JP2016000884A - 溶融紡糸装置 - Google Patents

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正幸 飯塚
浩幸 梶原
Hiroyuki Kajiwara
浩幸 梶原
健 中原
Takeshi Nakahara
健 中原
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Abstract

【課題】得られた繊維のU%品位の向上と繊維製造時の糸切れ抑制とを両立させる溶融紡糸装置を提供する。【解決手段】複数の吐出孔を有する紡糸口金、および該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から気体を噴出する気体噴出機構を備えた溶融紡糸装置において、気体噴出機構の経路を形成する部材間の最終出口経路は略平行なスリットを有し、かつ一定厚みで気体を均一に噴出して紡糸口金面に吹きあてることを特徴とする溶融紡糸装置。【選択図】図1

Description

本発明は、合成繊維の溶融紡糸装置に関するものである。
一般に熱可塑性ポリマーを溶融紡糸する際には、紡糸口金から吐出されたポリマーから揮発性の低分子物が発生し、それが紡糸口金面およびその吐出孔周囲に付着して紡糸口金面の経時汚れ(以下、紡糸口金汚れと称す)を引き起こす。前記紡糸口金汚れが発生すると吐出孔から押し出されるポリマーの流動状態が不安定となり、該ポリマー吐出線の曲がりやビビリ振動による糸揺れが発生し、フィラメント糸条の長手方向で断面斑や太さ斑が生じ、あるいは紡糸糸切れが発生するなどして品位および操業面で支障をきたす。
近年、生産性向上のために同一口金から多糸条取りを実施し、あるいは市場ニーズとして柔軟性に富む布帛の風合いが得られるフィラメントのハイカウント化の要求が高まりつつあり、必然的に一つの紡糸口金に対する吐出孔数は増加している。このような背景から紡糸口金の汚れは進行が早くなっている。また前記ハイカウント化に伴い、紡糸口金あたりの吐出孔数の増加は、限られた紡糸口金面のスペースにおいて各吐出孔の間隔が狭くなるため、紡糸口金汚れによる操業性への影響は大きくなり、該紡糸口金汚れの抑制は極めて重要な問題である。
このため溶融紡糸時の紡糸口金下の不活性ガスのシール手法を通じて紡糸口金面の吐出孔周囲の汚れを減少させる方法が、数多く提案されている。
例えば特許文献1には、水蒸気噴出ノズルから噴出された加熱水蒸気を中空円錐台形の緩衝装置に衝突させ蒸気流速を低下させつつ、該緩衝装置外壁と保温筒内周壁との間に形成された空間部を介して紡糸口金面に向かって水蒸気誘導を実施し、ポリマーからの揮発性低分子物の付着を防止する装置が提案されている。
特許文献2には、環状部材から成るシール管を紡糸口金ホルダーの下端部に密着させ、水蒸気による不活性ガス流を帯状均圧流として紡糸口金面に沿って紡糸口金面外周方向から中央に向けて流して紡糸口金直下域を蒸気シールし、紡糸口金下の酸素濃度を低減させる溶融紡糸装置が提案されている。
また特許文献3では、単糸繊度が1.3dtex以下などの極細フィラメントからなるマルチフィラメント糸を製造する合成繊維フィラメントの溶融紡糸法に関して、該繊維の太さ斑や繊度斑、あるいは断面斑(以下、これらを総称して「ウースター斑」と称す)を
安定して小さくすること、また前述の紡糸口金汚れを少なくするために、紡糸口金の直下に該口金面に向けて水蒸気を噴出する環状蒸気供給装置と紡糸口金から吐出されるフィラメント群を外周側から冷却固化する環状冷却装置と構成寸法を規定した溶融紡糸装置が提案されている。
特開昭50−64512号公報 特開平10−317226号公報 特開2007−247118号公報
しかしながら、特許文献1記載の装置では、噴出された加熱水蒸気が緩衝装置に衝突した後、口金面直下へ誘導する流路の規制がなく環状方向から均一な蒸気供給、付与がしにくいこと、また供給される水蒸気は一度紡糸口金を設けるためのパックホルダに直接接触するため水蒸気の付与効率が悪くなる。例えば、フィラメントカウントが小さい場合は紡糸口金面全体を均一に水蒸気シールできることは可能であるが、前記フィラメントカウントが大きくなった際には、吹きあてられる水蒸気が糸条そのものに遮蔽されることから、低カウント糸対比で紡糸口金面全体を均一に水蒸気シールすることが難しい。その結果、糸質を低下させることはないが紡糸口金汚れを生じ易く糸切れが発生しやすい問題があった。
