JP2009236606A - マスクパターン形成確認方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上のブロック共重合体のエッチングにより形成されたマスクパターンを、容易に確認できる方法を提供する。
【解決手段】ドメイン(A)と、ドメイン(A)より耐エッチング性が低いドメイン(B)からなるブロック共重合体の相分離構造を基に形成されるマスク状のパターン形成を確認する方法であって、前記ブロック共重合体を基板上に製膜し、規則構造を形成させ、エッチング処理を行った後のマスク状のパターンを、X線光電子分光(XPS)測定によって残存するドメインに含まれる元素と基板に含まれる元素を検出することによってマスク状のパターン形成を確認する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、基板上に形成されたマスクパターンを容易に確認する方法に関するものである。
電子部品の性能の高度化により、微細なパターンや構造の必要性はますます高まっている一方で、ナノメートルオーダーのパターニングが要求されるが、リソグラフィーのような精密さを必要としない分野もある。しかしながら、これまでは簡便なパターニング方法が存在しなかったため、このような分野でも電子線や深紫外線を用いたリソグラフィーによって微細なパターンを形成せざるを得なかった。上述したように、リソグラフィー技術では加工寸法が小さくなるほど操作が煩雑になるため、膨大な投資が必要になるという問題を避けられない。
リソグラフィー技術の代替策として、互いに非相溶な2種以上の重合体がそれらの末端で化学的に結合したブロック共重合体は、その秩序状態において安定に形成されるミクロ相分離構造を応用する試みが以前から報告されている。
例えば、P.Manskyらの報告(Appl.Phys.Lett.vol.68,No.18,p.2586)がある。この方法においては、まず、ポリスチレンとポリイソプレンとのブロック共重合体からなる海島型のミクロ相分離膜を基板上に形成する。次いで、ポリイソプレンをオゾン酸化によって分解して除去することにより、多孔質膜を形成する。こうして得られた多孔質膜をマスクとして用いて基板をエッチングすることによって、ミクロ相分離構造の転写されたパターンを基板に形成する。また、M.Parkらの報告(Science,vol.276,p.1401)によると、気相反応により片方のドメインに酸化オスミウムを導入して、エッチング耐性を向上させ、酸化オスミウムが選択的にドープされた相をマスクとして用いて、エッチングを行うことにより基板上にパターンの形成が可能である。こうしたブロック共重合体のミクロ相分離構造を用いた方法は、リソグラフィー技術と比較して簡便で低コストである。
しかし、構造の規則性に着目すると、一般にブロック重合体全体の構造が破壊されない温度で加熱することにより、ある程度の構造成長が実現できるが、各ドメインのミクロ相分離構造がランダムに配向したマルチドメインになるのが通常である。また、バルク材料の相分離構造においては、個々のドメインが無秩序の配向したマルチドメイン構造を与えるため、ミクロ相分離構造をリソグラフィー技術がもつ位置精度と同等の条件で利用することは困難である。
現在、様々な加工処理によって相分離構造の制御が可能となりつつある。基板の表面自由エネルギーを制御する手法(非特許文献1)や、基板の表面に凹凸構造を形成した上で相分離構造を形成する手法(特許文献1)、相分離構造を形成する際に電圧をかける(非特許文献2)、シェアリングする(非特許文献3)、有機溶媒雰囲気下にて熱処理を行う(非特許文献4)など、様々な手法が確立されつつある。
さらに、最近では容易に相分離構造を基板に対して配向させたり、均一な相分離構造を形成する技術が報告された(特許文献2、非特許文献5)。液晶ドメインを含むブロック共重合体に相分離構造を形成させることで、液晶の配向力によってある程度の規則性を持ったミクロ相分離構造の形成を可能とする手法である。
これらのように、基板への加工処理やポリマー膜への外的摂動を与える、またはブロック共重合体の分子設計に工夫を加えることで相分離構造を規則的に配列させる技術が確立し始めている。そこで、ブロック共重合体の片方のドメインを選択エッチングにより取り除き、残ったドメインをマスクとして基板への微細加工処理を行う手法もある程度の規則性をもった微細加工処理においてリソグラフィーの代替技術として注目されている(特許文献3、非特許文献6)。
