JP6521774B2 - 加熱調理器用操作装置 - Google Patents

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本発明は、加熱調理器本体に設けられた横倒れ姿勢の枢支軸と、
上端部に備えた運転操作部を前記加熱調理器本体の前方に突出させる突出位置と前記運転操作部を前記加熱調理器本体の内方に引退させる引退位置とに前後揺動により切換えるべく、下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させた操作部支持枠と、
下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させかつ前記操作部支持枠に一体揺動するように連結した状態で前記操作部支持枠の前面側に設けられる板状の操作部カバーと、を設け、
前記操作部カバーの下端部に、前記枢支軸に揺動自在に外嵌する複数の外嵌支持部を設け、前記操作部カバーの前記外嵌支持部よりも上方箇所に、前記操作部支持枠に設けた複数の被係合部に係合させる複数の係合部を設け、
前記外嵌支持部を、前記操作部カバーの上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部を備える弾性外嵌式に構成し、
前記係合部を、前記枢支軸を支点として前記操作部カバーを揺動させることにより、前記被係合部に弾性的に係合する弾性係合式に構成した加熱調理器用操作装置に関する。
かかる加熱調理器用操作装置は、一般には、キッチンキャビネットに装着するビルトイン式の加熱調理器の前面部に設けられるものであり、運転操作部を使用しないときには、操作部支持枠を加熱調理器本体の内方に引退させた引退位置に位置させておくことにより、加熱調理器の外観を美麗にし、しかも、運転操作部がキッチンキャビネットの前方箇所にて調理作業を行う作業者の邪魔になることを回避できるものであり、また、運転操作部を使用するときには、操作部支持枠を加熱調理器本体の前方に突出させた突出位置に位置させることにより、運転操作部に対する操作を良好に行えるものである。
そして、操作部カバーが操作部支持枠に対して着脱することができるものであるから、加熱調理器本体をキッチンキャビネットに装着する際に、操作部カバーを外しておき、加熱調理器本体をキッチンキャビネットに装着した後に、操作部カバーを装着するようにすることにより、加熱調理器本体をキッチンキャビネットに装着する作業が行い易いばかりでなく、その作業中における操作部カバーの損傷を抑制できるものとなる。
又、操作部カバーに設けられた複数の外嵌支持部を、加熱調理器本体に設けられた枢支軸に外嵌させた状態で、枢支軸を支点として操作部カバーを前後揺動させることで、係合部が被係合部に係合して、操作部カバーが操作部支持枠の前面側に装着されるものであるから、操作部カバーの脱着を簡便に行えるものである(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、特許文献1に記載の如く、一般には、操作部カバーが、加熱調理器本体の横端部とキッチンキャビネットの前面開口部との間の隙間を覆うべく加熱調理器本体の横外方に張り出す状態で設けられており、操作部カバーによって、加熱調理器本体の横端部とキッチンキャビネットの前面開口部との間の隙間を覆うため、キッチンキャビネットに設置された加熱調理器の外観を一層美麗にすることができる。
特開2014−035123号公報
加熱調理器用操作装置では、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際には、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させた後に、操作部カバーを操作部支持枠に向けて上方側に揺動させることになるが、複数の外嵌支持部の一部又は全部が枢支軸に外嵌してない状態で、操作部カバーを操作部支持枠に向かって上方側に揺動させてしまう場合がある。
つまり、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際には、先ず弾性外嵌式に構成された複数の外嵌支持部の開口部を枢支軸に向けた状態で、枢支軸に向かって操作部カバーを押圧することで外嵌支持部を枢支軸に外嵌することになる。しかしながら、押圧が不十分である場合は、複数の外嵌支持部の一部又は全部が枢支軸に外嵌されずに、外嵌支持部の開口部形成部が枢支軸に載置された状態のままで、操作部カバーを操作部支持枠の前面側に向かって上方側に揺動させてしまう場合がある。
その結果、外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部が枢支軸に載置された状態で、複数の係合部が操作部支持枠の複数の被係合部に係合する装着状態で、操作部カバーが操作部支持枠の前面側に装着される虞がある。
