JP6523298B2 - コンピュータシステムと車両インターフェースシステム - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、車載用のコンピュータ化ユーザインターフェースに関する。
(関連特許出願への相互参照)
本出願は、2014年1月6日に提出された米国特許仮出願第61/924,203号の利益及び優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
車両ユーザインターフェースディスプレイ(例えば、ダイヤル、ラジオディスプレイ等)は、従来は車内の特定の場所に固定されている。また、これらは、従来は全く異なる回路又はシステムによって制御されている。例えば、ラジオシステム及びそのユーザインターフェースは、従来は第1のシステムによって制御され、速度計ダイヤルは、従来は完全に異なるシステムによって制御されている。
高い信頼性、構成可能性及びユーザビリティを有する車両ユーザインターフェースシステムを開発することは非常に困難である。
本開示の1つの実装は、車両ユーザインターフェースと統合されるコンピュータシステムである。コンピュータシステムは、マルチコアプロセッサを有する処理システムを含む。処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第1のコアにおいて第1のゲストオペレーティングシステム(OS)に仮想化を提供するように構成される。また、処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第2の異なるコアにおいて第2のゲストオペレーティングシステムに仮想化を提供するようにも構成される。仮想化は任意の数のオペレーティングシステムに提供されてもよく、各オペレーティングシステムはマルチコアプロセッサの個々のコアにおいて仮想化される。第1のゲストオペレーティングシステムは、高信頼性動作用に構成される。仮想化は、第2のゲストオペレーティングシステム又は任意の他のオペレーティングシステムの動作が第1のゲストオペレーティングシステムの高信頼性動作を中断することを防ぐ。
本明細書で使用される用語「第1のコア」、「第2のコア」は、マルチコアプロセッサの1つのコアをマルチコアプロセッサの別のコアから区別することを意図している。記述子「第1の」及び「第2の」は、「第1のコア」がプロセッサの第1の論理コアであること又は「第2のコア」がプロセッサの第2の論理コアであることを必要としない。むしろ、「第1のコア」はプロセッサの任意のコアであり、「第2のコア」は第1のコアではない任意のコアであり得る。別段の記載がなければ、記述子「第1の」及び「第2の」は本明細書を通じて様々なアイテムを互いから区別するために使用されているのであって(例えば、複数のプロセッサコア、ドメイン、オペレーティングシステム等)、何らかの特定の順番又は順序を示唆するものではない。
一部の実施形態では、マルチコアプロセッサは、第1のゲストオペレーティングシステムへの修正が必要ではないように1つ又は複数の第1のコアを使用して第1の完全な仮想環境を提供するように構成される。マルチコアプロセッサは、第2のゲストオペレーティングシステムへの修正が必要ではないように1つ又は複数の第2のコアにおいて第2の完全な仮想環境を提供するように構成されてもよい。一部の実施形態では、システムは、ゲストオペレーティングシステムにより使用される中間アドレスをメモリ場所又はメモリマップド装置にマッピングする2ステージメモリ管理装置を含む。
一部の実施形態では、システムは、処理システムにより実行されるハイパーバイザを含む。ハイパーバイザは、仮想化用のリソースの初期構成及び割り当てを実行するように構成されてもよい。次に、ハイパーバイザは、休眠モードに移行して、定期的なスケジューリング及び特権解決(privilege resolution)タスクを処理しなくてもよい。ハイパーバイザは、各ゲストオペレーティングシステムのドメインにそれ自身のCPUコア(又は複数のコア)、それ自身のメモリ領域、及び/又はそれ自身の装置を割り当ててもよい。一部の実施形態では、ハイパーバイザは、ゲストOS割り込み分配のためにゲストOSに対して使用されない。様々な実施形態では、割り込みは、汎用割り込みコントローラ(GIC;generic interrupt controller)又は仮想GICによって所望のコアに伝達されてもよい(例えば、ゲストオペレーティングシステムが実行されている同じコアにおけるハイパーバイザによってトラップされる場合に割り込みを指示するために)。
一部の実施形態では、個々のドメイン間の通信のために仮想装置が確立される。仮想装置は、装置の割り込みを識別するデバイスツリーに従って生成され且つ動作してもよい。デバイスツリーは、他のコアへの通信のために装置がどのような割り込みを使用すべきかを指定する「ドアベル割り込み(doorbell interrupt)」を更に識別してもよい。
一部の実施形態では、複数のドメインの1つが、異種ドメインからのグラフィックスの組み合わせを行うドメインである。残りのドメインで実行されているアプリケーションが、フレームバッファを充填して、組み合わせを行うドメインで実行されている仮想装置にフレームバッファ情報を提供してもよい。グラフィックス分配は、グラフィックスの組み合わせを行うドメインにグラフィックスを記述するメタデータを転送せずに発生してもよい。一部の実施形態では、メタデータは、任意の他のドメインによって高信頼性動作用に構成される第1のゲストオペレーティングシステムに送信されない。
一部の実施形態では、複数のドメインの1つが、ハードウェアネットワークアダプタを制御するドメインである。残りのドメインで実行されているアプリケーションが、オペレーティングシステムのユーザ空間に露出される仮想ネットワークアダプタを使用してハードウェアネットワークアダプタにアクセスしてもよい。
一部の実施形態では、仮想ネットワークアダプタは、ドメイン・トゥー・ドメインから通信を生じさせるために、ドメイン・トゥー・ドメイン割り込み分配及び共有メモリ空間の読み込み及び書き込みを使用する。
本開示の別の実装は、車両ユーザインターフェースと統合されるコンピュータシステムである。システムは、マルチコアマイクロプロセッサを含む。システムは、第1のオペレーティングシステムをマルチコアマイクロプロセッサの少なくとも第1のコアと関連付け、第2のオペレーティングシステムをマルチコアプロセッサの少なくとも第2のコアと関連付けるように構成されるハイパーバイザを更に含む。第1のオペレーティングシステムは車両ユーザインターフェース用の少なくとも1つの高信頼性アプリケーション用に構成され、第2のオペレーティングシステムは低信頼性アプリケーション用に構成される。
一部の実施形態では、高信頼性アプリケーションはセーフティクリティカル車両情報をディスプレイシステムに出力することを含み、低信頼性アプリケーションは非セーフティクリティカル車両情報を同じディスプレイシステムに出力することを含む。ディスプレイシステムは、単一の電子ディスプレイ又は複数の電子ディスプレイを含んでもよい。
当業者は、上記の概要は単なる例示であって、限定することを全く意図していないことを理解するであろう。単に請求項に定義された本明細書に記載の装置及び/又は処理の他の態様、新規な特徴、及び利点は、本明細書に記載された詳細な説明と共に添付の図面を合わせて考慮すれば明らかになるであろう。
例示的な実施形態による、本開示のシステム及び方法が実装可能な車両(例えば、自動車)の例示である。 例示的な実施形態による、本明細書に記載のシステム及び方法を使用して図1の車両に提供され得る車両ユーザインターフェースシステムの例示である。 例示的な実施形態による、本開示のシステム及び方法による、図2の車両ユーザインターフェースシステムを介して提供され得る車両計器クラスタディスプレイの例示である。 例示的な実施形態による、図2の車両ユーザインターフェースシステム及び/又は図3Aの車両計器クラスタディスプレイ等の車両ユーザインターフェースを介してディスプレイに提供するように構成されるマルチコア処理環境を含む車両インターフェースシステムのブロック図である。 例示的な実施形態による、マルチコア処理環境がハイパーバイザ及び複数の別のドメインを含むように示されるより詳細な図3Bのマルチコア処理環境を示すブロック図である。 例示的な実施形態による、スタートアップ時に図4のハイパーバイザによって行われるメモリマッピング処理を示すブロック図である。 例示的な実施形態による、図4のハイパーバイザの様々な特徴を示すブロック図である。 例示的な実施形態による、共通ディスプレイシステムにおける表示出力を容易にするために使用され得る図3Bのマルチコア処理環境の様々なコンポーネントを示すブロック図である。 例示的な実施形態による、車両インターフェースシステムに表示されるアプリケーション画像(例えば、グラフィックス出力)を生成するために図4のマルチコア処理環境内で動作し得る様々な動作モジュールを示すブロック図である。
概略的に図面を参照すると、様々な例示的な実施形態によって、車両内にユーザインターフェースを提示するためのシステム及び方法が示されている。本明細書に記載のシステム及び方法は、車両内に複数のユーザインターフェースを提示し、統合型システムにおける多様なアプリケーション要件をサポートするために使用されてもよい。様々な車両アプリケーションが異なる程度のセキュリティ、セーフティ、及び開放性(例えば、インターネットから新しいアプリケーションを受信する機能)を要求する場合がある。本開示のシステム及び方法は、1つのオペレーティングシステムの動作が他のオペレーティングシステムの動作と干渉することを防ぐように、実質的に独立して動作する複数の異なるオペレーティングシステム(例えば、高信頼性のオペレーティングシステム、クラウドアプリケーションオペレーティングシステム、娯楽オペレーティングシステム等)を提供する。
本明細書に記載の車両システムは、単一のプラットフォームにおいて異なるドメインを有利にカプセル化する。このカプセル化は、異なるアプリケーションをサポートするために高度のセキュリティ、セーフティ、及び開放性をサポートし、更に高度のユーザカスタム化及びユーザ相互作用を可能にする。車両システムは、セキュリティ及びセーフティを確保するためにドメイン間のある程度の分離を維持しつつ、単一のプラットフォームにおける複数の異なるドメインの動作を統合するように構成される仮想化コンポーネントを含む。例示的な実施形態では、車両システムを実装するためにマルチコアシステム・オン・チップ(SoC)が使用される。
例示的な実施形態では、システムは、少なくとも以下の4つのドメイン、即ち、(1)高信頼性ドライバ情報クラスタドメイン、(2)クラウドドメイン、(3)娯楽ドメイン、及び(4)自立ドライバ支援システム(ADAS;autonomous driver assistance system)ドメイン、を含み且つサポートする。高信頼性ドライバ情報クラスタドメインは、車両のセーフティ及び/又はクリティカル車両動作に関するクリティカル車両アプリケーションをサポートしてもよい。クラウドドメインは、インターネット、接続された携帯型電子装置又は別のソースからの新しいユーザ又は車両「アプリ」のダウンロードをサポートしてもよい。娯楽ドメインは、例えば、音楽プレーヤ、ナビゲーション、電話及び/又は接続アプリケーションを含むアプリケーション及びユーザインターフェースコンポーネントに高品質ユーザ体験を提供してもよい。ADASドメインは、自立ドライバ支援システムのサポートを提供してもよい。
例示的な実施形態では、少なくとも4つの異なるオペレーティングシステム環境が提供される(例えば、各ドメインに対して1つ)。高信頼性ドメイン用の第1のオペレーティングシステム環境は、クラスタ情報を有するディスプレイを確実に駆動してもよい。クラウドドメイン用の第2のオペレーティングシステム環境は、新しいユーザ又は車両アプリをサポートしてもよい。娯楽ドメイン用の第3のオペレーティングシステム環境は、様々な娯楽アプリケーション及びユーザインターフェースコンポーネントをサポートしてもよい。ADASドメイン用の第4のオペレーティングシステム環境は、ADASアプリケーションを実行するための環境の提供をサポートしてもよい。一部の実施形態では、第5の動作環境は、グラフィックスヒューマンマシンインターフェース(HMI)を制御すると共にユーザ入力を処理してもよい。オペレーティングシステム環境の各々は、マルチコアシステム・オン・チップ(SoC)の異なるコア(又は複数のコア)に専用であってもよい。
