JP6524949B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの制御装置に関し、より特定的には、筒内噴射タイプのエンジンの制御装置に関する。
以下のような構成を有する筒内噴射タイプのエンジン(いわゆる直噴エンジン)が公知である。すなわち、エンジンは、燃料を加圧するフィードポンプと、フィードポンプにより加圧された燃料が流通する低圧燃料通路と、低圧燃料通路から分岐した分岐通路と、分岐通路を介して供給される燃料を加圧する高圧ポンプと、高圧ポンプにより加圧された燃料を筒内に噴射する筒内噴射弁と、低圧燃料通路において分岐通路への分岐箇所よりも上流側に設けられ、フィードポンプへの燃料の逆流を規制する逆止弁とを備える(たとえば特開2014−121976号公報(特許文献1)参照)。
特開2014−121976号公報
上記構成を有するエンジンにおいては、高圧ポンプの駆動中にフィードポンプの吐出量(言い換えればフィードポンプの回転速度)を調整することによって低圧燃料通路内の燃料の圧力(以下「燃圧」とも記載する)が目標燃圧に制御される。この制御は、フィードバック制御により実現されることが多い。
このフィードバック制御において目標燃圧を低圧側に変更する場合(目標燃圧を所定燃圧に低下させる場合)には、一般に、目標燃圧を所定燃圧へと一気に低下させる。このような場合、低下後の目標燃圧と低圧燃料通路内の燃圧(制御対象の燃圧)との乖離量が大きくなるので、低圧燃料通路内の燃圧を迅速に低下させるために、フィードポンプの吐出量が急速に低下する。これにより、フィードポンプと逆止弁との間(逆止弁の上流側)の燃圧は急速に低下し得る。その一方で、低圧燃料通路内(逆止弁の下流側)の燃圧は、徐々にしか低下しない可能性がある。そうすると、逆止弁の上流側の燃圧と逆止弁の下流側の燃圧との燃圧差が急速に拡大し、逆止弁の下流側の燃圧が逆止弁の上流側の燃圧よりも著しく大きくなり得る。その結果として、燃料の逆流を規制するために逆止弁が閉弁され得る。
ここで、高圧ポンプの駆動中には、高圧ポンプが分岐通路からの燃料を吸入したり、吸入した燃料を分岐通路に再び吐出したりすることによって、低圧燃料通路内(および分岐通路内)の燃圧が周期的に変化する。このような燃圧の周期的な時間変化を「圧力脈動」とも称する。
目標燃圧を所定燃圧に低下させる際に上述のようにして閉弁状態となった逆止弁は、高圧ポンプと逆止弁とを結ぶ通路(分岐通路および低圧燃料通路の一部)における固定端となる。そのため、高圧ポンプにより生じる圧力脈動の位相と、この圧力脈動の逆止弁での反射成分の位相とが一致することによって共振が起こり得る。その結果、異音が生じたり振動が生じたりしてしまう可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、筒内噴射タイプ(筒内噴射とポート噴射とを併用するデュアル噴射タイプを含む)のエンジンの制御装置において、高圧ポンプの駆動中にフィードポンプの吐出量を調整することによって燃料通路内の燃料の圧力を目標燃圧に制御する場合に、高圧ポンプにより生じる異音(または振動)を抑制する技術を提供することである。
1.本発明のある局面に従うエンジンの制御装置は、エンジンを制御する。エンジンは、燃料を加圧する第1のポンプ(フィードポンプ)と、第1のポンプにより加圧された燃料が流通する燃料通路(低圧燃料通路)と、燃料通路から分岐した分岐通路と、分岐通路を介して供給される燃料を加圧する第2のポンプ(高圧ポンプ)と、第2のポンプにより加圧された燃料を筒内に噴射する筒内噴射弁と、燃料通路において分岐通路への分岐箇所よりも上流側に設けられ、第1のポンプへの燃料の逆流を規制する逆止弁とを備える。制御装置は、第2のポンプの駆動中に第1のポンプの吐出量を調整することによって燃料通路内の燃料の圧力を目標燃圧に制御する場合に、目標燃圧を所定燃圧に低下させるときには、目標燃圧が所定燃圧へと時間が経過するに従って近づく緩低下処理を実行する。
上記構成によれば、目標燃圧を所定燃圧へと一気に低下させるのに代えて、目標燃圧を所定燃圧へと時間が経過するに従って近づくように低下させる。すなわち、目標燃圧をより緩やかに低下させるので、第1のポンプ(フィードポンプ)の吐出量の低下速度が相対的に緩やかになる。そのため、逆止弁の上流側(第1のポンプと逆止弁との間)の燃圧の急速な低下が抑制されるので、たとえ逆止弁の下流側(燃料通路内)の燃圧が徐々にしか低下しない場合であっても、逆止弁の上流側と下流側との燃圧差が大きくなりにくい。したがって、逆止弁を開弁状態に維持することができるため、逆止弁が固定端として機能することによる分岐通路および燃料通路の共振が抑制される。よって、異音および振動の発生を抑制することができる。
2.好ましくは、エンジンは、車両に搭載される。制御装置は、車両の速度が所定速度よりも低い場合に、緩低下処理を実行する。
車両の所定速度以上(高速)での走行中には、車両の所定速度未満(低速)での走行中と比べて、ロードノイズ等の騒音が大きい。よって、車両の高速での走行中には、上述の異音が他の騒音に重畳したとしても、異音全体の大きさはあまり変わらない可能性がある。つまり、異音の発生を抑制することが特に望まれるのは、車両の低速での走行中であると言える。上記構成によれば、車両の低速での走行中に緩低下処理を実行することにより、異音の発生を効果的に抑制することができる。
