JP6524514B2 - ベントナイト成形体の乾燥方法 - Google Patents

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本発明は、例えば放射性廃棄物を処分した廃棄物埋設処分施設の処分坑道を埋め戻すための埋め戻し材などとして用いるベントナイト成形体を製造するにあたり、より高密度化するようにベントナイト成形体を乾燥する方法に関する。
例えば地下深部に高レベル(あるいは低レベル)の放射性廃棄物を埋設処分することが検討されている。この際、放射性廃棄物は、ガラスと混ぜて固化され、このガラス固化体を炭素鋼などからなるオーバーパックで密閉した廃棄体として処分される。また、廃棄体は、地下深部の比較的安定した地山内に、略環状に繋がる主要坑道と、この主要坑道と繋がるように形成した処分坑道や処分孔(以下、処分坑道という)とからなる廃棄物埋設処分施設を構築し、この廃棄物埋設処分施設の処分坑道内に処分される(例えば、特許文献1参照)。
また、廃棄体を処分した処分坑道をそのままにしておくと、処分坑道の周辺地山の緩みが拡大したり、地下水の卓越した水みちが形成され、廃棄物埋設処分施設全体としてのバリア性能を低下させるおそれがある。このため、地山と同等以上の低透水性の材料(埋め戻し材)で処分坑道を埋め戻すことが必要であり、この埋め戻し材として、膨潤性や放射性物質の吸着性に優れるベントナイトを用いることが検討されている。
このようなベントナイトを埋め戻し材として使用した場合には、地山から処分坑道に侵入した地下水が接触するとともにベントナイトが膨潤し地山を押圧することによってさらなる地下水の侵入を防止することができ、且つ膨潤に伴い埋め戻し材の透水係数が低下することで地下水の浸透を防止することができる。これにより、放射性廃棄物を確実に外部の自然環境から隔離して処分することが可能になる。
そして、ベントナイト原鉱石を破砕したベントナイト破砕材や、ベントナイトを板状に圧密成形し、このベントナイトプレートを破砕したベントナイト破砕材、ベントナイトを例えば円柱状に圧密成形したベントナイトペレット、ベントナイトを等方圧加圧処理により球形に圧密成形したベントナイトボールなど、数mm〜数十mm程度の大きさに形成したベントナイト成形体(ベントナイト粒状体)を埋め戻し材として処分坑道内に充填することが検討されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
なお、この種のベントナイト成形体は、処分坑道のみならず、例えば坑道構築時に設置される覆工と地山の隙間、ロックボルトなどを設置するボーリング孔などに充填して、廃棄物埋設処分施設全体のバリア性能を確保するために用いることも可能である。
ここで、ベントナイト成形体を用いて優れたバリア性能を発揮させるためには、すなわち高密度のベントナイト遮水層を形成するためには、所定の空間にどれだけの質量のベントナイトを詰め込めるかが重要であるため、ベントナイト成形体を高密度で形成し、この高密度のベントナイト成形体を高充填率で充填(施工)する必要がある。例えば、ベントナイトが膨潤し均質化した状態で1.4Mg/m以上の密度のベントナイト遮水層を形成するためには、成形時の密度(乾燥密度)が2.0Mg/m前後のベントナイト成形体を70%以上の充填率(膨潤後の乾燥密度÷ベントナイト成形体の乾燥密度)で充填することが望ましい。
これに対し、ベントナイト原鉱石を破砕したベントナイト破砕材を用いる場合には、ベントナイト原鉱石の密度が高くないため、また、ベントナイト原鉱石を破砕する際にさらなる密度低下が生じるおそれがあるため、充填後に締め固めることが必要になってしまう。また、このようなベントナイト原鉱石を破砕したベントナイト破砕材は、粒子形状が不規則であり、所定の空間に自由落下で投入しただけでは充填率が上がらないため、この点からも締め固めることが必要になってしまう。
また、ベントナイトプレートを破砕したベントナイト破砕材においては、ベントナイトプレートを高密度で成形することが重要になるが、やはりベントナイトプレートを破砕することによって密度低下が生じるおそれがある。
ベントナイトを等方圧加圧処理により球形に圧密成形したベントナイトボールにおいては、球形に成形されているため、単一粒径のベントナイトボールを所定の空間に自由落下で投入した場合に、理論的に約75%の高充填率で充填することが可能である。しかしながら、数mm〜数十mm程度の粒径のベントナイトボールを数百MPaの圧力で等方圧加圧処理して成形することは、非常に大掛かりな装置が必要になるとともに、製造工程が複雑になり、製造に多大なコストを要するという問題があった。
