JP4760441B2 - 溶融紡糸装置および溶融紡糸方法 - Google Patents

溶融紡糸装置および溶融紡糸方法 Download PDF

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本発明は、紡糸口金の下方中心部に設けられ冷却風を供給する冷却筒を有する溶融紡糸装置およびそれを用いた溶融紡糸方法に関するものであり、さらに詳しくは、均斉度の優れた単糸繊度1.5dtex以下の極細マルチフィラメント(以後極細糸という)を得るにあたって好適に用いることが可能な溶融紡糸装置およびそれを用いた溶融紡糸方法に関するものである。
紡糸口金の下方中心部に冷却風を供給する冷却筒を設けた溶融紡糸装置は、たとえば特許文献1に紹介されている。しかし、この文献に記載の装置では紡糸直後の未固化のポリマーに速度の速い冷却風が当たり、糸揺れを発生しやすく、むしろ糸条の均斉度を悪化させ易いという問題がある。とくに比表面積の大きい単糸繊度1.5dtex以下の極細糸を紡糸する場合は、糸揺れが大きくなり、糸条の繊度斑が発生し、これに起因する染め斑や糸品質斑を発生させ易い。
また、特許文献2、3には、冷却筒より吐出される冷却風の冷却筒長手方向の速度分布をコントロールする方法が開示されている。しかし、これら文献に記載の方法は、いずれも冷却筒長手方向に冷却風速が斬減もしくは斬増するため冷却風の過不足が生じ易く、糸条を安定して冷却する事が難しいという問題があり、結果的に均斉度の優れた糸条を得ることは困難である。
特開昭52-15615号公報 特開昭61-174411号公報 特開昭63-219612号公報
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、均斉度の優れた糸条を製造できる溶融紡糸装置および溶融紡糸方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明は、次の構成からなる。すなわち、
(1)紡糸孔が環状に配置された紡糸口金と、紡糸口金の下方で、かつ、環状に配置された紡糸孔から紡糸される熱可塑性樹脂よりも内側に配設される冷却筒とを備えた溶融紡糸装置であって、冷却筒は、複数個の送風孔を有する冷却風吹出部を有し、かつ、冷却風吹出部での冷却風の風速分布が以下の関係式を満たすものであることを特徴とする溶融紡糸装置。
Vjmax≦25.0 (m/min)
│Va- Vj│<0.14×Va
ただし、
Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
Vjmaxは、Vjの最大値
Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
(2)冷却筒は、冷却風流路の、冷却風流れ方向に関して送風孔よりも上流側で、かつ、冷却風流れ方向に交差する方向全域にわたって設けられた多孔性部材を有している、上記(1)記載の溶融紡糸装置。
(3)紡糸孔が環状に配置された紡糸口金と、紡糸口金の下方で、かつ、環状に配置された紡糸孔から紡糸される樹脂よりも内側に配設された、複数個の送風孔を有する冷却風吹出部を有する冷却筒とを備えた溶融紡糸装置を用い、冷却風吹出部での冷却風の風速分布が以下の関係式を満たすように冷却筒から冷却風を吹き出して、溶融紡糸した樹脂を固化することを特徴とする溶融紡糸方法。
Vjmax≦25.0 (m/min)
│Va- Vj│<0.14×Va
ただし、
Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
Vjmaxは、Vjの最大値
Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
ここで、「冷却風吹出部」とは、紡糸口金から吐出された熱可塑性樹脂に冷却風を供給する冷却筒の最も下流側の箇所で、送風孔が設けられている部分全体をいう。
また、複数個の紡糸孔が「環状」に設置されるとは、吐出される複数本のフィラメントの内側に冷却筒を配置できる空隙が形成される程度に複数孔の紡糸孔が設置されている状態をいう。
本発明によれば、冷却筒から吹き出される冷却風の冷却風吹出部での風速分布が、樹脂走行方向において一定の関係式、
Vjmax≦25.0 (m/min)
│Va- Vj│<0.14×Va
ただし、
Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
Vjmaxは、Vjの最大値
Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
