JP6625499B2 - コンバイン - Google Patents

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Description

本願発明は、圃場の未刈り穀稈を刈取る刈取部と、刈取り穀稈の穀粒を脱粒する脱穀部を搭載したコンバインに関するものである。
従来、穀物ヘッダーとフィーダハウスと刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体と、穀粒排出コンベヤを介して脱穀部から穀粒を取出す籾受部を備え、圃場の未刈り穀稈を連続的に刈取って脱穀し、籾受部の籾袋に脱穀部の穀粒を充填する技術がある(特許文献1〜3参照)。
中国実用新案登録公報第201328251号 特開平11−103646号公報 実開2014−196076号公報
小さい面積の圃場における収穫作業では、特許文献1におけるコンバインのように、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造のコンバインが望まれている。特許文献2〜特許文献3は大出力のエンジンに適した走行部駆動構造であるから、小型軽量構造のコンバインに搭載する小出力のエンジンに適した走行部駆動構造を容易に構成できない等の構造上の問題がある。一方、特許文献1のような小型軽量構造のコンバインでは、油圧回路における作動油タンクやオイルクーラなどの設置する領域に制限があるため、その設置位置によっては、オイルクーラにおける冷却効率の低下だけでなく、油圧配管の配管作業や作動油タンクにおける作動油交換作業などのメンテナンス作業における作業効率の煩雑さの原因となる。
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した普通型コンバインを提供しようとするものである。
前記目的を達成するため、本願発明のコンバインは、刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体と、前記走行部を駆動するミッションケース及び油圧無段変速機を備え、前記刈取部から前記脱穀部に穀稈を供給するコンバインにおいて、前記油圧無段変速機に作動油を供給する作動油タンクが、左右方向に向けた横置き姿勢の前記脱穀部後方で前記エンジンと並設されるように前記走行機体上に載置されており、前記作動油タンクにおけるタンクケースには、作動油の入出口となる複数の油圧ポートが設けられており、複数の前記油圧ポートと連結した走行用油圧配管及び作業用油圧配管が、前記走行機体を上下多段構造に形成する下部機体フレームと上部機体フレームの間で後方に向かって延設されているものである。
上記コンバインにおいて、前記脱穀部の穀粒を搬送して籾受部に排出させる穀粒排出部を備えており、前記穀粒排出部と前記作動油タンクが前記エンジンを挟んで左右に振り分けて配置されているものとしてもよい。
上記コンバインにおいて、前記作動油タンクは、オイルフィルタを内蔵するタンクケースの底面に、ドレンキャップを左右中心から偏倚させて設けており、前記作動油タンクが前記走行機体上面の側縁側に載置されて、前記ドレンキャップが前記走行機体の側縁近傍に配置されているものとしてもよい。
上記コンバインにおいて、前記エンジンの動力を前記脱穀部に伝達させるカウンタ軸が、前記脱穀部と前記作動油タンクとの間で左右方向に延設されており、前記カウンタ軸の一端に前記エンジンからの動力を受ける入力側回転体が設けられる一方で、前記カウンタ軸の他端に前記脱穀部に対して動力を出力する出力側回転体が設けられ、前記タンクケース上面で着脱可能に設けられた蓋部が前記出力側回転体よりも上方に配置され、前記蓋部の取り外しにより前記タンクケース内の前記オイルフィルタを交換可能としたものとしてもよい。
本願発明によると、横置き姿勢の脱穀部後方でエンジンを近接させてコンパクトにコンバイン機体を構成し、エンジン右側方の機体外側からアクセスしやすい位置に大容量の作動油タンクを支持できる。そのため、小型軽量化されたコンバインに作動油タンクの容量を制限することなく搭載できるとともに、作動油タンクへの給油作業やメンテナンス作業が容易となる。
本願発明によると、エンジンから突出するエンジン出力軸と逆側に、作動油タンクが設置されることで、エンジン出力軸と接続した駆動系統(動力伝達系統)と作動油タンクとの間にエンジンを介在させている。従って、作業者は、作業部駆動系統及び走行部駆動系統に接触することなく、作動油タンクにアクセスでき、給油作業や交換作業などを含むメンテナンス作業における安全性と容易性を確保できる。
本願発明によると、作動油タンクが走行機体上面の側縁側に載置されることで、ドレンキャップが走行機体の機外側近傍に配置されることとなる。そのため、機外からドレンキャップへのアクセスが容易となり、作動油タンクの作動油の交換作業などのメンテナンス作業における作業性が向上する。
本願発明によると、下部機体フレームと上部機体フレームの間に油圧配管を延設したものであるから、前記下部機体フレームと上部機体フレームにて油圧配管の上下側を囲み、前記作動油タンクにて油圧配管の前側を囲み、前記油圧配管を容易に保護できる。前記エンジンよりも低い位置(上部機体フレーム下面側)に前記作動油タンクと油圧配管の設置スペースを確保でき、前記エンジン前方の作動油タンクと、前記エンジン後方の油圧無段変速機を接続させる油圧配管構造を簡略化でき、前記油圧配管の組付け作業性などを向上できる。
本願発明によると、走行機体上方に配置された作動油タンク上面の蓋部を着脱可能とすることで、作動油タンク上方を大きく開口させることができ、オイルフィルタの交換作業が容易になる。また、出力側回転体よりも蓋部を上方に位置させることで、オイルフィルタの交換作業時などにおいて、駆動系統との接触を避けることができるだけでなく、駆動系統の部品を機体から取り外すことなく作業を進めることができ、その作業性を向上できる。
本発明の実施形態を示す普通型コンバインの左側面図である。 同コンバインの平面図である。 同コンバインの右側面図である。 図1の拡大説明図である。 図2の拡大説明図である。 図3の拡大説明図である。 左側後方から視た走行機体の斜視図である。 図7の拡大説明図である。 右側前方から視た走行機体の斜視図である。 図9の拡大説明図である。 普通型コンバインの駆動系統図である。 普通型コンバインの油圧回路図である。 エンジンの駆動伝達部を示す右側説明図である。 図13の拡大説明図である。 脱穀部の右側断面図である。 冷却クーラ周辺の駆動系統の構成を示す斜視図である。 左側後方から視たエンジン周辺の構成を示す斜視図である。 冷却風取入れダクト体の周辺構成を示す斜視図である。 冷却風取入れダクト体の内部構成を示す斜視図である。 冷却風取入れダクト体の取付け構成を示す分解斜視図である。 穀粒取出し部下側の構成を示す左側面図である。 右側前方から視た走行機体の斜視図である。 走行機体の右側面図である。 走行機体における油圧配管及び駆動系統の構造を示す右側後方斜視図である。 走行機体における油圧配管の構造を示す右側前方斜視図である。 作動油タンクの斜視図である。 作動油タンクの断面図である。 作動油タンクの分解斜視図である。 走行機体における油圧配管の構造を示す平面図である。 走行機体における履帯支持構造を示す平面図である。 右側後方から視たエンジン周辺の構成を示す斜視図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図31)に基づいて説明する。まず、図1〜図6を参照しながら、普通型コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図6などに示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、稲(または麦)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取部3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の前部上面には、刈取部3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀部9を搭載する。脱穀部9の内部には、後述する穀稈脱粒ロータとしての扱胴21を配置する。走行機体1の後部右側には、オペレータが歩行移動しながら操縦する運転操作部5を搭載する。コンバイン各部の動力源としてのエンジン7を、走行機体1の中央部に配置する。走行機体1の後部左側(運転操作部5の左側方)には、脱穀部9から穀粒を取出す籾受部6を配置する。籾受部6に向けて脱穀部9内の穀粒を穀粒排出コンベヤ(穀粒排出部)8にて搬出するように構成している。前低後高姿勢の穀粒排出コンベヤ8の送り終端部に、脱穀物の選別を行う穀粒選別部としての風路形成ダクト体10を備えている。
刈取部3は、脱穀部9前部の扱口供給部に連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12を備えている。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸18(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取部3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、フィーダハウス11内の供給コンベヤ17によって搬送され、脱穀部9左側部に設けられた扱口供給板9aから扱室22内部に投入されるように構成している。
また、図4〜図6などに示す如く、脱穀部9の扱室22内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の左右方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。加えて、供給コンベヤ17の穀稈送り終端側に連通させる扱口供給板9aが、扱室22の左側下部に形成される一方、扱室22の右側下部に排塵口23が形成されている。即ち、走行機体1の前部に横置き姿勢の扱胴21を左右向きに搭載すると共に、脱穀部9の左側端部にフィーダハウス11を配置して、前後方向に長尺なフィーダハウス11と左右横置き姿勢の脱穀部9における刈取穀稈の移動方向を直交方向に変更するように構成している。