一方、本願の発明者(出願人)は、球形に成形したベントナイトを割れや欠けが発生しないようにゆっくりと乾燥させ、良好な乾燥収縮を起こすことによって高密度のベントナイト成形体を製造できることを見出し、この発明に関する特許出願を行っている(特許文献5)。
特開2003−215297号公報 特許第4036975号公報 特開平6−41513号公報 特許第3539928号公報 特許第5553136号公報
しかしながら、時間をかけてゆっくりと乾燥させるほど高密度なベントナイト成形体を製造することが可能であるが、時間がかかるほどに製造コストの上昇を招くことになるため、より合理的な乾燥方法を確立し、確実且つ効率的に高密度のベントナイト成形体を得る手法が強く求められている。
本発明は、上記事情に鑑み、確実且つ効率的に高密度のベントナイト成形体を製造するためのベントナイト成形体の乾燥方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のベントナイト成形体の乾燥方法は、粉体のベントナイトに水を加えて混ぜ合わせた湿潤状態のベントナイト成形体を乾燥させて高密度化したベントナイト成形体を製造するためのベントナイト成形体の乾燥方法であって、乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を昇温しながらベントナイト成形体を乾燥させる際に、乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を段階的に上げてベントナイト成形体を乾燥させ、一定の温度での乾燥経過時間に対するベントナイト成形体の水分減少量の割合である水分低下率が予め設定した設定値に達した段階で、前記一定の温度よりも高温の一定の温度でベントナイト成形体を乾燥させることを特徴とする。
本発明のベントナイト成形体の乾燥方法においては、確実且つ効率的に高密度のベントナイト成形体を得ることが可能になる。
本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の製造方法の乾燥工程で用いる送風式回転乾燥機を示す図である。 本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の製造方法の乾燥工程におけるベントナイト成形体の状態変化の概念を示す図である。 乾燥温度の違いによるベントナイト成形体の状態変化(含水比と乾燥密度の関係)を示す図である。 乾燥温度の違いによるベントナイト成形体の状態変化(経過時間と含水比の関係)を示す図である。 本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の乾燥方法を適用した場合のベントナイト成形体の状態変化(含水比と乾燥密度の関係)を示す図である。 本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の乾燥方法を適用した場合のベントナイト成形体の状態変化(経過時間と含水比の関係)を示す図である。 本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の乾燥方法において、乾燥温度を3段階(多段階)で上昇させた場合のベントナイト成形体の状態変化(含水比と乾燥密度の関係)を示す図である。
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係るベントナイト成形体の乾燥方法について説明する。
ここで、本実施形態は、放射性廃棄物を処分する廃棄物埋設処分施設の処分坑道の埋め戻し材などとして用いられるベントナイト成形体を製造するにあたり、より高密度のベントナイト成形体を得ることを可能にするベントナイト成形体の乾燥方法に関するものである。
すなわち、本実施形態では、このような埋め戻し材などとして用いるベントナイト成形体の製造方法の一例を示し、このベントナイト成形体の製造方法の一例における乾燥工程に本発明のベントナイト成形体の乾燥方法を適用するものとして説明を行う。
本実施形態のベントナイト成形体の製造方法では、図1に示すように、粉体のベントナイトに所定量の水を加えて混ぜ合わせる。このとき、一般に粉体のベントナイトの含水比は7〜10%程度であり、この含水比が例えば25〜30%程度になるようにベントナイトに水を加えて混ぜ合わせる。
なお、粉体のベントナイトに所定量の水を加えて混ぜ合わせた状態の含水比は、必ずしも25〜30%程度に限定されるものではなく、使用するベントナイトの特性(ベントナイトの産地など)や成形する粒径などに応じて適宜調整される。