これらの処理を実施する際、ポリマーのマスク形状が形成されているかを確認するためには、表面を原子間力顕微鏡(AFM)によって観察し2次元状(面内)の規則構造の確認をした後、基板とポリマー膜の断面を作製し、その断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの電子顕微鏡による観察を行うことでエッチングにより片方のドメインが基板まで除去されているかの確認が行われている。
しかしながら、SEM測定は表面の形状は観察可能であるが凹凸の差までは確認できないため、断面からの観察が必要となる。断面作製時には硬いものであれば破断するだけでも可能であるが、ポリマーなどの柔らかい試料では断面の作製が困難であり集束イオンビーム(FIB)加工処理によって断面を作製してから観察するなどの必要があり、装置が高価であることや処理に時間がかかる、または加工面は数μmのため観察部位を探すことが困難である等の問題がある。TEM観察も断面の形状確認が行えるが、ミクロトームによって超薄切片を作製する必要があり、これを作製するためにはかなりの技術を習得する必要がある。このように、電子顕微鏡での確認は試料の作成が困難で、ある程度の技術を習得している必要があり、装置も高価であるため容易に確認することは困難であるという課題があった。
特許第3926360号公報 特開2004−124088 特許第4012173号 Ad.Mater.2007,19,4552-4557 Sciencevol.273,931−933,1996 Naturevol.225,538−539(1970) J.Am.Chem.Soc.2003,125,12211−12216 Macromolecules2002,35,3739−3747 Nano Lett.2007,Vol.7,No.6,1516-1520
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、基板上のブロック共重合体のエッチングにより形成されたマスクパターンを、容易に確認できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、XPS測定を用いて基板上に形成されたマスクパターン元素分析を行うことにより、前記の目的を達成することを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、ドメイン(A)と、ドメイン(A)より耐エッチング性が低いドメイン(B)からなるブロック共重合体の相分離構造を基に形成されるマスク状のパターン形成を確認する方法であって、前記ブロック共重合体を基板上に製膜し、規則構造を形成させ、エッチング処理を行った後のマスク状のパターンを、X線光電子分光(XPS)測定によって残存するドメインに含まれる元素と基板に含まれる元素を検出することによってマスク状のパターン形成を確認する方法を提供するものである。
本発明のマスクパターンの形成方法によると、基板上のブロック共重合体のエッチングにより形成されたマスクパターンを、XPSによってマスク表面の元素を検出することにより、評価が困難である断面形状観察を行わず表面形状の観察のみでマスク形状の確認できるため、基板上に形成されたマスクパターンを簡便な方法で容易に確認でき、測定にかかるコストを低減できる。また、表面からの凹凸形状を確認できるAFM及び/又はSEMを併用することにより、容易にブロック共重合体の相分離構造を反映した微細なマスク状のパターン形成を確認できる。
本発明のマスクパターンの確認方法は、ドメイン(A)と、ドメイン(A)より耐エッチング性が低いドメイン(B)からなるブロック共重合体の相分離構造を基に形成されるマスク状のパターン形成を確認する方法であって、前記ブロック共重合体を基板上に製膜し、自己組織化させて規則構造を形成させ、エッチング処理を行った後のマスク状のパターンを、XPS測定によって残存するドメインを構成する元素と基板を構成する元素を検出することによってマスク状のパターン形成を確認する。
本発明に用いられるブロック共重合体のドメイン(A)と、ドメイン(B)としては、ドメイン(A)の耐エッチング性が高く、ドメイン(B)の耐エッチング性がドメイン(A)より低ければ特に限定されず、公知の成分により得られたブロック共重合体であれば良い。
