JP6536805B2 - 車両用シート - Google Patents

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本発明は車両用シートに関する。
車両用シートの例として、シートクッションと、シート前後方向に回動可能なシートバックと、シートバックをロックするロック機構とを備えたものが特許文献1に記載されている。
特開2004−249800号公報
シートバックのバックパネルにスリット又は開口部を形成し、該スリット又は開口部を通してバックパネルの前面側から背面側へと延びるようにロック解除操作用のバンドを設ける場合、バンドがスリット又は開口部の周縁部に接触することでバンドが破損してしまうおそれがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、シートバックのバックパネルにスリット又は開口部を形成し、該スリット又は開口部を通してバックパネルの前面側から背面側へと延びるようにロック解除操作用のバンドを設ける場合に、スリット又は開口部の周縁部への接触によるバンドの破損を防止することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、パッド及び該パッドの背面側に設けられたバックパネルを有するシートバックを備え、前記シートバックをシート前後方向に回動可能に支持するとともに該シートバックをロックするロック機構をシート幅方向一端側に設けた車両用シートにおいて、前記パッドと前記バックパネルとの間に位置し、シートバック上下方向に延びるロッドを前記ロック機構に設け、前記ロック機構によるロックを解除するために操作されるバンドを前記ロッドに取り付け、前記バックパネルの前記シート幅方向一端側にスリット又は開口部を形成し、前記バックパネルに上辺部及び下辺部を備えたガイドワイヤーを取り付け、前記スリット又は開口部の上側周縁部よりもシートバック上下方向下側かつ前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向上側に、シート幅方向へ延びる前記上辺部を設け、該上辺部により前記バンドを前記スリット又は開口部へガイドするように構成し、前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向下側に前記下辺部を設けている。
本発明の別の態様によれば、前記上辺部よりもシートバック上下方向上側において、前記バックパネルに向かって張り出すように形成された張出部を前記パッドに設けている。
本発明のさらに別の態様によれば、前記上辺部及び前記下辺部に連結され、前記パッドに向かって屈曲するように形成されたアーム部を設け、前記アーム部の少なくとも一部を前記パッドと接触させている。
上述の如く、本発明によれば、パッド及び該パッドの背面側に設けられたバックパネルを有するシートバックを備え、前記シートバックをシート前後方向に回動可能に支持するとともに該シートバックをロックするロック機構をシート幅方向一端側に設けた車両用シートにおいて、前記パッドと前記バックパネルとの間に位置し、シートバック上下方向に延びるロッドを前記ロック機構に設け、前記ロック機構によるロックを解除するために操作されるバンドを前記ロッドに取り付け、前記バックパネルの前記シート幅方向一端側にスリット又は開口部を形成し、前記バックパネルに上辺部及び下辺部を備えたガイドワイヤーを取り付け、前記スリット又は開口部の上側周縁部よりもシートバック上下方向下側かつ前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向上側に、シート幅方向へ延びる前記上辺部を設け、該上辺部により前記バンドを前記スリット又は開口部へガイドするように構成し、前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向下側に前記下辺部を設けている。
このように、上辺部によってバンドがスリット又は開口部へガイドされているため、バンドをシートバック後方に向かって容易に引っ張ることができる。同時に、スリットの上側周縁部及び下側周縁部に対してバンドが接触しないため、該バンドの破損を防止することができる。
また、シートバックをシート前方に倒し、バックパネルの背面に荷物を載せると、該荷物の重さによりバックパネルが変形して下側周縁部がパッド側に移動する場合がある。この場合、移動した下側周縁部が下辺部に当たることにより、バックパネルのさらなる変形が防止される。その結果、仮にバックパネルが変形した場合であっても下側周縁部に対してバンドが接触しないので、該バンドの破損を防止することができる。
上述の如く、本発明の別の態様によれば、前記上辺部よりもシートバック上下方向上側において、前記バックパネルに向かって張り出すように形成された張出部を前記パッドに設けている。
そのため、バンドがたるんでしまったとしても、該バンドが、上辺部よりもシートバック上下方向上側に位置する張出部に当たることになる。その結果、バンドが上側周縁部よりもシートバック上下方向上側に入り込んで該バンドが上側周縁部に引っ掛かってしまうことと、その引っ掛かりによるバンドの破損とを防ぐことができる。
上述の如く、本発明のさらに別の態様によれば、前記上辺部及び前記下辺部に連結され、前記パッドに向かって屈曲するように形成されたアーム部を設け、前記アーム部の少なくとも一部を前記パッドと接触させている。
このように、アーム部が設けられているとともに、該アーム部の少なくとも一部をパッドと接触させていることにより、バンドがたるんだとしても、該バンドがガイドワイヤーから外れてしまうことを防止することができる。
車両用シートの前方斜視図である。 車両用シートの後方斜視図である。 車両用シートのロック機構及びその周辺を示す前方斜視図である。 図3の部分拡大図である。 シートバックの側面図である。 シートバックのシート前後方向側断面図である。 バックパネルが変形した状態の側断面図である。 バンドがたるんだ状態の側断面図である。 シートバックにおけるシート前後方向側断面図の別の例である。
