JP6527439B2 - シール部材の組付方法及びシール部材の組付装置 - Google Patents
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Description
本発明のシール部材組付装置を具体化した一例である実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
図1で示す組付装置1は、ガイド治具80を用いてバックアップリング90及びOリング92を案内し、これらバックアップリング90及びOリング92を同時期に装着対象物100に組み付ける装置として構成されている。この装置は、図1〜図3で示すように、本体フレーム7と、固定装置10と、移動装置3とを備えている。なお、図1では、装着対象物100、ガイド治具80、バックアップリング90、Oリング92を二点鎖線によって仮想的に示している。
ガイド治具80は、所定方向に延びる軸状の形態をなしており、外周部84がその軸方向に延びている。なお、以下の説明では、ガイド治具80が延びる所定方向(軸方向)をガイド治具80の上下方向とし、後述する装着対象物100が隣接する端部82A側を上方、それとは反対の端部82B側を下方として説明する。また、図6(A)では、ガイド治具80の中心をなす中心線G1を、一点鎖線によって仮想的に示しており、この中心線G1の方向が上記所定方向(軸方向)となっている。
図1、図2のように、組付装置1は、ガイド治具80の一方側の端部82Aを装着対象物100に隣接させた状態で保持する保持部と、ガイド治具80に配置されたバックアップリング90及びOリング92を移動させる移動装置3とを備える。そして、保持部は、ベースとなる本体フレーム7と、上述したガイド治具80を位置決めしつつ保持する固定装置10とを有する。
まず、図6等を参照し、バックアップリング90をガイド治具80に配置する工程を説明する。この工程では、まず図6(A)のように、上述した環状のバックアップリング90を所定位置で保持し、このバックアップリング90とガイド治具80とが所定の位置関係となるように配置する。図6(A)では、ガイド治具80の端部82Bとバックアップリング90とが距離をあけて向かい合い且つガイド治具80の中心線G1の延長上にバックアップリング90の孔の中心が位置するように配置している。そして、ガイド治具80の中心線G1の延長上にバックアップリング90の孔の中心が位置した位置関係を維持しながら、ガイド治具80を中心線G1の方向に移動する。このような移動により、バックアップリング90の孔内にガイド治具80を端部82B側から挿入し、図6(B)のようにバックアップリング90をガイド治具80の外周部84に接触させるように嵌め込む。なお、図6(A)のようにバックアップリング90とガイド治具80とを一定の位置関係で維持し、且つ図6(B)のようにガイド治具80をバックアップリング90に向けて移動する装置としては、ロボット等の自動制御装置を用いればよい。
まず、この工程に先立ち、Oリング92を配置する工程を経て構成されたガイド治具80を、図8(A)(B)のように装着対象物100と隣接させて配置しておく。図8(A)(B)の例では、図8(A)のように装着対象物100に形成された先端部118を、ガイド治具80の端部82Aに形成された開口部(図示略)内に挿入している。そして、図8(B)のように装着対象物100のフランジ部114とガイド治具80の大径部88Cとを隣接させ且つ互いに接触させた状態で配置している。なお、図8(B)のように装着対象物100とガイド治具80とを隣接させた状態で維持する構造としては、図8(A)で示す装着対象物100の先端部118とガイド治具80の端部82Aに形成された開口部とが嵌合状態で固定される構造であってもよい。或いは、装着対象物100とガイド治具80とが隣接状態で維持されるようにそれぞれの部品を保持装置によって保持する構造であってもよい。
