以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図20)に基づいて説明する。まず、図1〜図6を参照しながら、普通型コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図6に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、稲(または麦)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取部3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の前部上面には、刈取部3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀部9を搭載する。脱穀部9の内部には、後述する穀稈脱粒ロータとしての扱胴21を配置する。走行機体1の後部右側には、オペレータが歩行移動しながら操縦する運転操作部5を搭載する。コンバイン各部の動力源としてのエンジン7を、走行機体1の中央部に配置する。走行機体1の後部左側(運転操作部5の左側方)には、脱穀部9から穀粒を取出す籾受部6を配置する。籾受部6に向けて脱穀部9内の穀粒を穀粒排出コンベヤ8にて搬出するように構成している。前低後高姿勢の穀粒排出コンベヤ8の送り終端部に、脱穀物の選別を行う穀粒選別部としての風路形成ダクト体10を備えている。
刈取部3は、脱穀部9前部の扱口供給部に連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12を備えている。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸18(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取部3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、フィーダハウス11内の供給コンベヤ17によって搬送され、脱穀部9左側部に設けられた扱口供給板9aから扱室22内部に投入されるように構成している。
また、図4〜図6に示す如く、脱穀部9の扱室22内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の左右方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。加えて、供給コンベヤ17の穀稈送り終端側に連通させる扱口供給板9aが、扱室22の左側下部に形成される一方、扱室22の右側下部に排塵口23が形成されている。即ち、走行機体1の前部に横置き姿勢の扱胴21を左右向きに搭載すると共に、脱穀部9の左側端部にフィーダハウス11を配置して、前後方向に長尺なフィーダハウス11と左右横置き姿勢の脱穀部9における刈取穀稈の移動方向を直交方向に変更するように構成している。
上記の構成により、供給コンベヤ17によって扱口供給板9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の左側から右側に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、扱室22右側下部の排塵口23から右側履帯2の上面側を介して圃場の既刈り面に排出されるように構成している。
また、図4〜図6に示す如く、脱穀物の選別を行う穀粒選別部として、前低後高姿勢の穀粒排出コンベヤ8後端側の送り終端部に配置された風路形成ダクト体10と、風路形成ダクト体10に選別風を導入して吸排塵する吸引ファン装置34を備える。受網24の下方に穀粒取出コンベヤ36を横架させるものであり、扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、穀粒取出コンベヤ36と穀粒排出コンベヤ8を介して風路形成ダクト体10内部に搬入されると共に、風路形成ダクト体10内部に搬入された脱穀物は、吸引ファン装置34の風選別作用により、重い穀粒と、軽い藁屑等に選別されるように構成している。
一方、脱穀部9の左側部において、脱穀部9と籾受部6の間に前低後高姿勢に穀粒排出コンベヤ8を延設させる。穀粒取出コンベヤ36左側端部の送り終端側に、穀粒排出コンベヤ8前端部の送り始端側を連結させる。脱穀部9の端面V字形状の穀粒取出底部に穀粒取出コンベヤ36を内設させる。受網24から穀粒取出コンベヤ36に漏下した穀粒は、穀粒取出コンベヤ36左側端部から穀粒排出コンベヤ8前端部に移送され、穀粒排出コンベヤ8後端側の風路形成ダクト体10から籾受部6に移送され、籾受部6の籾袋37に収集されるように構成している。
即ち、籾受部6には、走行機体1左側後端部に台支持フレーム38aを介して連結させる籾受台38と、走行機体1左側後端部に支柱フレーム体39を介して取付ける籾受アーム体39aを設ける。また、支柱フレーム体39の上端側に風路形成ダクト体10を支持させ、風路形成ダクト体10の穀粒出口に充填ホッパー19を設けるものであり、籾受アーム体39aに籾袋37を吊下げ、充填ホッパー19に籾袋37の開口部を装着し、充填ホッパー19から排出される穀粒が籾袋37内部に充填される。
一方、図4〜6に示す如く、運転操作部5には、操縦コラム41を配置する。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更する左右のサイドクラッチレバー43,44と、走行機体1の移動速度を切換える走行変速レバー45と、刈取部3または脱穀部9を駆動または停止操作する作業クラッチレバー46と、刈取部3を昇降操作する刈取昇降レバー47と、駐車ブレーキレバー48を配置する。また、操縦コラム41の後面側に歩行用ハンドル49を後方に向けて突設させ、歩行用ハンドル49の左側握り部にアクセルレバー40を取付ける。操縦コラム41上面側に、左右サイドクラッチレバー43,44と、刈取昇降レバー47と、走行変速レバー45を、右側から順に左右方向に並列配置し、機体内側方の走行変速レバー45の操作位置を他のレバー43,44,46,47の操作位置よりも高く形成し、略一定速度で圃場を移動する収穫作業中に操作頻度が低くなる走行変速レバー45を機体内側方に支持し、同じく収穫作業中に操作頻度が高いサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を機体外側方に支持するように構成している。