このような、ドメイン(A)と(B)との組み合わせとしては、例えば、ドメイン(A)として芳香環を含有するポリマー成分(例えば、ポリスチレン、ポリスチレン誘導体、ポリビニルナフタレン、ビニルピリジン等)に由来する構造が好ましく、特にポリスチレン、ポリスチレン誘導体が好ましい。また、ドメイン(B)として、液晶性を示すポリマー成分に由来する構造が相分離構造の配向制御のために好ましく挙げられ、メソゲン側鎖を有する、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)ポリ(ビニルエーテル)等が挙げられ、ポリ(メタクリレート)、ポリ(アクリレート)が好ましい。
ドメイン(B)は、これらの中でも、特に、下記一般式(I)で表される繰り返し構造を有する化合物であると好ましい。
Figure 2009236606
(式中、Xは水素原子又はメチル基、aは0〜20の整数であり、R’は水素原子又は炭素数1〜22のアルキル基である)
メソゲン側鎖とは、例えば、下記一般式(II)で示されるような構造単位を1つ以上有するものが挙げられる。
D−Y1−E−(Y2−F)n−Y3−G (II)
(式中、Dは−CH2(CH2aCH2−(aは0〜20の整数)である。Y1は単結合、エーテル結合、エステル結合等の結合を表す。E、F及びGは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイルを表わし、GはR’(炭素数1〜22のアルキル基)で置換されていても良い。
Y2及びY3は、同一であっても異なっていてもよく、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−OCH2CH2CH2−、−CH=CH−CH2CH2−、−CH2CH2−CH=CH−、−N=N−、−CH=CH−C(=O)O−又は−OC(=O)−CH=CH−を表わし、nは0〜3の整数である。)
ブロック共重合体中に含まれるドメイン(A)の含有量としては、通常、重量分率で10〜50%であり、20〜40%であることが好ましい。重量分率は、例えばブロック共重合体の1H−NMR測定を行いそれぞれの成分の積分値より算出することができる。このブロック共重合体は、ミクロ相分離構造膜の製造に用いられ、得られるミクロ相分離構造膜は、垂直配向したシリンダーアレイ型相分離構造となる。このシリンダーアレイ型相分離構造膜においては、ドメイン(A)がシリンダー部分となり、その他の部分は液晶性を示すドメイン(B)からなる。従って、ドメイン(A)の重量分率を変えることにより、シリンダー部分の大きさや間隔を変化させることが可能である。すなわち、シリンダー部分の大きさを小さくしたい間隔を広くしたい場合には、ドメイン(A)の重量分率を低くし、シリンダー部分の大きさを大きくしたり、間隔を狭くしたいような場合には、ドメイン(A)の重量分率を高くすればよい。ドメイン(A)の重量分率は10〜50%の範囲で変化させることが好ましい。ドメイン(A)の重量分率が10%以上であれば、シリンダー部分の占める割合が十分であるため、垂直配向させてシリンダーアレイ型相分離構造を形成することができ、一方、50%以下であれば、シリンダー部分の占める割合が大きすぎず、垂直配向させてシリンダーアレイ型相分離構造を形成できる。
また、本発明で用いるブロック共重合体の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は1.5以下であることが好ましい。分子量分布が1.5以下であれば、配向方向がそろって均一なミクロ相分離構造膜が形成される。
なお、本明細書において、分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって測定したポリスチレン換算のMw及びMnより算出した値を意味する。
また、本発明で用いるブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5000〜100000であり、さらに好ましくは10000〜50000である。
本発明で用いるブロック共重合体を製膜する基板としては、ブロック共重合体が製膜できる基板であれば特に限定されず公知の基板を用いれば良く、例えば、平滑性のある基板、好ましくはブロック共重合体の主要成分に含まれない元素を含む基板(ポリイミド、雲母板、シリコンウエハ、石英板、ガラス板等の基板や、これらの基板表面をシリル化処理等の疎水化処理を施した基板)が用いられる。
基板表面にブロック共重合体を用いて膜を形成する方法としては、特に限定されないが、基板表面に塗布にて形成する方法が好ましく挙げられる。また、塗布以外にブロック共重合体を用いた膜を形成する方法としては、水面展開膜を基板に転写する方法(例えば、溶液を液体に滴下し、溶媒を蒸発させて得られる液体面展開膜を基板に写し取る方法や、ラングミュア−ブロジェット膜など)や溶融形成などの方法が挙げられる。
