JP6524821B2 - 室炉式コークス炉の炉締め構造及び炉締め方法 - Google Patents

室炉式コークス炉の炉締め構造及び炉締め方法 Download PDF

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Description

本発明は、室炉式コークス炉の炉締め構造及び炉締め方法に関するものである。
室炉式コークス炉は、上下に2層構造となっており、下層に蓄熱室、上層に炭化室と燃焼室が配置される。上層と下層との間に蛇腹部(コーベル部とも呼ばれる。)が配置される。炭化室は炉長方向に16m程度、高さが6m程度、炉団長方向に幅が0.5m程度であり、燃焼室は同様の炉長、高さで幅が0.8m程度であり、炭化室と燃焼室が炉団長方向に交互に配置されて炉団を形成している。これら蓄熱室、炭化室、燃焼室、蛇腹部は煉瓦積みで構築される煉瓦構築物である。
燃焼室の炉長方向両端には、煉瓦構造物に炉締力を付与するためのバックステーが配置されている。バックステーの上端部と下端部には、バックステーを炉締め方向に押しつける張力を付与するクロスタイロッドが配置され、バックステーとクロスタイロッドの接続部に設けられる炉締めスプリングによって炉締力が形成される。
燃焼室の炉長方向両端部には保護板が設けられ、炭化室の炉長方向両端部にはドアフレームが設けられ、ドアフレームには炭化室のドアーが接続される。保護板とドアフレームはいずれも、バックステーからの炉締力によって、それぞれ燃焼室と炭化室の煉瓦構造物を締め付ける働きをしている。
バックステーからの炉締力の付与方法については、バックステーからの炉締力をドアフレームに伝達する方法、バックステーからの炉締力を保護板に伝達する方法がとられている。本発明は、バックステーからの炉締力がまずドアフレームに伝達され、ドアフレームから保護板に伝達される炉締め構造を対象とする。
バックステーと保護板又はドアフレームとの接続構造については、バックステーと保護板が直接接触する接続構造、バックステーと保護板又はドアフレームとの間に炉締金物を介して接続する構造とがある。特許文献1には、バックステーとドアフレームの間に炉締金物を配置した炉締め構造が開示されている。本発明は、炉締金物を介して接続する構造を対象とする。炉締金物は、内部にバネなどの弾性体を有し、炉長方向に受ける圧縮力に応じて圧縮される弾性構造物であり、バックステー当たり高さ方向に8-10個の炉締金物を有している。特許文献2には、炉締金物としてバネあるいは油圧流体を用いた加圧機構を配置した炉締め構造が開示されている。炉締金物を介してバックステーとドアフレームとが接続されているので、バックステーとドアフレームとの間隔が高さ方向に変動していたとしても、炉締金物の弾性変形で形状変動を吸収することができ、高さ方向いずれの場所でも常に炉締力を付与することが可能となる。
特開2003−105048号公報 実開昭55−116051号公報
バックステーの炉団長方向両側に隣接してドアフレームが配置されている。バックステーとドアフレームとの間に炉締金物を介して炉締力を付与する方法として、バックステーの炉団長方向両側にそれぞれ炉締金物を配置し、炉締金物の反炉側をバックステーから炉団長方向に張り出した支持板で支え、炉締金物の炉側端部がドアフレームの炉団長方向端部に炉締力を付与する方法を採用することができる。
より好ましくは、図7に示すように、バックステー位置を中心として炉団長方向31両側に張り出す横棒(以下「トラバーサー21」という。)を配置し、トラバーサー21の両端はバックステー5に隣接する両側のドアフレーム6それぞれの炉団長方向端部を炉内側に押しつける方向に接続し、トラバーサー21とバックステー5との間を炉締金物13によって接続し、炉締金物13の炉側をトラバーサー21、反炉側をバックステー5によって支持し、トラバーサー21を介して煉瓦構造物に炉締力を付与する構造を採用することができる。本発明は、このような構造を対象とする。
