JP6524954B2 - シリコン単結晶の育成方法およびシリコン単結晶ウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコン単結晶、シリコン単結晶ウェーハ、シリコン単結晶の育成方法およびシリコン単結晶ウェーハの製造方法に関する。
近年、デバイスの高集積化に伴い、シリコン単結晶ウェーハの高品質化要求が厳しくなっている。高品質化要求とは、デバイスが動作するウェーハ表面近傍の欠陥が少ない、もしくは無いことである。それらを達成できるウェーハとして、エピタキシャルウェーハ、アニールウェーハ、無欠陥結晶PW(ポリッシュドウェーハ)などがある。一方で低コスト化の要求がある。エピタキシャルウェーハやアニールウェーハはPWに付加工程を加えるものであり、一般に高コストである。結晶成長中に欠陥を制御しながら育成した結晶をポリッシュした低欠陥/無欠陥PWは、比較的低コストで高品質化要求を満たすことが可能である。従ってGrown−in欠陥を低減した低欠陥結晶や、Grown−in欠陥を無くした無欠陥結晶の要求が強まっている。
ここで、Grown−in欠陥は点欠陥が結晶成長中に凝集して形成された欠陥である。点欠陥には格子点のSi原子が欠落したVacancy(空孔)と、格子間にSi原子が入り込んだInterstitial−Si(格子間Si)の2種類が存在する。このGrown−in欠陥の形成状態は、単結晶の成長速度やシリコン融液から引上げられた単結晶の冷却条件により違いが生じる。例えば成長速度を比較的大きく設定して単結晶を育成した場合には、Vacancyが優勢になることが知られている。このVacancyが凝集して集まったものはVoid欠陥と呼ばれ、検出のされ方によって呼称は異なるが、FPD(Flow Pattern Defect)、COP(Crystal Originated Particle)あるいはLSTD(Laser Scattering Tomography Defects)などとして検出される。これらの欠陥がシリコン基板上に形成される酸化膜に取り込まれると、酸化膜の耐圧不良の原因となると考えられている。
一方で、成長速度を比較的低速に設定して単結晶を育成した場合には、Interstitial−Si(以下I−Siと表記することがある)が優勢になることが知られている。このI−Siが凝集して集まると、転位ループなどがクラスタリングしたと考えられるLEP(Large Etch Pit=転位クラスタ欠陥)が検出される。この転位クラスタ欠陥が生じる領域にデバイスを形成すると、電流リークなど重大な不良を起こすと言われている。
そこで、Vacancyが優勢となる条件とI−Siが優勢となる条件との中間的な条件で結晶を育成すると、VacancyやI−Siが無い、もしくはVoid欠陥や転位クラスタ欠陥を形成しない程度の少量しか存在しない、無欠陥領域が得られる。このような無欠陥結晶の育成方法は例えば特許文献1に開示されている。具体的には結晶成長界面での温度勾配Gと結晶成長速度Vとの比(V/G)を制御することで無欠陥結晶が得られる。V/Gが大きければVacancy濃度が優勢となり、V/Gが小さいとI−Siが優勢になるので、Vacancy過剰量とI−Si過剰量が拮抗するV/Gに制御することで、点欠陥の過剰量を低減でき、Grown−in欠陥を成長させないようにしている。
この制御法では、Vacancy過剰量とI−Si過剰量とが完全に拮抗すれば、優勢な点欠陥がないので当然Grown−in欠陥は形成されない。しかしわずかにVacancyが優勢であってもそれがGrown−in欠陥を形成するのに十分な量でなければ、Grown−in欠陥は形成されない。このような領域をNv領域と呼んでいる。Nv領域ではGrown−in欠陥は形成されないが、Vacancyが残存している。この残存しているVacancyがGrown−in欠陥を形成する温度より低温の温度帯で、酸素析出核を形成する。酸素析出反応は2Si+2O→SiO+I−Siである。この反応ではI−Siが生成されるので、反応が無制限に進むことはない。しかしながら、Vacancy(=Va)があると、2Si+2O+Va→SiOと析出反応で生成するI−SiをVacancyが吸収するので反応が進みやすくなる。このためNv領域では酸素析出核が多く、デバイス等の熱処理が加えられた場合に酸素析出が起こりやすい。
一方で、わずかにI−Siが優勢であってもそれがGrown−in欠陥を形成するのに十分な量でなければ、やはりGrown−in欠陥は形成されない。このような領域をNi領域と呼んでいる。Ni領域はNv領域とは異なりI−Siが残存しているので、上述のような酸素析出反応は起こりにくく、デバイス等の熱処理をした際にも、酸素析出が起こりにくい領域である。
