JP6523632B2 - パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ及びその乗降通路形成方法 - Google Patents
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Description
なお、図中の符号Dは航空機APのドアであり、このドアDには機体内蔵タラップ及び手摺が設けられ、さらに、乗降口Eには乗降通路の一部を形成する小型機用補助通路10が連結されている。
しかしながら、中大型機用のPBBをそのままエアステアを備えた小型の航空機に適用しても、機体に幌を密着させて風雨の侵入を防止することができないため、中大型機用のPBBを小型機にも適用可能とする対策が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、従来の中大型機はもとより、小型機においても雨や風の侵入を防止または抑制できるようにしたパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ及びその乗降通路形成方法を提供することにある。
本発明に係るパッセンジャー・ボーディング・ブリッジは、ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するパッセンジャー・ボーディング・ブリッジであって、前記ターミナル建築構造物側に設けられたロタンダと、前記ロタンダに対して水平方向へ回動可能に接続され、かつ、軸方向へ伸縮可能なトンネル部と、前記トンネル部を上下方向に昇降可能にする昇降装置と、前記トンネル部の航空機側先端部に設けられている旋回可能なヘッドと、前記ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路と、前記ヘッドよりも上部に設置され、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間をスライド移動可能とした可動屋根と、前記可動屋根の屋根内面に敷設されたガイドレールと、前記ヘッドの上面に取り付けられ、前記ガイドレール内を回転移動する屋根支持ローラと、前記可動屋根を駆動する駆動装置とを具備して構成されることを特徴とするものである。
この場合、前記側面カーテンのカーテンレールは、航空機側の一部を下向きに折曲可能とすることが好ましく、これにより、移動するカーテンにより機体側面が擦られることを防止または抑制できる。
また、カーテンレールを可動屋根から独立して移動させることにより、カーテンを可動屋根動作と関係なく単独に移動させることも可能である。
パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ(以下、「PBB」と呼ぶ)1は、例えば空港のターミナルビル(ターミナル建築構造物)と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するものである。すなわち、PBB1は、空港のターミナルビルと航空機の乗降口との間を連絡するトンネル状の乗降用歩行通路であるから、乗降客は、航空機に対し屋外に出ることなく直接乗降できるようになる。
図示のトンネル部3は、ロタンダ2側の基端トンネル3aと、この基端トンネル3aの先端側(航空機側)を入れ子式に嵌合された先端トンネル3bとにより、軸方向(長手方向)の伸縮が可能な構造となっている。
一方の可動脚5は、先端トンネル3bの航空機側先端部近傍を下面側から支持し、所望の方向へ自力で走行可能な駆動輪5a及び駆動機構(不図示)と、トンネル部3を昇降可能とする昇降装置5bを備えている。また、他方の固定脚6は、地上に固定設置されてロタンダ2の下部を支持している。従って、トンネル部3は、可動脚が駆動操作されることにより、航空機へ接近して乗降口に連結する動作や、乗降口の高さにヘッド4の高さを合わせる動作や、乗降口から分離して航空機から離間する動作が可能になる。
また、この可動屋根20は、例えば図4に示すように、屋根内面20aに敷設された断面コ字状のガイドレール21を備えている。このガイドレール21は、左右一対がスライド方向において平行に設けられている。
なお、カーテン30の下端部には、風による揺れを抑えるため、例えば図6(a)に示すように錘33を吊り下げる揺動対策、あるいは、図6(b)に示すように下端部から吊り下げた複数のリング34をガイドロッド35に通す揺動対策が施されている。
すなわち、カーテンレール31の一部である先端部31aは、屋根内面20aに対して部分的に固定されない構造とされる。具体的には、例えば図7(b)に示すように、先端部31aがヒンジ36を介して折曲可能とされ、さらに、先端部31aをコイルばね37等により引き上げておく構造を例示できる。この場合、コイルばね37はあまり強くする必要はなく、収納位置において側面カーテン30を引き上げ、カーテンレール31の直線を維持できればよい。
このため、先端部31aは、図7(b)に想像線で示す直線状態から、実線で示すように下方へ向けて折曲される。この結果、側面カーテン30の下端部は、可動屋根20がさらに移動しても航空機APの側面に対してほとんど移動することはなく、従って、航空機APの側面となる外表面が側壁カーテン30により擦られることを防止できる。
このようなカーテン40を設けることにより、通路形成位置にある可動屋根20と航空機APの乗降口上方との間において、可動屋根20の屋根内面20aと航空機APの外表面との間に形成される隙間を確実に覆い、乗降通路に対する風雨の侵入をより一層確実に防止または抑制することができる。
この側壁部50は、上述した側面カーテン30やカーテン40を備えている構造と比較すれば、高さ(長さ)によっては乗降通路に対する雨の侵入防止効果は劣るものの、雨に対する気遣いに応じて高さを変化させれば、強風時における横殴りの雨以外は対応可能である。すなわち、通路上方を可動屋根20により覆われた乗降通路に対する風の侵入を防止または抑制でき、さらに、風の影響で雨が侵入することも防止または抑制できる。
