JP6524567B1 - 熱電素子、熱電装置、及び熱電素子の形成方法 - Google Patents

熱電素子、熱電装置、及び熱電素子の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】形成が容易で、安定した特性を得られる熱電素子、熱電装置、及び熱電素子の製造方法を提供する。【解決手段】熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子10であって、第1電極部3と、前記第1電極部3とは異なる仕事関数を有し、第1基板1の同一面上に前記第1電極部3と離間して配置する第2電極部4と、前記第1電極部3と前記第2電極部4との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部5と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子、熱電装置、及び熱電素子の形成方法に関する。
近年、熱エネルギー(絶対温度)を利用して電気エネルギーを生成する熱電素子の開発が盛んに行われている。特に、電極部の有する仕事関数の差分を利用した電気エネルギーの生成に関し、例えば特許文献1に開示された熱電素子等が提案されている。このような熱電素子は、電極に与える温度差を利用して電気エネルギーを生成する構成に比べて、様々な用途への利用が期待されている。
特許文献1では、エミッタ電極部と、コレクタ電極部と、前記エミッタ電極部及び前記コレクタ電極部の表面に分散して配置され、前記エミッタ電極部及び前記コレクタ電極部をサブミクロン間隔で離間する電気絶縁性の球状ナノビーズとを備え、前記エミッタ電極部の仕事関数は前記コレクタ電極部の仕事関数よりも小さく、前記球状ナノビーズの粒子径は100nm以下である、熱電素子が開示されている。
特許第6147901号公報
ここで、熱電素子を熱電装置として用いる場合、得られる電流や電圧を高くするために、電極部分を積層した構成(積層体)が要求される。しかしながら、電極部分が直列に接続された積層体では、電極部分が1ヵ所でも短絡すると、異常発熱等を引き起こす恐れがある。このため、電極部分を積層した構成では、特性が安定しないことが懸念として挙げられる。
さらに、従来の前記球状ナノビーズの粒子を用いた熱電素子の電極構造は、微細なギャップを2枚の電極面で構成するもので、微小スペーサーあるいはナノビーズ糖を用いて微小ギャップ量を調整していた。このような従来のギャップ構造では、微小ギャップの形成がスペーサーの高さ精度で決定される、あるいは電極面内でのギャップの均一化が電極面精度に依存するので、形成が困難であった。
さらに、ギャップを設計通りに設定するのが困難であることから、出力安定の低下や、製造プロセスの複雑性からプロセスコストの増大につながり、実用性に対して問題があった。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、形成が容易で、安定した特性を得られる熱電素子、熱電装置、及び熱電素子の形成方法を提供することにある。
第1発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、第1電極部と、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して配置される第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部とを備え、前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接することを特徴とする。
第2発明に係る熱電素子は、第1発明において、前記第1電極部と前記第2電極部は、各々櫛歯状の形状であることを特徴とする。
第3発明に係る熱電素子は、第1発明において、前記第1電極部と前記第2電極部は、各々渦状または環状の形状であることを特徴とする。
第4発明に係る熱電素子は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記第1電極部と、前記第2電極部との間の第1距離は、10μm以下であり、前記ナノ粒子の直径は、前記第1距離の1/10以下であることを特徴とする。
第5発明に係る熱電素子は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記ナノ粒子は、表面に設けられた前記ナノ粒子とは異なる材料の皮膜を有し、前記皮膜の厚さは、0.2nm以上5.0nm以下であることを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記中間部は、60℃以上の沸点を有する前記溶媒を含むことを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記中間部は、当該中間部に接する第2基板と絶縁部とを、さらに有することを特徴とする。
第8発明に係る熱電装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電装置であって、絶縁性を有する第1基板と、第1電極部と、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して配置された第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部と、をそれぞれ有し、前記第1電極部及び前記第2電極部と電気的に接続された第1配線及び第2配線と、を備え、前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接することを特徴とする。
