JP6526400B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は口腔用組成物に関する。より詳細には、本発明は、スプレーにより口腔内への適用が可能であり、且つ口腔内での滞留性に優れる、口腔用組成物に関する。
口腔内に薬効成分を適用させようとする場合、出来る限り適用部位へ長時間滞留することが好ましい。すなわち、口腔内での滞留性が高い口腔用組成物であることが好ましい。口腔用組成物製造に油性基材を用いることにより、口腔内において水への溶解を抑制することで、口腔用組成物の口腔内での滞留性を高める方法が考えられるが、油性基材を用いる使用感を著しく損なうおそれがある。そこで、水性基材を用いて、口腔内での滞留性に優れる口腔用組成物を製造する試みもなされているが、十分な滞留性を有するものを得るには至っていない。
また、口腔内への組成物の適用においては、指や器具を用いて適用部位へ塗布するという手段もあるが、簡便性・衛生的な観点からスプレーにより適用したいとのニーズが増えている。特に医療現場においては、患者自身または医療従事者が患者の口腔内へ組成物を適用する際において、負担軽減のためにスプレーで適用することが求められている。しかし、口腔内での滞留性が高いということは、適用部位への粘着力が高まるということであり、そのような性質を有する口腔用組成物は粘度が高く、従って、スプレーにより適用することが困難であると考えられる。
以上のような状況から、使用感に優れ、口腔内での滞留性にも優れ、且つスプレー可能である口腔用組成物が求められている。
国際公開第2007/123193号
本発明は、使用感に優れ、口腔内での滞留性にも優れ、好ましくはスプレー可能でもある口腔用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、カルボキシビニルポリマー及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーを含有する口腔用組成物であれば、使用感に優れ、口腔内での滞留性にも優れることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
カルボキシビニルポリマー及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーを含有する口腔用組成物。
項2.
カルボキシビニルポリマー1質量部に対して、10質量部以下の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーを含有する、項1に記載の口腔用組成物。
項3.
さらに抗炎症成分を含有する、項1又は2に記載の口腔用組成物。
項4.
pHが5以上6.5未満である、項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
項5.
スプレー用組成物である、項1〜4のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明の口腔用組成物は油性基材を用いていないことから使用感に優れている。さらに、及び口腔内での滞留性に優れており、またスプレー可能である。さらには、薬効成分を配合した際の安定性にも優れる。
各口腔用組成物の、せん断速度0.1[1/s]又は1000[1/s]での粘度測定結果を示す。 各口腔用組成物の、せん断速度0.1[1/s]又は100[1/s]での粘度測定結果を示す。 各口腔用組成物の、せん断速度0.1[1/s]又は10[1/s]での粘度測定結果を示す。 長期保存後の抗炎症成分含有口腔用組成物における抗炎症成分の含有量を示す。 抗炎症成分含有口腔用組成物の抗炎症効果の検討結果を示す。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の口腔用組成物は、カルボキシビニルポリマー及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーを含有する。
カルボキシビニルポリマーは、カルボマーとも呼ばれ、例えば医薬品添加物や化粧品添加物として用いられる公知の成分である。カルボキシビニルポリマーとしては、市販品を好ましく本発明に用いることができる。市販品としては、例えば、ハイビスワコー(和光純薬工業株式会社)が例示できる。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とするポリマーである。本明細書では、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを「MPC」と、また2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーを「MPCポリマー」と、それぞれ呼ぶことがある。
MPCポリマーとしては、MPCの他にも構成単位となるモノマーが含まれていてもよい(すなわち、MPCとその他のモノマーとの共重合体であってもよい)が、本発明に用いるにあたっては、特に、MPCの単独重合体(ホモポリマー)か、あるいは、MPCとメタクリル酸アルキル(すなわち、メタクリル酸のアルキルエステル)との共重合体(コポリマー)であることが好ましい。メタクリル酸アルキルとしては、メタクリル酸と炭素数1〜20のアルキルとのエステルが好ましく、メタクリル酸と炭素数1〜18のアルキルとのエステルがより好ましく、メタクリル酸と炭素数1〜16のアルキルとのエステルがさらに好ましく、メタクリル酸と炭素数1〜12のアルキルとのエステルがよりさらに好ましく、炭素数1、2、3、4、5又は6のアルキルとのエステルが特に好ましい。好適なMPCポリマーとしては、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ペンチル等が例示できる。中でも、特にメタクリル酸ブチルが好ましい。なお、上記共重合体を得るためのMPCとの共重合において、メタクリル酸アルキルは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。MPCとメタクリル酸アルキル1種との共重合体がより好ましい。