例示的な実施形態では、専用オペレーティングシステムごとにメモリが分離される。主要オペレーティングシステムの各々が、非対称型マルチプロセッシング(AMP;asymmetric multi−processing)を行うように構成され得るプロセッサの1つ(又は複数の)コアに結合されてもよい。有利に、各オペレーティングシステムをプロセッサの特定のコア(又は複数のコア)に結合することは、多数のハードウェア実行セキュリティ制御を提供する。例えば、ゲストに割り当てられる各コアは、物理メモリの既定の領域及び/又は周辺装置の既定のサブセットにのみアクセス可能であってもよい。車両装置(例えば、DMA装置)は、SoCのハードウェアを介してメモリ保護を受けてもよい。この強い結合は、第1のゲストOSが異なるコアで実行されている他のゲストOSの動作と干渉できないように、第1のゲストオペレーティングシステム(OS)がマルチコアプロセッサの特定のコア(又は複数のコア)で実行できる環境をもたらす。ゲストOSは、ハイパーバイザレイヤを参照せずに実行されるように構成されてもよいが、基礎シリコン上で直接実行されてもよい。これは、各ゲストOSが変更又は修正される必要がない完全なハードウェア仮想化を提供する。
次に図1を参照すると、例示的な実施形態による自動車1が示されている。本明細書に記載の実施形態の特徴は、自動車1等の車両又は任意の他のタイプの車両用に実装されてもよい。本明細書に記載の実施形態は、自動車1の運転者又は乗客に改善された表示及び制御機能を有利に提供する。本明細書に記載の実施形態は、自動車1の様々な電子及び機械システム上で自動車1の運転者又は乗客に改善された制御を提供してもよい。
自動車1等の車両は、ユーザインターフェースシステムを含んでもよい。このようなユーザインターフェースシステムは、セーフティ関連情報(例えば、シートベルト情報、速度情報、タイヤ圧情報、エンジン警告情報、燃料レベル情報等)と共にインフォテイメント関連情報(例えば、音楽プレーヤ情報、ラジオ情報、ナビゲーション情報、電話情報等)をユーザに提供し得る。従来は、このようなシステムは、1つの車両サブシステムが自身のディスプレイにセーフティ関連情報を提供し、別の車両サブシステムが自身のディスプレイにインフォテイメント関連情報を提供するように相対的に分離されている。
本明細書に記載の様々な実施形態によれば、ドライバ情報(例えば、様々な車両安全性要求レベル、ASILによる)が、インフォテイメントアプリケーション及び/又はサードパーティ(例えば、「アプリ」又は「クラウド」)アプリケーションによってもたらされる。情報は、マルチコア処理環境により処理されて、表示環境にグラフィカルに統合される。この統合にもかかわらず、少なくとも高信頼性(即ち、セーフティ関連)処理が、ハードウェア及びソフトウェアによってセーフティ関連事項の無い処理及び情報から分離される。
例示的な実施形態によれば、自動車1は、車両ユーザインターフェース(例えば、1つ又は複数のディスプレイ及びユーザ入力装置)と統合されるコンピュータシステムを含み、且つ処理システムを含む。処理システムは、マルチコアプロセッサを含んでもよい。処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第1のコアにおいて第1のゲストオペレーティングシステムに仮想化を提供するように構成されてもよい。また、処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第2の異なるコア(即ち、第1のゲストオペレーティングシステムに割り当てられない任意のコア)において第2のゲストオペレーティングシステムに仮想化を提供するように構成されてもよい。第1のゲストオペレーティングシステムは、高信頼性動作用に構成されてもよい。仮想化は、第2のゲストオペレーティングシステムの動作が第1のゲストオペレーティングシステムの高信頼性動作を中断することを防ぐ。
次に図2を参照すると、例示的な実施形態による自動車用のユーザインターフェースシステムが示されている。ユーザインターフェースシステムは、計器クラスタディスプレイ(ICD)220、ヘッドアップディスプレイ(HUD)230、及び中央情報ディスプレイ(CID)210を含むように示されている。例示的な実施形態では、ディスプレイ210、220及び230の各々は単一の電子ディスプレイである。一部の実施形態では、ディスプレイ210、220及び230は、複数のドメインからの3つの別個のディスプレイドライバである。様々な車両サブシステムからの表示コンテンツが、ディスプレイ210、220及び230の各々に同時に表示されてもよい。例えば、図示の計器クラスタディスプレイ220はエンジン制御装置(ECU)情報(例えば、速さ、ギヤ、RPM等)を表示する。また、図示のディスプレイ220は、音楽アプリケーションからの音楽プレーヤ情報及びナビゲーションアプリケーションからのナビゲーション情報も表示する。また、ナビゲーション情報及び音楽プレーヤ情報は、ディスプレイ230にも出力されるように示される。電話アプリケーションからの電話情報が、(例えば、インターネットソースからの)天気情報及び(ディスプレイ220、230に情報を提供する同じナビゲーションアプリケーションからの)ナビゲーション情報と並行してディスプレイ210を介して提示されてもよい。
図2に示されているように、ICD220、CID210及び/又はHUD230は、アプリケーション情報を表示するための異なる及び/又は複数の表示領域を有してもよい。こうした表示領域は、マルチコア処理環境及び/又は関連するハードウェア及びソフトウェアによって構成可能である仮想動作フィールドとして実装されてもよい。例えば、CID210は、3つの表示領域(例えば、仮想動作フィールド)を有するように示されている。携帯電話アプリケーション、天気アプリケーション、及びナビゲーションアプリケーション用のアプリケーションデータ情報が、それぞれ3つの表示領域に表示されてもよい。
マルチコア処理環境は、システムイベント、ユーザ入力、プログラム命令等に応答して表示領域を再構成してもよい。例えば、ユーザが天気アプリケーションを終了すると、電話アプリケーション及びナビゲーションアプリケーションはCID210を満たすようにサイズ変更されてもよい。表示されるアプリケーションの数、表示されるアプリケーションのサイズ、表示されるアプリケーション情報、アプリケーションが高信頼性アプリケーションであるかどうか等の要因を考慮して、表示領域の多くの構成が可能である。異なる構成は、ポートレートとして表示されるアプリケーション、ランドスケープとして表示されるアプリケーション、複数列のアプリケーション、複数行のアプリケーション、異なるサイズの表示領域を有するアプリケーション等の異なる特徴を有してもよい。
例示的な実施形態では、ICD220、CID210及びHUD230を提供する処理システムは、マルチコアプロセッサを含む。処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第1のコアにおいて第1のゲストオペレーティングシステムに仮想化を提供するように構成されてもよい。また、処理システムは、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第2の異なるコア(即ち、第1のゲストオペレーティングシステムに割り当てられない1つ以上のコア)において第2のゲストオペレーティングシステムに仮想化を提供するようにも構成されてもよい。第1のゲストオペレーティングシステムは、高信頼性動作(例えば、ECUからセーフティ関連情報を受信し、受信した情報を使用してグラフィックス情報を生成すること)用に構成されてもよい。仮想化は、(例えば、サードパーティ開発者から又はクラウドからの「アプリ」を実行し得る)第2のゲストオペレーティングシステムの動作が第1のゲストオペレーティングシステムの高信頼性動作を中断することを防ぐ。
次に図3Aを参照すると、例示的な実施形態による計器クラスタディスプレイ(ICD)300が示されている。ICD300は、ディスプレイスクリーンが共有される場合に可能な高度の統合を示す。ICD300において、ECUからの情報は、ナビゲーション情報に対してスクリーン領域の上に部分的にオーバレイされる。ナビゲーション情報用のスクリーン領域は、メディアプレーヤ、電話、又は他の情報に関係付けられる情報を表示するように変更され得る。先に説明されたように多くの構成が可能である。一部の実施形態では、ICD300又は別のディスプレイが、再構成されなくてもよい高信頼性情報を表示するための専用領域を有してもよい。例えば、ICD300に表示されるECU情報は固定されてもよいが、残りの表示領域はマルチコア処理環境によって構成されてもよい。ナビゲーションアプリケーション及び天気アプリケーションは、高信頼性情報のために専用ではないICD300の1つ又は複数の表示領域に表示されてもよい。
一部の実施形態では、車両インターフェースシステムは、ICD、CID、HUD用のディスプレイ装置と他のディスプレイ(例えば、後部座席乗客ディスプレイ、乗客ダッシュボードディスプレイ等)との間の接続を管理する。車両インターフェースシステムは、ディスプレイ等の出力装置、入力装置、及びマルチコア処理環境に関連するハードウェアの間の接続を含んでもよい。このような車両インターフェースシステムは、図3Bを参照してより詳細に記載される。
次に図3Bを参照すると、例示的な実施形態による車両インターフェースシステム301が示されている。車両インターフェースシステム301は、マルチコア処理環境400及び入出力装置、接続、及び/又は要素の間の接続を含む。マルチコア処理環境400は、先に記載された車載オーディオビジュアルシステム用のシステムアーキテクチャを提供してもよい。マルチコア処理環境400は、様々なコンピュータハードウェアコンポーネント(例えば、プロセッサ、集積回路、印刷回路基板、ランダムアクセスメモリ、ハードディスク記憶装置、ソリッドステートメモリ記憶装置、通信装置等)を含んでもよい。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、システムアーキテクチャによって、マルチコア処理環境400内で実行中のアプリケーション及び/又は様々な周辺装置(例えば、装置303‐445)の間で交換される様々な入力及び出力を管理する。マルチコア処理環境400は、例えば、計算を行い、アプリケーションを実行し、車両インターフェースシステム301を管理し、汎用処理タスクを行い、オペレーティングシステムを実行してもよい。