発明に係る熱電装置は、第発明において、前記第1電極部と前記第2電極部は、各々櫛歯状の形状であること特徴とする。
10発明に係る熱電装置は、第発明において、前記第1電極部と前記第2電極部は、各々渦状または環状の形状であること特徴とする。
11発明に係る熱電装置は、第発明〜第10発明の何れかにおいて、前記中間部は、当該中間部に接する第2基板および絶縁部を有すること特徴とする。
第12発明に係る熱電素子の形成方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の形成方法であって、第1基板上に第1電極を形成する第1工程と、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して第2電極部を形成する第2工程と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部を形成する第3工程と、を備え、前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接することを特徴とする。
13発明に係る熱電素子の形成方法は、第12発明において、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の形成方法であって、前記第1工程と前記第2工程は、前記第1電極部と前記第2電極部とを各々櫛歯状に形成することを特徴とする。
14発明に係る熱電素子の形成方法は、第12発明において、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の形成方法であって、前記第1電極部と前記第2電極部とを各々渦状または環状に形成することを特徴とする。
15発明に係る熱電素子の形成方法は、第12発明〜第14発明の何れかにおいて、前記第3工程は、前記第1工程、前記第2工程の後に行われ、前記中間部に接する第2基板および絶縁部を形成する形成工程とをさらに有することを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、第1電極部と第2電極部は、第1基板の同一面上に薄く広い面積の形状の構成を有する。これにより、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。従って、形成が容易で、安定した特性を実現することが可能となる。
さらに、同一第1基板上に電極を形成するので、温度変化の際にも電極間のギャップは変化せず、一定にすることができ、これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。また、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
特に、第2発明および第3発明によれば、第1基板の同一面上の電極部の形状は、櫛形、渦状または環状の熱電素子の構成を有する。このため、第1基板の面積や電極部の組み合わせによる最適な構成とすることができる。これにより、設置場所や用途に応じ、効率的で安定した特性を得ることができる。電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計値通りに設定できる。さらに、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきも低く抑えられる。
特に、第発明によれば、中間部はナノ粒子が充填され、絶縁部で中間部は封じられた熱電素子の構成を有する。このため、電極やナノ粒子の劣化を抑制できる。これにより、安定した特性を得ることが可能となる。
発明〜第11発明によれば、第1電極部と第2電極部は、第1基板の同一面上に薄く広い面積の形状の構成を有する。これにより、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。従って、形成が容易で、安定した特性を実現することが可能となる。
発明〜第11発明によれば、第1電極部と第2電極部は、第1基板の同一面上に薄く広い面積の形状の構成を有し、第1電極部及び第2電極部と電気的に接続された第1配線及び第2配線を自由に配置できる。これにより、設置場所や用途に応じ、効率的で安定した設計及び特性を得ることができる。さらに、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計値通りに設定できる。また、複数熱電素子を製作した際の勢の性能のばらつきも低く抑えられる。電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
特に、第発明および第10発明によれば、第1基板の同一面上の電極部の形状は、櫛形、渦状または環状の熱電装置の構成を有する。このため、第1基板の面積や電極部の組み合わせによる最適な構成とすることができる。これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。また、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
