として紙幣Sの記番号情報Dである数字およびアルファベットの全文字列が入力されると、入力された文字列を排除記番号情報として記憶部33に記憶させることになり、排除記番号情報として紙幣Sの記番号情報Dの数字の通し番号の数字列が入力されると、入力された数字列を排除記番号情報として記憶部33に記憶させることになり、排除記番号情報として紙幣Sの記番号情報Dの頭記号のアルファベットが入力されると、入力されたアルファベットを排除記番号情報として記憶部33に記憶させることになり、排除記番号情報として紙幣Sの記番号情報Dの色が選択入力されると、記番号情報の色を排除記番号情報として記憶部33に記憶させることになる。勿論、これらを適宜組み合わせて記憶させることも可能である。
以下では、説明の便宜上、排除記番号情報として数字およびアルファベットの全文字列(例えば、図3の「AB123456A」等)が入力されて排除記番号情報として記憶部33に記憶されている場合を例にとり説明する。
判定部54は、画像データ取込部41の一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データから、この紙幣Sが、金種別に計数して集積部15に集積させる正常紙幣であるか、金種別の計数を行わずに第1リジェクト部13に排除する第1リジェクト紙幣であるか、金種別の計数を行わずに第2リジェクト部14に排除する第2リジェクト紙幣であるかを判定する。
具体的に、判定部54は、画像データ取込部41の一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データから、この紙幣Sが、搬送方向に対して所定の角度以上に傾斜している斜行状態にある場合は、第1リジェクト紙幣であると判定する。また、この紙幣Sが、直前に画像データ取込部41で検出された紙幣Sに対して所定の距離以内に近づいているニアフィード状態にある場合は、第1リジェクト紙幣であると判定する。つまり、斜行紙幣およびニアフィード紙幣は、いずれもジャムの原因となる可能性が高いため、第1リジェクト紙幣であると判定して、第1リジェクト部13に排除する。
紙幣Sが斜行状態になくニアフィード状態にもない場合、判定部54は、この紙幣Sについて、画像データ取込部41の一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された画像データに含まれる模様、色彩および色の濃淡を含む主判別データを、記憶部33に記憶された各金種別のマスタデータと比較して、所定の一致度以上で一致する金種のマスタデータがあるか否かを判定する。主判別データが、いずれの金種のマスタデータとも所定の一致度以上で一致しない場合、判定部54は、この紙幣Sが、第1リジェクト紙幣であると判定して、第1リジェクト部13に排除する。主判別データが、いずれの金種のマスタデータとも所定の一致度以上で一致しない紙幣Sは、偽券、汚損券や外国券である。
画像データの主判別データが、いずれかの金種のマスタデータと所定の一致度以上で一致する場合、判定部54は、この紙幣Sについて、この一致するマスタデータの金種の紙幣であると金種を仮判定する。つまり、この紙幣Sは、識別部22の画像データ取込部41および判定部54で金種識別が可能な紙幣となる。次に、判定部54は、この紙幣Sについて、OCR部45で一対の記番号情報Dを読み取ることができたか否かを判定する。OCR部45で一対の記番号情報Dのうちの少なくともいずれか一方を読み取り不可の場合、判定部54は、この紙幣Sが、第2リジェクト紙幣であると判定して第2リジェクト部14に排除する。
OCR部45で一対の記番号情報Dの両方を読み取り可能な場合、判定部54は、この紙幣Sについて、読み取った一対の記番号情報Dが互いに一致するか否かを判定する。つまり、この紙幣Sに形成された一対の記番号情報Dのうちの一方である数字およびアルファベットの全文字列と、他方である数字およびアルファベットの全文字列とがすべて一致するか否かを判定する。一対の記番号情報Dが互いに一致しない場合、判定部54は、この紙幣Sが、第1リジェクト紙幣であると判定して、第1リジェクト部13に排除する。