マルチコア処理環境400は、マルチコア処理環境400が他の装置又はソースから情報を受信し及び/又は他の装置又はソースに情報を送信することを可能にするコネクタハードウェアに接続されてもよい。例えば、マルチコア処理環境400は、コネクタハードウェアを介してマルチコア処理環境400に接続される携帯型メディア装置、データ記憶装置、サーバ、携帯電話等にデータを送信し又はこれらからデータを受信してもよい。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、アップル認定コネクタ303に接続される。アップル認定コネクタ303は、APPLE(R)製品に接続するための任意のコネクタであってもよい。例えば、アップル認定コネクタ303は、ファイアワイアコネクタ、30ピンAPPLE(R)装置互換コネクタ、ライトニングコネクタ等であってもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、「USB2.0」(Universal Serial Bus version 2.0)コネクタ305に接続される。USB2.0コネクタ305は、1つ以上の装置又はデータソースの接続を可能にしてもよい。例えば、USB2.0コネクタ305は、4つのメスコネクタを含んでもよい。他の実施形態では、USB2.0コネクタ305は、1つ以上のオスコネクタを含む。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、「USB3.0」(Universal Serial Bus version 3.0)コネクタ307に接続される。USB2.0コネクタ305を参照して記載されたように、USB3.0コネクタ307は、互換装置が接続することを可能にする1つ以上のオス又はメス接続を含んでもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上の無線通信接続309に接続される。無線通信接続309は、追加の無線通信装置(例えば、プロセッサ、アンテナ等)と共に実装されてもよい。無線通信接続309は、マルチコア処理環境400と他の装置又はソースとの間のデータ転送を可能にする。例えば、無線通信接続309は、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)3.0等のBluetooth(登録商標)通信、ZigBee通信、Wi−Fi通信、ローカルエリアネットワーク及び/又は無線ローカルエリアネットワークを介する通信等を使用してデータ転送を可能にしてもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のビデオコネクタ311に接続される。ビデオコネクタ311は装置/ソース間のビデオデータの送信を可能にし、マルチコア処理環境400が接続される。例えば、ビデオコネクタ311は、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、MHL(Mobile High−definition Link)等の標準に準拠するコネクタ又は接続であってもよい。一部の実施形態では、ビデオコネクタ311は、データ転送を促進する及び/又は標準に準拠するハードウェアコンポーネントを含む。例えば、ビデオコネクタ311は、補助プロセッサ、集積回路、メモリ、MIPI(mobile Industry Processor Interface)等を使用する標準を実装してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上の有線通信接続313に接続される。有線通信接続313は、ハードウェア及び/又はネットワーク装置間の接続を含んでもよい。例えば、有線通信接続313は、Ethernet(登録商標)スイッチ、ルータ、ハブ、ネットワークブリッジ等であってもよい。
マルチコア処理環境400は、車両コントロール315に接続されてもよい。一部の実施形態では、車両コントロール315は、マルチコア処理環境400が車両によって使用されるプロセッサ、メモリ、センサ等の車両制御設備と接続することを可能にする。例えば、車両コントロール315は、マルチコア処理環境400をエンジン制御装置、エアバッグモジュール、身体制御器、走行制御モジュール、トランスミッション制御器等に接続してもよい。他の実施形態では、マルチコア処理環境400は、列挙されているようなコンピュータシステムに直接接続される。このような場合、車両コントロール315は、エンジン制御装置、搭載プロセッサ、搭載メモリ等の要素を含む車両制御システムである。車両コントロール315は、車両コントロール315に接続される追加のソースからの情報をルーティングしてもよい。情報は、追加のソースからマルチコア処理環境400へ及び/又はマルチコア処理環境400から追加のソースへルーティングされてもよい。
一部の実施形態では、車両コントロール315は、1つ以上のLIN(Local Interconnect Networks)317、車両センサ319、及び/又はCAN(Controller Area Networks)321に接続される。LIN317は、LINプロトコルに準拠し、車両コンポーネント間の通信を可能にしてもよい。車両センサ319は、車両テレメトリを決定するためのセンサを含んでもよい。例えば、車両センサ319は、ジャイロスコープ、加速度計、3次元加速度計、傾斜計等の1つ以上であってもよい。CAN321は、CANバスによって車両コントロール315に接続されてもよい。CAN321は、車内のセンサからのフィードバックを制御又は受信してもよい。また、CAN321は、車両の電子制御装置と通信してもよい。他の実施形態では、車両コントロール315の機能は、マルチコア処理環境400によって実装されてもよい。例えば、車両コントロール315は省略されてもよく、マルチコア処理環境400はLIN317、車両センサ319、CAN321又は車両の他のコンポーネントと直接接続してもよい。
一部の実施形態では、車両インターフェースシステム301は、システムモジュール323を含む。システムモジュール323は、電源を含み、及び/又は他のやり方で車両インターフェースシステム301に電力を供給してもよい。システムモジュール323は、プラットフォーム温度を監視又は制御するコンポーネントを含んでもよい。また、システムモジュール323は、起動及び/又はスリープ機能を実行してもよい。
図3Bを更に参照すると、マルチコア処理環境400は、チューナコントロール325に接続されてもよい。一部の実施形態では、チューナコントロール325は、マルチコア処理環境400が無線信号受信機と接続することを可能にする。チューナコントロール325は、マルチコア処理環境400とFMアンテナ、AMアンテナ等の無線伝送受信機との間のインターフェースであってもよい。チューナコントロール325は、マルチコア処理環境400が信号を受信し、及び/又は受信機を制御することを可能にしてもよい。他の実施形態では、チューナコントロール325は、無線信号受信機及び/又はアンテナを含む。チューナコントロール325は、マルチコア処理環境400によって制御される無線信号を受信してもよい。例えば、マルチコア処理環境400は、チューナコントロール325に特定の周波数に同調するように命令してもよい。
一部の実施形態では、チューナコントロール325は、1つ以上のFM及びAMソース327、DAB(Digital Audio Broadcasting)ソース329、及び/又は1つ以上のHD(High Definition)ラジオソース331に接続されるFM及びAMソース327は無線信号であってもよい。一部の実施形態では、FM及びAMソース327は、受信機、アンテナ等のハードウェアを含んでもよい。DABソース329は、DAB技術及び/又はプロトコルを利用する無線信号であってもよい。他の実施形態では、DABソース329は、アンテナ、受信機、プロセッサ等のハードウェアを含んでもよい。HDラジオソース331は、HDラジオ技術及び/又はプロトコルを利用する無線信号であってもよい。他の実施形態では、HDラジオソース331は、アンテナ、受信機、プロセッサ等のハードウェアを含んでもよい。
一部の実施形態では、チューナコントロール325は、1つ以上のアンプ333に接続される。アンプ333は、チューナコントロール325からオーディオ信号を受信してもよい。アンプ333は、信号を増幅して、それを1つ以上のスピーカに出力する。例えば、アンプ333は、1つ以上のスピーカ(例えば、4つのスピーカ)に接続される4チャネルパワーアンプであってもよい。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、(例えば、マルチコア処理環境400内のアプリケーションによって生成される)オーディオ信号を、今度はアンプ333に信号を送信するチューナコントロール325に送信してもよい。
図3Bを更に参照すると、マルチコア処理環境400は、マルチコア処理環境400がメディアソースから情報を受信し及び/又はメディアソースに情報を送信することを可能にするコネクタハードウェア335−445に接続されてもよい。他の実施形態では、マルチコア処理環境400は、メディアソースに直接接続され、マルチコア処理環境400内に組み込まれるメディアソースを有し、及び/又は他のやり方でメディア情報を送受信してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のDVDドライブ335に接続される。DVDドライブ335は、DVDドライブ335に挿入されたDVDディスクからマルチコア処理環境400にDVD情報を提供する。マルチコア処理環境400は、接続を介してDVDドライブ335を制御してもよい(例えば、DVDディスクを読み込み、DVDディスクを輩出し、情報を再生し、情報を停止する等)。更なる実施形態では、マルチコア処理環境400は、DVDディスクにデータを書き込むためにDVDドライブ335を使用する。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のSSD(Solid State Drives)337に接続される。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、SSD337に直接接続される。他の実施形態では、マルチコア処理環境400は、SSD337の取り外しを可能にする接続ハードウェアに接続される。SSD337はデジタルデータを含んでもよい。例えば、SSD337は、デジタル的に記憶された画像、ビデオ、テキスト、オーディオ、アプリケーション等を含んでもよい。更なる実施形態では、マルチコア処理環境400は、SSD337に情報を記憶するためにSSD337との接続を使用する。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のSD(Secure Digital)カードスロット339に接続される。SDカードスロット339は、SDカードを受け入れるように構成される。一部の実施形態では、異なるサイズのSDカード(例えば、マイクロ、フルサイズ等)を受け入れる複数のSDカードスロット339がマルチコア処理環境400に接続される。SDカードスロット339は、マルチコア処理環境400がSDカードから情報を取得し、及び/又はSDカードに情報を書き込むことを可能にする。例えば、マルチコア処理環境400は、上記のソースからアプリケーションデータを取得し、及び/又は上記のソースにアプリケーションデータを書き込んでもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のビデオデコーダ441に接続される。ビデオデコーダ441は、マルチコア処理環境400にビデオ情報を提供してもよい。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、情報を復号して、マルチコア処理環境400にそれを送信するビデオデコーダ441に情報を提供してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のコーデック443に接続される。コーデック443は、デジタルデータストリーム又は信号を符号化又は復号することを可能にする情報をマルチコア処理環境400に提供してもよい。コーデック443は、追加のハードウェア(例えば、プロセッサ、メモリ等)で実行されるコンピュータプログラムであってもよい。他の実施形態では、コーデック443は、マルチコア処理環境400のハードウェアで実行されるプログラムであってもよい。更なる実施形態では、コーデック443は、マルチコア処理環境400によって使用される情報を含む。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、コーデック443から情報を取得し、及び/又はコーデック443に情報(例えば、追加のコーデック)を提供してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上の衛星ソース445に接続される。衛星ソース445は、衛星から受信した信号及び/又はデータであってもよい。例えば、衛星ソース445は、衛星ラジオ及び/又は衛星テレビ信号であってもよい。一部の実施形態では、衛星ソース445は信号又はデータである。他の実施形態では、衛星ソース445は、アンテナ、受信機、プロセッサ等のハードウェアコンポーネントを含んでもよい。