特に、第11発明によれば、中間部はナノ粒子が充填され、絶縁部で中間部を封じる熱電装置の構成を有する。これにより、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。
12発明及び第15発明によれば、第1基板上に第1電極を形成し、その後に、第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極を基板の同一面上に、第1電極部と離間させ、中間部を形成する。これにより、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。従って、形成が容易で、安定した特性を実現することが可能となる。
また、各電極部の形状に数(櫛歯状の場合は櫛の駆使の本数、渦状または環状の場合は環または渦の巻き数)に応じて熱電素子を同一第1基板上に電極を形成するので、温度変化の際にも電極間のギャップは変化せず、一定にすることができる。これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。また、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
図1(a)は、実施形態における櫛歯状の熱電素子及び熱電装置の構成の一例を示す図1(b)におけるB−Bの模式断面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−Aの模式断面図である。 図2(a)は、中間部の一例を示す模式断面図であり、図2(b)は、中間部の他の例を示す模式断面図である。 図3は、実施形態における熱電素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4は、本実施形態における熱電素子の製造方法の第1例(櫛歯状)を示すフローチャートである。 図5は、本実施形態における熱電素子の製造方法の第2例を示すフローチャートである。 図6(a)〜図6(f)は、本実施形態における熱電素子の製造方法の第1変形例を示す模式断面図である。 図7(a)〜図7(e)は、本実施形態における熱電素子の製造方法の第2変形例を示す模式断面図である。 図8(a)は、実施形態における渦状の熱電素子及び熱電装置の構成の一例を示す図8(b)におけるB−Bの模式断面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるA−Aの模式断面図である。図8(c)は、実施形態における環状の熱電素子及び熱電装置の構成の一例を示す図8(d)におけるB−Bの模式断面図であり、図8(d)は、図8(c)におけるA−Aの模式断面図である。
以下、本発明の実施形態における熱電素子及び熱電装置の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において各基板、各電極部等の積層される方向を積層方向Zとし、積層方向Zと交わる方向をそれぞれ第1方向X及び第2方向Yとする。
(熱電素子10、熱電装置100の構成)
図1を参照して、本実施形態における熱電素子10および熱電装置100の構成の一例について説明する。図1(a)は、本実施形態における櫛歯状の熱電素子10および熱電装置100を示す模式断面図であり、図1(a)は、図1(b)におけるB−Bの模式平面断面図である。
図1(b)は、本実施形態における櫛歯状の熱電素子10および熱電装置100を示す模式断面図であり、図1(a)におけるA−Aの模式平面断面図である。
図1に示すように、熱電装置100は、熱電素子10において生成された電流を、第1配線101及び第2配線102に接続された負荷Rへ供給する。熱電装置100は、例えば太陽光発電への応用のほか、例えばIoT(Internet of Things)デバイス、ウェアラブル機器等のモバイル機器又は自立型センサ端末内に設けられ、電池の代替又は補助として用いることができる。
熱電素子10は、例えば電子デバイスのCPU(Central Processing Unit)、自動車のエンジン、工場の生産設備等を熱源として発生した熱エネルギーを、電気エネルギーに変換し、電流を生成することができる。熱電素子10は、ベースとなる第1基板の上に形成され、例えば、アノード(第1電極部3:例えばアルミニウム)とカソード(第2電極部4:例えばプラチナ)を備え、例えばさらに中間部5と絶縁部6を備える。
<基板>
基板は、熱電素子10のベースとなるもので、平面の形状を有しており、その平面上に複数の電極を形成する。基板は、熱電素子10の土台となる下側の第1基板1と、蓋をする上側の第2基板2の計2枚を有する。この下側の第1基板1と上側の第2基板2の間に、第1電極部3、第2電極部4、および中間部5が配置される。この中間部5にはナノ粒子が充填される。この基板は、絶縁性を有するほか、例えば平滑性、耐熱性、又は低熱膨張性等に優れた特性を有することが好ましい。第1基板1及び第2基板2は、例えば薄板状のシリコンやガラス、又は樹脂(ポリイミド)等の材料を用いたフィルム状であり、材料としてPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、又はポリイミドが用いられるほか、例えば単結晶シリコンやガラスが用いられてもよい。基板の形状は、正方形、長方形、その他、円盤状であってもよい。
<熱電素子>
熱電素子10は、第1基板1の上面方向Yに配置される。熱電素子10の素材は、一例として、アノード電極にはアルミニウム(Al)とし、カソード電極にはプラチナ(Pt)が使用され、それらにより、電極が各々形成される。熱電素子10(第1電極部3、第2電極部4)は複数の配線(配線101、配線102)と接続される。
