JP6526867B1 - クリーム状皮膚洗浄用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を含有するクリーム状の皮膚洗浄用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】次の(A)〜(D)を含有するクリーム状皮膚洗浄用組成物。(A)(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩(B)多価アルコール(C)無機塩(D)水【選択図】なし

Description

本発明はクリーム状の皮膚洗浄用組成物に関する。
N−アシルグルタミン酸塩は低刺激で安全性が高く、泡立ち、使用後の感触の良い洗浄剤として知られており、洗顔用洗浄剤にしばしば配合される(特許文献1〜5)。N−アシルグルタミン酸塩を配合した皮膚洗浄用化粧料は、N−アシルグルタミン酸の洗浄効果や保存性を考慮して設計された粉末状や顆粒状の形態の製品が多く提供されている。特許文献1〜5に記載された化粧料は粉末状である。
洗顔料の場合、要時適量を採取しやすいクリーム状の剤形の化粧料の需要が多い。このためN−アシルグルタミン酸塩を配合した種々のクリーム状洗顔用化粧料が提案されている(特許文献6〜13)。
特許文献6には、N−アシルグリシンまたはその塩及び無機塩、ポリオールを含有するクリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献7には、(A)N−長鎖アシル酸性アミノ酸及び/又はその塩、(B)モノ脂肪酸グリセリル、モノ脂肪酸プロピレングリコール、モノ脂肪酸ブチレングリコール、モノ脂肪酸ジエチレングリコール、モノ脂肪酸N−メチルエタノールアミド、ラウリルグリコールヒドロキシプロピルエーテル、ポリオキシプロピレン(1)ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミドから選ばれる物質、(C)無機塩、(D)水を必須成分とする洗顔フォームが記載されている。
特許文献8には、(a)N−アシル酸性アミノ酸塩、(b)スルホコハク酸モノアルキルエステル塩、(c)N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩またはベタイン型両性活性剤の3成分を含有することを特徴とするクリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献9には、N−ミリスチン酸グルタミン酸カリウム塩と、N−長鎖アシル中性アミノ酸及び/又はその塩と、多価アルコールと、水とを含有するクリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献10には、N−アシルグルタミン酸ナトリウムとN−ココイルサルコシントリエタノールアミン塩を含有するクリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献11には、N−アシルグルタミン酸塩、多価アルコール、モノ脂肪酸モノグリセリル、2価以上のカチオンと1価以上のアニオンからなる塩、水、を含有する低温安定クリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献12には、アシルイセチオン酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸、N−アシルグルタミン酸塩を含有するクリーム状洗浄用組成物が記載されている。
特許文献13には、(a)N−アシル酸性アミノ酸塩、(b)水、(c)多価アルコール、(d)水溶性塩類を含有するクリーム状洗浄剤であって、(a)、(b)及び(c)成分の混合比が3成分系の三角図表上の次の各点、A:(a)=45.0,(b)=5.0,(c)=50.0,B: (a)=45.0,(b)=50.0,(c)=5.0,C:(a)=25.0,(b)=70.0,(c)=5.0,D:(a)=5.0,(b)=55.0,(c)=40.0,E:(a)=5.0,(b)=40.0,(c)=55.0,F:(a)=25.0,(b)=5.0,(c)=70.0を結んでできる多角形の内側(各辺上を含む)にあり、かつ、(a),(b)及び(c)成分の総量が50重量%以上、(d)成分の量が0.5ないし15重量%であるパール状光沢を有するクリーム状洗浄剤組成物が記載されている。
しかし、このようなクリーム状洗浄剤組成物では、洗顔泡立て時の泡量や泡のキメ細かさ、洗い流し後の肌のしっとり感についてはまだまだ満足のいくものではなく、改善が望まれていた。
特許第5662986号公報 特許第5952932号公報 特許第5952933号公報 特許第6054558号公報 特許第6093740号公報 特開平08−053693号公報 特許第3922299号公報 特開平06−192064号公報 特許第5380808号公報 特公平04−059359号公報 特開2008−013513号公報 特公平07−108999号公報 特公平06−033433号公報