図3Bを更に参照すると、マルチコア処理環境400は、入出力装置441−453に接続されてもよい。入出力装置441−453は、マルチコア処理環境400がユーザに情報を表示することを可能にしてもよい。また、入出力装置441−453は、ユーザがマルチコア処理環境400に制御入力を提供することを可能にしてもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のCIDディスプレイ447に接続される。マルチコア処理環境400は、CIDディスプレイ447に画像、データ、ビデオ等を出力してもよい。例えば、マルチコア処理環境400内で実行中のアプリケーションがCIDディスプレイ447に出力されてもよい。一部の実施形態では、CIDディスプレイ447は、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。例えば、CIDディスプレイ447は、タッチ対応であり、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のICDディスプレイ449に接続される。マルチコア処理環境400は、ICDディスプレイ449に画像、データ、ビデオ等を出力してもよい。例えば、マルチコア処理環境400内で実行中のアプリケーションがICDディスプレイ449に出力されてもよい。一部の実施形態では、ICDディスプレイ449は、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。例えば、ICDディスプレイ449は、タッチ対応であり、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のHUDディスプレイ451に接続される。マルチコア処理環境400は、HUDディスプレイ451に画像、データ、ビデオ等を出力してもよい。例えば、マルチコア処理環境400内で実行中のアプリケーションがHUDディスプレイ451に出力されてもよい。一部の実施形態では、HUDディスプレイ451は、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上の後部座席ディスプレイ453に接続される。マルチコア処理環境400は、後部座席ディスプレイ453に画像、データ、ビデオ等を出力してもよい。例えば、マルチコア処理環境400内で実行中のアプリケーションが後部座席ディスプレイ453に出力されてもよい。一部の実施形態では、後部座席ディスプレイ453は、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。例えば、後部座席ディスプレイ453は、タッチ対応であり、マルチコア処理環境400に入力情報を送信してもよい。
更なる実施形態では、マルチコア処理環境400は、他のソースから入力を受信してもよい。例えば、マルチコア処理環境400は、ハードキーコントロール(例えば、ボタン、ノブ、スイッチ等)から入力を受信してもよい。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、パーソナルメディア装置、携帯電話等の接続装置からも入力を受信してもよい。追加の実施形態では、マルチコア処理環境400は、こうした装置に出力してもよい。
次に図4を参照すると、例示的な実施形態によるマルチコア処理環境400をより詳細に示すブロック図が示されている。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、システム・オン・チップを使用して及び/又はARMv7−Aアーキテクチャを使用して実装される。他の実施形態では、マルチコア処理環境400は、同じ又は類似の環境を提供するためにシステム・オン・チップではないマルチコアプロセッサを含んでもよい。例えば、マルチコアプロセッサは、複数の処理コアをサポートするマザーボード上の汎用コンピュータマルチコアプロセッサであってもよい。更なる実施形態では、マルチコア処理環境400は、複数のネットワーク化された処理コアを使用して実装されてもよい。一実施形態では、マルチコア処理環境400は、クラウドコンピュータアーキテクチャ又は他の分散コンピュータアーキテクチャを使用して実装されてもよい。
マルチコア処理環境400は、ハイパーバイザ402を含むように示されている。ハイパーバイザ402は、ブート中にマルチコア処理環境400を生成するのを支援するために、ブートローダと統合され又はブートローダと連動して動作してもよい。システムファームウェア(図示せず)が、第1のCPUコア(コア0)を使用してブートローダ(例えば、U−Boot)を開始し得る。ブートローダは、ゲストOS用のブートパーティションからカーネルイメージ及びデバイスツリーをロードし得る。次に、ハイパーバイザ402は、コア1で実行されるゲストOS用に使用されるデータ構造を初期化し得る。次に、ハイパーバイザ402は、コア1用のゲストOSをブートし得る。次に、ハイパーバイザ402は、ハイパーバイザモードに切り替え、ハイパーバイザレジスタを初期化し、ゲストカーネルに制御を引き渡し得る。次に、コア0上で、ハイパーバイザ402は、コア0上で実行されるゲスト用に同じことをし得る(即ち、ゲスト用のデータ構造を初期化し、ハイパーバイザモードに切り替え、ハイパーバイザレジスタを初期化し、コア0用のゲストカーネルに制御を引き渡す)。ブートアップ後、プライマリコアとセカンダリコアとの区別は無視されてもよく、ハイパーバイザ402は2つのコアを等しく取り扱ってもよい。トラップは同じコアでそれらをトリガしたゲストとして処理されてもよい。
図4では、マルチコア処理環境400は、ハイパーバイザ402によってセットアップが行われた後で、且つドメイン408−414を提供するためにゲストOSがブートアップされた後の状態のマルチコア処理環境400が示されている。ドメイン408−414の各々は、クラスタディスプレイ426等のディスプレイシステムの所定の領域又はウィンドウを出力することに関与し得る。一部の実施形態では、クラスタディスプレイ426はICDであってもよい。クラスタディスプレイ426は、表示領域A及びBを有するように示されている。高信頼性ドメイン408は、表示領域Aに関係付けられてもよい。表示領域Aは、車両速度、エンジン状態、車両警報、タイヤ状態、又はECUからの他の情報等のセーフティクリティカル情報を表示するために使用されてもよい。表示領域A用の情報は、完全にドメイン408によって提供されてもよい。表示領域Bは、インフォテイメントコア410によって生成される表示出力により提供される音楽プレーヤアプリケーションのユーザインターフェースを表してもよい。クラウドドメイン414は、表示領域Bにおいてインターネットベースの天気アプリケーションのユーザインターフェースを提供してもよい。有利に、クラウドドメイン414に又はインフォテイメントコア410で実行中の音楽プレーヤに存在し得るシステム不安定性、クラッシュ又は他の予想外の問題は、表示領域Aの動作又は高信頼性ドメイン408により提供される任意の他の処理に影響を与える又は中断することが完全に防がれてもよい。
各ゲストOSは、そのオペレーティングシステムにおいて処理を実行するための自身のアドレス空間を有してもよい。2ステージメモリ管理装置(MMU)404の第1ステージは、ゲストOSにより使用される論理アドレス及びそのアプリケーションを物理アドレスに変換してもよい。ゲストOS用のMMU404により生成されるこのアドレスは、中間アドレスであってもよい。2ステージMMU404の第2ステージは、各ゲストからのこうした中間アドレスを実際の物理アドレスに変換してもよい。メモリの領域を特定のゲストOS(従って、特定のドメイン及びコア)にマッピングするために使用されることに加えてMMU404の第2ステージは、図4に示されているように、メモリマップド周辺装置を特定のドメイン(従って、ゲストOS及びコア)に専用にすることができる。
ハイパーバイザ402は、MMU404の第2ステージを構成するのに使用されてもよい。ハイパーバイザ402は、物理メモリ領域を異なるゲストに割り当ててもよい。構成時間中にこうしたマッピングを静的に定義することは、全てのゲストに対する中間・物理メモリマッピングが互いのメモリ空間を侵害することができないように定義されることを確実にするのに役立つ。ゲストOSは、論理から中間メモリ空間への第1ステージのメモリマッピングを提供する。2ステージMMU404は、ゲストOSが通常通りに動作する(即ち、ゲストOSがメモリマッピングの所有権を有しているように動作する)ことを可能にしつつ、マッピングの基礎レイヤが異なるゲストOS(即ち、ドメイン)が互いから分離されたままであることを確実にすることができる。
図4に示されているように、同じディスプレイ(クラスタディスプレイ426)を共有し且つ同じハードウェア(例えば、システム・オン・チップ)を共有する一方で、図4のアーキテクチャはドメイン間のパーティション化を提供する。図4に示されるアーキテクチャは、コンピュータシステムに車両ユーザインターフェース(例えば、入力装置、ディスプレイ426)との統合を提供する。一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、マルチコアプロセッサを含む。マルチコア処理環境400は、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第1のコア(例えば、コア0)において第1のゲストオペレーティングシステム(例えば、QNX OS416)に仮想化を提供するように構成されてもよい。マルチコア処理環境400は、マルチコアプロセッサの1つ又は複数の第2の異なるコア(例えば、コア1)において少なくとも第2のゲストオペレーティングシステム(例えば、Linux(登録商標) OS418)に仮想化を提供するように構成されてもよい。第1のゲストオペレーティングシステム(例えば、「リアルタイム」QNX OS416)は、高信頼性動作用に構成されてもよい。仮想化を提供するために非対称型マルチプロセッシング(AMP)を使用してオペレーティングシステムをそれ自身のコアに専用にすることは、第2のゲストオペレーティングシステム(例えば、Linux OS418)の動作が第1のゲストオペレーティングシステム(例えば、QNX OS416)の高信頼性動作を中断することを防ぐのに有利に役立つ。
高信頼性ドメイン408は、1つ以上の割り当てられた周辺機器としてECU入力を有し得る。例えば、ECUは、高信頼性ドメイン408に割り当てられる周辺機器1であってもよい。周辺機器2は、車両のコントローラエリアネットワーク(CAN)等の別の車両ハードウェア装置であってもよい。ドメイン間のパーティション化を考慮すると、インフォテイメントドメイン410、ネイティブHMIドメイン412、及びクラウドドメイン414は、ECU又はCANに直接アクセスすることができなくてもよい。他のドメイン(例えば、410、414)によってECU又はCAN情報が使用される場合、情報は、高信頼性ドメイン408により取得されて、共有メモリ424に配置され得る。
例示的な実施形態では、各スクリーンがドメイン408−414の1つ以上からのグラフィカル出力を保持するように、クラスタディスプレイ426等の複数の分離したスクリーンはシステムを提供され得る。一組のシステム周辺機器(例えば、ECU、Bluetooth(登録商標)モジュール、ハードドライブ等)が、単一のマルチコアシステム・オン・チップを使用して1つ又は複数のスクリーンを提供するために使用されてもよい。本明細書に記載のドメインパーティション化は、インフォテイメントオペレーティングシステム(例えば、インフォテイメントドメイン410)、インターネット/アプリオペレーティングシステム、及び/又はクラウドオペレーティングシステム(例えば、クラウドドメイン414)からセーフティ関連ドライバ情報オペレーティングシステム(例えば、高信頼性ドメイン408)を効果的に分離することができる。
