JP6533160B2 - 少なくとも1つの本縫い回転ルーパーを備える刺繍機 - Google Patents

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Description

本発明は、刺繍シームのステッチ形成のためのステッチ形成工具を具備した少なくとも1つの刺繍ヘッドを備えた刺繍機に関するものであり、ステッチ形成工具は、上糸を案内するために設けられた針並びに刺繍シームを形成するために針と協働して回転するルーパーを有しており、ルーパーは、下糸のストックを配置するための容器を具備し且つステッチ形成周期の間に好ましくは2回より多くその回転軸まわりを回転し、そして、針と刺繍物の間の変位相対運動を実施するための運動手段が設けられている。
特に繊維製品を工業的に生産するために使用されるような刺繍機では、多くの場合において、原則として縫いミシンにおいても使用されるような、本縫いルーパーが使用される。このような本縫いルーパーは刺繍機においては、ステッチ形成周期ごとに完全に2回転する。特許文献1では、本縫いルーパーが一回のステッチ形成周期の間に完全な2回転よりも多く回転することが提案されている。ステッチ形成サイクルとも称され得るこのようなステッチ形成周期は、針棒と針を駆動する機械の主軸(ミシン上軸)が360°完全に1回転することを特徴としている。
一方では縫われる縫い目(「縫製シーム」)にとっての、他方では刺繍される縫い目(「刺繍シーム」)にとっての、様々な課題により、ミシン又は刺繍機における要求についての基本的な差異が基礎づけられている。縫製シームが基本的に、それを用いて大抵2つ以上の部位を互いに固定的に接続する接続シームや固定シームを表すものであるのに対して、刺繍される縫い目は刺繍布上に集められた装飾部(装飾シーム)を表し、それは力を伝達する必要が全くなくそして完成状態において負荷を掛けられることもない。
固定シームの強度は、その場合、ルーパーから出された糸ループを天秤によって比較的大きい力で縫製品の表面方向に引っ張ることによって達成され、それによって、上糸と下糸が絡む部分は複数の被縫製物層の中央に位置する。これに対応して下糸の糸力も測定されている。
刺繍される縫い目を形成する場合、状況は全く異なる。ここでは、針糸(刺繍糸)は装飾効果を得るために刺繍物の表面に、単にきれいに載っているべきであるので、刺繍工程の際の糸張力は、以下のように可能な限り小さく保持される、つまり、刺繍布上の刺繍糸は確かに位置に関して十分保護されるが、緩い糸部分が生じないように、そして、上糸と下糸が絡む部分が常に刺繍布の裏面に来る程度に、可能な限り小さく保持される。
特許文献1の発明によって、本縫い回転ルーパーを備える刺繍機において最小の糸張力が望まれないほど高いという問題の解決法として、一回のステッチ形成周期の間に回転ルーパーを少なくとも3回転させることが提案される。既に示されたように、この変更された運動学(運動機構、キネマティクス)によって、ルーパーが2回転する場合にシステム的に引き起こされる過度な糸張力を導く局面を避けることが出来る。これにより確かに、ルーパー刺繍機を通常の縫いミシンの運動機構を用いて刺繍機の特別な要求に適応させることが出来る。しかしながらそうなると、この措置によりとりわけ平面刺繍の際にはそれぞれのステッチにおいて下糸の長さが上糸の長さにおおよそ対応することも明白になった。縫い目がジグザグ形状に延びる平面刺繍は、とりわけ平面パターンを形成するために使用される。平面刺繍を用いてもたらされる縫い目は通常、それぞれのステッチの後で、上糸の向きの方向が変化している。下糸は、刺繍布の裏面で、それぞれの針の挿入部から、刺繍布への後続の針の挿入部まで、延びている。従って下糸は、挿入部の直下に配されたそれぞれの上糸ループから、後続の上糸ループまで延伸しており、当該後続の上糸ループも同様に刺繍布への針の挿入部の直下に配されている。
本縫いミシンの場合と同様に、その種の刺繍機においても、下糸はボビンに巻き取られており、当該ボビンはルーパーに取り付けられているので、ルーパー先端部(剣先)はボビンの周りで回転する。既に詳述したように、特には3回又はそれよりも多く回転するルーパーを備える刺繍機においては、このボビン上の糸がすぐに消費され、従って頻繁に交換されなければならないこと、が明らかになった。この交換は、針によって導かれる上糸の交換よりも明らかにより頻繁に行われなければならない、なぜなら上糸のためのボビンでは、ボビンの大きさを制限するルーパーが設けられていないからである。上糸ボビンは従って通常、下糸ボビンよりも明らかに大きい。特には下糸のボビンの頻繁なボビン交換は、交換の間の刺繍機の非生産的な停止状態を意味しているので、可能な限り避けられるべきである。
DE102010013016A1
それゆえ本発明は、冒頭に挙げた種類の刺繍機において下糸ボビンの交換間隔を長くする措置を講じる、という課題に基づいている。