本発明者は、クリーム状皮膚洗浄用組成物について多数の試行錯誤を行い、洗顔泡立て時の泡量や泡のキメ細かさ、洗い流し後の肌のしっとり感を与える界面活性剤としてN−アシルグルタミン酸の一種である、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩が優れていることを見いだした。
しかしこの(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を配合した洗浄用組成物は、クリーム状の洗浄用組成物とすることが困難であった。また従来販売されている製品で(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を主たる界面活性剤として配合したクリーム状皮膚洗浄用組成物は、提供されていない。
本発明は、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を含有するクリーム状の皮膚洗浄用組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
(1)次の(A)〜(D)を含有するクリーム状皮膚洗浄用組成物。
(A)(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩15〜30質量%
(B)多価アルコール
(C)無機塩0.01〜2質量%
(D)水
(2)(B)多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール及びグリコシルトレハロースから選ばれる1以上を含むものである(1)に記載の組成物。
(3)(C)無機塩が、アルカリ金属塩である(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである(3)に記載の組成物。
(5)(B)多価アルコールを30〜50質量%含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
本発明により、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を含有するクリーム状皮膚洗浄用組成物が提供される。本発明の皮膚洗浄用組成物は、クリーム状であるため取り扱いが容易である。また従来技術では、クリーム状とすると、保存安定性に問題が生じたが、本発明によれば保存安定性の問題を解決できる。
さらに本発明の皮膚洗浄用組成物は、従来のN−アシルグルタミン酸塩を配合した種々のクリーム状洗顔用化粧料の問題点であった洗顔泡立て時の泡量や泡のキメ細かさ、洗い流し後の肌のしっとり感を、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を配合することによって、使用者がより満足できるものとなる。
本願は、(A)(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩、(B)多価アルコール、(C)無機塩、(D)水を含有するクリーム状皮膚洗浄用組成物に係る発明である。
本発明における「クリーム状」とは、色調が白みがかり、柔らかく滑らかでつやのある、ハンドクリーム様の外観を有し、チューブやジャーに充填して指先で容易にすくい上げることができる形状をいう。また掌に取った際に、たれ落ちを生じず流動性を示す液体とは区別される。
(A)成分;(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩
本発明に用いるヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸を用いたN―アシルグルタミン酸塩は、公知の特許第4257442号公報あるいは特許第4770286号公報に記載された方法で製造することができる。例えば、脂肪酸ハライドとグルタミン酸をアルカリの存在下に縮合させ、得られた反応液に有機酸または無機酸を加えてN−長鎖アシルグルタミン酸を沈殿させることによって製造することができる。得られたN−長鎖アシルグルタミン酸は、アルカリ性下に塩基性物質と反応させて塩とすることができる。得られたN−長鎖アシルグルタミン酸及び/又はその塩を高濃度に含有する反応溶液は、噴霧乾燥した後、流動造粒法によって取り扱いの容易な粉末や顆粒とする。本発明のヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸を用いたN−アシルグルタミン酸塩の製造は、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油から得られた脂肪酸から調製した混合脂肪酸に基づく混合脂肪酸クロリドとグルタミン酸との反応によって製造し、これを中和し、乾燥させて粉末を得ることができる。