上記の構成により、供給コンベヤ17によって扱口供給板9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の左側から右側に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、扱室22右側下部の排塵口23から右側履帯2の上面側を介して圃場の既刈り面に排出されるように構成している。
また、図4〜図10などに示す如く、脱穀物の選別を行う穀粒選別部として、前低後高姿勢の穀粒排出コンベヤ8後端側の送り終端部に配置された風路形成ダクト体10と、風路形成ダクト体10に選別風を導入して吸排塵する吸引ファン装置34を備える。受網24の下方に穀粒取出コンベヤ36を横架させるものであり、扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、穀粒取出コンベヤ36と穀粒排出コンベヤ8を介して風路形成ダクト体10内部に搬入されると共に、風路形成ダクト体10内部に搬入された脱穀物は、吸引ファン装置34の風選別作用により、重い穀粒と、軽い藁屑等に選別されるように構成している。
一方、脱穀部9の左側部において、脱穀部9と籾受部6の間に前低後高姿勢に穀粒排出コンベヤ8を延設させる。穀粒取出コンベヤ36左側端部の送り終端側に、穀粒排出コンベヤ8前端部の送り始端側を連結させる。脱穀部9の端面V字形状の穀粒取出底部に穀粒取出コンベヤ36を内設させる。受網24から穀粒取出コンベヤ36に漏下した穀粒は、穀粒取出コンベヤ36左側端部から穀粒排出コンベヤ8前端部に移送され、穀粒排出コンベヤ8後端側の風路形成ダクト体10から籾受部6に移送され、籾受部6の籾袋37に収集されるように構成している。
即ち、籾受部6には、走行機体1左側後端部に台支持フレーム38aを介して連結させる籾受け台38と、走行機体1左側後端部に支柱フレーム体39を介して取付ける籾受けアーム体39aを設ける。また、支柱フレーム体39の上端側に風路形成ダクト体10を支持させ、風路形成ダクト体10の穀粒出口に充填ホッパー19を設けるものであり、籾受けアーム体39aに籾袋37を吊下げ、充填ホッパー19に籾袋37の開口部を装着し、充填ホッパー19から排出される穀粒が籾袋37内部に充填される。
一方、図4〜図6などに示す如く、運転操作部5には、操縦コラム41を配置する。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更する左右のサイドクラッチレバー43,44と、走行機体1の移動速度を切換える走行変速レバー45と、刈取部3または脱穀部9を駆動または停止操作する作業クラッチレバー46と、刈取部3を昇降操作する刈取昇降レバー47と、駐車ブレーキレバー48を配置する。また、操縦コラム41の後面側に歩行用ハンドル49を後方に向けて突設させ、歩行用ハンドル49の左側握り部にアクセルレバー40を取付ける。操縦コラム41上面側に、左右サイドクラッチレバー43,44と、刈取昇降レバー47と、走行変速レバー45を、右側から順に左右方向に並列配置し、機体内側方の走行変速レバー45の操作位置を他のレバー43,44,46,47の操作位置よりも高く形成し、略一定速度で圃場を移動する収穫作業中に操作頻度が低くなる走行変速レバー45を機体内側方に支持し、同じく収穫作業中に操作頻度が高いサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を機体外側方に支持するように構成している。
なお、図7〜図10などに示す如く、操縦コラム41の後方には、オペレータが座乗する運転座席42を着脱可能に配置する。走行機体1の右側後端部に運転席ブラケット体111を設け、運転席ブラケット体111に運転席フレーム112の前端部を着脱可能にボルト締結する。また、上部機体フレーム1bの右側後端から後方に向けて運転席フレーム112の後端側を略水平に延設し、運転席フレーム112の後端部に運転座席42を取付け、運転席フレーム112を介して運転操作部5後方に運転座席42を配置し、運転座席42に座乗したオペレータが、運転操作部5の各レバー43,44,45,46,47,48等を操作可能に構成している。
また、図7〜図10などに示す如く、運転座席42に座乗するオペレータの足元と右の履帯2後端部の間に配置する足元ガード体114を備える。運転席ブラケット体111の下面側から下方に向けてガード体支持フレーム115を延設し、ガード体支持フレーム115に足元ガード体114を固着し、オペレータの足元が右の履帯2に接触するのを足元ガード体114にて阻止するように構成している。加えて、運転席フレーム112の前後中間部から下方に向けて足載せフレーム112aを延設し、足載せフレーム112aの下端部に足載せ台113を固着し、運転座席42に座乗したオペレータの足を足載せ台113に載せるように構成している。
さらに、図7〜図10などに示す如く、走行機体1の下面側に左右の前支脚体32及び後支脚体33を下向きに突設させ、走行機体1下面側に左右の各支脚体32,33を介して左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンション機構53を介して支持するテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ54を設けている。前記テンションローラ52によって履帯2の前側を支持させ、駆動スプロケット51によって履帯2の後側を支持させ、トラックローラ54によって履帯2の接地側を水平姿勢に支持させ、履帯2の非接地側を前低後高姿勢に支持させるように構成している。
次に、図7〜図15などを参照してコンバインの駆動構造を説明する。図7〜図12などに示す如く、走行油圧ポンプ30及び走行油圧モータ31が内蔵された走行変速用の油圧無段変速機64をミッションケース63に設ける。走行機体1の中央上面にエンジン7を搭載し、エンジン7後方の走行機体1後部にミッションケース63を配置する。また、エンジン7から左側方に突出させたエンジン出力軸65上の走行駆動プーリ69と、ミッションケース63から左側方に突出させた変速入力軸66上の変速入力プーリ70を、前側走行出力ベルト67aと後側走行出力ベルト67bを介して連結する。
また、前側走行テンションプーリ68aにて前側走行出力ベルト67aを緊張させるとともに、後側走行テンションプーリ68bにて後側走行出力ベルト67bを緊張させて、エンジン7からミッションケース63に動力を伝達して、左右の履帯2を駆動するように構成している。なお、図8、図14などに示す如く、変速入力プーリ70左側の機外側面に入力プーリファン70aを固着し、入力プーリファン70aにて油圧無段変速機64を空冷するように構成している。
加えて、図10、図13、図14などに示す如く、走行機体1上に中間フレーム131を後傾姿勢に立設させ、中間フレーム131の上端側に中間軸132を介して左側中間プーリ133と右側中間プーリ134を一体的に回動可能に軸支し、走行駆動プーリ69と左側中間プーリ133の間に前側走行テンションプーリ68aを介して前側走行出力ベルト67aを掛け回すと共に、右側中間プーリ134と変速入力プーリ70の間に後側走行テンションプーリ68bを介して後側走行出力ベルト67bを掛け回している。エンジン7後側のミッションケース63を機体前後中心線に対して機体右側寄りに配置し、走行駆動プーリ69の取付け位置に対して変速入力プーリ70の取付け位置を走行機体1の中央寄りに形成する。
後側走行出力ベルト67b後端側の変速入力プーリ70に支持された入力プーリファン70aは、前側走行出力ベルト67aの後側方に配置される。エンジン7の後方で左右履帯2の間に、ミッションケース63上部に油圧無段変速機64を一体的に上載固定でき、重量部品であるエンジン7とミッションケース63を機体左右幅中央部(機体前後中心線付近)に支持して、機体の左右方向の重量バランスを良好に形成している。
図7〜図11、図13〜図15などに示す如く、前記刈取部3と扱胴21を駆動するためのカウンタ軸72を備える。左側軸受体71aと右側軸受体71bを介して走行機体1(上部機体フレーム1b)上面側にカウンタ軸72を回転自在に設ける。エンジン7から左側方に突出させた出力軸65上の脱穀駆動プーリ57と、カウンタ軸72左側端部のカウンタ軸プーリ(入力側回転体)58を、脱穀駆動ベルト59を介して連結する。テンションローラ形の作業クラッチ60にて脱穀駆動ベルト59を緊張させ、エンジン7からカウンタ軸72に動力を伝達させる。
また、カウンタ軸72右側端部にカウンタ軸スプロケット(出力側回転体)73を軸支する。カウンタ軸スプロケット73と、扱胴軸20右側端部の扱胴軸入力スプロケット74を、脱穀駆動チェン75にて連結し、カウンタ軸72を介して扱胴21を駆動するように構成している。また、扱胴軸20右側端部に穀粒送出スプロケット76を軸支する。穀粒送出スプロケット76と、穀粒取出コンベヤ36右側端部の送出入力スプロケット77を、送出駆動チェン78にて連結し、カウンタ軸72を介して穀粒取出コンベヤ36を駆動するように構成している。
加えて、穀粒取出コンベヤ36左側端部に穀粒排出スプロケット79を介して穀粒排出コンベヤ8の送り始端側を連結する。穀粒排出コンベヤ8は、無端帯状の穀粒排出チェン8aと、穀粒排出チェン8aに等間隔に配置する複数の穀粒排出板体8bを有する。穀粒排出スプロケット79に穀粒排出チェン8aを掛け回し、穀粒取出コンベヤ36と穀粒排出コンベヤ8を連動して駆動し、穀粒取出コンベヤ36左側端部に取出された穀粒を、複数の穀粒排出板体8bにて穀粒排出コンベヤ8の底板を沿わせて風路形成ダクト体10に向けて搬送するように構成している。
一方、カウンタ軸72左側端部のファン駆動プーリ82と、吸引ファン装置34のファン軸34a上の送風ファンプーリ83を、ファンテンションプーリ81にて緊張支持されたファン駆動ベルト84にて連結している。エンジン7からの動力がカウンタ軸72を介して扱胴21と吸引ファン装置34の吸排塵ファン34bに伝達させることで、扱胴21と吸排塵ファン34bとを連動して駆動するように構成している。操縦コラム41の左側部に配置した作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、脱穀部9の各部(扱胴21、各コンベヤ8,36、吸排塵ファン34b)を定速回転数にて駆動している。