この課題は、冒頭に挙げた種類の刺繍機において、本発明に従い、ステッチ形成工程の少なくとも1つのパラメータを調整可能に変更するための刺繍機の手段によって、解決される。当該調整可能な変更によって、刺繍シームの複数のステッチ形成周期のうち、少なくとも1つのステッチ形成周期の間に、特にはそれぞれのステッチ形成周期の間に、パラメータの異なる値がもたされるが、それはこれによって、刺繍物の表面及び裏面に、刺繍シームの1つのステッチの下糸及び上糸の位置及び長さに関して、刺繍物の表面及び裏面に一致しない(完全には等しくはない)配置をもたらすために行われる。本発明の、同一の発明的思想に基づく観点に従い、ステッチ形成周期の予め設定可能な時点に対して刺繍機の上糸の糸張力を減少するための手段によっても、上記課題は解決される。上記課題は更に請求項12に従う刺繍方法並びに請求項15に従う刺繍物によって解決される。
本発明は、ルーパー刺繍機に関して以前から優勢であった、その運動学のみが、特には平面刺繍の場合の下糸量を決定するという見解を捨て去るものである。その見解からの離反においては、請求項1で挙げられた特徴の結果として、刺繍機によって影響を及ぼされ得る、刺繍方法の少なくとも1つのパラメータが、刺繍方法の実施の間に、特にはそれぞれのステッチ形成周期の間に、刺繍機の少なくとも1つの制御プロセスに基いて変更されることが企図されている。その変更は、予め定められた方法で行われるべきものであり、それは機械自体によって実施される、例えば、予め刺繍機に行われた調整に基づいて、又は、対応するプログラミングに基いて、実施される。同様に、機械によって特定された、少なくとも1つのパラメータの実値の検出結果に基づいて、また、それに依存して、調整が制御又は調節されることも考えられる。ステッチ形成サイクルの間に、狙って変更された刺繍方法のパラメータは、有利には、糸張力、又は、糸張力に影響を及ぼす刺繍方法のその他の影響要因、であってもよい。明らかになったように、ルーパー刺繍機の運動学を変更しない場合でも、刺繍方法のパラメータのその時点での値の大きさを時間的にそして量的に狙って変更することのみによっても既に、特定のステッチ長さに割り当てられた下糸長さを短くすることが可能である。これは特には、ステッチ形成周期の1つのフェーズの間に、上記フェーズに先行する同一のステッチ形成周期のフェーズにおけるそれぞれのパラメータの値と比較して、少なくとも1つのパラメータの値を減少させることによって、行われ得る。1つのステッチ形成周期の間のパラメータの変更においてそれぞれのパラメータの異なる値を調整することによって、1つのステッチ長さに割り当てられる下糸部分を、狙って異なる長さにすることが可能になる。確かに、1つのシームの形成時に少なくとも1つのパラメータの変更を常に同一の方法で行うことは好ましい。しかしながら基本的に、シームの異なるステッチのために、少なくとも1つのパラメータの変更を、異なる方法で行うこと、及び、特に特定のステッチのためには変更を放棄することも可能である。
従って、本発明に従う手段は、遅くとも個々のステッチ形成の終了後には、刺繍布の裏面にて下糸を取り上げる上糸ループが、個々の上糸ループに割り当てられる上糸の貫通位置に対して間隔をおいて、刺繍物を通り抜けて配される方法で機能する。本発明に従うと、2回より多く回転するルーパーを用いて形成された既製の平面刺繍の刺繍シームでは、上糸はそのループとともに、刺繍物において、最早針の個々の挿入位置の直下に配されているべきではない。むしろ、上糸ループが、遅くともステッチ形成或いはシーム形成が行われた後には、その都度2つの互いに並んだ挿入位置の間に配されていることが企図される。これにより、シーム形成のために必要な下糸の長さを、各々のシームにおいて明らかに減少させることが出来る。下糸は平面刺繍において、最早挿入位置から挿入位置へと延びるのではなく、2つの挿入位置の間で刺繍布に通された1つの上糸ループから、連続するステッチにおける後続の上糸ループへと延び、そしてこの後続する上糸ループも同様に、原則的に同様の方法で刺繍布下方で2つの挿入位置の間に通されている。従って下糸は、刺繍布での針の一連の挿入において連続する2つの挿入位置の間で、連続した両挿入位置間の間隔(ステッチ長さ)よりも短い経路を取るが、それぞれの挿入位置に割り当てられた上糸ループを通ってその都度案内されている。加えて本発明に従う措置は、平面刺繍のそれぞれの下糸部分が、刺繍物の表側における対応する上糸部分とは、一致しないことを導き、その際、平面刺繍の個々の下糸部分とは、連続するステッチにおいて直接並んで連続する2つの上糸ループの間で、刺繍物の裏側で延びている部分である。既に明らかになったように、本発明は、その他の理由からも、下糸の消費量を減少するものとして、利益を導くことが可能であり、また、直線的に延びるシーム(直線縫い)の場合や、ステッチサイクル毎に2回転するルーパーを用いても、利益を導くことが出来る。