すなわち、粉体のベントナイトに対し水分量が少ないと、後述の押し出し造粒工程で成形した湿潤状態のベントナイト成形体の中の空気量が多くなり、後述の転動造粒工程による造粒時にベントナイト成形体が球形に成形されず、粉々になってしまう。また、水分量が多いと、押し出し造粒工程や転動造粒工程で成形される多数のベントナイト成形体が付着して大きな粒子になり、ベントナイト成形体が落花生型になったり、大きな空気層を含んで(低密度で)成形されてしまう。このため、粉体のベントナイトに加える水量は、ベントナイトの特性や成形する粒径などに応じ、押し出し造粒工程や転動造粒工程でベントナイト成形体を所定の形状に成形可能な量とする。
そして、粉体のベントナイトと水を混練した段階で、例えば所定の孔径の複数の押出孔が形成されたディスクダイを備える押し出し造粒機を用いて、混練したベントナイトを押し出し造粒し、円柱状のベントナイト成形体を成形する(押し出し造粒工程)。このように押し出し造粒機を用いることによって、ディスクダイの押出孔の孔径に応じたほぼ同形同大の円柱状で湿潤状態のベントナイト成形体が大量に効率よく且つ容易に成形される。
次に、本実施形態のベントナイト成形体の製造方法では、押し出し造粒工程で成形された円柱状のベントナイト成形体を転動造粒機に供給し、転動造粒機で転動造粒することによりベントナイト成形体を略球形に成形する(転動造粒工程)。このとき、例えば、転動造粒機のドラムに多数のベントナイト成形体を供給し、このドラムを高速回転させることで、大量のベントナイト成形体が効率よく且つ容易に略球形に成形される。
ここで、押し出し造粒工程と転動造粒工程で略球形に成形した多数のベントナイト成形体は、押し出し造粒工程で使用するディスクダイの押出孔の孔径に応じてほぼ単一粒径で成形される。このため、例えば1mm、2mm、4mm、8mm、15mm、20mmなどの押出孔の孔径が異なるディスクダイを用い、各ディスクダイでそれぞれベントナイト成形体を成形することによって、容易に粒径が異なる略球形のベントナイト成形体を大量に成形することが可能である。
上記のように押し出し造粒工程で成形した略球形のベントナイト成形体は含水比が25〜30%程度、飽和度が100%に近い湿潤状態であり、この略球形の湿潤状態のベントナイト成形体を本実施形態のベントナイト成形体の乾燥方法を用いて乾燥し高密度化させる(乾燥工程)。
また、本実施形態では、湿潤状態のベントナイト成形体を乾燥させる乾燥工程で送風式回転乾燥機を用いる。この送風式回転乾燥機は、例えば、図2に示すように、金属メッシュを用いて形成された円筒容器1に乾燥前のベントナイト成形体2を投入し、円筒容器1を軸線O1周りに回転させつつ円筒容器1の側部の外側から送風を行ってベントナイト成形体2を乾燥させるように構成されている。また、円筒容器1は、内部空間が100Lで、内周面から径方向に5cm突出し、軸線O1方向に延びる突起(不図示)を周方向に等間隔で4つ設置して構成されている。さらに、円筒容器1の軸線O1方向の一端と他端の開口は着脱可能な金属板によって閉塞されている。
そして、本実施形態では、円筒容器1に10kgのベントナイト成形体2を投入し、回転速度0.5rpmで円筒容器1を回転させる。これとともに、送風温度を所定の温度に設定し、円筒容器1を通過する通過風速を0.55m/sとし、円筒容器1の側部から送風を行ってベントナイト成形体2を乾燥させる。
このように送風式回転乾燥機を用いることで、回転する円筒容器1でベントナイト成形体2が均一に撹拌されるとともに、円筒容器1の側部外側からの送風によって略均等に乾燥処理される。
ここで、図3に示すように、ベントナイト成形体の水が取り除かれた空間が空気に置き換わると、ベントナイト成形体全体の体積が変化しないため、乾燥密度が変わらず、高密度化できない(変化1)。すなわち、水が取り除かれた空間に空気が侵入しなければ、乾燥収縮が生じて体積が減少し、乾燥密度が増加する(変化2)。
そして、実際の乾燥によるベントナイト成形体の体積変化(乾燥密度増加)では変化1と変化2の中間の状態変化が起こり(図3中の破線矢印)、変化2に近い状態にするほどにベントナイト成形体が高密度化することになる。
一方、送風温度(乾燥温度)、風速などによって、ベントナイト成形体に異なる状態変化が生じる。
具体的に、図4(a)、(b)、(c)は、送風温度を常温(30〜38℃)、60℃、110℃の3種に調整した場合の各送風温度におけるベントナイト成形体の状態変化(含水比と乾燥密度の関係)を示している。