を満たすので、紡糸孔から吐出された樹脂は、上記雰囲気下で冷却固化される。すなわち、紡糸口金から吐出された樹脂が固化していない上流側の領域では、その樹脂をはげしく揺らさない程度に冷却風を吹き付け、樹脂が固化し始めてから十分冷却されるまでの下流側の領域では一定範囲内の風速の冷却風を吹き付けることで、樹脂走行方向に均一な冷却を行い、結果、均斉度の優れた糸条を得ることが可能となる。さらに本発明の溶融紡糸装置や溶融紡糸方法により生産された糸条を使用して布帛を生産する場合には、織り、編み段、染色斑等の少ない高品位の布帛を得ることができる。
図1は、本発明に係る装置の一例を示す概略縦断面の模式図、図2は図1に示す装置を冷却筒5の下面から見た概略図である。この装置は、パックハウジング1により固定された紡糸口金2と、その紡糸口金2の下方で、かつ、紡糸口金2に環状に穿設された複数個の紡糸孔3から吐出される複数本のフィラメント4の内側に位置するように設置された冷却筒5と、環状に穿設された複数個の紡糸孔3の最大配孔径dよりも内径Dが大きい、すなわち同フィラメント4の外側に位置するように配置された外筒6と、それら冷却筒5および外筒6よりも下流側に配置された給油ガイド7と、固化されたフィラメントの巻取手段(図示しない)などで構成されている。紡糸孔3から吐出された複数本のフィラメント4は、紡糸口金2の直下では未固化の樹脂であり、冷却筒5と外筒6との間で冷却、固化された後、給油され、以後必要に応じて延伸され、巻き取られる。
ここで、冷却筒は図3の概略縦断面図に示すように中空構造になっており、たとえば冷却風吹出部8となる筒体を上部蓋9とベース10で挟み込んで固定して構成される冷却風吹出部8となる筒体は、厚み方向に多数の毛細管状の孔(送風孔)を有する多孔質の部材から構成し、冷却筒内部に送られた冷却風が冷却風吹出部から糸条方向へ整流されつつ吹き出され、樹脂を冷却する。多孔質部材としては、適度な剛性を有していればよく、紙、木、金属および合成樹脂等を用いることができる。例えば、セルロースリボンを螺旋状に巻いてフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸、加熱硬化することで、リボン層全体にわたり40μm程度の大きさの孔を形成したものであってもよい。なお、本発明においては、冷却筒の最も下流側の箇所で、送風孔が設けられている部分をまとめて冷却風吹出部という。
冷却筒には、冷却風流路の、冷却風流れ方向に関して送風孔よりも上流側で、かつ、冷却風流れ方向に交差する方向全域にわたって、冷却風吹出部での冷却風の樹脂走行方向の速度分布を制御するための手段が設置されている。これにより、冷却筒内部の圧力分布を均一にして送付孔から吹き出される冷却風の勢いを緩やかすることができる。すなわち、冷却風吹出部における冷却風の樹脂走行方向の速度分布を後述するような範囲にコントロールすることができる。
このような制御手段としては、多孔性部材が用いられ、具体的には、図3に示すような冷却筒エレメントのエア導入部に設置されるパンチングプレート11やメッシュ12などが挙げられる。これら多孔板やメッシュを使用する場合、冷却風に対しある程度の流動抵抗を与える必要があるので、開口率が50%以下のものを使用することが好ましい。なお、開口率は、エア流れ方向に垂直な平面における多孔板やメッシュの開口部面積を冷却筒エレメントのエア導入部の流路面積で除した値であり、多孔性部材の任意の一断面で50%以下の開孔率となっていればよい。
このような速度分布コントロール手段を用いない場合、冷却筒下部の冷却風導入部より冷却筒内へ送り込まれた冷却風は、冷却筒内中心部を直進し、上方へ流れ、上部蓋裏面で進行方向を変えられ、冷却筒最上部より勢いよく冷却筒外部へ吹き出す。従って、このときの冷却筒からの冷却風速分布は図4に示す様になり易い。
一方、冷却風流路の、冷却風流れ方向に関して送風孔よりも上流側で、かつ、冷却風流れ方向に交差する方向全域にわたって多孔性部材を設置した場合、冷却筒へ送り込まれた冷却風は多孔性部材に当たり、従来技術では冷却筒内中心部を直進していた冷却風流れが分散され、冷却筒水平方向に対しても冷却風が均一に流れ易くなり、冷却筒上部〜中央部付近を均一に加圧する。これにより図5に示すように冷却筒長手方向に比較的均一な冷却風分布を得ることが可能になり、冷却風吹出部で、次の関係式を満たすような冷却風の風速分布が得られる。なお、下記関係式で示される風速分布のイメージ図を図6に示す。図4〜図6において、縦軸は冷却風吹出部の長さ方向における位置を、横軸は冷却筒より吹き出される冷却風の風速を表している。
Vjmax≦25.0 (m/min)
│Va- Vj│<0.14×Va
ただし、
Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
Vjmaxは、Vjの最大値
Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