なお、図7、図8に示す如く、操縦コラム41の後方には、オペレータが座乗する運転座席42を着脱可能に配置する。走行機体1の右側後端部に運転席ブラケット体111を設け、運転席ブラケット体111に運転席フレーム112の前端部を着脱可能にボルト締結する。また、上部機体フレーム1bの右側後端から後方に向けて運転席フレーム112の後端側を略水平に延設し、運転席フレーム112の後端部に運転座席42を取付け、運転席フレーム112を介して運転操作部5後方に運転座席42を配置し、運転座席42に座乗したオペレータが、運転操作部5の各レバー43,44,45,46,47,48等を操作可能に構成している。
また、図7、図8に示す如く、運転座席42に座乗するオペレータの足元と右の履帯2後端部の間に配置する足元ガード体114を備える。運転席ブラケット体111の下面側から下方に向けてガード体支持フレーム115を延設し、ガード体支持フレーム115に足元ガード体114を固着し、オペレータの足元が右の履帯2に接触するのを足元ガード体114にて阻止するように構成している。加えて、運転席フレーム112の前後中間部から下方に向けて足載せフレーム112aを延設し、足載せフレーム112aの下端部に足載せ台113を固着し、運転座席42に座乗したオペレータの足を足載せ台113に載せるように構成している。
さらに、図7〜図10に示す如く、走行機体1の下面側に左右の前支脚体32及び後支脚体33を下向きに突設させ、走行機体1下面側に左右の各支脚体32,33を介して左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンション機構53を介して支持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ54を設けている。前記テンションローラ52によって履帯2の前側を支持させ、駆動スプロケット51によって履帯2の後側を支持させ、トラックローラ54によって履帯2の接地側を水平姿勢に支持させ、履帯2の非接地側を前低後高姿勢に支持させるように構成している。
次に、図7〜図14を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図11、図12に示す如く、走行油圧ポンプ30及び走行油圧モータ31が内蔵された走行変速用の油圧無段変速機64をミッションケース63に設ける。走行機体1の中央上面にエンジン7を搭載し、エンジン7後方の走行機体1後部にミッションケース63を配置する。また、エンジン7から左側方に突出させたエンジン出力軸65上の走行駆動プーリ69と、ミッションケース63から左側方に突出させた変速入力軸66上の変速入力プーリ70を、前側走行出力ベルト67aと後側走行出力ベルト67bを介して連結する。
また、テンションローラ形の走行クラッチ68にて前側走行出力ベルト67aを緊張させ、エンジン7からミッションケース63に動力を伝達して、左右の履帯2を駆動するように構成している。なお、図8、図14に示す如く、変速入力プーリ70左側の機外側面に入力プーリファン70aを固着し、入力プーリファン70aにて油圧無段変速機64を空冷するように構成している。
加えて、図10、図13、図14に示す如く、走行機体1上に中間フレーム131を後傾姿勢に立設させ、中間フレーム131の上端側に中間軸132を介して左側中間プーリ133と右側中間プーリ134を一体的に回動可能に軸支し、走行駆動プーリ69と左側中間プーリ133の間に走行クラッチ68を介して前側走行出力ベルト67aを掛け回すと共に、右側中間プーリ134と変速入力プーリ70の間に後側走行出力ベルト67bを掛け回している。エンジン7後側のミッションケース63を機体前後中心線に対して機体右側寄りに配置し、走行駆動プーリ69の取付け位置に対して変速入力プーリ70の取付け位置を走行機体1の中央寄りに形成する。
後側走行出力ベルト67b後端側の変速入力プーリ70に支持された入力プーリファン70aは、前側走行出力ベルト67aの後側方に配置される。エンジン7の後方で左右履帯2の間に、ミッションケース63上部に油圧無段変速機64を一体的に上載固定でき、重量部品であるエンジン7とミッションケース63を機体左右幅中央部(機体前後中心線付近)に支持して、機体の左右方向の重量バランスを良好に形成している。
図7〜図11、図13、図14に示す如く、前記刈取部3と扱胴21を駆動するためのカウンタ軸72を備える。左側軸受体71aと右側軸受体71bを介して走行機体1(上部機体フレーム1b)上面側にカウンタ軸72を回転自在に設ける。エンジン7から左側方に突出させた出力軸65上の脱穀駆動プーリ57と、カウンタ軸72左側端部のカウンタ軸プーリ58を、脱穀駆動ベルト59を介して連結する。テンションローラ形の作業クラッチ60にて脱穀駆動ベルト59を緊張させ、エンジン7からカウンタ軸72に動力を伝達させる。
また、カウンタ軸72右側端部にカウンタ軸スプロケット73を軸支する。カウンタ軸スプロケット73と、扱胴軸20右側端部の扱胴軸入力スプロケット74を、脱穀駆動チェン75にて連結し、カウンタ軸72を介して扱胴21を駆動するように構成している。また、扱胴軸20右側端部に穀粒送出スプロケット76を軸支する。穀粒送出スプロケット76と、穀粒取出コンベヤ36右側端部の送出入力スプロケット77を、送出駆動チェン78にて連結し、カウンタ軸72を介して穀粒取出コンベヤ36を駆動するように構成している。