3.好ましくは、エンジンは、燃料通路を介して供給される燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射弁をさらに備える。緩低下処理は、目標燃圧を段階的に低下させる処理である。制御装置は、ポート噴射弁からの噴射量が多い場合には、上記噴射量が少ない場合と比べて、目標燃圧を段階的に低下させるときの各段階での低下量を大きくする。
目標燃圧を段階的に低下させる場合に、各段階での低下量を過度に小さく設定すると、目標燃圧が所定燃圧に低下するまでに要する時間が長くなる。言い換えると、目標燃圧を緩やかに低下させる場合には、目標燃圧を速やかに低下させる場合と比べて、目標燃圧が高い状態(その結果として、第1のポンプ(フィードポンプ)と逆止弁との間の燃圧が高い状態)をより長期間維持することになるので、第1のポンプの消費電力が大きくなる。
ポート噴射弁からの噴射量が多いほど、燃料通路内の燃圧(逆止弁の下流側の燃圧)を速やかに低下させることができるので、第1のポンプと逆止弁との間の燃圧(逆止弁の上流側の燃圧)が急速に低下したとしても、逆止弁の上流側と下流側との燃圧差が大きくなりにくい。そのため、より確実に逆止弁を開弁状態に維持して異音の発生を抑制することができる。さらに、上記構成によれば、ポート噴射弁からの噴射量が多いほど、目標燃圧の各段階での低下量を大きくすることによって目標燃圧を速やかに低下させる。これにより第1のポンプと逆止弁との間の燃圧が高い状態を長期間維持する必要がなくなるので、第1のポンプの消費電力を低減することができる。
本発明によれば、筒内噴射タイプのエンジンの制御装置において、第2のポンプの駆動中に第1のポンプの吐出量を調整することによって燃料通路内の燃料の圧力を目標燃圧に制御する場合に、第2のポンプにより生じる異音(または振動)を抑制することができる。
実施の形態1に係るエンジンの制御装置が搭載された車両の構成を概略的に示すブロック図である。 エンジンの構成をより詳細に示す図である。 異音発生メカニズムを説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る緩低下処理を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3における要求噴射量と目標燃圧の低下量との対応関係の一例を示す図である。 実施の形態3に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
<車両構成>
図1は、実施の形態1に係るエンジンの制御装置が搭載された車両の構成を概略的に示すブロック図である。車両1は、ハイブリッド車両であって、エンジン100と、第1モータジェネレータ(MG:Motor Generator)10と、第2MG20と、動力分割機構30と、リダクションギヤ40と、電力制御ユニット(PCU:Power Control Unit)200と、蓄電装置250と、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)300と、車輪350とを備える。なお、車両1はハイブリッド車両に限定されず、蓄電装置およびモータジェネレータが搭載されない通常の車両であってもよい。
エンジン100は、たとえばガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等の内燃機関である。本実施の形態では、筒内噴射とポート噴射とを併用するデュアル噴射タイプのエンジンをエンジン100として用いる例について説明する。ただし、ポート噴射は必須ではなく、エンジン100は筒内噴射のみを行なう筒内噴射タイプであってもよい。エンジン100には、エンジン100の回転速度Neを検出する回転速度センサ102と、エンジン100に燃料を供給する燃料供給装置110とが設けられる。エンジン100の詳細な構成については図2にて説明する。
第1MG10および第2MG20の各々は、発電機としても電動機としても動作し得る回転電機であり、たとえば三相交流永久磁石型同期モータである。第1MG10は、エンジン100を始動させる際には蓄電装置250の電力を用いてエンジン100のクランクシャフトを回転させる。また、第1MG10はエンジン100の動力を用いて発電することも可能である。第1MG10によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて蓄電装置250に充電される。また、第1MG10によって発電された交流電力が第2MG20に供給される場合もある。
第2MG20は、蓄電装置250からの電力および第1MG10により発電された電力のうちの少なくとも一方を用いて駆動軸を回転させる。また、第2MG20は回生制動によって発電することも可能である。第2MG20によって発電された交流電力は、PCU200により直流電力に変換されて蓄電装置250に充電される。
エンジン100と第1MG10と第2MG20とは、動力分割機構30を介して互いに連結される。第2MG20の回転軸は、リダクションギヤ40を介して車輪350に連結されるとともに、動力分割機構30を介してエンジン100のクランクシャフトに連結される。動力分割機構30は、たとえば遊星歯車機構であり、エンジン100の駆動力を第1MG10のクランクシャフトと第2MG20の回転軸とに分割可能に構成される。
PCU200は、ECU300からの制御信号に応じて第1MG10および第2MG20を駆動するための駆動装置である。PCU200は、たとえばインバータおよびコンバータ(いずれも図示せず)を含んで構成される。