一対の記番号情報Dが互いに一致する場合、判定部54は、この紙幣Sについて、読み取った記番号情報Dと一致するものが、記憶部33に記憶された排除記番号情報の中にあるか否かを判定する。つまり、画像データ取込部41とOCR部45とで読み取った記番号情報Dに該当するものが、排除記番号情報の中にある場合、判定部54は、この紙幣Sが、排除対象に該当する第1リジェクト紙幣であると判定して、第1リジェクト部13に排除する。具体的に、排除記番号情報として、紙幣Sの記番号情報Dの番号そのものを特定する、例えば「AB123456A」の文字列が記憶部33に記憶されている場合、判定部54は、画像データ取込部41で取り込んだ画像からOCR部45で読み取った記番号情報Dの文字列が、この排除記番号情報である「AB123456A」の紙幣を第1リジェクト紙幣であると判定する。
他方、判定部54は、画像データ取込部41とOCR部45とで読み取った記番号情報Dと一致するものが、記憶部33に記憶された排除記番号情報の中にない場合、この紙幣Sが、正常紙幣であると判定して、集積部15に集積させる。判定部54は、正常紙幣であると判定した紙幣Sのみ、上記のように仮判定した金種を確定し、この金種の紙幣Sの計数値を1枚分カウントアップする。他方、判定部54は、第1リジェクト紙幣であると判定した紙幣Sおよび第2リジェクト紙幣であると判定した紙幣Sについては、計数値として反映させることはない。
以上により、判定部54が正常紙幣と判定して集積部15に集積させる紙幣Sは、斜行券ではなく、かつ、ニアフィード券ではなく、かつ、主判別データがマスタデータと所定の一致度以上で一致し(言い換えれば金種識別が可能であり)、かつ、一対の記番号情報Dを両方読み取り可能であり、かつ、一対の記番号情報Dが互いに一致し、かつ、一対の記番号情報Dと一致するものが排除記番号情報の中にないものである。よって、装填部12から繰り出された紙幣Sの中から正常紙幣を集積させる、搬送部21、集積部15および搬送制御部51は、画像データ取込部41とOCR部45とで記番号情報Dを読み取り可能であって読み取った記番号情報Dが排除対象に該当しない紙幣Sを集積させることになり、しかも、判定部54が一対の記番号情報Dが互いに一致すると判定した紙幣Sを集積させることになる。また、装填部12から繰り出された紙幣Sの中から正常紙幣を集積させる、搬送部21、集積部15および搬送制御部51は、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が可能であり且つデータ取込部41とOCR部45とで記番号情報Dを読み取り可能な紙幣Sを集積させることになる。
また、第2リジェクト紙幣は、斜行券ではなく、かつ、ニアフィード券ではなく、かつ、主判別データがマスタデータと所定の一致度以上で一致し、かつ、図4に示すように、一対の記番号情報Dの少なくともいずれか一方を読み取り不可の紙幣Sである。よって、装填部12で繰り出された紙幣Sの中から第2リジェクト紙幣を排除する、搬送部21、第2リジェクト部14および搬送制御部51は、画像データ取込部41とOCR部45とで記番号情報Dを読み取り不可の紙幣Sを排除する。よって、装填部12で繰り出された紙幣Sの中から第2リジェクト紙幣を排除する、搬送部21、第2リジェクト部14および搬送制御部51は、画像データ取込部41とOCR部45とで記番号情報Dを読み取り不可の紙幣Sを排除することになる。また、装填部12で繰り出された紙幣Sの中から第2リジェクト紙幣を排除する、搬送部21、第2リジェクト部14および搬送制御部51は、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が可能であり且つ画像データ取込部41とOCR部45とで記番号情報が読み取り不可の紙幣Sを排除する。