加えて、穀粒取出コンベヤ36左側端部に穀粒排出スプロケット79を介して穀粒排出コンベヤ8の送り始端側を連結する。穀粒排出コンベヤ8は、無端帯状の穀粒排出チェン8aと、穀粒排出チェン8aに等間隔に配置する複数の穀粒排出板体8bを有する。穀粒排出スプロケット79に穀粒排出チェン8aを掛け回し、穀粒取出コンベヤ36と穀粒排出コンベヤ8を連動して駆動し、穀粒取出コンベヤ36左側端部に取出された穀粒を、複数の穀粒排出板体8bにて風路形成ダクト体10に向けて搬送するように構成している。
一方、カウンタ軸72左側端部のファン駆動プーリ82と、吸引ファン装置34のファン軸34a上の送風ファンプーリ83を、ファン駆動ベルト84にて連結し、扱胴21と吸引ファン装置34の吸排塵ファン34bを連動して駆動するように構成している。操縦コラム41の左側部に配置した作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、脱穀部9の各部(扱胴21、各コンベヤ8,36、吸排塵ファン34b)を定速回転数にて駆動している。
次いで、図1〜図3、図7、図8、図11を参照して刈取部3の駆動構造を説明する。扱胴軸20左側端部に設ける扱胴軸出力スプロケット85と、刈取部3の昇降支点である刈取入力軸18左側端部に設ける刈取入力スプロケット86を、刈取入力チェン87にて連結する。刈取部3全体を昇降動可能に支持する刈取入力軸18を介して、扱胴21と供給コンベヤ17を連動して駆動する。また、刈取部3の穀物ヘッダー12左側部の後面側に一対のヘッダー駆動軸受体141を介してヘッダー駆動軸91を設ける。ヘッダー駆動軸91の右側端部に、ヘッダー駆動スプロケット88,89及びヘッダー駆動チェン90を介して刈取入力軸18の左側端部を連結している。
また、穀物ヘッダー12に掻込みオーガ13を軸支する掻込み軸93を備えている。掻込み軸93の左側端部に、掻込み駆動チェン92及び掻込み駆動スプロケット94,95を介してヘッダー駆動軸91の左側端部を連結する。刈取入力軸18とヘッダー駆動軸91を介して掻込みオーガ13を駆動する。
さらに、図1〜図3に示す如く、穀物ヘッダー12上面にリール支持フレーム151基端部を固着する。また、掻込みリール14を軸支するリール軸96を備え、左右のリール支持フレーム151先端部にリール軸96の左右端部を回動可能に軸支する。穀物ヘッダー12の上面側に左右のリール支持フレーム151を介して掻込みリール14を支持している。なお、穀物ヘッダー12の左右側面に左右のリール支持フレーム151の中間部を支持するリール支持アーム155を備える。
さらに、穀物ヘッダー12の右側面部にリール駆動軸153を設け、リール駆動軸153にリール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161を遊転軸支すると共に、リール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161を一体的に固着している。掻込み軸93の右側端部に設けたリール入力スプロケット99とリール駆動スプロケット98にリール駆動チェン97を掛け回す。リール軸96の右側端部に設けたリール従動プーリ163とリール駆動プーリ161にリール駆動ベルト164を掛け回す。
加えて、リール駆動テンションアーム165先端部にリール駆動テンションプーリ166を回動可能に軸支させる。リール駆動チェン97とリール駆動ベルト164を介して、ヘッダー駆動軸91にリール軸96を連動連結している。なお、リール駆動軸153にリール駆動テンションアーム165基端部を支持させ、リール駆動ベルト164にリール駆動テンションプーリ166をリール駆動テンションバネ力にて弾圧させ、リール駆動テンションプーリ166にてリール駆動ベルト164を緊張支持している。なお、刈取部3左側のチェンカバー体169に掻込み駆動チェン92を内設すると共に、刈取部3右側のベルトカバー体170にリール駆動ベルト164を内設する。
さらに、掻込み軸93の右側端部には、刈刃駆動クランク機構100を介して刈刃15が連結されている。作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、刈取部3の各部(供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、刈刃15)が駆動されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。なお、刈取部3右側の刈刃駆動カバー体171に刈刃駆動クランク機構100を内設する。
次に、図12を参照してコンバインの油圧回路構造を説明する。図12に示す如く、走行変速用の油圧無段変速機64の走行油圧ポンプ30及び走行油圧モータ31を閉ループ油圧回路211にて接続すると共に、閉ループ油圧回路211に作動油を供給するチャージポンプ212を設ける。また、昇降バルブ213を有する昇降油圧回路216を備え、刈取昇降レバー47操作にて昇降バルブ213を切換えると共に、昇降用油圧シリンダ4を上昇動させる作業ポンプ215を設ける。変速入力軸66を介してチャージポンプ212と作業ポンプ215を走行油圧ポンプ30と連動して駆動するように構成している。
上記の構成により、作動油タンク55の作動油が、チャージポンプ212と作業ポンプ215にて、油圧無段変速機64または昇降油圧回路216に圧送されるものであり、走行油圧ポンプ30にて走行油圧モータ31を作動させて無段変速出力する一方、作業ポンプ215にて昇降用油圧シリンダ4を上昇動させ、刈取部3を昇降動させるように構成している。加えて、油圧無段変速機64または昇降油圧回路216からオイルクーラ217を介して作動油タンク55に作動油が戻るように構成している。オイルクーラ217は、中間軸132に設けたクーラファン218にて空冷し、作動油タンク55の作動油を所定温度以下に維持するように構成している。
次いで、図7〜図10、図13、図14を参照して、走行機体1の構造を説明する。下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bと支柱フレーム1cにて走行機体1を上下多段の櫓構造に構成している。前支脚体32と後支脚体33を介して下部機体フレーム1aの下面側に左右のトラックフレーム50を固着し、左右のトラックフレーム50を介して左右の履帯2を装設させる。また、上部機体フレーム1b上面の搭載部にエンジン7下面を連結し、上部機体フレーム1bにエンジン7を搭載するものであり、エンジン7は、運転操作部5と籾受部6間の走行機体1中央部に配置される。
