JP6531424B2 - 電源制御用半導体装置 - Google Patents
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Description
また、電源制御回路には、電源電圧が内部回路が動作可能な電圧以下となった時に異常動作を行わないようにする低電圧誤動作防止機能や、過電流等による電源の過熱を防止するための保護回路を設け、異常な状態が発生した時には保護回路が働いて内部回路の動作を停止させるように構成されることがある(特許文献2参照)。
また、上記特許文献2には、電源起動時を含む保護動作時に電源を供給する第1の電源回路と、保護動作が解除された通常動作時に電源を供給する第2の電源回路とを設け、保護回路の動作状態に基づいて、電源切替回路を介して基準電圧・電流回路へ第1の電源回路または第2の電源回路のいずれかから電源を供給するようにした技術が開示されている。しかし、特許文献2の発明は、基準電圧・電流回路の数を減らすことができるようにすることで、回路規模の小さな電源制御用回路(IC)を実現することに向けてなされたもので、待機時の消費電力を抑制することに向けてなされたものではない。
本発明の他の目的は、耐圧の高い素子で構成される回路の数や規模を小さくして、ICチップのサイズを低減させることができる電源制御用半導体装置を提供することにある。
電圧変換用のトランスの一次側巻線に間欠的に電流を流すためのスイッチング素子を、前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧と、前記トランスの二次側からの出力電圧検出信号に応じた電圧がフィードバック電圧として入力されることでオン、オフ制御する駆動パルスを生成し出力する電源制御用半導体装置であって、
前記スイッチング素子をオン、オフ制御する制御信号を生成するオン、オフ制御信号生成回路と、
AC入力の交流電圧またはダイオード・ブリッジ回路で整流された後の直流電圧が入力される高圧入力起動端子と、
前記トランスの補助巻線に誘起される電圧が入力される電源端子と、
前記高圧入力起動端子と前記電源端子との間に設けられたスイッチ手段と、
前記電源端子の電圧を監視し該電圧が所定の第1電圧範囲に入るように前記スイッチ手段をオン、オフ制御する電源電圧制御回路と、
前記電源端子の電圧に基づいて内部回路の動作に必要な電源電圧を生成する第1と第2の内部電源回路と、
前記フィードバック電圧が所定の電位以下になった場合に前記オン、オフ制御信号生成回路によるオン、オフ制御信号の生成を停止させる停止制御信号を出力するフィードバック電圧監視回路と、
前記電源端子の電圧に基づいて前記スイッチ手段をオン、オフ制御して前記電源端子の電圧が、前記第1電圧範囲よりも狭い第2電圧範囲に入るように制御する状態制御回路と、
前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧が入力される電流検出端子と、
前記電流検出端子の状態を監視して異常状態を検出する電流検出端子監視回路と、
を備え、前記内部電源回路のうち第1の内部電源回路は常に動作状態にされるとともに、第2の内部電源回路は前記フィードバック電圧監視回路から出力される前記停止制御信号に応じて動作が停止可能にされ、前記オン、オフ制御信号の生成に関係する内部回路には前記第2の内部電源回路により生成される電源電圧が供給され、少なくとも前記電源電圧制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成した。
前記電源端子の電圧が所定の第1電位よりも高くなると、前記スイッチ手段をオフさせるとともに前記第2の内部電源回路の動作を開始させるタイミングを示す信号を生成する動作開始回路と、
前記電源端子の電圧が、前記第1電位より低い所定の第2電位よりも低くなると、前記スイッチ手段をオンさせるとともに前記第2の内部電源回路の動作を停止させるタイミングを示す信号を生成する動作停止回路と、
を備え、前記動作開始回路には前記電源端子の電圧が動作電圧として供給され、前記動作停止回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成する。
かかる構成によれば、2個の内部電源回路のうち第2の内部電源回路の動作を停止させても、電源電圧制御回路を構成する内部電源の動作開始回路と動作停止回路は動作を継続させることができる。
前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧が入力される電流検出端子と、
前記電流検出端子の状態を監視して異常状態を検出する電流検出端子監視回路と、
を備え、前記電流検出端子監視回路が前記電流検出端子の異常を検出すると、前記電流検出端子監視回路から出力される信号によって、前記オン、オフ制御信号生成回路の信号生成動作が停止されるとともに前記状態制御回路が動作状態になるように構成され、該状態制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成する。
