JP3310701B2 - リング装着装置 - Google Patents

リング装着装置

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JP3310701B2
JP3310701B2 JP25393392A JP25393392A JP3310701B2 JP 3310701 B2 JP3310701 B2 JP 3310701B2 JP 25393392 A JP25393392 A JP 25393392A JP 25393392 A JP25393392 A JP 25393392A JP 3310701 B2 JP3310701 B2 JP 3310701B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、ピストン部外周
、テフロンリング等の塑性変形可能なリング装着
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のパワーステアリング機構におい
ては、ラックシャフトがラックチューブ内に挿入され、
ラックシャフトの略中央部にあるピストン部でラックチ
ューブ内が左右のシリンダ室に区割されている。そし
て、ステアリングの回転方向に応じてピストン部が左ま
たは右のシリンダ室から油圧で押され、運転者のステア
リング操作によるラックシャフトの左または右への変位
がアシストされる。ここで前記ピストン部の外周には、
内側に油圧をシールするためのOリング、そしてその外
側にラックチューブ内壁との摺動をスムースにするため
のテフロンリングが装着されている。
【0003】従来、パワーステアリング機構の組立ライ
ンにおいては、図5に示されるようなリング装着装置に
よって、これらの二種類のリングの装着が行われてい
た。すなわち、まず図5(A) に示されるように、薄肉の
先端部112を有する中空のガイドチューブ110にリ
ング120を仮装着しておく。次に、先端部112をピ
ストン部132の外周に被せた後に、アクチュエータ1
42によってリングガイド140を前進させて、リング
120を外側から押さえる(図5(B) )。そして、リン
グ120をリングガイド140で押さえつけながらガイ
ドチューブ110を抜き取ることによって、ピストン部
132にリング120が装着される(図5(C) )。
【0004】またテフロンリングの場合には塑性変形し
ているため、図5(c) のようにガイドチューブ110を
抜取っても、完全には溝に嵌まりこまない。そこで図7
[B1]に示すように、一対のかしめ板136a,13
6bを用い、これらを図示されないアクチュエータによ
って同時に半径方向内側へかしめ完了位置に達するまで
移動させる。これによってテフロンリングは装着溝内に
かしめられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このリ
ング装着装置では、図5に示す先端部112が薄肉であ
るために、リングガイド140で押さえつけながらガイ
ドチューブ110を抜き取る際に、先端部112が変形
しやすいという問題点があった。また従来の方式では、
ピストン部132,リング120及びリングガイド14
0を水平方向に一致させた状態でガイドチューブ110
を抜き取るため、必然的に一度に一つのリングしかピス
トン部132に装着することができなかった。従って、
上記二種類のリングについて各々専用のリング装着装置
が必要になり、これら二台のリング装着装置が別々の場
所に設置される結果、組立ライン全体が長くなり、また
組立時間も長くかかるという問題点があった。
【0006】また従来のかしめ方法によると、図7[B
1]に模式的に示すように、リングがかしめ板の間で外
方にふくらみ易く、これをさらにかしめるときにリング
の外周面に傷がつき、シール不良等を引起すことがあっ
た。そこで本発明では、装着時にリング外面に傷を生じ
させない装着装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 上記課題は下記のリン
グ装着装置によって解決される。すなわちこのリング装
着装置は、ストン部外周にリングを装着するリング装
着装置であって、最先端部の外径が前記ピストン部の外
径以上であり、リングがその外周に仮装着されるガイド
チューブと、前記ピストン部を保持するピストン部保持