そして、操作部カバーが、外嵌支持部が枢支軸に外嵌されずに、操作部支持枠に装着されてしまうと、操作部カバーの設置位置が適正位置からずれること等により、美観が悪くなることや、操作部支持枠を揺動させるときに操作部カバーが加熱調理器を構成する他の部材と接触すること等の不具合が発生する虞がある。また、係合部と被係合部との係合だけで、操作部カバーが操作部支持枠に対して保持されることとなるので、係合部に大きな応力がかかって、係合部が破壊する虞がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、操作部カバーの操作部支持枠に対する装着を良好に行うことができる加熱調理器用操作装置を提供する点にある。
本発明の加熱調理器用操作装置は、
加熱調理器本体に設けられた横倒れ姿勢の枢支軸と、
上端部に備えた運転操作部を前記加熱調理器本体の前方に突出させる突出位置と前記運転操作部を前記加熱調理器本体の内方に引退させる引退位置とに前後揺動により切換えるべく、下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させた操作部支持枠と、
下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させかつ前記操作部支持枠に一体揺動するように連結した状態で前記操作部支持枠の前面側に設けられる板状の操作部カバーと、を設け、
前記操作部カバーの下端部に、前記枢支軸に揺動自在に外嵌する複数の外嵌支持部を設け、前記操作部カバーの前記外嵌支持部よりも上方箇所に、前記操作部支持枠に設けた複数の被係合部に係合させる複数の係合部を設け、
前記外嵌支持部を、前記操作部カバーの上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部を備える弾性外嵌式に構成し、
前記係合部を、前記枢支軸を支点として前記操作部カバーを揺動させることにより、前記被係合部に弾性的に係合する弾性係合式に構成した加熱調理器用操作装置であって、その特徴構成は、
前記外嵌支持部の開口部形成部を前記枢支軸に載置した状態で前記操作部カバーを前記操作部支持枠に近接する側に揺動させたときに、前記操作部支持枠に設けた被当接部との当接により前記操作部カバーを下方側に押圧移動させる当接部を、前記操作部カバーに設けてある点にある。
上記特徴構成によれば、弾性外嵌式に構成された複数の外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部を枢支軸に載置した状態で、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させれば、操作部カバーに設けられた当接部が操作部支持枠に設けた被当接部に当接して、操作部カバーが下方側に押圧移動する。
そして、これにより、枢支軸に載置された外嵌支持部が枢支軸に向かって移動することとなるので、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させることができる。
よって、操作部カバーを操作部支持枠に装着する際に、複数の外嵌支持部の開口部を枢支軸に向けた状態で、枢支軸に向かって操作部カバーを押圧する押圧力が不十分であり、複数の外嵌支持部の一部又は全部の開口部形成部が枢支軸に載置した状態となっているままで、操作部カバーを操作部支持枠に近接する側に揺動させても、外嵌支持部を枢支軸に外嵌させつつ、複数の係合部を複数の被係合部に係合させることができる。
従って、操作部カバーの操作部支持枠に対する装着を良好に行うことができる。
本発明に係る加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成は、
前記係合部を、前記操作部カバーに立設状態で設けた係合片に、前記被係合部に係合する係合突起を備える形態に構成し、
前記係合片に前記当接部を形成する点にある。
上記特徴構成によれば、係合片が操作部カバーに立設状態で設けられているので、係合片が弾性変形し易いものとなり、係合片の弾性変形を利用して係合突起を被係合部に適切に係合させることができる。
また、係合片に当接部が形成されるので、当接部を設けるために係合片とは異なる別の構成を設ける必要がないので、装置構成の簡素化を図ることができる。
本発明に係る加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成は、
前記操作部支持枠が、前面側に支持枠開口部が形成された本体部と、前記支持枠開口部を覆う内蓋とから構成され、
前記内蓋に前記係合片が挿通する挿通口を設け、前記挿通口の周縁部が前記被当接部を構成する点にある。
上記特徴構成によれば、支持枠開口部を覆う内蓋が設けられているので、操作部支持枠の内部に装備した電子機器等の機器類を内蓋によって保護することができる。
また、操作部カバーに立設状態で設けられた係合片を挿通させるために、内蓋に設けられた挿通口の周縁部を被当接部として利用するので、構成の簡素化を図ることができる。
本発明に係る加熱調理器用操作装置の更なる特徴構成は、
前記係合片の立設方向に直交する断面の上下方向の厚さが横方向の厚さよりも長く形成され、前記係合片の上部に前記当接部が設けられ、かつ、前記係合片の横部に前記係合突起が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、操作部カバーに立設状態で設けられた係合片の断面の上下方向の厚さが横方向の厚さよりも厚く形成されているので、係合片の上下方向の弾性変形を抑制しつつ、係合片の横方向の弾性変形が容易になるように構成することができる。