蓄電装置250は、第1MG10および第2MG20に電力を供給するための直流電源である。蓄電装置250は、ニッケル水素電池もしくはリチウムイオン電池等のバッテリまたは電気二重層キャパシタ等のキャパシタを含んで構成される。
ECU300は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、入出力インターフェースとを含んで構成される。ECU300は、各センサおよび機器からの信号ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、車両1が所望の状態となるように各機器を制御する。
ECU300は、PCU200を制御することによって第1MG10および第2MG20の駆動を制御するとともに蓄電装置250の充放電を制御する。また、ECU300は、図示しないアクセルペダルの踏込量(アクセル開度)および車速Vに基づいて、ユーザが車両1に要求する駆動パワーである車両要求パワーを算出する。さらに、ECU300は、車両要求パワーに応じてエンジン100の始動要求を生成し、エンジン始動要求に応じてエンジン100および燃料供給装置110を制御する。ECU300によるエンジン100および燃料供給装置110の制御の詳細については後述する。
<エンジン構成>
図2は、エンジン100の構成をより詳細に示す図である。エンジン100は、たとえば直列4シリンダのガソリンエンジンであって、燃料供給装置110と、吸気マニホールド120と、吸気ポート130と、4つのシリンダ140とを備える。
4つのシリンダ140の各々はシリンダブロックに設けられる。エンジン100への吸入空気AIRは、シリンダ140中のピストン(図示せず)が下降するときに、吸気口管から吸気マニホールド120および吸気ポート130を通って各シリンダ140に流入する。
燃料供給装置110は、低圧燃料供給機構400と、高圧燃料供給機構500とを含んで構成される。
低圧燃料供給機構400は、燃料タンク410と、低圧燃料通路420と、低圧デリバリーパイプ430と、4つのポート噴射弁440と、低圧燃圧センサ450と、分岐通路460とを含む。燃料タンク410内には、フィードポンプ(第1のポンプ)411、逆止弁412,415、フィルタ413、および吐出通路414を含んで構成されるモジュールが設けられる。
高圧燃料供給機構500は、高圧ポンプ(第2のポンプ)510と、高圧燃料通路520と、高圧デリバリーパイプ530と、4つの筒内噴射弁540と、高圧燃圧センサ550とを含む。高圧ポンプ510は、シリンダ511と、プランジャ512と、加圧室513と、電磁スピル弁514とを含む。
燃料タンク410は、ポート噴射弁440および筒内噴射弁540から噴射するための燃料を貯留する。
フィードポンプ411は、燃料タンク410に貯留された燃料を汲み上げて加圧し、加圧された燃料を吐出口(図示せず)から吐出する。フィードポンプ411は、ECU300からの吐出指令に応答して回転速度Nfpを調整することによって、単位時間当りの吐出量(単位:m/sec)および吐出圧(単位:kPa(キロパスカル))を変化させることが可能に構成される。これにより、低圧デリバリーパイプ430内の燃料の圧力(燃圧)P1を、たとえば1MPa未満の範囲内で設定することができる。なお、低圧燃料通路420内の燃圧(逆止弁415の下流側の燃圧)は、低圧デリバリーパイプ430内の燃圧P1とほぼ等しい。
逆止弁412の上流側はフィードポンプ411の吐出口に接続され、逆止弁412の下流側はフィルタ413を介して吐出通路414に接続される。逆止弁412は、その下流側(フィルタ413側)から上流側(フィードポンプ411側)への燃料の逆流を規制する。
フィルタ413は、フィードポンプ411から吐出された燃料中の異物を除去する。
吐出通路414は、フィルタ413と、逆止弁415の上流側と、残圧保持バルブ417とを互いに接続する。なお、以下では吐出通路414内の燃圧(逆止弁415の上流側の燃圧)を「P2」とも記載する。
逆止弁415の下流側は低圧燃料通路420に接続される。逆止弁415は、その下流側(低圧燃料通路420側)から上流側(吐出通路414側)への燃料の逆流を規制する。なお、逆止弁415は、本発明に係る「逆止弁」に相当する。
リリーフバルブ416は、低圧燃料通路420に接続される。リリーフバルブ416は、低圧燃料通路420内の燃圧P1が規定圧力未満の間は閉弁状態に維持される一方で、燃圧P1が規定圧以上となると開弁し、低圧燃料通路420と燃料タンク410とを連通させる。
残圧保持バルブ417は、リリーフバルブ416の規定圧力よりも低い所定圧力以上となることで開弁する。この所定圧力は、フィードポンプ411が燃料を吐出しているときには残圧保持バルブ417が開弁状態となるように設定される。
低圧燃料通路420は、逆止弁415の下流側と低圧デリバリーパイプ430とを接続し、フィードポンプ411から吐出された燃料を低圧デリバリーパイプ430に供給する。
低圧デリバリーパイプ430は、ポート噴射弁440から噴射するための燃料を貯留する。なお、低圧燃料通路420および低圧デリバリーパイプ430は、本発明に係る「燃料通路」に相当する。
4つのポート噴射弁440の各々は、対応するシリンダ140に連通する吸気ポート130内に噴孔部442を露出するポート噴射用インジェクタである。ポート噴射弁440が開弁されると、低圧デリバリーパイプ430内の加圧された燃料が噴孔部442から吸気ポート130内に噴射される。