また、MPCとメタクリル酸アルキルとの共重合体の中でも、MPCとメタクリル酸アルキルとの重合比率が、モル比で9:1〜1:9程度であるものが好ましく、9:1〜2:8程度であるものがより好ましく、9:1〜7:3程度であるものがさらに好ましい。当該比率は、特にメタクリル酸アルキルがメタクリル酸ブチルであるときに、より好ましい。
好適なMPCポリマーの具体例としては、MPC単独重合体、MPC・メタクリル酸メチル共重合体、MPC・メタクリル酸エチル共重合体、MPC・メタクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。中でも、MPC単独重合体、MPC・メタクリル酸ブチル共重合体がより好ましい。
MPCポリマーとしては、市販品を購入して用いることもできる。市販品としては、例えば、リピジュア(日油株式会社)(化粧品成分表示名称ではポリクオタニウムともいう)を挙げることができる。
本発明の口腔用組成物における、カルボキシビニルポリマーとMPCポリマーとの含有比率は、カルボキシビニルポリマー1質量部に対して、MPCポリマーが10質量部以下であることが好ましく、9質量部以下であることがより好ましく、8質量部以下であることがさらに好ましい。また、MPCポリマー含有比率の下限は、例えばカルボキシビニルポリマー1質量部に対して、MPCポリマーが0.4質量部以上であることが好ましく、1質量部以上であることがより好ましく、2質量部以上であることがさらに好ましい。
本発明の口腔用組成物における、カルボキシビニルポリマーの含有割合は、0.05〜1質量%程度が好ましく、0.1〜0.5質量%程度がより好ましい。また、MPCポリマーの含有割合は、0.1〜2.5質量%程度が好ましく、0.5〜2質量%程度がより好ましい。
本発明の口腔用組成物は、さらに抗炎症成分を含有することが好ましい。抗炎症成分により、口腔内の炎症(例えば口内炎)を効率よく改善することが可能となる。また、下述するように、本発明の口腔用組成物は、抗炎症成分を安定に含有することができ、この点でも優れている。
抗炎症成分としては、公知の抗炎症成分を好ましく用いることができ、特に口腔内の炎症の治療に用い得ることが知られている成分がより好ましい。具体的には、例えば、ステロイド系抗炎症剤、トラネキサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等が例示できる。ステロイド系抗炎症剤としては、例えば、プレドニゾロン、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、フルチカゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、あるいはこれらのエステル(より具体的には、これらとプロピオン酸、酢酸、酪酸、又は吉草酸等とのエステル)等が挙げられる。中でもベクロメタゾン又はそのエステルが好ましい。
本発明の口腔用組成物における抗炎症成分の含有量は、炎症の重度や抗炎症成分の種類等に応じて適宜設定することができ、特に制限はされないが、例えば0.005〜0.5質量%程度が例示される。
本発明の口腔用組成物は、pHが好ましくは5以上6.5未満であり、より好ましくは5.5〜6程度である。当該範囲のpHであることで、抗炎症成分の安定性がより向上し、好ましい。なお、当該pHは、口腔用組成物を測定対象としてpHメーターで測定(25℃)した時の値である。
本発明の口腔用組成物は、口腔内での滞留性に優れる。このことは、レオメーターにより、せん断速度を上げながら粘度測定を行うことにより確認することができる。すなわち、口腔内に適用された組成物については、嚥下時や、あるいは会話や咀嚼時等、様々な状況においてせん断速度がかかると考えられ、そのような状況において粘度が上昇していれば滞留性が優れていると判断することができる。なお、嚥下時のせん断速度は約100[1/s]前後、会話時や咀嚼時のせん断速度は約10[1/s]前後と考えられる。
本発明の口腔用組成物は、レオメーターを用いてせん断速度10[1/s]における粘度を測定した際に、MPCポリマーが含まれない以外は本発明の口腔用組成物と同一組成の口腔用組成物(以下「MPC非含有口腔用組成物」ともいう)を同様の条件下で粘度測定した値を100とすると、約100以上の粘度であることが好ましく、約105以上の粘度であることがより好ましく、110以上の粘度であることがさらに好ましい。また、上限も考慮する場合には、100〜140程度の粘度であることが好ましく、105〜140程度の粘度であることがより好ましく、110〜140程度の粘度であることがさらに好ましい。また、本発明の口腔用組成物は、レオメーターを用いてせん断速度100[1/s]における粘度を測定した際に、MPC非含有口腔用組成物を同様の条件下で粘度測定した値を100とすると、100〜180程度の粘度であることが好ましく、110〜160程度の粘度であることがより好ましく、110〜140程度の粘度であることがさらに好ましい。なお、これらの粘度測定では、せん断速度が100[1/s]又は10[1/s]に達し粘度が一定になった条件下で5回連続測定したときの平均値を用いるものとする。また、測定温度は25℃とする。