本発明に従い企図される措置は、平面刺繍において、必要な下糸量の減少を導く。当該措置はしかしながら、それに関する補償として、より多くの上糸量を必要とする。後者はしかしながら、明らかにより大きなそして実践上任意に大きな上糸用ボビンに基いて、糸ボビンのために必要な交換インターバルの長さに関して、それほど重要ではない。通常の上糸ボビンは、刺繍機にて、下糸ボビンの糸の量よりも明らかに多くの量の上糸を蓄えておくことが可能である。本発明は、平面刺繍の他にも、その他の刺繍様態(刺繍タイプ)においても、有利に使用され得て、特には、連続するステッチの上糸部分が或いはそれに属する挿入位置が、一直線の状態にあるのではなく、180°からずれた角度をなす場合にも、有利に使用され得る。
本発明の好ましい実施形態では、平面刺繍においてステッチ毎に、そして従って2つの連続する針の挿入の間のステッチ長さ毎にも、以下の割合の下糸のみが必要とされる、つまり、このステッチ長さに割り当てられ下糸の割合が最大でもステッチ長さの80%の値を取り、特には最大でも70%、同様に好ましくは最大でも60%、また特に好ましくはステッチ長さの半分又はそれよりも少ない値を取る、割合の下糸のみが必要とされる。
特に好ましい本発明の別の実施形態では、糸張力を減少するための手段は、上糸制動部(糸ブレーキ)を有しており、上糸に対するその制動作用は、刺繍機を制御することによって、予め定められたシーム形成の時点に対して、特には可変的に予め定めることが可能なシーム形成の時点に対して、減少又は完全に解消され得る。上糸張力を実際に完全に減少することに代えて、基本的に例えば上糸張力が不変の場合に下糸張力を高めることによって、下糸張力に対する上糸張力の比率を下げることも考えられる。上糸張力を減少することによって、或いは、上糸張力と下糸張力の間の比率を減少することによって、それぞれの上糸ループを通る下糸に、十分な糸張力がかかり、したがって、上糸のループは、下糸によって、少なくとも基本的に、刺繍物にてそれぞれの後続する針の挿入位置への方向へ引っ張られる。ステッチの連続において互いに連続する上糸ループに対する下糸のそれぞれの接触箇所の間の下糸部分は、従って、互いに連続する針の挿入位置の間隔よりも明らかに短い。これに反して、従来の既知の方法に従って従来の刺繍機を用いて作成される平面刺繍では、互いに連続する挿入位置の間隔は、少なくともおおよそ下糸部分に対応する。
上糸の糸繰り出し量が0又はほぼ0となった後で、1つのステッチ形成周期の間に、糸張力がある時点後に、減少又は解消される場合、特に合目的であることが証明された。特に従来の刺繍機において設けられている上糸用の天秤の揺動運動がその上死点に達した場合が、上糸の糸繰り出し量が0又はほぼ0となるケースである。
更に、刺繍布がほとんど次の刺繍位置へと移動する時点に対して、上糸張力の、マシン制御によってもたらされる減少或いは解消、が行われる場合、特に有利であることが証明された。上糸張力の減少は、有利には特に、上糸繰り出し量が最小値を有するそれぞれのステッチ形成周期の時点の間で、また、刺繍布が行われた移動の後、その移動を再度止める前に、行われるべきである。
針を刺繍布へ後に続けて挿入する際、針がその最深挿入深さに達した場合に、又はその後に、上糸張力は特に、ある時点、つまり、図3に従う機械グラフ(モーションダイアグラム)の時点A、に対して再度増加されると考えられる。
本発明の更なる好ましい構成は、請求項、明細書及び図面からもたらされる。
本発明は、図面において単に概略的に示された実施例に基いて、より詳細に説明される。
本縫いルーパーを備えた通常の刺繍ヘッドの前部領域の部分図である。 図3の時点Bで得られる刺繍工程における状況を示す図である。 ステッチ形成手段と送り装置の距離・時間グラフである。 図3の時点Cで得られる刺繍工程における状況を示す図である。 図3の時点Dで得られる刺繍工程における状況を示す図である。 本発明に係る実施形態において図3の時点Bで得られる刺繍工程における状況を示す図である。 本発明に係る実施形態において図3の時点Cで得られる刺繍工程における状況を示す図である。 本発明に係る実施形態において図3の時点Dで得られる刺繍工程における状況を示す図である。
図1では、従来の刺繍ヘッドの前部部分1が断面図で示されており、それはその構造上の構成に関して、本発明と関連しても使用出来る。この前部部分は、本縫いルーパー2、テーブル板3、並びに針板4を有している。テーブル板3上には、2つの軸線にて自在に移動可能な刺繍枠5が載置され、当該刺繍枠には刺繍布又は刺繍物が張られる。本縫いルーパー2は通常の構成であり、ボビンケース7を収容するためのボビンケース担持体(カマ)6を有している。ボビンケース7内には、ルーパー内の糸ストックを収容するボビンが回転可能に支持されている。本縫いルーパー2は、刺繍機内でテーブル板3又は刺繍布に対して平行に指向されている回転軸を備えている。