機構と、前記ガイドチューブの後端側を該ガイドチュー
ブの軸線方向が前記ピストン部保持機構に保持された前
ピストン部の軸線方向と略一致する状態で保持するガ
イドチューブ保持機構と、前記ピストン部保持機構と前
記ガイドチューブ保持機構とを相対移動させて、前記ピ
ストン部と前記ガイドチューブの先端とを密着させる相
対移動機構と、前記ガイドチューブの外周に仮装着され
たリングの外側から被せられてリングを上下から規制す
リングガイドと、該リングガイドを前記ガイドチュー
ブの半径方向および軸方向に相対移動させて該リングガ
イドによって前記リングを前記ピストン部に装着して上
下から規制するリングガイド移動機構と、そのリングガ
イドに沿って半径方向に移動可能な一対のかしめ板と、
該リングガイドによって前記リングを上下から規制した
状態で前記一対のかしめ板を半径方向内側のかしめ位置
に移動させるアクチュエータとを有している。
【0008】前記したリング装着装置では、かしめ板移
動用アクチュエータが各かしめ板ごとに独立して設けら
れており、一方のアクチュエータで一方のかしめ板をま
ずかしめ位置に移動させ、ついで他方のアクチュエータ
他方のかしめ板をかしめ位置に移動させるように該ア
クチュエータの作動を制御する制御装置とを有すること
が好ましい。
【0009】
【作用】 さて、第1の構成を備えた本発明のリング装
着装置においては、リングの自動装着が次のように実行
される。 [1] ピストン保持機構によりピストンが保持され、ガイ
ドチューブ保持機構によりガイドチューブが保持され
る。このとき、各々の軸中心線が略一致した状態で保持
される。 [2] 保持されたピストンとガイドチューブとが相対移動
機構によって接近させられ、ピストン部とガイドチュー
ブの先端とが、各々の軸中心線が略一致した状態で密着
させられる。 [3] リングガイド移動機構によってリングガイドがガイ
ドチューブの半径方向に移動して、ガイドチューブに仮
装着されたリングの外側から被せられ、上下から規制す
る。 [4] リングガイド移動機構によってリングガイドがガイ
ドチューブの軸方向に移動して、リングがガイドチュー
ブの先端方向にスライドさせられ、ピストン部の外周に
装着される。ここで、ピストン部にガイドチューブの先
端を当接させる方式のため、リングの装着時にガイドチ
ューブの先端部が変形することがない。 [5] リングガイドによってリングが上下から規制された
状態で一対のかしめ板が半径方向内側のかしめ位置に移
動して、リングをかしめながら溝内に装着する。 また
かしめ板移動用アクチュエータが各かしめ板ごとに独立
して設けられており、一方のアクチュエータで一方のか
しめ板をまずかしめ位置に移動させ、ついで他方のアク
チュエータで他方のかしめ板をかしめ位置に移動させる
ようにすると、リングがかしめ板の間で外方にふくらむ
ことがなく、リング外周に傷が発生し難い。
【0010】
【実施例】次に本発明を具現化した一実施例について図
1を参照して説明する。図1は、本発明のリング装着装
置の一実施例を示す正面図である。参照符号2はリング
装着装置であり、このリング装着装置2は、パレット搬
送装置60の搬送ライン近傍の設置床面100上に設置
されている。このリング装着装置2は、ガイドチューブ
押し付けユニット10,リング組付ユニット30および
シャフト保持ユニット70を中心として構成されてい
る。以下、各ユニットについて順次説明する。
【0011】シャフト保持ユニット70は、設置床面1
00上に支持基台94をベースとして設置されている。
支持基台94には上下動基台90が上下動自在に取付け
られ、この上下動基台90は上下動用シリンダ92によ
って上下動される。前記上下動基台90の上には前後動
用基台88が取り付けられ、この前後動用基台88には
保持部前後動用シリンダ80が取付けられている。
【0012】この保持部前後動用シリンダ80の内部に
は、ピストン78の後端部がスライド可能に嵌合してお
り、このピストン78の先端には取り付け部材76を介
してシャフト保持部72が固定されている。そして、ピ
ストン78がシリンダ80に対して前後方向(図示左右
方向)にスライドすることによって、以下に述べるシャ
フト保持部72が前記パレット搬送装置60に対して前
後動する。
【0013】次に、シャフト保持ユニット70のシャフ
ト保持部72付近の構造について、図4を参照してさら