そして、上下方向に弾性変形することが抑制された係合片の上部に当接部が設けられているので、被当接部との当接により、当接部に操作部カバーの下方側に向かう押圧力が付与されたときに、確実に操作部カバーを下方側に押圧移動させることができる。
また、横方向に弾性変形が容易な係合片の横部に係合突起が設けられているので、係合片を横方向に弾性変形させて係合突起を被係合部に容易に弾性係合させることができる。
運転操作部が引退位置にある加熱調理器の斜視図 運転操作部が突出位置にある加熱調理器の斜視図 操作部カバーの装着前の操作装置を示す分解斜視図 操作部カバーの装着途中状態の操作装置を示す斜視図 操作部カバーの装着状態の操作装置を示す一部切欠正面図 係合部と被係合部との位置関係を示す横断面図 操作部カバーの装着前の操作装置を示す縦断面図 操作部カバーの装着途中状態の操作装置を示す縦断面図 操作部カバーの装着状態の操作装置を示す縦断面図 当接部が被当接部に当接した状態の操作装置を示す斜視図 当接部が被当接部に当接した状態の操作装置を示す縦断面図 加熱調理器をキッチンキャビネットに装着する途中状態を示す斜視図 加熱調理器をキッチンキャビネットに装着した状態を示す斜視図
本発明に係る加熱調理器用操作装置を加熱調理器としてのガスコンロに適用する場合の実施形態について、以下、図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1及び図2に示すように、加熱調理器としてのガスコンロGCが、加熱調理器本体としての調理器本体Hの上面部に、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを備え、且つ、調理器本体Hの横幅方向中央部にグリル部Gを備える形態に構成されている。
調理器本体Hは、上部が開口された箱状の金属製のケーシング2を主要部として構成されるものであって、ケーシング2の内部には、図示は省略するが、グリル部Gを構成するグリル庫、コンロバーナ1の混合管、グリル部Gに装備したグリルバーナの混合管等、種々の機器類が装備されている。
また、調理器本体Hの前面部の左右両側部には、加熱調理器用操作装置としての操作装置Mが組み付けられている。
左側の操作装置Mは、主として、グリル部Gに対する操作を行い、右側の操作装置Mは、主として、コンロバーナ1に対する操作を行うことになる。
調理器本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、調理器本体Hの上面部の後部側には、グリル部Gの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
また、天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱される鍋等の調理容器を載置するための五徳5が、3つのコンロバーナ1の夫々に対応して設けられている。
このガスコンロGCは、ビルトインタイプとして構成されるものであり、具体的には、調理器本体Hが、図12及び図13に示すように、キッチンキャビネットKNの上方開口部K1から下方に挿入されて、調理器本体Hの前面部をキッチンキャビネットKNの前面開口K2に臨ませた状態に組み付けられるように構成されている。
尚、詳述はしないが、調理器本体Hの上部の周縁部には、キッチンキャビネットKNの上面に載置する鍔部が形成されている。
また、調理器本体Hの横端部と前面開口K2との間の隙間を塞ぐ左右一対の隙間挿入部材Pが、調理器本体Hの横側壁における前方側箇所に装着されている(図1参照)。
ちなみに、隙間挿入部材Pは、ABS樹脂又はPBT樹脂等の樹脂を射出成型して、柱状に構成されている。
(操作装置の詳細)
次に、操作装置Mについて説明するが、左右の操作装置Mは同様に構成されるものであるため、以下、右側の操作装置Mを代表にして説明する。
図3〜5及び図7〜9に示すように、調理器本体Hに組み付けられた状態でケーシング2内に位置する装置本体枠Bが装備されている。装置本体枠Bは、コンロ前後幅方向に向かう角筒状に構成された下方側部分BSと、この下方側部分BSの上部に接続され、下方側部分BSよりもコンロ前後幅方向に向かう長さが短い角筒状に構成された上方側部分BUとを備える形態に構成されている。
図1及び図3に示すように、装置本体枠Bの上方側部分BUに、上方側操作装置部MUが設けられ、また、装置本体枠Bの下方側部分BSに、下方側操作装置部MSが出退自在に設けられている。尚、左側の操作装置Mも、右側の操作装置Mと同様に、上方側操作装置部MUと下方側操作装置部MSが設けられている。
装置本体枠Bの上方側部分BUには、調理器本体Hに電源を供給する電源スイッチ9、及び、左側から右側に向けて、標準火力バーナ1Aに対する標準火力用操作具8A、小火力バーナ1Bに対する小火力用操作具8B、及び、大火力バーナ1Cに対する高火力用操作具8Cが設けられている。尚、以下の記載において、標準火力用操作具8A、小火力用操作具8B、及び、高火力用操作具8Cを区別する必要がないときには、単に、操作具8と記載する。
