JP6522452B2 - 糸条冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、口金から下方に紡出される糸条を冷却する糸条冷却装置に関する。
口金から紡出される糸条を冷却する糸条冷却装置として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この糸条冷却装置では、糸条走行空間の周壁を構成する円筒部材の周りに、冷却風が上方へと流れるバッファ室が形成されており、バッファ室から糸条走行空間に冷却風が流れ込むことで、糸条の冷却が行えるようになっている。ここで、糸条走行空間に流れ込む冷却風に時間変動が生じると、糸条に冷却ムラが生じ、糸条の品質を悪化させるおそれがあるため、冷却風の時間変動を抑えることが重要となる。そこで、特許文献1においては、バッファ室に多孔板(整流部材)を設けることが記載されている。特に、図3(2)には、多孔板を複数設けた多段構成とすることが開示されている。
特開2008−231607号公報
しかしながら、特許文献1には、多孔板を複数設ける場合に、多孔板の特性をどのように規定するかについては一切開示がない。さらに、多孔板を複数設けることの効果として、多孔板の開孔率を多少大きくしても多孔板が単数の場合と同等の整流効果を得ることができ、多孔板の目詰まりを抑止することができると記載されているにすぎない。つまり、特許文献1の技術は、多孔板を複数設けることによって、多孔板が単数の場合よりも整流効果を積極的に向上させようとしたものではない。
本発明は、複数の多孔板が設けられた糸条冷却装置において、多孔板が単数の場合よりも整流効果を積極的に向上させ、糸条走行空間に流れ込む冷却風の時間変動を効果的に抑えることを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、口金から下方に紡出される糸条を冷却する糸条冷却装置であって、前記口金の下方に前記口金と対向するように配置され、糸条が走行可能な糸条走行空間を内部に有し、前記糸条走行空間の上部の周壁が、前記糸条走行空間に流れ込む冷却風の整流を行う整流部となっており、前記糸条走行空間の下部の周壁が、前記糸条走行空間への冷却風の流れ込みを遮断する遮断部となっている冷却筒と、前記冷却筒を収容し、下部に設けられた供給部から冷却風が供給される収容箱と、前記供給部から供給された冷却風が前記遮断部に沿って上向きに流れる供給流路に配置され、冷却風の整流を行う第1多孔板と、前記第1多孔板の上方に間隔を空けて前記供給流路に配置され、前記第1多孔板で整流された冷却風をさらに整流する第2多孔板と、を備え、前記第2多孔板の厚比が前記第1多孔板の厚比よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、収容箱の供給部から供給された冷却風が、第1多孔板、続いて第2多孔板で整流された後、冷却筒の整流部を介して糸条走行空間に流れ込む。後で詳述するが、第2多孔板の厚比を第1多孔板の厚比よりも小さくすることで、冷却風の流れる向きおよび流速が均一化され、糸条走行空間に流れ込む冷却風の時間変動を効果的に抑えることが可能となる。
さらに、本発明において、前記第1多孔板の厚比が0.7以上1.6以下であることが好ましく、さらには、0.8以上1.2以下であることがより好ましい。
後で詳述するように、第1多孔板の厚比を上記のように規定することで、第1多孔板を通過した冷却風の流れを概ね上向きへとより良好に揃えることができ、最終的に第2多孔板を通過した冷却風の流れる向きおよび流速の均一化が一層促進される。
また、前記第2多孔板の平均開孔率が前記第1多孔板の平均開孔率以上であると好適である。
第2多孔板における圧力損失(流体抵抗)が第1多孔板における圧力損失よりも大きい場合、第1多孔板を通過した冷却風が第2多孔板を円滑に通過しにくくなり、冷却風の流れを阻害してしまうおそれがある。そこで、第2多孔板の平均開孔率を第1多孔板の平均開孔率以上とすることで、第2多孔板における圧力損失を一定以下に抑え、冷却風の円滑な流れを確保することができる。
また、前記第1多孔板と前記第2多孔板との間の間隔は20mm以上80mm以下であると好適である。
第1多孔板と第2多孔板との間の間隔が大きすぎると、第1多孔板によって上向きの流れに整流された冷却風が、第2多孔板に至るまでに乱れ始めるおそれがある。一方、第1多孔板と第2多孔板との間の間隔が小さすぎると、第1多孔板を通過する冷却風の流れが第2多孔板の影響を受けやすく、第1多孔板によって良好に整流できないおそれがある。そこで、第1多孔板と第2多孔板との間の間隔を20mm以上80mm以下に規定することで、第1多孔板および第2多孔板を用いたときの整流効果を確実に向上させることができる。