特許文献2記載の方法では、例えば単糸細繊度ハイカウント糸を紡糸しているが(実施例1−4は、55デシテックス−96フィラメント、単糸繊度0.57デシテックス/フィラメント)、一般的にフィラメントカウントが多く単糸繊度が小さい糸を品位よく紡糸するためには、紡糸口金下面と冷却風の吹き付け間距離(以下、冷却開始距離と称す)を小さくする必要がある。そのため特許文献2ではシール環厚みを薄くして前記冷却開始距離を小さくしている。しかしながら該距離を小さくすることによって、冷却風の吹きつけ方向に対向するシール環部および蒸気誘導スリット部は冷却風によって冷却され環状方向で均一な水蒸気供給量の付与や、紡糸口金直下の水蒸気雰囲気環境が日にちレベルで長期保持することが困難である。
一方、シール環部および蒸気誘導スリット部を冷却風にて冷やさないように水蒸気供給量を増加させて回避することは可能ではあるが、基本的に吹きつけられる水蒸気は熱エネルギーを有した乱流気体であるため、些細な紡糸条件で変化し易いU%品位を安定的に維持し、かつさらに低減向上させるためには、出来るだけ水蒸気供給量は少ない方が良いという矛盾が生ずる。特許文献2中では確かに紡糸口金汚れに起因する口金直下の酸素濃度値は低減させているが、単糸細繊度ハイカウント糸のU%品位は1.0レベル前後の値であり、後加工工程において該糸を製編織して染色をしたときなどに明確に視覚で認識される染色斑回避の許容上限値レベルであり、U%品位が良いとは言い難い。
特許文献3記載の方法では、U%品位は良好であるが、蒸気噴出装置から噴出された加熱水蒸気は冷却装置の側面に一旦衝突し、加熱水蒸気と冷却装置との急激な温度差により蒸気の凝縮が生じ、紡糸口金面に吹きあてられる水蒸気供給量が減少しシール性が不十分となり、紡糸口金汚れを生じやすく糸切れが発生し易い問題(紡糸糸切れ4回/トン)があった。
このように特許文献1、2、3の技術であっても、単糸繊度が1.3dtex以下の細繊度ハイカウント糸の熱可塑性繊維を製造する場合においては難度が高く、U%品位向上と糸切れ抑制を両立させる製造装置の期待は高い。
そこで本発明は上述したような点に鑑みて、不活性ガスを供給しつつU%品位向上と糸切れ抑制を両立させる溶融紡糸装置を提供することにある。具体的には上述した問題を解決し、加熱した不活性ガスを口金面直下へ効率よく誘導し、口金面外周から中央に至る全ての口金吐出孔近傍の酸素濃度を低下させることで、糸切れの少ない単糸細繊度ハイカウントのマルチフィラメント糸を得ることができ、また口金修正末期でのU%品位が悪化することなく安定品位を有する合成繊維の溶融紡糸装置を提供することを課題とする。
上述した目的を達成する本発明の溶融紡糸装置は、以下の構成を有する。
(1)複数の吐出孔を有する紡糸口金、および該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から気体を噴出する気体噴出機構を備えた溶融紡糸装置において、気体噴出機構の経路を形成する部材間の最終出口経路は略平行なスリットを有し、かつ一定厚みで気体を均一に噴出して紡糸口金面に吹きあてることを特徴とする溶融紡糸装置。
(2)最終出口経路から噴出する気体の吹きあて位置が、前記紡糸口金面の最外吐出孔出口と口金端部の口金面との間にあることを特徴とする(1)に記載の溶融紡糸装置。
(3)総気体噴出量Q(L/分)と紡糸口金面に吹きあてられる気体吹きあて量q(L/分)が以下を満足することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶融紡糸装置。
q/Q×100≧90(%) 。
(4)紡糸口金面直下5mm以内の領域における酸素濃度指数が1.5%未満であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
(5)気体供給装置の静圧が100〜400Paであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
(6)紡糸口金当たりの吐出孔数が100以上で、かつ吐出孔群の数が2〜8であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
(7)熱可塑性樹脂を溶融し、該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から不活性ガスを噴出後、紡糸口金から吐出されたフィラメントあるいはフィラメント群を冷却装置により冷却した後、油剤付与処理し、引取ロールを介して巻き取る熱可塑性繊維の製造方法において、(1)〜(6)のいずれかに記載の溶融紡糸装置を使用し、単糸繊度が1.3デシテックス以下であることを特徴とする熱可塑性繊維の製造方法。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の溶融紡糸装置から巻き取られた繊維パッケージ。
本発明によれば、U%品位向上と糸切れ抑制を両立させる溶融紡糸装置が提供できる。特に、単糸細繊度ハイカウントのマルチフィラメント糸を得る際に、口金修正末期でのU%品位が悪化することなく安定した品位を有する優れた合成繊維の溶融紡糸装置を提供する。