本縫いルーパー2には、それぞれ、本縫いルーパー2と協働する針8を担持する針棒9が割り当てられている。本縫いルーパー2と各々の針8はステッチ形成工具の構成要素であり、各々の針は、以下においては上糸と称される、一本の刺繍糸を導く。複数の針棒9がベースフレーム10内で垂直に移動可能に収容されており、また、それらはそれぞれ、針駆動部の駆動運動を各針棒9に伝達する駆動体11によって、公知の態様で駆動される。刺繍ヘッドの前部部分1には、更に、刺繍糸ごとに1つの押さえ12が設けられており、当該押さえ12は、針棒9に変位可能に配設されており、また、駆動体13によって駆動される。さらに、刺繍ヘッドの前部部分1には、刺繍糸ごとに公知の態様で駆動される1つの天秤14が配設されており、当該天秤14は、ベースフレーム10に受容されている軸15上に、揺動可能(回動可能)に支持されている。最後に刺繍ヘッドは、各々の上糸のために、その制動作用に関して調整可能な公知の糸制動部16を有しており、それは前部部分1に位置固定で取り付けられている。
詳細に図示していない刺繍ヘッドの後部部分は、機台と固定接続されており、また、針棒9、押さえ12及び天秤14のための複数の駆動部を担持している。刺繍ヘッドの後部部分はさらに、詳細に図示していない直線ガイドを介して前部部分1と接続されているので、その結果前部部分が、水平面内において、本縫いルーパー2の上方で、その場に存在する複数の針棒9の整列方向へ変位することが可能であり、その場合1つの針棒9と1つの押さえ12と1つの天秤14はそれぞれ、個々の駆動部と結合されている。
複数の前記部材の駆動は、本縫いルーパー2の駆動以外は、不図示の刺繍機上軸(刺繍機主軸)によって行われ、この上軸はステッチ形成周期ごとに一回の完全な回転運動、つまり360゜に渡る回転運動を実行する。刺繍機上軸を用いた機械的な同期に代えて、前記要素及び部材は、互いに電子的に同期される複数の別個の駆動部を備えてもよい。このような、予め定められた又は予め定められ得る、互いに調整された運動の同期は、特にマシン制御によって行われる。特許文献1に従う解決法を除いて、従来技術において、本縫いルーパー2が2倍の回転数、つまりn=2で回転する一方で、本発明に従う刺繍機においては、本縫いルーパー2はn>2で回転する、なおnは0とは異なる整数である。このため、本発明の図示した実施形態では、刺繍機上軸と本縫いルーパー2との間に、伝動比n=3の変速装置(トランスミッション)が設けられている。機械的な変速装置に代えて、刺繍機上軸と少なくとも1つの本縫いルーパー2との固定的な同期、又は、可変な同期のために、各々別の考えられる解決法が企図されていてもよい。
図3の機械グラフには、ステッチ形成に関与する要素の運動学的関係が示されており、とりわけこれは、初めに述べたステッチ形成周期の、ステッチ形成工程又は機械工程のためのものである。図2は、図3に従う機械グラフの時点Bの抽象的状況を斜視図に移したものである。
本発明の説明のために、まずは、特許文献1の方法により作られた平坦刺繍シーム(フラット刺繍シーム)の、複数のステッチ並びにステッチ形成工程の瞬間の1つが示されている図2について、詳しく検討する。この図は、図3に従うグラフにおける時点Bに関している。図2では、針8はその往復運動の上死点の領域にある。針により導かれた上糸25は、上糸ループの形状で、刺繍布23に図2に示される時点の直前に作られた刺し穴を通過し、また、基本的に刺し穴又は針8の刺し位置のすぐ下方に存在する。下糸24は、ルーパー2及びルーパーボビンから外へ、そして、上糸ループ26を通過して、案内される。この絡み合う部分は、詳しくは図示されてはいない、本縫い原理に基づき、回転するルーパー2による上糸25の捕捉工程であって、また、ルーパー2により拡張された上糸ループ26への下糸24の挿入の工程によって、生み出される。針8が刺し穴20から出て行く間に、天秤14は、その揺動運動時に上糸を連行し、それによって上糸ループ26を縮小し、これを刺繍布23の裏面に当接させる。
これにより刺繍布23の裏面に当接された下糸24は、刺し穴20からその直前に作られた刺し穴21へと延びる。前もって作られた刺し位置の刺し穴21においても、下糸は、この刺し位置に割り当てられた上糸ループ27を通されており、その際、上糸ループ27も同様に刺し穴21の直下に配されている。ジグザグ縫い目の長さ方向で互いにずれた、両刺し位置20、21の間の下糸部分の長さは、それゆえ、少なくとも近似的に、両方の刺し位置20、21の互いの間隔或いはステッチ長さS、に対応する。シーム開始部への方向で前もって作られた別の刺し位置でも、上糸25及び下糸24は、刺繍布の裏面で原則として同じ様態で延びている。刺繍布23の表面には、すなわち刺繍布23のルーパー2と向かい合わない側には、上糸25が、下糸24と略同じ長さで、そして同様にそれぞれの刺し位置からステッチの連続においてその都度の次の刺し位置まで、下糸24に対して略平行に延びている。