コークス炉を築造するに際しては、炉長方向両端のバックステーを仮に設置し、バックステーの間に煉瓦構造物を築造し、その後にドアフレームを配置する。上記のようにトラバーサーを設ける炉締め構造においては、バックステーに予めトラバーサーを艤装した上で現地に設置する方が、現地での工事工期を短縮することができるので好ましい。
ところが、図7から明らかなように、予めトラバーサー21をバックステー5に艤装すると、ドアフレーム6を反炉側から水平に設置位置に移動することが困難となる。トラバーサー21が邪魔をするからである。その場合、ドアフレームは上方から下降させて所定位置に配置する方法がとられる。ところが、ドアフレーム取り付け位置の上方にはバックステー連結部材があるため、ドアフレームの据え付け時は連結部材を付け替えるか取り外す必要が生じる。さらに、ドアフレームを上方から取り込む場合は、ドアフレームの長さ分だけ、上屋の高さを高くする必要が生じる。
ドアフレームを上方から取り込みできない場合、ドアフレームは正面からの取り込みとなるため、トラバーサーを予めバックステーへ艤装しておくことができない。そうするとトラバーサーの据え付けはドアフレームの設置後となり、このような据え付け作業であるとトラバーサーの数が多い(バックステー1本当たり8-10本)ため作業日数が多大となる。
ドアフレームを補修、交換する際においても、ドアフレームを取り出す場合、操業時には押出機側であればドアフレームの上方にドライメンがあり、ガイド車側であればドアフレームの上方に装入車集塵ダクトがある。そのためドアフレームは上方へ取り出すことができずドアフレームは正面から取り出しとなる。ドアフレームの正面からの取り出しにはトラバーサーが障害となるので、トラバーサーを外すか切断する必要がある。切断した場合はドアフレームを交換した後、トラバーサーの新設又は補修が必要となる問題がある。トラバーサーを外す及び新設する場合は一時的に隣接炉の締め付け力がなくなるため、補修作業そのものによる炉体劣化のリスクがともなう問題がある。なお炉締め力が作用していない窯については操業ができなくなる。
本発明は、トラバーサーを予めバックステーに艤装してあっても、ドアフレームを正面から取り込むことのできる室炉式コークス炉の炉締め構造及び炉締め方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、燃焼室の炉長方向両端に配置されたバックステーで燃焼室の炉長方向に炉締力を付与する室炉式コークス炉の炉締め構造であって、燃焼室の炉長方向両端に配置した保護板と、炭化室の炉長方向両端に配置したドアフレームとを有し、ドアフレームの炉団長方向両側は隣接する燃焼室の保護板に接し、
バックステー当たり高さ方向に複数本の横棒(以下「トラバーサー」という。)を有し、トラバーサーはバックステーの開口部を貫通し、トラバーサーの両端は当該バックステーに隣接する両側のドアフレームそれぞれの炉団長方向端部を炉内側に押しつける方向に接続され、トラバーサーとバックステーとの間は炉締金物によって接続され、バックステーから炉締金物を介してトラバーサーに炉締力を付与することができ、
前記トラバーサーは中央部と両端部に3分割可能であることを特徴とする室炉式コークス炉の炉締め構造。
(2)トラバーサーとドアフレームとの間、炉締金物とトラバーサーの間、又は炉締金物とバックステーとの間のいずれかに、2者の間隔を調整することのできる間隔調整機構を有していることを特徴とする上記(1)に記載の室炉式コークス炉の炉締め構造。
(3)上記(1)又は(2)に記載の室炉式コークス炉の炉締め構造を用いた炉締め方法であって、
ドアフレームをコークス炉に着脱するに際しては、当該ドアフレームに隣接するバックステーのトラバーサーの端部であって当該ドアフレーム側の部分を取り外し、ドアフレームを炉長方向に移動することによって着脱し、ドアフレーム装着完了後に隣接するバックステーのトラバーサーの端部を装着してドアフレームに接続し、炉締力を付与することを特徴とする室炉式コークス炉の炉締め方法。