図1は、本発明の合成繊維の溶融紡糸装置にて好ましく用いる溶融部の一実施態様を示す概略図である。 図2は、本発明の合成繊維の溶融紡糸の一実施態様を示す工程概略図であり、 図2(a)は溶融吐出部下の冷却工程においてクロスフロー方式を採用した工程概略図であり、図2(b)は環状冷却方式を採用した工程概略図である。 図3は、本発明の溶融紡糸装置にて好ましく用いる紡糸口金の吐出孔配置を示す一実施態様を示す概略モデル図であり、図3(a)は環状2列の概略モデル図、図3(b)は環状1列で4群(フィラメント群)、図3(c)は田型配列で4群(フィラメント群)、図3(d)は長手配列で6群(フィラメント群)を示す概略モデル図である。 図4は、本発明の合成繊維の溶融紡糸装置の気体供給装置の気体供給孔から気体緩衝装置を介して吹きつけられる気体噴出経路を示す一実施態様図である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。図1および図2は本発明の合成繊維の溶融紡糸装置の一実施態様を示すものであり、図1は溶融部を示す概略図、図2は工程概略図である。
本発明においては、熱可塑性樹脂を溶融し、紡糸口金2に設けられた多数の吐出孔3から吐出し、フィラメントあるいはフィラメント群(糸条群)を形成する。ここで吐出孔3の配置は図3(a)、(b)、(c)、(d)に示す同心円上に複数列もしくは1列に環状配列されているものや、帯状の任意の幅を有する分離帯によって区画されたフィラメント群(糸条群)を有する配置が好ましい。
このような紡糸口金2を用いて溶融紡糸すると、本発明においては紡糸口金2の吐出孔3の紡糸口金汚れを効率よく抑制できる。すなわち、図4に示すような気体供給装置4の気体供給孔5から不活性ガスを噴出させ、気体緩衝装置6を介して気体噴出経路Sを形成し、紡糸口金2および吐出孔3の最外周側から中心側に向けて環状方向から前記不活性ガスを均一に吹き付けることが可能となる。なお、不活性ガスは水蒸気、ヘリウム、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。本発明では不活性ガスとして好ましく採用できる水蒸気について記載する。
気体噴出経路Sは気体緩衝装置6の外周部と該装置の上部に存在するパック1の構成機器部材との間に挟まれる流路であるが、環状方向から水蒸気吹きつけ圧力を均一にして、一定の水蒸気供給量とするために該経路の最終出口は略平行なスリットとすることが必要である。ここで略平行とは前記部材間の挟まれた流路方向に対して、紡糸口金面に最も近い最終出口経路部(気体緩衝装置6の先端部)AからL1=3(mm)以上の区間にて環状方向で一定間隔のスキマ間隔を有することをいう。これにより、一定厚みで水蒸気を均一に噴出して紡糸口金面に吹きあてることが可能となる。
さらに、前記略平行なスリットの傾斜位置は、図4に示すがごとく、気体緩衝装置6の先端部Aの鉛直線の口金面上ポイント(aポイント)、紡糸口金方向への延長線の口金面上ポイント(bポイント)において、aポイント、bポイントいずれも紡糸口金2の端部と紡糸口金2の最外周吐出孔の外域範囲内に存在することが好ましい。かかる範囲に略平行なスリットの傾斜位置を配することにより、気体噴出経路Sの最終出口から噴出する水蒸気の吹きあて位置が、紡糸口金2の最外吐出孔出口の孔外側と口金端部の口金面との間となる。このように紡糸口金2の最外周の吐出孔出口の孔外側の領域に傾斜して水蒸気を吹きあてることにより、最外周側の吐出孔群はもちろんのこと最内周側も含めた全ての吐出孔群に対して水蒸気を充満させることが可能となる。
さらに気体噴出経路Sの構成は2つ以上の曲面もしくは段差を有していることが好ましい。かかる構成とすることで、水蒸気の流れによって変化し易いU%品位を安定的に維持できる。すなわち、可能な限り水蒸気の流れを弱くする方がよい。ここで、気体供給孔5から噴出される水蒸気は気体緩衝装置6に複数回衝突させることにより気体噴出経路S内での水蒸気の流れを抑制し、紡糸口金2に吹きつけた際に、吐出孔3から押し出されるフィラメントYの糸揺れ発生を抑制させるので、U%品位の安定維持に効果を発揮させることができる。
また、図4に示すように、前記気体緩衝装置6の先端部Aと紡糸口金下面との鉛直線方向の距離L2は30mm以内にすることが好ましく、さらに好ましくは20(mm)以内である。さらに紡糸口金2に配置された吐出孔3の最外周ピッチ半径と前記気体緩衝装置6の先端部Aを囲繞する環状円の半径差L3は6(mm)以上あればよい。なぜならL2が30(mm)を超えてしまうと吐出孔3から押し出されたフィラメントYは冷却固化した際に、発生する随伴気流の影響により、水蒸気が紡糸口金面(上方向)に吹きあてられることがない。そのため、鉛直線上下のフィラメント走行方向に吸引され、紡糸口金2への吹きつけ効率が悪くなるのである。またL3は6(mm)未満になると紡糸口金2の口金修正時に作業ロスが生じることや紡糸生産時にフィラメントYが前記気体緩衝装置6の先端部Aに接触して糸切れ発生などの操業性不調を引き起こす傾向があるからである。