次いで、図1〜図3、図7〜図11を参照して刈取部3の駆動構造を説明する。扱胴軸20左側端部に設ける扱胴軸出力スプロケット85と、刈取部3の昇降支点である刈取入力軸18左側端部に設ける刈取入力スプロケット86を、刈取入力チェン87にて連結する。刈取部3全体を昇降動可能に支持する刈取入力軸18を介して、扱胴21と供給コンベヤ17を連動して駆動する。また、刈取部3の穀物ヘッダー12左側部の後面側に一対のヘッダー駆動軸受体141を介してヘッダー駆動軸91を設ける。ヘッダー駆動軸91の右側端部に、ヘッダー駆動スプロケット88,89及びヘッダー駆動チェン90を介して刈取入力軸18の左側端部を連結している。
また、穀物ヘッダー12に掻込みオーガ13を軸支する掻込み軸93を備えている。掻込み軸93の左側端部に、掻込み駆動チェン92及び掻込み駆動スプロケット94,95を介してヘッダー駆動軸91の左側端部を連結する。刈取入力軸18とヘッダー駆動軸91を介して掻込みオーガ13を駆動する。
さらに、図1〜図3などに示す如く、穀物ヘッダー12上面にリール支持フレーム151基端部を固着する。また、掻込みリール14を軸支するリール軸96を備え、左右のリール支持フレーム151先端部にリール軸96の左右端部を回動可能に軸支する。穀物ヘッダー12の上面側に左右のリール支持フレーム151を介して掻込みリール14を支持している。なお、穀物ヘッダー12の左右側面に左右のリール支持フレーム151の中間部を支持するリール支持アーム155を備える。
さらに、図7〜図11などに示す如く、穀物ヘッダー12の右側面部にリール駆動軸153を設け、リール駆動軸153にリール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161を遊転軸支すると共に、リール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161を一体的に固着している。掻込み軸93の右側端部に設けたリール入力スプロケット99とリール駆動スプロケット98にリール駆動チェン97を掛け回す。リール軸96の右側端部に設けたリール従動プーリ163とリール駆動プーリ161にリール駆動ベルト164を掛け回す。
加えて、リール駆動テンションアーム165先端部にリール駆動テンションプーリ166を回動可能に軸支させる。リール駆動チェン97とリール駆動ベルト164を介して、ヘッダー駆動軸91にリール軸96を連動連結している。なお、リール駆動軸153にリール駆動テンションアーム165基端部を支持させ、リール駆動ベルト164にリール駆動テンションプーリ166をリール駆動テンションバネ力にて弾圧させ、リール駆動テンションプーリ166にてリール駆動ベルト164を緊張支持している。なお、刈取部3左側のチェンカバー体169に掻込み駆動チェン92を内設すると共に、刈取部3右側のベルトカバー体170にリール駆動ベルト164を内設する。
さらに、掻込み軸93の右側端部には、刈刃駆動クランク機構100を介して刈刃15が連結されている。作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、刈取部3の各部(供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、刈刃15)が駆動されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。なお、刈取部3右側の刈刃駆動カバー体171に刈刃駆動クランク機構100を内設する。
次に、図12を参照してコンバインの油圧回路構造を説明する。図12に示す如く、走行変速用の油圧無段変速機64の走行油圧ポンプ30及び走行油圧モータ31を閉ループ油圧回路211にて接続すると共に、閉ループ油圧回路211に作動油を供給するチャージポンプ212を設ける。また、昇降バルブ213を有する昇降油圧回路214を備え、刈取昇降レバー47操作にて昇降バルブ213を切換えると共に、昇降用油圧シリンダ4を上昇動させる作業ポンプ215を設ける。変速入力軸66を介してチャージポンプ212と作業ポンプ215を走行油圧ポンプ30と連動して駆動するように構成している。
上記の構成により、作動油タンク55の作動油が、チャージポンプ212と作業ポンプ215にて、油圧無段変速機64または昇降油圧回路214に圧送されるものであり、走行油圧ポンプ30にて走行油圧モータ31を作動させて無段変速出力する一方、作業ポンプ215にて昇降用油圧シリンダ4を上昇動させ、刈取部3を昇降動させるように構成している。加えて、油圧無段変速機64または昇降油圧回路214からオイルクーラ217を介して作動油タンク55に作動油が戻るように構成している。オイルクーラ217は、中間軸132に設けた冷却クーラファン218にて空冷し、作動油タンク55の作動油を所定温度以下に維持するように構成している。
次いで、図4〜図10、図13〜図15を参照して、走行機体1の構造を説明する。下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bと支柱フレーム1cにて走行機体1を上下多段の櫓構造に構成している。前支脚体32と後支脚体33を介して下部機体フレーム1aの下面側に左右のトラックフレーム50を固着し、左右のトラックフレーム50を介して左右の履帯2を装設させる。また、上部機体フレーム1b上面の搭載部にエンジン7下面を連結し、上部機体フレーム1bにエンジン7を搭載するものであり、エンジン7は、運転操作部5と籾受部6間の走行機体1中央部に配置される。
即ち、走行機体1の左右幅中央部にエンジン7が配置されると共に、エンジン7を中心に、エンジン7右側方の上部機体フレーム1b後部(走行機体1の後方右側)に運転操作部5が配置され、エンジン7左側方の上部機体フレーム1b後部(走行機体1の後方左側)に籾受部6が配置されるものであり、エンジン7が搭載された上部機体フレーム1bの右側上面に作動油タンク55及びバッテリ56が配置される。バッテリ56は、エンジン7の始動電源などに利用される。
また、上部機体フレーム1bは、下部機体フレーム1aに対して左右に張り出している。上部機体フレーム1bの左側後方部が、左側履帯2よりも外側に延設されるとともに、当該左側後方部の延設部分に風路形成ダクト体10を支持する支柱フレーム体39が立設される。一方、上部機体フレーム1bの右側部が、右側履帯2上方に向かって延設され、当該右側部の後端部分に運転操作部5が設置される。また、上部機体フレーム1bの右側部における延設部分上面には、作動油タンク55及びバッテリ56が前方から順に上載されている。
一方、上部機体フレーム1b前端側よりも前方に下部機体フレーム1a前端側を延設し、下部機体フレーム1aの前端側上面に脱穀部9底部を載置する。脱穀部9後方側の上部機体フレーム1b上面にエンジン7を設置し、脱穀部9上面高さとエンジン7上面高さを一致させて略同一高さに形成するものであり、エンジン7の設置面(上部機体フレーム1b上面)よりも脱穀部9の設置面(下部機体フレーム1a上面)を低く形成する。脱穀部9左側前部の低い位置に扱口供給板9aを配置し、走行機体1の低い位置に脱穀部9の扱口9b(刈取穀稈入口)を構成している。
また、下部機体フレーム1aの前端部に昇降用油圧シリンダ4を取付けている。そして、上部機体フレーム1bの右側上面に作動油タンク55を配置し、昇降用油圧シリンダ4などの作動油を作動油タンク55に貯蔵するように構成している。上部機体フレーム1b上面におけるエンジン7の右側方に、作動油タンク55及びバッテリ56が前後に並んで搭載されている。すなわち、作動油タンク55が、上部機体フレーム1bの右側前端部(脱穀部9後面)に搭載されて、作動油タンク55後方にバッテリ56が搭載されている。
他方、左右のトラックフレーム50後端に下部機体フレーム1aの後端を左右の後支脚体33にて連結し、左右の後支脚体33の上端側を下部機体フレーム1aの後方上方に向けて延設させ、左右の後支脚体33の上端側にミッションケース63両側の左右車軸ケース63aを着脱可能に支持すると共に、下部機体フレーム1aの後端側よりも後方に上部機体フレーム1bの後端側を延設し、上部機体フレーム1bの後端側に上部連結体62を介してミッションケース63の上端側を着脱可能に支持するものであり、後支脚体33の上端側と上部機体フレーム1bの後端側にミッションケース63を後傾姿勢に配置している。
ミッションケース63下端側の左右車軸ケース63aに左右駆動スプロケット51を介して左右履帯2の後端部を張設させている。即ち、後支脚体33の上端側に左右車軸ケース63aを介して駆動スプロケット51を支持し、トラックフレーム50前端部のテンションローラ52と後支脚体33上端側の駆動スプロケット51の間に履帯2の非接地側を張設し、履帯2の非接地側を前下がりに傾斜させた前低後高姿勢に支持している。
一方、上部機体フレーム1bの右側後端部と左側の車軸ケース63aに両端側をボルト締結させるミッション保護フレーム116を備え、ミッションケース63の後側をミッション保護フレーム116にて囲むと共に、ミッション保護フレーム116にミッション保護カバー117を取付け、ミッションケース63上部の油圧無段変速機64の上方側及び後方側をミッション保護カバー117にて覆うように構成している。
走行機体1前部の上部機体フレーム1bの上方にカウンタ軸72を水平姿勢に架設している。すなわち、上部機体フレーム1b前部の左縁上方に左側軸受取付け台415が固定される一方、上部機体フレーム1b前部の右側延設部上方に右側軸受取付け台416が固定される。そして、左右の軸受体71a,71bが、上部機体フレーム1b上に固定された左右の軸受取付け台415,416上面に固着されることで、軸受体71a,71bによって軸支されるカウンタ軸72が、上部機体フレーム1b前側上方で左右方向に延設されている。
また、上部機体フレーム1bの左側上面に側板支持フレーム145とエンジン側板体146を立設させ、側板支持フレーム145とエンジン側板体146を連結固定し、側板支持フレーム145に脱穀テンションアーム147基端側を取付け、前方に延設した脱穀テンションアーム147先端側に作業クラッチ60を配置し、作業クラッチ60を介して脱穀駆動ベルト59を張設し、エンジン7の出力軸65にカウンタ軸72を連結させている。