即ち、走行機体1の左右幅中央部にエンジン7が配置されると共に、エンジン7を中心に、エンジン7右側方の上部機体フレーム1b後部(走行機体1の後方右側)に運転操作部5が配置され、エンジン7左側方の上部機体フレーム1b後部(走行機体1の後方左側)に籾受部6が配置されるものであり、エンジン7が搭載された上部機体フレーム1bの右側上面にバッテリ56を配置し、エンジン7の始動電源などにバッテリ56を利用するように構成している。
一方、上部機体フレーム1b前端側よりも前方に下部機体フレーム1a前端側を延設し、下部機体フレーム1aの前端側上面に脱穀部9底部を載置する。脱穀部9後方側の上部機体フレーム1b上面にエンジン7を設置し、脱穀部9上面高さとエンジン7上面高さを一致させて略同一高さに形成するものであり、エンジン7の設置面(上部機体フレーム1b上面)よりも脱穀部9の設置面(下部機体フレーム1a上面)を低く形成する。脱穀部9左側前部の低い位置に扱口供給板9aを配置し、走行機体1の低い位置に脱穀部9の扱口9b(刈取穀稈入口)を構成している。
また、下部機体フレーム1aの前端部に昇降用油圧シリンダ4を取付けると共に、上部機体フレーム1b前端部(脱穀部9後面)と下部機体フレーム1aの間に作動油タンク55を配置し、昇降用油圧シリンダ4などの作動油を作動油タンク55に貯蔵するように構成している。
他方、左右のトラックフレーム50後端に下部機体フレーム1aの後端を左右の後支脚体33にて連結し、左右の後支脚体33の上端側を下部機体フレーム1aの後方上方に向けて延設させ、左右の後支脚体33の上端側にミッションケース63両側の左右車軸ケース63aを着脱可能に支持すると共に、下部機体フレーム1aの後端側よりも後方に上部機体フレーム1bの後端側を延設し、上部機体フレーム1bの後端側に上部連結体62を介してミッションケース63の上端側を着脱可能に支持するものであり、後支脚体33の上端側と上部機体フレーム1bの後端側にミッションケース63を後傾姿勢に配置している。
ミッションケース63下端側の左右車軸ケース63aに左右駆動スプロケット51を介して左右履帯2の後端部を張設させている。即ち、後支脚体33の上端側に左右車軸ケース63aを介して駆動スプロケット51を支持し、トラックフレーム50前端部のテンションローラ52と後支脚体33上端側の駆動スプロケット51の間に履帯2の非接地側を張設し、履帯2の非接地側を前下がりに傾斜させた前低後高姿勢に支持している。
一方、上部機体フレーム1bの右側後端部と左側の車軸ケース63aに両端側をボルト締結させるミッション保護フレーム116を備え、ミッションケース63の後側をミッション保護フレーム116にて囲むと共に、ミッション保護フレーム116にミッション保護カバー117を取付け、ミッションケース63上部の油圧無段変速機64の上方側及び後方側をミッション保護カバー117にて覆うように構成している。
走行機体1前部の上部機体フレーム1bの上方にカウンタ軸72を水平姿勢に架設している。また、上部機体フレーム1bの左側上面に側板支持フレーム145とエンジン側板体146を立設させ、側板支持フレーム145とエンジン側板体146を連結固定し、側板支持フレーム145に脱穀テンションアーム147基端側を取付け、前方に延設した脱穀テンションアーム147先端側に作業クラッチ60を配置し、作業クラッチ60を介して脱穀駆動ベルト59を張設し、エンジン7の出力軸65にカウンタ軸72を連結させている。
支柱フレーム体39に吸引ファン装置34のファンケース29を固着し、エンジン側板体146左側の機外側面に吸引ファン装置34を配置し、エンジン7の左側方にエンジン側板体146を介して吸引ファン装置34を配設している。エンジン側板体146を介して吸引ファン装置34にエンジン7周辺の暖気を吸込むように構成している。
また、走行クラッチ68が支持された走行テンションアーム149を中間フレーム131に支持させると共に、脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bと、ファン駆動ベルト84が配置されたエンジン7の左側にベルトカバー体183を張設させている。前記各ベルト59,67a,67b,84の上面側に沿ってベルトカバー体183の上面壁部を前後方向に延設させている。
側板支持フレーム145の前側にエンジン側板体146を立設すると共に、エンジン7の左側で前後方向に延設させる脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bと、ファン駆動ベルト84のそれぞれの上面側と左側面側が、エンジン側板体146とベルトカバー体183の左側壁部及び上面壁部にて閉塞され、エンジン側板体146とベルトカバー体183にて覆われた前記各ベルト59,67a,67b,84設置空間の外気がクーラファン218を介してオイルクーラ217に供給されるように構成している。
上記の構成により、エンジン側板体146とベルトカバー体183の下面側開口部(上部機体フレーム1b設置部またはエンジン7載置部の付近)における藁屑が比較的少ない場所から、エンジン側板体146とベルトカバー体183にて覆われた空間内部に外気が吸込まれ、その空間内部の外気をクーラファン218にてオイルクーラ217に供給できる。したがって、藁屑などの粉塵が比較的少ない空気を冷却風としてオイルクーラ217に供給できる。
さらに、図4〜図6などに示す如く、左側履帯2の後部に籾受台38を配置させ、充填ホッパー19の籾投入口19aを籾受台38上方に配置し、籾投入口19aに籾袋37を装着し、籾袋37に籾を充填するように構成している。籾が充填された籾袋37を圃場に落下させ、籾投入口19aに空の籾袋37を順次装着して、穀粒排出コンベヤ8から風路形成ダクト体10を介して連続的に搬出される籾(穀粒)を、複数の籾袋37に充填できる。