図1〜図6に示しているように、車両用シート(以下、「シート」とも呼ぶ)1は、シートクッション2と、シートバック3とを備えている。シートバック3は、パッド31と、パッド31の背面側に設けられた金属製のバックパネル32とを備えている。なお、矢印Fは車両前方を示している。本実施形態において車両前方Fはシート前方と同じ方向である。
車両用シート1はさらに、シートバック3をシート前後方向に回動可能に支持するとともに該シートバック3をロックするロック機構4を備えている。このロック機構4はシート幅方向一端側に設けられている。
ロック機構4にはロッド41が取り付けられている。ロッド41は、断面円形のワイヤーから作製されており、パッド31とバックパネル32との間において、シートバック上下方向Dに沿って延びるように配置されている。
バックパネル32の前記シート幅方向一端側かつロッド41のロッド上端部41aよりもシートバック上下方向Dの上側には、シート幅方向に延びるようにスリット32aが形成されている。
バックパネル32におけるパッド31と対向する面32bには、ガイドワイヤー33が取り付けられている。ガイドワイヤー33は、断面円形のワイヤーを曲げ加工することにより形成され、上辺部33a及び下辺部33bを備えている。
上辺部33aは、シート幅方向に延びるように形成されている。この上辺部33aは、スリット32aの上側周縁部32cよりもシートバック上下方向Dの下側かつスリット32aの下側周縁部32dよりもシートバック上下方向Dの上側に設けられている。
下辺部33bも、シート幅方向に延びるように形成されている。この下辺部33bは、下側周縁部32dよりもシートバック上下方向Dの下側に設けられている。
ロッド上端部41aには、乗員により操作されるバンド5の長手方向の第1端部5aが取り付けられている。この第1端部5aは、ロッド上端部41aからシートバック上下方向Dの上側に向かうように配置されている。第1端部5aと、該第1端部5aとは長手方向反対側の端部である第2端部5cとの間にある中間部5bは、例えばバンド5の操作時に、上辺部33aによりスリット32aへガイドされるように構成されている。そして、第2端部5cは、バックパネル32の背面側に位置している。
バンド5の第2端部5cをシートバック後方に引っ張ることにより、ロッド41がシートバック上下方向Dの上側に移動してロック機構4によるロックが解除されるように構成されている。
以上のような車両用シート1によれば、バンド5が上辺部33aによりスリット32aにガイドされ、第2端部5cがバックパネル32の背面側に位置していることにより、バンド5をシートバック後方に引っ張る操作が容易になる。同時に、スリット32aの上側周縁部32c及び下側周縁部32dに対してバンド5が接触しないため、バンド5の破損を防止することができる。
また、シートバック3をシート前方に倒し、バックパネル32の背面に荷物を載せると、バックパネル32が載せられた荷物の重さにより変形して下側周縁部32dがパッド31側に移動する場合がある。これを図7に示している。この場合、移動した下側周縁部32dが下辺部33bに当たることにより、バックパネル32のさらなる変形が防止される。その結果、仮にバックパネルが変形した場合であっても下側周縁部32dに対してバンド5が接触しないため、バンド5の破損を防止することができる。
上辺部33aよりもシートバック上下方向Dの上側において、パッド31の背面からバックパネル32側に向かって張り出すように形成された張出部31aをパッド31に形成してもよい(図6)。この場合、スリット32aの上側周縁部32c周辺の空間が張出部31aにより塞がれる。これにより、図8に示しているように、バンド5がたるんでしまったとしても、バンド5が張出部31aに当たることになる。そのため、バンド5が上側周縁部32cよりもシートバック上下方向Dの上側に入り込んでバンド5が上側周縁部32cに引っ掛かってしまうことと、その引っ掛かりによるバンド5の破損とを防ぐことができる。
さらに、上辺部33aの前記シート幅方向一端側の端部と、下辺部33bの前記シート幅方向一端側の端部とに連結され、パッド31側に屈曲するように形成されたアーム部(第1アーム部とも呼ぶ)33cを設けてもよい(図4及び図5)。この第1アーム部33cは、車両側方視で略U字状である。このような第1アーム部33cにより、バンド5がシートバック3の前記シート幅方向一端側斜め後方へ引っ張られたとしてもバンド5がガイドワイヤー33から前記シート幅方向一端側に外れてしまうことを防止することができる。
図9に示しているように、第1アーム部33cの少なくとも一部をパッド31と接触させてもよい。これにより、バンド5がたるんだとしてもバンド5がガイドワイヤー33から前記シート幅方向一端側に外れてしまうことを防止することができる。
また、上辺部33aのシート幅方向他端側の端部からパッド31側に延び出るようにアーム部(第2アーム部とも呼ぶ)33dを設けるとともに、下辺部33bの前記シート幅方向他端側の端部からパッド31側に延び出るようにアーム部(第3アーム部とも呼ぶ)33eを設けてもよい(図4及び図9)。そして、第2アーム部33d及び第3アーム部33eをバックパネル32のフレーム32eに固定することができる。さらに、第2アーム部33dの少なくとも一部と第3アーム部33eの少なくとも一部とをパッド31に接触させることができる。これにより、バンド5がガイドワイヤー33とパッド31とにより取り囲まれるので、バンド5がたるんだとしてもバンド5がガイドワイヤー33から外れてしまうことを防止することができる。
また、上側周縁部32c及び下側周縁部32dにおけるスリット32a側の末端を、シートバック3前方向に折り曲げて形成することができる。これにより、バンド5が上側周縁部32c及び下側周縁部32dに接触したとしても、バンド5が両周縁部に引っ掛かりにくくなる。
その他、スリット32aに限らず、バックパネル32の厚さ方向に貫通するように形成した開口部を設けてもよい。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 車両用シート
2 シートクッション