これにより、オン、オフ制御信号生成回路によるオン、オフ制御信号の生成が停止され状態制御回路が動作状態になるいわゆるラッチ停止状態へ移行した場合においても、状態制御回路には常に動作状態にされる内部電源回路から電源が供給されるため、状態制御回路を動作させることができ、ラッチ停止状態を継続させることができる。
かかる構成によれば、動作停止回路および状態制御回路が、高耐圧の素子に比べて素子サイズの小さな低耐圧の素子で構成されるため、チップサイズを低減することができる。
図1は、本発明を適用した絶縁型直流電源装置としてのAC−DCコンバータの一実施形態を示す回路構成図である。
一方、電源制御用IC13には、ダイオード・ブリッジ回路12で整流される前の電圧がダイオードD11,D12および抵抗R1を介して印加される高圧入力起動端子HVが設けられており、電源投入時(プラグが差し込まれた直後)は、この高圧入力起動端子HVからの電圧で動作することができるように構成されている。
図2に示すように、本実施例の電源制御用IC13は、フィードバック端子FBの電圧VFBに応じた周波数で発振する発振回路31と、該発振回路31で生成された発振信号φcに基づいて一次側スイッチングトランジスタSWをオンさせるタイミングを与えるクロック信号CKを生成するワンショットパルス生成回路のような回路からなるクロック生成回路32と、クロック信号CKによってセットされるRS・フリップフロップ33と、該フリップフロップ33の出力に応じてスイッチングトランジスタSWの駆動パルスGATEを生成するドライバ(駆動回路)34を備える。
なお、このコンパレータ36cによってフィードバック電圧VFBが参照電圧Vrefよりも低くなったことを検出して、その出力GSCでドライバ34の動作を停止させた場合、ドライバ34の停止でICからスイッチング制御信号が出力されなくなって出力電圧が徐々に下がり、それに応じてフィードバック電圧VFBが上昇することでコンパレータ36cの出力が反転し、ドライバ34が活性化されてゲート制御が自動的に復帰することとなる。これにより、バースト動作が実現される。
この起動回路50は、AC入力投入時にスイッチS0をオンさせて高圧入力起動端子HVから電源端子VDDに接続されている容量(コンデンサ)C0に対して電流を流すことで電源端子VDDに電圧を供給する。そして、上記容量にチャージされた電圧が21Vに達すると、スイッチS0をオフして電流を遮断し、内部レギュレータが動作を開始してICを動作させる。
CS端子監視回路40は、電流検出端子CSの異常(オープン)を検出すると、その出力がハイレベルに変化して上記ドライバ(駆動回路)34の動作を停止させて、ドライバ34から出力される駆動パルスGATEをローレベルに固定させる(SWをオフさせる)ように構成される。CS端子監視回路40の出力でドライバ34の動作を停止させる代わりに、前段のフリップフロップ33をリセット状態にしてその出力Qをローレベルに固定することで、駆動パルスGATEをローレベルに固定させるように構成してもよい。
なお、上記ラッチ停止モードは、AC電源側のプラグをコンセントから引き抜くことで解除される。
図5には、上記起動回路50の構成および2個の内部電源回路(レギュレータ)43A,43Bが示されている。
また、起動回路50は、上記VDD動作開始回路51とVDD動作停止回路52からの出力信号等に応じてスイッチS0をオン、オフさせるスタート制御信号STを生成するロジック回路53と、該ロジック回路53からのスタート制御信号STによってスイッチS0をオン、オフさせるスイッチ制御回路54とを備える。この信号STがイネーブル信号ENとして内部電源回路43Aに供給される。
内部電源回路43Aの動作を停止させることで、起動回路50またはラッチ停止制御回路42が動作される間、他の内部回路の動作を停止させてICの消費電力を低減することができる。本発明者が行なった試算では、本実施例の電源制御用ICとほぼ同機能を有する従来の電源制御用ICに比べて、待機時の消費電流を50%低減でき、本実施例の電源制御用ICを利用した電源装置の無負荷時消費電力は20%低減できることが分かった。
電源装置が正常であれば、内部回路が動作を開始するとスイッチング制御が行なわれ、補助巻線から電源電圧端子VDDに対して電流の供給が行なわれることで内部回路が動作を継続する。一方、補助巻線から電源電圧端子VDDに対して電流が供給されないような異常(例えば補助巻線ショート)が発生している場合には、スイッチS0がオフされると電流を消費するため電源電圧端子VDDの電圧が低下し始め、6.5Vまで下がると起動回路50によってスイッチS0がオンされて電源電圧端子VDDの電圧が上昇し、上記動作を繰り返すこととなる。