次いで、図4〜図7、図13、図15などに示す如く、扱胴21は、同一円周上に配置する4本の丸パイプ製の胴フレーム21aと、胴フレーム21aに等間隔に外向き姿勢に立設させる多数本のV字形状の扱歯21bと、排塵口23に対向する胴フレーム21a右側端部の外周面に立設させる排塵羽根板体21cを有する。扱胴21の円板形状の左右側板体21dの外周に各胴フレーム21aの両端部を固着すると共に、扱歯21bのV字形状の両端部を胴フレーム21aに溶接固定している。
また、走行機体1の前部上面側に左右向きに平行に架設させる断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121と断面端面がL形の後部フレーム体122を備える。下部機体フレーム1a(走行機体1)の前端部に断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121を溶接固定すると共に、上部機体フレーム1b前端部が一体的に連結された支柱フレーム1c(走行機体1)の上端部に断面端面がL字形状の後部フレーム体122を溶接固定する。
下部機体フレーム1a前端部に左右の脱穀取付け台128の下端側を溶接固定し、左右の脱穀取付け台128の上端部に前部フレーム体121下面を溶接固定すると共に、左の脱穀取付け台128に昇降用油圧シリンダ4を取付けている。支柱フレーム1cよりも脱穀取付け台128を短尺に形成し、前部フレーム体121の支持高さよりも後部フレーム体122の支持高さを高く形成している。
断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121に、断面端面が逆V字形状(∧形)の前部横桟枠体123を上方から着脱可能に合体させ、前部フレーム体121に前部横桟枠体123を着脱可能にボルト125締結すると共に、断面端面がL字形状の後部フレーム体122に、断面端面がL字形状の後部横桟枠体124を上方から着脱可能に合体させ、後部フレーム体122に後部横桟枠体124をボルト126締結する。
断面端面が逆V字形状の前部フレーム体121に前記脱穀部9の逆V字形状底面部(前部横桟枠体123)を固定すると共に、断面端面がL字形状の後部フレーム体122に前記脱穀部9後部のL字形状後部(後部横桟枠体124)を固定し、前部フレーム体121と後部フレーム体122に脱穀部9底面側を上方から着脱可能に合体させるものであり、脱穀部9底部の穀粒取出樋25に穀粒取出コンベヤ36を配設し、穀粒取出樋25の外側面に前部横桟枠体123を介して前部フレーム体121を接合させて支持している。
次いで、図16〜図20を参照して、風路形成ダクト体10(穀粒選別部)と穀粒選別用の吸引ファン装置34の構造を説明する。図16、図17に示す如く、支柱フレーム体39の前面側に吸引ファン取付け台221を介してファンケース29を着脱可能に固着し、支柱フレーム体39の前面側に吸引ファン装置34を支持する。支柱フレーム体39の後側上端部にダクト体取付け台223を介して風路形成ダクト体10を着脱可能に固着し、風路形成ダクト体10の選別入口10aに穀粒排出コンベヤ8送り終端の投出し口8cを接合固定している。風路形成ダクト体10の内部に風選用蛇行通路231を形成し、籾受部6の籾袋37に穀粒を投入するための充填ホッパー19を風選用蛇行通路231の出口側に設け、風選用蛇行通路231を介して穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに充填ホッパー19を連通させるように構成している。
即ち、風路形成ダクト体10の選別出口10bに充填ホッパー19を接合固定し、穀粒排出コンベヤ8の送り終端部に風路形成ダクト体10と充填ホッパー19を逆V字形状に連結し、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の逆V字形状連結部下方に吸引ファン装置34を設けている。穀粒排出コンベヤ8の送り終端部と風路形成ダクト体10の連結部近傍に吸引ファン装置34を設け、穀粒排出コンベヤ8を介して取出す穀粒を吸引ファン装置34の吸排塵風にて風選するように構成している。
図16〜図20に示す如く、ファンケース29の排気側に選別排塵ダクト222を設けるものであり、ファンケース29から下向きに選別排塵ダクト222を延設し、選別排塵ダクト222下端側の選別排塵口222aを走行機体1左機外側方に向けて開口している。また、吸引ファン装置34におけるファンケース29の左右両側方に左右の吸引ダクト224を配置し、左右の吸引ダクト224の塵埃吸引側に集塵ダクト225を接合固定する。
即ち、扱胴21が左右向きに支持された横置き姿勢の脱穀部9の後方にエンジン7を搭載し、エンジン7の左側方に吸引ファン装置34を並設すると共に、前低後高の穀粒排出コンベヤ8送り終端部の下面側に沿わせて集塵ダクト225を配置し、穀粒排出コンベヤ8下面側に沿わせて左右の吸引ダクト224から集塵ダクト225を延設し、集塵ダクト225を介して風路形成ダクト体10の塵埃吸引口10cに左右の吸引ダクト224を連通させ、穀粒排出コンベヤ8の左右幅寸法よりも風路形成ダクト体10の左右幅寸法を大きく形成するものであり、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結部に吸排塵用の吸引ファン装置34を配置し、風選用蛇行通路231の塵埃吸引口10cに吸引ファン装置34の塵埃吸込み側(集塵ダクト225の吸込み側)を連通させるように構成している。
図17、図18に示す如く、風選用蛇行通路231の選別出口10b上方側に風選用外気取入れ口10dを形成する一方、集塵ダクト225の吸込み側(塵埃吸引口10c)に吸込み調節弁232を取付ける。集塵ダクト225の吸込み側上面に吸込み量調節口233を開設する。塵埃吸引口10cに対向する集塵ダクト225の吸込み側開口を吸込み調節弁232にて開閉し、風選用外気取入れ口10dから取込む風選用外気取入れ量(塵埃吸引口10cの塵埃吸込み力)を調節するように構成している。