本実施形態によれば、第1電極部3と第2電極部4は、各々櫛歯状の形状を有しており、第1基板1の同一の平面上に互いに離間して隣接された状態で配置される。図1(a)において、第1電極部3の櫛歯は2本、第2電極部4の櫛歯は3本としたが、この櫛歯の本数は第1電極部3と第2電極部4において、同数でなくてもよい。
さらに、図1(b)において、第1電極部3と第2電極部4の第1方向Xの高さはそろっている例を示したが、これら高さは均一である必要はなく、第1電極部3の各々、第2電極部4の各々の高さに相違があってもよい。この第1電極部3と第2電極部4の離間(隙間)は、第1基板1の面積に対して狭い方が好ましい。
熱電素子10は、熱エネルギーが与えられると、第1電極部3及び第2電極部4から、中間部5に向けて熱電子が放出される。放出された熱電子は、中間部5内に分散されたナノ粒子を介して、第1電極部3又は第2電極部4に伝搬される。
<配線>
配線101及び102は、第1基板1上に形成される熱電素子10に接続され、熱電素子10の端子(端子104、端子105)から第2方向Yに伸びる。配線および端子は、導電性を有するほか、例えば埋め込み性、耐熱性、又は低熱膨張性等に優れた特性を有することが好ましい。配線として、例えばニッケル、銅、銀、金、タングステン、又はチタンを用いることができる。
<電極部>
第1電極部3と第2電極部4は、第1基板1の上面に形成され、第1電極部3と第2電極部4は、電気的に離間する。第1方向X及び第2方向Yにおいて、第1電極部3及び第2電極部4の厚さは、例えば1nm以上50nm以下である。第1電極部3と、第2電極部4の間の距離(第1距離:電極間ギャップ)は、例えば10μm以下であり、好ましくは10nm以上100nm以下である。
第1電極部3は、第2電極部4の仕事関数とは異なる仕事関数を有する。本実施形態では、第1電極部3の仕事関数は、第2電極部4の仕事関数よりも小さい。なお、本実施形態において第1電極部3カソード(陰極:−)、及び第2電極部4をアノード(陽極:+)として説明するが、第1電極部3を陽極、及び第2電極部4を陰極としてもよい。この場合、第1電極部3の仕事関数は、第2電極部4の仕事関数よりも大きい。
例えば、第1電極部3としてタングステン(仕事関数:4.55eV)が用いられるとき、第2電極部4として白金(仕事関数:5.65eV)が用いられる。例えば、第1電極部3及び第2電極部4として、アルミニウム、チタンのほか、多層膜が用いられてもよく、仕事関数に応じて用いる材料を任意に選択してもよい。なお、第1電極部3及び第2電極部4の形成は、金属材料の蒸着、スパッタリング、又はインク化した金属材料をスクリーン印刷やインクジェット塗布等の方法で行うことで実現できる。
<中間部>
中間部5は、第1電極部3と第2電極部4との間に接して設けられる。中間部5は、例えばナノ粒子と、溶媒とを含む。中間部5は、例えばナノ粒子を分散した溶媒が充填された状態となる。
中間部5は、図2(a)に示すように、例えばナノ粒子15と、溶媒16を含む。中間部5は、例えばナノ粒子15を分散した溶媒16が充填された状態でとなる。中間部5は、例えば図2(b)に示すように、溶媒16を含まなくてもよく、ナノ粒子15のみが充填された状態を示してもよい。また、例えば図1(b)に示すように、絶縁部6で封止、あるいは、熱電素子10が囲まれてもよい(図示せず)。
<ナノ粒子>
図2(a)を参照して、本実施形態における熱電素子10および熱電装置100の構成の一例について説明する。ナノ粒子15は、第1電極部3の仕事関数と、第2電極部4の仕事関数との間の仕事関数を有し、例えば3.0eV以上5.5eV以下の仕事関数を有する。ナノ粒子15として、例えば金及び銀の少なくとも何れかが用いられるほか、例えば上記の仕事関数の範囲を満たす材料が用いられてもよい。
ナノ粒子15として、例えば電極間ギャップの1/10以下である粒子径が用いられ、具体的には2nm以上10nm以下の粒子径が用いられるほか、例えば平均粒径(D50)3nm以上8nm以下の粒子径が用いられてもよい。なお、平均粒径は、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII−EX150等)により測定することができる。
ナノ粒子15は、例えば表面に設けられたナノ粒子とは異なる材料の皮膜15aを有する。その被膜15aとして、例えばシリコン酸化物又はアルミナ等の金属酸化物が用いられるほか、例えばアルカンチオール等の有機化合物や、シリコン等の半導体が用いられてもよい。被膜15aの厚さは、例えば0.2nm以上5.0nm以下である。
溶媒として、沸点が60℃以上の液体が用いられ、例えば有機溶媒及び水の少なくとも何れかが用いられる。有機溶媒として、例えばメタノール、エタノール、トルエン、キシレン、アルカンチオール、テトラデカン等が用いられる。
本実施形態によれば、熱電素子10に熱エネルギーが与えられると、第1電極部3及び第2電極部4から、中間部5に向けて熱電子eが放出される。放出された熱電子は、中間部5内に分散されたナノ粒子15を介して、第1電極部3又は第2電極部4に伝搬される。
