JP6530261B2 - 振出式シャープペンシル - Google Patents
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Description
この振出式シャープペンシルは、軸筒を振った際に、重量体が前進して押動体に当接することで該押動体とチャックとを前進させる構造であり、軸筒を振る速さや、軸筒を振る大きさによって、軸筒の先端開口部から突出される筆記芯の長さ(以下、芯出量と記載)が変化する。これは、押動体に対して当接する重量体から受ける衝撃力の変化によるものであり、衝撃力が大きければ押動体に従動して前進するチャック及びチャックが狭持する芯の前進量も大きく長い芯出量となり、反対に衝撃力が小さければ短い芯出量となる。
本件発明者は、軸筒を振って筆記芯を繰り出す際に、軸筒内で前後方向に移動する重量体が発生させる他の部材との摺動音や当接音などの大きさの変化と芯出量の変化とが合致する振出式シャープペンシルを使用者が求めていることを鑑みて、軸筒を前後に振った際における重量体の移動量で筆記芯の芯出量を調節することが可能な振出式シャープペンシルを得ることを目的とした。
「1.軸筒の内部に、筆記芯を収容する芯タンク及び該筆記芯を挟持するチャックを有した芯繰出機構と、前記軸筒を前後に振ることにより前記芯繰出機構を作動させる重量体とを配し、前記軸筒を振ることにより前進させた前記重量体で前記芯繰出機構に設けた押動体を押動し、該押動体の前進に従動して前進する前記チャックにより、前記筆記芯を前記軸筒の先端開口部から突出させる振出式シャープペンシルにおいて、前記重量体が後退した際に当接するよう軸筒内に設けた当接部と、前記重量体と前記当接部との当接位置を前記軸筒の軸心方向に前後動させる操作体と、を備えたことを特徴とする振出式シャープペンシル。
2.前記操作体に前記重量体を挿通させる挿通孔と前記軸筒の軸心方向に延びるスリット部とを形成し、前記重量体に前記芯タンクを挿通させる貫通孔と前記操作体のスリット部を前後動する突起部とを形成し、前記軸筒の内面に前記重量体の突起部を当接させる傾斜面を有した前記当接部を形成し、前記操作体を前記軸筒に対して回動することで該操作体のスリット部により前記重量体の突起部を回動させ、前記重量体に形成した突起部が前記軸筒の内面に形成した傾斜面に当接する当接位置を該軸筒の軸心方向に前後動させることを特徴とする前記1項に記載の振出式シャープペンシル。
3.前記操作体の外面に前方段部を形成し、前記軸筒の内面に後方段部を形成し、該前方段部と後方段部との間に弾発部材を張架して該操作体を該軸筒に対して常時後方へ弾発させることを特徴とする前記2項に記載の振出式シャープペンシル。」である。
したがって使用者は、重量体が大きな衝撃力で押動体に当接した際の大きな衝撃音や振動などで、長い芯出量が得られたことを感じ取ることができ、重量体が小さな衝撃力で押動体に当接した際の小さな衝撃音や振動などで、短い芯出量が得られたことを感じ取ることができる。
さらに、軸筒に対し操作体を回動させる回動方式において、軸筒の内面に前方段部を形成し、操作体の外面に後方段部を形成し、前方段部と後方段部との間に弾発部材を張架して操作体を軸筒に対して常時後方へ弾発させた場合には、操作体に対して軸心方向における後方への力が掛かることから、回動させた操作体の位置がずれ難くなり、また当接部である傾斜面に重量体の衝撃力を受けた際にも、操作体の回動位置がずれることを防止することができる。
ここで、芯繰出機構6は、チャック8と、該チャック8の後方に配設したコネクター9と、該コネクター9を介してチャック8と連結され且つ予備の筆記芯を収容するパイプ状の芯タンク10と、チャック8の頭部8aに外嵌された締具11と、締具11を受け止める連結具12と、連結具12とコネクター9の間に200g以下の取付時荷重で張架されたチャックスプリング13と、により構成される。
また、芯繰出機構6は、軸筒2の後端から突出させた操作体14を押動することにより、操作体14が前進することで当接する芯タンク10を介して作動する。芯タンク10は、芯タンク10の開口部10aに後方部9aを挿着したコネクター9を介して筆記芯7を挟持するチャック8と連結してあり、チャック8を、操作体14及び芯タンク10の前後動に従動するようにしてある。