様々なオペレーティングシステムが、他の動作ドメインを有するスクリーン上に示されるアプリケーションのビューを生成することができる。異なるスクリーンは、異なるドメインにより制御されてもよい。例えば、クラスタディスプレイ426は、主に高信頼性ドメイン408により制御されてもよい。この制御にもかかわらず、ドメイン410、414からのビューがクラスタディスプレイ426に示され得る。共有メモリ424が、ドメイン410、414からドメイン408へグラフィックビューを提供するために使用されてもよい。特に、ピクセルバッファコンテンツが、ドメイン408によって使用するためにドメイン410、414から共有メモリ424に提供されてもよい。例示的な実施形態では、(例えば、linux OS420を有する)ネイティブHMIドメイン412が、グラフィカル出力を調整するために使用され、ドメイン408−414、410及び414の各々からピクセルバッファコンテンツを使用して表示出力を構築する。有利に、単一のシステムが複数のディスプレイを駆動するために使用され且つ複数のドメインをまとめるので、ユーザは、どのドメイン又はアプリケーションコンテンツがどこ(例えば、クラスタディスプレイ、中央スタックディスプレイ、HUDディスプレイ、後部座席ディスプレイ等)に示されるかを設定することが可能であってもよい。ドメイン408−414によって生成される様々なグラフィックス出力が、以下の図面においてより詳細に記載される。
一部の実施形態では、車載周辺機器が、特定のオペレーティングシステムに割り当てられる。車載周辺機器は、装置ポート(GPIO、I2C、SPI、UART)、専用オーディオライン(TDM、I2S)、又はより多くの他のコントローラ(Ethernet(登録商標)、USB、MOST)を含んでもよい。各OSは、I/O装置に直接アクセスすることができる。従って、I/O装置は各OSに割り当てられる。第2ステージのメモリ管理装置(MMU)404は、異なるオペレーティングシステム/ドメインに割り当てられる中間アドレスを周辺機器にマッピングする。
図5を参照すると、例示的な実施形態による、特定のドメインにおける個々のゲストOSに装置を割り当てるための第2ステージMMU428の使用を例示するブロック図が示されている。第2ステージMMU428は、図4を参照して記載された2ステージMMU424のコンポーネントであってもよい。ブート中に第2ステージMMU428を構成するハイパーバイザ402が示されている。ハイパーバイザ402は、第2ステージMMU428用のページテーブルをセットアップして、中間アドレス(IA)を物理アドレス(PA)に変換してもよい。一部の実施形態では、第2ステージMMU428は、IPA空間からの任意のページ(例えば、4kBページ)をPA空間からの任意のページにマッピングすることができる。マッピングは、読み出し/書き込み、読み出し専用、書き込み専用として、又は他の適切な許可を有するように指定され得る。ページテーブルをセットアップするために、ハイパーバイザ402は、ハイパーバイザ402のデバイスツリーで利用可能なメモリ範囲情報を使用することができる。この配置は、どの装置がゲストに割り当てられるかを設定するための単一の場所を有利に提供し、ハイパーバイザ402及びゲストカーネルの両方がデバイスツリーを使用することができる。
図5には、スタートアップ時にハイパーバイザ402により行われるマッピングの単純化された例が示されている。コア0が、メモリ領域0、メモリマップド周辺機器0、及びメモリマップ周辺機器1に割り当てられてもよい。コア1は、メモリ領域1及び周辺機器2に割り当てられる。構成は、各コアがそのOSのデバイスツリーで指定されたメモリマッピング領域を割り当てられるように継続するであろう。ゲストドメインが第2ステージMMU428により管理されるページテーブルに従ってマッピングされていないページへのアクセスを試みると、ゲスト用のプロセッサコアは例外を出し、それにより、ハイパーバイザ402をアクティブ化して、データ又は命令停止ハンドリングのためにハイパーバイザ402のトラップハンドラ430を呼び出す。例示的な実施形態では、オペレーティングシステムからCPUへの1:1のマッピングが有り、ハイパーバイザによってスケジューリングが行われない。有利に、こうした実施形態は、仮想割り込み管理の必要性及び仮想CPUインターフェースの必要性を減らす。通常の割り込みが発生すると、各CPUはそのゲストOSでその割り込みを直接処理することができる。
ハイパーバイザ402は、異なるドメインで実行中の2つのゲストオペレーティングシステム間の通信をサポートしてもよい。上記のように、このような通信のために共有メモリが使用される。2つのゲストのデバイスツリーにおいて特定の物理メモリ範囲が指定されると、そのメモリ範囲は両方のコアにマッピングされ、共有メモリとしてアクセス可能になる。ゲストOS間の割り込みに対して、割り込みラインをアサート及びクリアするために割り込みコントローラが使用される。例示的な実施形態によれば、カーネルにおける各仮想装置に対するデバイスツリーは、他のコアとの通信のためにどの割り込みをトリガすべきかを記述する「ドアベル」プロパティを有する。トラップされたメモリページを使用してドアベルがアクセスされ、そのアドレスはデバイスツリーにも記述されている。受信側では、トラップされたメモリページを使用して割り込みがクリアされる。これは、ロッキング無しで且つ、従来の装置割り込みと比較して比較的低いオーバヘッドで、割り込みアサーション及びハンドリングを可能にする。
例示的な実施形態では、ゲストオペレーティングシステムは、システム全体をリセットすることは許可されない。その代わり、システムは、(例えば、エラー状態から回復するために)個々のゲストのリセットをサポートするように構成される。ハイパーバイザ402は、ゲストオペレーティングシステムのカーネル及びデバイスツリーのバックアップコピーを作成して、ハイパーバイザ保護メモリ領域に情報を記憶することができる。ゲストがシステムの初期化を試みると、ハイパーバイザトラップがゲストリセットを開始するであろう。このゲストリセットはバックアップコピーからカーネル及びデバイスツリーを復元することにより行われ、割り当てられたコアのCPU状態を再初期化して、ゲストのブートアップのために制御をゲストに戻す。
次に図4−6を参照すると、ハイパーバイザ402がリソースの初期構成及び割り当てを行うと、ハイパーバイザ402は通常動作中に休眠状態になってもよい。ハイパーバイザ402は、予想外のトラップが発生したときにのみアクティブになってもよい。ハイパーバイザ402のこの態様は、図4、5及び6の各々に様々に示されている。図6に示されているように、構成時(図5を参照)におけるメモリの割り当てのために専用ハードウェア装置又はメモリ領域へのゲストOSの直接アクセスにハイパーバイザの関与は無い。ハイパーバイザアクセスモード(Cortex A15等の一部のARMプロセッサにおける「HYP」モード)は、任意の個々のゲストOSよりも高い特権レベルの下でハードウェアプラットフォームにアクセスすることができる。高特権HYPモードで実行するハイパーバイザは、受信したトラップを制御することができる。こうしたトラップは、フレームバッファ書き込み同期信号、音声同期信号、又は構成レジスタ(例えば、クロックレジスタ、コプロセッサレジスタ)へのアクセスを含み得る。
例示的な実施形態では、ハイパーバイザ402は、通常の割り込み分配には関与していない。むしろ、割り込みコントローラ(例えば、一部のARMチップの汎用割り込みコントローラ)は、適切なコアへの伝達を処理することができる。ハイパーバイザ402は、ブート中の割り込みコントローラを設定することができる。上記のように、ゲストOS間の通信は、共有メモリ及び割り込みに基づく。トラップ及び書き込みハンドラは、コア間で割り込みを送信するように構成される。
図6に示されているように、装置割り込みは、ハイパーバイザ402による構成時に個々のゲストOS又はコアに割り当てられてもよい。初期化中に、ハイパーバイザ402は、ブートアップ中に値を有用に設定し得る割り込みコントローラ(例えば、GIC)セットアップを実行することができる。各ゲストがブートされると、ハイパーバイザ402は、ゲストのデバイスツリーから割り込み割り当てを読み込むことができる。ハイパーバイザ402は、適切なCPUコアに関係付けられるようにIRQマップに割り込み読み込み(interrupt read)を追加することができる。このマップは、ランタイム中にディストリビュータによって使用されてもよい。次に、ハイパーバイザ402は、適切なCPUコアに対する割り込みを使用可能にすることができる。ゲストOSがディストリビュータへのアクセスを試みるといつも、トラップが登録されてもよい。ディストリビュータへの読み込みはトラップされなくてもよいが、任意のゲストOSから許可される。ディストリビュータへの書き込みアクセスはトラップされ、ディストリビュータはアクセスが許可されるべきかどうかを分析する。
例示的な実施形態では、システムは、完全なハードウェア仮想化を提供する。各ゲストがその専用周辺機器に直接アクセスできるのでI/Oアクセス用のパラ仮想化ドライバの必要性が無い。個々のドメインに割り当てられないメモリの一部が、ハイパーバイザコード及びカーネルイメージ用に保持され得る。このメモリ場所は、どのゲストOSによってもアクセスすることができない。カーネルイメージは、ボート処理中にバックアップイメージとしてこのメモリにロードされる。ハイパーバイザ402は、個々のOSをリブートするためにリセット時にトラップされてもよい。
個々のゲストOSのクラッシュの場合に、このプロパティはシステムの残りが機能することを有利に可能にしつつ、クラッシュしたOSが他のOSに影響を与えずにリブートできる。例示的な実施形態では、メタデータは非セキュアドメインからセキュアドメインへ許可されない。例えば、図4を参照すると、メタデータの転送は、クラウドドメイン414から高信頼性ドメイン408へ許可されない。セキュアゲスト(即ち、高信頼性ドメイン)のインターフェースアクセス(例えば、リモートプロシージャコール)は許可されない。
図7を次に参照すると、例示的な実施形態によって、共通ディスプレイシステムにおける表示出力を促進するためのシステムコンポーネントが例示されている。図7に示されているように、ネイティブHMIドメイン412は、グラフィックス及びコンポジタコンポーネント450を含む。グラフィックス及びコンポジタコンポーネント450は、一般に、他のドメイン(例えば、408、410、414)によってそれに提供される及び/又はそれ自身によって(即ち、ネイティブHMIドメイン412で)生成されるフレームバッファ情報(即ち、グラフィックスデータ)を結合するように機能する。このデータのフローは図7で強調されている。ネイティブHMIドメイン412はフレームバッファ(「FB」)ビデオモジュール452を含むように示されているが、他のドメインは各々がフレームバッファクライアントモジュール(即ち、FBクライアント454、456、458)を含んでいる。
例示的な実施形態では、ハイパーバイザ402は、共有メモリ及び割り込みの形態で異なる仮想マシン(ゲストOS)間で効率的な通信を可能にする仮想装置を提供する。FBクライアントモジュール454、456、458及びFBビデオモジュール452は、ハイパーバイザ402によって提供される仮想装置用のLinux(又はQNX)カーネルモジュールであってもよく、それによりゲストOSのユーザ空間に機能を露出させる。例示的な実施形態では、メモリ領域への生アクセスを提供する代わりに、モジュール452−458は、Linuxフレームバッファ、Video for Linux 2、evdev、ALSA、及びネットワークインターフェース等の僅かに高いレベルのAPIを実装する。これは、Androidのユーザ空間等の既存のユーザ空間ソフトウェアが修正無しで使用され得るという利点を有する。
例示的な実施形態では、ハイパーバイザ402によって提供される仮想装置はメモリマッピングされるI/Oを使用する。ハイパーバイザ402は、デバイスツリーからの情報を使用してメモリ領域を初期化することができる。装置は、IRQ信号及び信号への確認を使用して、仮想マシン間割り込みをそれぞれ確認することができる。これは、ハイパーバイザ402によってトラップされるレジスタ領域に書き込むことにより達成され得る。16Mの共有メモリ、割り込み及びドアベルを有する仮想装置用のデバイスツリーエントリの例が以下に示されている。一部の実施形態では、ドアベルレジスタへの書き込みはターゲット仮想マシンにおける割り込みをトリガする。
mosx-example@f1000000 {
compatible = “mosx-example”, “ivmc”;