なお、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩の塩の種類としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸塩等を用いることができる。泡質や皮膚安全性の面を考慮するとアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
なお、実施例で用いた(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸ナトリウムのアシル基は、分析すると下記の表1の脂肪酸組成であった。
Figure 0006526867
本発明の組成物にあっては、(A)成分の(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を、刺激のない皮膚洗浄効果、好ましい使用感を得るために配合する。その配合量は、特に限定されないが、10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%であり、より好ましくは15〜25質量%配合すると好ましい。
この範囲の含有量とすることにより、クリーム状皮膚洗浄用組成物における洗浄効果と、洗顔泡立て時の泡量や泡のキメ細かさ、洗い流し後の肌のしっとり感を得ることができるので好ましい。
(B)成分;多価アルコール
本発明に使用する多価アルコールは、化粧料に用いられるものであればいずれでもよい。なかでも好ましい多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、グリコシルトレハロースなどが挙げられる。これらの多価アルコールのうち1種類を使用しても良いし、2種以上を混合して使用してもよい。グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール、グリコシルトレハロース及び/又は1,3−ブチレングリコールが特に好ましい。グリコシルトレハロースについては、グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物の混合品が市販されており、それを用いてもよい。市販品としては、グリコシルトレハロース47質量%、水添デンプン分解物27質量%、水26質量%からなる「トルナーレ(製品名)(株式会社林原製)」を例示できる。
(B)多価アルコールの配合量は、クリーム状を維持するために(A)成分の配合量に応じて適宜増減するが、30〜50質量%配合することが好ましい。
(C)成分;無機塩
本発明のクリーム状皮膚洗浄用組成物には、製剤の保存安定性を高めるために無機塩を配合する。無機塩としては、アルカリ金属塩が好ましい。例えば塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩を例示できる。これらの無機塩のなかでもナトリウム塩が好ましく、塩化ナトリウムが特に好ましい。
(C)無機塩の配合量は、クリーム状を維持するために(A)成分の配合量と(B)成分の配合量、或いは無機塩の種類に応じて適宜増減するが、0.01〜2質量%配合すると好ましい。より好ましくは、0.1〜1質量%配合すると好ましい。
(D)成分;水
本発明のクリーム状皮膚洗浄用組成物には、水を必須成分として配合する。その配合量は、(A)、(B)成分の配合量によって適宜設定するが、30〜40質量%配合すると好ましい。
クリーム状皮膚洗浄用組成物において、好ましいpHは、株式会社堀場製作所製pHメーターを用いて、23〜27度で測定した時のpHが5.0〜6.8、特に好ましくは5.8〜6.6である。この範囲だと、泡立ち、泡質が良く、クリーム状皮膚洗浄料の安定性もよいため好ましい。pHが5.0を下回ると泡立ち、泡質が悪くなる恐れがある。またpHが6.8を超えると泡立ち、泡質が悪くなる恐れがある。またクリームの安定性を保てない可能性がある。pHの調整は、例えばクエン酸や水酸化ナトリウムなど化粧料で使用できるものであればいずれも使用可能である。
クリーム状皮膚洗浄用組成物において、好ましい硬度は、株式会社レオテック製FUDOH レオメーターを使用し、測定条件;RANGE:200g重、アダプター:平板φ1cm、試料台速度:6cm/min、進入幅:3cm、25℃で測定した時の硬度が4〜100(g重)、より好ましくは8〜95(g重)である。この範囲であれば、チューブ容器に充填して使用するときに、垂れ落ちたりせず、また強い力を加えなくても取り出すことができるので好ましい。
(E)成分;(任意成分)
本発明のクリーム状皮膚洗浄用組成物には、化粧料に常用される各種原料を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、通常、化粧料に配合し得る添加成分、多糖類等の増粘剤、油分、アルコール、天然高分子、合成高分子、糖類、各種抽出液、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、pH調整剤等を、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