一方で、紡糸口金面に吹きあてる水蒸気は、気体供給装置4の気体供給孔5から噴出されることは前述の通りであるが、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Q(L/分)と紡糸口金面への気体吹きあて量q(L/分)の割合はq/Q×100≧90(%)を満足することが好ましく、さらに好ましくはq/Q×100≧95(%)以上である。ここでq/Qを制御する因子は、気体加熱装置41にて再加熱される水蒸気温度、水蒸気経路Sの雰囲気温度、そして水蒸気の総噴出量等であり、これらの条件設定によって制御が可能となる。
かかる範囲とすることで、水蒸気の流れによって変化し易いU%品位を安定的に維持するためには、可能な限り気体供給装置4から吹き出す総蒸気供給量は少ない方がよく、少ない総蒸気供給量で気体緩衝装置6により冷却装置との温度差による蒸気の凝縮を防止できる。すなわち、蒸気効率を向上させ、環状方向から水蒸気の吹きつけ圧力を均一にしてU%の安定維持とシール性向上による糸切れ抑制に効力を発揮するのである。90(%)未満の場合は過度に総気体供給量Qが必要となるため、紡糸口金下面の水蒸気シールは可能となるが、U%品位レベルが低下する傾向となる。加えて気体供給量の増加に伴いコストアップするなど生産性も低下するのはいうまでもない。なお、上限は、100%である。
紡糸口金直下に充満する水蒸気シールによって、紡糸口金面直下5(mm)以内の酸素濃度は1.5(%)未満が好ましく、さらに好ましくは0.8(%)以下である。かかる範囲とすることで、紡糸口金汚れ抑制に効力を発揮するのである。特に、熱的安定性および対酸素安定性に敏感なポリアミド繊維の場合、より顕著に効力を発揮する。なお、酸素濃度が1.5(%)を超えると紡糸口金汚れ抑制効果が低下する傾向となる。
環状方向から紡糸口金面に吹きあてる水蒸気は、気体供給装置4の気体供給孔5から噴出される。前述したとおり、水蒸気の流れによって変化し易いU%品位を安定的に維持するためには、可能な限り気体供給装置4から吹き出す総気体噴出量Qは少なく、弱い方がよい。一方、紡糸口金汚れ抑制のためには、紡糸口金直下に充満する水蒸気シール性をよくして紡糸口金面直下の酸素濃度を低くすることがよく、可能な限り紡糸口金面に吹きあてる水蒸気供給量は多い方がよい。
したがって、紡糸口金面直下5(mm)以内の酸素濃度を1.5%未満にコントロールするように水蒸気を供給しつつ、水蒸気の強さを制御することが、U%品位をより安定的に維持するために好ましい。そのため、気体供給装置4から吹き出す水蒸気を制御する、つまり静圧を100〜400Paとすることが好ましい。さらに好ましくは100〜250Paである。ここで、静圧をかかる範囲に制御するためには、気体供給装置4の水蒸気の総気体噴出量Q、気体供給孔5の孔径、気体供給孔5の孔数等であり、これらの条件設定によって好ましく制御することができる。
紡糸口金当たりの吐出孔数(フィラメント数)において、吐出孔数は100以上が好ましい。吐出孔数が少ない場合は、紡糸口金面全体を容易に均一に水蒸気シールできるが、吐出孔数が多い場合には、吹きあてられる水蒸気が多数の糸条により遮蔽されやすいので、かかる範囲とすることにより、より顕著にその効力を発揮する。つまり、気体供給孔5から噴出される水蒸気が本発明の溶融紡糸装置における気体緩衝装置6より、水蒸気の流れを弱くしつつ、最外周側の吐出孔群はもちろんのこと最内周側も含めた全ての吐出孔群に対して水蒸気を均一に充満させることが可能となるためである。
紡糸口金の吐出孔の配置は、図3(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、同心円状に複数列もしくは1列に環状配列されているものや、帯状の任意の幅を有する分離帯によって区画された吐出孔群(フィラメント群)を有する配置が好ましく、吐出孔群が2〜8であることが、紡糸口金当たりの生産効率が向上するのでコスト面で好ましい。
また、冷却装置7は、例えば図2(a)や特許文献1および2に示すクロスフロー方式(一方向縦型冷却風吹き出し方式)で品位安定性を保持することが可能であるが、紡糸口金当たりの吐出孔数が100以上、吐出孔群が2〜8の場合は、冷却開始距離の短尺化が期待できる図2(b)や特許文献3に示す環状冷却方式(環状方向からの冷却風の吹き出し方式)がより顕著に効力を発揮する。また、紡糸口金当たりの吐出孔数上限は均一冷却性などの観点から360以下が好ましい。