この図4に示すように、送風温度の高低によってベントナイト成形体の状態変化に違いが生じることが確認され、110℃では水分の減少に伴う密度増加が小さいのに対し、常温で送風した場合には水分変化に伴う密度増加が大きくなることが確認された。
また、図5に示すように、各送風温度とともに乾燥経過時間が長くなると水分低下率(一定の温度での乾燥経過時間に対するベントナイト成形体の水分減少量の割合)が小さくなり、水分低下がほぼ止まる。すなわち、送風温度(乾燥温度)が110℃の場合には含水比0%までベントナイト成形体を乾燥できるが、常温では含水比10%程度で水分低下が止まってしまう。
このような知見から、本願の発明者らは、常温の送風で乾燥を始め、水分低下が止まった段階で乾燥温度を上昇させてベントナイト成形体を高密度化することを考えた。
図6、図7は、常温で乾燥を開始し、乾燥途中で送風温度を110℃に上昇させ、2段階でベントナイト成形体を乾燥処理した際のベントナイト成形体の状態変化(含水比と乾燥密度の関係、乾燥経過時間と含水比の関係)を示している。また、ここでは、図5に示すベントナイト成形体の水分低下曲線をもとに、乾燥開始から常温で送風し、ベントナイト成形体の水分低下が止まった状態(水分低下率が予め設定した設定値に達した段階)から110℃に送風温度を切り替えて乾燥を行うようにした。
より具体的に、常温や110℃などの一定の温度で乾燥処理した際に水分低下が止まる(鈍る)乾燥時間を予め計測しておく。そして、常温で所定の乾燥時間が経過した段階(水分低下率が予め設定した設定値に達した段階を意味する)で、110℃などに温度を上げ、この高温の一定の温度で所定の乾燥時間、乾燥処理を行う。このようにすることで、余計な乾燥時間を費やす必要がなくなる。
なお、本発明においては、常温などの低温の一定温度から110℃などの高温の一定温度に切り替える際に、必ずしも低温による乾燥処理を水分低下が止まる(鈍る)まで行わなくてもよく、水分低下率がある程度小さくなって任意の設定値に達する段階(水分低下率がある程度小さくなって任意の設定値に達する乾燥時間が経過した段階)で高温に切り替えて乾燥処理を行うようにしてもよい。
図6、図7に示すように、常温でゆっくり乾燥させることで良好な乾燥収縮が起こり、水分低下が止まった状態でさらに110℃で乾燥させることによって、さらなる乾燥が進むことが確認された。これにより、乾燥密度が2.0Mg/m程度のベントナイト成形体を確実且つ効率的に製造できることが確認された。
さらに、この実験では、常温で10時間、110℃で5時間、計15時間で好適な乾燥処理を行うことが可能であった。また、図8に示すように、常温→60℃→110℃の3段階(多段階)で乾燥を行うと乾燥時間が長くなるが、より高密度のベントナイト成形体を製造できる。
そして、上記のように乾燥して製造したベントナイト成形体は、高密度で略球形に成形されているため、廃棄物埋設処分施設の処分坑道の埋め戻し材として用いる際に、所定の空間に自由落下で投入するだけで理論的に約75%の高充填率で充填される。これにより、ベントナイトが膨潤し均質化した状態で、確実にバリア性能に優れた高密度のベントナイト遮水層が形成されることになる。
また、押し出し造粒工程で押出孔の孔径が異なるディスクダイを用いて粒径が異なるベントナイト成形体を成形し、必要ないくつかの粒径のベントナイト成形体を所定比率で混合して、この混合材料を所定の空間に投入することにより、充填率をさらに高くすることが可能になる。これにより、さらにバリア性能に優れたベントナイト遮水層が形成されることになる。
したがって、本実施形態のベントナイト成形体の乾燥方法においては、転動造粒工程で成形したベントナイト成形体を乾燥工程で乾燥させる際に、乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を段階的に上げながら(乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を昇温しながら)湿潤状態のベントナイト成形体を乾燥させてゆくことにより、所望の乾燥密度に高密度化したベントナイト成形体を確実且つ効率的に得ることが可能になる。
また、一定の温度での乾燥経過時間に対するベントナイト成形体の水分減少量の割合である水分低下率が予め設定した設定値に達した段階で、前記一定の温度よりも高温の一定の温度でベントナイト成形体を乾燥させるようにすれば、より効率的に高密度のベントナイト成形体を得ることができる。