本発明は、炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、燃焼室の炉長方向両端に配置されたバックステーで燃焼室の炉長方向に炉締力を付与する室炉式コークス炉の炉締め構造において、トラバーサーを用いてバックステーの炉団長方向両側のドアフレーム端部を押しつけて炉締力を付与するに際し、トラバーサーは中央部と両端部に3分割可能とすることにより、トラバーサーを予めバックステーに艤装してあっても、ドアフレームを正面から取り込むことのできる室炉式コークス炉の炉締め構造及び炉締め方法を提供することができる。
本発明の炉締め構造の一例を示す部分平面断面図である。 本発明の炉締め構造を用いたドアフレーム取り出し状況を示す部分平面断面図である。 本発明の炉締め構造を用いたドアフレーム取り出し状況を示す部分平面断面図である。 本発明のトラバーサーを示す図であり、(a1)は組み立て状態の平面図、(b1)は分離状態の平面図、(a2)(b2)はそれぞれA−A、B−B矢視図である。 本発明の炉締め構造の間隔調整機構を示す部分平面断面図である。 本発明の炉締め構造の間隔調整機構を示す部分平面断面図である。 炉締め構造の側面断面図であり、図1のA−A矢視図である。 比較例の炉締め構造を示す部分平面断面図である。 (a)は室炉式コークス炉の据え付け工事での所要工程を比較する図であり、(b)はドアフレームの補修交換工事での所要工程を比較する図である。
図1〜7に基づいて本発明を説明する。
本発明は図1、7に示すように、炉団長方向31に炭化室3と燃焼室4が交互に配置され、燃焼室4の炉長方向32両端に配置されたバックステー5で燃焼室4の炉長方向に炉締力を付与する室炉式コークス炉の炉締め構造と、その炉締め構造を用いた炉締め方法を対象とする。炉締め構造は、燃焼室4の炉長方向両端に配置した保護板7と、炭化室3の炉長方向両端に配置したドアフレーム6とを有し、ドアフレーム6の炉団長方向両側は隣接する燃焼室の保護板7に接しており、当該接触部で、保護板が炉内側に位置する。
炉締め構造はバックステー1本当たり高さ方向33に複数本の横棒(トラバーサー21)を有し(図6参照)、バックステー5からの炉締力はトラバーサー21を経由してドアフレーム6に伝達される。トラバーサー21はバックステーの開口部23を貫通し、トラバーサー21の両端は当該バックステー5に隣接する両側のドアフレーム6それぞれの炉団長方向端部を炉内側に押しつける方向に接続される(図1、7参照)。トラバーサー21とバックステー5との間は炉締金物13によって接続され、バックステー5から炉締金物13を介してトラバーサー21に炉締力を付与することができる。バックステー5にはトラバーサー21を貫通させるためのバックステー開口部23を有し、このバックステー開口部23を通してトラバーサー21はバックステー5を貫通し、トラバーサー21の両端がバックステー5に隣接する両側のドアフレーム6に接続される。
炉締金物13は、バックステー5の炉団長方向両側に1個ずつ配置することとすると好ましい。炉締金物13にバネを内蔵することにより、バックステー5とドアフレーム6との間隔が高さ方向に変動していたとしても、炉締金物13の弾性変形で形状変動を吸収することができ、高さ方向いずれの場所でも常に炉締力を付与することが可能となる。
前述のとおり、バックステー5にトラバーサー21が装着されていると、ドアフレーム6を正面から取り込み、あるいは正面方向に取り外そうとしても、トラバーサー21が邪魔をするのでできない。
本発明の室炉式コークス炉の炉締め構造において、図4に示すように、トラバーサー21は中央片21Cと両端部(21R、21L)に3分割可能であることを特徴とする。図1、4に示すトラバーサーの例では、炉外側から炉に向かって左右を表示しており、トラバーサー21が中央片21Cと右端部21R及び左端部21Lに3分割可能である。中央片21Cの両端には嵌合穴24を有し、右端部21Rと左端部21Lは嵌合足25を有し、右端部21R、左端部21Lそれぞれの嵌合足25が中央片21Cの嵌合穴24に嵌合して3者が結合する。図4に示す例では、結合ネジ26によって3者の結合が固定される。3者を分解するに際しては、結合ネジ26を外し、右端部21R、左端部21Lの嵌合足25を中央片21Cの嵌合穴24から取り外せばよい。3者を結合している際には、図1に示すように、炉締金物13が中央片21Cに接してトラバーサー21に炉締力を付与し、右端部21Rがドアフレーム6aの炉団長方向端部6Laに接してドアフレーム6aに炉締力を付与し、左端部21Lがドアフレーム6bの炉団長方向端部6Rbに接してドアフレーム6bに炉締力を付与する。