従って、無欠陥と言っても特性の異なるNv領域とNi領域とが隣り合って存在している。このため無欠陥ウェーハといっても、ウェーハの中にNi領域とNv領域の両者を含んでいることがほとんどである。デバイス技術が進んできた今日、無欠陥の中でもNv領域とNi領域との特性の差が問題になり始めている。例えば先に述べた様な酸素析出核が問題になったり、酸素析出特性の差が問題になったりする。またデバイス工程で用いられるイオン注入でも特性差が見られる。イオンをウェーハに打ち込むとVacancyとI−Siとのフレンケルペアが形成され、これらがウェーハ中の酸素や炭素と反応して欠陥が形成される。この際にVacancyが残存しているNv領域とI−Siが残存しているNi領域とで特性差が生じる場合がみられ始めている。
以上のように、V/Gを制御して点欠陥の過剰量を拮抗させる制御法(従来法)では、Nv領域とNi領域とが混在するという問題がある。そこで過剰濃度を制御するのではなく、過剰な点欠陥を拡散によって減らす方法が考えられる。例えば特許文献2では点欠陥が拡散できる温度帯に保持することで、無欠陥となるV/Gが広がる技術が開示されている。また特許文献3では無欠陥結晶を得るためのシミュレーションにおいて点欠陥の外方拡散が考慮されている。更に特許文献4、5ではVacancy領域とI−Si領域を共存させ、点欠陥の拡散によりお互いを消滅させる方法が開示されている。しかしこれらは上述した点欠陥の過剰量を拮抗させる従来法の延長上であり、精度の高い制御が必要と考えられる。
これに対し、特許文献6、7は点欠陥を結晶の側面に向かって外方拡散させることで低濃度化させる技術である。この方法であれば、少なくとも一方の点欠陥を欠陥が形成されない濃度まで低下させるので精密な制御の必要性はなく、Nv領域とNi領域の混在も避けることができる。しかしながら結晶の側面まで点欠陥を拡散させるためには、十分な温度・時間が必要である。具体的な方法として特許文献6では外表面をハロゲンランプで加熱する方法が開示されている。特許文献7では、結晶引上げ後に保持室内で加熱する方法が開示されている。つまり結晶を一定温度以上に保ったまま保温する必要があり、現実的な方法とはいえない。また特許文献6、7共に通常の結晶成長装置に加えて加熱設備が必要であり、装置コストが高くなるという問題があった。
特開平11−157996号公報 特表2003−517414号公報 特開2003−73192号公報 特開2001−122695号公報 特表2004−521853号公報 特開平5−213690号公報 特表2003−517412号公報 特開昭62−288191号公報 特開平3−177390号公報 特開平11−199384号公報 特開平3−183684号公報 特開平7−300390号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、装置コストを高くすることなく結晶内の点欠陥を結晶外表面まで拡散させ易くして、結晶内の点欠陥を低減することができるシリコン単結晶、シリコン単結晶ウェーハ、シリコン単結晶の育成方法およびシリコン単結晶ウェーハの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、チョクラルスキー法又はFZ法によって育成されるシリコン単結晶であって、最終的に製品ウェーハとなる領域の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは前記最終的に製品ウェーハとなる領域の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすものであることを特徴とするシリコン単結晶を提供する。
距離dが上記の関係を満たす形状を有するシリコン単結晶であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域内の任意の点からVoid欠陥やLEP欠陥を形成する基となるVacancyやI−Siの点欠陥を、それらを吸収するシンクである結晶外表面まで拡散させ易くなる。このため、過剰となった点欠陥が消滅しやすくなり、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥を減少させたシリコン単結晶とすることができる。ひいては、Grown−in欠陥のないものとすることができる。また、従来品のように外表面を加熱しなくとも点欠陥の外方拡散が可能なものであるため、装置コスト、ひいては製造コストがより低いものとすることができる。
このとき、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の任意の面において、フッ酸、硝酸を含む欠陥に対して選択性のあるエッチング液を用いた選択エッチング法により、FPD欠陥、LEP欠陥が検出されないことが好ましい。
上記の選択エッチング法により、FPD欠陥、LEP欠陥が検出されないシリコン単結晶であれば、良好な結晶性を有するシリコン単結晶とすることができる。
また、前記LがD/3よりも小さい値であることがより好ましい。
Lが上記の範囲であるような形状を有するシリコン単結晶であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域内の任意の点から最も近い結晶外表面までの距離dをより短縮できるので、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥をより効果的に結晶外表面に拡散させることができる。このため、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥をより効果的に減少させたシリコン単結晶とすることができる。