さらに、起動回路50の上記ロジック回路53には、このラッチ停止制御回路42からの制御信号LCが入力されており、この制御信号LCによってスタート制御信号STを変化させ、スイッチ制御回路54を動作させてスイッチS0をオン、オフさせるように構成されている。これにより、電源電圧端子VDDの電圧を例えば12V〜13Vのような電圧範囲に抑え込むように動作することとなる。
さらに、図5に破線で示されている回路52、53、54および42は、内部電源回路が一つである場合には、電源電圧端子VDDの電圧を動作電圧とすることで内部電源回路の動作停止中においても動作できるようにするため、30Vのような中耐圧の素子で構成する必要があるが、本実施例の電源制御用ICでは内部電源回路43Aとは別に内部電源回路43Bを設けたことで、回路52、53、54および42を6Vのような低耐圧の素子で構成することができる。
低耐圧の素子は中耐圧の素子に比べて素子のサイズが小さいため、上記のように、30Vのような中耐圧の素子で構成する必要がある回路52、53および42を、6Vのような低耐圧の素子で構成できるようにすることで、回路の専有面積を大幅に低減することができる。その結果、内部電源回路を2つ設けることで増加するチップサイズの増加分を考慮してもトータルのチップサイズを低減することができる。
本発明者が行なった試算では、回路52、53および42を中耐圧の素子で構成した場合に比べて、これらの回路を低耐圧の素子で構成することでチップサイズを20%低減できることが分かった。
図6に示すように、起動回路50を構成するVDD動作開始回路51とVDD動作停止回路52は、一方の入力端子に電源電圧端子VDDの電圧が印加され他方の入力端子に、21Vと6.5Vの比較参照電圧Vref1,Vref2がそれぞれ印加されたコンパレータCMP1,CMP2により構成することができる。
また、ラッチ停止制御回路42は、一方の入力端子に電源電圧端子VDDの電圧が印加され他方の入力端子に、13Vと12Vの比較参照電圧Vref3,Vref4がそれぞれ印加されたコンパレータCMP3,CMP4と、コンパレータCMP3,CMP4の出力が、セット端子とリセット端子にそれぞれ入力されるRSフリップフロップFF1とにより構成することができる。
さらに、前記実施形態では、本発明をフライバック方式のAC−DCコンバータを構成する電源制御用ICに適用した場合について説明したが、本発明はフォワード型や疑似共振型のAC−DCコンバータさらには一次側で取得した情報のみで二次側の出力電圧の制御を行ういわゆる Primary Side Regulation (以下PSR)方式のAC−DCコンバータを構成する電源制御用ICにも適用することができる。
12 ダイオード・ブリッジ回路(整流回路)
13 電源制御回路(電源制御用IC)
14 二次側検出回路(検出用IC)
15a フォトカプラの発光側ダイオード
15b フォトカプラの受光側トランジスタ
31 発振回路
32 クロック生成回路
34 ドライバ(駆動回路)
35 アンプ(非反転増幅回路)
36a 過電流検出用コンパレータ(過電流検出回路)
36b 電圧/電流制御用コンパレータ(電圧/電流制御回路)
36c フィードバック電圧監視用コンパレータ(フィードバック電圧監視回路)
37 波形生成回路
38 周波数制御回路
39 デューティ制限回路
40 CS端子監視回路
42 ラッチ停止制御回路(状態制御回路)
43A,43B レギュレータ(内部電源回路)
50 起動回路
Claims (4)
- 電圧変換用のトランスの一次側巻線に間欠的に電流を流すためのスイッチング素子を、前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧と、前記トランスの二次側からの出力電圧検出信号に応じた電圧がフィードバック電圧として入力されることでオン、オフ制御する駆動パルスを生成し出力する電源制御用半導体装置であって、
前記スイッチング素子をオン、オフ制御する制御信号を生成するオン、オフ制御信号生成回路と、
AC入力の交流電圧またはダイオード・ブリッジ回路で整流された後の直流電圧が入力される高圧入力起動端子と、
前記トランスの補助巻線に誘起される電圧が入力される電源端子と、
前記高圧入力起動端子と前記電源端子との間に設けられたスイッチ手段と、
前記電源端子の電圧を監視し該電圧が所定の第1電圧範囲に入るように前記スイッチ手段をオン、オフ制御する電源電圧制御回路と、
前記電源端子の電圧に基づいて内部回路の動作に必要な電源電圧を生成する第1と第2の内部電源回路と、
前記フィードバック電圧が所定の電位以下になった場合に前記オン、オフ制御信号生成回路によるオン、オフ制御信号の生成を停止させる停止制御信号を出力するフィードバック電圧監視回路と、
前記電源端子の電圧に基づいて前記スイッチ手段をオン、オフ制御して前記電源端子の電圧が、前記第1電圧範囲よりも狭い第2電圧範囲に入るように制御する状態制御回路と、
前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧が入力される電流検出端子と、