上記の構成により、塵埃吸引口10cが吸込み調節弁232にて閉鎖されると、風選用外気取入れ口10dから取込む風選用外気取入れ量が少なくなり、塵埃吸引口10cの塵埃吸込み力が弱くなる一方、塵埃吸引口10cが吸込み調節弁232にて大きく開放されると、風選用外気取入れ口10dから取込む風選用外気取入れ量が多くなり、塵埃吸引口10cの塵埃吸込み力が強くなる。
図1、図2、図16〜図20に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、脱穀部9の後方にエンジン7を設ける走行機体1と、脱穀部9から穀粒を取出す穀粒排出コンベヤ8と、穀粒排出コンベヤ8を介して取出す穀粒を風選する吸引ファン装置34を備えるコンバインにおいて、穀粒排出コンベヤ8の送り終端部と選別風路形成用の風路形成ダクト体10の連結部近傍に吸引ファン装置34を設け、吸引ファン装置34におけるファンケース29の両側方に左右の吸引ダクト224を配置し、風路形成ダクト体10の塵埃吸引口10cに左右の吸引ダクト224を連通させるように構成している。したがって、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結部の支持部材として吸引ファン装置34を活用でき、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結強度などを確保しながら、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結構造、または吸引ファン装置34の取付け構造を簡略化できる。また、風路形成ダクト体10の左右幅に応じて左右の吸引ダクト224の吸引幅を容易に大きく形成でき、穀粒の誤吸引などを防止して選別損失を低減できると共に、風路形成ダクト体10の選別幅などを容易に確保でき、選別機能を向上できる。
図16〜図20に示す如く、穀粒排出コンベヤ8の送り終端部に風路形成ダクト体10を逆V字形状に連結し、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の逆V字形状連結部下方に吸引ファン装置34を設けている。したがって、前低後高の前記穀粒排出コンベヤ8に風路形成ダクト体10を逆V字形状に連結して、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の前後幅寸法をコンパクトにできるものでありながら、選別風路を長尺に形成して選別性度を向上できると共に、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結部下方に吸引ファン装置34をコンパクトに設置できる。穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結強度などを確保しながら、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結構造などを簡略化できる。
図16〜図20に示す如く、前低後高の穀粒排出コンベヤ8送り終端部の下面側に沿わせて左右の吸引ダクト224(集塵ダクト225)を延設している。したがって、吸引ファン装置34の吸入部(ファンケース29)または風路形成ダクト体10の吸引部(塵埃吸引口10c)の取付け位置などに、左右の吸引ダクト224の形状を容易に適応できる。
図16〜図20に示す如く、扱胴21が左右向きに支持された横置き姿勢の脱穀部9の後方にエンジン7を搭載し、エンジン7の左側方に吸引ファン装置34を並設している。したがって、エンジン7に近接させて吸引ファン装置34をコンパクトに設置でき、エンジン7の高回転出力部を介して吸引ファン装置34を簡単に駆動できる。吸引ファン装置34の駆動構造などの構成部品数を容易に削減でき、低コストに構成できる。
さらに、風路形成ダクト体10内部に、穀粒排出コンベヤ8の投出し口8c(選別入口10a)に対向させる穀粒反発用ガイド板234と、穀粒反発用ガイド板234から落下する穀粒の流下方向を変更する流下ガイド短尺板235及び流下ガイド長尺板236と、風路形成ダクト体10の底板にて形成される穀粒選別流下板237を有する。穀粒反発用ガイド板234の傾斜下端側を流下ガイド短尺板235の上面側に向け、流下ガイド短尺板235の傾斜下端側を流下ガイド長尺板236の上面側に向け、流下ガイド長尺板236の傾斜下端側を穀粒選別流下板237の上面側に向けると共に、穀粒選別流下板237の傾斜上端側に塵埃吸引口10cを形成し、穀粒選別流下板237の傾斜下端側に選別出口10bを介して充填ホッパー19を接続させるものであり、穀粒攪拌ガイド用の複数の各板234,235,236,237にて風選用蛇行通路231を形成している。
穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに対向させて穀粒反発用ガイド板234を設け、穀粒反発用ガイド板234の風選出口側に対向させて塵埃吸引口10cを形成し、穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに穀粒反発用ガイド板234を介して風選用蛇行通路231を連通させ、穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cから送出される穀粒と藁屑の塊を分解させると共に、風選用外気取入れ口10dから穀粒選別流下板237の傾斜下端側に選別風を取込み、穀粒選別流下板237の傾斜上端側の塵埃吸引口10cから吸引ファン装置34に選別風が吸い取られるものであり、穀粒選別流下板237に落下する藁屑または粉塵が吸引ファン装置34側に排出され、穀粒選別流下板237に落下する穀粒が充填ホッパー19側に流下するように構成している。