支柱フレーム体39に吸引ファン装置34のファンケース29を固着し、エンジン側板体146左側の機外側面に吸引ファン装置34を配置し、エンジン7の左側方にエンジン側板体146を介して吸引ファン装置34を配設している。エンジン側板体146を介して吸引ファン装置34にエンジン7周辺の暖気を吸込むように構成している。また、上部機体フレーム1bの左側下面にファンテンションアーム148基端側を取付け、前方に延設したファンテンションアーム148先端側にファンテンションプーリ81を配置して、ファン軸34aとカウンタ軸72とを連結するファン駆動ベルト84を張設している。
また、前側走行テンションプーリ68aが支持された前側走行テンションアーム149aを中間フレーム131に支持させると共に、後側走行テンションプーリ68bが支持された後側走行テンションアーム149bを中間フレーム131に支持させる。そして、脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bと、ファン駆動ベルト84が配置されたエンジン7の左側にベルトカバー体183を張設させている。前記各ベルト59,67a,67b,84の上面側に沿ってベルトカバー体183の上面壁部を前後方向に延設させている。
側板支持フレーム145の前側にエンジン側板体146を立設すると共に、エンジン7の左側で前後方向に延設させる脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bと、ファン駆動ベルト84のそれぞれの上面側と左側面側が、エンジン側板体146とベルトカバー体183の左側壁部及び上面壁部にて閉塞され、エンジン側板体146とベルトカバー体183にて覆われた前記各ベルト59,67a,67b,84設置空間の外気が冷却クーラファン218を介してオイルクーラ217に供給されるように構成している。
上記の構成により、エンジン側板体146とベルトカバー体183の下面側開口部(上部機体フレーム1b設置部またはエンジン7載置部の付近)における藁屑が比較的少ない場所から、エンジン側板体146とベルトカバー体183にて覆われた空間内部に外気が吸込まれ、その空間内部の外気を冷却クーラファン218にてオイルクーラ217に供給できる。したがって、藁屑などの粉塵が比較的少ない空気を冷却風としてオイルクーラ217に供給できる。
また、図16〜図21などに示す如く、側板支持フレーム145の機外側面にケースブラケット体411を介してクーラケース体412を固着し、オイルクーラ217と冷却クーラファン218をクーラケース体412に内設している。上下一対のケースブラケット体411は、側板支持フレーム145上端及び下側中途部に前端が固定されるとともに後方に向かって延設されている。そして、上下一対のケースブラケット体411それぞれにクーラケース体412の上下縁が固定されることで、クーラケース体412が支柱フレーム体39後方であって籾受けアーム体39aよりも機内側に配置される。クーラケース体412左側面(機外側面)に設けられる冷却風取入れ開口部451には、多角箱型(三角箱型)の冷却風取入れダクト体(吸引ダクト)452が連結されている。
上記の構成により、風路形成ダクト体10下方における藁屑が比較的少ない場所に設置された冷却風取入れダクト体452からクーラケース体412内に外気が吸込まれ、クーラケース体412内に取り込んだ外気を冷却クーラファン218にてオイルクーラ217に供給できる。したがって、藁屑などの粉塵が比較的少ない空気を冷却風としてオイルクーラ217に供給できる。また、オイルクーラ217の支持部材を特別に設置することなく、側板支持フレーム145を利用してオイルクーラ217を高剛性に支持でき、オイルクーラ217取付け部品数を削減して、低コストに構成できる。
油圧無段変速機64にエンジン7の動力を伝達するためのプーリ133,134とベルト67a,67bを備える構造であって、プーリ133,134が軸支される中間軸132の機外側端部に冷却クーラファン218を設け、冷却クーラファン218の機外側方にオイルクーラ217を配置している。したがって、ミッションケース63上部の油圧無段変速機64にオイルクーラ217を近接させてコンパクトに支持できると共に、エンジン7後方の塵が少ない空気を冷却風としてオイルクーラ217に供給できる。
エンジン7後方の走行機体1にミッションケース63を配置させ、エンジン7とミッションケース63の油圧無段変速機64間の伝達径路に中間軸132を設け、走行機体1の左右向きに中間軸132を延設させ、中間軸132に冷却クーラファン218を取付けると共に、ミッションケース63を挟んで操縦コラム41と反対側に冷却クーラファン218を配置している。したがって、油圧無段変速機64とオイルクーラ217と冷却クーラファン218を備えて、高走行性能の走行部(履帯2)駆動構造を容易に構成できるものでありながら、小型軽量構造のコンバインを容易に構成できる。左右方向に向けた横置き姿勢に脱穀部9を走行機体1上面に搭載し、脱穀部9後方にエンジン7と籾受部6を配置できると共に、エンジン7後側方の左右後部に籾受部6と操縦コラム41を並設できる。
冷却風取入れダクト体(吸引ダクト)452は、三角箱型ダクト本体ハウジング453を有する。即ち、ダクト本体ハウジング453は、傾斜した左側面(左傾斜面)455を有する略三角形の前後面を備えた三角柱に近い形状を有している。また、ダクト本体ハウジング453は、クーラケース体412の機外側面(左側面)に対して着脱自在に固定され、クーラケース体412の冷却風取入れ開口部451にダクト本体ハウジング453右側面の除塵風出口454を連通させている。
ダクト本体ハウジング453は、底面及び前後面の三方向に、防塵網が張設された外気取入れ口456〜458をそれぞれ開設する。ダクト本体ハウジング453は、籾受け台38と支柱フレーム体39との間に設置されるとともに、底面の外気取入れ口456が籾受け台38の前方屈曲部分よりも上方に位置している。従って、籾受け台38にこぼれ落ちた籾などが、底面の外気取入れ口456を通じてダクト本体ハウジング453内に吸引することを防止できる。また、ダクト本体ハウジング453の前後面に外気取入れ口457,458を設けることにより、ダクト本体ハウジング453内に外気を取り込みやすくなることから、オイルクーラ217における冷却効果を向上できる。
ダクト本体ハウジング453の左傾斜面455は、機外側方(左側方)に向かって下方に傾斜させた傾斜面で構成されており、支柱フレーム体39に一端が固定された籾受けアーム体39aが、左傾斜面455上方に配置されている。すなわち、ダクト本体ハウジング453の左傾斜面455上方に空間が構成されるとともに、ダクト本体ハウジング453の左傾斜面455に対して籾受けアーム体39aが離間して配置される。
籾受けアーム体39aは、支柱フレーム体39より後方に向かって延設されており、その後端側を上方に向かって屈曲させて凸状に構成される籾袋固定部39bと、籾袋固定部39b前方を下方に向かって屈曲させて凹状に構成される凹状屈曲部39cと、凹状屈曲部39cより前方に設けた予備用籾袋配置部39dとを備える。予備用の籾袋37を含む複数の籾袋37は、その袋口を2本の籾受けアーム体39aに通して吊り下げられている。そして、穀粒が投入される1枚の籾袋37が、充填ホッパー19の籾投入口19aに近接した籾袋固定部39bに掛けられた状態で、その袋口が籾投入口19aに装着される。
また、予備となる空の籾袋37は、凹状屈曲部39c及び予備用籾袋配置部39dなどに掛けられることで、籾受けアーム体39a下側におけるダクト本体ハウジング453の左傾斜面455との空間に垂れ下がる。従って、ダクト本体ハウジング453の外気取入れ口456〜458が空の籾袋37により塞がれることがなく、ダクト本体ハウジング453内に外気が取り込まれ、オイルクーラ217における冷却効果を維持できる。また、支柱フレーム体39後方にダクト本体ハウジング453前面を配置することにより、ダクト本体ハウジング453より前方に空の籾袋37が垂れ下がることがない。
更に、籾受けアーム体39aにおいて、籾袋固定部39bと予備用籾袋配置部39dとの間に凹状屈曲部39cを設けることで、作業者が、予備用籾袋配置部39dにおける予備の籾袋37を籾袋固定部39bまで移動させやすくなり、充填ホッパー19の籾投入口19aへの籾袋37の装着が容易となる。また、籾受けアーム体39aにおいて、籾袋固定部39bの前方に凹状屈曲部39cを設けることで、籾袋固定部39bにおいて、充填ホッパー19の籾投入口19aへ籾袋37が装着されている際に、予備となる籾袋37の籾袋固定部39bへの移動を防止できる。
油圧無段変速機64の作動油を冷却するオイルクーラ217が冷却クーラファン218よりも機外側方に設置され、オイルクーラ217の冷却クーラファン218と逆側が冷却風取入れダクト体(吸引ダクト)452により覆われている。そして、冷却風取入れダクト体452は、少なくとも下面が開口されるとともに上面を傾斜させた三角形状を有して、風路形成ダクト体10(選別部)下方に配置されている。
冷却風取入れダクト体452は、ダクト本体ハウジング453の下面を開口させて外気取入れ口456を形成しているため、上方より落下してくる藁屑や塵埃の吸い込みが少なく、オイルクーラ217における冷却効果を維持できる。また、冷却風取入れダクト体452は、ダクト本体ハウジング453の上面を傾斜させた左傾斜面455を有することで、冷却風取入れダクト体452上方に空間を設けることができ、例えば、予備となる籾袋37の保管場所を構成できる。また、冷却風取入れダクト体452上方の空間を予備となる籾袋37を保管場所とした場合であっても、ダクト本体ハウジング453下面の外気取入れ口456が塞がれることがないため、オイルクーラ217における冷却効果が低下することがない。
走行機体1の走行方向を前後方向とし、冷却風取入れダクト体452がオイルクーラ217に対して左方向(機外側方)に突設されているとともに、冷却風取入れダクト体452の前後面が開口されている。冷却風取入れダクト体452は、ダクト本体ハウジング453の前後面を開口させて外気取入れ口457,458を形成しているため、オイルクーラ217の容量に対する冷却空気の不足を防げる。
風路形成ダクト体10を支持する支柱フレーム体(籾受支柱)39が走行機体1より立設され、籾袋37が吊り下げられる籾受けアーム体39aが支柱フレーム体39の後方に片持ち支持されている。冷却風取入れダクト体452の傾斜した上面が籾受けアーム体39a下側に位置するようにして、支柱フレーム体39の後方に設置される。