ここで、放出される熱電子の量は、各電極部の仕事関数に依存し、仕事関数が小さい材料ほど多く放出される傾向を示す。すなわち、第2電極部4よりも仕事関数の小さい第1電極部3から、熱電子が多く放出される。このため、中間部5に放出された全熱電子のうち、第2電極部4から第1電極部3へ移動する熱電子の量に比べて、第1電極部3から第2電極部4へ移動する熱電子の量が多い傾向を示す。これにより、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、第2電極部4から第1電極部3に向かう電流が生成される。
第1電極部3から放出される熱電子の度合いは、主に、熱エネルギーに依存するほか、第1電極部3の仕事関数及び第2電極部4の仕事関数、並びに電極間ギャップに依存する。このため、第1電極部3と第2電極部4との間の距離を短くすることにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
特に、第1電極部3として、高融点金属(refractory metal)以外の1層から構成されていることが望ましい。ここで、高融点金属とは、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、レニウムを示す。第1電極部3として、例えばアルミニウム、ケイ素、六ほう化ランタン(LaB6)、又はグラフェン等のカーボン系材料の何れかが用いられる。特に、アルミニウムは加工性に優れ、ケイ素は生産性に優れ、六ほう化ランタンは仕事関数が小さいため、用途に応じて材料を選択することができる。また、上述した材料は、何れも高温下にて用いることができる。これにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
ナノ粒子を分散させた溶媒16は、第2基板2と、第1電極部3および第2電極部4との間、並びに第1電極部3と第2電極部4との間における極小の空間に、例えば、毛細管現象などを利用して充填され、中間部5が形成される。その後に中間部5を封止する。この封止には、絶縁性を有している材料であれば良く、例えば、基板などと同種の材料であればよい。
<絶縁部>
絶縁部6は、図1(a)および図1(b)に示すように、第1基板が第1電極部3及び第2電極部4と接していない箇所に設けられ、中間部5に含まれるナノ粒子の流出を封止する。図1(a)および図(b)において、熱電素子10のそれぞれ第1方向X側の側面に絶縁部6を有しているが、熱電素子10の第1基板の外側または第1電極部3および第2電極部4の配線101、102側(端子側)に設けてもよい。
なお、絶縁部6は、絶縁性を有した材料であることが好ましく、例えば、基板と同じ種類の材料であってもよい。例えば平滑性、耐熱性、又は低熱膨張性等に優れた特性を有することが好ましい。例えば薄板状のシリコンやガラス、又は樹脂(ポリイミド)等の材料を用いたフィルム状であり、材料としてPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、又はポリイミドが用いられるほか、例えば単結晶シリコンやガラスが用いられてもよい。
(熱電素子10の製造方法)
次に、図3〜図7を参照して、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例について説明する。図3〜5は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例を示すフローチャートである。図6及び図7は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例を示す模式断面図である。
図3に示すように、本実施形態における熱電素子10の製造方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の形成方法であって、第1基板上に第1電極を形成する第1工程(S110)と、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して第2電極部を形成する第2工程(S120)と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子を含む中間部を形成する第3工程(S130)とを備える。
図4は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例で、2種類の金属を2回のプロセスで別々に分けて形成する処理を示すフローチャートである。図6は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例で、2種類の金属を2回のプロセスで別々に分けて形成する処理を示す模式断面図であり、上記S110〜S130の各工程を含む。
<ステップ211〜ステップ213>
まず、S211において、第1電極部3と第2電極部4を形成にする第1基板を形成する第1基板は、ガラスあるいはシリコン、または耐熱性の樹脂基板(ポリイミド等)が用いられ、第1基板1の表面に形成する第1電極部3の形成のための準備が行われる。
次に、S212において、第1基板1に上面に最初の金属(一例として、アルミニウム)が第1電極部3として、例えばスパッタリング方法により、第1基板1の表面上に形成される。これは、第1電極部3に使用する薄膜原料となるアルミニウムを所定の機器(チャンバー:図示せず)に第1基板1をセットした後、真空状態とし、その後にアルゴンガスを注入するなどの処理を行い、アルミニウムの薄膜形成の処理を行う。
S213において、第1基板1に電極部のパターン描写(櫛歯状、渦状または環状などの1対の片方のパターン)、レジスト、露光などの処理を行い、現像および硬膜の処理を行い、未露光部分からレジストを除去する。