reg = <0xf0100000 0x1000>,
<0xf1000000 0x1000000>;
interrupts = <0 145 4>;
doorbells = <144>;
};
各ドメインは、ディスプレイ及び入力装置を表す1つ又は複数のカーネルモジュールを利用してもよい。ドメイン408、410、414に対して、1つ又は複数のモジュールは、仮想フレームバッファ(例えば、FBクライアント454、456、458)及び仮想入力装置(例えば、イベント入力460、462、464)を提供する。コンポジタドメイン(例えば、ドメイン412)に対して、仮想ビデオ入力452及び仮想イベント出力装置468を提供するために1つ又は複数のカーネルモジュールが存在する。メモリはドメインごとにイベントバッファ及びフレームバッファに専用である。フレームバッファ用のピクセルフォーマットは、例えば、ARGB32であってもよい。例えば、入力イベントが共有メモリ領域のページに記憶されている信号に対してモジュール間で割り込みが使用されてもよい。割り込みを受信すると、受信ドメインで実行中の仮想装置は、共有メモリから入力イベントを取得して、それを処理するためにユーザ空間に提供してもよい。
ビデオ側では、FBクライアントによってバッファページが投入されてもよく、ユーザ空間がページを満たすと、信号IRQがコンポジタに提供され得る。次に、コンポジタは、共有メモリからページを取得して、それを新しいフレームを待っている任意のユーザ空間処理に提供する。このようにして、ネイティブHMIドメイン412は、グラフィックスのためのサーバとして、且つ入力処理のためのクライアントとして機能し得る。入力(例えば、タッチスクリーン入力、ボタン入力等)は、ネイティブHMIドメイン412のイベント出力468によって適切な入力イベント460、462、464に提供される。フレームバッファはドメイン408、410、414によって満たされて、FBクライアント454、456、458はフレームバッファビデオ452を使用してネイティブHMIドメインにフレームバッファコンテンツを提供する。
イベント及びフレームバッファコンテンツの両方が、共有メモリを使用してドメインからドメインへと渡される。従って、各ゲストオペレーティングシステム又はドメインは、自身のグラフィカルコンテンツを作成し(例えば、音楽プレーヤアプリケーションはそのビデオ出力を作成する)、このグラフィカルコンテンツは、結合されたグラフィックス表示出力上の適切な位置において様々なドメインからの様々なグラフィックスコンテンツを配置するためにコンポジタに提供される。クラスタディスプレイ426を参照すると、例えば、高信頼性ドメイン408上のアプリケーションは、ディスプレイ426上の空間Aにグラフィックスを生成してもよい。このようなグラフィックスコンテンツは、FBクライアント454へ、そして共有メモリ424を介してFBビデオ452へと提供されてもよい。
インフォテイメントドメインからのグラフィックスコンテンツは、そのドメインで実行中のアプリケーションによって生成され得る。ドメインは、FBクライアント456にこのような情報を投入して、共有メモリ424を介してFBビデオ452にフレームバッファコンテンツを提供し得る。ドメイン408及び410からのフレームバッファコンテンツによって、コンポジタは、クラスタディスプレイ426上に結合されたシーンの表示を引き起こすことができる。このようなグラフィカル表示は、ユーザ空間からユーザ空間へコード又はメタデータを渡さずに有利に発生する。グラフィックス及びイベント情報の伝達は、割り込みベースのOS間通信を介して行われてもよい。有利に、各コア/OSは、非対称マルチプロセッシングを使用して通常通りに動作してもよい。ハイパーバイザ402は、コア又はOSスケジューリングを行わなくてもよい。高レベルのセキュリティ、分離及び移植性を提供する非パラ仮想化が存在する。
また、各ドメインによって使用される仮想ネットワークインターフェースも提供され得る。OSユーザ空間に対して、それは名前及びMACアドレス(デバイスツリーで構成可能である)を有する通常のネットワークインターフェースとして見える。共有メモリは、仮想ネットワークインターフェース用のヘッダページ及び2つのバッファを含んでもよい。第1のバッファは、第1のゲスト用の受信バッファとして、及び第2のゲスト用の送信バッファとして機能し得る。第2のバッファは、逆の役割で(第1のゲスト用の送信バッファとして、及び第2のゲスト用の受信バッファとして)使用される。ヘッダは、対応するバッファの内側の有効データ領域の開始及び終了オフセットを指定し得る。有効データ領域は、一連のパケットを含み得る。新しいパケットがバッファに書き込まれたことを受信側ゲストに示すために、単一の割り込みが使用されてもよい。より詳細には、送信ドメインがパケットサイズを書き込み、その後に共有メモリにおける送信バッファへのパケットデータが続く。着信側では、割り込みが着信パケットの存在を示す。システムによって受信されるパケットは読み取られて、受信側ドメインによりゲストOSのネットワークサブシステムに転送される。ドメインの1つが、実際のハードウェアコンポーネントによる受信を制御することができる。仮想サウンドカードがシステムに存在し得る。再生及びキャプチャバッファが、図7を参照して記載されたクライアント/サーバフレームバッファにより提供されたものと同様に動作し得る。
次に図8を参照すると、例示的な実施形態によるマルチコア処理環境400内で実行される様々な動作モジュールが示されている。動作モジュールは、車両内のディスプレイ装置で表示するためのアプリケーション画像(例えば、グラフィックス出力)を生成するために使用される。アプリケーション画像はフレームバッファコンテンツを含んでもよい。動作モジュールは、メモリに記憶されて、マルチコア処理環境400のコンピュータコンポーネント及び/又はハードウェアコンポーネントにより実行されるコンピュータコードであってもよい。動作モジュールは、ハードウェアコンポーネントであり又はハードウェアコンポーネントを含んでもよい。一部の実施形態では、図8に示された動作モジュールは、マルチコア処理環境400の単一コアで実装される。例えば、図4に示されたネイティブHMIドメイン412が、ここで検討される動作モジュールを含んでもよい。他の実施形態では、本明細書で検討される動作モジュールは、他のドメインで及び/又は複数のドメインで実行及び/又は記憶されてもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、システム構成モジュール341を含む。システム構成モジュール341は、システム構成に関連する情報を記憶してもよい。例えば、システム構成モジュール341は、接続ディスプレイの数、接続ディスプレイのタイプ、ユーザ設定(例えば、お気に入りのアプリケーション、好みのアプリケーション場所等)、デフォルト値(例えば、アプリケーションのデフォルト表示場所)等の情報を含んでもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、アプリケーションデータベースモジュール343を含む。アプリケーションデータベースモジュール343は、マルチコア処理環境400にロードされる及び/又は実行される各アプリケーションに関連する情報を含んでもよい。例えば、アプリケーションデータベースモジュール343は、特定のアプリケーションに関連する表示情報(例えば、アイテム/ディスプレイ構成、色、相互作用可能要素、関連画像及び/又はビデオ等)、デフォルト又は設定情報(例えば、「ホワイトリスト」又は「ブラックリスト」情報、デフォルト表示場所、お気に入りの状態等)等を含んでもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、オペレーティングシステムモジュール345を含む。オペレーティングシステムモジュール345は、マルチコア処理環境400で実行される1つ以上のオペレーティングシステムに関連する情報を含んでもよい。例えば、オペレーティングシステムモジュール345は、実行可能コード、カーネル、メモリ、モード情報、割り込み情報、プログラム実行命令、デバイスドライバ、ユーザインターフェースシェル等を含んでもよい。一部の実施形態では、オペレーティングシステムモジュール345は、マルチコア処理環境400の他の全てのモジュールを管理するために使用されてもよい。
一部の実施形態では、マルチコア処理環境400は、1つ以上のプレゼンテーションコントローラモジュール347を含む。プレゼンテーションコントローラモジュール347は、1つ以上のコンポーネントモジュール349と1つ以上のアプリケーションモジュール351との間の通信リンクを提供してもよい。プレゼンテーションコントローラモジュール347は、コンポーネントモジュール349とアプリケーションモジュール351との間の入力及び/又は出力を処理してもよい。例えば、プレゼンテーションコントローラ347は、コンポーネントモジュール349から適切なアプリケーションへと情報をルーティングしてもよい。同様に、プレゼンテーションコントローラ347は、アプリケーションモジュール351から適切なコンポーネントモジュール349へと出力命令をルーティングしてもよい。一部の実施形態では、プレゼンテーションコントローラモジュール347は、データをルーティングする前にマルチコア処理環境400がデータを前処理することを許可してもよい。例えば、プレゼンテーションコントローラ347は、アプリケーションモジュール351又はコンポーネントモジュール349の何れかにより処理され得る形態に情報を変換してもよい。
一部の実施形態では、コンポーネントモジュール349は、マルチコア処理環境400に接続されるコンポーネント(例えば、携帯電話、DVDドライブ等の娯楽装置、アンプ、信号チューナ等)に関連する入力及び/又は出力を処理する。例えば、コンポーネントモジュール349は、コンポーネントから入力を受信するための命令を提供してもよい。コンポーネントモジュール349は、コンポーネント及び/又は処理入力から入力を受信してもよい。例えば、コンポーネントモジュール349は、入力を命令に変換してもよい。同様に、コンポーネントモジュール349は、出力命令をコンポーネント用の出力又は出力コマンドに変換してもよい。他の実施形態では、コンポーネントモジュール349は、上記のタスクを行うために使用される情報を記憶する。コンポーネントモジュール349は、プレゼンテーションコントローラモジュール347によりアクセスされてもよい。次に、プレゼンテーションコントローラモジュール347は、アプリケーションモジュール351及び/又はコンポーネントとインターフェース接続してもよい。
アプリケーションモジュール351はアプリケーションを実行してもよい。アプリケーションモジュール351は、プレゼンテーションコントローラ347、ウィンドウマネージャ355、レイアウトマネージャ357、及び/又はユーザ入力マネージャ359から入力を受信してもよい。また、アプリケーションモジュール351は、プレゼンテーションコントローラ347、ウィンドウマネージャ355、レイアウトマネージャ357、及び/又はユーザ入力マネージャ359に情報を出力してもよい。アプリケーションモジュール351は、入力に基づいて計算を行って、出力を生成する。次に、出力は異なるモジュールに送信される。アプリケーションの例は、天気情報を取得してそれをユーザに表示する天気情報アプリケーション、携帯装置から通知を取得してユーザに表示する通知アプリケーション、他の入力装置を使用してユーザが携帯装置を制御することを可能にする携帯装置インターフェースアプリケーション、ゲーム、カレンダ、ビデオプレーヤ、音楽ストリーミングアプリケーションを含む。一部の実施形態では、アプリケーションモジュール351は、計算、処理、入力、及び/又は出力により引き起こされるイベントを処理する。アプリケーションモジュール351は、ユーザ入力を処理し、及び/又はそれに応じて表示される画像(例えば、レンダリング面353)を更新してもよい。アプリケーションモジュール351は、アプリケーションを終了する、アプリケーション等を立ち上げる等の他の動作を処理してもよい。