図1、図2、図16〜図20に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、脱穀部9の後方にエンジン7を設ける走行機体1と、穀粒排出コンベヤ8を介して脱穀部9から穀粒を取出す籾受部6を備え、籾受部6の籾袋37に脱穀部9の穀粒を充填するコンバインにおいて、穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに対向させる穀粒反発用ガイド板234を設け、穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに穀粒反発用ガイド板234を介して風選用蛇行通路231を連通させるように構成している。したがって、揺動選別盤などを設置する構造に比べて低コストに構成でき、構成部品数を削減でき、軽量化またはコスト低減を容易に達成できると共に、コンバイン機体構造をコンパクトに構成できる。投出し口8cから風選用蛇行通路231内に落下する穀粒と塵埃の固まりを解しながら移動できる。穀粒排出コンベヤ8から投出される穀粒を穀粒反発用ガイド板234にて反発させて、藁屑または塵埃と穀粒を効率よく分離でき、籾受部6に取出す穀粒の選別性能を容易に向上できる。
図16〜図20に示す如く、風選用蛇行通路231が形成される風路形成ダクト体10を設け、穀粒排出コンベヤ8の左右幅寸法よりも風路形成ダクト体10の左右幅寸法を大きく形成すると共に、穀粒反発用ガイド板234の風選出口側に対向させて塵埃吸引口10cを形成している。したがって、風選用蛇行通路231を流下する穀粒の流下上手側に塵埃吸引口10cを対向させて、穀粒の流下上手側から藁屑または塵埃を効率良く除去でき、風選用蛇行通路231下流側の穀粒充填場所(籾袋設置場所)における藁屑または塵埃の飛散量を低減できる。
図16〜図20に示す如く、籾受部6の籾袋37に穀粒を投入するための充填ホッパー19を風選用蛇行通路231の出口側に設け、風選用蛇行通路231を介して穀粒排出コンベヤ8の投出し口8cに充填ホッパー19を連通させるように構成している。したがって、充填ホッパー19の一時貯留機能にて籾袋37を容易に交換できる。風選用蛇行通路231の出口側に風選用外気取入れ口10dを簡単に形成でき、充填ホッパー19の籾袋装着部から吸引される風選用外気取入れ量を低減でき、籾袋37への穀粒充填作業性を向上できる。
図16〜図20に示す如く、風選用蛇行通路231が形成される風路形成ダクト体10を設け、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の連結部に吸排塵用の吸引ファン装置34を配置し、風選用蛇行通路231の塵埃吸引口10cに吸引ファン装置34の塵埃吸込み側を連通させるように構成している。したがって、前低後高の穀粒排出コンベヤ8に風路形成ダクト体10を逆V字形状に連結して、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の前後幅寸法をコンパクトにできるものでありながら、穀粒排出コンベヤ8と風路形成ダクト体10の逆V字連結部下方に吸引ファン装置34をコンパクトに設置できる。
次いで、図5、図6、図19、図20を参照して、エンジン7と、エンジン7の冷却構造を説明する。エンジン7の型式は横型水冷4サイクルディーゼルエンジンであり、燃料タンク蓋311を有する燃料タンク312がエンジン7の前部上面側に搭載され、ラジエータキャップ313を有する水冷用ラジエータ314がエンジン7の後部上面側に搭載され、エアクリーナ315と排気消音器316がエンジン7の後部に配置されている。エンジン7の右側後方に操縦コラム41が配置され、排気消音器316の右側方にエアクリーナ315が位置し、エアクリーナ315の右側方に操縦コラム41が位置している。操縦コラム41の前方(エンジン7の右側方)の走行機体1上面にエンジン始動用バッテリ56が載置されている。
また、エンジン7後側の右側上部に冷却風取入れ開口部318を形成し、エンジン7後側の左側上部に冷却風排出開口部319を形成し、冷却風排出開口部319にエンジン冷却ファン317を配設する。エンジン出力軸65を介してエンジン冷却ファン317を駆動し、冷却風取入れ開口部318から水冷用ラジエータ314部に冷却用外気を取入れ、冷却風排出開口部319から水冷用ラジエータ314部の暖気を排出し、水冷用ラジエータ314を冷却するように構成している。
さらに、エンジン7の冷却風取入れ開口部318に接続させる多角箱型(四角箱型)の冷却風取入れダクト体321を備え、冷却風取入れダクト体321は四角箱型ダクト本体ハウジング322を有する。操縦コラム41前面に支持フレーム体325の後端側を固着し、支持フレーム体325前端側を操縦コラム41前方に向けて延設し、支持フレーム体325上面側にダクト本体ハウジング322の四角箱型底部を固着し、操縦コラム41前面側に支持フレーム体325を介して冷却風取入れダクト体321を取付ける。
加えて、エンジン7の冷却風取入れ開口部318外側に耐熱スポンジ製シール材323を介してダクト本体ハウジング322の四角箱型左側面を接合し、エンジン7の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322の除塵風出口324を接続させる。エンジン7上部右側面の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322左側面の除塵風出口324を接続させると共に、エンジン7の冷却風取入れ開口部318の大きさと、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324の大きさを略等しく形成し、冷却風取入れ開口部318と除塵風出口324を連結する。
一方、ダクト本体ハウジング322の四角箱型右側面と四角箱型背面の二方向に外気取入れ口326,327をそれぞれ開設する。ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327に、冷却風取入れダクト体321後方に設けた操縦コラム41上面側(操作レバー43,44,45,47取付け部)を対向させるものであり、ダクト本体ハウジング322右側面の外気取入れ口326から機体右側方の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれる一方、ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327から操縦コラム41上面側の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれるように構成している。