図8(a)に示す側壁部50は、可動屋根20から下向きに高さhaの範囲に設けられている。このため、小型機用補助通路10の側端部に対し、鉛直線に対して角度θaより小さい角度で侵入する雨を防ぐことができる。
また、図8(b)に示す側壁部50Aのように、可動屋根20から下向きに高さhbの範囲に設ければ、小型機用補助通路10の側端部に対し、鉛直線に対して角度θbより小さい角度で侵入する雨を防ぐことができる。すなわち、側壁部50より長さを延長して高くした(hb>ha)側壁部50Aは、角度θaと角度θbの差分だけ侵入する雨を防ぐ範囲が拡大するので、風の影響を考慮して雨の侵入をどこまで防ぐかに応じて高さを適宜設定すればよい。
一方、小型機用補助通路10を使用しない中大型の航空機APに可動屋根20を備えたPBB1を使用する場合には、例えば図9に示すように、小型機用補助通路10を収納位置に旋回させるとともに、可動屋根20も収納位置に移動させる。この状態では、小型機用補助通路10や可動屋根20が収納位置にあるので、これらに妨げられることなくヘッド4が航空機APに接近し、幌7を伸ばして乗降口Eを覆うことができる。この結果、ターミナルビルに通じる乗降用の歩行通路は、風雨から守られたものとなる。
なお、本実施形態では、小型機用補助通路10が収納位置と通路形成位置との間を旋回する構造としたが、これに限定されることはなく、例えばスライドする構造など他の公知の方式を採用してもよい。
また、可動屋根20は、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から航空機APの機体上方側へ突出する通路形成位置の間を移動可能とされるので、PBB1を小型機に適用し、小型機用補助通路10を使用して乗降通路を形成する場合においても、小型機のエアステアに妨げられることなく通路上方を覆って乗降客に降雨の影響が及ぶことを防止する降雨対策が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 ロタンダ
3 トンネル部
4 ヘッド
7 幌
10 小型機用補助通路
20 可動屋根
20a 屋根内面
20b 先端部
21 ガイドレール
22 屋根支持ローラ
23 駆動装置
30 側面カーテン
31 カーテンレール
31a 先端部
36 ヒンジ
37 コイルばね
40 カーテン
50 側壁部
AP 航空機
E 乗降口
D ドア
Claims (12)
- ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するパッセンジャー・ボーディング・ブリッジであって、
前記ターミナル建築構造物側に設けられたロタンダと、
前記ロタンダに対して水平方向へ回動可能に接続され、かつ、軸方向へ伸縮可能なトンネル部と、
前記トンネル部の航空機側先端部に設けられているヘッドと、
前記ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路と、
前記ヘッドよりも上部に設置され、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間をスライド移動可能とした可動屋根と、
前記可動屋根の屋根内面に敷設されたガイドレールと、
前記ヘッドの上面に取り付けられ、前記ガイドレール内を回転移動する屋根支持ローラと、
前記可動屋根を駆動する駆動装置と、
を具備して構成されることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。 - 前記可動屋根の先端部は、前記通路形成位置において前記航空機の胴体中心軸位置を超える位置まで移動することを特徴とする請求項1に記載のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。
- 前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。
- 前記側面カーテンのカーテンレールは、航空機側の一部が下向きに折曲可能であることを特徴とする請求項3に記載のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。
- ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するパッセンジャー・ボーディング・ブリッジであって、
前記ターミナル建築構造物側に設けられたロタンダと、
前記ロタンダに対して水平方向へ回動可能に接続され、かつ、軸方向へ伸縮可能なトンネル部と、
前記トンネル部の航空機側先端部に設けられているヘッドと、
前記ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路と、
前記ヘッドの上部に設置され、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間を移動可能とした可動屋根と、
を具備して構成され、
前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備え、
前記側面カーテンのカーテンレールは、航空機側の一部が下向きに折曲可能であることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。 - 前記側面カーテンが、前記可動屋根の先端部側両側面から吊り下げられた、あるいは可動屋根とは独立して移動するカーテンレールから吊り下げられたカーテンを備え、
前記カーテンの下端部は、前記通路形成位置において前記航空機の胴体中心軸位置から周方向の機体両側へ接するように設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。 - ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するパッセンジャー・ボーディング・ブリッジであって、