低圧燃圧センサ450は、低圧デリバリーパイプ430内の燃圧P1を検出して、その検出結果をECU300に出力する。
高圧ポンプ510は、低圧燃料通路420から分岐した分岐通路460に接続される。高圧ポンプ510は、分岐通路460を流通する燃料を吸入して加圧し、加圧された燃料を高圧燃料通路520に吐出する。より詳細には、シリンダ511およびプランジャ512により区画された加圧室513は、電磁スピル弁514を介して分岐通路460に接続される。シリンダ511内では、カムシャフト150の回転に応じてプランジャ512が往復動作を繰り返す。電磁スピル弁514が開弁した状態において加圧室513の容積が拡大すると、分岐通路460の燃料が加圧室513内に吸入される。そして、電磁スピル弁514が閉弁した状態において加圧室513の容積が縮小することにより、加圧室513内の燃料が加圧され、高圧燃料通路520に吐出される。また、加圧室513内に一旦吸入された燃料が分岐通路460に戻される場合もある。
このように、高圧ポンプ510が分岐通路460からの燃料を吸入したり、吸入した燃料を分岐通路460に戻したりすることによって、低圧燃料通路420および分岐通路460内の燃圧P1が周期的に変化する。以下では、この燃圧P1の周期的な時間変化を「圧力脈動」とも称する。
高圧燃料通路520は、高圧ポンプ510と高圧デリバリーパイプ530とを接続し、高圧ポンプ510から吐出された燃料を高圧デリバリーパイプ530に供給する。
高圧デリバリーパイプ530は、筒内噴射弁540から噴射するための燃料を貯留する。
4つの筒内噴射弁540の各々は、対応するシリンダ140の燃焼室内に噴孔部542を露出する筒内噴射用インジェクタである。筒内噴射弁540が開弁されると、高圧デリバリーパイプ530内の加圧された燃料が噴孔部542から燃焼室内に噴射される。
高圧燃圧センサ550は、高圧デリバリーパイプ530内の燃圧を検出して、その検出結果をECU300に出力する。
ECU300は、ポート噴射弁440、筒内噴射弁540、フィードポンプ411および高圧ポンプ510(電磁スピル弁514)を制御する。より詳細に説明すると、ECU300は、エンジン100の始動時に、ポート噴射弁440による燃料噴射を最初に実行させる。ECU300は、高圧燃圧センサ550により検出される高圧デリバリーパイプ520内の燃圧が予め設定された値を超えたとき、筒内噴射弁540への噴射指令の出力を開始する。さらに、ECU300は、たとえば筒内噴射弁540からの筒内噴射を基本としながら、筒内噴射では混合気形成が不十分となる特定の運転状態下(たとえばエンジン100の始動暖機時または低回転高負荷時)ではポート噴射を併用する。あるいは、ECU300は、たとえば筒内噴射弁540からの筒内噴射を基本としながら、ポート噴射が有効な高回転高負荷時などにポート噴射弁440からのポート噴射を実行する。
また、ECU300は、アクセル開度、吸入空気量、およびエンジン100の回転速度Ne等に基づいて、燃焼毎に必要な各噴射弁からの要求噴射量を算出する。さらに、ECU300は、フィードポンプ411の回転速度Nfpを調整することによって、要求噴射量に応じてフィードポンプ411の吐出量(単位時間当りの吐出量)を制御する。より具体的には、ECU300は、低圧デリバリーパイプ420内の燃圧P1を目標燃圧に制御するフィードバック制御を実行することが可能であるとともに、このフィードバック制御中に目標燃圧を変更(調整)することが可能である。
なお、本実施の形態におけるECU300は単一のECUであるが、ECU数は特に限定されない。ECUを機能毎に分割して、複数のECUによりECU300を構成することも可能である。たとえば、ECU300に代えて、エンジン100を制御するためのエンジンECUと、PCU200を制御するためのPM(Power Management)−ECUと、車両1全体を制御するHV−ECU(いずれも図示せず)とを別々に設けてもよい。あるいは、エンジンECUとは別に、フィードポンプ411および高圧ポンプ510を制御するための専用コントローラ(図示せず)を設けてもよい。
以上のように構成された車両1においては、高圧ポンプ510が駆動されることにより異音(および振動)が発生し得る。本実施の形態に係るECU300は、このような異音の発生を抑制するための制御に特徴を有する。以下では、本実施の形態に係る制御の特徴を明確にするために、まず、異音発生メカニズムについて説明する。
<異音発生メカニズム>
図3は、異音発生メカニズムを説明するためのタイムチャートである。図3および後述する図4において、横軸は経過時間を示す。たとえばエンジン100の始動開始時刻をt0とする。縦軸は、上から順に燃圧、フィードポンプ411の回転速度Nfp(言い換えればフィードポンプ411からの燃料の吐出量)、逆止弁415の状態(逆止弁415の図示しない弁体のリフト量)および異音(または振動)の大きさを示す。
エンジン100の始動開始時刻t0において、低圧デリバリーパイプ420内の燃圧P1(フィードバック制御対象の燃圧)はPa(たとえば530kPa)である。また、燃圧P1のフィードバック制御に用いられる目標燃圧PtagもPaである。フィードポンプ411は、ある回転速度にて駆動されている。逆止弁415は開弁状態である。高圧ポンプ510の駆動に伴う騒音および振動はある程度生じているものの、過大な騒音(異音)および振動は生じていない。
