JP6524704B2 - 遷移金属錯体を含有するブロック共重合体 - Google Patents

遷移金属錯体を含有するブロック共重合体 Download PDF

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本発明は、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが連結部を介して結合したブロック共重合体に関する。
近年、有機分子を集積、配向させ、新規な機能を付加させる試みが活発に行われている。例えば、互いに非相溶な2種以上の重合体がそれらの末端で化学的に結合したブロック共重合体は、その秩序状態において安定なミクロ相分離構造を形成することが知られている(特許文献1)。
特開2004−124088
ところで、上記のようなミクロ相分離構造を有する構造体をさらに高機能化させることにより、光・電子機能高分子材料、エネルギー関連材料、表面修飾材料、パターンドメディア等の高密度記録材料等、ナノサイズ、ナノレベルの精度が求められている分野への応用が期待される。
本開示は、一又は複数の実施形態において、遷移金属錯体が規則的に配置されたミクロ相分離構造膜の製造方法、及び、該ミクロ相分離構造膜を形成するためのブロック共重合体を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが連結部を介して結合したブロック共重合体であって、前記親水性ポリマー成分が、ポリエチレンオキサイドを含み、前記疎水性ポリマー成分が、メソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートを含み、前記連結部が、下記式(1)で表される構造を含む、ブロック共重合体に関する。
[式(1)において、Mは遷移金属であり、Xは単座配位子である。]
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係るブロック共重合体及び溶媒を含む、ミクロ相分離構造膜を製造するためのポリマー溶液に関する。
本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリマー溶液を使用して作製されるミクロ相分離構造膜に関する。本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリマー溶液を基板表面に塗布すること、及び、溶媒を除去することを含む、ミクロ相分離構造膜の製造方法に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、遷移金属錯体が規則的に配置されたミクロ相分離構造膜の製造方法、及び、該ミクロ相分離構造膜を形成するためのブロック共重合体を提供できる。該ミクロ相分離構造膜は、一又は複数の実施形態において、高度に配向されシリンダー構造を有し、遷移金属錯体をシリンダー構造の周囲に位置選択的に配列させることができる。よって、該ミクロ相分離構造膜は、前記各種分野への応用が期待できる。
実施例のミクロ相分離構造膜の表面AFM像である。 比較例の高分子薄膜の表面AFM像である。
本開示は、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが所定の遷移金属錯体を有する連結部を介して結合した本開示に係るブロック共重合体であれば、該ブロック共重合体溶液を塗布してアニールするだけで、容易に、疎水性ポリマー成分のマトリックスに親水性ポリマー成分のシリンダー構造を備え、該シリンダー構造の周囲に該遷移金属錯体が配置されたミクロ相分離構造膜を得られる、という知見に基づく。
[連結部]
本開示に係るブロック共重合体は、親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが連結部を介して結合しており、前記親水性ポリマー成分が、ポリエチレンオキサイドを含み、前記疎水性ポリマー成分が、メソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートを含み、前記連結部が、下記式(1)で表される構造を含む。
[式(1)において、Mは遷移金属であり、Xは単座配位子である。]
本開示に係るブロック共重合体は、一又は複数の実施形態において、下記式(2)で表される。
[式(2)において、R1はポリエチレンオキサイドを含む親水性ポリマー成分であり、
2はメソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートを含む疎水性ポリマー成分であり、Mは遷移金属であり、Xは単座配位子であり、pは2又は3である。]
式(1)及び(2)において、Mの遷移金属は、一又は複数の実施形態において、配位子をとる可能性がある遷移金属が挙げられ、ミクロ相分離構造の規則性向上の点から、レニウム、オスミウム、イリジウム、タングステン、ルテニウム、ロジウム、モリブデン、鉄、コバルト、クロムが挙げられる。また、式(1)及び(2)において、Xの単座配位子は、ハロゲン化物イオン、シアン化物イオン、アンモニア、ピリジン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