本発明の溶融紡糸装置は、図2に示すがごとく、熱可塑性樹脂を溶融し、該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から不活性ガスを噴出後、紡糸口金2から吐出されたフィラメントYあるいはフィラメント群(糸条群)を冷却装置7により冷却した後、油剤付与処理し、引取ロール8を介して巻取機9にて巻取る溶融紡糸装置であり、このような溶融紡糸装置を使用し、熱可塑性繊維を製造する。
熱可塑性繊維の繊度、単糸繊度は限定しないが、特に、単糸細繊度ハイカウントのマルチフィラメント糸の場合、顕著に効力を発揮する。すなわち、単糸繊度は1.3デシテックス以下が好ましく、さらに好ましくは、0.4〜1.0デシテックスである。
巻取速度は、3000(m/分)以上、好ましくは4000(m/分)以上5000(m/分)以下とすることが高速化対応も可能となって、コスト面で好ましい。
本発明の溶融紡糸装置で製造される熱可塑性繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の熱可塑性繊維であり、好ましくはポリアミド繊維である。ポリアミド繊維としては、特に限定されるものではないが、ナイロン56、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612繊維がさらに好ましい。また、これらの繊維には、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、吸湿、抗菌、艶消しなどの各種機能性添加剤の他、さらには、着色防止剤、安定剤、耐熱剤など製糸性向上などの添加剤を付与してもよい。
本発明の溶融紡糸装置で製造される熱可塑性繊維は、通常の丸断面繊維はもちろんのこと、異形断面繊維でもよい。ここで異形断面繊維とは、例えば、断面形状がY字型もしくはT字型、C型、扁平型などの非円形状の断面、中空断面を有するものが挙げられるがこの限りではない。
本発明の溶融紡糸装置で製造される熱可塑性繊維は、巻取機9で巻き取られ、繊維パッケージを形成する。繊維パッケージの形状は、ボビン、チーズ、コーン等巻取機機種により様々な形態が得られるが、チーズ状パッケージがパッケージ当たりの巻量を多く巻き取ることが可能でありコスト面で好ましく用いられる。その巻量は3kg以上が好ましく、さらに好ましくは4.5kg以上である場合に好ましい。また、上限としても制限はながい、通常は7.5kg以下で使用される。
以下、実施例を挙げて本発明について、さらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例中の各特性値の測定方法は、次の方法で判断した。また、不活性ガスは水蒸気を用いた。
[酸素濃度]
新コスモス電機社製の酸素濃度計XP3180Eを用いて、検知管の先端を紡糸口金面につけて、紡糸口金面中心位置、紡糸口金面を4等配した際の最外吐出孔位置、紡糸口金面中心と紡糸口金面の最外吐出孔の中間位置を測定し、これらの数平均値を酸素濃度(%)とした。
[蒸気効率]
気体供給装置4の気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Q(cc/分)の算出は、等間隔で配列した気体供給孔5各々の孔に容器を取り付けたのち、6時間加熱蒸気を流しながら水冷凝縮し、その重量を総計し算出した。
また紡糸口金面への気体吹きあて量q(cc/分)は、気体緩衝装置の最終出口から環状方向に吹き出す加熱蒸気を6時間流しながら水冷凝縮し、その重量を総計し算出した。そして蒸気効率は、q/Q×100(%)として算出した。
[静圧]
気体供給装置4の配管(図示せず)の圧力を、液柱マノメーターで測定した。
[U%]
本発明の溶融紡糸装置にて得られた合成繊維をzellweger uster社製のUSTER TESTER III を用いて試料長300m、測定糸速度100m/分で、U%(Half)を測定した。これを5回繰り返しこれらの数平均値をU%とし、0.9(%)未満を合格レベルとした。
[紡糸糸切れ]
本発明の溶融紡糸装置にて得られた合成繊維を製糸するときの1t当たりの糸切れについて、3回未満を合格レベルとした。
[総合評価]
本発明の溶融紡糸装置にて得られる合成繊維の評価指標は前記[U%]と[紡糸糸切れ]に着目し、総合評価として次の基準をもって示した。そして○以上を合格レベルとした。
◎:U%0.6未満(%)、かつ紡糸糸切れ1回未満
○:U%0.6未満(%)、かつ紡糸糸切れ1以上3回未満、もしくはU%0.6〜0.9未満(%)かつ紡糸糸切れ1回未満
△:上記以外の結果(本発明の目的は達成していない) 。
[98%硫酸相対粘度(ηr)]
(a)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解する。
(b)(a)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