この後に、アルミニウム部分を露出させ、レジストに覆われていないアルミニウムの露出部を溶解除去し、アルミニウムの薄膜を形成した後、エッチング処理を行い、第1電極部3の形状(櫛歯状、渦状または環状)の通りに加工を行う。その後、剥離処理を行い、エッチング加工した第1基板1の表面上のレジストを除去する。
<ステップ214〜ステップ215>
S214において、S213までの工程で形成した後、第2の金属(一例として、プラチナ)が第2電極部4として、例えばスパッタリング方法により、第1電極部3を形成した第1基板1の同一面上に対して行われる。本工程では、第2電極部4に使用する薄膜原料となるプラチナを所定の機器(チャンバー:図示せず)に第1電極部3がエッチングされた第1基板1をセットした後、真空状態とし、その後にアルゴンガスを注入するなどの処理を行い、プラチナの薄膜形成の処理を行う。
S215において、第1基板1の第1電極部3のパターン描写(櫛歯状、渦状または環状などの他の1対の残パターン)、レジスト、露光などの処理を行い、現像および硬膜の処理を行い、未露光部分からレジストを除去する。
その後、プラチナ部分を露出させ、レジストに覆われていない金属の露出部を溶解除去し、アルミニウムの薄膜を形成した後、エッチング処理を行い、第2電極部4の形状(櫛歯状、渦状または環状)の通りに加工を行う。その後、剥離処理を行い、エッチング加工した第1基板1の表面上のレジストを除去する。このような工程を行い、第1基板1の同一表面上に第1電極部3と第2電極部4の各々のパターンを離間して形成することができる。
<ステップ216〜ステップ218>
次に、ナノ粒子15及び溶媒16を含む中間部5を形成する。中間部5は、表面に形成された第1電極部3及び第2電極部4と、第2基板2と、絶縁部6によるシーリングした間に形成される。この空間(中間部5)の微小空間(未充填部分)にナノ粒子15を充填し、これにより、熱電素子の変換部が形成される。
例えば、基板1、2及び第1電極部3、第2電極部4及び絶縁部6からなる熱電素子10をナノ粒子15の原液に浸すことで、毛細管現象によって中間部5の微小空間(未充填部分)に充填することができる。中間部5は、第2方向Yにおける側面からシーリングされていない所定箇所からに充填される。
そして、第1電極部3と第2電極部4に各々端子(端子104、端子105)が形成され、その各端子(端子104、端子105)に、各配線(配線104、配線105)が形成される。
なお、他の形成方法として、例えば半導体素子形成プロセスで用いられる手法で実現してもよく、例えばスクリーン印刷法、エッチング法、インクジェット法、及びメッキ法の少なくとも何れかを用いて形成される。
ここで、図6(a)〜図6(f)は、図4の本実施形態における熱電素子の製造方法の例を示す模式断面図であり、上記S110〜S130の各工程を含む。
図6(a)〜(c)は、図4のS211〜S213の各工程に相当し、第1基板1を形成し、第1基板1の表面上にアルミニウムの薄膜を形成し、その後、第1電極部3が形成される。この場合、電極部のいずれか1方のパターンのみ形成される。
図6(d)〜(e)は、図4のS214〜S215に相当し、第1電極部3を形成した第1基板1に第2電極部4を形成する。
図6(f)は、図4のS216〜S218の各工程に相当し、中間部5の形成、中間部5の微小空間を確保するためのシーリング、ナノ粒子15の充填と充填したナノ粒子15の封止のためのシーリングである絶縁部6で形成する。
また、本実施形態によれば、同一面上の電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。
さらに、同一基板上に各々の電極部を形成するので、温度変化の際にも電極間のギャップは変化せず、一定にすることができ、これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。さらに、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
(熱電素子10の製造方法の変形例)
次に、図5を参照して、本実施形態における熱電素子10の製造方法の変形例について説明する。図5は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の変形例を示すフローチャートであり、1種類の金属で電極パターンを形成した後、アノードあるはカソードのいずれか一方の金属を電解メッキ法で形成する処理を示すフローチャートである。図7は、本実施形態における熱電素子10の製造方法の一例で、1種類の金属で電極パターンを形成した後、アノードあるはカソードのいずれか一方の金属を電解メッキ法で形成する処理を示す模式断面図である。
<ステップ311〜ステップ313>
まず、S311において、第1電極部3と第2電極部4を形成にする基板を形成する基板は、ガラスあるいはシリコン、または耐熱性の樹脂基板(ポリイミド等)が用いられ、第1基板1の表面に形成する第1電極部3(あるいは第2電極部4)の形成のための準備が行う。
次に、S312において、第1基板1に上面に最初の金属(一例として、アルミニウム)が第1電極部3として、スパッタリング方法により、第1基板1の表面上に形成される。これは、第1電極部3に使用する薄膜原料となるアルミニウムを所定の機器(チャンバー:図示せず)に第1基板1をセットした後、真空状態とし、その後にアルゴンガスを注入するなどの処理を行い、アルミニウムの薄膜形成の処理を行う。