レオメータとしては、例えばMCRXX2(Anton Paar社)を用いることができる。
また、意外なことに、本発明の口腔用組成物は、せん断速度が大きい場合に粘度は上昇するにもかかわらず、スプレー可能であるという特徴も有する。つまり、スプレー(噴出)を行う場合、スプレーノズルから組成物を勢いよく噴射するため、せん断速度が大きくなり、よって粘度も上昇するが、意外にも支障なく(例えばノズル詰まり等が発生せず)スプレーすることができるのである。例えば、手動式スプレー(容器)からスプレー(噴出)を行う場合のせん断速度はおよそ1000[1/s]程度ではないかと考えられ、当該せん断速度において本発明の口腔用組成物の粘度は上昇するが、支障なくスプレーを行うことができる。従って、本発明の口腔用組成物は、スプレー用として特に好適である。このことから、本発明は、特にスプレー用途で用いる場合にはゲル状スプレー口腔用組成物ということもできる。なお、本発明の口腔用組成物をスプレーして用いる場合、手動式スプレーに充填して用いることが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、口腔内に適用される口腔用組成物に配合されることが公知である成分を更に含有してもよい。このような成分としては、例えば、水、アルコール(特にエタノール)、界面活性剤、湿潤剤、香料、甘味剤、pH調整剤、保存剤、抗炎症成分以外の薬効成分、カルボキシビニルポリマー及びMPCポリマー以外の増粘剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、ノニオン界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、硫酸エステル塩、α―オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化メチルタウリン塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン型活性剤、イミダゾリン型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
湿潤剤としては、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールエタノール等を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
香料としては、例えばメントール、カルボン酸、アネトール、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネール、α−テルピネオール、メチルアセテート、シトロネニルアセタート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロール、エチルリナロール、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油などの香料を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
甘味剤としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これら甘味剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
pH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルクロン酸、フマル酸、グルタミン酸、アジピン酸、およびこれらの塩や、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの成分は単独または2種以上を組合せて本発明の口腔用組成物に含ませることができる。これらpH調整剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
保存剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンなどのパラベン類、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フェノキシエタノール等が挙げられる。これらの保存剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシビニルポリマー及びMPCポリマー以外の増粘剤としては、例えば、ジェランガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリンなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子などが挙げられる。これら増粘剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
抗炎症成分以外の薬効成分としては、殺菌剤、血行促進剤、抗プラスミン剤、出血改善剤、組織修復剤、再石灰化剤、その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、亜鉛化合物、ヒノキチオールなどが挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて配合することができる。