上記構成により、ダクト本体ハウジング453の上面を傾斜させた左傾斜面455から上方に籾受けアーム体39aを離間させて配置できるため、籾受けアーム体39aに掛けられて保管される予備の籾袋37が、冷却風取入れダクト体452の開口部分に垂れ下がることがない。すなわち、ダクト本体ハウジング453に設けた外気取入れ口456〜458が予備の籾袋37等により塞がれることがなく、冷却風取入れダクト体452内への外気の取り込み量の低下を防止できる。
風路形成ダクト体10が、穀粒排出コンベヤ8の投出し口(図示省略)と連通する風選用蛇行通路(図示省略)を備え、籾袋37に穀粒を投入する充填ホッパー19が風路形成ダクト体10後方で風選用蛇行通路に連結する一方、風路形成ダクト体10前方で風選用蛇行通路に吸引ファン装置34を連結している。そして、吸引ファン装置34の排塵口222aと充填ホッパー19の籾投入口19aの間に、支柱フレーム体39と冷却風取入れダクト体452が配置されている。
吸引ファン装置34の排塵口222aと冷却風取入れダクト体452との間に支柱フレーム体39が配置されることで、冷却風取入れダクト体452前方の支柱フレーム体39が障害となり、吸引ファン装置34から排出される藁屑や塵埃の少ない外気を冷却風取入れダクト体452内に取り込むことができる。また、充填ホッパー19の籾投入口19aより前方に冷却風取入れダクト体452が設置されることから、籾投入口19aに装着された籾袋37が障害となり、冷却風取入れダクト体452内に取り込まれる外気に含まれる籾の量を抑制できる。従って、冷却風取入れダクト体452内に設けられた外気取入れ口456〜458の防塵網への藁屑や籾の付着量を低減して、オイルクーラ217の冷却効果の低下を抑制できる。
また、冷却風取入れダクト体452は、冷却風取入れダクト体452の底面機内側端部(右側端部)を吸引ファン装置34の排塵口222aよりも機内側(右側)に位置させている。従って、吸引ファン装置34の排塵口222aから機外側方に藁屑などが排出されるため、藁屑や塵埃の少ない空間に冷却風取入れダクト体452が配置されることとなり、冷却風取入れダクト体452内に設けられた外気取入れ口456〜458の防塵網への藁屑や籾の付着量を低減できる。
図19〜図21に示す如く、冷却風取入れダクト体452は、クーラケース体412に対して着脱自在に構成されている。冷却風取入れダクト体452は、クーラケース体412上面より突設されたネジ部459が挿入される挿入孔460を、ダクト本体ハウジング453上面の右縁側に穿設しており、クーラケース体412底面より上方に突設された係止突起461が挿入される係止孔462を、ダクト本体ハウジング453底面の右縁側に穿設している。一方、冷却風取入れダクト体452は、ダクト本体ハウジング453における除塵風出口454の上下位置に、ネジ部459及び係止突起461それぞれが挿入される挿入孔460及び係止孔462を有する。
冷却風取入れダクト体452は、挿入孔460及び係止孔462にクーラケース体412のネジ部459及び係止突起461を挿入させた状態で、ダクト本体ハウジング453上面から突出したネジ部459に雌ネジ(蝶ネジ)463が締結されることで、クーラケース体412の左側面に着脱可能に固定される。ダクト本体ハウジング453は、左側方に向かって下側に傾斜する左傾斜面455を有する構造であるため、冷却風取入れダクト体452上方に十分な空間が構成されるため、雌ネジ(蝶ネジ)463の着脱が容易となる。従って、冷却風取入れダクト体452をクーラケース体412から容易に着脱可能となり、オイルクーラ217周辺のメンテナンス性が向上する。
さらに、図4〜図6などに示す如く、左側履帯2の後部に籾受け台38を配置させ、充填ホッパー19の籾投入口19aを籾受け台38上方に配置し、籾投入口19aに籾袋37を装着し、籾袋37に籾を充填するように構成している。籾が充填された籾袋37を圃場に落下させ、籾投入口19aに空の籾袋37を順次装着して、穀粒排出コンベヤ8から風路形成ダクト体10を介して連続的に搬出される籾(穀粒)を、複数の籾袋37に充填できる。
次いで、図4〜図7、図13〜図15などに示す如く、扱胴21は、同一円周上に配置する4本の丸パイプ製の胴フレーム21aと、胴フレーム21aに等間隔に外向き姿勢に立設させる多数本のV字形状の扱歯21bと、排塵口23に対向する胴フレーム21a右側端部の外周面に立設させる排塵羽根板体21cを有する。扱胴21の円板形状の左右側板体21dの外周に各胴フレーム21aの両端部を固着すると共に、扱歯21bのV字形状の両端部を胴フレーム21aに溶接固定している。
また、走行機体1の前部上面側に左右向きに平行に架設させる断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121と断面端面がL形の後部フレーム体122を備える。下部機体フレーム1a(走行機体1)の前端部に断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121を溶接固定すると共に、上部機体フレーム1b前端部が一体的に連結された支柱フレーム1c(走行機体1)の上端部に断面端面がL字形状の後部フレーム体122を溶接固定する。走行機体1前部の支柱フレーム1cは、上部機体フレーム1bより上方に延設されており、後部フレーム体122が、上部機体フレーム1bより上方に配置される。
下部機体フレーム1a前端部に左右の脱穀取付け台128の下端側を溶接固定し、左右の脱穀取付け台128の上端部に前部フレーム体121下面を溶接固定すると共に、左の脱穀取付け台128に昇降用油圧シリンダ4を取付けている。支柱フレーム1cよりも脱穀取付け台128を短尺に形成し、前部フレーム体121の支持高さよりも後部フレーム体122の支持高さを高く形成している。
断面端面が逆V字形状(∧形)の前部フレーム体121に、断面端面が逆V字形状(∧形)の前部横桟枠体123を上方から着脱可能に合体させ、前部フレーム体121に前部横桟枠体123を着脱可能にボルト125締結すると共に、断面端面がL字形状の後部フレーム体122に、断面端面がL字形状の後部横桟枠体124を上方から着脱可能に合体させ、後部フレーム体122に後部横桟枠体124をボルト126締結する。
断面端面が逆V字形状の前部フレーム体121に前記脱穀部9の逆V字形状底面部(前部横桟枠体123)を固定すると共に、断面端面がL字形状の後部フレーム体122に前記脱穀部9後部のL字形状後部(後部横桟枠体124)を固定し、前部フレーム体121と後部フレーム体122に脱穀部9底面側を上方から着脱可能に合体させるものであり、脱穀部9底部の穀粒取出樋25に穀粒取出コンベヤ36を配設し、穀粒取出樋25の外側面に前部横桟枠体123を介して前部フレーム体121を接合させて支持している。
次いで、図12、図22〜図30を参照して、作動油タンク55、ミッションケース63、オイルクーラ217が配置された油圧回路構造を説明する。図22〜図30などに示す如く、側板支持フレーム145にケースブラケット体411を介してクーラケース体412を固着し、オイルクーラ217と冷却クーラファン218をクーラケース体412に内設している。加えて、エンジン7と油圧無段変速機64間の伝達径路に中間軸132を設け、油圧無段変速機64の作動油を冷却するオイルクーラ217と冷却クーラファン218を中間軸132の近傍に設置している。
一方、走行機体1(上部機体フレーム1b)の左右幅中央部右寄りにミッションブラケット体413を介してミッションケース63前面を固着し、走行機体1後部にミッションケース63を配置する。中間軸132の機外側端部に冷却クーラファン218を設け、冷却クーラファン218の機外側方にオイルクーラ217を配置し、ミッションケース63上部左側の油圧無段変速機64にオイルクーラ217を近接させて支持するように構成している。
また、左右方向に向けた横置き姿勢に脱穀部9を走行機体1上面に搭載し、脱穀部9後方にエンジン7と作動油タンク55を並設するとともに、エンジン7後側方の左右後部に籾受部6と操縦コラム41を並設する。また、ミッションケース63上部に油圧無段変速機64とバルブブロック体414を並設し、ミッションケース63上部右側のバルブブロック体414に昇降バルブ213などを内設する。ミッションケース63を挟んで操縦コラム41と反対側に冷却クーラファン218を配置し、油圧無段変速機64とオイルクーラ417と冷却クーラファン218が配備された高走行性能の走行部駆動構造を構成する。
また、上部機体フレーム1bの右側延設部には、軸受取付け台416後方位置にタンク取付け台421が一体的に固定されており、タンク取付け台421及び軸受取付け台416それぞれにタンクブラケット体422を介して作動油タンク55下部が固着されている。上部機体フレーム1b上に作動油タンク55下部がタンクブラケット体422を介して締結固定されて、作動油タンク55が上部機体フレーム1b上で立設するようにして取付けられている。そのため、作動油タンク55の大きさが制限されることなく、エンジン7よりも外側位置でアクセスしやすい場所に作動油タンク55が設置されている。
左右方向に向けた横置き姿勢に脱穀部9が走行機体1上面に搭載されており、走行機体1上面の脱穀部9後方位置に、エンジン7と作動油タンク55が左右に並んで搭載されている。すなわち、上部機体フレーム1bの上面にエンジン7が搭載されると共に、上部機体フレーム1b前端側よりも前方に下部機体フレーム1a前端側が延設され、下部機体フレーム1aの前端側上面に前部フレーム体121を介して脱穀部9が載置される。そして、脱穀部9後方でエンジン7と並設されるように、作動油タンク55が上部機体フレーム1b上に載置され、エンジン7の一側面(左側面)よりエンジン出力軸65を突設させる一方、エンジン7の他側面(右側面)に対向して作動油タンク55が配置される。
上記構成により、横置き姿勢の脱穀部9後方でエンジン7を近接させてコンパクトにコンバイン機体を構成し、エンジン7右側方の機体外側からアクセスしやすい位置に大容量の作動油タンク55を支持できる。そのため、小型軽量化されたコンバインに作動油タンク55の容量を制限することなく搭載できるとともに、作動油タンク55への給油作業やメンテナンス作業が容易となる。