第1リジェクト紙幣は、正常紙幣および第2リジェクト紙幣を除いたものである。つまり、第1リジェクト紙幣は、斜行券、または、ニアフィード券、または、主判別データがマスタデータと所定の一致度以上に一致しない紙幣を含む。また、第1リジェクト紙幣は、斜行券ではなく、かつ、ニアフィード券ではなく、かつ、主判別データがマスタデータと一致し、かつ、一対の記番号情報Dを両方読み取り可能であり、かつ、図5に示すように一対の記番号情報Dが互いに不一致の紙幣Sを含む。また、第1リジェクト紙幣は、斜行券ではなく、かつ、ニアフィード券ではなく、かつ、主判別データがマスタデータと一致し、かつ、一対の記番号情報Dを両方読み取り可能であり、かつ、一対の記番号情報Dが互いに一致し、かつ、一対の記番号情報Dが排除記番号情報に含まれる紙幣Sを含む。よって、装填部12で繰り出された紙幣Sの中から第1リジェクト紙幣を排除する、搬送部21、第1リジェクト部13および搬送制御部51は、画像データ取込部41とOCR部45とで記番号情報Dを読み取り可能であって読み取った記番号情報Dが排除対象に該当する紙幣Sを排除するとともに、判定部54が一対の記番号情報Dが互いに一致しないと判定した紙幣Sを排除する。また、装填部12で繰り出された紙幣Sの中から第1リジェクト紙幣を排除する、搬送部21、第1リジェクト部13および搬送制御部51は、斜行紙幣およびニアフィード紙幣を含んで識別部22の画像データ取込部41で金種識別が不可の紙幣Sを排除する。
紙幣処理装置11は、図6に示すように、複数枚の紙幣Sが厚さ方向に連続的に集積されて一纏めにされた紙幣ブロックBを、複数ブロック連続して処理可能となっている。一つの紙幣ブロックBは、例えば口座番号単位に設定される。各紙幣ブロックBの直前位置には各紙幣ブロックBを認識するための仕切シートS1が設けられる。仕切シートS1には、識別のためのバーコード等が印刷されている。
搬送制御部51は、上記した識別部22で正常紙幣以外かつ第2リジェクト紙幣以外と識別された第1リジェクト紙幣に加えて、仕切シートS1をも搬送部21で第1リジェクト部13に搬送させることになる。よって、第1リジェクト部13は、第1リジェクト紙幣および仕切シートS1を紙幣処理装置11外に取り出し可能に排除することになる。
本実施形態に係る紙幣処理装置11では、紙幣ブロックBの装填部12による繰り出し方向の前側(装填部12へのセット状態での下側)の直前位置に、直後位置の紙幣ブロックBを識別するための仕切シートS1が配置されるようになっている。つまり、仕切シートS1は、紙幣ブロックBそれぞれの始端を識別するためのスタートカードとなる。なお、これに限らず、紙幣ブロックBそれぞれの繰り出し方向の後側(装填部12へのセット状態での上側)の直後位置のみに、直前位置の紙幣ブロックBを識別するためのエンドカードとして仕切シートS1を配置するようにしても良い。あるいは、紙幣ブロックBそれぞれの繰り出し方向の前後両側に紙幣ブロックBそれぞれの始端および終端を識別するためのスタートカードおよびエンドカードとして仕切シートS1を配置するようにしても良い。
操作表示部31に識別処理を行う旨の選択操作が入力されると、制御本体部50は、操作表示部31に、装填部12への紙幣Sのセットを促す表示を表示させる。操作者は、この表示にしたがって、仕切シートS1を対応する紙幣ブロックBの装填部12による繰り出し方向前側に配置するようにして、装填部12にセットする。つまり、仕切シートS1、これに対応する紙幣ブロックB、別の仕切シートS1、これに対応する別の紙幣ブロックB、さらに別の仕切シートS1、これに対応するさらに別の紙幣ブロックB、というように順に集積させて、各紙幣ブロックBのそれぞれの下側に対応する仕切シートS1が位置するように上下に配置して、これらを装填部12にセットする。
そして、処理開始の操作指示入力が操作表示部31に入力されると、制御本体部50は、装填部12によって最下の仕切シートS1から紙幣処理装置11内への繰り出しを開始させることになり、繰り出された仕切シートS1および紙幣Sを搬送部21により搬送させる。搬送部21で搬送中の仕切シートS1および紙幣Sは、まず識別部22で識別されることになる。
識別部22が1枚目の仕切シートS1を検出すると、搬送制御部51は、この1枚目の仕切シートS1を第1リジェクト部13に搬送する。識別部22は、1枚目の仕切シートS1に続く紙幣Sを順次識別する。搬送制御部51は、搬送部21を制御して、識別部22の識別結果から上記の正常紙幣と識別された紙幣Sを、3列4段に整列配置された第2リジェクト部14と集積部15とのうち、右列上から2段目の集積部15に、第1リジェクト紙幣を第1リジェクト部13に、第2リジェクト紙幣を右列最上段の第2リジェクト部14に、それぞれ搬送する。