3 シートバック
31 パッド
31a 張出部
32 バックパネル
32a スリット
32b 面
32c 上側周縁部
32d 下側周縁部
32e フレーム
33 ガイドワイヤー
33a 上辺部
33b 下辺部
33c、33d、33e アーム部

4 ロック機構
41 ロッド
41a ロッド上端部

5 バンド
5a 第1端部
5b 中間部
5c 第2端部

D シートバック上下方向
F 車両前方

Claims (3)

  1. パッド及び該パッドの背面側に設けられたバックパネルを有するシートバックを備え、前記シートバックをシート前後方向に回動可能に支持するとともに該シートバックをロックするロック機構をシート幅方向一端側に設けた車両用シートにおいて、
    前記パッドと前記バックパネルとの間に位置し、シートバック上下方向に延びるロッドを前記ロック機構に設け、前記ロック機構によるロックを解除するために操作されるバンドを前記ロッドに取り付け、前記バックパネルの前記シート幅方向一端側にスリット又は開口部を形成し、前記バックパネルに上辺部及び下辺部を備えたガイドワイヤーを取り付け、前記スリット又は開口部の上側周縁部よりもシートバック上下方向下側かつ前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向上側に、シート幅方向へ延びる前記上辺部を設け、該上辺部により前記バンドを前記スリット又は開口部へガイドするように構成し、前記スリット又は開口部の下側周縁部よりもシートバック上下方向下側に前記下辺部を設けたことを特徴とする車両用シート。
  2. 前記上辺部よりもシートバック上下方向上側において、前記バックパネルに向かって張り出すように形成された張出部を前記パッドに設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記上辺部及び前記下辺部に連結され、前記パッドに向かって屈曲するように形成されたアーム部を設け、前記アーム部の少なくとも一部を前記パッドと接触させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
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