各操作具8は、対応するコンロバーナ1を点火する点火指令及び消火する消火指令を指令し、且つ、対応するコンロバーナ1の火力調節指令を指令するものであって、具体的には、各操作具8が後方側に押し込み操作されるごとに、点火指令と消火指令とを交互に指令し、また、前後方向軸心周りで正逆に回動操作されることにより、火力調節指令を指令するように構成されている。
また、図1及び図2に示すように、装置本体枠Bの上方側部分BUの前面側を覆う上側カバー6が、上方側部分BUに対して着脱自在に装備され、下方側操作装置部MSの前面側を覆う操作部カバーとしての下側カバー7が、下方側操作装置部MSに対して着脱自在に装備されている。
そして、図12及び図13に示すように、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着する際には、上側カバー6及び下側カバー7を外しておき、調理器本体HをキッチンキャビネットKNに装着した後において、上側カバー6及び下側カバー7を装着できるように構成されている。
ちなみに、上側カバー6及び下側カバー7は、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うべく調理器本体Hの横外方に張り出す状態で設けられている。つまり、上側カバー6には、調理器本体Hの横外方に張り出す上側張出部分6aが設けられ、また、下側カバー7には、調理器本体Hの横外方に張り出す下側張出部分7aが設けられている。
そして、上側カバー6の上側張出部分6a及び下側カバー7の下側張出部分7aが、上述した隙間挿入部材Pの前部相当箇所を覆う状態で、調理器本体Hの横端部とキッチンキャビネットKNの前面開口K2との間を覆うように構成されている。
図3及び図7に示すように、枢支軸11が、装置本体枠Bにおける下方側部分BSの左右の側壁部分12の間に横倒れ姿勢で架設されている。
そして、下方側操作装置部MSが、枢支軸11に揺動自在に支持されて、調理器本体Hに対して出退自在に構成されている。
つまり、下方側操作装置部MSは、上端部に備えた運転操作部Nを調理器本体Hの前方に突出させる突出位置(図2参照)と運転操作部Nを調理器本体Hの内方に引退させる引退位置(図1参照)とに前後揺動により切換えるべく、下端部を調理器本体Hに設けられた枢支軸11に揺動自在に枢支させた操作部支持枠13を備えている。
ちなみに、下方側操作装置部MSに設けられた運転操作部Nは、標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1C及びに対する自動運転情報を指令するように構成されている。つまり、例えば、燃焼している標準火力バーナ1A、小火力バーナ1B及び大火力バーナ1Cを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転等、各種の運転を実行するための自動運転情報を指令するものであるが、その詳細は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明は省略する。
尚、左側の操作装置Mの下方側操作装置部MSには、グリルバーナに対する運転情報を指令する運転操作部が設けられて、この運転操作部によって、燃焼しているグリルバーナを設定時間が経過すると自動的に消火するタイマ運転等、各種の運転を実行するための自動運転情報が指令されることになる。
下方側操作装置部MSに設けられた操作部支持枠13は、図5に示すように、正面視形状が逆U字状に形成されて、前面側に支持枠開口部13aが開口された支持枠本体部13bと、支持枠開口部13aを覆う内蓋14とから構成されている。
内蓋14には、下側カバー7に設けられた係合片7bが挿通する挿通口15が設けられている。そして、後述の如く、挿通口15の周縁部16の上方側が、係合片7bに設けられた当接部Xと当接する被当接部Yを構成する。
尚、挿通口15は、内蓋14の左右の端縁部に、横外方側が開口する状態に形成され、支持枠本体部13bの左右の側壁部分13cにて、開口する横外方側が閉じられるようになっている。
内蓋14は、図示はしないが、枢支軸11に下端部が支持されて、枢支軸11を中心とした前後揺動により支持枠開口部13aを開く状態と支持枠開口部13aを閉じる状態とに切換え自在に構成されている。
(下側カバーの詳細)
図3及び図7に示すように、板状の下側カバー7は、その下端部を枢支軸11に揺動自在に枢支させかつ操作部支持枠13に一体揺動するように連結した状態で操作部支持枠13の前面側に設けられている(図1及び図2参照)。
つまり、下側カバー7の上下幅方向における下端部の左右両側に、枢支軸11に揺動自在に外嵌する一対の外嵌支持部7cが設けられており、これらの外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌することにより、下側カバー7が操作部支持枠13と同様に枢支軸11を中心に揺動自在に構成されている。
尚、下側カバー7の下端部に設けられた突起部10は、内側に導電性部材(図示せず)が備えられており、使用者の手指から下側カバー7に伝えられた静電気を、枢支軸11から操作部支持枠13ひいてはケーシング2に伝えるものである。これにより、操作部支持枠13の運転操作部Nにおける放電の発生やそれに伴うノイズの発生を防止するものである。