[親水性ポリマー成分]
本開示に係るブロック共重合体の親水性ポリマー成分は、ポリエチレンオキサイドを含む。一又は複数の実施形態において、該親水性ポリマー成分は、ポリエチレンオキサイドからなっていてもよい。
該親水性ポリマー成分の重合度は、ミクロ相分離構造の規則性向上の点から、5〜500が好ましく、40〜200がより好ましい。よって、上記式(1)の親水性ポリマー及び上記式(2)のR1は、一又は複数の実施形態において、下記式(3)で表される。
CH3(OCH2CH2)nO− (3)
式(3)において、nは、5〜500が好ましく、40〜200がより好ましい。
本開示に係るブロック共重合体中の前記親水性ポリマー成分の体積分率は10〜90%であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましい。本開示に係るブロック共重合体は、一又は複数の実施形態において、ミクロ相分離構造膜の製造に用いられ、得られるミクロ相分離構造膜は、シリンダーアレイ型相分離構造、好ましくは垂直配向した六方最密充填のシリンダーアレイ型相分離構造となる。このシリンダーアレイ型分離構造膜においては、親水性ポリマー成分がシリンダー部分となる。従って、親水性ポリマー成分の体積分率を変えることにより、シリンダー部分の大きさや間隔を変更することが可能である。すなわち、シリンダー部分の大きさを小さくしたり、間隔を広くしたい場合には、親水性ポリマー成分の体積分率を低くし、シリンダー部分の大きさを大きくしたり、間隔を狭くしたいような場合には、親水性ポリマー成分の体積分率を高くすればよい。
[疎水性ポリマー成分]
本開示に係るブロック共重合体の疎水性ポリマー成分は、適当な溶媒に溶解した後に温度変化により相分離するような親水性ポリマー成分との組み合わせの点から、メソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートが好ましい。一又は複数の実施形態において、該疎水性ポリマー成分は、メソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートからなっていてもよい。本開示において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味する。
本開示において、メソゲン側鎖は、一又は複数の実施形態において、下記式(4)で示されるような構造単位を1つ以上有するものが挙げられる。
E−(Y1−F)n−Y2−G (4)
式(4)において、E、F及びGは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、及びピリミジン−2,5−ジイルからなる群から選ばれるものであり、Y1及びY2は、同一であっても異なっていてもよく、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−N=N−、−CH=CH−C(=O)O−、及び−OC(=O)−CH=CH−からなる群から選ばれ、nは、0〜3の整数である。
上記式(1)の疎水性ポリマー及び上記式(2)のR2は、一又は複数の実施形態において、下記式(5)で表される。
式(5)において、R3はメチル又は水素原子であり、R4は下記式(6)〜(9)のいずれかで表される。mは、10〜500が好ましく、10〜100がより好ましい。X’はハロゲンであり、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
式(6)〜(9)において、aは0〜20の整数であり、好ましくは6〜12の整数である。R5及びR6は、水素又は炭素数1〜22のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜12のアルキル基である。
[ブロック共重合体]
本開示に係るブロック共重合体は、一又は複数の実施形態において、下記式で表される。下記式において、n、m、a、M、X、p、X’、R3,及びR6は、それぞれ上述のとおりである。
本開示には、一又は複数の実施形態において、本開示に係るブロック共重合体の遷移金属錯体Mを導入する前のブロック共重合体が含まれてもよい。該ブロック共重合体は、一又は複数の実施形態において、下記式で表される。下記式において、n、m、a、X、p、X’、R3,及びR6は、それぞれ上述のとおりである。
[ポリマー溶液]
本開示は、他の態様において、本開示に係るブロック共重合体と溶媒とを含むポリマー溶液に関する。該ポリマー溶液は、一又は複数の実施形態において、ミクロ相分離構造膜の製造に使用できる。該溶媒としては、ブロック共重合体を溶解可能なものを使用でき、一又は複数の実施形態において、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、二塩化エチレン、塩化メチル等が挙げられる。ポリマー溶液中におけるブロック共重合体の含有量としては、ミクロ相分離構造膜を製造する観点から、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5.0質量%とすることが挙げられる。本開示に係るポリマー溶液は、基材に塗布してアニールすることで、疎水性ポリマー成分のマトリックスに親水性ポリマー成分のシリンダー構造を備え、該シリンダー構造の周囲に該遷移金属錯体が配置されたミクロ相分離構造膜を得ることができる。