識別部22が2枚目の仕切シートS1を検出すると、制御本体部50は、1枚目の仕切シートS1と2枚目の仕切シートS1との間にあった紙幣ブロックBの紙幣Sの識別が終了したと判断する。そして、制御本体部50は、識別部22の識別結果に基づいて、右列上から2段目の集積部15に集積したすべての正常紙幣の金種別の計数値および合計金額を割り出して記憶部33に記憶させる。
搬送制御部51は、上記のように識別部22で識別された2枚目の仕切シートS1を第1リジェクト部13に搬送する。識別部22は、2枚目の仕切シートS1に続く紙幣Sを順次識別する。搬送制御部51は、搬送部21を制御して、識別部22の識別結果から正常紙幣と識別された紙幣Sを、右列最下段の集積部15に、第1リジェクト紙幣を第1リジェクト部13に、第2リジェクト紙幣を右列上から3段目の第2リジェクト部14に、それぞれ搬送する。
識別部22が3枚目の仕切シートS1を検出すると、制御本体部50は、2枚目の仕切シートS1と3枚目の仕切シートS1との間にあった紙幣ブロックBの紙幣Sの識別が終了したと判断する。そして、制御本体部50は、識別部22の識別結果に基づいて、右列最下段の集積部15に集積したすべての正常紙幣の金種別の計数値および合計金額を割り出して記憶部33に記憶させる。
搬送制御部51は、搬送部21を制御して、3枚目の仕切シートS1を第1リジェクト部13に、その後に連続する紙幣Sのうちの正常紙幣と識別された紙幣を中間列上から3段目の集積部15に、第1リジェクト紙幣を第1リジェクト部13に、第2リジェクト紙幣を中間列最上段の第2リジェクト部14に、それぞれ搬送する。制御部32は、このような処理を、装填部12に紙幣Sがなくなったことをセット検知センサ16が検知するまで行う。
装填部12に紙幣Sがなくなったことをセット検知センサ16が検知すると、制御本体部50は、今回の識別処理に関連するすべての紙幣ブロックBの紙幣Sを識別し、すべての正常紙幣を計数したと判定して、各紙幣ブロックB毎つまり集積部15毎に、識別部22の識別に基づく合計金額を操作表示部31に表示させる。
ここで、第1リジェクト部13には、仕切シートS1と第1リジェクト紙幣とが下から順に集積されており、仕切シートS1との位置関係から、各第1リジェクト紙幣がいずれの紙幣ブロックBから排除されたものであるのかが把握できる。また、各第2リジェクト部14の第2リジェクト紙幣は、それぞれの下方に隣接する集積部15に集積された正常紙幣と同じ紙幣ブロックBから排除されたものとなる。よって、作業者は、識別処理後に、各紙幣ブロックBのそれぞれについて、正常紙幣、第1リジェクト紙幣および第2リジェクト紙幣を把握可能となっている。
ここで、制御本体部50は、識別処理中に、画像データ取込部41の一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データを記憶部33に記憶させている。つまり、識別処理で装填部12から繰り出されたすべての紙幣Sの両面の画像データを記憶部33に記憶させている。その際に、合成部53が、第1リジェクト部13に排除した第1リジェクト紙幣が、一対の記番号情報が互いに一致しないものである場合と、一対の記番号情報が排除記番号情報に含まれる場合とについては、図7に示すように、紙幣の記番号情報形成側の面の画像データSD上の記番号情報の画像データDD1を例えば赤枠の画像データRで囲んで強調して操作表示部31に表示させるようにデータを合成する。制御本体部50は、この合成後の画像データを、記憶部33に記憶させる。