以下では、時刻t0から所定期間(たとえば数秒間)が経過した時刻t1において、目標燃圧PtagをPa(530kPa)からPb(たとえば400kPa)へと一気に低下させる場合について説明する。
このような場合、目標燃圧Ptagからの燃圧P1の乖離量(差)が大きくなるので、目標燃圧Ptagに追従するように燃圧P1を迅速に低下させるためにフィードバックが強く働き、フィードポンプ411の回転速度Nfpが急速に低下する。これにより、逆止弁415の上流側(フィードポンプ411と逆止弁415との間の吐出通路414内)の燃圧P2は、時刻t0以前と比べて急速に低下する。その一方で、逆止弁415の下流側(低圧燃料通路420内)の燃圧P1は徐々にしか低下しない。そうすると、燃圧P1と燃圧P2との燃圧差ΔPが急速に拡大する。つまり、逆止弁415の下流側の燃圧(≒P1)が逆止弁415の上流側の燃圧(=P2)よりも著しく大きくなる。その結果として、燃料の逆流を規制するために逆止弁415の弁体が弁座(いずれも図示せず)に密着し、逆止弁415が閉弁される。
閉弁状態となった逆止弁415は、高圧ポンプ510と逆止弁415とを結ぶ通路(分岐通路460および低圧燃料通路420)において固定端となる。そのため、高圧ポンプ510による燃料の吸入および吐出によって生じる圧力脈動の位相と、この圧力脈動の逆止弁415(固定端)での反射成分の位相とが一致することによって共振が起こり得る。あるいは、逆止弁415が開弁状態の場合には圧力脈動が逆止弁415を介して逆止弁415の上流側へと伝達されて弱まり得るところ、逆止弁415が閉弁されると、圧力脈動の逃げ場が失われると説明することもできる。その結果、分岐通路460および低圧燃料通路420(の少なくとも一部)と、燃料タンク410内のモジュールとが振動し得る。そして、この振動が燃料タンク410(さらには車両1のボディー)に伝達することで、異音が発生したり振動が生じたりしてしまう可能性がある。なお、時間経過とともに燃圧差ΔPが小さくなり逆止弁415が再び開弁されると、異音および振動は解消される(時刻t2参照)。
そこで、本実施の形態においては、時刻t1において目標燃圧PtagをPaからPbへと一気に低下させるのに代えて、目標燃圧がPaからPbへと時間が経過するに従って近づく「緩低下処理」を実行する。言い換えれば、緩低下処理では目標燃圧を相対的に緩やかに(徐々に)低下させる。これにより、以下に詳細に説明するように、逆止弁415の上流側の燃圧P2の急速な低下が抑制されるので、たとえ逆止弁415の下流側の燃圧P1が徐々にしか低下しない場合であっても、燃圧P1と燃圧P2との燃圧差ΔPが小さくなる。したがって、逆止弁415を開弁状態に維持することができるため、分岐通路460および低圧燃料通路420の共振が抑制される。よって、異音および振動の発生を抑制することができる。
<緩低下処理>
図4は、実施の形態1に係る緩低下処理を説明するためのタイムチャートである。エンジン100の始動開始時刻t0における低圧デリバリーパイプ420内の燃圧P1、フィードポンプ411の回転速度Nfp、逆止弁415および異音の状態は、図3にて説明した状態と同等である。
実施の形態1においては、時刻t1にて目標燃圧PtagをPaからPbへと一気に低下させるのに代えて、目標燃圧を所定の低下量Pdec(たとえば数kPa)だけ低下させる。その後も、所定期間(たとえばECU300による燃圧の制御周期)が経過する毎に目標燃圧を低下量Pdecずつ段階的に低下させていく。以下では、目標燃圧を初期燃圧Paから「最終目標燃圧」であるPbに到達するまで段階的に低下させるときの各段階での目標燃圧を「暫定目標燃圧」Ptmpとも記載する。
こうすることにより、図3にて説明した例との比較において、暫定目標燃圧Ptmpからの燃圧P1の乖離量が小さくなる。そのため、燃圧P1のフィードバックが過度に強く働くことが防止されるので、フィードポンプ411の回転速度Nfpの低下速度(単位時間当たりの低下量)が緩やかになる。したがって、逆止弁415の上流側の燃圧P2の急速な低下が抑制されるため、逆止弁415の上流側と下流側との燃圧差ΔPが大きくなりにくい。よって、逆止弁415が閉弁されることを防止して逆止弁415を開弁状態に維持することができる。その結果、逆止弁415が固定端として機能して圧力脈動の共振が起こること(あるいは圧力脈動の逃げ場が失われること)が抑制されるので、異音および振動の発生を抑制することができる。
なお、目標燃圧の低下量Pdecの大きさは、燃料供給装置110の構成およびECU300の制御周期に応じて、実験またはシミュレーションにより適宜定められる。また、緩低下処理においては目標燃圧を緩やかに低下させればよいので目標燃圧を段階的に低下させることは必須ではない。目標燃圧を連続的(直線的または曲線的)に低下させてもよい。
<制御フロー>
図5は、実施の形態1に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。図5ならびに後述する図6および図8に示すフローチャートは、所定条件成立時または所定時間間隔毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。なお、これらのフローチャートに含まれる各ステップ(以下「S」と略す)は、基本的にはECU300によるソフトウェア処理によって実現されるが、ECU300内に作製された専用のハードウェア(電気回路)によって実現されてもよい。