に詳しく説明する。図4は、本実施例のシャフト保持ユ
ニット70のシャフト保持部72付近を示す拡大図であ
る。
【0014】ピストン78の取り付け部材76には保持
部ベース84が取付けられている。この保持部ベース8
4に、ラックシャフト5の一側面に当接するとともにピ
ストンPの下面を支えるシャフト押え73が固定されて
いる。また、シャフト保持部ベース84に固定された支
持ピン82aを中心にシャフトクランプ82が回動可能
となっている。このシャフトクランプ82は、シャフト
保持部ベース84の下面に取付けられたシャフトクラン
プ回動用シリンダ86によって、図4に実線に示された
位置から想像線で示された位置まで回動する。このよう
にして、シャフトクランプ82内に位置したラックシャ
フトSを支持することができる。シャフト保持ユニット
70はラックシャフトSを保持するために、結果的には
ラックシャフトSに形成されているピストンPを保持す
る。
【0015】また、前記シャフト保持部72の後方には
位置決め部材74が固定されており、この位置決め部材
74は位置決め孔74aを有している。そして、シャフ
ト保持部72が保持部前後動用ピストン78,保持部前
後動用シリンダ80によって前進したときに、後述する
リング組付ユニット30の下方に固定されている位置決
めピンがこの位置決め孔74aに嵌合することによっ
て、リング組付ユニット30とシャフト保持ユニット7
0の位置決めが行われるようになっている。
【0016】図1に示されているように、前記パレット
搬送装置60は、パレット搬送ベース68上に設けられ
たガイドレール68aに沿って、ローラー69上のパレ
ット64を図1の紙面に垂直な方向に搬送し、リフト装
置66によってパレット64を持ち上げることによりガ
イドレール68aに設けられた図略のノックピンによっ
てパレット64を位置決めする。前記パレット64の上
面には、ラックシャフトSを直立状態で支持するため
の、上部が開放された円筒型のシャフト支持パイプ62
が固定されている。
【0017】このシャフト支持パイプ62内にラックシ
ャフトSが載置された状態でパレット64が搬送されて
くると、前記シャフト保持ユニット70のシャフト保持
部72が、保持部前後動用ピストン78と保持部前後動
用シリンダ80の作動によって、このラックシャフトS
に対して前進する。そして、前記シャフトクランプ回動
用シリンダ86の作動でシャフトクランプ82が閉じ
て、ラックシャフトSが保持される。
【0018】このラックシャフトSが保持される位置の
上方に、ガイドチューブ保持ユニット10およびリング
組付ユニット30が、上方に設置された三次元移動ユニ
ット8によって、三次元の各方向に移動自在に保持され
ている。
【0019】ガイドチューブ保持ユニット10は、移動
ユニット取り付けロッド12,固定板13,第一取り付
け板14,第二取り付け板15,第三取り付け板16,
ユニット基板18,クランプ用シリンダ22,クランプ
爪24,ばねシャフト26,支持シャフト28〜28等
を有している。そして後述するように、ガイドチューブ
Gを、ばね力によって下方に付勢する。
【0020】次に、ガイドチューブ保持ユニット10の
構造について、図3を参照してさらに詳しく説明する。
図3は、本実施例のリング装着装置2のガイドチューブ
保持ユニット10の一部分を示す拡大図である。図3
(A) は、図1の左方向からガイドチューブ保持ユニット
10部分を見た拡大図であり、図3(B) は、図1と同じ
方向から見た拡大図である。
【0021】ガイドチューブ保持ユニット10は、その
上端の移動ユニット取り付けロッド12において、前記
図示しない三次元移動ユニット8に固定されている。そ
して、移動ユニット取り付けロッド12の下部には、固
定板13,第一取り付け板14,第二取り付け板15,
第三取り付け板16を介してユニット基板18が固定さ
れている。このユニット基板18に、ガイドチューブG
をその後端で保持する保持機構が設けられている。
【0022】このユニット基板18の下面には、クラン
プ用シリンダ22が固定され、このクランプ用シリンダ
22には、クランプ爪24が取り付けられている。そし
て、クランプ爪24は、クランプ用シリンダ22の作動
によって開閉して、ガイドチューブGをクランプし、あ
るいはアンクランプ状態とする。
【0023】さらにユニット基板18には、一対のばね