また、前記収容箱には前記冷却筒が複数収容されていると好適である。
このような構成によれば、複数の口金からそれぞれ糸条が紡出される場合にも、複数の糸条を各冷却筒によって一度に冷却することができる。また、複数の冷却筒が収容箱に配置されている場合には、各冷却筒の周りの空間形状が異なるために、異なる冷却筒間において冷却風の流れのばらつきが大きくなりやすいが、本発明によって、このようなばらつきも良好に抑制することが可能である。
本発明によれば、第2多孔板の厚比を第1多孔板の厚比よりも小さくすることで、多孔板が単数の場合よりも整流効果を積極的に向上させ、糸条走行空間に流れ込む冷却風の時間変動を効果的に抑えることが可能となる。
本発明にかかる糸条冷却装置を備えた溶融紡糸装置の一部断面図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 解析モデルの模式図である。 解析の結果得られた冷却風の流れを示すベクトル図である。 解析モデルの模式図である。 解析の結果得られた冷却風の流れを示すベクトル図である。 冷却風の流れを模式的に示す断面図である。
以下、本発明にかかる糸条冷却装置の実施形態について説明する。
[溶融紡糸装置]
図1は、本発明にかかる糸条冷却装置を備えた溶融紡糸装置の一部断面図であり、図2は、図1のII−IIにおける断面図である。図1に示すように、溶融紡糸装置1は、紡糸ビーム2、糸条冷却装置3、給油装置4などを備えている。紡糸ビーム2は、複数のパックハウジング11を備えている。各パックハウジング11には、紡糸パック12が配置されており、紡糸パック12には、溶融されたポリエステルなど、糸条Yとなる溶融された材料が貯留されている。紡糸パック12の下端部には、口金13が設けられており、紡糸パック12に貯留された溶融された材料が、口金13に形成された図示しない複数の貫通孔から糸条Yとして下方に紡出される。ここで、複数の口金13は、後述する冷却筒31と同様に、左右方向に沿って2列に千鳥配置されている(図2参照)。
糸条冷却装置3は、紡糸ビーム2の下方に配置されており、紡糸ビーム2の各口金13から下方に紡出された糸条Yを、ダクト5から供給される冷却風により冷却する。給油装置4は、糸条冷却装置3の下方に配置されており、糸条冷却装置3により冷却された糸条Yに油剤を付与する。そして、給油装置4により油剤が付与された糸条Yは、給油装置4の下方に配置された図示しない巻取装置によってボビンに巻き取られる。
[糸条冷却装置]
糸条冷却装置3は、ダクト5から供給される冷却風により糸条Yを冷却する装置であり、直方体形状の収容箱30に、複数の冷却筒31が収容された構成となっている。収容箱30の下端部且つ後端部には、ダクト5と接続される供給部30aが設けられており、ダクト5から供給される冷却風が、供給部30aを介して収容箱30内に流れ込むようになっている。
図2に示すように、複数の冷却筒31は、左右方向に沿って2列に千鳥配置されている。このように、複数の冷却筒31(および複数の口金13)を千鳥配置することで、冷却筒31を高密度に配置することができ、糸条Yの生産効率を向上させることができる。また、供給部30aは、複数の冷却筒31の配列方向(左右方向)において、収容箱30の略全域にわたって設けられており、配列方向に並んだ複数の冷却筒31に対して概ね均等に冷却風が供給できるようになっている。
図1に戻って説明を続ける。冷却筒31は、略円筒形状を有しており、複数の口金13の下方に各口金13と対向するようにそれぞれ配置されている。冷却筒31は、収容箱30を上下に貫通するように設けられており、冷却筒31の内部は、上下方向に延びる糸条走行空間32となっている。口金13から紡出された糸条Yは、糸条走行空間32を下方に向かって走行する。糸条走行空間32の周壁、すなわち冷却筒31の筒体部分は、上部が整流部33となっており、下部が遮断部34となっている。
整流部33は、第1整流部材33aと、第1整流部材33aの内側に配設された第2整流部材33bとを有して構成されている。第1整流部材33aは、例えばパンチングメタルなどで構成され、糸条走行空間32へ略水平に冷却風が流れ込むように整流を行う。第2整流部材33bは、例えば多層金網などで構成されており、糸条走行空間32へ流れ込む冷却風の流れを均一化する。遮断部34は、冷却風を通過させない素材で作られており、遮断部34を介して冷却風が糸条走行空間32へ流れ込むことがないようにされている。