(1)実施形態1では、複数種類のシール部材としてバックアップリング90及びOリング92を組み付ける例を示したが、いずれか一方又は両方を公知の他種のシール部材に変更してもよい。また、少なくとも2種類以上のシール部材が同時期に組み付けられる構成であれば良く、同時期に組み付けられるシール部材は3種類以上であってもよい。
(2)実施形態1では、ガイド治具80に2つのテーパ部が設けられた例を示したが、ガイド治具に設けられるテーパ部の数は、1でも、3以上でもよい。また、ガイド治具のほぼ全体がテーパ部となっていてもよい。
(3)実施形態1では、接触部30に2つの爪部31,32が設けられた例を示したが、接触部の爪部の数は3以上であってもよい。例えば、3つの爪部が120°毎に環状に配置され、中心に向かって接近するように継続的に力を付与される構成であってもよい。或いは、4つの爪部が90°毎に環状に配置され、中心に向かって接近するように継続的に力を付与される構成であってもよい。
(4)実施形態1では、爪部31,32を例示したが、接触部を構成する爪部の形状は、ガイド治具に保持されたシール部材に引っ掛かる形状であれば他の形状でもよい。例えば、凹部33,34の内壁面の一部又は全部が湾曲面として構成されていてもよい。
(5)実施形態1では、作用部として、引っ張りばねとして構成されるばね部材61,62を例示したが、複数の爪部を互いに接近する方向に継続的に力を付与する構成であれば良い。例えば、圧縮ばねであってもよく、ばね部材以外の他の弾性部材であってもよい。或いは、弾性部材ではなく、アクチュエータなどであってもよい。
(6)図8(A)(B)のようにガイド治具80を装着対象物100に隣接させて配置する工程は、バックアップリング90をガイド治具80に配置する工程の前に行ってもよく、Oリング92をガイド治具80に配置する工程の前に行ってもよい。
Claims (5)
- 所定方向に延びる外周部を備えるとともに前記外周部の少なくとも一部において前記所定方向の一方側であるほど径が大きくなるテーパ部が構成されたガイド治具を用い、環状に構成された第1のシール部材を、前記ガイド治具に対して前記一方側とは反対側の端部から嵌め込み、前記ガイド治具の前記外周部に前記第1のシール部材を配置した状態で保持する工程と、
環状に構成され且つ前記第1のシール部材とは異なる種類の第2のシール部材を、前記ガイド治具に対して前記反対側の端部から嵌め込み、前記ガイド治具の前記外周部において、前記第1のシール部材よりも前記反対側の端部寄りの位置に前記第2のシール部材を配置した状態で保持する工程と、
前記ガイド治具の前記一方側の端部に隣接させて装着対象となる対象物を配置した状態で、前記ガイド治具の前記外周部に配置された前記第1のシール部材及び前記第2のシール部材を、移動装置によって前記外周部に沿わせつつ前記対象物に向けて同時期に移動させ、少なくとも前記テーパ部を通過させてそれぞれの内周面の径を拡げた後に前記対象物の外周面に組み付ける工程と、
を含み、
前記テーパ部は、前記一方側となるにつれて次第に径が大きくなるように構成された第1テーパ部と、前記一方側となるにつれて次第に径が大きくなるように構成された第2テーパ部と、を有し、
前記第1テーパ部は、前記第2テーパ部よりも前記反対側に配置され、
前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との間には、外面が円筒面をなす中径部が設けられ、
前記中径部の円筒面は、前記第1テーパ部の外面及び前記第2テーパ部の外面に連続しており、
前記第1のシール部材を保持する工程では、前記ガイド治具の前記反対側の端部から前記第1のシール部材を嵌め込んで前記第1テーパ部を通過させることによって内周面の径が増大し、径が増大することによって生じる緊迫力によって前記第1のシール部材を前記中径部に仮止めし、
前記第2のシール部材を保持する工程では、前記ガイド治具の前記反対側の端部から前記第2のシール部材を嵌め込んで前記第1テーパ部を通過させることによって内周面の径が増大し、径が増大することによって生じる緊迫力によって前記第2のシール部材を前記第1のシール部材よりも前記反対側の端部寄りの位置で前記中径部に仮止めし、