基板表面に塗布する方法としては、任意の方法を選択することができるが、通常、スピンコート、ローラー塗布、ディップ塗布、ブラシ塗布、スプレー塗布、カーテン塗布およびその他の方法が用いられる。
また、塗布する際の溶媒としては、ブロック共重合体が可溶の溶媒(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、二塩化エチレン、塩化メチル等があげられるが、可溶であれば特に制限はされない。)に製膜時に影響を受けない程度の濃度(好ましくは0.1〜5wt%)にて作製。基板への塗布方法も特に限定はされないが、膜厚が数十nm〜数百nm程度になるように作製することが望ましい。
次いで、上記溶媒を蒸発させてブロック共重合体のミクロ相分構造膜を形成する。溶媒を蒸発させる方法としては、例えば、基板を加熱する方法が挙げられる。基板を加熱する場合、加熱温度は、ブロック共重合体の両成分がある程度流動可能となる温度以上(例えばガラス転移点や融点、液晶相から等方相への等方相転移点など)で加熱することが好ましい。また、加熱温度はブロック共重合体の分解温度よりも低くすることが好ましい。加熱温度を上記範囲とすることにより、相分離構造を形成するのに十分な高分子の流動性を確保できる。高分子の流動性を確保した状態において温度を保持することで相分離構造が形成される。その際、基板表面に相分離構造を配向させるための処理を施してもよい。基板表面に相分離構造を配向させるための処理とは、液晶の配向処理と同様の方法が用いられ、基板表面をラビング処理、偏光処理による基板及び表面吸着層の面内異方的な分子配列処理等が挙げられる。この様な配向処理は必ず必要な処理ではなく、液晶成分を含んだブロック共重合体は加熱処理のみである程度の規則性のある基板に対して垂直に配向したヘキサゴナルシリンダー構造を形成することが可能である。
次に、上記方法で基板上に形成した相分離構造を有するポリマー膜をエッチング処理によって選択的にエッチングする。エッチング方法としては、特に限定されないが、ドライエッチングが好ましく挙げられる。ドライエッチングに対するポリマーの耐性はN/(Nc−No)というパラメーターにより評価することが一般的に知られている。
Nはポリマーのセグメント(モノマー単位に相当)当たりの原子の総数、Ncは炭素原子数、Noは酸素原子数である。このパラメーターは、ポリマーのドライエッチング耐性を示す指標であり、この値が大きいほどドライエッチングによるエッチング速度が大きくなる(ドライエッチング耐性が低下する)。すなわち、エッチング速度Vetchと上記パラメーターとの間には、Vetch ∝ N/(Nc−No)という関係がある。この傾向は、Ar、O2、CF4、H2などの各種エッチングガスの種類にほとんど依存しない(J.Electrochem.Soc.,130,143(1983)) 。エッチングガスとしては、上記の文献に記載されているAr、O2、CF4、H2の他にも、C26、CHF3、CH22、CF3Br、N2、NF3、Cl2、CCl4、HBr、SF6などを用いることができる。なお、このパラメーターと、シリコン、ガラス、金属などの無機物のエッチングとは無関係である。
一般に芳香環を含み二重結合が多いポリマーは相対的に炭素の比率が高くなるため、上記のパラメーターの値が小さくなる。上記のパラメーターからわかるように、ポリマー中の炭素が多い(上記パラメーター値が小さい)ほどドライエッチング耐性は向上し、酸素が多い(上記パラメーター値が大きい)ほどドライエッチング耐性は低下する。このことは、定性的には以下のように説明できる。炭素はラジカルに対する反応性が小さく、化学的に安定である。したがって、炭素が多いポリマーは各種ラジカルと反応しにくく、エッチング耐性が向上する。これに対し、酸素はラジカルに対する反応性が高いため、ポリマー中の酸素が多いとエッチング速度が速くエッチング耐性が低い。さらにポリマー中に酸素が含まれると酸素ラジカルが発生しやすい。このため、例えばCF4などのフッ素系のエッチングガスを用いると、酸素ラジカルの作用によりFラジカルが増殖し、エッチングに関与するラジカルが増加するためエッチング速度が増加する。アクリル系ポリマーは酸素含有率が高く、二重結合が少ないため、上記パラメーターの値が大きくなり、エッチングされやすくなる。そのためポリマーの選択的エッチングはCF4ガスやO2ガスを用いることが好ましい。
本発明においては、ドライエッチングの中でも選択的なエッチングをするには、イオンエッチング又は常圧プラズマによるエッチングが好ましい。