供給部30aから収容箱30に流入した冷却風は、収容箱30内の空間のうち冷却筒31が配置されていない部分(以降、「供給流路35」と称する)を冷却筒31に沿って上方に流れ、最終的に冷却筒31の整流部33を通過して糸条走行空間32に流れ込む(図5の矢印参照)。このとき、冷却風が十分に整流されないまま糸条走行空間32に流れ込むと、冷却風の流れに時間変動が生じて、糸条Yに冷却ムラが生じるおそれがある。そこで、糸条冷却装置3では、供給流路35のうち遮断部34の側方部分、すなわち冷却風が遮断部34に沿って上向きに流れる部分に、第1多孔板36および第2多孔板37を設けることで、冷却風の整流を効果的に行えるように構成してある。
なお、供給流路35は、図2に示すように実際には1つの空間であるが、図1では供給流路35が分断されて図示されている。そこで、説明を分かりやすくするため、実際には1つの空間であっても、図1においては、分断されている各部分に対して符号を付してある。図3、図5、図7についても同様である。
第1多孔板36は、供給部30aの上端と略同位置に略水平に配置されており、例えばパンチングメタルなどで構成されている。第2多孔板37は、第1多孔板36の上方に20mm以上80mm以下の間隔を空けて配置されており、遮断部34の上端と略同位置に略水平に配置されている。第2多孔板37も、第1多孔板36と同様に、例えばパンチングメタルなどで構成されている。以下で詳細に説明するが、本実施形態では、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36よりも小さくしている。
[多孔板に関する検討]
本発明者らは、多孔板を複数設ける場合にどうすれば整流効果を向上させることができるかを鋭意検討すべく、流体解析を実行した。図3は、解析モデルの模式図である。各部の寸法は図3に示すとおりであり、供給部30aから0.437m3/minの流量で冷却風が流入し、供給流路35の上端は大気開放されているとの条件下で、表1に示す6ケースについて解析を実行した。最終多孔板(ケースA〜Eでは第2多孔板37、ケースFでは第1多孔板36に相当)を通過後の冷却風の面内速度ばらつきを表1に示すとともに、解析の結果得られた冷却風の流れを示すベクトル図を図4に示す。なお、以下の説明における「開孔率」とは、多孔板全面における平均開孔率、すなわち多孔板の全面積に対する全開孔(開孔の配置は規則的でも不規則的でもどちらでも構わない)の総面積の割合を示す。また、「厚比」とは、開孔径に対する板厚の比率を示す。
速度のばらつきは、第1多孔板36および第2多孔板37の両方を設けたケースA〜Eのいずれについても、多孔板を1枚のみとしたケースFよりも改善されており、複数の多孔板を設けることにより整流効果が向上することが確認できた。しかしながら、ケースB、Cについては、速度のばらつきがケースFと比べてそれほどは改善されておらず、図4から明らかなように、第2多孔板37を通過した後の冷却風に比較的大きな渦が見られた。一方、ケースA、D、Eについては、速度のばらつきがケースFと比べて大幅に改善されており、図4においても、第2多孔板37を通過した後の冷却風に大きく目立つような渦は見られなかった。
大幅な改善が見られたケースA、D、Eにおいては、第2多孔板37の厚比が第1多孔板36の厚比よりも小さいという共通条件がある一方、あまり改善が見られなかったケースB、Cについては、第2多孔板37の厚比が第1多孔板36の厚比以上となっている。この結果より、本発明者らは、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36の厚比よりも小さくした場合、第1多孔板36により冷却風の流れる向きがまず上向きにある程度揃えられ、さらに第2多孔板37で冷却風の流速が均一化されることによって、整流効果を積極的に向上させることができるとの知見を得るに至った。
さらに、本発明者らは、第1多孔板36により冷却風の流れる向きを上向きに揃えるという効果を向上させるため、第1多孔板36の最適な厚比の範囲について、流体解析を通じて検討した。図5は、解析モデルの模式図である。各部の寸法は図5に示すとおりであり、供給部30aから0.437m3/minの流量で冷却風が流入し、供給流路35の上端は大気開放されているとの条件下で、表2に示す5ケースについて解析を実行した。なお、第1多孔板36で冷却風の流れをどの程度上向きに揃えられるかについては、厚比の影響が支配的であり、開孔率の影響はほとんどなかった。