このとき、シリコン単結晶を、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の上部に拡径部が設けられ、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の下部に縮径部が設けられたものとすることができる。
このような形状を有するシリコン単結晶であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域の中心部から見て最も近い結晶外表面が、径方向でなく、製品ウェーハとなる領域の上側又は下側となり、点欠陥の拡散も径方向ではなく、斜め上方向又は斜め下方向となり、点欠陥の拡散距離の短縮が図られたシリコン単結晶とすることができる。
このとき、前記拡径部及び前記縮径部が複数設けられ、前記最終的に製品ウェーハとなる領域が不連続に複数設けられたものであることが好ましい。
このように最終的に製品ウェーハとなる領域が不連続に複数設けられたシリコン単結晶であれば、1回のシリコン単結晶の育成において、最終的に製品ウェーハとなる領域の合計をより大きくできるので、生産効率を向上させたシリコン単結晶とすることができる。
本発明はまた、上記のシリコン単結晶の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から切り出されたものであることを特徴とするシリコン単結晶ウェーハを提供する。
このようなシリコン単結晶ウェーハであれば、点欠陥を減少させ、ひいてはGrown−in欠陥のない、低コストのシリコン単結晶ウェーハとすることができる。
本発明はさらに、チョクラルスキー法又はFZ法によってシリコン単結晶を育成する方法であって、最終的に製品ウェーハとなる領域の上部に拡径部を形成し、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の下部に縮径部を形成し、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは前記最終的に製品ウェーハとなる領域の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすようにしてシリコン単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法を提供する。
このようなシリコン単結晶の育成方法であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域の中心部から見て最も近い結晶外表面が、径方向でなく、製品ウェーハとなる領域の上側又は下側となり、点欠陥の拡散も径方向ではなく、斜め上方向又は斜め下方向となり、点欠陥の拡散距離の短縮が図られる。このため、最終的に製品ウェーハとなる領域内の任意の点からVoid欠陥やLEP欠陥を形成する基となるVacancyやI−Siの点欠陥を吸収するシンクである結晶外表面まで拡散し易くなる。このため、過剰となった点欠陥が消滅しやすくなり、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥を減少させことができる。ひいてはGrown−in欠陥のないものとすることができる。しかも、外表面を加熱しなくとも点欠陥の外方拡散が可能なものであるため、低コストで製造可能である。
このとき、前記拡径部の形成及び前記縮径部の形成を複数回繰り返し、前記最終的に製品ウェーハとなる領域を不連続に複数回に分けて育成することが好ましい。
このように最終的に製品ウェーハとなる領域を不連続に複数回に分けて育成することにより、最終的に製品ウェーハとなる領域の合計をより大きく育成できるので、シリコン単結晶の生産効率を向上させることができる。
このとき、前記Lを、シリコン単結晶の育成における前記最終的に製品ウェーハとなる領域の中心部の温度がシリコン融点温度からGrown−in欠陥形成終了温度まで低下する間の点欠陥拡散距離よりも小さい値とすることが好ましい。
Lをこのような範囲とすることにより、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥を確実に結晶外表面に拡散できるので、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥をより効果的に減少させことができる。
本発明はまた、上記のシリコン単結晶の育成方法で育成されたシリコン単結晶の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から、シリコン単結晶ウェーハを切り出すことを特徴とするシリコン単結晶ウェーハの製造方法を提供する。