また、エッチング処理はこれらに限定されるものではなく、ウェットエッチング処理や熱分解処理による選択的除去、電子線などのエネルギー照射による分解を用いた選択的除去など選択的に除去できるものであれば良い。
前記ブロック共重合体の相分離構造の形成手法により相分離構造を形成させ、前記選択エッチング手法によってブロック共重合体の片方のドメインを選択的に除去し、その処理後にXPS測定を行い、ブロック共重合体内には存在していない、基板の元素(c)のピークを確認することでマスク作製が行われていることが確認できる。
この際、取り除くドメインにのみ存在する特徴的な元素(b)があることで、(b)の元素ピークがなくなったことと(c)の元素ピークが現れたこととを合わせて評価することで、より明確なマスク作製の確認ができるため好ましい。
また、残存するポリマー成分にも特徴となる元素(a)が含まれていると、(a)の元素ピークが残っている限り基板上にポリマーマスクが存在していることを明確に確認できるため好ましい。
このように、前記基板がドメイン(A)及び(B)に含まれない特徴的な元素を有しており、ドメイン(B)が前記基板及びドメイン(A)に含まれない特徴的な元素を有していると好ましく、例えば、前記基板に含まれる特徴的な元素がケイ素であり、ドメイン(B)に含まれる特徴的な元素が窒素であると好ましい。
しかしながら、一般的に微細加工処理を施す基板には炭素は含まれておらず、ポリマーには炭素が含まれているため、それらの差のみで確認することが可能であるため、ブロック共重合体に特徴的な元素(b)や(a)が必ずしも含まれている必要はない。
また、本発明において、XPS測定時の条件としては特に限定されず常法に従って測定すればよい。
さらに、本発明の確認方法において、XPS測定に加えて、一般にナノメートルオーダーの微細構造を有する膜の表面形状確認に用いられるAFMやSEMによる観察を組み合わせると好ましい。これらは断面形状の観察に比べれば比較的容易に行えるため、表面形状を確認し規則性の評価を行うことが可能である。装置の簡便さやコスト、前処理工程を少なくすることを考えるとAFM観察が好ましいが、ナノメートルオーダーの表面形状観察が可能であればこれに限られるものではない。
前記マスク作製時のXPS測定と合わせることで、マスクパターンの形状、規則性を確認した上でマスク作製が所望の通り行われたか容易に確認が可能となる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1
(1)ブロック共重合体PS−b−PMA(Az)の合成
(ポリスチレンマクロイニシエーターの合成)
シュレンク管にスチレン4.16g、2,2’−ビピリジル125mg、1−ブロモエチルベンゼン74mgを入れ、2回凍結脱気した後Ar置換した。そこへ臭化銅(I)57.4mgを入れ、密栓した後、凍結脱気を2回行った。減圧状態のまま室温で30分攪拌した後、110℃で23時間攪拌した。冷却後、クロロホルムを溶媒として中性アルミナカラムを通し、エバポレーターで濃縮した溶液をメタノールに2回再沈殿精製してポリスチレンマクロイニシエーターを得た。収量3.4g、GPC(溶媒テトラヒドロフラン:THF)によるMn:8900,Mw/Mn=1.27であった。
(ブロック共重合体PS−b−PMA(Az)の合成)
シュレンク管に、得られたポリスチレンマクロイニシエーター0.15g、塩化銅(I)5mg、11−[4−(4−ブチルフェニルアゾ)フェノキシ]ウンデシルメタクリレート(11-[4-(4-Butylphenylazo)phenoxy]undecyl Methacrylate)0.5gを入れ減圧脱気した後Ar置換した。そこへアニソール5mL、ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン(hexamethyltriethylenetetramine:HMTETA)11.7mgを入れ、密栓した後、凍結脱気を4回行った。減圧状態のまま室温で30分攪拌した後、80℃で23時間攪拌した。冷却後、THFを溶媒として中性アルミナカラムを通し、エバポレーターで濃縮した溶液をメタノールに2回再沈殿精製してブロック共重合体PS−b−PMA(Az)を得た。収量0.4g、GPC(THF)によるMn:23900,Mw/Mn=1.47、1H−NMR測定より算出したPSの重量分率は29%であった。
(2)製膜工程