図2の状況では、針2及び生地押さえ3は、針板1に対して垂直な、それらの垂直運動の上部頂点にほとんど達した。これは図3のグラフでは、時点Bの「針板上方の針先端部」、「針板上方の生地押さえ」の曲線によって示されている。図2では部分図として示された刺繍布23は、図2には示されていない刺繍枠に張られており、この刺繍枠は専用の駆動部により針板4の上面に対して平行に2つの軸で可動あるが、この刺繍布23は、針8と押さえ12が垂直方向に刺繍布から離れた後でも、まだ実質的には動いていない。図2に従う糸繰り出し量は、前記時点Bにおいては0である。それゆえ、刺繍布23の下方では上糸25は比較的小さい上糸ループ26のみを形成する。それは、部分図で示された回転ルーパー2の回転しないボビンケース担持体6のまわりに案内された、著しくより大きい以前のループの残りである。この大きな上糸ループの伸ばされた長さは、図3に従う糸需要量の最大値に対応する。時点Bの直前に連続的に減少する糸繰り出しにより、上糸25の元々大きかったループ26(図示せず)は、天秤14の上方へ向けられた揺動運動によって、前記の残りまで縮小された。図2に示された上糸25の小さいループ26は、下糸24に巻き付き、また、刺繍布23における針8の最後の刺し位置20において直接、下糸24を刺繍布23の裏面で固定している、その際、上記下糸24はボビンケース担持体から略垂直に出ており、針板4の針板穴29を通過している。その際、上糸25は図1に示される上糸制動部16の作用によって、並びに、下糸24はボビンケース担持体6内に一体化された不図示の下糸制動部によって、それぞれに定められた張力下にある。
図4は、再び図3に従う機械グラフにおける時点Cでの状態を示す。グラフの時点Bに対する最も重要な差異は、刺繍布23がその駆動によって動き始めている点にある。刺繍布は、ジグザグ縫い目の次の針刺し位置の方向とは反対に、針板4の表面の上方で変位し、また、既にステッチ長さのかなりの距離を進んだ。その間、糸繰り出し(上糸)は未だ0である。それゆえ、ここでは刺繍布23の一部分で覆われている小さいループ26(図2)は変化なく保持されたままであり、以降も下糸24を刺繍布23の裏面に固定する。
ループ26は、刺繍布23の移動に伴い針板穴29から継続的にさらに遠ざかる。その際、小さいループ26と針板穴29の上縁の間には、上糸24において追加の糸需要が生じ、この追加の糸需要は、下糸24が針板穴29の上縁を渡ってスライドすることにより、上糸制動部の抵抗に抗して、ルーパーボビン7の糸ストックから補われる。
図5では、図3のグラフにおける時点Dが図的に説明されている。ここでは今度は、刺繍布23と針板穴29の間の相対運動は終了している。針8は刺繍布23の新たな刺し位置に到達している。下糸24の、今現在、針板4の上方の小さいループ26と針板穴29の上縁の間にある部分は、その長さにおいて、刺繍布23がその移動によって進んだ距離、つまりステッチ長さ又はステッチの下糸使用量に、実質的に対応する。刺繍布23の移動の最終段階の間に、針8及び生地押さえ12は、針板4の上方で垂直に次第に降下された。それゆえ、刺繍布23の表面上のアンカー位置と、生地押さえ12における貫通部18の間の上糸25は、次第に傾斜姿勢をとり、これはゆっくりだが連続的に増加する上糸5の糸需要を生じさせる。図3のグラフから明らかになるように、既に時点Dからゆっくり開始している糸繰り出しによって、この要求は取り入れられる。この場合、小さいループ26は変わらず保持されたままであり、下糸24の延長部分にとってのその重要性も同様に、刺繍布23の完全な移動段階の間、変わらず保たれたままである。
上述の下糸消費量の原因は、刺繍布移動の時間の間の糸繰り出しとの、刺繍布移動の運動学的相互作用にある。この相互作用は特許文献1に記載されており、その開示内容はそれとの関連により完全に本発明に含まれる。
糸繰り出しは、天秤14の揺動軸15の周りでの、天秤14の揺動位置の関数であり、その際に、上糸25の経路の延びは、糸制動部16(図1)から刺繍布23までのその経路上で、天秤14の揺動位置に依存して、様々に長く迂回される。その最も上の揺動位置では、この迂回は最も長く、糸繰り出し量は0である。糸繰り出し量の最大値は、天秤14が最も下の揺動位置にあり上糸25の迂回が最も短い場合に生じる。糸繰り出し量は、上糸25に関して、バッファに似た働きをし、そこから、天秤14の駆動運動学によって、ステッチ形成機構の要求のため、すなわち針8及び特にはルーパー2の要求のため、一時的な追加の上糸25が、余剰分をもって、利用出来る。図3に係る機械グラフ内の、時点Aを過ぎ時点Bの後の時点Dに対して、糸繰り出しは、ステッチ形成を可能にするが、ステッチ形成に影響を与えるものではない。時点Bに対しては、糸繰り出しによって貸し出された上糸25は、再び完全にバッファへ戻されている。糸繰り出し量は再び0である。直前にはしかしながら、上糸消費は、最後の刺繍布移動から、上糸制動部16の抵抗に抗して、上糸25のストックボビンから、天秤14の上方へ向けられた揺動移動によって、補われた。図2の状態が生じた。時点BとDの間では、糸繰り出しを担う、天秤14の駆動運動学は、上糸の小さいループ26がこの期間内では変わらず保持されたままであるように、計らう(図4、5参照)。