シャフト26が貫通して上方へ突き出ており、その上端
部には押し付け基板20が一対のばねシャフト26に跨
がって固定されている。そして、この押し付け基板20
の下面には、押し付け部21がユニット基板18の中央
に設けられた貫通孔から下方に伸びて固定されている。
【0024】前記ばねシャフト26は、ユニット基板1
8との間に挿入されたばねによって下方に付勢されてい
るため、押し付け部21もこのばね力によって常時下方
に付勢されている。これによって、後述するように、ガ
イドチューブGの後端面を押し付け部21に当接させ
て、ガイドチューブGを下方に位置したラックシャフト
Sに対して押付けることができるのである。なお、ユニ
ット基板18の下面の四方には、リング組付ユニット3
0を支持するための支持シャフト28〜28等が固定さ
れている。
【0025】次に、リング組付ユニット30の構造につ
いて、図1、図2を参照してさらに詳しく説明する。な
おこのユニット30の一部が図6に斜視されている。図
2は、本実施例のリング装着装置2のリング組付ユニッ
ト30の一部分を示す拡大図であり、図2(A) はリング
組付ユニット30の上方からみた平面図、図2(B) は正
面からみた部分縦断面図である。
【0026】このリング組付ユニット30は、ベース板
50に取付けられたシリンダ58a,58b,かしめ用
シリンダ32a,32b、かしめ板36a,36b、お
よびテフロンリングガイド40,Oリングガイド42等
を中心として構成されている。ベース板50は支持シャ
フト28の下端に固定されている。
【0027】前記ベース板50の上には1対のスライド
板52a,52bが取り付けられている。スライド板5
2aの側方にガイド前後動用シリンダ38aが取り付け
られ、スライド板52aと52bはガイド前後動用シリ
ンダ38aのピストンに取り付けられた連結部材38b
によって連結されている。そして、ガイド前後動用シリ
ンダ38aの作動によって、スライド板52a,52b
がベース板50上を図示左右方向に前後動する。すなわ
ち、スライド板52aと52bとが互いに接近し、ある
いは離れる。
【0028】この両者の前進方向(接近方向)の動き
は、前端ストッパ44a,44bが互いに当接すること
によって制限される。一方、後進方向(離間方向)の動
きは、スライド板52a,52bがそれぞれ後端ストッ
パ46a,46bと当接することによって制限される。
【0029】前記スライド板52a,52bの上には、
テフロンリングガイド40,Oリングガイド42,かし
め板36a,36b、およびかしめ用シリンダ32a,
32bが取り付けられている。ここで、テフロンリング
ガイド40とOリングガイド42とは、その間にかしめ
板36a,36bがスライド可能な隙間を設けつつ一体
に形成されている。
【0030】そして、テフロンリングガイド40および
Oリングガイド42は、前記ガイド前後動用シリンダ3
8aの作動でスライド板52a,52bとともに、ベー
ス板50上を前後動する。すなわち、テフロンリングガ
イド40,Oリングガイド42は、スライド板52a,
52bとともに、リング組付ユニット30の中央に支持
されたガイドチューブGに対して接近・離間する。
【0031】一方、かしめ板36a,36bは、かしめ
用シリンダ32a,32bの作動によって、テフロンリ
ングガイド40とOリングガイド42間の隙間をスライ
ドして前後動し、互いに接近・離間する。すなわち、か
しめ板36a,36bは、テフロンリングガイド40,
Oリングガイド42とは独立して前後動することができ
る。
【0032】さらに、前記スライド板52a,52bの
下部には、前記ベース板50の下方に突出してバックア
ップガイド56a,56bが固定されており、このバッ
クアップガイド56a,56bの下部にはピン上下動用
シリンダ58a,58bが固定されている。そして、こ
のピン上下動用シリンダ58a,58bには、前記バッ
クアップガイド56a,56b内をスライド可能なバッ
クアップピン54a,54bがそれぞれ取付けられてい
る。
【0033】図2に示されるように、このバックアップ
ピン54a,54bが上昇すると、その上部にある切り
欠き部が前記スライド板52a,52bの各後端の切り
欠き部と当接する。これによって、後述するように、か
しめ板36a,36bが前進してテフロンリングTRの