アプリケーションモジュール351は、1つ以上のレンダリング面353を生成してもよい。レンダリング面は、ユーザに表示される情報である。一部の実施形態では、レンダリング面353は、ディスプレイ上に位置する仮想動作フィールドを介してアプリケーションの表示を可能にする情報を含む。例えば、レンダリング面353は、表示される要素のレイアウト、表示される値、表示されるラベル、表示されるフィールド、色、形状等を含む。他の実施形態では、レンダリング面353は、ユーザに表示される画像内に含まれる情報のみを含んでもよい。例えば、レンダリング面353は、値、ラベル及び/又はフィールドを含み得るが、レイアウト(例えば、情報の位置、色、サイズ等)は、他のモジュール(例えば、レイアウトマネージャ357、ウィンドウマネージャ355等)によって決定されてもよい。
一部の実施形態では、アプリケーションモジュール351は異なるドメインに位置している。例えば、アプリケーションモジュール351はインフォテイメントドメイン410に位置し得るが、別のアプリケーションモジュールはクラウドドメイン414に位置してもよい。異なるドメイン上のアプリケーションモジュール351は、共有メモリ424を使用して他のドメイン上のモジュールに情報及び/又は命令を渡してもよい。レンダリング面353は、アプリケーションモジュール351からネイティブHMIドメイン412にフレームバッファとして渡されてもよい。また、異なるドメイン上のアプリケーションモジュール351は、共有メモリ424を介して情報及び/又は命令を受信してもよい。例えば、ユーザ入力は、共有メモリ424にイベント出力としてネイティブHMIドメイン412から渡されてもよく、異なるドメイン上のアプリケーションモジュール351は共有メモリ424からイベント入力としてユーザ入力を受信してもよい。
ウィンドウマネージャ355は、1つ以上のディスプレイ347における情報の表示を管理する。一部の実施形態では、ウィンドウマネージャ355は、他のモジュールから入力を受け取る。例えば、ウィンドウマネージャ355は、レイアウトマネージャ357及びアプリケーションモジュール351(例えば、レンダリング面353)からの入力を使用して、ディスプレイ347に表示するための画像を作成してもよい。ウィンドウマネージャ355は、表示情報を適切なディスプレイ347にルーティングしてもよい。レイアウトマネージャ357からの入力は、システム構成モジュール341、アプリケーションデータベースモジュール343からの情報、ユーザ入力マネージャ359からの表示レイアウトを変更するためのユーザ入力命令、レイアウトヒューリスティックによる単一ディスプレイ347上のアプリケーション表示のレイアウト、又はディスプレイ347に関係付けられる仮想動作フィールドを管理するための規則等を含んでもよい。同様に、ウィンドウマネージャ355は、入力を処理して、他のモジュールにルーティングしてもよい(例えば、命令を出力する)。例えば、ウィンドウマネージャ355は、ユーザ入力を受信して、適切なクライアント又はアプリケーションモジュール351にリダイレクトしてもよい。一部の実施形態では、ウィンドウマネージャ355は、X、Y、又はZオーダーに基づいて異なるクライアント又はアプリケーション面(例えば、表示画像)を作成し得る。ウィンドウマネージャ355は、ユーザ入力を介してユーザにより制御されてもよい。ウィンドウマネージャ355は、シェル(例えば、Wayland shell)を介してクライアント又はアプリケーションと通信してもよい。例えば、ウィンドウマネージャ355は、X−Serverウィンドウマネージャ、Windowsウィンドウマネージャ、Waylandウィンドウマネージャ、Waylandサーバ等であってもよい。
レイアウトマネージャ357は、1つ以上のディスプレイ347上に表示されるアプリケーションのレイアウトを生成する。レイアウトマネージャ357は、アプリケーションデータのレイアウトを生成するのに使用されるシステム構成情報を取得してもよい。例えば、レイアウトマネージャ357は、ディスプレイ347の解像度及び場所を含むディスプレイ347の数、システム内のウィンドウマネージャの数、モニタのスクリーンレイアウトスキーム(bining)、車両状態等のシステム構成情報を取得してもよい。一部の実施形態では、システム構成情報は、システム構成モジュール341からレイアウトマネージャ357によって取得されてもよい。
また、レイアウトマネージャ357は、アプリケーションデータのレイアウトを生成するのに使用されるアプリケーション情報を取得してもよい。例えば、レイアウトマネージャ357は、どのアプリケーションがどのディスプレイ347(例えば、HUD、CID、ICD等)に表示されることができるか、各アプリケーションによってサポートされるディスプレイ解像度、アプリケーション状態(例えば、どのアプリケーションが実行中であり又はアクティブであるか)、トラックシステム及び/又は非システムアプリケーション(例えば、タスクバー、設定メニュー、エンジニアリングスクリーン等)等のアプリケーション情報を取得してもよい。
一部の実施形態では、レイアウトマネージャ357は、アプリケーションデータベースモジュール343からアプリケーション情報を取得してもよい。更なる実施形態では、レイアウトマネージャ357は、アプリケーションモジュール351からアプリケーション情報を取得してもよい。また、レイアウトマネージャ357は、ユーザ入力情報を受信してもよい。例えば、ユーザ入力から生じる情報及び/又は命令は、ユーザ入力マネージャ359からレイアウトマネージャ357に送信されてもよい。例えば、ユーザ入力は、あるディスプレイ347から別のディスプレイ347へアプリケーションを移動させ、アプリケーション画像をサイズ変更し、追加のアプリケーションアイテムを表示し、アプリケーションを終了する命令等を生じてもよい。レイアウトマネージャ357は、ユーザ入力に完全に又は部分的に基づいて新しい表示レイアウトを生成するように命令を実行し及び/又は情報を処理してもよい。
レイアウトマネージャ357は、1つ以上のディスプレイに表示されるアプリケーションデータ(例えば、レンダリング面353)用のレイアウトを決定するために上記の情報又は他の情報を使用してもよい。多くのレイアウトが可能である。レイアウトマネージャ357は、本明細書に記載のレイアウトを生成するために様々な技術を使用してもよい。こうした技術は、例えば、サイズ最適化、アプリケーションの優先順位付け、ユーザ入力への応答、規則、ヒューリスティック、レイアウトデータベース等を含んでもよい。
レイアウトマネージャ357は、他のモジュールに情報を出力してもよい。一部の実施形態では、レイアウトマネージャ357は、アプリケーション情報及び/又はアイテムを所定の設定(例えば、所定のサイズ、所定のディスプレイ347、所定の表示場所(例えば、仮想動作フィールド)等でレンダリングするためにアプリケーションモジュール351に命令及び/又はデータを送信する。例えば、レイアウトマネージャ357は、レイアウトマネージャ357によって取得された情報及び/又は命令に基づいてレンダリング面353を生成するようにアプリケーションモジュール351に命令してもよい。
一部の実施形態では、レンダリング面353又は他のアプリケーションデータは、レイアウトマネージャ357に戻されてもよく、これは次にウィンドウマネージャ355にそれを転送してもよい。例えば、アプリケーション及び/又は仮想動作フィールドの方向、アプリケーション及び/又は仮想動作フィールドのサイズ、アプリケーション及び/又は仮想動作フィールドをどのディスプレイ347に表示すべきか等の情報が、レイアウトマネージャ357によってウィンドウマネージャ355に渡されてもよい。他の実施形態では、レイアウトマネージャ357からの命令に応答してアプリケーションモジュール351によって生成されるレンダリング面353又は他のアプリケーションデータが、ウィンドウマネージャ355に直接送信されてもよい。更なる実施形態では、レイアウトマネージャ357は、ユーザ入力マネージャ359に情報を伝達してもよい。例えば、レイアウトマネージャ357は、所定のユーザ入力を防ぐためにインターロック情報を提供してもよい。
マルチコア処理環境400は、ユーザ入力361を受信してもよい。ユーザ入力361は、タッチスクリーン入力(例えば、プレス、スワイプ、ジェスチャ等)、ハードキー入力(例えば、ボタンを押すこと、ノブを回すこと、スイッチをアクティブ化すること等)、音声コマンド等のユーザ入力に応じたものであってもよい。一部の実施形態では、ユーザ入力361は入力信号又は命令であってもよい。例えば、入力ハードウェア及び/又は中間制御ハードウェア及び/又はソフトウェアがユーザ入力を処理して、マルチコア処理環境400に情報を送信してもよい。他の実施形態では、マルチコア処理環境400は、車両インターフェースシステム301からユーザ入力361を受信する。更なる実施形態では、マルチコア処理環境400は、直接ユーザ入力(例えば、電圧の変化、測定キャパシタンス、測定抵抗等)を受信する。マルチコア処理環境400は、直接ユーザ入力を処理し又は他のやり方で取り扱ってもよい。例えば、ユーザ入力マネージャ359及び/又は追加のモジュールが直接ユーザ入力を処理してもよい。
ユーザ入力マネージャ359はユーザ入力361を受信する。ユーザ入力マネージャ359はユーザ入力361を処理してもよい。例えば、ユーザ入力マネージャ359は、ユーザ入力361を受信して、ユーザ入力361に基づいて命令を生成してもよい。例えば、ユーザ入力マネージャ359は、CIDディスプレイ上のキャパシタンスの変化から成るユーザ入力361を処理し、CIDディスプレイ上の左から右のスワイプに対応する入力命令を生成してもよい。また、ユーザ入力マネージャは、ユーザ入力361に対応する情報を決定してもよい。例えば、ユーザ入力マネージャ359は、どのアプリケーションモジュール351がユーザ入力361に対応するかを決定してもよい。ユーザ入力マネージャ359は、レイアウトマネージャ357から受信したアプリケーションレイアウト情報及びユーザ入力361、ウィンドウマネージャ355からのウィンドウ情報、及び/又はアプリケーションモジュール351から受信したアプリケーション情報に基づいてこの決定を行ってもよい。
ユーザ入力マネージャ359は、ユーザ入力361に対応する情報及び/又は命令を出力してもよい。情報及び/又は命令は、レイアウトマネージャ357に出力されてもよい。例えば、あるディスプレイ347から別のディスプレイ347へとアプリケーションを移動させるための命令が、対応するディスプレイ347に対して更新されたレンダリング面353を生成するようにアプリケーションモジュール351を命令するレイアウトマネージャ357に送信されてもよい。他の実施形態では、情報及び/又は命令は、ウィンドウマネージャ355に出力されてもよい。例えば、情報及び/又は命令はウィンドウマネージャ355に出力されてもよく、これは次に情報及び/又は命令を1つ以上のアプリケーションモジュール351に転送してもよい。更なる実施形態では、ユーザ入力マネージャ359は、情報及び/又は命令をアプリケーションモジュール351に直接出力する。
一部の実施形態では、システム構成モジュール341、アプリケーションデータベースモジュール343、レイアウトマネージャ357、ウィンドウマネージャ355、及びユーザ入力マネージャ359が、ネイティブHMIドメイン412に位置してもよい。上記の機能は、異なるドメインに位置するモジュールと通信するために共有メモリ424を使用して実行されてもよい。例えば、ユーザ入力は、ネイティブHMIドメイン412に位置するユーザ入力マネージャ359によって受信されてもよい。入力は、イベントとして共有メモリ424を介して別のドメイン(例えば、インフォテイメントドメイン410)に位置するアプリケーションに渡されてもよい。入力を受信するアプリケーションモジュール351は、新しいレンダリング面353を生成してもよい。レンダリング面353は、共有メモリ424を使用してフレームバッファクライアントとしてネイティブHMIドメイン412に位置するレイアウトマネージャ237及び/又はウィンドウマネージャ355に渡されてもよい。レイアウトマネージャ357及び/又はウィンドウマネージャ355は、次に、ディスプレイ347を使用して情報を表示してもよい。上記は単なる例示である。ドメイン間で命令及び/又は情報を渡すために共有メモリ424を使用してモジュール及びドメインの多数の構成が可能である。