(c)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
(d)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式により算出する。測定温度は25℃とする。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)} 。
[単糸繊度]
図2に示した態様にて、巻取機9にて各フィラメント群を巻取り、JIS L1013(2010)の8.3.1項に準じて測定し、繊度をフィラメント数で割り返した値を単糸繊度(dtex)とした。
(実施例1)
図1、図2(b)に示した装置態様にて、図3(c)に示した紡糸口金(吐出孔数=192、吐出孔形状=丸、糸条群=2)を用いて、56デシテックス98フィラメントのナイロン66(ηr=2.8、溶融温度290℃)の溶融紡糸に際し、図4に示すとおり気体噴出経路Sの最終出口に略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いた。略平行なスリットの傾斜位置は、aポイントが紡糸口金2の最外周吐出孔から6.6mmの位置とし、気体噴出経路Sの最終出口から噴出する水蒸気の吹きあて位置がaポイントと紡糸口金2の最外周吐出孔の外域範囲内となるようbポイントを調整し、紡糸口金2の最外周の吐出孔出口の孔外側の領域に水蒸気を傾斜して吹きつけ、環状方向冷却風吹き出し方式による冷却装置により冷却し、油剤付与、交絡処理の後、巻き取り速度4000m/分で巻き取り、4.5kgのチーズ状パッケージを得た。紡糸試験評価(紡糸糸切れ=2.0、U%=0.58)を実施し、その結果を表1に示す。
具体的な気体供給装置4、気体緩衝装置6の設定条件は、以下のとおりである。
(1)気体緩衝装置6の先端部AからL1=7mmの区間にて環状方向で一定のスキマ間隔:1.5mm
(2)気体緩衝装置6の先端部Aと紡糸口金下面との鉛直線方向の距離L2:14mm
(3)紡糸口金2に配置された吐出孔3の最外周ピッチ半径と気体緩衝装置6の先端部Aを囲繞する環状円の半径差L3:6.6mm
(4)気体供給孔5から噴出される水蒸気噴出量:蒸気効率98%
(5)気体加熱装置41温度:290℃ 。
(比較例1)
特許文献2記載と同様の溶融紡糸装置(略平行なスリットの無い気体噴出装置,スリット板とシール環内壁とのスリット幅=2mm)を用いて、本発明の諸元L2=10mm、L3=15mmとして実施例1と同様に紡糸試験評価した。その結果を表1に示す。
表1から判るように、気体噴出経路Sの出口部分が略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いて製造(実施例1)したナイロン66マルチフィラメントは、U%品位が良好で、糸切れが少なく生産性に優れるものであった。また、気体噴出経路Sの出口部分に略平行なスリットを介さずに製造(比較例2)したナイロン66マルチフィラメントは、U%品位、糸切れが多く生産性に劣位のものであった。
(実施例2)
図1、図2(b)に示した装置態様にて、図3(c)に示した紡糸口金(吐出孔数=120、吐出孔形状=Y、糸条群=6)を用い、吐出量を変更して、26デシテックス20フィラメントのナイロン6(ηr=2.8、溶融温度290℃)とした以外は実施例1と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.7、U%=0.42)を実施した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
気体緩衝装置6の先端部AからL1=7mmの区間にて環状方向で一定のスキマ間隔を3.0mmとし、略平行なスリットの傾斜位置のaポイントを、紡糸口金2の最外周吐出孔から4.1mmの位置とし、気体噴出経路Sの最終出口から噴出する水蒸気の吹きあて位置がaポイントと紡糸口金2の最外周吐出孔の外域範囲内となるようbポイントを調整し、紡糸口金2の最外周の吐出孔出口の孔外側の領域に水蒸気を傾斜して吹きつけた以外は実施例1と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.9、U%=0.46)を実施した。その結果を表1に示す。
(実施例4、5)
図4に示すとおり気体加熱装置41温度を、260℃(実施例4)、230℃(実施例5)とした以外は実施例2と同様に、紡糸試験評価を実施(紡糸糸切れ=0.9(実施例4),1.5(実施例5)、U%=0.44(実施例4),0.41(実施例5))した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