ドアフレームを取り付け、取り外しするに際しては、図2に示すように、対象となるドアフレーム6の左側に位置するトラバーサー21bの右端部21Rbを取り外し、右側に位置するトラバーサー21aの左端部21Laを取り外すことにより、図3に示すように、ドアフレーム6を正面から取り付け、正面方向34に向けて取り外すことが可能となる。
上記のように、トラバーサー21を中央部と両端部に3分割可能とすることにより、ドアフレーム取り込み時に端部を取り外すことでドアフレームとトラバーサーとの干渉がなくなり、トラバーサーをバックステーに艤装した状態でドアフレームを正面から据え付けることが可能となる。これによりバックステー連結部材の取外しの必要性がなくなるため工期短縮となる。なお、正面から取込むことにより上屋高さを低減することができる。
また、トラバーサーを中央部と両端部に3分割可能とすることにより、ドアフレームの補修において、ドアフレームの脱着の際にトラバーサーの両端部を外して分割することで、一体型のトラバーサーを外したり、あるいは切断することなく施工が可能となり、工事期間の短縮となる。
さらに図2、3に基づいて詳細に説明する。ドアフレーム6を取り外すに際し、対象ドアフレームに炉締力を付与しているトラバーサーについて、対象ドアフレームに接触している端部を取り外す。トラバーサー21aの中心片21Ca左側と、トラバーサー21bの中心片21Cb右側それぞれにスペーサー28を配置することにより、それぞれの端部について炉締力を一時的にバックステーへ付与させる。その後に当該一方の側のトラバーサーの端部(21La、21Rb)をそれぞれの中央片から取り外す。これにより、対象とするドアフレーム6を正面方向に取り出すことができる(図3)。さらに、一つのドアフレームを脱着するに際し、当該ドアフレームに隣接するトラバーサーにおいて、スペーサー28を利用して着脱するドアフレームの側の端部のみを取り外し、同じトラバーサーの反対側の端部(21Ra、21Lb)は取り外さずに残しておくことで、隣接炉(3a、3b)の炉締力を確保しながら補修作業ができる。
トラバーサー21と炉締金物13からなる炉締め機構は、図6に示すように、バックステー1本当たり高さ方向33に複数箇所設ける。高さ方向33の設置範囲は、ドアフレーム6が存在する範囲である。バックステー1本当たりの設置数は、8−10カ所とすると好ましい。
トラバーサーとバックステーとの間に配置する炉締金物については、バネで伸縮する構造とすると好ましい。バネで伸縮する炉締金物を配置しない場合、炉の高さ方向の一部でバックステーがわずかに変形してバックステーとドアフレームとの間隔に変動が生じると、局部的に炉締め力が付与されない部分が発生する。それに対して、炉締金物としでバネで伸縮する構造を設けることにより、バックステーの炉長方向変形が高さ方向に局所的に発生したとしても炉長方向変形が10mm程度までは、炉締力の変動を許容できる範囲内とすることができる。
バックステーの炉長方向の変形が、炉締金物のバネの伸縮でもカバーしきれない大きさになることがある。本発明においては、図5に示すように、炉締金物とバックステーとの間、炉締金物とトラバーサーの間、又はトラバーサーとドアフレームとの間のいずれかの2者の関係において、2者の間隔を調整することのできる間隔調整機構22を有することにより、この問題を解決することができる。このような間隔調整機構22を設けることにより、バックステーの炉長方向変形が高さ方向に局所的に100mmを超える規模で発生したとしても、間隔を調整することで炉締力の変動を許容できる範囲内とすることができる。
図5(a)には、炉締金物13とバックステー5の間隔を調整することのできる間隔調整機構22を有する場合の例を示している。図5(b)には、炉締金物13とトラバーサー21の間の間隔を調整することのできる間隔調整機構22を有する場合の例を示している。図5(c)には、トラバーサー21とドアフレーム6との間の間隔を調整することのできる間隔調整機構22を有する場合の例を示している。