外嵌支持部7cは、下側カバー7の上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部7eを備える弾性外嵌式に構成されている。
したがって、開口部7eを枢支軸11に向ける状態で、下側カバー7に枢支軸11に向かう方向の押圧力を付与することにより、外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌するように構成されている。これとは逆に、外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌する状態で、下側カバー7に枢支軸11から離間する方向の押圧力を付与することにより、外嵌支持部7cを枢支軸11から取り外すことができる。
また、図6に示すように、下側カバー7には、一対の外嵌支持部7cよりも下側カバー7の上下幅方向における上方箇所に、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに設けた一対の被係合部としての一対の貫通孔Eに係合させる一対の係合部Fが設けられている。
一対の係合部Fの夫々は、下側カバー7に立設状態で設けた係合片7bに貫通孔Eに係合する係合突起17を備える形態に構成されている。この係合片7bは、上下幅が横幅よりも大きい板状で、かつ、後方に伸びる長尺状に形成されている。
そして、係合突起17が、下側カバー7の左右幅方向において下側カバー7の外方に向かって突出する状態で、係合片7bの先端側に設けられている。
係合部Fは、枢支軸11を支点として下側カバー7を揺動させることにより、係合突起17が貫通孔Eに弾性的に係合する弾性係合式に構成されている。
つまり、図4、図6及び図8に示すように、枢支軸11を支点として下側カバー7を揺動させることにより、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cの内面に、一対の係合片7bの係合突起17が当接して、一対の係合片7bが下側カバー7の横幅方向の内方に向かって弾性変形した状態で、一対の係合片7bが操作部支持枠13に挿入する。
この状態でさらに下側カバー7を揺動させることにより、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに設けた一対の貫通孔Eに、一対の係合片7bに設けられた夫々の係合突起17が、下側カバー7の内方に向かって弾性変形している一対の係合片7bの復元力によって係合するように構成されている。
尚、支持枠本体部13bの左右の側壁部分13cにおける挿通口15に対向する箇所には、係合片7bを受止め案内する傾斜面Sが形成されている。
(当接部の詳細)
図10及び図11に示すように、外嵌支持部7cにおける開口部7eが形成される開口部形成部を枢支軸11に載置した状態で下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させたときに、操作部支持枠13の内蓋14に設けられた被当接部Yとの当接により下側カバー7を下方側に押圧移動させる当接部Xが、係合片7bの先端部の上部に設けられている。なお、開口部形成部は、外嵌支持部7cの開口部7eの周縁部によって構成されている。
したがって、下側カバー7を操作部支持枠13に装着する際において、複数の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌するときに、外嵌支持部7cにおける開口部7eを枢支軸11に向けた状態で、枢支軸11に向かって下側カバー7を押圧する押圧力が不十分であったために、複数の外嵌支持部7cの一部又は全部における開口部形成部が枢支軸11に載置した状態となっている場合でも、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させることにより、下側カバー7に設けられた当接部Xが被当接部Yに当接して、下側カバー7が下方側に押圧移動される。
このように、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させることにより、開口部形成部が枢支軸11に載置した状態の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
係合片7bは、上述の如く、その立設方向に直交する断面、つまり、係合片7bの長手方向に直交する断面の上下方向の厚さが横方向の厚さよりも長く形成され、係合片7bの先端側の上部側に当接部Xが設けられ、係合片7bの横部としての横側面に係合突起17が設けられている。
そして、当接部Xが円弧状の曲面に形成されている。具体的には、下側カバー7の上下幅方向に垂直な方向である係合片7bの左右方向から見て、係合片7bの先端部が上下方向を径方向とする半円状に形成され、その上部側が当接部Xを構成する。