かしめを行う際に、スライド板52a,52bがかしめ
圧力の反力によって後退することを防ぐのである。この
ように、スライド板52a,52bは、これに取付けら
れたテフロンリングガイド40,Oリングガイド42,
かしめ用シリンダ32a,32b,ガイド前後動用シリ
ンダ38aとともに、ベース板50に対して前後動する
のである。
【0034】さて、ラックシャフトSは、以上のような
構造を有するリング組付ユニット30の中央に、前記シ
ャフト保持ユニット70のシャフト保持部72によって
ピストン部Pが持ち上げられた状態で支持される。一
方、ガイドチューブGは、ラックシャフトSの上方にガ
イドチューブ保持ユニット10によって支持される。
【0035】ガイドチューブGは、略円筒形状を有し、
内径がシャフトSのピストン部P以外の部分が挿入可能
な大きさで、最先端部の外径がピストン部Pの外径より
大きい。そして図2に示されているように先端に近い部
分から順に、第一のリングOR、第二のリングTRがそ
の外周に仮装着される。
【0036】リング組付ユニット30とシャフト保持ユ
ニット70、およびガイドチューブGとラックシャフト
Sの相対位置を正確に決めるために、前記ベース板50
の下面に位置決めピン51が固定されている。後述する
ように、この位置決めピン51がシャフト保持ユニット
70に設けられた位置決め部材74の位置決め孔74a
に嵌合することによって、リング組付ユニット30とシ
ャフト保持ユニット70の位置決めが行われる。
【0037】また、シャフト保持機構70は、シャフト
Sのピストン部P以外の部分を掴んでシャフトSを保持
するシャフト保持機構であり、クランプ用シリンダ2
2,クランプ爪24は、ガイドチューブGの後端側をガ
イドチューブGの軸線方向がシャフト保持機構70に保
持されたシャフトSの軸線方向と略一致する状態で保持
するガイドチューブ保持機構を構成している。
【0038】また、三次元移動ユニット8,移動ユニッ
ト取り付けロッド12〜12,固定板13,第一取り付
け板14,第二取り付け板15,第三取り付け板16,
ユニット基板18,当て金20および保持部前後動用シ
リンダ80と保持部上下用シリンダ92は、シャフト保
持機構70とガイドチューブ保持機構22,24とを相
対移動させて、シャフトSのピストン部Pとガイドチュ
ーブGの先端とを密着させる相対移動機構として機能す
る。
【0039】さらに、テフロンリングガイド40および
Oリングガイド42は、ガイドチューブGの外周に装着
された複数のリングTR,ORの外側から被せられるリ
ングガイドとして機能する。そして、三次元移動ユニッ
ト8,上下動用シリンダ92,ベース板50,スライド
板52a,52b,連結部材38bおよびガイド前後動
用シリンダ38aは、リングガイド40,42をガイド
チューブGの半径方向および軸方向に移動させるリング
ガイド移動機構を構成している。
【0040】なお図6に示されているように、三次元移
動ユニット8、ガイドチューブクランプ用シリンダ2
2、バックアップ用シリンダ58a,58b、ラックシ
ャフト保持ユニット70内の3種のシリンダ(92,8
0,86)、ガイド前後動用シリンダ38a及びかしめ
用シリンダ32a,32bはいずれも空圧シリンダであ
り、空気圧制御群100で進退が制御される。空気圧制
御群100は、各シリンダを切換えて作動させる切換バ
ルブと各切換バルブに空気を供給する空気源から主に成
り立っている。空気圧制御装置100はシーケンサ10
2に接続されており、このシーケンサ102によって切
換バルブを順次切換え、シリンダを順次作動させる。
【0041】さて、以上のような構成を有する本実施例
のリング装着装置2を用いて、ラックシャフトSのピス
トン部Pの外周へOリングORおよびテフロンリングT
Rを装着する方法について、図1〜図4を参照しつつ説
明する。
【0042】まず、三次元移動ユニット8によって、ガ
イドチューブ保持ユニット10が水平方向および垂直方
向に移動して、パレット搬送装置60とは別の位置に設
置されたガイドチューブGの後端部をクランプ爪24で
クランプする。ガイドチューブGには、予め所定位置に
OリングORおよびテフロンリングTRが装着されてい
る。
【0043】そして、再び三次元移動ユニット8が作動
して、ガイドチューブ保持ユニット10がパレット搬送
装置60の上方に移動する。この時点では、ガイドチュ