このようなシリコン単結晶ウェーハの製造方法であれば、点欠陥を減少させ、ひいてはGrown−in欠陥のない、低コストのシリコン単結晶ウェーハを製造することができる。
以上のように、本発明によれば、最終的に製品ウェーハとなる領域内の任意の点からVoid欠陥やLEP欠陥を形成する基となるVacancyやI−Siの点欠陥を吸収するシンクである結晶外表面まで拡散し易くなり、このため、過剰となった点欠陥が消滅しやすくなり、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥を減少させたシリコン単結晶を低コストで得ることができる。そして、点欠陥を減少させたシリコン単結晶ウェーハとすることができる。
実施例で育成したシリコン単結晶の模式図である。 実施例で用いた単結晶育成装置の模式図である。 比較例で育成したシリコン単結晶の模式図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述したように、結晶成長中に欠陥を制御しながら育成した結晶をポリッシュした低欠陥/無欠陥PWは、比較的低コストで高品質要求を満たすことが可能であるため、Grown−in欠陥を低減した低欠陥結晶や、Grown−in欠陥を無くした無欠陥結晶の要求が強まっている。
一方、V/Gを制御して点欠陥の過剰量を拮抗させる従来の制御法では、Nv領域とNi領域とが混在するという問題があり、過剰濃度を制御するのではなく、過剰な点欠陥を拡散によって減らす方法が考えられる。このような方法として、点欠陥を結晶の側面に向かって外方拡散させることで低濃度化させるものがあるが、結晶の側面まで点欠陥を拡散させるには、十分な温度・時間が必要である。このため、通常の結晶成長装置に加えて加熱設備が必要であり、装置コストが高くなるという問題があった。
そこで、本発明者らは、装置コストを高くすることなく結晶内の点欠陥を結晶外表面まで拡散させ易くして、結晶内の点欠陥を低減することができるシリコン単結晶について鋭意検討を重ねた。その結果、シリコン単結晶を、最終的に製品ウェーハとなる領域の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは最終的に製品ウェーハとなる領域の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすものとすることで、装置コスト、ひいては製造コストを高くすることなく結晶内の点欠陥を結晶外表面まで拡散させ易くして、結晶内の点欠陥を低減することができることを見出し、本発明を完成させた。
まず、本発明のシリコン単結晶について、図1を参照しながら説明する。
本発明のシリコン単結晶は、チョクラルスキー法又はFZ法によって育成されるシリコン単結晶であって、例えば図1に示すようなシリコン単結晶1であり、最終的に製品ウェーハとなる領域2(点線で囲まれた領域)を含んでいる。シリコン単結晶1は、最終的に製品ウェーハとなる領域2の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは最終的に製品ウェーハとなる領域2の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすものである。
このような形状であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の任意の点から、Void欠陥やLEP欠陥を形成する基となるVacancyやI−Siの点欠陥を吸収するシンクである結晶外表面までの距離が、最終的に製品ウェーハとなる領域2の半径以下となり、過剰となった点欠陥が消滅し易くできる。通常製品ウェーハとなる領域である直胴部を形成する際には、製品ウェーハの直径より少し太く育成し、これの外周を削り落とすことで、円筒状の製品を削りだし、これをスライスしてウェーハを作製する。したがって直胴部と呼ばれる直径が一定の部分を長く作製することで、製品ウェーハとなる領域を多く取ることができる。しかし、このような形状では、点欠陥が拡散して消滅すべき結晶外表面は、径方向が最も近い。このため、シリコン単結晶中心部の点欠陥が拡散すべき距離は必ず製品ウェーハの直径の半分以上になってしまう。
そこで上記のように最終的に製品ウェーハとなる領域2と育成中の結晶外表面との最も近い距離dが、L(L<D/2、D:最終的に製品ウェーハとなる領域の直径)よりも小さいシリコン単結晶であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域2内から結晶外表面に拡散させ易くできる。このため、過剰となった点欠陥が消滅しやすくなり、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の点欠陥を減少させたシリコン単結晶とすることができる。しかも、従来品よりも低コストなものとすることができる。
本発明のシリコン単結晶は、最終的に製品ウェーハとなる領域2の任意の面において、フッ酸、硝酸を含む欠陥に対して選択性のあるエッチング液を用いた選択エッチング法により、FPD欠陥、LEP欠陥が検出されないことが好ましい。上記の選択エッチング法により、FPD欠陥、LEP欠陥が検出されないシリコン単結晶であれば、良好な結晶性を有するシリコン単結晶とすることができる。