[ミクロ相分離構造膜]
本開示に係るブロック共重合体、あるいは本開示に係るポリマー溶液を用いて得られるミクロ相分離構造膜は、一又は複数の実施形態において、金属を含有する構成単位と2種類の絶縁相とからなる相分離構造を有する。2種類の絶縁相とは、疎水性ポリマー成分のマトリックスと該マトリックス中の親水性ポリマー成分のシリンダー構造である。該シリンダー構造は、一又は複数の実施形態において、マトリックス内で高度に配向され、さらなる一又は複数の実施形態において、マトリックス内で膜表面に対して垂直方向に配向する。本開示に係るブロック共重合体の遷移金属は、一又は複数の実施形態において、該シリンダー構造の周囲に配置される。
[ミクロ相分離構造膜の製造方法]
ミクロ相分離構造膜は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリマー溶液を基板表面に塗布し溶媒を除去することを含む。塗布後の膜をアニールすることで、簡単にミクロ相分離構造膜を得ることができる。一又は複数の実施形態において、ミクロ相分離構造膜の製造方法は、下記工程を含みうる。
本開示に係るポリマー溶液、又は、本開示に係るブロック共重合体を溶媒に溶解してポリマー溶液を調製する工程。
該ポリマー溶液を基板表面に塗布する工程。及び
該ポリマー溶液の溶媒を蒸発させてミクロ相分離構造を形成する工程。
ポリマー溶液を塗布する基板は、疎水性物質からなる基板や表面を疎水化処理した基板が好ましく用いられる。基板としては、一又は複数の実施形態において、ポリエステル、ポリイミド、雲母板、シリコンウエハ、石英板、ガラス板等の基板や、これらの基板表面をカーボン蒸着処理やシリル化処理等の疎水化処理を施した基板が好ましく用いられる。この時に用いられる基板の厚みには特に制限はない。
ポリマー溶液を基板表面に塗布する方法としては、特に制限はないが、一又は複数の実施形態において、キャスト又はスピンコート等の方法によって実施することができる。また、塗布量については、特に制限はないが、一又は複数の実施形態において、基板1cm2当たり0.002〜0.1mlが挙げられる。
塗布された塗膜を加熱することで、溶媒の除去及びアニールができる。基板の加熱温度は、一又は複数の実施形態において、ブロック共重合体の融点よりも高い温度が好ましい。また、加熱温度はブロック共重合体の分解温度よりも低くすることが好ましい。
一又は複数の実施形態において、加熱処理に加え、電場又は磁場の印加を施してもよい。電場又は磁場の印加を施す方法には特に制限はなく、従来公知の方法により実施することができる。なお、電場又は磁場を印加する場合、その大きさは、一又は複数の実施形態において、好ましくは30V/μm以上の電場、又は5テスラ以上の磁場である。電場又は磁場の印加は、ここで述べた熱処理による相分離構造の形成速度を加速する効果を有しうる。
その他の一又は複数の実施形態において、加熱処理に加え、基板表面の配向処理を施してもよい。基板表面の配向処理とは、液晶の配向処理と同様の方法が用いられ、基板表面をラビング処理、偏光処理による基板及び表面吸着層の面内異方的な分子配列処理等が挙げられる。
また、溶媒を蒸発させるに際して、基板表面に塗布されたポリマー溶液を、低い極性相と接触させてもよい。このような処理を施すことにより、得られるミクロ相分離構造膜の配向性が良好なものとなる。なお、低い極性相としては、例えば、空気、疎水性基板等が挙げられる。疎水性基板としては、上述したものと同様のものが用いられる。
その他の一又は複数の実施形態において、ミクロ相分離構造膜の製造方法は、下記工程を含みうる。
本開示に係るポリマー溶液、又は、本開示に係るブロック共重合体を溶媒に溶解してポリマー溶液を調製する工程。
該ポリマー溶液を液体に滴下する工程。
該ポリマー溶液の溶媒を蒸発させて得られる液体面展開膜を、疎水性物質からなる基板、又は表面を疎水化処理した基板に写し取る工程。及び、
上記基板を加熱処理して上記溶媒を蒸発させる工程。
上記実施形態で使用する前記液体としては、例えば水、電解質溶液、水銀、流動パラフィン、オクタノール等が挙げられる。滴下量は、好ましくは液体1cm2あたり1〜100滴である。液体面展開膜を基板に写し取る方法としては、基板を液体内に浸けて、液体表面に浮遊している液体展開膜に近づけて引き上げることにより、液体と基板表面に浮遊している液体展開膜を基板表面に写し取る方法が挙げられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、これらにより本発明は何ら制限
を受けるものではない。
Re錯体を導入したブロックコポリマー(化合物E)の合成
(化合物Aの合成)