前記ターミナル建築構造物側に設けられたロタンダと、
前記ロタンダに対して水平方向へ回動可能に接続され、かつ、軸方向へ伸縮可能なトンネル部と、
前記トンネル部の航空機側先端部に設けられているヘッドと、
前記ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路と、
前記ヘッドの上部に設置され、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間を移動可能とした可動屋根と、
を具備して構成され、
前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備え、
前記側面カーテンが、前記可動屋根の先端部側両側面から吊り下げられた、あるいは可動屋根とは独立して移動するカーテンレールから吊り下げられたカーテンを備え、
前記カーテンの下端部は、前記通路形成位置において前記航空機の胴体中心軸位置から周方向の機体両側へ接するように設けられていることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。 - 前記可動屋根の両側面に側壁部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。
- ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するパッセンジャー・ボーディング・ブリッジであって、
前記ターミナル建築構造物側に設けられたロタンダと、
前記ロタンダに対して水平方向へ回動可能に接続され、かつ、軸方向へ伸縮可能なトンネル部と、
前記トンネル部の航空機側先端部に設けられているヘッドと、
前記ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路と、
前記ヘッドよりも上部に設置され、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間をスライド移動可能とした可動屋根と、
を具備して構成され、
前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備えていることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジ。 - ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するとともに、ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路を備えているパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法であって、
前記ヘッドよりも上部に可動屋根を設置し、ガイドレールを前記可動屋根の内面に敷設し、屋根支持ローラを前記ヘッドの上面に取り付け、前記可動屋根を駆動する駆動装置によって、前記可動屋根が、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間をスライド移動可能として、前記屋根支持ローラが前記ガイドレール内を回転移動し、前記小型機用補助通路の使用時に前記可動屋根で上方を覆うことを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法。 - ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するとともに、ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路を備えているパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法であって、
前記ヘッドの上部に可動屋根を設置し、前記可動屋根が、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間を移動可能として、前記小型機用補助通路の使用時に前記可動屋根で上方を覆い、
前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備え、
前記側面カーテンのカーテンレールは、航空機側の一部が下向きに折曲可能であることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法。 - ターミナル建築構造物と航空機との間を連結して旅客の乗降通路を形成するとともに、ヘッドと航空機乗降口との間を連結する小型機用補助通路を備えているパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法であって、
前記ヘッドの上部に可動屋根を設置し、前記可動屋根が、ヘッド上部に位置する収納位置及びヘッド上部から前記航空機の機体上方側へ突出する通路形成位置の間を移動可能として、前記小型機用補助通路の使用時に前記可動屋根で上方を覆い、
前記可動屋根が、両側面から吊り下げられて一体に開閉移動する、あるいはカーテンレールが単独で移動することにより個別に開閉移動する側面カーテンを備え、
前記側面カーテンが、前記可動屋根の先端部側両側面から吊り下げられた、あるいは可動屋根とは独立して移動するカーテンレールから吊り下げられたカーテンを備え、
前記カーテンの下端部は、前記通路形成位置において前記航空機の胴体中心軸位置から周方向の機体両側へ接するように設けられていることを特徴とするパッセンジャー・ボーディング・ブリッジの乗降通路形成方法。
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