なお、本発明の口腔用組成物のpH範囲を上記の範囲へ調整するためにpH調整剤を好ましく用い得る。また、カルボキシビニルポリマーの増粘補助剤として、水溶性アミノ酸を用いることもできる。水溶性アミノ酸としては、アルギニン、リジン、オルニチンが好ましく、なかでもアルギニンが好ましい。
本発明の口腔用組成物の製造方法は特に制限されず、公知の方法を適宜選択して用いることができる。例えば、高速乳化機に、カルボキシビニルポリマー及びMPCポリマー並びにその他の成分を常法に従って順次加えて混合する方法が例示される。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
口腔用組成物のスプレー容器からの噴出可否の検討
高速乳化機(ホモミクサーMARKII2.5型:プライミクス)(40℃)に精製水を入れ、撹拌しながら組成物原料を順次添加して混合し、最後に合計質量が1000gになるよう精製水を加えて混合して、各口腔用組成物を調製した。各組成物の組成を表1及び表2に示す。なお、表2には、口腔用組成物の組成については、カルボキシビニルポリマーとMPCポリマーの含有比率のみ記載する。
Figure 0006526400
Figure 0006526400
調製した比較例1及び実施例1〜6の口腔用組成物を容量6mLの手動スプレー容器に入れ、10回連続して噴霧可能か検討した。なお、当該手動スプレー容器の内径は1.2mm、ディップチューブの長さは45mmであった。
検討結果の評価は次に示す指標に従って行った。
◎;10回連続噴霧でき、噴霧後のノズルへの液垂れがほとんどない。
○;10回連続噴霧できるが、噴霧後のノズルへの液垂れが少しある。
△;10回連続噴霧できるが、噴霧後のノズルへの液垂れが多い。
×;10回連続噴霧できない(ノズルに製剤が詰まる)。
評価結果を表2にあわせて示す。
異なるせん断速度における口腔用組成物の粘度測定
比較例1及び各実施例の口腔用組成物について、異なるせん断速度をかけた時の粘度をレオメーター(MCRXX2:Anton Paar社)を用いて測定した。
<せん断速度1000[1/s]での測定>
レオメーターのせん断速度を0.1[1/s]に設定しせん断速度が0.1[1/s]に到達後に粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間の粘度を測定し、その後せん断速度を1000 [1/s]まで上げたときの粘度を、せん断速度が1000[1/s]に到達後粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間測定し、それぞれのせん断速度における平均値を算出した。結果を図1に示す。なお、図1では、比較例1の粘度値を100とした時の相対値を示す。
<せん断速度100[1/s]での測定>
レオメーターのせん断速度を0.1[1/s]に設定し、せん断速度が0.1[1/s]に到達後に粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間の粘度を測定し、その後せん断速度を100[1/s]まで上げたときの粘度を、せん断速度が1000[1/s]に到達後粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間測定し、それぞれのせん断速度における平均値を算出した。結果を図2に示す。なお、図2では、比較例1の粘度値を100とした時の相対値を示す。
<せん断速度10[1/s]での測定>
レオメーターのせん断速度を0.1[1/s]に設定しせん断速度が0.1[1/s]に到達後に粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間粘度を測定し、その後せん断速度を10 [1/s]まで上げたときの粘度を、せん断速度が1000[1/s]に到達後粘度が一定になった時点から10秒ごとに50秒間測定し、それぞれのせん断速度における平均値を算出した。結果を図3に示す。なお、図3では、比較例1の粘度値を100とした時の相対値を示す。
抗炎症成分を含有した口腔用組成物における当該成分の安定性の検討
高速乳化機(ホモミクサーMARKII2.5型:プライミクス)(40℃)に精製水を入れ、撹拌しながら組成物原料を順次添加して混合し、最後に合計質量が1000gになるよう精製水を加えて混合して、各口腔用組成物を調製した。各組成物の組成を表3及び表4に示す。なお、表4には、口腔用組成物の組成については、カルボキシビニルポリマーとMPCポリマーの含有比率のみ記載する。また、各口腔用組成物のpHもあわせて記載する。
Figure 0006526400
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参考例a〜d及び実施例a〜dの各口腔用組成物を、5℃又は40℃の温度条件下、1ヶ月又は3ヶ月間静置した後、高速液体クロマトグラフィーを用いて口腔用組成物中に含まれる抗炎症成分(BDP:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)量を測定した。
なお、高速液体クロマトグラフィーの条件は次のようにした。すなわち、静置した口腔用組成物2.5gをメスフラスコに採取し、メタノールで50mLまでメスアップ後に攪拌し、その後、13000rpmで3分間遠心し、上清を測定試料溶液として用いた。具体的な測定条件は次の通りとした。
高速液体クロマトグラフィー:Alliance HPLCシステム 2695、検出器 2489 (日本Waters)