上述した形状であれば、シリコン単結晶の中心部の点欠陥の拡散距離の短縮が図られるので、これにより過剰な点欠陥濃度は、結晶外表面に向う外方拡散により低濃度化し易くなる。このため、点欠陥の凝集体である2次欠陥のVoid欠陥やLEP欠陥がつくられにくくなる。結果的に選択エッチング法で検出されるFPD欠陥、LEP欠陥がないシリコン単結晶を得ることができる。
本発明のシリコン単結晶において、上記のLがD/3よりも小さい値であることがより好ましい。Lが上記の範囲であるような形状を有するシリコン単結晶であれば、距離dをより短縮できるので、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の点欠陥をより効果的に結晶外表面に拡散させることができる。このため、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の点欠陥をより効果的に減少させたシリコン単結晶とすることができる。
本発明のシリコン単結晶の具体的な形状としては、最終的に製品ウェーハとなる領域2の上部に拡径部4が設けられ、最終的に製品ウェーハとなる領域2の下部に縮径部3が設けられたものとすることができる。このような形状であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域2の中心部から見て最も近い結晶外表面が、径方向でなく、製品ウェーハとなる領域の上側又は下側となる。これに伴い、点欠陥の拡散も径方向ではなく、上下の斜め方向となり、点欠陥の拡散距離の短縮が図られる。このため過剰な点欠陥濃度はより低濃度化しやすくなり、点欠陥の凝集体である2次欠陥のVoid欠陥やLEP欠陥がつくられにくくなる。
また、本発明のシリコン単結晶において、拡径部4及び縮径部3が複数設けられ、最終的に製品ウェーハとなる領域2が不連続に複数設けられたものであることが好ましい。このように最終的に製品ウェーハとなる領域2が不連続に複数設けられたシリコン単結晶であれば、1回のシリコン単結晶の育成において、最終的に製品ウェーハとなる領域2の合計をより大きくできるので、生産効率が向上したシリコン単結晶とすることができる。
ここで、育成中の結晶で拡径や縮径を行うことは、結晶保持のためとしては例えば特許文献8など多数の先願があり、複数結晶を得るためにも例えば特許文献9など複数の先願があり、絞りの無転位化のためとしても特許文献10など複数の先願がある。また外径を故意に変えるのは、特許文献11の狙い直径の異なる結晶育成や、特許文献12での肩部での欠陥制御など開示されているが、最終的に製品ウェーハになる領域である所謂直胴部で、拡径や縮径を行い、しかも製品ウェーハの直径を割り込む太さまで故意に細くすることは通常行なわれていない。
次に、本発明のシリコン単結晶ウェーハについて説明する。
本発明のシリコン単結晶ウェーハは、上記のシリコン単結晶(例えば、図1のシリコン単結晶1)の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から切り出されたもの(例えば、図1のシリコン単結晶ウェーハ5)である。シリコン単結晶ウェーハの最終仕上げ面状態や最終的な形状は、それぞれのスペックに応じたものとすればよい。このようなシリコン単結晶ウェーハであれば、点欠陥を減少させたシリコン単結晶ウェーハとすることができる。
次に、本発明のシリコン単結晶の育成方法について、図1、2を参照しながら説明する。ここでは、CZ法を用いる場合を例に挙げて説明するが、FZ法を用いることもできる。本発明のシリコン単結晶を育成する単結晶育成装置の一例について、図2を参照しながら説明する。
図2の単結晶育成装置10は、シリコン融液14を収容する石英るつぼ15と黒鉛ヒーター17とが配置されたメインチャンバー11と、メインチャンバー11上にトップチャンバー21を介して設けられた引き上げチャンバー12と、シリコン融液14の直上に設けられ、引き上げられたシリコン単結晶13を冷却する冷却筒24とを有している。
メインチャンバー11の下部にはガス流出口19が設けられ、引き上げチャンバー12の上部にはガス導入口20が設けられている。石英るつぼ15は、例えば、黒鉛るつぼ16によって支持され、黒鉛るつぼ16は、例えば、るつぼ回転軸29によって支持される。石英るつぼ15を加熱する黒鉛ヒーター17の外側には、例えば、断熱部材18が周囲を取り囲むように設けられている。