この結果、特に均斉度の優れた極細糸を製造することが容易になる。紡糸口金から吐出された溶融樹脂は冷却筒より吹き出される冷却風により固化され糸条を形成するが、このとき送風口から吹き出される冷却風の速度は強すぎると固化過程にある樹脂を大きく揺らすことになり、繊度斑になりやすく、また、弱すぎても冷却不足によりフィラメント間で固化にばらつきが生じ繊度斑になりやすい。従って、冷却風の速度は糸条を大きく揺らさない程度の風速を、すべてのフィラメントが固化するまでの間保つ必要がある。また口金から樹脂が吐出された直後は樹脂は粘度が低く、冷却風により揺らされやすいため特に冷却風の風速を低くする必要がある。従って、図6に示すように樹脂方向に一様な風速分布である必要がある
冷却筒の冷却風吹出部は、樹脂を確実に冷却、固化するために、樹脂走行方向150mm以上にわたって設けられていることが好ましい。一方、この距離は長すぎても紡糸作業に支障が出易いため、300mm以下であることが好ましい。
また、冷却筒から吹き出された直後の冷却風は上述のとおり整流されているが、外気中を進むにつれ、冷却風の拡散方向も不均一になり整流性を失う。このため樹脂と冷却筒の距離とが離れていると樹脂を均一に冷却することが難しくなる。したがって、樹脂と冷却風吹出部との距離は15mm以下であることが好ましい。
さらに、走行樹脂の外側のエアー流れも重要である。したがって、図1に示すように紡糸口金4の下方で、かつ走行するフィラメント4の外側に、冷却筒5と同程度の長さの外筒6を設置することが好ましい。
この外筒は次のように作用する。すなわち、紡糸口金孔より吐出された未固化の樹脂は冷却筒より吹き出される冷却風により冷却固化されつつ、引き取り速度まで加速されるため、冷却筒の中間部付近から下方へ樹脂走行方向に沿って随伴気流が発生する。この随伴気流の発生によって口金下面〜冷却筒上部付近の空気が引きずられ空気の飢餓状態が生じる。その結果、外筒を設置していない場合、図7に示すように、該空間に紡糸機まわりの外気が吸い込まれ冷却斑を発生し易くなる。しかし、図8に示すように、外筒6を設置する場合、外筒により口金下面〜冷却筒上部付近と外部が遮断されるため該空間に外気が流入しにくくなり、安定した冷却ができる。
そして、図9に示すように、外筒の内径が大きすぎると外筒内壁に沿って外筒下部より口金下面〜冷却筒上部付近に外気が流入しやすくなり、一方、外筒の内径が小さすぎると糸切れ時や紡糸準備時に糸条が融着し、作業が困難になるため、より安定した冷却を行い、かつ、作業を簡単にするために、外筒の内径とフィラメントの位置とが以下の関係式を満たすようにすることがより好ましい。
1.20d<D<1.45d
ただし、dは環状に設置された紡糸孔を結んでできる近似円の最大直径であり、同心円上に複数の環状に配置された紡糸孔がある場合は円の直径が最も大きい径である。Dは外筒の内径である。
(風速の測定方法)
風速は、KANOMAX社製アネモマスターを各測定点で冷却風吹出部に密着させ測定した。測定点は冷却風吹出部を構成する筒体の上端部より0,10,30,50,100,150,200mmの距離の位置で(上端部より200mmの位置での測定は筒体が200mmの場合のみ)、それぞれ円周方向に90°ずつ角度を変え4点測定し、この4点の風速平均を冷却風吹出部上端部からの各距離での風速とした。
(ウースター斑の測定方法)
ウースター斑は、ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−4を使用して糸速50m/分、Z撚り、撚り数8000rpmで3分間、1/2inertで測定した。
(実施例1)
図1に示す装置を用いてナイロン6ポリマーを260℃で溶融紡糸し、口金面より800mm下方で糸条を集束させ、紡糸油剤を付与させ、56dtex、98フィラメントの糸条を巻取速度4600m/minで巻き取った。このとき、冷却筒へ、温度18℃、湿度 70%RHの冷却風を、冷却筒内と大気圧との差圧が200Paとなるように加圧して送風し、冷却筒から吹き出される冷却風により樹脂を冷却した。その時の冷却風吹出部での風速を測定した。また、得られた糸条の長手方向の繊度均一性を表すウースター斑を測定した。
なお、紡糸口金には直径0.15mmの紡糸孔を49個づつ2つの同心円上に等角度で配置したものを用いた。
冷却筒の冷却風吹出部を構成する筒体としては、厚さ4.6mm、最外周に設置された紡糸孔から吐出されたフィラメントとの距離(糸条〜冷却筒距離)が9.0mmとなるような直径で、かつ、樹脂走行方向150mmにわたって濾過精度40μmの孔を有するフェノール樹脂含浸セルロースリボンを螺旋状に巻き付け筒状に成形した富士フィルター製フジボンを用いた。
また、上記筒体の、冷却風流れ方向における上流側端部には、図3に示すような直径2.0mmの孔を穿設した開口率40.3%のパンチングプレートを配置した。
さらに、紡糸口金の下方でかつ走行樹脂の外周には、内径118mm、長さ78mmの外筒を設置した。