また、エンジン7から突出するエンジン出力軸65と逆側に、作動油タンク55、バッテリ56、及び冷却風取入れダクト体321が設置されることで、エンジン出力軸65と接続した駆動系統(動力伝達系統)と作動油タンク55、バッテリ56、及び冷却風取入れダクト体321との間にエンジン7を介在させている。従って、作業者は、脱穀駆動プーリ57を始めとする作業部駆動系統、及び、走行駆動プーリ69を始めとする走行部駆動系統に接触することなく、作動油タンク55、バッテリ56、及び冷却風取入れダクト体321にアクセスでき、給油作業や交換作業などを含むメンテナンス作業における安全性と容易性を確保できる。
エンジン7の動力を脱穀部9に伝達させるカウンタ軸72が、脱穀部9と作動油タンク55との間で左右方向に延設されており、カウンタ軸72の一端(左端)にエンジン7からの動力を受けるカウンタ軸プーリ(入力側回転体)58が設けられる一方で、カウンタ軸72の他端(右端)に脱穀部9に対して動力を出力するカウンタ軸スプロケット(出力側回転体)73を設けられている。カウンタ軸72の左端側が、上部機体フレーム1b左縁上の左側軸受取付け台415上に固定された左側軸受体71aで軸支される一方、カウンタ軸72の右端側が、上部機体フレーム1bの右側延設部上の右側軸受取付け台416に固定された右側軸受体71bで軸支されている。
右側軸受体71bは、作動油タンク55よりも右側で右側軸受取付け台416に固着されており、カウンタ軸72右端のカウンタ軸スプロケット73が走行機体1の上部機体フレーム1bの右側方に配置される。また、カウンタ軸スプロケット73は、脱穀駆動チェン75を介して、カウンタ軸72前方の脱穀部9における扱胴軸20右側端部の扱胴軸入力スプロケット74と連結している。すなわち、カウンタ軸72からの動力を受けて刈取部3と扱胴21を駆動させる脱穀・刈取駆動系統は、作動油タンク55と同じ走行機体1右側に配置されるものの、カウンタ軸72を含めて作動油タンク55より前方に配置される。そのため、カウンタ軸スプロケット73を始めとする脱穀・刈取駆動系統に接触することなく、作動油タンク55、バッテリ56、及び冷却風取入れダクト体321にアクセスでき、給油作業や交換作業などを含むメンテナンス作業における安全性と容易性を確保できる。
更に、穀粒排出コンベヤ(穀粒排出部)8と作動油タンク55がエンジン7を挟んで左右に振り分けて配置されている。すなわち、走行機体1上において、穀粒排出コンベヤ8及び風路形成ダクト体(穀粒選別部)10と逆側に、作動油タンク55がバッテリ56及び冷却風取入れダクト体321と共に配置される。そのため、走行機体1の外側からアクセスしやすい位置に、作動油タンク55、バッテリ56、及び冷却風取入れダクト体321が支持されており、給油作業や交換作業などを含むメンテナンス作業が容易となる。
作動油タンク55は、上面を開口したタンクケース417に蓋部418を着脱可能とした構成を有しており、タンクケース417内に、フィルタ固定部材419及びフィルタ位置決め部材420によりオイルフィルタ431,432が固定されている。蓋部418上面に注油キャップ424が設けられる一方、タンクケース417下面にドレンキャップ425が設けられている。そして、タンクケース417背面(後方側)には、油圧配管433,434,435,438と接続する各ポート426〜429が突設されるとともに、検油栓430が設けられている。
すなわち、作動油タンク55の上面に注油キャップ424を設け、作動油タンク55の下面にドレンキャップ425を設ける。駆動系と逆側となるエンジン7右側に作動油タンク55のメンテナンス作業スペースを確保して、脱穀部9とエンジン7間から注油キャップ424またはドレンキャップ425の開閉操作などを実行するように構成したものであり、作動油タンク55の着脱作業または作動油タンク55への作動油の補充作業または作動油タンク55内の作動油の交換作業などを簡略化可能に構成している。
作動油タンク55は、タンクケース417底面より板状のフィルタ位置決め部材420を立設させており、フィルタ位置決め部材420の頂部に、W字形状に屈曲した板状のフィルタ固定部材419を当接させて、オイルフィルタ431,432をタンクケース417内に固定配置している。オイルフィルタ431,432とフィルタ位置決め部材420の間に固定バネ439が設置されることで、固定バネ439の付勢力によりオイルフィルタ431,432が前後方向に固定されるとともに、フィルタ固定部材419がタンクケース417に固定されることで、オイルフィルタ431,432それぞれの外周面がフィルタ固定部材419及びフィルタ位置決め部材420により把持固定される。
作動油タンク55は、オイルフィルタ431,432を内蔵するタンクケース417の底面に、ドレンキャップ425を左右中心から右側に偏倚させて設けている。また、作動油タンク55は、タンクケース417背面上部に、検油栓430を右縁側に設けている。そのため、作動油タンク55が走行機体1上面の右側縁側に載置されることで、ドレンキャップ425及び検油栓430が走行機体1の右側縁(機外側)近傍に配置されることとなる。従って、機外からドレンキャップ425及び検油栓430へのアクセスが容易となり、作動油タンク55の作動油の交換作業などのメンテナンス作業における作業性が向上する。更に、作動油タンク55が走行機体1の上部機体フレーム1b上に載置されることで、タンクケース417底部のドレンキャップ425が比較的高い位置に配置されるため、作業者は、無理な姿勢にならずにドレンキャップ425の開閉操作が可能となる。
タンクケース417の後面に作動油の入出口となる複数の油圧ポート426〜429が設けられており、複数の油圧ポート426〜429と連結した走行用油圧配管433,435及び作業用油圧配管434,437が、走行機体1を上下多段構造に形成する下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bの間で後方に向かって延設されている。下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bにて各油圧配管433〜435,437の上下側を囲み、作動油タンク55にて各油圧配管433〜435,437の前側を囲み、各油圧配管433〜435,437を保護するように構成している。
より詳細には、タンクケース417背面において、戻り油圧配管435,437それぞれと接続される吸込ポート428,429が、供給油圧配管433,434それぞれと接続される吐出ポート426,427よりも上方に設置されている。また、吐出ポート426,427がタンクケース417背面下部の同一高さで左右に配置される一方、吸込ポート428,429がタンクケース417背面上部の同一高さで左右に配置される。更に、吐出ポート426,427は、タンクケース417内に挿入され、オイルフィルタ431,432それぞれと接続されている。
供給油圧配管433,434及び戻り油圧配管435,437はそれぞれ、作動油タンク55とバッテリ56との間を通るように作動油タンク55からエンジン7に向けて配管されると、上部機体フレーム1bに下側に潜り込むように配管された後、下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bの間で後方のミッションケース63上方に向けて配管される。また、油圧配管433〜435はそれぞれ、上部機体フレーム1b後端に固定されるミッションブラケット体413とミッションケース63の間を通過するように配管されて走行機体1に固定されることで保護されており、機体の振動などによる破損などが防止される。
作動油タンク55内部のオイルフィルタ431に供給油圧配管433を介してチャージポンプ212を接続させ、作動油タンク55内部のオイルフィルタ432に供給油圧配管434を介して作業ポンプ215を接続させている。油圧無段変速機64に作動油タンク55を戻り油圧配管435にて接続させると共に、バルブブロック体414にオイルクーラ217を戻り油圧配管436にて接続させ、オイルクーラ217に作動油タンク55を戻り油圧配管437にて接続させている。
上記の構成により、作動油タンク55内部の作動油がオイルクーラ217に循環移動して冷却される一方、脱穀部9とエンジン7間に作動油タンク55のメンテナンス作業スペースを確保して、各油圧配管433〜437の接続作業を実行可能に構成すると共に、オイルフィルタ431,432の交換などのメンテナンスなども容易に実行可能に構成している。また、バルブブロック体414に昇降油圧配管438を介して昇降用油圧シリンダ4を接続させ、昇降バルブ213の切換操作にて昇降用油圧シリンダ4を作動させるように構成している。
タンクケース417上面で着脱可能に設けられた蓋部418がカウンタ軸スプロケット(出力側回転体)73よりも上方に配置され、蓋部418の取り外しによりタンクケース417内のオイルフィルタ431,432を交換可能としている。走行機体1上方に配置された作動油タンク55上面の蓋部418を着脱可能とすることで、作動油タンク55上方を大きく開口させることができ、オイルフィルタ431,432の交換作業が容易になる。また、カウンタ軸スプロケット73よりも蓋部418を上方に位置させることで、オイルフィルタ431,432の交換作業時などにおいて、カウンタ軸スプロケット73を含む駆動系統との接触を避けることができるだけでなく、駆動系統の部品を機体から取り外すことなく作業を進めることができ、その作業性を向上できる。
タンクケース417内には、注油キャップ424により開閉される注油口424a下方を覆うようにして遮蔽板440が設けられており、遮蔽板440下側一部を覆うようにして拡散板441が設けられている。遮蔽板440は、前後を上側に屈曲させた前面及び後面を備えた略U字状(コの字状)断面を有している。そして、遮蔽板440の前面及び後面の上縁が蓋部418下面に連結されることで、遮蔽板440は、吸込ポート428,429上側に吊り下げ固定されている。また、拡散板441は、前側を上側に屈曲させた前面を備えた略L字状断面を有している。そして、拡散板441の前面が遮蔽板440の前面に連結されることで、拡散板441は、その前面が吸込ポート428,429に対向するように吊り下げ固定されている。また、遮蔽板440及び拡散板441の左右幅は、タンクケース417の左右内壁の間隔よりも狭く、吸込ポート428,429の左右設置幅よりも広い。