S110において、ECU300は、最終目標燃圧Pbを算出する。最終目標燃圧Pbの算出手法は特に限定されるものではないが、たとえば以下のように算出することができる。
ECU300のメモリ(図示せず)には、たとえばエンジン100の始動時の条件毎に設定すべき燃圧の値が予め記憶されている。より具体的には、たとえば燃料が高温の場合には、燃料の沸騰を防ぐために最終目標燃圧Pbを比較的高い値(たとえば530kPa)に設定する。一方、エンジン100の始動後にフィードポンプ411を駆動する場合には、最終目標燃圧Pbを段階的に(たとえば640kPaから530kPaを経て400kPaへと)変化させる。このように、複数の条件の各々について、設定すべき燃圧の値が予め定められており、ECU300は、車両1が満たす条件について定められた値のうちの最も高い値を最終目標燃圧Pbとして算出する。
S120において、ECU300は、S110にて算出した最終目標燃圧Pbが、当該フローチャートの前回実行時にS110にて算出された最終目標燃圧Pbよりも低いか否か、すなわち目標燃圧を低圧側に変更するか否かを判定する。
目標燃圧を低下させる場合(S120においてYES)、ECU300は、処理をS130に進める。S130において、ECU300は、下記式(1)に示すように、前回の暫定目標燃圧Ptmp(n−1)(nは自然数)よりも所定の低下量Pdecだけ低い値を今回の暫定目標燃圧Ptmp(n)として設定する。なお、初期値Ptmp(0)は、図4に示す例では初期燃圧Paである。
Ptmp(n)=Ptmp(n−1)−Pdec ・・・(1)
ECU300は、図示しない別ルーチンに従って燃圧P1のフィードバック制御を実行する。すなわち、ECU300は、燃圧P1が今回の暫定目標燃圧Ptmp(n)になるようにフィードポンプ411、高圧ポンプ510、ポート噴射弁440および筒内噴射弁540を制御する。
S140において、ECU300は、暫定目標燃圧Ptmpが最終目標燃圧Pbに到達したか否かを判定する。暫定目標燃圧Ptmpが最終目標燃圧Pbに到達していない場合(S140においてNO)、ECU300は、処理をS130に戻し、暫定目標燃圧を低下量Pdecだけさらに低い値に設定する。この処理が繰り返されることにより、暫定目標燃圧Ptmpが最終目標燃圧Pbに向けて段階的に低下することになる。そして、暫定目標燃圧Ptmpが最終目標燃圧Pbに到達すると(S140においてYES)、ECU300は処理をメインルーチンへと戻す。
一方、目標燃圧を低圧側に変更しない場合、すなわち目標燃圧を高圧側に変更するか目標燃圧を維持する場合(S120においてNO)には、ECU300は、目標燃圧をS110にて算出した最終目標燃圧Pbに設定する(S150)。これにより、ECU300は、上述の別ルーチンに従って燃圧P1のフィードバック制御を実行する。
なお、S130,S140において暫定目標燃圧Ptmpが最終目標燃圧Pbに一致するまで暫定目標燃圧Ptmpを段階的に低下させることは必須ではなく、暫定目標燃圧Ptmpがある程度低下した時点で目標燃圧を最終目標燃圧Pbに設定してもよい。
以上のように、実施の形態1によれば、目標燃圧PtagをPaからPbへと一気に低下させるのに代えて、所定期間が経過する毎に目標燃圧(暫定目標燃圧Ptmp)がPb到達するまで目標燃圧を低下量Pdecずつ段階的に低下させる。これにより、燃圧P1のフィードバックが過度に強く働くことが防止され、フィードポンプ411の回転速度Nfpの低下速度が相対的に緩やかになる。したがって、逆止弁415の上流側の燃圧P2の急速な低下が抑制され、逆止弁415の上流側と下流側との燃圧差ΔPが小さくなる。よって、逆止弁415を開弁状態に維持することができるため、逆止弁415が固定端として機能することによる低圧燃料通路420等の共振が抑制される。異音および振動の発生を抑制することができる。
[実施の形態2]
燃圧センサ(低圧燃圧センサ450および高圧燃圧センサ550)に異常が生じると燃圧P1,P2を適切に制御することができなくなるおそれがある。したがって、車両1では、燃圧センサに異常が生じていないかどうかの異常診断(ダイアグ)が実施される。この異常診断は、予め定められた基準値に燃圧を固定した状態において、その基準値を示す検出結果が燃圧センサから得られるかどうかによって行なわれる。このような異常診断を実施する機会を十分に確保することが望ましい。
しかしながら、緩低下処理を実行している間には、実施の形態1にて説明したように時間経過に伴い燃圧が変化するので、燃圧を固定して異常診断を実施することができない。そのため、緩低下処理を過剰に実行すると、その分だけ異常診断を実施する機会が減ってしまう可能性がある。したがって、実施の形態2においては、異常診断を実施する機会を確保しつつ、効果的に緩低下処理を実行する構成について説明する。より具体的には、以下に説明するように、緩低下処理を実行するか否かが車速Vに応じて決定される。
図6は、実施の形態2に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、S225の処理をさらに含む点において、実施の形態1におけるフローチャート(図5参照)と異なる。S210,S220の処理は、実施の形態1におけるS110,S120の処理とそれぞれ同等である。