(1)で得られたブロック共重合体PS−b−PMA(Az)の2wt%トルエン溶液を作製し、Si基板上に2500rpm、45秒の条件でスピンコート塗布した。その後、100℃で1分間プリベーク処理を行い、大気雰囲気下のオーブンにて140℃1時間の熱処理を行い、相分離構造を形成させた。ポリスチレンは耐エッチング性の高いドメインであり、メソゲン基には特徴的なN原子が含まれておりエッチング時に取り除かれていることを確認する指標となる。
このポリマー膜に酸素ガスによるRIE(リアクティブイオンエッチング)処理を次の条件(ガス流量30ccm、圧力13.3Pa、入射波110W、反射波10W)にて行いPMA(Az)ドメインを取り除いた。
(3)マスクパターンの確認評価
相分離構造を形成させた直後のサンプルと、約40秒RIE処理したもの、約90秒処理したもの、120秒処理したもの、また、参考としてブロック共重合体の製膜を設けていないSi基板に対し、XPS測定を実施し、その結果を表1に示した。
表1に示したように、相分離構造形成直後と40秒処理のものはポリマーに含まれる元素である、C、O及びN原子が検出されたが、90秒処理したものはCとO原子は多く検出されているものの、N原子はほぼなくなり代わりにSi原子が多く検出された。さらに処理時間が長くなった120秒処理のものではC原子の割合が減少し、SiとO原子の割合が多くなり、120秒処理したものはSi基板のXPS測定結果とほぼ同じ結果である。これらのことから、約90秒RIE処理を行ったものはN原子を含んだ耐エッチング性の低いPMA(Az)ドメインが取り除かれてSi基板が露出しており、炭素が主成分のPSドメインは基板上に残存しているといえる。また、処理時間が長くなると炭素の割合も小さくなったことからポリマーはほぼすべて取り除かれていることがわかる。
次いで、相分離構造形成直後のサンプルを原子間力顕微鏡(AFM)にて観察したところ、図1に示すように約20nm程度の円がヘキサゴナル状に並んだ相分離構造が確認された。
これに対し、90秒処理したもののAFM観察結果は図2のようになり、PSドメインがヘキサゴナル状に規則的に配列している様子が観察されたことから、ヘキサゴナルシリンダー状のマスクが形成されていることが確認できた。
Figure 2009236606
以上詳細に説明したように、本発明のマスクパターンの形成方法によると、基板上のブロック共重合体のエッチングにより形成されたマスクパターンを、XPSによってマスク表面の元素を検出することにより、評価が困難である断面形状観察を行わず表面形状の観察のみでマスク形状の確認ができるため、基板上に形成されたマスクパターンを簡便な方法で容易に確認でき、測定にかかるコストを低減できる。また、表面からの凹凸形状を確認できるAFM及び/又はSEMを併用することにより、容易にブロック共重合体の相分離構造を反映した微細なマスクパターン形状も確認できる。
したがって、本発明のマスクパターンの確認方法を用いることにより、電子部品等の性能の高度化、コストダウンに大きな寄与をすることが期待できる。
実施例1における相分離構造形成直後のサンプルのAFM像である。 実施例1におけるO2ガスによるRIE処理を90秒間実施したサンプルのAFM像である。

Claims (5)

  1. ドメイン(A)と、ドメイン(A)より耐エッチング性が低いドメイン(B)からなるブロック共重合体の相分離構造を基に形成されるマスク状のパターン形成を確認する方法であって、前記ブロック共重合体を基板上に製膜し、規則構造を形成させ、エッチング処理を行った後のマスク状のパターンを、X線光電子分光(XPS)測定によって残存するドメインに含まれる元素と基板に含まれる元素を検出することによってマスク状のパターン形成を確認する方法。
  2. 前記エッチング前後に、さらに原子間力顕微鏡(AFM)及び/又は走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行うことにより、前記ブロック共重合体の相分離構造を反映した微細なマスク状のパターン形成を確認する方法。
  3. 前記ブロック共重合体を基板上に製膜する方法が塗布である請求項1又は2に記載のマスク状のパターン形成を確認する方法。
  4. 前記基板がドメイン(A)及び(B)に含まれない特徴的な元素を有しており、ドメイン(B)が前記基板及びドメイン(A)に含まれない特徴的な元素を有している請求項1〜3のいずれかに記載のマスク状のパターン形成を確認する方法。
  5. 前記基板に含まれる特徴的な元素がケイ素であり、ドメイン(B)に含まれる特徴的な元素が窒素である請求項4に記載のマスク状のパターン形成を確認する方法。
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