遮蔽板440が、吸込ポート428,429上方となる高さ位置で注油口424a下方を覆うように構成されることで、吸込ポート428,429からタンクケース417内に供給される戻り油が注油口426側に跳ね上がることを防止できる。また、拡散板441の下面が、吸込ポート428,429下方位置で、遮蔽板440下側を前方から後方途中まで覆うように構成されることで、吸込ポート428,429からの戻り油が、拡散板441の前面に衝突した後に、拡散板441の左右及び後方から下方に流れ落ちる。従って、タンクケース417内に貯留されている作動油に対して、吸込ポート428,429からの戻り油が十分に攪拌されて、オイルフィルタ431,432に供給されるため、オイルフィルタ431,432が目詰まりしにくくなる。
蓋部418は、タンクケース417上縁周辺に設けられたフランジ部442に対して着脱可能に、ボルト443により締結固定されている。また、蓋部418は、遮蔽板440及び拡散板441と一体に構成されているため、蓋部418をタンクケース417より取り外すことで、タンクケース417上面を開放して、タンクケース417内へアクセス可能な状態となるため、オイルフィルタ431,432の交換作業が可能となる。
フィルタ固定部材419は、ボルト444によりタンクケース417の左右内壁で締結され、タンクケース417に対して着脱可能に固定される。フィルタ固定部材419は、W字形状に構成されており、左右のV字部分に段差を有する切欠部449が設けられている。また、フィルタ位置決め部材420は、後方(吐出ポート426,427側)側に階段状の段差部448を備えた板状部材で構成されて、タンクケース417の底面より立設されるとともに、V字形状の固定部材受け部447を頂部に有する。本実施形態では、オイルフィルタ431,432の個数に合わせて、2つのフィルタ位置決め部材420が、吐出ポート426,427と対向する位置であって、タンクケース417の前面側内壁に沿うように設置されている。
フィルタ固定部材419の切欠部449及びフィルタ位置決め部材420の段差部448はそれぞれ、後方に向かって広がるような階段状に構成されている。そして、段差部448及び切欠部449それぞれにおいて、後方側の一段目にオイルフィルタ431,432外周面を当接させる一方、前方側の二段面に固定バネ439を当接させることで、オイルフィルタ431,432及び固定バネ439それぞれを固定する。
オイルフィルタ431,432は、その後面より突起させた嵌込み口446に、吐出ポート426,427それぞれのタンクケース417内への凸設部分となる吸込み口445を嵌入させて、吐出ポート426,427と連結している。そして、オイルフィルタ431,432の前面に設けた凹部450に、前端がフィルタ固定部材419の切欠部449及びフィルタ位置決め部材420の段差部448に当接した固定バネ439の後端を嵌め合わせることで、オイルフィルタ431,432が吐出ポート426,427側へ付勢された状態で固定される。また、オイルフィルタ431,432は、その前方外周面がフィルタ固定部材419の切欠部449及びフィルタ位置決め部材420の段差部448と3点で当接して、フィルタ固定部材419及びフィルタ位置決め部材420により把持された状態で固定される。
次いで、図22、図23、図29、図30などを参照して、履帯2が巻装される走行部の取り付け構造を説明する。図22〜図に示す如く、トラックフレーム50の前端側が、走行機体1の下部機体フレーム1a前方部分の左右下側に、前支脚体32を介して固定されている。トラックフレーム50の後端側が、走行機体1の下部機体フレーム1a後方部分の左右下側に、後支脚体33を介して固定されている。
トラックフレーム50の機外側面には、複数のトラックローラ54が軸支されるとともに、トラックフレーム50の長手方向に平行なそり状のガイド部401aを備えたクローラガイド体401が固定されている。また、後支脚体33の延設方向に平行なそり状のガイド部402aを備えたクローラガイド体402が、後支脚体33の機外側面に固定されている。このクローラガイド体401、402により、駆動スプロケット51またはテンションローラ52に対する履帯2の巻き回し姿勢を適正に保持できるとともに、後方側における履帯2の横ずれ移動が阻止され、履帯2が外れるのを未然に防止できる。
走行機体1の下部機体フレーム1aは、上部機体フレーム1bによりも前方に延設された構成を有しており、上部機体フレーム1b前端に上端が連結した前側支柱フレーム1cの下端と連結している。また、下部機体フレーム1aは、前側支柱フレーム1cとの連結位置における左右方向のフレームの断面を支柱フレーム1cの断面よりも大きくする。前支脚体32は、下部機体フレーム1aにおける前側支柱フレーム1cとの連結位置から機外側方に向かって斜め下側に延設されて、トラックフレーム50の機内側面と連結している。更に、前支脚体32前面は、下部機体フレーム1aにおける前側延設部分の下面と連結した補強フレーム32aと連結されており、トラックフレーム50の支持剛性を高めている。
また、走行機体1の下部機体フレーム1aの後端部分は、上部機体フレーム1bと連結した後側支柱フレーム1cよりも機外に張り出した構成としている。この下部機体フレーム1a後端部分の左右端部に、後支脚体33前面の中途部が連結されている。後支脚体33は、トラックフレーム50下端と連結し、前低後高で傾斜するように後方へ延設されており、後支脚体33上端でミッションケース63両側の左右車軸ケース63aを支持する。後支脚体33上端には、車軸ケース63aを狭持固定する車軸固定部材33aが設置されており、車軸固定部材33aの開閉により車軸ケース63aを着脱可能としている。後支脚体33の機外側面には、ガイド部402aを後支脚体33と同様の後傾姿勢にしたクローラガイド体402が固着されている。
トラックフレーム50の前方上面には、テンションローラ52を軸支するテンション軸体403が、軸体ガイドカバー404を介して前後方向にスライド可能に設置されている。テンションローラ52が、トラックフレーム50上面に設けられたテンション軸体403に軸支されることで、トラックローラ54よりも上方に位置するため、巻装される履帯2前方が接地面より浮いた状態となる。履帯2設置側の前方部分を接地面から離間させることができるため、泥土中に履帯2が大きく沈下する湿田(深田)での収穫作業などにおいて、圃場の泥土が堆積する不具合をなくすことができ、圃場の泥土の堆積による走行抵抗を容易に低減でき、湿田走破性を向上できる。
また、本実施形態では、トラックフレーム50の前後端位置それぞれにトラックローラ54が軸支されるとともに、トラックフレーム50の中途部に、前端位置のトラックローラ54との間隔を開けて、2つのトラックローラ54が軸支されている。そして、トラックフレーム50上面に固定された軸体ガイドカバー404は、前方から2番目のトラックローラ54の軸支位置から前方に向かって延設されており、その内部にテンション軸体403が摺動可能に挿入されている。テンション軸体403前端にローラ支持部403aが設けられており、ローラ支持部403aの機該側面にテンションローラ52が軸支されている。
軸体ガイドカバー404の機外側面には、調節軸ガイドカバー406を介して、テンション調節軸405がスライド可能に設置されている。調節軸ガイドカバー406は、軸体ガイドカバー404の機外側面で固定されたテンション調節部固定ブラケット400により固定されている。また、テンション調節軸405は、その前端がテンション軸体403前端のローラ支持部403aに固着される一方、その後端側が調節軸ガイドカバー406に挿入されている。これにより、テンション調節軸405が調節軸ガイドカバー406に対して伸縮動して、テンション軸体403を伸縮動させることで、テンションローラ52を前後方向に移動させて、履帯2の張力を調節する。
テンション調節ボルト407が、テンション調節ナット408を介して調節軸ガイドカバー406内に挿入されており、調節軸ガイドカバー406内で、テンション調節ボルト407前端がテンション調節軸405の後端に当接している。テンション調節ナット408は、調節軸ガイドカバー406後端に設けられたガイド側フランジ体410とボルト470で締結されるナット側フランジ体409に固着されるとともに、テンション調節ボルト407が螺着されている。テンション調節ボルト407がテンション調節ナット408に対して螺動させることによりテンション調節ボルト407を前後動させて、テンション調節軸405と共にテンション軸体403を前後動させ、テンションローラ52の支持位置を機体前後方向に変位させる。
また、ナット側フランジ体409とガイド側フランジ体410とを締結するボルト470は、破断用の切込み溝を有しており、ナット側フランジ体409の挿入位置にボルト470の切込み溝が形成されている。履帯2とテンションローラ52の間に石などが入り込んで、履帯2が異常緊張したとき、履帯2が破断する前に、ボルト470の切込み溝が破断して、履帯2の張力が低下する方向(機体後方)に向けてテンションローラ52が移動し、履帯2の損傷破断を未然に阻止するように構成している。
また、ボルト470が破損した場合、テンション調節ボルト407がナット側フランジ体409のテンション調節ナット408に螺着した状態で、ナット側フランジ体409が、調節軸ガイドカバー406のガイド側フランジ体410から外れる。そのため、ボルト470を交換してナット側フランジ体409をガイド側フランジ体410に締結させるだけで、テンション調節ボルト407の調節位置を変更せずに、履帯2の張力を適切に調整しながら、テンション部材の破損部をスムーズに修復できる。
次いで、図5、図6、図17、図29〜図31などを参照して、エンジン7と、エンジン7の冷却構造を説明する。エンジン7の型式は横型水冷4サイクルディーゼルエンジンであり、燃料タンク蓋311を有する燃料タンク312がエンジン7の前部上面側に搭載され、ラジエータキャップ313を有する水冷用ラジエータ314がエンジン7の後部上面側に搭載され、エアクリーナ315と排気消音器316がエンジン7の後部に配置されている。エンジン7の右側後方に操縦コラム41が配置され、排気消音器316の右側方にエアクリーナ315が位置し、エアクリーナ315の右側方に操縦コラム41が位置している。操縦コラム41の前方(エンジン7の右側方)の走行機体1上面にエンジン始動用バッテリ56が載置されている。