フラスコにN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.77g(8.61mmol)、N,N'−ジメチルアミノピリジン146mg(1.20mmol)、脱水ジクロロメタン130mLを量り取り、室温で撹拌した。PEO122−OH5.22g(893μmol)を脱水ジクロロメタン20mLに溶解させ、反応容器に添加した。次いで、6−クロロニコチン酸1.38g(8.75mmol)を脱水テトラヒドロフラン43mLに溶解させ、反応容器へ投入した。窒素雰囲気下、60℃で還流しながら19時間撹拌後、反応溶液をろ過後、エバポレータを用いて溶媒を留去した。白色固体をクロロホルム/ジエチルエーテルで再沈殿後、エタノール中で再結晶し精製した。析出した固体を回収、真空乾燥して白色固体を得た。
収量5.12g(856μmol、収率96%)
(化合物Bの合成)
アルゴン雰囲気下で、上記で合成した化合物A 3.59g(432μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)48.6mg(42.0μmol)、トリメチルシリルアセチレン624mg(6.35mmol)、脱水トリエチルアミン12mLを量り取り、混合した。ヨウ化銅15mg(78.9μmol)を脱水テトラヒドロフラン70.9gに溶解させ、反応容器へ添加した。40℃オイルバス中で93時間撹拌後、エバポレータを用いて溶媒を留去した。残留固体にジクロロメタンを適量加え、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、ジクロロメタン)により銅−パラジウム錯体を除去した。エバポレータを用いて溶媒を留去した後、クロロホルム/ジエチルエーテルで再沈殿およびエタノール中で再結晶を行った。析出した固体を回収、真空乾燥して黄白色の固体を得た。
収量1.98g(328μmol、収率76%)
(化合物Cの合成)
アルゴン雰囲気下、試験管に11−(4−((E)−(4−butylstyryl)phenoxy)undecyl methacrylate(mCC)2.00g(3.95mmol)、(3−azidopropyl)bromoisobutyrate(APBIB)20.5mg(82.0μmol)、塩化銅(I)16mg(152μmol)、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン44μL(162μmol)、脱水テトラヒドロフラン2.70gを投入し、60℃オイルバス中で22時間撹拌させた。カラムクロマトグラフィー(アルミナ、クロロホルム)にて触媒を留去後、ヘキサンおよびメタノールで洗浄した。クロロホルム/ヘキサン中で再沈殿後、析出した固体を回収、真空乾燥して白色固体を得た。
収量1.79g(収率90%、Mn 30000、Mw 37000、Mw/Mn 1.24)
(化合物Dの合成)
アルゴン雰囲気下、上記で合成した化合物B 540mg(89.2μmol)、化合物C 805mg(26.7μmol)、フッ化テトラブチルアンモニウム126mg(400μmol)を脱水ジクロロメタン10.6gに溶解させた。次いで、臭化銅(I)15mg(105μmol)、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレント
リアミン15mg(87μmol)を脱水ジクロロメタン9.3gに溶解させ、反応容器へ添加した。35℃オイルバス中で69時間撹拌後、カラムクロマトグラフィー(アルミナ、テトラヒドロフラン)により銅錯体を除去し、エバポレータを用いて溶媒を留去した。残留固体をメタノールで洗浄後、クロロホルム/メタノール中で再沈殿を行った。析出した固体を回収、真空乾燥して黄白色の固体を得た。
収量729mg(20.1μmol、収率75%)
(化合物Eの合成)
アルゴン雰囲気下、上記で合成した化合物D 111mg(3.07μmol)、レニウムペンタカルボニルクロリド 8.2mg(20.2μmol)を脱水トルエン13.0gに溶解させ、105℃オイルバス中で17時間撹拌した。エバポレータを用いて溶媒を留去し、クロロホルム/アセトン中で再沈殿を行った。析出した固体を回収、真空乾燥して茶色固体を得た。
収量87mg(2.38μmol、収率78%)
<比較例>
Ru錯体を導入したブロックコポリマー(化合物F)の合成
アルゴン雰囲気下、上記で合成した化合物D 510mg(14.0μmol)、ジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー 102mg(167μmol)を脱
水トルエン63.6gに溶解させ、70℃オイルバス中で24時間撹拌した。2,2−ビピリジン806mg(516μmol)を脱水トルエン28.9gに溶解させ、反応溶液中に添加し、110℃オイルバス中で22時間還流させた。次いで、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム267mg(689μmol)を脱水クロロホルム19.7gに溶解させ、反応溶液に添加し、30℃オイルバス中で22時間撹拌した。イオン交換水100mLを投入し、反応をクエンチした。反応溶液をクロロホルムで抽出し、イオン交換水:飽和食塩水(vol比=1:1)で洗浄し、有機層に硫酸ナトリウムを加えて脱水させた。エバポレータを用いて溶媒を留去後、ヘキサンおよびメタノールで洗浄、次いでクロロホルム/メタノール中で再沈殿を行い、精製した。析出した固体を回収、真空乾燥して赤黒色固体(化合物F)を得た。