図4に示すとおり気体噴出経路Sの最終出口に略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いない、つまり、略平行なスリットの無い気体噴出装置4とした以外は実施例2と同様に、紡糸試験評価を実施(紡糸糸切れ=4.0、U%=0.39)した。その結果を表1に示す。
表1から判るように、気体噴出経路Sの出口部分が略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いて製造(実施例2〜5)したナイロン6マルチフィラメントは、U%品位が良好、糸切れが少なく生産性に優れるものであった。また、気体噴出経路Sの出口部分に略平行なスリットを介さずして製造(比較例2)したナイロン6マルチフィラメントは、U%品位は良好であるが、糸切れが多く生産性に劣位のものであった。
(実施例6、7)
気体緩衝装置6の先端部Aと紡糸口金下面との鉛直線方向の距離L2を20mm(実施例6)、30mm(実施例7)とした以外は実施例2と同様に、紡糸試験評価を実施(紡糸糸切れ=0.9(実施例6),1.8(実施例7)、U%=0.38(実施例6),0.37(実施例7)した。その結果を表1に示す。
(実施例8)
紡糸口金2に配置された吐出孔3の最外周ピッチ半径と気体蒸気緩衝装置6の先端部Aを囲繞する環状円の半径差L3を10.0mmとし、略平行なスリットの傾斜位置のaポイントを、紡糸口金2の最外周吐出孔から10.0mmの位置とし、気体噴出経路Sの最終出口から噴出する水蒸気の吹きあて位置がaポイントと紡糸口金2の最外周吐出孔の外域範囲内となるようbポイントを調整し、紡糸口金2の最外周の吐出孔出口の孔外側の領域に水蒸気を傾斜して吹きつけた以外は実施例2と同様に、紡糸試験評価を実施(紡糸糸切れ=0.50、U%=0.35)した。その結果を表1に示す。
(実施例9)
図1、図2(a)に示した装置態様にて、図3(d)に示した紡糸口金(吐出孔数=72、吐出孔形状=丸、糸条群=6)を用い、吐出量を変更して、20デシテックス12フィラメントのナイロン66(ηr=2.8、溶融温度290℃)とした以外は実施例1と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.5、U%=0.48)を実施した。その結果を表1に示す。
表1から判るように、気体噴出経路Sの出口部分が略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いて製造(実施例6〜9)したナイロン6マルチフィラメントは、U%品位が良好、糸切れが少なく生産性に優れるものであった。L2を20mm以内とした水準(実施例6,8,9)は特にU%品位が良好、糸切れが少なく生産性に優れるものであった。また、冷却装置をクロスフロー方式とした水準(実施例9)においても、環状冷却方式を用いた水準(実施例1〜8)と同様に、U%品位が良好、糸切れが少なく生産性に優れるものであった。
Figure 2016000884
(実施例10)
図1、図2(b)に示した装置態様にて、図3(c)に示した紡糸口金(吐出孔数=120、吐出孔形状=丸、糸条群=6)を用いて、26デシテックス20フィラメントのナイロン6(ηr=2.8、溶融温度290℃)の溶融紡糸に際し、図4に示すとおり気体噴出経路Sの最終出口に略平行なスリットを有する気体緩衝装置6を用いた。略平行なスリットの傾斜位置は、aポイントが紡糸口金2の最外周吐出孔から6.6mmの位置とし、気体噴出経路Sの最終出口から噴出する水蒸気の吹きあて位置がaポイントと紡糸口金2の最外周吐出孔の外域範囲内となるようbポイントを調整し、紡糸口金2の最外周の吐出孔出口の孔外側の領域に水蒸気を傾斜して吹きつけ、環状方向冷却風吹き出し方式による冷却装置により冷却し、油剤付与、交絡処理の後、巻き取り速度4000m/分で巻き取り、4.5kgのチーズ状パッケージを得た。紡糸試験評価(紡糸糸切れ0.70=、U%=0.46)を実施し、その結果を表2に示す。
具体的な気体供給装置4、気体緩衝装置6の設定条件は、以下のとおりである。
(1)気体緩衝装置6の先端部AからL1=7mmの区間にて環状方向で一定のスキマ間隔:1.5mm
(2)気体緩衝装置6の先端部Aと紡糸口金下面との鉛直線方向の距離L2:14mm
(3)紡糸口金2に配置された吐出孔3の最外周ピッチ半径と気体緩衝装置6の先端部Aを囲繞する環状円の半径差L3:6.6mm
(4)気体供給孔5から噴出される水蒸気噴出量:蒸気効率98%
(5)気体加熱装置41温度:290℃ 。
(6)気体供給孔5の孔径:1mm
(7)気体供給孔5の個数:10個
(8)気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Q:1.1(L/分)
(実施例11)