このように係合片7bが構成されることにより、当接部Xと被当接部Yとの当接により、当接部Xに下側カバー7の下方側に向かう押圧力が付与されたときに、当接部Xが設けられた係合片7bが上下方向に弾性変形することが抑制されるので、当接部Xに付与される下側カバー7の下方側に向かう押圧力により、下側カバー7を下方側に的確に押圧移動させることができる。
一方、係合片7bの横方向への弾性変形が容易となるので、係合片7bを横方向に弾性変形させて係合突起17を被係合部に容易に弾性係合させることができる。
また、当接部Xが円弧状に形成されていることにより、当接部Xと被当接部Yとが円滑に当接するので、下側カバー7を円滑に下方側に押圧移動させることができる。
さらに、図3及び図6に示すように、一対の係合片7bには、当接部Xが被当接部Yに当接したときにおける、係合片7bの弾性変形を抑制するため、補強用リブ7dが設けられている。補強用リブ7dは、係合片7bにおいて係合突起17が設けられた横側面に、係合片7bの長手方向に沿って設けられている。これにより、係合片7bの先端部の上部に設けられた当接部Xと操作部支持枠13に設けられた被当接部Yとの当接により下側カバー7を下方側に確実に押圧移動させることができる。
(当接部の作用の詳細)
次に、下側カバー7に設けられた当接部Xと内蓋14に設けられた被当接部Yとの当接により、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13の前面部に装着するときの動作の一例について説明する。
図10及び図11には、下側カバー7に設けられた一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌せず、その一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態であり、かつ、係合片7bに設けられた当接部Xが内蓋14に設けられた被当接部Yに当接したときの状態が示されている。
一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させると、当接部Xが被当接部Yと当接させることにより、下側カバー7の下方側に向かう押圧力が付与され、下側カバー7を下方側に押圧移動させることができる。これにより、枢支軸11に載置された一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌した状態となる(図8参照)。
そして、一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌した状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させることで、図9に示すように、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに設けられた一対の貫通孔Eに、一対の係合片7bの夫々に設けられた係合突起17が係合して、下側カバー7が操作部支持枠13の前面部に装着された状態となる。
ちなみに、下側カバー7を水平姿勢にする状態で、外嵌支持部7cの開口部形成部を枢支軸11に当て付けた状態は、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態ではないが、下側カバー7を水平姿勢から上方側に揺動させることにより、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態となるから、下側カバー7を水平姿勢とする状態で、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させる際に、適正通り外嵌できないときにも、下側カバー7を水平姿勢から上方側に揺動させることにより、外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態となって、外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
このように、下側カバー7を操作部支持枠13に装着する場合において、一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌していない状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させた場合においても、下側カバー7が操作部支持枠13の前面部に適切に装着される。よって、下側カバー7の操作部支持枠13に対する装着を良好に行うことができる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、一対の外嵌支持部7cの開口部形成部が枢支軸11に載置された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させると、当接部Xが被当接部Yと当接させることにより、枢支軸11に載置された一対の外嵌支持部7cが枢支軸11に外嵌した状態となる例を示したが、これに限らず、一対の外嵌支持部7cのうち一方が枢支軸11に載置され、他方が枢支軸11に外嵌された状態で、下側カバー7を操作部支持枠13に近接する側に揺動させる場合においても、当接部Xが被当接部Yと当接することにより、枢支軸11に載置された一方の外嵌支持部7cを枢支軸11に外嵌させることができる。