以下に実施例及び比較例のクリーム状皮膚洗浄用組成物を調製し、これを用いた評価試験を行った。
1.クリーム状皮膚洗浄用組成物の調製
常法により表2に示す組成の実施例1〜8、比較例1〜6のクリーム状皮膚洗浄用組成物を調製した。すなわち各成分を混合し、85℃で撹拌しながら溶解させ、これを徐冷撹拌しながら30〜25℃になるまで冷却して組成物を得た。
2.クリーム状皮膚洗浄用組成物の評価
・使用性評価
各クリーム状皮膚洗浄用組成物1gを手に取り水道水を用いて官能評価員10名が洗顔を行った。洗顔時の泡立ち、泡質(泡のキメ細かさ)、洗い上がりの肌のしっとり感を官能評価にて5段階で評価した。評価基準は以下の通りである。
泡立ち
1点:非常に悪い
2点:悪い
3点:普通
4点:良い
5点:非常に良い
泡質
1点:非常に悪い
2点:悪い
3点:普通
4点:良い
5点:非常に良い
肌のしっとり感
1点:非常に劣る
2点:劣る
3点:普通
4点:良い
5点:非常に良い
10名の評点の平均点を求め、1〜2点:×、2.1〜3点:△、3.1〜4点:○、4.1〜5点:◎として、表1の下段に記載した。
・pH測定
株式会社堀場製作所製pHメーターを用いて、23〜27度の条件下で測定した。
・経時安定性及び硬度の温度安定性評価
(経時での外観目視観察)
各クリーム状皮膚洗浄用組成物40gをスクリューキャップ付密封ボトルに充填し、これを5℃、25℃、40℃の恒温室に保管し、1週間後に、その温度での外観変化(液状化、生地荒れ、ツブの発生)を目視により観察した。観察結果は次の3段階評価とした。
×;液状化しており、クリームを形成できていない
△;クリームを形成するが、生地荒れやツブの発生がある
○;クリームを形成しており、生地荒れやツブの発生がない
(硬度測定)
硬度測定は、各クリーム状皮膚洗浄用組成物40gをスクリューキャップ付密封ボトルに充填し、これを5℃、25℃、40℃の恒温室に保管し、一週間後に恒温室から出し、25℃で2時間以上静置させ、バルク温度を25℃に戻してから行った。
硬度測定条件は、株式会社レオテック製FUDOH レオメーターを使用し、測定条件は、RANGE:200g重、アダプター:平板φ1cm、試料台速度:6cm/min、進入幅:3cm とした。
評価結果を表2の下段に記載した。
なお、表中に*記のあるトルナーレは、株式会社林原製の混合原料であり、グリコシルトレハロース47質量%、水添デンプン分解物27質量%、水26質量%からなる。
Figure 0006526867
実施例1〜8の組成物は、皮膚刺激がなく、いずれも好ましい使用性と保存安定性を示した。保存安定性については、保存温度による影響は認められなかった。
実施例8の40度での外観目視観察結果は×評価であったが、この評価は40度の恒温室からスクリューキャップ付密封ボトルを観察する部屋まで運び出した直後(組成物の温度は40度)の観察結果である。一方、恒温室から取り出して室温25度の部屋に2時間以上静置させてから測定した硬度の測定値は13g重であった。この硬度13g重は、通常使用では問題とならない数値範囲内であった。したがって、実施例8の40度における外観目視観察での×評価は実使用では問題ないと判断した。そして、実施例8の使用性の評価結果は、実施例1〜7と同様に、泡立ち、泡質、しっとり感のいずれも◎評価であり優れていた。
ここで、無機塩の配合について実施例と比較例を詳細に見てみると、比較例6は実施例1の処方から塩化ナトリウムを除いた処方であるが、この処方の場合、安定性が不良(液状化して室温に戻しても硬度が回復せず)であった。そして、実施例7の処方は、実施例1の処方の塩化ナトリウムの配合量を0.5質量%から0.2質量%まで減少させたものであるが、5度、25度、40度の外観目視観察では〇評価であった。また、実施例8の処方は、前述したとおり実施例1の処方の塩化ナトリウムの配合量を0.5から2質量%に増加させたものであり、40度の外観目視観察では、評価基準に基づくと×評価であったが、この40度で×評価の実施例8の組成物を25度に60分静置してから再度観察すると液状化しておらずクリーム状であった。そして2時間後の硬度の測定値は13g重であったことから、実施例8も通常の使用環境では、問題なく使用できると判断したことは先に述べたとおりである。
以上、実施例1、7、8、および比較例6の評価・測定結果から、本発明のクリーム状皮膚洗浄用組成物において、無機塩の配合が特に高温での安定性に大きく寄与しており、さらに過剰の添加は安定性を低下させる恐れがあることが予想された。そして、夏場等の40度を超える車などでの製品輸送を特に考慮する必要がある場合には、無機塩を2質量%を超えて配合すると高温で液状化が発生しやすい傾向にあることが予想されるので、本発明において無機塩の配合量は、2質量%を超えない処方設計つまり0.1〜2質量%が好ましく、品質上のトラブルの発生を限りなく低く設計したい場合には0.1〜1質量%とすることが好ましいと考えられた。