また、外気取入れ口326,327には防塵網が張設され、除塵後の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれる。収穫作業中、外気取入れ口326,327の防塵網に藁屑などが付着した場合、操縦コラム41後方のオペレータが外気取入れ口326,327を容易に目視でき、藁屑などの付着状況を簡単に確認できるように構成している。
図1、図4〜図6、図19、図20に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部としての履帯2及びエンジン7を設ける走行機体1と、複数の操作レバーとしてのサイドクラッチレバー43,44または走行変速レバー45または刈取昇降レバー47を配置する操縦コラム41を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、エンジン7の冷却風取入れ開口部318に接続させる多角箱型の冷却風取入れダクト体321を備え、冷却風取入れダクト体321はダクト本体ハウジング322を有し、エンジン7の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322の除塵風出口324を接続させている。したがって、エンジン7または操縦コラム41に冷却風取入れダクト体321の多角箱型側面を対向配置でき、走行機体1の既刈り側上面のうち、エンジン7と操縦コラム41にて二方向が囲まれた上面など、粉塵が少ない場所に冷却風取入れダクト体321をコンパクトに支持できる。
図5、図6、図19、図20に示す如く、エンジン7右側後方の走行機体1上に操縦コラム41を立設する構造であって、操縦コラム41前面側に支持フレーム体325を介して四角箱型の冷却風取入れダクト体321を取付け、エンジン7上部右側面の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322左側面の除塵風出口324を接続させている。したがって、エンジン7の冷却風取入れ開口部318の大きさと、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324の大きさを略等しく形成して、冷却風取入れ開口部318と除塵風出口324の連結構造を簡単に構成できる。操縦コラム41前方のスペースを活用して、エンジン7の冷却風取入れ開口部318に冷却風取入れダクト体321を近接支持できる。
図5、図6、図19、図20に示す如く、四角箱型の前記ダクト本体ハウジング322の右側面と背面の二方向に外気取入れ口326,327をそれぞれ開設し、冷却風取入れダクト体321の後方に操縦コラム41を設け、ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327に、操縦コラム41上面側の操作レバー(サイドクラッチレバー43,44または走行変速レバー45または刈取昇降レバー47)取付け部を対向させるように構成している。したがって、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324に対して外気取入れ口326,327の開口面積を大きく形成でき、外気取入れ口326,327の外気吸入圧力を軽減でき、外気取入れ口326,327に付着する粉塵量を低減できる。
図5、図6、図19、図20に示す如く、エンジン7右側後方の走行機体1上に操縦コラム41を立設する構造であって、操縦コラム41前面側に支持フレーム体325を介して四角箱型の冷却風取入れダクト体321を取付けると共に、操縦コラム41上面側に、左右サイドクラッチレバー43,44と、刈取昇降レバー47と、走行変速レバー45を、右側から順に左右方向に並列配置し、機体内側方の走行変速レバー45の操作位置を他のレバー(サイドクラッチレバー43,44または刈取昇降レバー47)よりも高く形成している。したがって、略一定速度で圃場を移動する収穫作業中に操作頻度が低くなる走行変速レバー45を機体内側方に支持でき、同じく収穫作業中に操作頻度が高いサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を機体外側方に支持できるから、操縦コラム41後方の運転座席42に座乗したオペレータが、走行機体1外側寄りで前方の刈取部3位置を視認しながら、サイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47をスムーズに操作でき、運転操作性を向上できる。オペレータが走行機体1に追従して歩行する歩行収穫作業などにおいて、走行機体1機外側からサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を簡単に操作でき、歩行収穫作業性を向上できる。
図21は、後方から視たエンジン7と操縦コラム41の変形例を示す斜視図であり、図20に示す実施形態におけるサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47に代えて、図21の変形例では、単一の操縦レバー331を設ける。操縦レバー331は、サイドクラッチレバー43,44と同一の操向操作機能を有するものであり、操縦レバー331を左方向または右方向に傾動させて、走行機体1の進路を左右に変更可能に構成できる。また、操縦レバー331は、刈取昇降レバー47と同一の刈取昇降機能を有するものであり、操縦レバー331を前方向または後方向に傾動させて、刈取部3を昇降可能に構成できる。即ち、オペレータは、操縦レバー331を握ることにより、走行機体1の進路変更と刈取部3の昇降操作を実行できる。