また重量体16には、後方部に外方へ突出する突起部16aを形成すると共に、内方部に芯タンク10が挿通する貫通孔16dを形成してある。
ここで、前記操作体14は、筒状部材17と押部材18と消しゴム19とキャップ20とにより構成され、各々の構成部材を後軸4に対して回動可能になるよう外形部を形成し、後軸4に対して操作体14が前後に摺動可能且つ回動可能に構成してある。尚、キャップ20を掴み、後軸4に対して該キャップ20を左右どちらかに回動する際、操作体14全体が従動して回動するように、操作体14の回動時に発生する回転抵抗よりキャップ20と押部材18との嵌着力の方が強くなるように構成してある。
また、押部材18の後方段部18dの前端と後軸4の内周上に突出させて形成した前方段部4aとの間にコイルスプリング21を張架して、後軸4に対して操作体14を後方に弾発してある。
尚、重量体16の突起部16aは筒状部材17の外周面から更に外方に突出させ、突起部16aの外方端16bが後軸4の内周面4bに近接するよう形成してある。
これにより重量体16はコネクター9の突部9dと後軸4の当接部4cとの間に遊嵌される。また、操作体14を後軸4に対して回動すると、突起部16aにより重量体16が従動して回動し、突起部16aの後端16cと当接する後軸4の当接部4cの位置が軸周方向に移動することで、突起部16aと当接する当接部4cが別の段にずれ、重量体16が前後に移動する移動量Lが変化するように構成してある。
尚、前記6段の段部は、1段目の段部4eに当接する際の重量体16の移動量Lを略ゼロとすると共に、2段目の段部4f、3段目の段部4g、4段目の段部4h、5段目の段部4i、6段目の段部4jと移るにつれ、だんだんと重量体16の移動量Lが伸びるようにしてあり、4段目の段部4hの位置に重量体16の突起部16aを合わせたときに、芯出量が丁度良くなるように移動量Lを調整してある。したがって、本実施例においては、4段目の段部4hに重量体16の突起部16aが当接する場合を標準位置とする。
図4Aに示すように、重量体16の突起部16aが後軸4の当接部4cの標準位置である4段面の段部4hの位置にある時、軸筒2を振ることで重量体16をコネクター9の弾性片9cとの4段目の段部4hの間を移動させ、慣性力を有した重量体16の前端がコネクター9の弾性片9cに当接して衝撃力が発生し、コネクター9が前進すると該コネクター9に連結されたチャックが従動して前進し、筆記芯7が先口体5の先端開口部5aより前方に繰り出される。
筆記芯7を繰り出した際の芯出量が長い場合は、キャップ20を掴んで操作体14全体を後軸4に対して回動することで、筒状部材17のスリット部17cに摺接した突起部16aを有する重量体16が従動して回動され、図4Bに示した3段目の段部4gの位置に重量体16の突起部16aを合せることで、突起部16aが当接する当接部4cが前方に一段ずれた分、重量体の移動量がL1からL2へと短くなり、その分、重量体16が移動する間に得られる慣性力が低くなるために衝撃力が減少する。このため、チャック8が前進する移動量が短くなり、芯出量を短くできると共に使用者に伝わる衝撃音や振動も小さくなる。
尚、図示しないが、3段目の段部4gの位置に重量体16の突起部16aを合せても芯出量がまだ長い場合は、もう一段前方の2段目の段部4fの位置に突起部16aを合わせることで、更に芯出量を短くできると共に使用者に伝わる衝撃音や振動も更に小さくなる。
尚、図示しないが、5段目の段部4iの位置に重量体16の突起部16aを合せてもまだ芯出量の短い場合は、もう一段後方の6段目の段部4jの位置に突起部16aを合わせることで更に芯出量を長くできると共に使用者に伝わる衝撃音や振動も更に大きくなる。
したがって、本実施例の振出式シャープペンシル1を使用する場合、使用者は、重量体16が大きな衝撃力で押動体22に当接した際の大きな衝撃音や振動などで、長い芯出量が得られたことを感じ取ることができ、重量体16が小さな衝撃力で押動体22に当接した際の小さな衝撃音や振動などで、短い芯出量が得られたことを感じ取ることができることとなる。