また、制御本体部50は、一の識別処理後に、第2リジェクト部14毎に、記番号情報が読み取り不可の紙幣Sの記番号情報形成側の面の画像データを排除順に並べて操作表示部31に表示させて、作業者に記番号情報の読み取りを促す表示を表示させる。これを見て、作業者は、第2リジェクト部14から紙幣Sを下から順に取り出して、目視確認し、記番号情報が目視で読み取ることができるものについては、操作表示部31に記番号情報を手入力する。すると、合成部53は、図8に示すように、手入力された記番号情報の画像データDD2を、これに対応する紙幣の画像データSD上の記番号情報が形成されるべき位置Pに重ねて赤文字で表示させるようにデータを合成して、記憶部33に記憶させる。このとき、記番号情報の一部が目視での読み取り不可の場合、不明な箇所を不明な旨の記号(例えば「?」や「*」等)で代用して入力可能となっており、合成部53は、不明な箇所を不明な旨の記号で代用して手入力された記番号情報の画像データ(例えば図8に示す「AB1?3456A」)を、これに対応する紙幣の画像データSD上の記番号情報の形成されるべき位置Pに重ねて赤文字で表示させるようにデータを合成する。制御本体部50は、この合成後の画像データを記憶部33に記憶させる。手入力された記番号情報の画像データDD2を、これに対応する紙幣の画像データSDの枠外位置に表示させるようにデータを合成しても良い。
制御本体部50は、記番号情報が手入力されると、この記番号情報と一致するものが、記憶部33に記憶された排除記番号情報の中にあるか否かを判定し、ある場合には、偽券である旨のアラーム表示を操作表示部31に表示させる。このときも、不明な箇所が不明な旨の記号で代用して入力された記番号情報についても、明確な箇所のみについて、一致するものが、記憶部33に記憶された排除記番号情報の中にあるか否かを判定し、ある場合には、偽券である旨のアラーム表示を操作表示部31に表示させる。
作業者は、操作表示部31に表示された識別結果に基づき、例えば、図示略のオンライン端末を用いて、各紙幣ブロックBの金額を、それぞれ対応する口座番号の口座に入金する操作を行うことになる。
上記のように、制御本体部50は、操作表示部31への操作入力により、記憶部33から、各識別処理で処理された各紙幣ブロックBの紙幣の画像データを読み出して、操作表示部31に表示させるようになっている。この画像データには、記番号情報の異常を強調表示する画像データと、手入力された記番号情報が合成された紙幣の画像データとが含まれる。これにより、記番号情報の異常の強調表示が合成された紙幣の画像データと、手入力された記番号情報が合成された紙幣の画像データとを含む、すべての紙幣の画像データが、後に確認可能となっている。
なお、第2リジェクト部14と集積部15とは同構造であり、操作表示部31への操作入力により行われる紙幣処理装置11の設定変更処理で、すべての第2リジェクト部14を、正常紙幣を集積させる集積部15として使用可能となる。このように第2リジェクト部14のない設定とした場合、第2リジェクト部14に排除すべき第2リジェクト紙幣を第1リジェクト部13に排除することになる。
また、操作表示部31への操作入力により行われる紙幣処理装置11の設定変更処理で、各紙幣ブロックBのそれぞれに対して、集積部15と第2リジェクト部14と第3リジェクト部との組を設定しても良い。第3リジェクト部には、例えば、主判別データがマスタデータと所定の一致度以上に一致しない紙幣であって、一対の記番号情報が読み取り可能で互いに一致し、この記番号情報と一致するものが排除記番号情報の中にない紙幣を排除する。この場合、同列の最上段を第2リジェクト部14とし、同列の上から2段目をこれに対応する第3リジェクト部とし、同列の上から3段目をこれに対応する集積部15とする。同列の上から3段目に第4リジェクト部をさらに加えて、同列の上から4段目をこれに対応する集積部15とし、読み取った記番号情報が排除対象に該当する紙幣を第4リジェクト部に排除するようにしても良い。勿論、各段に排除する紙幣の種類は適宜設定することができる。
また、操作表示部31への操作入力により行われる紙幣処理装置11の設定変更処理で、上記のように一対の記番号情報の全文字列が互いに一致するか否かで一対の記番号情報が互いに一致するか否かを判定する設定とする以外に、全文字列のうちの所定の一部の共通箇所が一対の記番号情報で互いに一致するか否かによって一対の記番号情報が互いに一致するか否かを判定する設定とすることが可能になっている。この設定では、全文字列のうちの所定の一部の共通箇所が一対の記番号情報で互いに一致すれば、一対の記番号情報が一致すると判定し、全文字列のうちの所定の一部の共通箇所が一対の記番号情報で互いに一致しなければ、一対の記番号情報が一致しないと判定する。ここで、一対の記番号情報の一致を判定するための所定の一部の共通箇所は、操作表示部31への操作入力により設定可能となっている。例えば、全文字列のうちの3番目と4番目とを所定の一部の共通箇所に設定したり、全文字列のうちの3番目と5番目とを所定の一部の共通箇所に設定したりすることが可能になっている。
