JP6527986B2 - 繊維強化プラスチック製貯液槽の補修方法 - Google Patents
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Description
また、塩酸などの強酸や苛性ソーダなどの強塩基といった薬液を貯留するための貯液槽がある。こうした貯液槽は、通常、耐食性のFRPによって形成されている。
上記繊維強化プラスチック製貯液槽の補修方法において、当該補修方法は、強化層と、強化層の内面に固定されて接液面を構成する耐食層とを有する耐食性の前記繊維強化プラスチックに対して適用されることが好ましい。
本実施形態の補修対象とされる貯液槽は、例えば塩酸などの薬液を貯留するものであり、耐食性のFRP(図5参照)により形成されている。また、このFRPの耐食層20は、熱硬化性樹脂とガラス繊維とにより構成されている。
まず、図1(a)に示すように、貯液槽の耐食層20に対して研磨を行う(研磨工程)。研磨工程では、例えば市販のサンディングマシーン51を用いて腐食した耐食層20の表面部分を研磨することにより、表面を粗くする。
続いて、図1(d)に示すように、再度、上記溶媒を塗布する。
続いて、図2(d)に示すように、ジクロロメタン、薬液に由来する浸透液、及び溶けた樹脂を含む残留物を市販のウエス55を用いて拭き取る。
続いて、図3(d)に示すように、耐食層20(強化層10)に対してプライマー41を塗布する(プライマー塗布工程)。
表1に示すように、実施例1では、塩酸により腐食した耐食層20について、腐食により緑色に変色した部分を研磨により部分的に除去するとともに、上記溶媒を塗布するジクロロメタン処理を施している。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、3.66(kN)、接着強さは、11.7(Mpa)であった。
表1に示すように、比較例1では、塩酸により腐食した耐食層20について、腐食により緑色に変色した部分を研磨により部分的に除去する一方、ジクロロメタン処理は施していない。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、1.04(kN)、接着強さは、3.3(Mpa)であった。
表1に示すように、実施例2では、塩酸により腐食した耐食層20について、腐食により緑色に変色した部分全部を研磨により除去するとともに、上記溶媒を塗布するジクロロメタン処理を施している。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、4.06(kN)、接着強さは、13.0(Mpa)であった。
表1に示すように、比較例2では、塩酸により腐食した耐食層20について、腐食により緑色に変色した部分全部を研磨により除去する一方、ジクロロメタン処理は施していない。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、1.54(kN)、接着強さは、4.9(Mpa)であった。
表1に示すように、実施例3では、紫外線により劣化した最外層30及び強化層10について、劣化によりアメ色に変色した部分を研磨により部分的に除去するとともに、上記溶媒を塗布するジクロロメタン処理を施している。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、3.33(kN)、接着強さは、10.7(Mpa)であった。
表1に示すように、比較例3では、紫外線により劣化した最外層30及び強化層10について、劣化によりアメ色に変色した部分を研磨により部分的に除去する一方、ジクロロメタン処理は施していない。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、1.52(kN)、接着強さは、4.9(Mpa)であった。
表1に示すように、比較例4では、新品の耐食層20について、上記実施例1と同程度の厚さを研磨により部分的に除去する一方、ジクロロメタン処理は施していない。この場合、補修による接着部の引張せん断の最大荷重の平均値は、5.03(kN)、接着強さは、16.1(Mpa)であった。
実施例2と比較例2との比較結果から、ジクロロメタン処理を施した場合には、同処理を施さない場合に比べて、接着強さが約2.7倍となった。
また、実施例1〜3と比較例4との比較結果から、ジクロロメタン処理を施した場合には、新品の場合の0.66倍〜0.81倍の接着強さとなった。
次に、本実施形態の作用について説明する。
(1)繊維強化プラスチック製貯液槽の補修方法は、FRPの腐食または劣化した表面部分を補修する方法であり、上記表面部分に対して研磨を行う研磨工程と、上記表面部分に対してジクロロメタンを主成分とする溶媒を塗布することにより上記表面部分の樹脂を溶かす溶媒塗布工程とを備える。また、当該補修方法は、治具54を用いて上記表面部分を引っ掻くことにより、上記表面部分の繊維を浮き上がらせる引っ掻き工程を備える。また、当該補修方法は、上記表面部分を水洗いにて洗浄することによりジクロロメタン、薬液に由来する浸透液、及び溶けた樹脂を含む残留物を除去する洗浄工程と、耐食層20に対してプライマーを塗布するプライマー塗布工程と、プライマー41が塗布された上記表面部分に対して被接着物を接着剤42により接着する接着工程とを備える。
(2)洗浄工程に先立ち、ジクロロメタン及び溶けた樹脂を含む残留物を、ウエスを用いて拭き取る工程を含む。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・上記実施形態において、ウエス55を用いて残留物を拭き取る工程を省略することもできる。この場合、たわし56などを用いての水洗いのみによって残留物を除去すればよい。
・本発明に係る補修方法は、少なくとも表面部分がFRPにより形成された貯液槽に適用されるものであればよく、例えばステンレス鋼やコンクリートなどにより形成された母材の表面がFRPにより覆われた貯液槽に対して適用することもできる。
Claims (2)
- 少なくとも表面部分が繊維強化プラスチックにより形成された貯液槽に適用され、腐食または劣化した前記表面部分を補修する方法であって、
前記表面部分に対して研磨を行う研磨工程と、
前記表面部分に対してジクロロメタンを主成分とする溶媒を塗布することにより前記表面部分の樹脂を溶かす溶媒塗布工程と、
治具を用いて前記表面部分を引っ掻くことにより、前記表面部分の繊維を浮き上がらせる引っ掻き工程と、
前記表面部分を洗浄することにより前記ジクロロメタン及び溶けた樹脂を含む残留物を除去する洗浄工程と、
前記表面部分に対して被接着物を接着剤により接着する接着工程と、を備える、
繊維強化プラスチック製貯液槽の補修方法。 - 当該補修方法は、強化層と、強化層の内面に固定されて接液面を構成する耐食層とを有する耐食性の前記繊維強化プラスチックに対して適用される、
請求項1に記載の繊維強化プラスチック製貯液槽の補修方法。
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