ーブ保持ユニット10は図1に示されるように上方にあ
り、ガイドチューブGは未だラックシャフトSに被せら
れていない。
【0044】次に、シャフト保持ユニット70のシャフ
ト保持部72が、保持部前後動用ピストン78およびシ
リンダ80の作動によって前進して、パレット64のシ
ャフト支持パイプ62内に載置されたラックシャフトS
に接近する。そして、シャフト保持部72のシャフト押
え73がラックシャフトSのピストン部Pの下に挿入さ
れる。その後シリンダ86によってシャフトクランプ8
2が回動し、シャフトSがシャフト保持ユニット70に
固定される。続いて、三次元移動ユニット8によって、
ガイドチューブ保持ユニット10がさらに図1に示され
る位置まで下降して、ガイドチューブGがラックシャフ
トSに被せられる。
【0045】この状態で、シャフト保持ユニット70の
上下動用シリンダ92が作動して、上下動基台90とと
もに前後動用基台88全体が、図1に示されるように長
さDだけ上方に移動する。これによってシャフト保持部
72のシャフト押え73も上方へ動いて、ラックシャフ
トSをそのピストン部Pにおいて長さDだけ上方に持ち
上げる。
【0046】このとき、シャフト保持ユニット70の位
置決め部材74とリング組付ユニット30の位置決めピ
ン51の先端が当接して、位置決めピン51が位置決め
部材74の位置決め孔74aに嵌合することによって、
シャフト保持ユニット70とリング組付ユニット30の
相対位置が正確に位置決めされ、ラックシャフトとガイ
ドチューブGとが同軸となる。
【0047】次に、クランプ爪24がアンクランプ状態
になり、ガイドチューブGが開放される。これによっ
て、図2に示されるようにガイドチューブGがばねシャ
フト26の付勢力でラックシャフトSに押し付けられ、
ガイドチューブGの先端部がピストン部Pの端面に密着
する。これによって、ガイドチューブGもリング組付ユ
ニット30に対して所定の位置に位置決めされ、ガイド
チューブG上のOリングOR,テフロンリングTRもそ
れぞれテフロンリングガイド40,Oリングガイド42
に正確に相対する。
【0048】この状態から、ガイド前後動用シリンダ3
8aが作動して、テフロンリングガイド40とOリング
ガイド42が前進し、ガイドチューブG上のOリングO
R,テフロンリングTRを保持する。続いて、ピン上下
動用シリンダ58a,58bが作動して、後でテフロン
リングTRのかしめを行う際の反力を受けるためのバッ
クアップピン54a,54bが上昇する。
【0049】この状態から、三次元移動ユニット8が作
動して、リング組付ユニット30全体が下降する。これ
によって、OリングORとテフロンリングTRは、テフ
ロンリングガイド40とOリングガイド42に押されて
ガイドチューブG上を先端方向に移動する。そして、O
リングORはさらにガイドチューブGの先端から、密着
したピストン部P上に移動し、その溝Paの位置にきた
ところでOリング自身の伸縮力によって溝Pa内に装着
される。この時点で、三次元移動ユニット8によるリン
グ組付ユニット30の下降は一旦停止される。そして、
図中には示されない装着チェッカーによって、Oリング
ORが正確にピストン部Pの溝Paに装着されたかどう
かが確認される。
【0050】Oリング装着確認の後、再び三次元移動ユ
ニット8が作動してリング組付ユニット30全体が下降
し、テフロンリングTRがテフロンリングガイド40に
押されてガイドチューブGの先端からピストン部P上に
移動する。そして、溝Paの位置にきたところで三次元
移動ユニット8によるリング組付ユニット30の下降が
停止される。
【0051】ここで、テフロンリングTRはゴム製のO
リングほど伸縮力がなく、そのままでは溝Pa内のOリ
ングORにぴったり装着されないので、かしめを行う必
要がある。そこで、次にかしめ用シリンダ32a,32
bの作動によってかしめ板36a,36bが前進して、
テフロンリングTRをかしめながら溝Pa内に装着す
る。このときシーケンサ102によって、図7[B2]
に示すように、まず一方のかしめシリンダ32aによっ
て一方のかしめ板36aがかしめ位置にまで移動され
る。この結果、テフロングTRはかしめ板36aに倣っ
て長円形状に変形し、かしめ板36aに隣接する図示A
部のリングは接線方向ないしはそれよりも内側に向って
伸び外方にはふくらまない。そしてその後シーケンサ1