S313において、第1基板1に電極部のパターン描写(櫛歯状、渦状または環状などの1対の2つのパターン)、レジスト、露光などの処理を行い、現像および硬膜の処理を行い、未露光部分からレジストを除去する。ここでは、1種類の金属で全電極部のパターンを形成し、その上に、第2電極部4の金属をカバーするため、最初の形成では1対の2つのパターンとなる。
<ステップ314>
まず、S314において、すでに形成された第1電極部3で形成された全パターンの中から、第2電極部4に相当する部分の箇所に対してのみ、電解メッキ法で部分的に被膜する。
このような工程を行い、第1基板1の同一表面上に形成した第1電極部3のうち、第2電極部4で形成する部分のみ電解メッキ法により別の金属材で電気的にも構造的にも離間して形成することができる。
<ステップ315〜ステップ317>
次に、ナノ粒子及び溶媒を含む中間部5を形成する。中間部5は、表面に形成された第1電極部3及び第2電極部4と、基板2と、絶縁部6によるシーリングした間に形成される。この空間(中間部5)の微小空間(未充填部分)にナノ粒子15を充填し、これにより、熱電素子の変換部が形成される。
例えば、基板1、2及び第1電極部3、第2電極部4及び絶縁部6からなる熱電素子10をナノ粒子15の原液に浸すことで、毛細管現象によって中間部5の微小空間(未充填部分)に充填することができる。中間部5は、第2方向Yにおける側面からシーリングされていない所定箇所からに充填される。その後、例えば積層部の側面を絶縁材料等で覆うことで、中間部5の充填不良等を抑制することができる。
ここで、図7(a)〜図7(f)は、前述の図5の本実施形態における熱電素子の製造方法の例を示す模式断面図である。
図7(a)〜(c)は、図5のS311〜S313の各工程に相当し、第1基板1を形成し、第1基板1の表面上にアルミニウムの薄膜を全てのパターンでスパッター処理し、その後、第1電極部3で全パターンの電極部を1度に形成する。
図7(d)は、図5のS314に相当し、第1電極部3で形成した第2電極部4に相当する箇所に、部分的に電解メッキを行い、第2電極部4を形成する。図7(e)は、図5のS315〜S318に相当し、中間部5の形成、中間部5の微小空間を確保するためのシーリング、ナノ粒子15の充填と充填したナノ粒子15の封止のためのシーリングである絶縁部6で形成する。
また、本実施形態によれば、同一面上の電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。
さらに、同一基板上に各々の電極部を形成するので、温度変化の際にも電極間のギャップは変化せず、一定にすることができ、これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。さらに、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
図8(a)及び図8(b)に、実施形態における渦状の熱電素子及び熱電装置の構成の一例を示す。図8(a)は、図8(b)におけるB−Bの模式断面図であり、渦巻状の1対(2本)の各々電極部を備え、渦巻きの一方が第1電極部3の渦状のパターンであり、他方の渦状のパターンが第2電極部4となる。各々第1電極部3と第2電極部4は離間して第1基板1の平面状に形成される。中間部5は絶縁部でシーリングされ、ナノ粒子15が充填される。
また、図8(c)及び図8(d)に、実施形態における環状の熱電素子及び熱電装置の構成の一例を示す。図8(c)は、図8(d)におけるB−Bの模式断面図であり、異なる直径の環状のパターンの組み合わせとなる。各々電極部を備え、環状のパターンに通電させるため、環状の中心には直線のパターンとの組み合わせとなる。中間部5の内部にはナノ粒子15が充填する。中間部5は、ナノ粒子の充填がしやすいように内部で閉ざされておらず、自由に行き来できるパターンとなっている。
図8(a)、(c)の渦状または環状の形状は、各電極部の形状に数(櫛歯状の場合は櫛の駆使の本数、渦状または環状の場合は環または渦の巻き数)に応じて熱電素子を同一基板上に電極を形成するので、温度変化の際にも電極間のギャップは変化せず、一定にすることができる。これにより、温度変化した際にも安定した出力特性を得ることが可能となる。また、各電極部および中間部の形状の自由度が増し、効率的で安定した特性を得ることが可能となる。
本実施形態における熱電素子の形成方法は、第1基板1の上面に第1電極3を形成する第1工程と、前記第1電極部3とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板1の同一の平面上に前記第1電極部3と離間して第2電極部4を形成する第2工程と、前記第1電極部3と前記第2電極部4との間に設けられた、ナノ粒子15を含む中間部5を形成する第3工程とを備える。
そして、前記第1工程と第2工程は、前記第1電極部3と前記第2電極部4とを各々櫛歯状に形成される工程を備える。また、前記第1工程と第2工程は、前記第1電極部3と前記第2電極部4とを各々渦状または環状に形成される工程を備える。さらに、前記第3工程は、前記第1工程、第2工程の後に行われ、前記中間部5に接する第2基板および絶縁部6の形成工程と備える。