検出器:紫外吸光光度計 測定波長 254nm
カラム:Nova−Pak C18 4μm, 3.9×150mm
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル:水=3:2
抽出液:メタノール
流速:ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの保持時間が5分付近になるように調整
測定の結果、40℃で3ヶ月静置した後に、静置前の含有量の90質量%以上が含有されていた場合には「○」、そうでない場合には「×」と評価した。当該評価結果を表4にあわせて示す。また図4に、参考例b〜d及び実施例b〜dの各口腔用組成物を、5℃又は40℃の温度条件下、1ヶ月又は3ヶ月間静置した後に含まれている抗炎症成分(BDP:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)量を測定した結果をグラフとして示す。なお、図4は、参考例bの静置前の抗炎症成分(BDP)量を100%とした時の相対値を示す。
口腔用組成物の抗炎症効果の検討
<口内炎ハムスターモデルの作成>
創傷誘発日(Day0)、ハムスターにイソフルランを吸入させ麻酔し、麻酔下で以下の操作を行った。右側頬嚢を引き出し、その粘膜面を生理食塩液で洗浄後、脱脂綿で洗浄液を吸い取った。限定的に創傷を誘発できるよう、同部位に円筒をあて、80vol%酢酸生理食塩溶液250μLを浸した綿球をその円筒内に挿入し、粘膜面に30秒間軽く押しつけて接触させた。接触後、綿球および円筒の順に外し、接触部位に脱脂綿を押し当て、同部位を試験部位とした。このような操作を行ったハムスターを口内炎ハムスターモデルとして用いた。
ハムスターモデルを、コントロール群(n=5)、サルコート塗布群(n=5)、評価群(n=5)の3群に群分けした。コントロール群には生理食塩水を、サルコート塗布群にはベクロメタゾンプロピオン酸エステルが有効成分である口内炎治療剤であるサルコート(帝人ファーマ株式会社)を、評価群には下記表5に記載の組成の口腔用組成物(上記各実施例と同様にして調製)を、それぞれ塗布した。なお、サルコート塗布群と評価群に塗布したベクロメタゾンプロピオン酸エステル量は同じ(一回の塗布につき3.36μg)となるようにした。
Figure 0006526400
Day1〜Day3までの間1日1回塗布し、また、Day1〜Day4の創傷の紅斑スコアを評価した。創傷の紅斑スコアの評価は、具体的には次のようにして行った。
創傷部(試験部位)の撮影デジタル画像をDay1〜Day4の毎日記録しておき、以下に示す盲検法にて観察した。動物番号および観察日をFisher−Yatesアルゴリズムで乱数化し、この記録を対照表とし、創傷部周囲粘膜の観察者が当該検査を終了するまで見ることができないように保管した。次に、対照表を参考にして乱数順に創傷部のデジタル画像を整列させ、観察者は、乱数に対応するデジタル画像を観察して、下記表6に示すISO10993−10の口腔粘膜刺激性反応の判定基準(一部改変)に従い、創傷部周囲粘膜の紅斑の程度を採点した。
Figure 0006526400
結果を、図5に示す。3日目の結果では、サルコート塗布群と評価群は、コントロール群に比べて有意に(p<0.05;Wilcoxon順位和検定検定による)紅斑スコアが低かった。(図5では「*」で示す。)

Claims (6)

  1. カルボキシビニルポリマー1質量部に対して、8質量部以下の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマー、
    並びに抗炎症成分を含有し、
    pHが5以上6.5未満である、
    口腔用組成物。
  2. 抗炎症成分が、ステロイド系抗炎症剤、トラネキサム酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、グリチルレチン酸、又はグリチルリチン酸ジカリウムである、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. スプレー用組成物である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 抗炎症成分が、プレドニゾロン、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、フルチカゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、あるいはこれらとプロピオン酸、酢酸、酪酸、又は吉草酸等とのエステルである、請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
  5. 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンポリマーが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びメタクリル酸アルキルを構成単位として含むポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載の口腔用組成物。
  6. メタクリル酸アルキルが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソプロピル、又はメタクリル酸ペンチルである、請求項5に記載の口腔用組成物。
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