レンダリング面353及び/又はアプリケーション情報は、1つ以上のディスプレイ347に表示されてもよい。ディスプレイ347は、ICD、CID、HUD、後部座席ディスプレイ等であってもよい。一部の実施形態では、ディスプレイ347は、統合型入力装置を含んでもよい。例えば、CIDディスプレイ347は容量性タッチスクリーンであってもよい。1つ以上のディスプレイ347がディスプレイシステム(例えば、拡張デスクトップ)を形成してもよい。ディスプレイシステムのディスプレイ347は、マルチコア処理環境400の1つ又は複数のモジュールにより調整されてもよい。例えば、レイアウトマネージャ357及び/又はウィンドウマネージャ355は、どのアプリケーションがディスプレイシステムのどのディスプレイ347に表示されるかを決定してもよい。同様に、1つ以上のモジュールが、複数のディスプレイ347間での相互作用を調整してもよい。例えば、マルチコア処理環境400は、あるディスプレイ347から別のディスプレイ347へのアプリケーションの移動を調整してもよい。
様々な例示的な実施形態に示されたシステム及び方法の構造及び配置は単なる例示である。本開示には少数の実施形態のみが詳細に記載されているが、多くの修正(例えば、サイズ、寸法、構造、形状及び様々な要素の比率、パラメータの値、取付配置、材料の使用、色、方向の変更)が可能である。例えば、要素の配置は反転され又は他のやり方で変更されてもよく、個々の要素の性質又は数又は位置が変更又は変形されてもよい。従って、このような全ての修正が、本開示の範囲内に含まれることが意図される。任意の処理又は方法のステップの順番又は順序が、代替的な実施形態に従って変更され又は再順序付けされてもよい。他の置換、修正、変更及び省略が、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置で行われてもよい。
本開示は、様々な動作を遂行するための任意の機械可読媒体上のプログラム製品、システム及び方法を考慮している。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、又はこの若しくは別の目的で組み込まれる、適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、又は配線システムによって実装されてもよい。本開示の範囲内の実施形態は、機械実行可能命令又はそれに記憶されるデータ構造を伝送する又は有する機械可読媒体を含むプログラム製品を含む。このような機械可読媒体は、汎用又は専用コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によりアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。例えば、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM又は他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は機械実行可能命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを伝送又は記憶するために使用され得る且つ汎用又は専用コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によりアクセスされ得る任意の他の媒体を含んでもよい。情報が機械とのネットワーク又は別の通信接続(有線、無線、又は有線若しくは無線の組み合わせ)を介して伝送又は提供される場合、機械は適切に接続を機械可読媒体と見なす。従って、任意のこのような接続は、適切に機械可読媒体と呼ばれる。上記の組み合わせも、機械可読媒体の範囲内に含まれる。例えば、機械実行可能命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理機械に所定の機能若しくは機能グループを実行させる命令及びデータを含む。
図面は方法ステップの特定の順番を示しているが、ステップの順番は描かれたものと異なっていてもよい。また、2つ以上のステップが同時に又は部分的に同時に行われてもよい。このような変形は、選択されたソフトウェア及びハードウェアシステムに及び設計者の選択に依存するであろう。このような全ての変形は、本開示の範囲内である。同様に、ソフトウェアの実装は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ及び決定ステップを遂行するためのルールベース論理及び他の論理を有する標準プログラミング技術によって達成され得る。

Claims (19)

  1. 車両ユーザインターフェースと統合されるコンピュータシステムであって、
    ルチコアプロセッサを備える処理システムを含み
    前記処理システムは、
    前記マルチコアプロセッサの第1の一つ又は複数のコアにおいて第1のゲストオペレーティングシステム仮想化することと
    前記マルチコアプロセッサの第の一つ又は複数のコアにおいて第2のゲストオペレーティングシステム仮想化することと
    を行うように構成され、
    前記第1のゲストオペレーティングシステムは、セーフティクリティカル車両情報に関連付けられた高信頼性動作を目的として構成され、
    前記仮想化により、前記第1の一つ又は複数のコアを含む第1のドメインと、前記第2の一つ又は複数のコアを含む第2のドメインとが生成され、
    各ドメインが、周辺機器を含む物理ハードウェアの個別のセットを含むことにより、前記第2のゲストオペレーティングシステムの動作が前記第1のゲストオペレーティングシステムの前記高信頼性動作を中断させることが防止される、コンピュータシステム。
  2. 前記マルチコアプロセッサは、
    前記第1のゲストオペレーティングシステムへの修正が不要な第1の完全な仮想環境を記第1の一つ又は複数のコアを使用して提供することと、
    前記第2のゲストオペレーティングシステムへの修正が不要となる第2の完全な仮想環境を前記第2の一つ又は複数のコアにおいて提供することと
    を行うように構成される、請求項1のコンピュータシステム。
  3. 前記処理システムにより実行されるハイパーバイザを更に含み
    前記ハイパーバイザは、
    前記仮想化のためのリソースの初期構成及び割り当てを行うことと
    その後、定期的なスケジューリング及び特権解決タスクを処理しないように休眠モードに移行することと
    を行うように構成される、請求項1のコンピュータシステム。
  4. 前記ハイパーバイザは、各ゲストオペレーティングシステムのドメインに自身のコア、自身のメモリ領域び自身の装置を割り当てる、請求項3のコンピュータシステム。
  5. 前記ハイパーバイザの代わりに仮想汎用割り込みコントローラを介してのゲストオペレーティングシステムからのゲストオペレーティングシステムに割り込みが提供される、請求項3のコンピュータシステム。
  6. 異なるコアで動作する前記ゲストオペレーティングシステム間の通信のために確立される仮想装置を更に含み
    各仮想装置は
    前記ゲストオペレーティングシステム間の割り込みを識別するデバイスツリーと、
    前記仮想装置が他のコアとの通信のためにどの割り込みを使用すべきかを指定するドアベル割り込み
    含む、請求項1のコンピュータシステム。
  7. ゲストオペレーティングシステムにより使用される中間アドレスをメモリ場所又はメモリマップド装置にマッピングする2ステージメモリ管理装置を更に含む、請求項1のコンピュータシステム。
  8. 前記第1のドメイン及び第2のドメインの一方が、異種ドメインからのグラフィックスの組み合わせを行うドメインであり、
    残りのドメインで実行されているアプリケーションが、フレームバッファを充填して、前記組み合わせを行うドメインで実行されている仮想装置にフレームバッファ情報を提供する、請求項1のコンピュータシステム。
  9. 前記グラフィックスの組み合わせは、前記グラフィックスの組み合わせを行うドメインに含まれるグラフィックス及びコンポジタコンポーネントが共有メモリを使用することにより行われる、請求項8のコンピュータシステム。
  10. 前記グラフィックスを記述するメタデータは、前記第1のゲストオペレーティングシステムに送信されることが禁止される、請求項9のコンピュータシステム。
  11. 前記第1のドメイン及び第2のドメインの一方が、ハードウェアネットワークアダプタを制御するドメインであり、
    残りのドメインで実行されているアプリケーションが、前記残りのドメインのオペレーティングシステムのユーザ空間に露出される仮想ネットワークアダプタを使用して前記ハードウェアネットワークアダプタにアクセスする、請求項1のコンピュータシステム。
  12. 前記仮想ネットワークアダプタは、ドメイン間の通信を生じさせるために、ドメイン・トゥー・ドメイン割り込み分配及び共有メモリ空間の読み込み及び書き込みを使用する、請求項11のコンピュータシステム。
  13. 車両ユーザインターフェースと統合されるコンピュータシステムであって、
    マルチコアプロセッサと、
    第1のオペレーティングシステムを前記マルチコアプロセッサの少なくとも第1のコアと関連付け、第2のオペレーティングシステムを前記マルチコアプロセッサの少なくとも第2のコアと関連付けるように構成されるハイパーバイザと
    前記第1のコアを含む第1のドメインと、
    前記第2のコアを含む第2のドメインと
    含み
    前記第1のオペレーティングシステムは前記車両ユーザインターフェースのための少なくとも一つの高信頼性アプリケーションを目的として構成され、
    記第2のオペレーティングシステムは低信頼性アプリケーションを目的として構成され
    前記高信頼性アプリケーションは、セーフティクリティカル車両情報をディスプレイシステムに出力することを含み、
    各ドメインが、周辺機器を含む物理ハードウェアの個別のセットを備えることにより、前記第2のオペレーティングシステムの動作が前記第1のオペレーティングシステムの前記高信頼性アプリケーションの動作を中断させることが防止され、コンピュータシステム。
  14. 前記低信頼性アプリケーションは、非セーフティクリティカル車両情報を同じディスプレイシステムに出力することを含む、請求項13のコンピュータシステム。
  15. 前記ディスプレイシステムは、単一の電子ディスプレイを含む、請求項14のコンピュータシステム。
  16. 前記ディスプレイシステムは、複数の電子ディスプレイを含む、請求項14のコンピュータシステム。
  17. 車両インターフェースシステムであって、
    一つ以上の電子ディスプレイと、
    前記一つ以上の電子ディスプレイに通信可能に結合されたマルチコア処理環境と
    を含み
    前記マルチコア処理環境は、前記一つ以上の電子ディスプレイを介して提示される表示データを生成する一つ以上のアプリケーションを実行するように構成され、
    前記マルチコア処理環境は複数の個別のドメインを生成するためにハードウェア仮想化を使用し、
    各ドメインが、周辺機器を含む物理ハードウェアの個別のセットを備えることにより、異なるドメインにおいて前記マルチコア処理環境によって行われる動作が互いに干渉できない、車両インターフェースシステム。
  18. 前記マルチコア処理環境は、マルチコアプロセッサ及び物理メモリを含み
    各ドメインは、前記マルチコアプロセッサの個別のコア及び前記物理メモリの個別の部分を含む、請求項17の車両インターフェースシステム。
  19. 前記車両インターフェースシステムのためユーザインターフェース及び前記車両インターフェースシステムのためのデータ通信インターフェースの少なくとも一方を提供する一つ以上の周辺機器を更に含み
    各ドメインは、前記周辺機器の個別のサブセットを含む、請求項17の車両インターフェースシステム。
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