引き上げチャンバー12の上部には、例えば、引き上げ機構(不図示)が設けられており、引き上げ機構からは、例えば、引き上げワイヤー26が巻出されており、その先端には、例えば、種結晶27を取り付けるための種ホルダー28が接続されている。冷却筒24の下端部には、例えば、シリコン融液面近傍に延伸するガスパージ筒22が設けられており、ガスパージ筒22の下方には、シリコン単結晶13を囲繞するように設けられ黒鉛ヒーター17やシリコン融液14からの輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材23が設けられている。さらには、必要に応じて磁場印加装置(不図示)を配置することも可能である。なお、簡便のため、シリコン単結晶13は直胴部が全体にわたって同じ直径になっているが、実際には図1のシリコン単結晶1のような形状になっている。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、図2のような装置10を用いることができ、最終的に製品ウェーハとなる領域2の上部に拡径部4を形成し、最終的に製品ウェーハとなる領域2の下部に縮径部3を形成し、最終的に製品ウェーハとなる領域2の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは最終的に製品ウェーハとなる領域の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすようにしてシリコン単結晶を育成するものである。
このようなシリコン単結晶の育成方法であれば、最終的に製品ウェーハとなる領域2の中心部から見て最も近い結晶外表面が、径方向でなく、製品ウェーハとなる領域の上側又は下側となり、点欠陥の拡散も径方向ではなく、斜め上方向又は斜め下方向となり、点欠陥の拡散距離の短縮が図られるので、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の任意の点からVoid欠陥やLEP欠陥を形成する基となるVacancyやI−Siの点欠陥を吸収するシンクである結晶外表面まで拡散し易くなる。このため、過剰となった点欠陥が消滅しやすくなり、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の点欠陥を減少させることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法において、拡径部4の形成及び縮径部3の形成を複数回繰り返し、最終的に製品ウェーハとなる領域2を不連続に複数回に分けて育成することが好ましい。このように最終的に製品ウェーハとなる領域2を不連続に複数回に分けて育成することにより、最終的に製品ウェーハとなる領域の合計をより大きく育成できるので、シリコン単結晶の生産効率を向上させることができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法において、上記Lをシリコン単結晶の育成における前記最終的に製品ウェーハとなる領域2の中心部の温度がシリコン融点からGrown−in欠陥形成終了温度まで低下する間の点欠陥拡散距離よりも小さい値とすることが好ましい。Lをこのような範囲とすることにより、最終的に製品ウェーハとなる領域2内の点欠陥を確実に結晶外表面に拡散できるので、最終的に製品ウェーハとなる領域内の点欠陥をより効果的に減少させことができる。この点について、以下にさらに詳述する。
結晶成長界面で導入された点欠陥は、結晶の冷却に伴い平衡濃度が低下するので過飽和状態になる。過飽和になった点欠陥は対消滅や坂道拡散によって過飽和度を低下させる。この時、従来法として述べたようにV/Gを精密に制御すれば、VacancyとI−Siの過剰量を拮抗させることができ、無欠陥化は可能である。しかしNv領域、Ni領域が一般には混在してしまう問題がある。しかしながら結晶中心部の結晶外表面からの距離を、点欠陥が拡散できる距離以下とすれば、点欠陥の無限のシンクである結晶側面に向かって、点欠陥は拡散することができる。これにより点欠陥の過剰量が低下し、Grown−in欠陥を形成させないようにすることができる。
より具体的には育成される結晶の中心部分における温度Tがシリコン融点(Tm)からGrown−in欠陥形成終了温度(Td)に低下するまでの間に、下記2つの式(1)を満たす条件のシリコン単結晶を育成すればよい。

Tm Td D(T)×t dT ≧ L
D(T)=α×exp(−β/kT) ・・・・・・・・(1)

ここで、
T:結晶中心部の温度(K)、t:その温度の滞在時間(sec)、
D(T):拡散係数、k:ボルツマン定数(=8.62×10−5eV/K)、
α、β:定数、
である。
この式(1)を計算するためには、結晶中心部での温度プロファイルが必要である。この結晶中心部の温度プロファイルは、測温によって求めることもできるが、シミュレーションによって求めてもよい。一般的に結晶中心部の温度を、例えば炉内構造を変更するたびに測温することは簡単ではない。一方で近年CZ(チョクラルスキー)炉内の温度シミュレーション技術は進んでおり、測温等の結果によって校正されたシミュレーションの結果であれば、少なくとも相対的には信用できる値となっている。従ってこれらの値を用いることが現実的である。
例えば、上述の式(1)中のシリコン融点Tmを1685(K)(=1412℃)、Grown−in欠陥形成終了温度Tdを1353(K)(=1080℃)とすることができる。結晶中心部における熱履歴を求めるためには具体的な温度を指定する必要がある。そこでここではシリコン融点を1412℃、Grown−in欠陥形成終了温度を1080℃とした。