そして、本実施形態の乾燥工程を用いて製造した高密度で略球形のベントナイト成形体7を、廃棄物埋設処分施設の処分坑道を埋め戻す際の埋め戻し材などとして使用することにより、所定の空間に自由落下で投入するだけで理論的に約75%の充填率で充填することが可能になり、確実にバリア性能に優れたベントナイト遮水層を形成することが可能になる。よって、超長期にわたって放射性廃棄物を確実に外部の自然環境から隔離して処分することができ、信頼性の高い廃棄物埋設処分施設Aにすることが可能になる。
以上、本発明に係るベントナイト成形体の乾燥方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、送風式回転乾燥機を用いてベントナイト成形体を乾燥させるものとして説明を行ったが、温度管理(調節)可能な空間内(例えば乾燥炉内、自然乾燥可能な屋内や屋外)にベントナイト成形体を静置するなどし、ベントナイト成形体を乾燥させるようにしてもよい。また、ベントナイト成形体に振動を加えて均一に撹拌しながら乾燥処理(送風したり、温度管理(調節)可能な空間内に在置するなど)するようにしてもよい。さらに、温度が異なる場所にベントナイト成形体を順次移動搬送して順次ベントナイト成形体を乾燥させてゆくようにしてもよい。
また、本実施形態では、略球形で湿潤状態のベントナイト成形体を乾燥させて高密度化するように説明を行ったが、勿論、本発明のベントナイト成形体の乾燥方法は、略球形のベントナイト成形体の乾燥に限らず、円柱状など他の形状のベントナイト成形体を乾燥させて高密度化するために適用しても構わない。そして、形状(大きさ)が異なっている場合であっても、本発明のベントナイト成形体の乾燥方法を用いることにより本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、本実施形態では、常温→110℃、常温→60℃→110℃のように段階的に温度を上げてベントナイト成形体を乾燥させるようにした。
これに対し、本発明のベントナイト成形体の乾燥方法においては、乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を徐々に(漸次)上昇させながらベントナイト成形体を乾燥させるようにしてもよい。また、乾燥開始から乾燥完了までの間で、温度を徐々に上昇させ、一定の温度に達した段階で所定の経過時間この温度を保持し、所定の経過時間が経過した段階で一定の温度から徐々に温度を上昇させ、より高温の一定の温度に達した段階で再度所定の経過時間この温度を保持するようにして、ベントナイト成形体を乾燥させてもよい。
そして、上記のように温度を制御した場合であっても、本実施形態で説明した通りの作用を得ることができ、やはり本実施形態と同様、確実且つ効率的にベントナイト成形体を高密度化することが可能である。
また、本実施形態では、乾燥開始時の温度を常温(30〜38℃)、乾燥完了時の温度を110℃としたが、必ずしもこれに限定する必要はなく、乾燥対象のベントナイト成形体の状態、乾燥する状況、環境などに応じ、乾燥開始や乾燥完了時の温度、乾燥開始から乾燥完了までの温度を適宜設定すればよい。また、本実施形態では、常温が30〜38℃であるものとしたが、本発明に係る乾燥温度(常温を含む)は、割れや欠けが発生しないようにゆっくりと(徐々に)水分が抜けてベントナイト成形体を乾燥させつつ収縮させることが可能な温度であればよく、20〜110℃程度の温度であればよい。また、乾燥完了時の温度は110℃よりも高温であってもよい。
また、本実施形態では、廃棄物埋設処分施設の処分坑道の埋め戻し材などとして用いられるベントナイト成形体を製造するために本発明のベントナイト成形体の乾燥方法を適用するものとして説明を行ったが、他の用途のベントナイト成形体を製造する際に本発明のベントナイト成形体の乾燥方法を適用しても勿論構わない。
1 円筒容器
2 ベントナイト成形体
O1 軸線

Claims (1)

  1. 粉体のベントナイトに水を加えて混ぜ合わせた湿潤状態のベントナイト成形体を乾燥させて高密度化したベントナイト成形体を製造するためのベントナイト成形体の乾燥方法であって、
    乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を昇温しながらベントナイト成形体を乾燥させる際に、
    乾燥開始から乾燥完了までの間で温度を段階的に上げてベントナイト成形体を乾燥させ、
    一定の温度での乾燥経過時間に対するベントナイト成形体の水分減少量の割合である水分低下率が予め設定した設定値に達した段階で、前記一定の温度よりも高温の一定の温度でベントナイト成形体を乾燥させることを特徴とするベントナイト成形体の乾燥方法。
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