図4に示すとおり気体供給装置5において、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Qを0.5L/分とした以外は、実施例10と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=1.50、U%=0.39)を実施した。その結果を表2に示す。
(実施例12)
図4に示すとおり気体供給装置5において、気体供給孔5の孔径を2mm、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Qを2.1L/分とした以外は、実施例10と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.36、U%=0.35)を実施した。その結果を表2に示す。
(実施例13)
図4に示すとおり気体供給装置5において、気体供給孔5の孔径を2mm、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Qを2.1L/分とした以外は、実施例10と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.43、U%=0.85)を実施した。その結果を表2に示す。
(実施例14)
図4に示すとおり気体供給装置5において、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Qを0.25L/分とした以外は、実施例10と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=1.72、U%=0.40)を実施した。その結果を表2に示す。
(実施例15)
図4に示すとおり気体供給装置5において、気体供給孔5から吹き出す総気体噴出量Qを2.4L/分とした以外は、実施例10と同様に紡糸試験評価(紡糸糸切れ=0.41、U%=0.88)を実施した。その結果を表2に示す。
Figure 2016000884
1:パック
2:紡糸口金
3:吐出孔
4:気体供給装置
41:気体加熱装置
5:気体供給孔
6:気体緩衝装置
7:冷却装置
8:引取ロール
9:巻取機
Y:フィラメント
S:気体噴出経路
A:気体緩衝装置の先端部(気体最終出口経路部)
L1:気体緩衝装置の先端部からの気体最終出口経路方向での距離
L2:気体緩衝装置の先端部と紡糸口金下面との鉛直方向の距離
L3:吐出孔の最外周ピッチ半径と気体緩衝装置先端部を囲繞する半径の差

Claims (8)

  1. 複数の吐出孔を有する紡糸口金、および該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から気体を噴出する気体噴出機構を備えた溶融紡糸装置において、気体噴出機構の経路を形成する部材間の最終出口経路は略平行なスリットを有し、かつ一定厚みで気体を均一に噴出して紡糸口金面に吹きあてることを特徴とする溶融紡糸装置。
  2. 最終出口経路から噴出する気体の吹きあて位置が、前記紡糸口金面の最外吐出孔出口と口金端部の口金面との間にあることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸装置。
  3. 総気体噴出量Q(L/分)と紡糸口金面に吹きあてられる気体吹きあて量q(L/分)が以下を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融紡糸装置。
    q/Q×100≧90(%)
  4. 紡糸口金面直下5mm以内の領域における酸素濃度が1.5%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  5. 気体供給装置の静圧が100〜400Paであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  6. 紡糸口金当たりの吐出孔数が100以上で、かつ吐出孔群が2〜8であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶融紡糸装置。
  7. 熱可塑性樹脂を溶融し、該紡糸口金面に向けて口金の円周方向から不活性ガスを噴出後、紡糸口金から吐出されたフィラメントあるいはフィラメント群を冷却装置により冷却した後、油剤付与処理し、引取ロールを介して巻き取る熱可塑性繊維の製造方法において、請求項1〜6のいずれかに記載の溶融紡糸装置を使用し、かつ得られた繊維の単糸繊度が1.3デシテックス以下であることを特徴とする熱可塑性繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の溶融紡糸装置から巻き取られた繊維パッケージ。
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