前記電流検出端子の状態を監視して異常状態を検出する電流検出端子監視回路と、
を備え、前記内部電源回路のうち第1の内部電源回路は常に動作状態にされるとともに、第2の内部電源回路は前記フィードバック電圧監視回路から出力される前記停止制御信号に応じて動作が停止可能にされ、前記オン、オフ制御信号の生成に関係する内部回路には前記第2の内部電源回路により生成される電源電圧が供給され、少なくとも前記電源電圧制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給され、
前記電流検出端子監視回路が前記電流検出端子の異常を検出すると、前記電流検出端子監視回路から出力される信号によって、前記オン、オフ制御信号生成回路の信号生成動作が停止されるとともに前記状態制御回路が動作状態になるように構成され、該状態制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成されていることを特徴とする電源制御用半導体装置。 - 電圧変換用のトランスの一次側巻線に間欠的に電流を流すためのスイッチング素子を、前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧と、前記トランスの二次側からの出力電圧検出信号に応じた電圧がフィードバック電圧として入力されることでオン、オフ制御する駆動パルスを生成し出力する電源制御用半導体装置であって、
前記スイッチング素子をオン、オフ制御する制御信号を生成するオン、オフ制御信号生成回路と、
AC入力の交流電圧またはダイオード・ブリッジ回路で整流された後の直流電圧が入力される高圧入力起動端子と、
前記トランスの補助巻線に誘起される電圧が入力される電源端子と、
前記高圧入力起動端子と前記電源端子との間に設けられたスイッチ手段と、
前記電源端子の電圧を監視し該電圧が所定の第1電圧範囲に入るように前記スイッチ手段をオン、オフ制御する電源電圧制御回路と、
前記電源端子の電圧に基づいて内部回路の動作に必要な電源電圧を生成する第1と第2の内部電源回路と、
前記フィードバック電圧が所定の電位以下になった場合に前記オン、オフ制御信号生成回路によるオン、オフ制御信号の生成を停止させる停止制御信号を出力するフィードバック電圧監視回路と、
を備え、前記内部電源回路のうち第1の内部電源回路は常に動作状態にされるとともに、第2の内部電源回路は前記フィードバック電圧監視回路から出力される前記停止制御信号に応じて動作が停止可能にされ、前記オン、オフ制御信号の生成に関係する内部回路には前記第2の内部電源回路により生成される電源電圧が供給され、少なくとも前記電源電圧制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給され、
前記電源電圧制御回路は、
前記電源端子の電圧が所定の第1電位よりも高くなると、前記スイッチ手段をオフさせるとともに前記第2の内部電源回路の動作を開始させるタイミングを示す信号を生成する動作開始回路と、
前記電源端子の電圧が、前記第1電位より低い所定の第2電位よりも低くなると、前記スイッチ手段をオンさせるとともに前記第2の内部電源回路の動作を停止させるタイミングを示す信号を生成する動作停止回路と、
を備え、前記動作開始回路には前記電源端子の電圧が動作電圧として供給され、前記動作停止回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成されていることを特徴とする電源制御用半導体装置。 - 前記電源端子の電圧に基づいて前記スイッチ手段をオン、オフ制御して前記電源端子の電圧が、前記第1電圧範囲よりも狭い第2電圧範囲に入るように制御する状態制御回路と、
前記トランスの一次側巻線に流れる電流に比例した電圧が入力される電流検出端子と、
前記電流検出端子の状態を監視して異常状態を検出する電流検出端子監視回路と、
を備え、前記電流検出端子監視回路が前記電流検出端子の異常を検出すると、前記電流検出端子監視回路から出力される信号によって、前記オン、オフ制御信号生成回路の信号生成動作が停止されるとともに前記状態制御回路が動作状態になるように構成され、該状態制御回路には前記第1の内部電源回路により生成される電源電圧が供給されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の電源制御用半導体装置。 - 前記動作停止回路および前記状態制御回路は第1の耐圧を有する素子により構成され、
前記第1と第2の内部電源回路および前記動作開始回路は、前記第1の耐圧よりも高い第2の耐圧を有する素子により構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電源制御用半導体装置。
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