さらに、全文字列のうちの複数箇所の所定の一部の共通箇所がすべて、一対の記番号情報で互いに一致すれば、一対の記番号情報が一致すると判定し、全文字列のうちの複数箇所の所定の一部の共通箇所のうちの少なくともいずれか一箇所が、一対の記番号情報で互いに一致しなければ、一対の記番号情報が一致しないと判定する設定とすることが可能となっている。例えば、全文字列のうちの1番目と2番目とを一の所定の一部の共通箇所に設定し、全文字列のうちの5番目と6番目とを他の所定の一部の共通箇所に設定して、両共通箇所がいずれも一致すると一対の記番号情報が一致すると判定する一方、両共通箇所の少なくともいずれか一方が不一致であると一対の記番号情報が不一致であると判定する。
制御部32は、その合成部53が、識別処理中に、画像データ取込部41の一面画像検出部41Aおよび他面画像検出部41Bで検出された紙幣Sの画像データを記憶部33に記憶させることになるが、その際に、紙幣Sの画像データ上の所定の一部の共通箇所を例えば赤枠で囲んで強調表示させるようにデータを合成して、記憶部33に記憶させる。つまり、合成部53は、記憶部33に記憶される画像データに、一対の記番号情報の一致を判断する際に用いられる所定の一部の共通箇所の強調表示の画像データを合成する。
以上に述べた本実施形態に係る紙幣処理装置11によれば、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能な紙幣Sと、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り不可の紙幣Sとを分類する。つまり、作業者による入念な確認作業が必要な、記番号情報Dそのものが読み取り不可の紙幣Sを分類することできる。したがって、排除した紙幣Sに関する作業の作業者負担の軽減を図ることができる。
また、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が可能であり且つ画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能な紙幣Sを集積部15に集積させる。また、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が不可の紙幣Sを第1リジェクト部13に排除する。さらに、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が可能であり且つ画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sを第2リジェクト部14に排除する。よって、作業者による入念な確認作業が必要な、記番号情報Dそのものが読み取り不可の紙幣Sを分類することできる。したがって、排除した紙幣Sに関する作業の作業者負担の軽減を図ることができる。
また、第2リジェクト部14が、識別部22の画像データ取込部41で金種識別が可能であり且つ画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能な紙幣を集積させる第2集積部としても使用可能であるため、顧客ニーズに合わせた設定が可能となる。