結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
ナイロン66ポリマーを285℃で溶融紡糸した点、冷却風吹出部を構成する筒体として、樹脂走行方向200mmにわたって送風孔を有したものを用いた点、そして、冷却筒内と大気圧との差圧が350Paとなるように冷却風を加圧して送風した点以外は実施例1と同様に紡糸し、冷却風吹出部での風速を測定した。結果を表1、表2に示す。
(実施例3)
冷却筒内と大気圧との差圧が350Paとなるように冷却風を加圧して送風した点以外は実施例1と同様に紡糸し、冷却風吹出部での風速を測定した。結果を表1、表2に示す。
(比較例1)
パンチングプレートを設けなかった点以外は実施例1と同様に紡糸し、冷却風吹出部での風速を測定した。結果を表1、表2に示す。
(比較例2)
パンチングプレートを設けなかった点以外は実施例2と同様に紡糸し、冷却風吹出部での風速を測定した。結果を表1、表2に示す。
Figure 0004760441
Figure 0004760441
これらの結果より明らかなように実施例では糸条の長手方向の繊度均一性が向上していた。なお、ウースター斑は、生産されたフィラメントの品質を判断する重要なパラメータであり、ウースター値が高いほど最終的な織物における布帛の物理的特性、外観の均一性が悪化する。通常のフィラメントの単糸繊度範囲にある糸に関しては、ウースター斑の値が0.80%以下であれば、布帛においてウースター斑による品質上の問題がない。従来の技術によって得られる比較例1、2のミクロフィラメント糸は、通常、ウースター斑の値が0.80%を超えたが、本発明の方法を用いた実施例1〜3では、ウースター斑の値が安全に染色できる0.80%以下のフィラメント糸を製造することができた。
本発明の一実施形態を示す溶融紡糸装置の概略縦断面図である。 図1に示す溶融紡糸装置を冷却筒5の下方から見た図である 冷却筒、および、冷却風流路の、冷却風流れ方向に関して送風孔よりも上流側で、かつ、冷却風流れ方向に交差する方向全域にわたって設置される多孔性部材の概略図である。 冷却風の速度コントロール手段を用いない場合の冷却風の速度分布図である。 冷却風の速度コントロール手段を用いる場合の冷却風の速度分布図である。 冷却風の速度コントロール手段を用いる場合の冷却風の速度分布のイメージ図である。 外筒がない溶融紡糸装置における外気の流れを示す概略模式図である。 外筒を有する溶融紡糸装置における外気の流れを示す概略模式図である。 内径が大きい外筒を取り付けた溶融紡糸装置における外気の流れを示す概略模式図である。
符号の説明
1:パックハウジング
2:紡糸口金
3:紡糸孔
4:フィラメント
5:冷却筒
6:外筒
7:給油ガイド
8:冷却風吹出部
9:上部蓋
10:ベース
11:パンチングプレート
12:メッシュ

Claims (3)

  1. 複数個の紡糸孔が環状に配置された紡糸口金と、紡糸口金の下方で、かつ、環状に配置された紡糸孔から紡糸される熱可塑性樹脂よりも内側に配設される冷却筒とを備えた溶融紡糸装置であって、冷却筒は、複数個の送風孔を有する冷却風吹出部を有し、かつ、冷却風吹出部での冷却風の風速分布が以下の関係式を満たすものであることを特徴とする溶融紡糸装置。
    Vjmax≦25.0 (m/min)
    │Va- Vj│<0.14×Va
    ただし、
    Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
    Vjmaxは、Vjの最大値
    Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
  2. 冷却筒は、冷却風流路の、冷却風流れ方向に関して送風孔よりも上流側で、かつ、冷却風流れ方向に交差する方向全域にわたって設けられた多孔性部材を有している、請求項1記載の溶融紡糸装置。
  3. 複数個の紡糸孔が環状に配置された紡糸口金と、紡糸口金の下方で、かつ、環状に配置された紡糸孔から紡糸される樹脂よりも内側に配設された、複数個の送風孔を有する冷却風吹出部を有する冷却筒とを備えた溶融紡糸装置を用い、冷却風吹出部での冷却風の風速分布が以下の関係式を満たすように冷却筒から冷却風を吹き出して、溶融紡糸した樹脂を固化することを特徴とする溶融紡糸方法。
    Vjmax≦25.0 (m/min)
    │Va- Vj│<0.14×Va
    ただし、
    Vjは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における任意の部分での風速
    Vjmaxは、Vjの最大値
    Vaは、冷却風吹出部の樹脂走行方向最上端部から冷却風吹出部全長の5%以上70%未満の範囲における部分での平均風速
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