上述した内容と同様に、電極間のギャップ量を正確に、かつ簡易に製造することができ、熱電素子の特性を設計通りに設定できる。このため、複数熱電素子を製作した際の性能のばらつきを低く抑えられる。従って、形成が容易で、安定した特性を実現することが可能となる。
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 :第1基板
2 :第2基板
3 :第1電極部
4 :第2電極部
5 :中間部
6 :絶縁体
10 :熱電素子
15 :ナノ粒子
15a :被膜
16 :溶媒
100 :熱電装置
101 :第1配線
102 :第2配線
104 :端子
105 :端子
R :負荷
X :第1方向
Y :第2方向
Z :積層方向
e :熱電子

Claims (15)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    第1電極部と、
    前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して配置された第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部と、
    を備え、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接すること
    を特徴とする熱電素子。
  2. 前記第1電極部と前記第2電極部は、各々櫛歯状の形状であること
    を特徴とする請求項1記載の熱電素子。
  3. 前記第1電極部と前記第2電極部は、各々渦状または環状の形状であること
    を特徴とする請求項1記載の熱電素子。
  4. 前記第1電極部と、前記第2電極部との間の第1距離は、10μm以下であり、
    前記ナノ粒子の直径は、前記第1距離の1/10以下であること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の熱電素子。
  5. 前記ナノ粒子は、表面に設けられた前記ナノ粒子とは異なる材料の皮膜を有し、
    前記被膜の厚さは、0.2nm以上5.0nm以下であること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の熱電素子。
  6. 前記中間部は、60℃以上の沸点を有する前記溶媒を含むこと
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の熱電素子。
  7. 前記中間部は、当該中間部に接する第2基板と絶縁部とを、さらに有すること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の熱電素子。
  8. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電装置であって、
    絶縁性を有する第1基板と、
    第1電極部と、
    前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して配置された第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部と、
    をそれぞれ有し、
    前記第1電極部及び前記第2電極部と電気的に接続された第1配線及び第2配線と、
    を備え、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接すること
    を特徴とする熱電装置。
  9. 前記第1電極部と前記第2電極部は、各々櫛歯状の形状であること
    を特徴とする請求項8記載の熱電装置。
  10. 前記第1電極部と前記第2電極部は、各々渦状または環状の形状であること
    を特徴とする請求項8記載の熱電装置。
  11. 前記中間部は、当該中間部に接する第2基板および絶縁部を有すること
    を特徴とする請求項8〜10の何れか1項記載の熱電装置。
  12. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の形成方法であって、
    第1基板上に第1電極を形成する第1工程と、
    前記第1電極部とは異なる仕事関数を有し、前記第1基板の同一面上に前記第1電極部と離間して第2電極部を形成する第2工程と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、ナノ粒子及び前記ナノ粒子を分散した溶媒を含む中間部を形成する第3工程と、
    を備え、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記第1電極部の上面及び前記第2電極部の上面は、前記溶媒に接すること
    を特徴とする熱電素子の形成方法。
  13. 前記第1工程と前記第2工程は、前記第1電極部と前記第2電極部とを各々櫛歯状に形成すること
    を特徴とする請求項12記載の熱電素子の形成方法。
  14. 前記第1工程と前記第2工程は、前記第1電極部と前記第2電極部とを各々渦状または環状に形成すること
    を特徴とする請求項12記載の熱電素子の形成方法。
  15. 前記第3工程は、前記第1工程、前記第2工程の後に行われ、
    前記中間部に接する第2基板および絶縁部を形成する形成工程とを、さらに有すること
    を特徴とする請求項12〜14の何れか1項記載の熱電素子の形成方法。
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