シリコンの融点は1412℃という報告のほかに1414℃など幾つかあるが、ここでは1412℃とした。また、Grown−in欠陥が形成される温度は、Vacancyが凝集するVoid欠陥に関しては1150℃〜1080℃という報告や、1100℃〜1070℃という報告など幾つかの値がある。またI−Siが凝集する転位クラスタ欠陥の凝集温度に関しては明確な報告がない。そこでここではVoid欠陥に関して報告されている1150〜1080℃の1080℃を用いて計算する。なお、この温度の設定を変えれば、以下に述べる数字も変わってしまう。ここで具体的な数字を挙げるのは、このような指標を用いると外方拡散により無欠陥を得られるという考え方を示すための具体例を示すものであり、この数値に限定されるものではない。これらの設定温度や定数α、βの値は、各種条件に応じて適宜設定することができる。
一例として、式(1)中のD(T)に含まれる定数αを4420(cm/sec)、βを2.0(eV)とすることができる。この数字を用いて式(1)を満たす条件であれば、I−Siが結晶側面に向かって外方拡散して、Grown−in欠陥を形成しない程度に低濃度化させることができる。しかしVacancyは十分に拡散していないので、Vacancy起因の欠陥を形成してしまうのをより効果的に防ぐため、Vacancy過剰量とI−Si過剰量とが全く等しくどちらも優勢でない時のV/Gを(V/G)crtすると、V/G≦(V/G)crt、すなわちI−Siが優勢となる条件で結晶を育成することが好ましい。
更により好ましくは、式(1)中のD(T)に含まれる定数αを778(cm/sec)、βを2.0(eV)とすることができる。この数字を用いて式(1)を満たす育成条件であれば、I−Si及びVacancyの両者が結晶側面に向かって外方拡散して、Grown−in欠陥を形成しないほどに低濃度化させることができる。この場合には両点欠陥が共に低濃度になっているため、V/Gの値を気にする必要はなく、結晶外径さえ条件を満たしていればV/G等の細やかな制御が不要になる。
なお、上述したように、点欠陥の拡散からLを求めることが好ましいが、本発明のシリコン単結晶は直胴部が長くないので、従来の計算よりは複雑な計算が必要である。上述したαやβの値も直胴部が一定直径と仮定して計算した部分もあり、正確とはいえない。そこで、より簡便に、例えばLをD/3より小さな値とすることができる。このような小さな値であれば、より効率的に点欠陥を低減できる。
なお、上記例ではCZ法の場合について説明したが、先に述べたように、FZ法を用いてシリコン単結晶を製造することもできる。例えば、従来と同様のFZ法用装置を用いて、同様に拡径部、縮径部を形成しつつ、d、L、Dが上記関係を満たすようにシリコン単結晶を育成することができ、点欠陥を低減させた最終的に製品ウェーハとなる領域を有するシリコン単結晶を得ることができる。
次に、本発明のシリコン単結晶ウェーハの製造方法について説明する。
本発明のシリコン単結晶ウェーハの製造方法は、上記のシリコン単結晶の育成方法で育成されたシリコン単結晶の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から、シリコン単結晶ウェーハを切り出すものである。すなわち、上記のシリコン単結晶の育成方法で育成されたシリコン単結晶の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から、例えば円筒形状のブロックを切り出し、それをスライス、エッチング、ポリッシュ等の工程を経て、シリコン単結晶ウェーハを製造することができる。シリコン単結晶ウェーハの最終仕上げ面状態や最終的な形状は、それぞれのスペックに応じたものとすればよい。
このようなシリコン単結晶ウェーハの製造方法であれば、点欠陥を減少させたシリコン単結晶ウェーハを製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図2に概略図を示したCZ法による単結晶育成装置10を用いて、最終製品直径100mmのウェーハを製造するため、狙い直径が最大部で約110mm、最小部で約50mmのシリコン単結晶を、拡径及び縮径を40mm周期で繰返し、図1に示すようなシリコン単結晶1をチョクラルスキー法により育成した。この時、シリコン単結晶の中心軸上の最大磁場強度が4000Gとなる様に水平磁場を印加した。この時、単結晶の成長速度は0.6〜1.4mm/minまで大きくふれたが、平均的には1.0mm/minであった。また最終的に製品ウェーハとなる領域2の中心部から最も近い結晶外表面までの距離は33mmであり、最終製品ウェーハの直径(D)である100mmの1/3より小さい値であった。すなわち、d≦L(ここで、L<D/3)という関係を満たすものとなっていた。