02によって他方のかしめ用シリンダ32bが作動さ
れ、他方のかしめ板36bがかしめ位置に移動される。
このようにするとリングTRの外周に傷がつかない。そ
して、一定時間前進方向の圧力をかけた後、かしめ用シ
リンダ32a,32bによってかしめ板36a,36b
が後退する。この際、かしめるための前進方向圧力の反
力によってスライド板52a,52bとともにリングガ
イド機構全体が後退しようとする。そこで、先に述べた
ように予め上昇したバックアップピン54a,54bに
よってこの反力が受けられ、スライド板52a,52b
の後退を防いでいる。
【0052】テフロンリングTRの装着完了後、バック
アップピン54a,54bが下降し、テフロンリングガ
イド40およびOリングガイド42も後退する。そし
て、三次元移動ユニット8が作動してリング組付ユニッ
ト30全体が上昇した後、Oリングと同様に図示しない
装着チェッカーによって、テフロンリングTRの装着の
確認が行われる。
【0053】チェッカーによる確認の後、リング組付ユ
ニット30がさらに上昇し、クランプ爪24によってガ
イドチューブGが再びクランプされる。そして、三次元
移動ユニット8によって、ガイドチューブ保持ユニット
10が水平方向および垂直方向に移動して、ガイドチュ
ーブGが最初に置かれていた位置に戻る。以上で、リン
グ装着装置2によるリング装着の1サイクルが完了す
る。
【0054】このように、本実施例のリング装着装置2
においては、ラックシャフトSのピストン部Pにガイド
チューブGの先端を当接させる方式のため、最初のOリ
ングORの装着時にガイドチューブGの先端部が変形す
ることがなく、次のテフロンリングTRの装着が不可能
になることはない。これによって、二つ以上のリングの
装着を一台のユニットで行うことができるのである。
【0055】本実施例においては、二つのリングを装着
するための装置について説明したが、三つ以上のリング
を装着することもできることは言うまでもない。また本
実施例では、リングガイドとして二つのリングを同時に
移動させる方式のものについて示したが、1つのリング
ガイドが複数回往復移動することによって複数のリング
を順次移動させる方式でもよい。リング装着装置の他の
部分の構造,大きさ,形状,材質,数等についても、本
実施例に限定されるものではない。
【0056】さらに本実施例に固有の効果として、リン
グガイドとして二つのリングを同時に移動させる方式と
したため、装置の構成が簡単になってコストダウンでき
るとともに、装着の時間も短縮されるという長所があ
る。また、ガイドチューブGの挿入端側を厚肉にしたた
め、ガイドチューブGの耐久性が向上して、多数回の繰
り返し使用にも耐えられるものとなり、コストダウンに
つながる。さらに、ガイドチューブGの挿入端側の外径
が従来のガイドチューブGよりも小さいため、テフロン
リングの取り付け後のかしめもより少なくて済むという
利点も得られる。
【0057】
【発明の効果】 本発明においては、リングを仮装着し
たガイドチューブの先端をピストン部に押し当てる機構
、リングをガイドチューブ先端方向にスライドさせて
ピストン部の外周に装着する機構と、リングを上下方向
から規制した状態でリングをかしめて溝に装着する機構
を有するリング装着装置を創出したために、リングの装
とかしめを一台のユニットで行うことができる。これ
によって、組立ライン全体を長くすることも装置全体を
大きくすることもなく、ピストン部の外周にリングの
しめて装着することができる
【0058】さらに本発明の波及的な効果として、ガイ
ドチューブをピストン部に当接させる方式としたため、
ガイドチューブの先端部を厚肉にすることが可能とな
り、耐久性が向上して多数回の繰り返し使用が可能とな
る。また、従来のガイドチューブよりも外径を小さくで
き、リングをガイドチューブに装着するときの広げられ
かたが小さくなるため、リングの損傷が起こりにくくな
る。さらに、リング装着時にガイドチューブとピストン
部が擦れ合うことがないため、ピストン部の外周が傷つ
くことがないという利点も得られる。さらに本発明によ
るとリングかしめ時にリング外周が傷つくこともなく、
シール性等を損うこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリング装着装置の一実施例を示す正面
図である。
【図2】リング装着装置の一実施例のリング組付ユニッ