炭化室の高さが約6m、炉長方向長さが約16mであり、炭化室と燃焼室が交互に配置された室炉式コークス炉に本発明を適用した。図6に示すように、燃焼室4の炉長方向32両端には、煉瓦構造物に炉締力を付与するためのバックステー5が配置されている。バックステー5の上端部と下端部には、バックステー5を炉締め方向に押しつける張力を付与するクロスタイロッド8が配置され、バックステー5とクロスタイロッド8の接続部に設けられる炉締スプリング9によって炉締力が形成される。燃焼室4の炉長方向両端部には保護板7が設けられ、炭化室3の炉長方向両端部にはドアフレーム6が設けられ、ドアフレームには炭化室のドアーが接続される。
バックステー5による炉締め構造において、図1に示すように、ドアフレーム6の炉団長方向31両側は隣接する燃焼室4の保護板7に接しており、当該接触部で保護板7が炉内側に位置する。バックステー1本当たり高さ方向に8−10本のトラバーサー21を有し、バックステー5からの炉締力はトラバーサー21を経由してドアフレーム6に伝達される。トラバーサー21はバックステー5の開口部を貫通し、トラバーサー21の両端は当該バックステーに隣接する両側のドアフレーム6それぞれの炉団長方向端部を炉内側に押しつける方向に接続される。トラバーサー21とバックステー5との間は炉締金物13によって接続され、バックステー5から炉締金物13とトラバーサー21を介して煉瓦構造物に炉締力を付与することができる。バックステー5にはトラバーサー21を貫通させるためのバックステー開口部23を有し、このバックステー開口部23を通してトラバーサー21はバックステー5を貫通し、トラバーサー21の両端がバックステー5に隣接する両側のドアフレーム6に接続される。
炉締金物13は、バックステー5の炉団長方向両側に1個ずつ配置している。炉締金物13にバネを内蔵しており、バックステー5とドアフレーム6との間隔が高さ方向に不均一となったとしても、炉締金物13の弾性変形で形状変動を吸収することができ、高さ方向いずれの場所でも常時炉締力を付与することが可能となる。
本発明例において、図4に示すように、トラバーサー21は中央片21Cと右端部21R及び左端部21Lに3分割可能である。中央片21Cの両端には嵌合穴24を有し、右端部21Rと左端部21Lは嵌合足25を有し、右端部21R、左端部21Lそれぞれの嵌合足25が中央片21Cの嵌合穴24に嵌合して3者が結合する。結合ネジ26によって3者の結合が固定される。3者を分解するに際しては、結合ネジ26を外し、右端部21R、左端部21Lの嵌合足25を中央片21Cの嵌合穴24から取り外すことができる。3者を結合している際には、炉締金物13が中央片21Cに接してトラバーサー21に炉締力を付与し、右端部21Rが図1のドアフレーム6aの炉団長方向端部6Laに接してドアフレーム6aに炉締力を付与し、左端部21Lが図1のドアフレーム6bの炉団長方向端部6Rbに接してドアフレーム6bに炉締力を付与する。ドアフレームを取り付け、取り外しするに際しては、図2、3に示すように、対象となるドアフレーム6に隣接するトラバーサー21bの右端部21Rbを取り外し、トラバーサー21aの左端部21Laを取り外すことにより、ドアフレーム6を正面から取り付け、正面に向けて取り外すことが可能となる。
一方、比較例において、図7に示すようにトラバーサー21は一体の横棒としている。
図5(a)に示すように、炉締金物13とバックステー5の間隔を調整することのできる間隔調整機構22を有している。調整ネジを回して間隔調整を行うことにより、炉締金物13とバックステー5との間の間隔を50mm程度変化させることができる。
室炉式コークス炉の据え付け工事において、本発明例と比較例の所要時間を比較した。本発明例は、トラバーサーを予めバックステーに艤装した上でバックステーを立て、その後にドアフレームを正面から取り込んで取り付ける。比較例1は、トラバーサーを予めバックステーに艤装した上でバックステーを立て、その後にドアフレームを上方から取り込んで取り付ける。比較例2はトラバーサーをバックステーに艤装せずに立て、トラバーサーを正面から取り込んで取り付け、その後にバックステーにトラバーサーを装着する。