比較例1、2、4、5、は(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸ナトリウムに代えて、ココイルグルタミン酸ナトリウム(比較例1)、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(比較例2、4)ミリストイルグルタミン酸ナトリウム(比較例5)、を配合した処方である。また比較例2はさらにステアロイルグルタミン酸ナトリウムをさらに併用した処方である。さらに、比較例1は塩化ナトリウムを0.5% 配合しており、比較例2、4、5は塩化ナトリウムの配合量が0とした処方である。
比較例1は、25度、40度の外観変化が×評価、比較例2は、しっとり感が×評価、比較例4はしっとり感が×評価、比較例5は、泡立ちが×評価・しっとり感が△評価であった。
また比較例3は、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸ナトリウムの配合量の一部をラウロイルグルタミン酸ナトリウムに置換し、塩化ナトリウム配合量を0とした処方である。この比較例3は、泡質・しっとり感・5度、25度の外観目視観察による結果がいずれも△評価であった。
比較例6は、実施例1の組成の塩化ナトリウム配合量を0とした処方である。比較例6は、使用性評価項目(泡立ち、泡質、しっとり感)は3項目とも◎評価であったが、25度、40度の外観目視観察結果は×評価であった。そして、25度で2時間以上静置しても液状のままで硬度は回復しなかった。
実施例、比較例の評価結果を比較した結果、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を配合し、さらに多価アルコール及び無機塩を配合した本発明の構成をとるクリーム状皮膚洗浄用組成物は、クリーム状皮膚洗浄用組成物において重要な評価項目である使用性(泡立ち、泡質、しっとり感)と安定性のすべてが優れていた。従来のN−アシル化グルタミン酸塩を用いたクリーム状皮膚洗浄用組成物は、いずれかの項目に問題があり、求めているクリーム状皮膚洗浄用組成物は得られなかった。
また比較例3は、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩の配合量の一部をラウロイルグルタミン酸ナトリウムに置換した処方であるが、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩の配合量が3.75質量%である。この組成においては、泡質・しっとり感・安定性が実施例より劣っていたことから、泡質・しっとり感・安定性を高めるためには、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩の配合量が影響しており、これを増加する必要があることが予想された。
実施例1〜8から多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジグリセリン、ソルビトール、グリコシルトレハロースのいずれも好ましく配合できた。
本発明の構成をとることで、(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を含有する、使用性と温度安定性のいずれにも優れた、クリーム状皮膚洗浄用組成物が提供できた。本発明の(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を配合したクリーム状皮膚洗浄用組成物は、従来のN−アシルグルタミン酸塩を配合した種々のクリーム状皮膚洗浄用化粧料の問題点であった洗顔料を泡立てた時の泡量や泡のキメ細かさ、洗い流し後の肌のしっとり感のすべての項目について優れていた。(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩を配合し、多価アルコール及び無機塩も配合することによって、使用者がより一層満足できるクリーム状の皮膚洗浄用組成物を提供できた。

Claims (5)

  1. 次の(A)〜(D)を含有するクリーム状皮膚洗浄用組成物。
    (A)(ヤシ脂肪酸/パーム脂肪酸/ヒマワリ脂肪酸)グルタミン酸塩15〜30質量%
    (B)多価アルコール
    (C)無機塩0.01〜2質量%
    (D)水
  2. (B)多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ジグリセリン、ソルビトール、マルチトール及びグリコシルトレハロースから選ばれる1以上を含むものである請求項1に記載の組成物。
  3. (C)無機塩が、アルカリ金属塩である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. アルカリ金属塩が塩化ナトリウムである請求項3に記載の組成物。
  5. (B)多価アルコールを30〜50質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
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