図6は、解析の結果得られた冷却風の流れを示すベクトル図である。ケース1(厚比が0.4)では、図中右側から左側に流れてきた冷却風が、第1多孔板36を通過してからも依然として左向きの速度成分を相当有しており、冷却風の流れを上向きに揃える効果が比較的小さい。一方、ケース2〜5(厚比が0.7〜1.6)においては、第1多孔板36の通過後に若干左向きの速度成分が残っているケースもあるが、第1多孔板36を通過後の冷却風が概ね良好に上向きに流れていた。特に、第1多孔板36の厚比が0.8以上のケース3〜5では整流効果が顕著であった。
この結果より、第1多孔板36の厚比が0.7(より好ましくは0.8)以上1.6以下の場合、第1多孔板36で冷却風の流れを上向きに整流する効果を高め、最終的に第2多孔板36を通過した冷却風の整流効果をより向上させることができることが分かった。このことは、整流効果が大きかった表1に示すケースA、D、Eの中でも、特に第1多孔板36の厚比が0.7以上1.6以下となっているケースA、Eにおいて、速度のばらつきがより顕著に低減されていることと整合する。
図7は、冷却風の流れを模式的に示す断面図である。冷却風の流れは、太線の矢印で模式的に示してある。まず、供給部30aから供給流路35に供給された冷却風の流れる向きが、第1多孔板36によって概ね上向きに揃えられる。上述のように、この効果は、第1多孔板36の厚比が0.7(より好ましくは0.8)以上1.6以下の場合に特に顕著である。さらに、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36の厚比よりも小さくすることで、第1多孔板36によって上向きに整流された冷却風の流速を、第2多孔板37によって良好に均一化させることができる。その結果、第2多孔板37を通過した後の冷却風の流れる向きおよび流速ともに一様となり、糸条走行空間32に流れ込む冷却風の時間変動を抑えることができる。その結果、糸条Yに冷却ムラが生じることを抑制でき、良質な糸条Yを提供することができる。
最後に、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36の厚比よりも小さくした場合に、多孔板が1枚のみの場合と比較して、糸条Yの物性を実際にどの程度改善できるかを調べた。表3にその結果を示す。ここで、CV%とは、物性のばらつきの程度を示す値であり、変動係数CV(coefficient of variation)を%表記したものである。この試験では、糸条Yの伸度、強度、U%および熱応力のばらつきを調べた。なお、U%とは、ツェルベガーウスター社製のウスター糸斑試験機を用いて測定される糸斑(USTER coefficient)の数値である。
表3に示すように、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36の厚比よりも小さくすることによって、糸条Yの各物性のばらつきは小さくなっており、糸条Yの品質が改善されていることが分かる。この結果から、第1多孔板36および第2多孔板37によって冷却風の整流効果を向上させることにより、糸条走行空間32に流れ込む冷却風の時間変動を抑え、最終的に糸条Yの品質を確実に向上させることができることが確認された。
[効果]
本実施形態のように、第2多孔板37の厚比を第1多孔板36の厚比よりも小さくすることで、冷却風の流れる向きおよび流速が均一化され、糸条走行空間32に流れ込む冷却風の時間変動を効果的に抑えることが可能となる。特に、第1多孔板36の厚比を0.7以上1.6以下とすることで、第1多孔板36において冷却風を上向きに揃える効果を向上させ、全体としても整流効果をさらに高めることができた。
ところで、多孔板として、金属板にパンチングプレス加工を施したパンチングメタルが使用されることが多い。したがって、多孔板の厚比(板厚)が大きすぎる場合には、パンチングプレス加工が困難となり、狙い通りの多孔板を準備できないおそれがある。そこで、本実施形態においては、さらに第1多孔板36の厚比の上限を1.2に規定することで、第1多孔板36および第2多孔板37をパンチングプレス加工により容易に作製することができる。また、上述のように、第1多孔板36の厚比を0.8以上とすれば、整流効果を一層向上させることができる。したがって、第1多孔板36の厚比は0.8以上1.2以下とすることがより好ましい。