また、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能であって読み取った記番号情報Dが排除対象に該当しない紙幣Sを集積部15に集積させる。また、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能であって読み取った記番号情報Dが排除対象に該当する紙幣Sを第1リジェクト部13に排除する。さらに、装填部12から繰り出された紙幣Sのうち、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sを第2リジェクト部14に排除する。よって、記番号情報Dが排除対象に該当する紙幣Sと、記番号情報Dそのものが読み取り不可の紙幣Sとを、分類して排除することができる。つまり、作業者による入念な確認作業が必要でない、記番号情報Dが排除対象に該当する紙幣Sと、作業者による入念な確認作業が必要な、記番号情報Dそのものが読み取り不可の紙幣Sとを分類することできる。したがって、これらを纏めて排除する場合と比べて、排除した紙幣Sに関する作業の作業者負担の軽減を図ることができる。
また、第2リジェクト部14が、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dを読み取り可能であって読み取った記番号情報Dが排除対象に該当しない紙幣Sを集積させる第2集積部としても使用可能であるため、顧客ニーズに合わせた設定が可能となる。
また、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sを目視確認した作業者が、目視確認した記番号情報Dを操作表示部31に入力すると、合成部53が、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの記憶部33に記憶された画像データに、操作表示部31に入力された記番号情報Dの画像データを合成する。そして、操作表示部31が、このように記番号情報Dが合成された、記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの画像データを表示させる。これにより、記番号情報Dの画像データが合成された、記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの画像データを容易に確認可能となる。
また、操作表示部31は、記番号情報として不明な箇所を不明な旨の記号で入力可能であり、合成部53は、不明な旨の記号を含んで操作表示部31に入力された記番号情報Dの画像データを、画像データ取込部41およびOCR部45で記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの画像データに合成する。そして、操作表示部31が、このように不明な旨の記号を含む記番号情報Dが合成された、記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの画像データを表示させる。これにより、不明な旨の記号を含む記番号情報Dの画像データが合成された、記番号情報が読み取り不可の紙幣Sの画像データを容易に確認可能となる。
本実施形態に係る紙幣処理装置11に係る発明によれば、装填部12で繰り出された紙幣Sから、画像データ取込部41およびOCR部45が、この紙幣Sに形成された一対の記番号情報Dを読み取ると、判定部54が、一対の記番号情報Dが互いに一致するか否かを判定する。そして、第1リジェクト部13が、一対の記番号情報Dが互いに一致しないと判定した紙幣Sを排除する。つまり、真券は、一対の記番号情報Dが互いに一致していることに着目し、一対の記番号情報Dが互いに一致していない紙幣Sを偽券と判断して、第1リジェクト部13に排除する。したがって、より正確な真偽判定を行うことができる。
また、判定部54が、一対の記番号情報Dの所定の一部の共通箇所が互いに一致するか否かを判定するため、判定処理が容易となり、判定処理時間の短縮化が図れる。
また、操作表示部31が、所定の一部の共通箇所を選択設定可能であるため、互いに一致するか否かを判定する所定の一部の共通箇所を、出回っている偽券に適正に合わせることができる。
また、合成部53が、記憶部33に記憶される画像データに、所定の一部の共通箇所の強調表示の画像データを合成する。そして、操作表示部31が、このように所定の一部の共通箇所の強調表示が合成された、記番号情報Dが読み取り不可の紙幣Sの画像データを表示させる。これにより、所定の一部の共通箇所の強調表示が合成された紙幣Sの画像データから、一対の記番号情報Dの一致を判断する際に用いられた所定の一部の共通箇所が容易に確認可能となる。