本発明例、比較例1、2の所要工期を図8(a)に示す。本発明例は、比較例1に対して5日間の工期短縮を実現し、比較例2に対して10日間の工期短縮を実現した。また、比較例1は上屋の高さが約30m必要であったのに対して、本発明例は上屋の高さが22mで足り、工事費を削減することができた。
ドアフレームの補修交換工事において、本発明例と比較例の所要時間を比較した。本発明例は、トラバーサーのうち、交換するドアフレームに接触する端部を中央片から取り外し、その後、ドアフレームを正面から取り外した。そして、別のドアフレームを正面から取り込み、トラバーサーに端部を取り付け、炉締力の付与を行った。比較例1は、対象とするドアフレームに接するトラバーサーを切断した上でドアフレームの取り外しと別のドアフレームの取り込みを行い、その後にトラバーサーを新設した。比較例2は、対象とするドアフレームに接するトラバーサーを取り外した上でドアフレームの取り外しと別のドアフレームの取り込みを行い、その後にトラバーサーを取り付けた。本発明例、比較例1、2の所要工期を図8(b)に示す。図において、太線の区間は隣接炉の炉締力がなかった期間を示す。本発明例は、比較例1、2に比較して10日間の工期短縮を実現した。また、比較例1、2は隣接炉の炉締力が失われる期間が多く発生し、その期間において隣接炉は稼働できなかったが、本発明例では隣接炉の炉締力が失われる期間がなく、隣接炉の稼働に影響を及ぼすことがなかった。
2 蓄熱室
3 炭化室
4 燃焼室
5 バックステー
6 ドアフレーム
6R ドアフレーム右端部
6L ドアフレーム左端部
7 保護板
8 クロスタイロッド
9 炉締スプリング
13 炉締金物
20 煉瓦構造物
21 トラバーサー
21R 右端部
21C 中央片
21L 左端部
22 間隔調整機構
23 バックステー開口部
24 嵌合穴
25 嵌合足
26 結合ネジ
27 プッシングスペーサー
28 スペーサー
31 炉団長方向
32 炉長方向
33 高さ方向
34 正面方向

Claims (3)

  1. 炉団長方向に炭化室と燃焼室が交互に配置され、燃焼室の炉長方向両端に配置されたバックステーで燃焼室の炉長方向に炉締力を付与する室炉式コークス炉の炉締め構造であって、燃焼室の炉長方向両端に配置した保護板と、炭化室の炉長方向両端に配置したドアフレームとを有し、ドアフレームの炉団長方向両側は隣接する燃焼室の保護板に接し、
    バックステー当たり高さ方向に複数本の横棒(以下「トラバーサー」という。)を有し、トラバーサーはバックステーの開口部を貫通し、トラバーサーの両端は当該バックステーに隣接する両側のドアフレームそれぞれの炉団長方向端部を炉内側に押しつける方向に接続され、トラバーサーとバックステーとの間は炉締金物によって接続され、バックステーから炉締金物を介してトラバーサーに炉締力を付与することができ、
    前記トラバーサーは中央部と両端部に3分割可能であることを特徴とする室炉式コークス炉の炉締め構造。
  2. トラバーサーとドアフレームとの間、炉締金物とトラバーサーの間、又は炉締金物とバックステーとの間のいずれかに、2者の間隔を調整することのできる間隔調整機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の室炉式コークス炉の炉締め構造。
  3. 請求項1又は2に記載の室炉式コークス炉の炉締め構造を用いた炉締め方法であって、
    ドアフレームをコークス炉に着脱するに際しては、当該ドアフレームに隣接するバックステーのトラバーサーの端部であって当該ドアフレーム側の部分を取り外し、ドアフレームを炉長方向に移動することによって着脱し、ドアフレーム装着完了後に隣接するバックステーのトラバーサーの端部を装着してドアフレームに接続し、炉締力を付与することを特徴とする室炉式コークス炉の炉締め方法。
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