S220において、ECU300は、目標燃圧を低圧側に変更するか否かを判定する。目標燃圧を低下させる場合(S220においてYES)、ECU300は、処理をS225に進める。
S225において、ECU300は、車速Vが所定速度Vp未満であるか否かを判定する。車速Vは、図示しない車速センサによって検出される。所定速度Vpは、十分に低速(たとえば毎時15km)であることが好ましい。車速Vが所定速度Vp未満である場合(S225においてYES)、ECU300は、処理をS230に進め、緩低下処理を実行する。この緩低下処理(S230,S240の処理)は、実施の形態1における緩低下処理(S130,S140の処理)と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
一方、車速Vが所定速度Vp以上である場合(S225においてNO)には、ECU300は処理をS250に進める。S250の処理は実施の形態1におけるS150の処理と同等であり、緩低下処理は実行されない。
以上のように、実施の形態2によれば、車速Vが所定速度Vp未満の場合に緩低下処理が実行される一方で、車速Vが所定速度Vp以上の場合には緩低下処理は実行されない。この理由について以下に説明する。
車両1の高速(所定速度Vp以上)での走行中には、車両1の低速(所定速度Vp未満)での走行中(停車中を含む)と比べて、ロードノイズ等の騒音(および車両1の振動)が相対的に大きい。よって、車両1の高速での走行中には、たとえ図3にて説明したメカニズムで発生する異音が他の騒音に重畳したとしても、異音全体の大きさはあまり変わらない可能性がある。つまり、緩異音の発生を抑制することが特に望まれるのは車両1の低速での走行中であるので、車両1の低速での走行中に緩低下処理を実行することにより、異音の発生を効果的に抑制することができる。一方、上述のように異常診断の実施機会を確保することが望ましいところ、車両1の高速での走行中には緩低下処理を敢えて実施しないことにより、異常診断の実施機会を確保することが可能になる。このように、実施の形態2によれば、異常診断を実施する機会を確保しつつ、異音の発生を効果的に抑制することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1では、目標燃圧の低下量Pdecの大きさは、燃料供給装置110の構成に応じて実験またはシミュレーションにより適宜定められると説明した。たとえば、ポート噴射弁440からの燃料噴射量が最小噴射量である場合の燃圧P1の低下量を低下量Pdecとして用いることも考えられる。このように低下量Pdecをできるだけ小さく設定すると、目標燃圧(暫定目標燃圧Ptmp)の低下速度が緩やかになり燃圧P2が暫定目標燃圧Ptmpの変化に追従しやすくなるので、燃圧差ΔPが一層生じにくくなる。したがって、より確実に異音の発生を抑制することが可能になる。
しかしながら、低下量Pdecを過度に小さく設定すると、目標燃圧が初期燃圧(図4の例ではPa)から最終目標燃圧Pbに到達するまでに要する時間が長くなる。言い換えると、暫定目標燃圧Ptmpを徐々に低下させる場合には、暫定目標燃圧Ptmpを速やかに低下させる場合と比べて、暫定目標燃圧Ptmpが高い状態(その結果として燃圧P2が高い状態)を長期間維持することになるので、フィードポンプ411の消費電力が大きくなる。その結果、車両1の燃費が悪化してしまう。
多くの場合、ポート噴射弁440からの噴射量は、最小噴射量よりも大きい。そのため、実施の形態3においては、ポート噴射弁440の要求噴射量(ポート噴射弁440からの噴射量)に応じて目標燃圧の低下量Pdecを設定する構成について説明する。より具体的には、実施の形態3では、要求噴射量が大きい場合には、要求噴射量が小さい場合と比べて、低下量Pdecが大きく設定される。
図7は、実施の形態3における要求噴射量と目標燃圧の低下量Pdecとの対応関係の一例を示す図である。図7において、横軸は要求噴射量を示し、縦軸は目標燃圧の低下量Pdecを示す。図7に示すように、要求噴射量が大きいほど、低下量Pdecは大きく設定される。図7に示すようなマップ(あるいは関係式)が実験またはシミュレーションにより予め定められ、ECU300のメモリ(図示せず)に格納される。
なお、図7に示す例では、要求噴射量が増加するに従って低下量Pdecが直線的に増加する例を示すが、低下量Pdecは増加の態様はこれに限定されない。低下量Pdecは単調増加すればよいので、たとえば曲線的に増加してもよいしステップ的に増加してもよい。
図8は、実施の形態3に係る緩低下処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、S325の処理をさらに含む点において、実施の形態1におけるフローチャート(図5参照)と異なる。S310,S320の処理は、実施の形態1におけるS110,S120の処理とそれぞれ同等である。
S320において、ECU300は、目標燃圧を低圧側に変更するか否かを判定する。目標燃圧を低下させる場合(S320においてYES)、ECU300は、処理をS325に進める。
S325において、ECU300は、図7に示すようなマップを参照することによって、要求噴射量に応じて目標燃圧の低下量Pdecを設定する。なお、要求噴射量は、図示しない別ルーチンに従って、車両1の要求駆動力、エンジン100の回転速度Neおよびスロットル開度等から算出することができる。