収量265mg(7.33μmol、収率52%)
[相分離構造評価]
Siウェハ上に製膜後の(表面)相分離構造評価
実施例(化合物E)および比較例(化合物F)のブロック共重合体の2wt%クロロホルム溶液を調製し、Siウェハ上に2000rpm、30秒間の条件でスピンコート塗布した。その後、真空下にて190℃、3時間の加熱処理(アニーリング処理)を行い、ミクロ相分離構造膜を得た。形成した膜をエスアイアイ・ナノテクノロジー社製Nano NaviII(E−sweep)を用いて以下の測定条件にて相分離構造を評価
した。
測定温度:室温
共振周波数:250〜390kHz
測定モード:タッピングモード
[斜入射X線小角散乱分析]
リガク社製NANO−Viewer(MicroMax−007HF)を用いてAFM評価用に作製した膜の斜入射X線小角散乱(GI−SAXS)分析を行った。得られる2次元SAXSパターンから1次元SAXSプロファイルを取得し、1次ピークに対する高次ピークの相対比を算出した。
実施例で得られたRe錯体を含む高分子薄膜においては、AFMを用いた構造解析により、ポリエチレンオキサイドブロック(親水性ポリマー成分)に由来する六方格子に配列したドットパターンが確認され、垂直シリンダー構造であることが示された(図1)。また、SAXS分析においてシリンダー構造に由来する1、31/2、2、71/2倍の位置にピークが観測され、垂直シリンダー構造を形成していることが確認できた。Re導入前のブロック共重合体(化合物D)と比較してシリンダー直径が1nm大きく、またポリメタクリレート鎖と同じqz付近、且つシリンダー1次ピークと同じqy付近に回折ピークが観測されたことから、膜厚方向にポリメタクリレート鎖と同周期でシリンダー構造の周囲にReがリング状に配列していることが示唆された。
一方、比較例で得られたRu錯体を含む高分子薄膜においては、AFM観察においてドットパターンの規則性が乱れており(図2)、またSAXS分析においても垂直シリンダー構造を示す関係は得られず、垂直シリンダー構造でないことが確認できた。
本発明のブロック共重合体を用いることで、下地の処理又はガイドを用いることなく、塗布してアニールするだけで垂直シリンダー構造を形成することができる。ナノメートルスケールのパターンを形成することができるため、光・電子機能高分子材料、エネルギー関連材料、表面修飾材料、パターンドメディア等の高密度記録材料等、ナノサイズ、ナノレベルの精度が求められている分野への適用可能性を有している。

Claims (9)

  1. 親水性ポリマー成分と疎水性ポリマー成分とが連結部を介して結合したブロック共重合体であって、
    前記親水性ポリマー成分が、ポリエチレンオキサイドを含み、
    前記疎水性ポリマー成分が、メソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートを含み、
    前記連結部が、下記式(1)で表される構造を含む、
    ブロック共重合体。
    [式(1)において、Mは遷移金属であり、Xは単座配位子である。]
  2. 下記式(2)で表される、請求項1記載のブロック共重合体。
    [式(2)において、R1はポリエチレンオキサイドを含む親水性ポリマー成分であり、
    2はメソゲン側鎖を有するポリ(メタ)アクリレートを含む疎水性ポリマー成分であり、Mは遷移金属であり、Xは単座配位子であり、pは2又は3である。]
  3. Mが、レニウム、オスミウム、イリジウム、タングステン、ルテニウム、ロジウム、モリブデン、鉄、コバルト、及びクロムからなる群から選択される遷移金属である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
  4. Xが、ハロゲン化物イオン、シアン化物イオン、アンモニア、ピリジン、及びトリフェニルホスフィンからなる群から選択される単座配位子である、請求項1ないし3のいずれかに記載のブロック共重合体。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のブロック共重合体及び溶媒を含む、ミクロ相分離構造膜を製造するためのポリマー溶液。
  6. 前記ミクロ相分離構造膜が、金属を含有する構成単位と2種類の絶縁相とからなる相分離構造を有するものである、請求項5記載のポリマー溶液。
  7. 前記ミクロ相分離構造膜が、前記疎水性ポリマー成分のマトリックスと、前記マトリックス内で膜表面に対して垂直方向に配向した前記親水性ポリマー成分のシリンダー構造と、前記シリンダー構造の周囲に配置された金属とを含む、請求項5又は6に記載のポリマー溶液。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載のポリマー溶液を使用して作製される、ミクロ相分離構造膜。
  9. 請求項5から7のいずれかに記載のポリマー溶液を基板表面に塗布すること、及び、溶媒を除去することを含む、ミクロ相分離構造膜の製造方法。
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