また、エンジン7後側の右側上部に冷却風取入れ開口部318を形成し、エンジン7後側の左側上部に冷却風排出開口部319を形成し、冷却風排出開口部319にエンジン冷却ファン317を配設する。エンジン出力軸65を介してエンジン冷却ファン317を駆動し、冷却風取入れ開口部318から水冷用ラジエータ314に冷却用外気を取入れ、冷却風排出開口部319から水冷用ラジエータ314の暖気を排出し、水冷用ラジエータ314を冷却するように構成している。
さらに、エンジン7の冷却風取入れ開口部318に接続させる多角箱型(三角箱型)の冷却風取入れダクト体321を備え、冷却風取入れダクト体321は三角箱型ダクト本体ハウジング322を有する。すなわち、ダクト本体ハウジング322は、前方右側を切り欠いた略三角形の蓋面と底面とを備えた三角柱に近い形状を有している。
また、ダクト本体ハウジング322が、バッテリ56より上方となる位置でエンジン7の右側面に固定されており、平面視で、ダクト本体ハウジング322の右前方傾斜面より前側にバッテリ56が配置される。したがって、冷却風取入れダクト体321を取り外すことなく、バッテリ56の交換及び充電を行うことができるだけでなく、エンジン7右側の空間を広く形成できるため、エンジン7や作動油配管などへのアクセスも容易になり、メンテナンス性を向上できる。
エンジン7の冷却風取入れ開口部318外側にダクト本体ハウジング322の左側面を接合し、エンジン7上部右側面の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322の除塵風出口324を接続させる。このとき、エンジン7の冷却風取入れ開口部318の大きさと、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324の大きさを略等しく形成し、冷却風取入れ開口部318と除塵風出口324を連結する。
一方、ダクト本体ハウジング322の右前方傾斜面と背面の二方向に外気取入れ口326,327をそれぞれ開設する。ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327に、冷却風取入れダクト体321後方に設けた操縦コラム41上面側(操作レバー43,44,45,47取付け部)を対向させている。ダクト本体ハウジング322右側面の外気取入れ口326から機体右側方の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれる一方、ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327から操縦コラム41上面側の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれるように構成している。
また、外気取入れ口326,327には防塵網が張設され、除塵後の外気がダクト本体ハウジング322内部に取込まれる。収穫作業中、外気取入れ口326,327の防塵網に藁屑などが付着した場合、操縦コラム41後方のオペレータが外気取入れ口326,327を容易に目視でき、藁屑などの付着状況を簡単に確認できるように構成している。さらに、ダクト本体ハウジング322の右前方傾斜面に外気取入れ口326を構成することで、外気取入れ口326の開口面を広く構成できる。
エンジン7の冷却風取入れ開口部318に接続させる多角箱型の冷却風取入れダクト体321を備え、冷却風取入れダクト体321はダクト本体ハウジング322を有し、エンジン7の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322の除塵風出口324を接続させている。したがって、エンジン7または操縦コラム41に冷却風取入れダクト体321の多角箱型側面を対向配置でき、走行機体1の既刈り側上面のうち、エンジン7と操縦コラム41にて二方向が囲まれた上面など、粉塵が少ない場所に冷却風取入れダクト体321をコンパクトに支持できる。
エンジン7右側後方の走行機体1上に操縦コラム41を立設する構造であって、操縦コラム41前面側に支持フレーム体325を介して三角箱型の冷却風取入れダクト体321を取付け、エンジン7上部右側面の冷却風取入れ開口部318にダクト本体ハウジング322左側面の除塵風出口324を接続させている。したがって、エンジン7の冷却風取入れ開口部318の大きさと、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324の大きさを略等しく形成して、冷却風取入れ開口部318と除塵風出口324の連結構造を簡単に構成できる。操縦コラム41前方のスペースを活用して、エンジン7の冷却風取入れ開口部318に冷却風取入れダクト体321を近接支持できる。
三角箱型の前記ダクト本体ハウジング322の右側面と背面の二方向に外気取入れ口326,327をそれぞれ開設し、冷却風取入れダクト体321の後方に操縦コラム41を設け、ダクト本体ハウジング322背面の外気取入れ口327に、操縦コラム41上面側の操作レバー(サイドクラッチレバー43,44または走行変速レバー45または刈取昇降レバー47)取付け部を対向させるように構成している。したがって、ダクト本体ハウジング322の除塵風出口324に対して外気取入れ口326,327の開口面積を大きく形成でき、外気取入れ口326,327の外気吸入圧力を軽減でき、外気取入れ口326,327に付着する粉塵量を低減できる。
エンジン7右側後方の走行機体1上に操縦コラム41を立設する構造であって、操縦コラム41前面側に支持フレーム体325を介して三角箱型の冷却風取入れダクト体321を取付けると共に、操縦コラム41上面側に、左右サイドクラッチレバー43,44と、刈取昇降レバー47と、走行変速レバー45を、右側から順に左右方向に並列配置し、機体内側方の走行変速レバー45の操作位置を他のレバー(サイドクラッチレバー43,44または刈取昇降レバー47)よりも高く形成している。したがって、略一定速度で圃場を移動する収穫作業中に操作頻度が低くなる走行変速レバー45を機体内側方に支持でき、同じく収穫作業中に操作頻度が高いサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を機体外側方に支持できるから、操縦コラム41後方の運転座席42に座乗したオペレータが、走行機体1外側寄りで前方の刈取部3位置を視認しながら、サイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47をスムーズに操作でき、運転操作性を向上できる。オペレータが走行機体1に追従して歩行する歩行収穫作業などにおいて、走行機体1機外側からサイドクラッチレバー43,44と刈取昇降レバー47を簡単に操作でき、歩行収穫作業性を向上できる。
1 走行機体
3 刈取部
6 籾受部
7 エンジン
8 穀粒排出コンベヤ
9 脱穀部
10 風路形成ダクト体
15 刈刃
19 充填ホッパー
21 扱胴
34 吸引ファン装置
37 籾袋
55 作動油タンク
56 バッテリ
71a 左側軸受体
71b 右側軸受体
72 カウンタ軸
217 オイルクーラ
321 冷却風取入れダクト体
413 ミッションブラケット体
414 バルブブロック体
415 左側軸受取付け台
416 右側軸受取付け台
417 タンクケース
418 蓋部
419 フィルタ固定部材
420 フィルタ位置決め部材
421 タンク取付け台
422 タンクブラケット体
424 注油キャップ
425 ドレンキャップ
426 吐出ポート
427 吐出ポート
428 吸入ポート
429 吸入ポート
430 検油栓
431 オイルフィルタ
432 オイルフィルタ
433 供給油圧配管
434 供給油圧配管
435 戻り油圧配管
436 戻り油圧配管
437 戻り油圧配管
438 昇降油圧配管
439 固定バネ
440 遮蔽板
441 拡散板
442 フランジ部
443 ボルト
444 ボルト
445 吸込み口
446 嵌込み口
447 固定部材受け部
448 段差部
449 切欠部
450 凹部

Claims (4)

  1. 刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体と、前記走行部を駆動するミッションケース及び油圧無段変速機を備え、前記刈取部から前記脱穀部に穀稈を供給するコンバインにおいて、
    前記油圧無段変速機に作動油を供給する作動油タンクが、左右方向に向けた横置き姿勢の前記脱穀部後方で前記エンジンと並設されるように前記走行機体上に載置されており、
    前記作動油タンクにおけるタンクケースには、作動油の入出口となる複数の油圧ポートが設けられており、
    複数の前記油圧ポートと連結した走行用油圧配管及び作業用油圧配管が、前記走行機体を上下多段構造に形成する下部機体フレームと上部機体フレームの間で後方に向かって延設されていることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記脱穀部の穀粒を搬送して籾受部に排出させる穀粒排出部を備えており、前記穀粒排出部と前記作動油タンクが前記エンジンを挟んで左右に振り分けて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記作動油タンクは、オイルフィルタを内蔵するタンクケースの底面に、ドレンキャップを左右中心から偏倚させて設けており、
    前記作動油タンクが前記走行機体上面の側縁側に載置されて、前記ドレンキャップが前記走行機体の側縁近傍に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバイン。
  4. 前記エンジンの動力を前記脱穀部に伝達させるカウンタ軸が、前記脱穀部と前記作動油タンクとの間で左右方向に延設されており、前記カウンタ軸の一端に前記エンジンからの動力を受ける入力側回転体が設けられる一方で、前記カウンタ軸の他端に前記脱穀部に対して動力を出力する出力側回転体が設けられ、
    前記タンクケース上面で着脱可能に設けられた蓋部が前記出力側回転体よりも上方に配置され、前記蓋部の取り外しにより前記タンクケース内の前記オイルフィルタを交換可能としたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載のコンバイン。
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