前記対象物に組み付ける工程では、前記中径部に保持された前記第1のシール部材及び前記第2のシール部材を前記対象物に向けて同時期に移動させ、前記第2テーパ部を通過させてそれぞれの内周面の径を拡げた後に前記対象物の外周面に組み付ける
ことを特徴とするシール部材の組付方法。 - 前記第1のシール部材における厚さ方向一方側及び他方側の各外面部は、前記第1のシール部材の周方向と直交する平面方向で切断した切断面での形状が直線状であることを特徴とする請求項1に記載のシール部材の組付方法。
- 所定方向に延びる外周部を備え且つ前記外周部の少なくとも一部において前記所定方向の一方側であるほど径が大きくなるテーパ部が構成されたガイド治具を保持の対象とし、前記ガイド治具の前記一方側の端部を装着対象となる対象物に隣接させた状態で保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記ガイド治具の前記外周部に第1のシール部材が嵌め込まれ且つ前記第1のシール部材よりも前記一方側とは反対側の端部寄りの位置に第2のシール部材が嵌め込まれた状態において少なくとも前記第2のシール部材に引っ掛かる接触部と、前記接触部を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部による前記接触部の駆動により前記第1のシール部材及び前記第2のシール部材を前記外周部に沿わせつつ前記対象物に向けて同時期に移動させ、少なくとも前記テーパ部を通過させてそれぞれの内周面の径を拡げた後に前記対象物の外周面に組み付ける移動装置と、
を含み、
前記テーパ部は、前記一方側となるにつれて次第に径が大きくなるように構成された第1テーパ部と、前記一方側となるにつれて次第に径が大きくなるように構成された第2テーパ部と、を有し、
前記第1テーパ部は、前記第2テーパ部よりも前記反対側に配置され、
前記第1テーパ部と前記第2テーパ部との間には、外面が円筒面をなす中径部が設けられ、
前記中径部の円筒面は、前記第1テーパ部の外面及び前記第2テーパ部の外面に連続しており、
前記移動装置は、
前記ガイド治具の前記反対側の端部から嵌め込まれた前記第1のシール部材が前記第1テーパ部を通過することによって内周面の径が増大するとともに径が増大することによって生じる緊迫力によって前記中径部に仮止めされた状態、且つ、前記ガイド治具の前記反対側の端部から嵌め込まれた前記第2のシール部材が前記第1テーパ部を通過することによって内周面の径が増大するとともに径が増大することによって生じる緊迫力によって前記第1のシール部材よりも前記反対側の端部寄りの位置で前記中径部に仮止めされた状態で、
前記中径部に保持された前記第1のシール部材及び前記第2のシール部材を前記対象物に向けて同時期に移動させ、前記第2テーパ部を通過させてそれぞれの内周面の径を拡げた後に前記対象物の外周面に組み付ける
ことを特徴とするシール部材の組付装置。 - 前記接触部は、互いに接近及び離間する複数の爪部と、複数の前記爪部に対して互いに接近する方向に継続的に力を生じさせる作用部とを有し、複数の前記爪部の縁部によって開口部が形成され、複数の前記爪部が互いに接近するほど前記開口部の開口領域が狭くなる構成をなし、
複数の前記爪部は、前記作用部による力を受けて前記開口部の内周部が前記ガイド治具の前記外周部に当接した状態となり、前記駆動部の駆動に応じて前記開口部が前記ガイド治具の前記外周部に配置された前記第2のシール部材に引っ掛かる構成であることを特徴とする請求項3に記載のシール部材の組付装置。 - 前記保持部は、本体フレームと、前記本体フレームに対する前記ガイド治具の位置を固定する固定部とを備え、
前記駆動部は、前記接触部を前記本体フレームに対して相対的に移動する構成であり、前記固定部に固定された前記ガイド治具の前記外周部に対して前記接触部を当接させた状態で前記接触部を前記所定方向に沿って移動させる構成であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のシール部材の組付装置。
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