これまでに、従来技術によれば、平面刺繍を実施する際に、回転ルーパー2が刺繍サイクル毎に2回より多く回転するルーパー刺繍機の刺繍製品において、ステッチ毎の下糸長さが、なぜ必然的にステッチの長さに対応するのか、について説明した。例えば刺繍布が透けており、下糸が、上糸によって覆い隠されるべきであるような場合には、それは非常に有益であり得る。しかしながらそれは通常のケースではなく、従って、多くの下糸消費は、大抵の使用状況において、不利なものとして見なされる。
本発明に従う解決法は、ルーパー刺繍機においてはその運動学のみが平面刺繍或いはジグザグ刺繍における下糸量を決定し、そして、以下に説明されるように、上糸張力と下糸張力の間の比率が下糸量を決定することはない、という従来の認識から出発している。
図6は、本発明に従い獲得された仕事の結果に基づく、時点Bに対する、すなわち糸繰り出し量が0の値に達する時点に対する、図3のマシングラフの状況を示している。この描写は図2と密接に類似しており、従って、その説明は原則的に図6にも当てはまるものであり、繰り返し説明はしない。
図7には、時点Cに対する、すなわち糸繰り出し量の値が0に達した後の時点に対する、図3に従うマシングラフにおける状態が表されている。図7は、図4の描写と原則的に同一の工程ステップを示している。図4との関連において説明されたように、時点B及び時点Cの間では、針板4の移動によって、下糸は本縫い回転ルーパー2のボビンの糸ストックから引き出される。
前述の従来の工程プロセスとは異なり、本発明に従う方法及び本発明に従う装置の、ここで論ぜられた実施例においては、図3の時点C以降には上糸25の糸制動部16が開放されていること、がもたらされる。これは、マシン制御によって作動され、詳細には表されていない電気的なアクチュエータによって行われ、このアクチュエータは対応的に糸制動部に作用し、これを解放する。アクチュエータとしては原則的に、予め知られたどのアクチュエータも、機械軸の刺繍機における通常の回転数に対応して糸制動部16を開放することそしてその後に再度閉じることに、適しており、当該アクチュエータを備えて刺繍機は有効な状態にある。そのようなアクチュエータは、幾つか挙げるとすれば、例えば、ソレノイド、ピエゾ素子、又は、空圧素子であってもよい。
スティック形成周期のこの時点から、それまでに糸制動部16によって上糸25に加えられた糸張力を取り除くことにより糸張力が減少することによって、ルーパーボビンから下糸を更に引き出すために必要な反力もまた減少するが、これは小さな上糸ループ26による針板4の下側での下糸24の固定が今や解消されているからである。その代わりに、今や同様に、上糸におけるより僅かな又は不足した糸張力の結果として、それまでの小さい上糸ループ26が再び拡大される。下糸24にかかっている糸張力及び糸力と合わせて、これによって、上糸25もまた刺繍布23の裏側へ引っ張られる。
図8は、図5と同様に、図3のマシングラフ内の時点Dに対する状態を示している。この時点Dに対して、刺繍布23の移動は終えられている。時点C及び時点Dの間のその経路で、元々は小さかった上糸ループ26は、ここで再度より大きな上糸ループ26aに拡大されるので、上糸25は引き続き制動される下糸24によって刺繍布23の裏側へ引っ張られる。下糸24の糸の一部分24a或いは糸の一区画は、ステッチ長さSよりも明らかに小さく、また、最後の2つのステッチの間の下糸消費を表す。刺繍布23によって隔てられた、刺繍物における上糸25の延び具合と下糸24の延び具合は、今や、図2の状態とは異なり、一致していない。
機械制御を介して下糸長さに狙いを定めて影響を与えることが出来る。とりわけ図3である特定の時点に対して例示的に書き込まれた時点Cを変化させることによって、この影響を与えることが出来る。図3における点B及び点Dの間のどの時点Cに対して上糸制動部が開放されたかに応じて、裏側へ引っ張られる上糸の長さ、また従って、ステッチ毎に必要となる下糸長さ、を変更することが出来る。より早期に開放される場合、下糸部分はより僅かであり、またその逆も成り立つ。糸繰り出し量は、唯一の時点に対してのみではなく、ステッチ形成周期の時間インターバルの間にも、0の値、又は略0の値を取ることが出来るので、時点Bもまた、可能な時点として、このインターバルから選択可能である。