ト部分を示す拡大図である。
【図3】リング装着装置の一実施例のガイドチューブ押
し付けユニット部分を示す図である。
【図4】リング装着装置の一実施例のシャフト保持ユニ
ット部分を示す図である。
【図5】リング装着装置の従来例を示す説明図である。
【図6】リング組付ユニットの一部斜視図である。
【図7】かしめ板の移動とかしめられる様子を説明する
図である。
【符号の説明】
2 リング装着装置 8,38,50,52 リングガイド相対移動機構 8,12〜20,80,92 相対移動機構 22,24 ガイドチューブ保持機構 36a,36b かしめ板 38,40 リングガイド 70 シャフト保持機構 G ガイドチューブ OR,TR リング P ピストン部 S シャフト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 文博 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 竹内 幸一郎 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 松原 茂之 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田 工機株式会社内 (72)発明者 森南 武 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 伊藤 政司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 浅野 和利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 小室 文彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 中島 卓史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 中島 成 (56)参考文献 特開 昭60−238239(JP,A) 実開 昭62−201627(JP,U) 実開 昭60−190535(JP,U) 実開 昭61−68830(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23P 19/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストン部外周にリングを装着するリン
    グ装着装置であって、最先端部の外径が前記ピストン部
    の外径以上であり、リングがその外周に仮装着されるガ
    イドチューブと、前記ピストン部を保持するピストン部
    保持機構と、前記ガイドチューブの後端側を該ガイドチ
    ューブの軸線方向が前記ピストン部保持機構に保持され
    た前記ピストン部の軸線方向と略一致する状態で保持す
    るガイドチューブ保持機構と、前記ピストン部保持機構
    と前記ガイドチューブ保持機構とを相対移動させて、前
    記ピストン部と前記ガイドチューブの先端とを密着させ
    る相対移動機構と、前記ガイドチューブの外周に仮装着
    されたリングの外側から被せられてリングを上下から規
    制するリングガイドと、該リングガイドを前記ガイドチ
    ューブの半径方向および軸方向に相対移動させて該リン
    グガイドによって前記リングを前記ピストン部に装着し
    て上下から規制するリングガイド移動機構と、そのリン
    グガイドに沿って半径方向に移動可能な一対のかしめ板
    と、該リングガイドによって前記リングを上下から規制
    した状態で前記一対のかしめ板を半径方向内側のかしめ
    位置に移動させるアクチュエータ、とを有するリング装
    着装置。
  2. 【請求項2】 前記のかしめ板移動用アクチュエータは
    各かしめ板ごとに独立して設けられており、一方のアク
    チュエータで一方のかしめ板をまずかしめ位置に移動さ
    せ、ついで他方のアクチュエータで他方のかしめ板をか
    しめ位置に移動させるように該アクチュエータの作動を
    制御する制御装置とを有する請求項1に記載のリング装
    着装置。
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