その後、ECU300は、処理をS330に進める。なお、S330,S340,S350の処理は、実施の形態1におけるS130,S140,S150の処理(図5参照)とそれぞれ同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
以上のように、実施の形態3によれば、要求噴射量が大きい場合には、要求噴射量が小さい場合と比べて、目標燃圧の低下量Pdecが大きく設定される。この理由について以下に説明する。
要求噴射量が大きいほど、ポート噴射弁440からの噴射量を大きくして逆止弁415の下流側の燃圧P1を速やかに低下させることができる。燃圧P1を速やかに低下させることができる場合には、逆止弁415の上流側の燃圧P2を速やかに低下させたとしても燃圧P1と燃圧P2との燃圧差ΔPが大きくなりにくいので、より確実に異音の発生を抑制することが可能になる。
さらに、要求噴射量が大きく目標燃圧の低下量Pdecが大きいほど暫定目標燃圧Ptmpが速やかに低下するので、暫定目標燃圧Ptmp(≒燃圧P2)が高い状態を長期間維持する必要がなくなる。よって、燃圧P2を高い状態に維持するためのフィードポンプ411の消費電力を低減することができる。したがって、車両1の燃費を向上させることができる。
なお、実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせることも可能である。すなわち、図8に示すフローチャートにおいて、S320の処理とS325の処理との間にS225(図6参照)に相当する処理を追加してもよい。
また、実施の形態1〜3では、デュアル噴射タイプのエンジンを例に説明したが、実施の形態1,2にて説明した緩低下処理は、筒内噴射のみの筒内噴射タイプのエンジンにも適用可能である。この場合には、高圧デリバリーパイプ530内(高圧燃料通路520内)の燃圧を目標燃圧に維持するためのフィード制御が行なわれることになる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 第1MG、20 第2MG、30 動力分割機構、40 リダクションギヤ、100 エンジン、102 回転速度センサ、110 燃料供給装置、120 吸気マニホールド、130 吸気ポート、140 シリンダ、150 カムシャフト、200 PCU、250 蓄電装置、300 ECU、350 車輪、400 低圧燃料供給機構、410 燃料タンク、411 フィードポンプ、412,415 逆止弁、413 フィルタ、414 吐出通路、416 リリーフバルブ、417 残圧保持バルブ、420 低圧燃料通路、430 低圧デリバリーパイプ、440 ポート噴射弁、442 噴孔部、450 低圧燃圧センサ、460 分岐通路、500 高圧燃料供給機構、510 高圧ポンプ、511 シリンダ、512 プランジャ、513 加圧室、514 電磁スピル弁、520 高圧燃料通路、530 高圧デリバリーパイプ、540 筒内噴射弁、542 噴孔部、550 高圧燃圧センサ。

Claims (2)

  1. 車両に搭載されたエンジンを制御するための制御装置であって、
    前記エンジンは、
    燃料を加圧する第1のポンプと、
    前記第1のポンプにより加圧された燃料が流通する燃料通路と、
    前記燃料通路から分岐した分岐通路と、
    前記分岐通路を介して供給される燃料を加圧する第2のポンプと、
    前記第2のポンプにより加圧された燃料を筒内に噴射する筒内噴射弁と、
    前記燃料通路において前記分岐通路への分岐箇所よりも上流側に設けられ、前記第1のポンプへの燃料の逆流を規制する逆止弁とを備え、
    前記制御装置は、前記車両の速度が所定速度よりも低い場合に緩低下処理を実行し、
    前記緩低下処理は、前記第2のポンプの駆動中に前記第1のポンプの吐出量を調整することによって前記燃料通路内の燃料の圧力を目標燃圧に制御する場合に、前記目標燃圧を所定燃圧に低下させるときには、前記目標燃圧が前記所定燃圧へと時間が経過するに従って近づく処理である、エンジンの制御装置。
  2. エンジンを制御するための制御装置であって、
    前記エンジンは、
    燃料を加圧する第1のポンプと、
    前記第1のポンプにより加圧された燃料が流通する燃料通路と、
    前記燃料通路を介して供給される燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射弁と、
    前記燃料通路から分岐した分岐通路と、
    前記分岐通路を介して供給される燃料を加圧する第2のポンプと、
    前記第2のポンプにより加圧された燃料を筒内に噴射する筒内噴射弁と、
    前記燃料通路において前記分岐通路への分岐箇所よりも上流側に設けられ、前記第1のポンプへの燃料の逆流を規制する逆止弁とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第2のポンプの駆動中に前記第1のポンプの吐出量を調整することによって前記燃料通路内の燃料の圧力を目標燃圧に制御する場合に、前記目標燃圧を所定燃圧に低下させるときには、前記目標燃圧が前記所定燃圧へと時間が経過するに従って段階的に近づく緩低下処理を実行し、
    前記ポート噴射弁からの噴射量が多い場合には、前記噴射量が少ない場合と比べて、前記目標燃圧を段階的に低下させるときの各段階での低下量を大きくする、エンジンの制御装置。
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