また上述した(1)式を用いて、実施例における点欠陥拡散距離を求めた。計算は、シリコン融点Tmを1685(K)(=1412℃)、Grown−in欠陥形成終了温度Tdを1353(K)(=1080℃)として行なった。αを4420(cm/sec)、βを2.0(eV)として求めたI−Si拡散距離:(∫Tm Td D(T)×t dT)1/2は91mmであった。更により好ましいと考えられるαを778(cm/sec)、βを2.0(eV)として求めたVacancy拡散距離:(∫Tm Td D(T)×t dT)1/2は39mmであった。これらの計算では、温度分布を求める際に、簡単のため直胴を一定直径として計算した。従って誤差を含んだ計算ではあるが、今回得た結晶の製品となる部分の中心部から最も近い結晶外表面までの距離33mmは、上記で求めた点欠陥の拡散距離より小さい値であった。
このシリコン単結晶の製品ウェーハとなる領域のほぼ中心である、狙い直径が110mmである最太部から、ウェーハ状のサンプルを切り出した。このサンプルを平面研削した後、フッ酸、硝酸、酢酸からなる混酸でミラーエッチングした。次にフッ酸、硝酸、酢酸、水からなる欠陥に対して選択性のあるエッチング液に、ミラーエッチングを行ったサンプルを浸し、エッチングによる取り代が両側で25±3μmになるまで揺動せず放置し、選択エッチングを行った。その後、選択エッチングを行ったサンプルを光学顕微鏡にて観察した。その結果、選択エッチングを行ったサンプル面内のどこでもFPD欠陥、LEP欠陥は検出されなかった。
(比較例)
直胴中の狙い直径105mmで一定とした、図3に示すような最終的に製品ウェーハとなる領域31を有するシリコン単結晶30としたことを除き、実施例とほぼ同じ条件でシリコン単結晶を育成した。同じような単結晶育成装置を用いて、シリコン単結晶中心軸上の最大磁場強度が4000Gとなる様に水平磁場を印加した。直胴部を育成する際の平均の成長速度は1.2mm/minであり、±0.1mm/min以内で安定した引上げができた。なお、比較例のシリコン単結晶30においては、最終的に製品ウェーハとなる領域31の任意の点(例えば、領域31の中心)から、最も近い結晶外表面までの距離をdとし、最終的に製品ウェーハとなる領域31の直径をD’とした時、dがd≦L(L<D’/2)の関係は満たさなかった。
育成したシリコン単結晶の中央部を輪切りにして、ウェーハ状のサンプルを切り出した。切り出したサンプルを平面研削した後、フッ酸、硝酸、酢酸からなる混酸でミラーエッチングした。次にフッ酸、硝酸、酢酸、水からなる欠陥に対する選択性のあるエッチング液にミラーエッチングを行ったサンプルを浸し、エッチングによる取り代が両側で25±3μmになるまで揺動せず放置し、選択エッチングを行った。その後、選択エッチングを行ったサンプルを光学顕微鏡にて観察した。その結果、サンプル面内の中心部付近一帯に、FPD欠陥が検出された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、13…本発明におけるシリコン単結晶、 2…最終的に製品ウェーハとなる領域、
3…縮径部、 4…拡径部、 5…シリコン単結晶ウェーハ、
10…単結晶育成装置、 11…メインチャンバー、 12…引き上げチャンバー、
14…シリコン融液、 15…石英るつぼ、
16…黒鉛るつぼ、 17…黒鉛ヒーター、 18…断熱部材、 19…ガス流出口、
20…ガス導入口、 21…トップチャンバー、 22…ガスパージ筒、
23…熱遮蔽部材、 24…冷却筒、 26…引き上げワイヤー、 27…種結晶、
28…種ホルダー、 29…るつぼ回転軸、
30…従来におけるシリコン単結晶、 31…最終的に製品ウェーハとなる領域。

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法又はFZ法によってシリコン単結晶を育成する方法であって、
    最終的に製品ウェーハとなる領域の上部に拡径部を形成し、前記最終的に製品ウェーハとなる領域の下部に縮径部を形成し、
    前記最終的に製品ウェーハとなる領域の任意の点から、最も近い結晶外表面までの距離をdとした時、dがd≦L(ここで、Lは前記最終的に製品ウェーハとなる領域の直径Dの半分より小さい値:L<D/2)という関係を満たすようにしてシリコン単結晶を育成し、
    前記Lを、シリコン単結晶の育成における前記最終的に製品ウェーハとなる領域の中心部の温度がシリコン融点温度からGrown−in欠陥形成終了温度まで低下する間の点欠陥拡散距離よりも小さい値とすることを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. 前記拡径部の形成及び前記縮径部の形成を複数回繰り返し、前記最終的に製品ウェーハとなる領域を不連続に複数回に分けて育成することを特徴とする請求項に記載のシリコン単結晶の育成方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の育成方法で育成されたシリコン単結晶の製品ウェーハの直径以上の直径を有する製品ウェーハとなる領域から、シリコン単結晶ウェーハを切り出すことを特徴とするシリコン単結晶ウェーハの製造方法。
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