作り出される刺繍部の種類は、今や、例えば透けた刺繍布24の場合に上糸及び下糸が互いに一致して進むべきであるか(下糸消費が多い)、又は、それが必要ない場合に、対応する下糸消費がステッチ長さの予め与えられるどの小部分を占めるか(僅かな下糸消費)、を決定する。この選択可能性は、2回転するルーパーを備えたルーパー刺繍機においては与えられていない。
ステッチ形成の全経過は、上糸制動部16が再び閉じられることを要求する。これは、時点Aに対して、つまり、針先端がまさにその下死点を通り抜けた時点に対して、有利に行われ、そして、再度、刺繍布裏面の方向そして引き続き挿入位置から外への移動を開始する。好ましい実施例では従って、この時点Aは、後続のステッチ形成周期に存在し、このステッチ形成周期は、糸制動部が開放されたそれぞれのステッチ形成周期に続いている。
1 前部部分
2 本縫いルーパー
3 テーブル板
4 針板
5 刺繍枠
6 ボビンケース担持体
7 ボビンケース
8 針
9 針棒
10 ベースフレーム
11 駆動体
12 押さえ
13 駆動体
14 天秤
15 軸
16 糸制動部
18 押さえ12の貫通部
20 刺し穴
21 刺し穴
23 刺繍布
24 下糸
24a 糸の一部分
25 上糸
26 上糸ループ
26a 上糸ループ
27 上糸ループ
29 針板穴
S ステッチ長さ

Claims (19)

  1. 刺繍シームのステッチ形成用のステッチ形成工具を具備した少なくとも1つの刺繍ヘッドを有する刺繍機であって、前記ステッチ形成工具が上糸を案内するために設けられた針並びに前記刺繍シームを形成するために前記針と協働するルーパーを有し、前記ルーパーは下糸のストックを配するための容器を具備し且つステッチ形成周期の間にその回転軸まわりで2回より多く回転し、並びに、前記針と刺繍物の間の変位相対運動を実行するための運動手段が設けられている、刺繍機において、
    ステッチ形成工程の上糸張力及び/又は下糸張力を調整可能に変更するための、前記刺繍機の手段であって、それによって、前記刺繍物の表側及び裏側で前記刺繍シームの1つのステッチの前記下糸及び前記上糸の位置及び長さに関して、前記刺繍物に、下糸の消費量が減少されまた前記刺繍物の表側での上糸の延伸方向及び前記刺繍物の裏側での下糸の延伸方向が互いに平行ではない、前記上糸及び前記下糸の一致しない配置をもたらすために、前記刺繍シームの少なくとも1つのステッチ形成周期の間、及び/又は、前記刺繍シームの複数のステッチ形成周期のそれぞれの間に、上糸張力及び/又は下糸張力の異なる値がもたらされる、前記刺繍機の前記手段を特徴とする刺繍機。
  2. 請求項1に記載の刺繍機において、
    前記刺繍シームを形成するために前記針の連続する2つの挿入位置の間に設けられたステッチ長さに関して、前記ステッチ長さに割り当てられた下糸長さが、前記ステッチ長さの最大でも80%の値を取ることを特徴とする刺繍機。
  3. 請求項2に記載の刺繍機において、
    前記ステッチ長さに割り当てられた前記下糸長さが、前記ステッチ長さの最大でも65%の値を取ることを特徴とする刺繍機。
  4. 請求項2に記載の刺繍機において、
    前記ステッチ長さに割り当てられた前記下糸長さが、前記ステッチ長さの半分以下の値を取ることを特徴とする刺繍機。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の刺繍機において、
    上糸張力及び/又は下糸張力を調整可能に変更するための前記手段が、前記ステッチ形成周期の少なくとも一時点の間に上糸張力及び下糸張力の間の比率を可変的に調整するための手段を含んでいることを特徴とする刺繍機。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の刺繍機において、
    前記上糸の糸制動部を含む、前記上糸張力を減少するための前記手段によって、前記刺繍シームの複数のステッチ形成周期の何れにおいても、前記上糸張力が前記下糸張力に比べて一時的に減少可能であるように、前記上糸張力を調節出来ることを特徴とする刺繍機。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の刺繍機において、
    前記刺繍シームの前記少なくとも1つのステッチ形成周期の間に、上糸張力の減少と同様に下糸張力の増加をも実行可能であることを特徴とする刺繍機。
  8. 請求項7に記載の刺繍機において、
    その都度前記針板への前記針の挿入から始まる、前記刺繍シームの複数のステッチ形成周期のそれぞれにて、上糸張力の減少と同様に下糸張力の増加をも実行可能であることを特徴とする刺繍機。