また、本実施形態において、第2多孔板37の開孔率が第1多孔板36の開孔率以上であると好適である。第2多孔板37における圧力損失(流体抵抗)が第1多孔板36における圧力損失よりも大きい場合、第1多孔板36を通過した冷却風が第2多孔板37を円滑に通過しにくくなり、冷却風の流れを阻害してしまうおそれがある。そこで、第2多孔板37の開孔率を第1多孔板36の開孔率以上とすることで、第2多孔板37における圧力損失を一定以下に抑え、冷却風の円滑な流れを確保することができる。このことは、大きな整流効果が得られた表1のケースA、D、Eにおいて、第2多孔板37の開孔率が第1多孔板36の開孔率以上となっていることと整合する。
また、本実施形態のように、第1多孔板36と第2多孔板37との間の間隔が20mm以上80mm以下であると好適である。第1多孔板36と第2多孔板37との間の間隔が大きすぎると、第1多孔板36によって上向きの流れに整流された冷却風が、第2多孔板37に至るまでに乱れ始めるおそれがある。一方、第1多孔板36と第2多孔板37との間の間隔が小さすぎると、第1多孔板36を通過する冷却風の流れが第2多孔板37の影響を受けやすく、第1多孔板36によって良好に整流できないおそれがある。そこで、第1多孔板36と第2多孔板37との間の間隔を20mm以上80mm以下に規定することで、第1多孔板36および第2多孔板37を用いたときの整流効果を確実に向上させることができる。
また、本実施形態のように、収容箱30に冷却筒31が複数収容されていると好適である。このような構成によれば、複数の口金13からそれぞれ糸条Yが紡出される場合にも、複数の糸条Yを各冷却筒31によって一度に冷却することができる。また、複数の冷却筒31が収容箱30に配置されている場合には、各冷却筒31の周りの空間形状が異なるために、異なる冷却筒31間において冷却風の流れのばらつきが大きくなりやすいが、本実施形態によれば、このようなばらつきも良好に抑制することが可能である。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、収容箱30に複数の冷却筒31が配置された糸条冷却装置3について説明したが、収容箱30に冷却筒31を複数設けることは必須ではない。
また、上記実施形態では、複数の冷却筒31が、左右方向に沿って2列に千鳥配置されていたが、冷却筒31の配置はこれに限られない。例えば、複数の冷却筒31が左右方向に1列に配置されていてもよいし、冷却筒31が複数列にわたって配置される場合でも、千鳥配置することは必須ではない。
3:糸条冷却装置
13:口金
30:収容箱
30a:供給部
31:冷却筒
32:糸条走行空間
33:整流部
34:遮断部
35:供給流路
36:第1多孔板
37:第2多孔板
Y:糸条

Claims (6)

  1. 口金から下方に紡出される糸条を冷却する糸条冷却装置であって、
    前記口金の下方に前記口金と対向するように配置され、糸条が走行可能な糸条走行空間を内部に有し、前記糸条走行空間の上部の周壁が、前記糸条走行空間に流れ込む冷却風の整流を行う整流部となっており、前記糸条走行空間の下部の周壁が、前記糸条走行空間への冷却風の流れ込みを遮断する遮断部となっている冷却筒と、
    前記冷却筒を収容し、下部に設けられた供給部から冷却風が供給される収容箱と、
    前記供給部から供給された冷却風が前記遮断部に沿って上向きに流れる供給流路に配置され、冷却風の整流を行う第1多孔板と、
    前記第1多孔板の上方に間隔を空けて前記供給流路に配置され、前記第1多孔板で整流された冷却風をさらに整流する第2多孔板と、
    を備え、
    開孔径に対する板厚の比率である厚比に関して、前記第2多孔板の厚比が前記第1多孔板の厚比よりも小さいことを特徴とする糸条冷却装置。
  2. 前記第1多孔板の厚比が0.7以上1.6以下である請求項1に記載の糸条冷却装置。
  3. 前記第1多孔板の厚比が0.8以上1.2以下である請求項2に記載の糸条冷却装置。
  4. 多孔板の全面積に対する全開孔の総面積の割合である平均開孔率に関して、前記第2多孔板の平均開孔率が前記第1多孔板の平均開孔率以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の糸条冷却装置。
  5. 前記第1多孔板と前記第2多孔板との間の間隔は20mm以上80mm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の糸条冷却装置。
  6. 前記収容箱には前記冷却筒が複数収容されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の糸条冷却装置。
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