(2)上記実施形態においては、下側カバー7に設けた一対の係合片7bに当接部Xが形成されたが、これに限らず、係合片7bとは別体に下側カバー7に当接部Xを設けてもよい。例えば、係合片7bとは別体に下側カバー7に立設する板状体で当接部Xを構成してもよい。この場合、当接部Xは単数としてもよいし複数としてもよい。
(3)上記実施形態においては、挿通口15の周縁部16の上方側により被当接部Yが構成されたが、被当接部Yはこのように構成されたものに限られるものではない。例えば、挿通口15とは別に内蓋14に開口部を形成し、その開口部の周縁部を被当接部Yとして構成してもよい。その他、操作部支持枠13の左右の側壁部分13cに被当接部Yを形成してもよい。また、被当接部Yは単数としてもよいし複数としてもよい。つまり、下側カバー7に設けられた当接部Xの数に対応する数の被当接部Yを設けることができる。
(4)上記実施形態においては、当接部Xが円弧状の曲面に形成されが、これに限らず、当接部Xを係合片7bの先端側に向かって、係合片7bの下方側に傾斜する傾斜面にて形成してもよい。
(5)上記実施形態においては、当接部Xと当接する被当接部Yを構成する挿通口15の周縁部16の上方側における下側カバー7側の端部が直角状の角部にて形成されたが、これに限らず、被当接部Yを構成する挿通口15の周縁部16の上方側における下側カバー7側の端部を、挿通口15が形成される内蓋14の左右方向から見て円弧状の曲面となるように形成してもよい。
(6)上記実施形態においては、下側カバー7の下端部の左右両側に、枢支軸11に揺動自在に外嵌する一対の外嵌支持部7cが設けられたが、これに限らず、下側カバー7の下端部に3つ以上の外嵌支持部7cを設けてもよい。この場合、外嵌支持部7cを下側カバー7の左右方向において左右方向に等間隔となるように設けてもよい。
(7)上記実施形態においては、下側カバー7に一対の係合片7bが設けられたが、これに限らず、下側カバー7に3つ以上の係合片7bを設けてもよい。この場合、係合片7bを下側カバー7の左右方向において互いに等間隔となるように設けてもよい。
(8)上記実施形態では、加熱調理器として、加熱手段としてコンロバーナ1やグリルバーナを備えるガスコンロGCを例示したが、加熱手段として電磁誘導加熱部を備えた電磁調理器にも本発明は適用できるものである。
7 操作部カバー
7b 係合片
7c 外嵌支持部
7e 開口部
11 枢支軸
13 操作部支持枠
13a 支持枠開口部
13b 支持枠本体部(本体部)
14 内蓋
15 挿通口
16 周縁部
17 係合突起
E 貫通孔(被係合部)
F 係合部
H 加熱調理器本体(加熱調理器本体)
M 加熱調理器用操作装置
N 運転操作部
Y 被当接部
X 当接部

Claims (4)

  1. 加熱調理器本体に設けられた横倒れ姿勢の枢支軸と、
    上端部に備えた運転操作部を前記加熱調理器本体の前方に突出させる突出位置と前記運転操作部を前記加熱調理器本体の内方に引退させる引退位置とに前後揺動により切換えるべく、下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させた操作部支持枠と、
    下端部を前記枢支軸に揺動自在に枢支させかつ前記操作部支持枠に一体揺動するように連結した状態で前記操作部支持枠の前面側に設けられる板状の操作部カバーと、を設け、
    前記操作部カバーの下端部に、前記枢支軸に揺動自在に外嵌する複数の外嵌支持部を設け、前記操作部カバーの前記外嵌支持部よりも上方箇所に、前記操作部支持枠に設けた複数の被係合部に係合させる複数の係合部を設け、
    前記外嵌支持部を、前記操作部カバーの上下幅方向の下方に向かって開口し且つ幅広状態に弾性的に変形可能な開口部を備える弾性外嵌式に構成し、
    前記係合部を、前記枢支軸を支点として前記操作部カバーを揺動させることにより、前記被係合部に弾性的に係合する弾性係合式に構成した加熱調理器用操作装置であって、
    前記外嵌支持部の開口部形成部を前記枢支軸に載置した状態で前記操作部カバーを前記操作部支持枠に近接する側に揺動させたときに、前記操作部支持枠に設けた被当接部との当接により前記操作部カバーを下方側に押圧移動させる当接部を、前記操作部カバーに設けてある加熱調理器用操作装置。
  2. 前記係合部を、前記操作部カバーに立設状態で設けた係合片に、前記被係合部に係合する係合突起を備える形態に構成し、
    前記係合片に前記当接部を形成する請求項1に記載の加熱調理器用操作装置。
  3. 前記操作部支持枠が、前面側に支持枠開口部が形成された本体部と、前記支持枠開口部を覆う内蓋とから構成され、
    前記内蓋に前記係合片が挿通する挿通口を設け、前記挿通口の周縁部が前記被当接部を構成する請求項2に記載の加熱調理器用操作装置。
  4. 前記係合片の立設方向に直交する断面の上下方向の厚さが横方向の厚さよりも長く形成され、前記係合片の上部に前記当接部が設けられ、かつ、前記係合片の横部に前記係合突起が設けられている請求項2又は3に記載の加熱調理器用操作装置。
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