以上により、軸筒を前後に振った際における重量体の移動量で筆記芯の芯出量を調節することが可能な振出式シャープペンシルを得ることができた。
2…軸筒、
3…前軸、
4…後軸、4a…前方段部、4b…内周面、4c…当接部、4d…傾斜面、
4e…1段目の段部、4f…2段面の段部、4g…3段目の段部、4h…4段目の段部、4i…5段目の段部、4j…6段目の段部、4k…前端、
5…先口体、5a…先端開口部、5b…内段、
6…芯繰出機構、
7…筆記芯、7a…前端部、
8…チャック、8a…頭部、
9…コネクター、9a…後方部、9b…基部、9c…弾性片、9d…突部、
10…芯タンク、10a…開口部、10b…後端、
11…締具、
12…連結具、
13…チャックスプリング、
14…操作体、
15…芯ホルダー、
16…重量体、16a…突起部、16b…外方端、16c…後端、16d…貫通孔、
16e…先端部、
17…筒状部材、17a…挿通孔、17b…係止孔、17c…スリット部、
18…押部材、18a…内方段部、18b…係止凸部、18c…消しゴム挿入部、
18d…後方段部、
19…消しゴム、
20…キャップ、
21…コイルスプリング、
22…押動体、
L…移動量、
L1…移動量、
L2…移動量、
L3…移動量。
Claims (3)
- 軸筒の内部に、筆記芯を収容する芯タンク及び該筆記芯を挟持するチャックを有した芯繰出機構と、前記軸筒を前後に振ることにより前記芯繰出機構を作動させる重量体とを配し、前記軸筒を振ることにより前進させた前記重量体で前記芯繰出機構に設けた押動体を押動し、該押動体の前進に従動して前進する前記チャックにより、前記筆記芯を前記軸筒の先端開口部から突出させる振出式シャープペンシルにおいて、前記重量体が後退した際に当接するよう軸筒内に設けた当接部と、前記重量体と前記当接部との当接位置を前記軸筒の軸心方向に前後動させる操作体と、を備え、前記操作体を操作して前記重量体の前後方向における移動量を変化させることにより、前記軸筒を前後に振った際における前記筆記芯の芯出量を調節可能に構成したことを特徴とする振出式シャープペンシル。
- 軸筒の内部に、筆記芯を収容する芯タンク及び該筆記芯を挟持するチャックを有した芯繰出機構と、前記軸筒を前後に振ることにより前記芯繰出機構を作動させる重量体とを配し、前記軸筒を振ることにより前進させた前記重量体で前記芯繰出機構に設けた押動体を押動し、該押動体の前進に従動して前進する前記チャックにより、前記筆記芯を前記軸筒の先端開口部から突出させる振出式シャープペンシルにおいて、前記重量体が後退した際に当接するよう軸筒内に設けた当接部と、前記重量体と前記当接部との当接位置を前記軸筒の軸心方向に前後動させる操作体と、を備え、前記操作体に前記重量体を挿通させる挿通孔と前記軸筒の軸心方向に延びるスリット部とを形成し、前記重量体に前記芯タンクを挿通させる貫通孔と前記操作体のスリット部を前後動する突起部とを形成し、前記軸筒の内面に前記重量体の突起部を当接させる傾斜面を有した前記当接部を形成し、前記操作体を前記軸筒に対して回動することで該操作体のスリット部により前記重量体の突起部を回動させ、前記重量体に形成した突起部が前記軸筒の内面に形成した傾斜面に当接する当接位置を該軸筒の軸心方向に前後動させることを特徴とする振出式シャープペンシル。
- 前記操作体の外面に前方段部を形成し、前記軸筒の内面に後方段部を形成し、該前方段部と後方段部との間に弾発部材を張架して該操作体を該軸筒に対して常時後方へ弾発させることを特徴とする請求項2に記載の振出式シャープペンシル。
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JP2015131828A Active JP6530261B2 (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 振出式シャープペンシル |
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2015
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