  9. 刺繍シームのステッチ形成用のステッチ形成工具を具備した少なくとも1つの刺繍ヘッドを有する刺繍機であって、前記ステッチ形成工具が上糸を案内するために設けられた針並びに前記刺繍シームを形成するために前記針と協働する回転可能なルーパーを有し、前記ルーパーは下糸のストックを配するための容器を具備し且つステッチ形成周期の間にその回転軸まわりで回転し、並びに、前記針と刺繍物の間の変位相対運動を実行するための運動手段が設けられている、刺繍機において、
    前記ステッチ形成周期の予め設定可能な時点又は予め設定された時点に対して、少なくとも前記下糸の糸張力に関連して、前記刺繍機の前記上糸の糸張力を減少するための手段であって、
    それによって、前記刺繍物の表側及び裏側で前記刺繍シームの1つのステッチの前記下糸及び前記上糸の位置及び長さに関して、前記刺繍物に、下糸の消費量が減少されまた前記刺繍物の表側での上糸の延伸方向及び前記刺繍物の裏側での下糸の延伸方向が互いに平行ではない、前記上糸及び前記下糸の一致しない配置をもたらす手段、
    を特徴とする刺繍機。
  10. 請求項9に記載の刺繍機において、
    前記糸張力を減少させるための前記手段が、制御可能な糸制動部を含んでおり、その制動作用が前記ステッチ形成周期の間にマシン制御によって制御可能であることを特徴とする刺繍機。
  11. 請求項9又は10に記載の刺繍機において、
    前記糸張力の減少のための、マシン制御によって実行可能な切替工程の時点、及び/又は、前記糸張力が減少されている間の期間、が調整可能であることを特徴とする刺繍機。
  12. 請求項9から11のいずれか一項に記載の刺繍機において、
    前記糸繰り出し量がその最大値に達した後で、及び、前記糸繰り出し量がそれに続く最小値を取っている間又は取った後で、一回のステッチ形成周期にて、マシン制御が前記上糸の前記糸張力を減少させることを特徴とする刺繍機。
  13. 請求項12に記載の刺繍機において、
    前記ステッチ形成周期が前記針板への前記針の挿入から始まることを特徴とする刺繍機。
  14. 請求項9から13のいずれか一項に記載の刺繍機において、
    1つのステッチ形成周期で前記糸繰り出しの値が0の値をとる時点とその後続のステッチ形成周期で前記針がその下死点を通った時点の、複数の時点の間で前記糸張力の減少が行われ、また、これらの時点が継続する間、前記糸張力の減少が維持されることを特徴とする刺繍機。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の刺繍機において、
    刺繍布を張るために設けられた刺繍枠が前記針に対して相対的に移動する時点に対して、前記上糸張力の減少が行われることを特徴とする刺繍機。
  16. 本縫い刺繍機を用いて刺繍シームを形成するため、又は、平面刺繍シームを形成するための刺繍方法にして、前記本縫い刺繍機では、往復動しながら行き来し且つ上糸を案内する針を用いて、運動手段により少なくとも1つの平面で針に対して相対的にジグザク状に移動可能な刺繍物内へ、前記刺繍物内へ前記針を挿入することによって、前記刺繍物の挿入位置の下部に、上糸ループが形成され、また、この上糸ループが前記ステッチ形成周期の間に少なくとも2回転するルーパーを用いて捕捉され、また、前記ルーパー内に予め蓄えられた下糸が前記ループを通って導かれる、刺繍方法において、
    前記刺繍物の表面及び裏面における前記刺繍シームの1つのステッチの前記下糸及び前記上糸の位置及び長さに関して、前記刺繍物に、下糸の消費量が減少されまた前記刺繍物の表側での前記上糸の延伸方向及び前記刺繍物の裏側での前記下糸の延伸方向が互いに平行ではない前記上糸及び前記下糸の一致しない配置をもたらすために、前記刺繍シームの少なくとも1つのステッチ形成周期の間に、又は、刺繍シームの複数のステッチ形成周期のそれぞれの間に、前記本縫い刺繍機にて予め設定可能な上糸張力及び/又は下糸張力の、異なる値が調整されることを特徴とする刺繍方法。
  17. 請求項16に記載の刺繍方法において、
    前記ルーパーによって前記上糸ループを捕捉した後そして前記上糸ループを前記下糸と絡み合わせた後に、上糸張力及び/又は下糸張力が変更されることを特徴とする刺繍方法。
  18. 請求項16又は17に記載の刺繍方法において、
    前記ルーパーによって前記上糸ループを捕捉した後そして前記上糸ループを前記下糸と絡み合わせた後に、前記上糸の糸張力が減少されることを特徴とする刺繍方法。
  19. 請求項16に従う刺繍方法を使用して、一本の上糸及び一本の下糸から刺繍シームが形成されている刺繍物において、
    前記刺繍物の裏側に配された前記刺繍シームの上糸ループを備えた前記刺繍シームであって、前記上糸ループを通って前記下糸が延び、前記上糸ループが前記刺繍物にて互いに連続する2つの、針の挿入位置の間に配されている前記刺繍シームを特徴とする刺繍物。
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