JP6521754B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置に関し、特にパワーモジュール構造に関するものである。
従来より主端子が絶縁基板上の導体にろう接または超音波接合されたパワーモジュール構造がある。しかしパワーモジュール構造の高電流密度化に伴い、主端子と絶縁基板とを接続する接続部において使用しているうちに接続部が剥離するなど信頼性低下の問題が生じ得る。このような問題に対応する観点から、たとえば特開2014−11236号公報(特許文献1)に開示されるインサートケースタイプのパワーモジュール構造は、以下のような構成を有している。主端子を絶縁基板上の導体ではなく、筐体を介して、放熱体であるベース板に固定させている。
特開2014−11236号公報
特開2014−11236号公報のように放熱体上の筐体上に主端子を固定させた場合、筐体が高い絶縁性を有するため、主端子と放熱体との間の高い絶縁性が確保される。しかし特開2014−11236号公報においては、主端子の熱を放熱体に伝搬する熱抵抗について考慮がなされていないため、主端子から放熱体までの熱抵抗が高くなることが多い。パワーモジュール構造の駆動時の電流密度を高めるために大電流を流せば、パワーモジュール構造を構成する半導体チップのみならず主端子の発熱量も多くなる。また主端子に接続される外部配線が高温となった場合、主端子に熱が伝わる場合がある。これらの場合においてたとえば主端子とベース板との間に厚い樹脂製の筐体が挟まっていれば、主端子から放熱体への放熱性が低下し、パワーモジュール内に熱がこもることになる。すると結果的に当該パワーモジュール構造の信頼性が低下する可能性がある。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、主端子と放熱体との間の高い絶縁性と高い放熱性との双方を実現可能な半導体装置を提供することである。
発明の半導体装置は、放熱体と、導体を含む絶縁部材と、半導体チップと、放熱用絶縁部材と、端子と、筐体または封止材とを備える。導体を含む絶縁部材は、放熱体の一方の主表面上の少なくとも一部の領域に配置されている。半導体チップは、導体を含む絶縁部材の放熱体と反対側に配置されている。放熱用絶縁部材は、放熱体の一方の主表面の上の、半導体チップが配置される領域とは異なる他の領域を含むように配置されている。端子は、放熱用絶縁部材の放熱体と反対側における他の領域に配置され、半導体チップと電気的に接続可能である。筐体または封止材は、半導体チップを取り囲んでいる。放熱用絶縁部材は絶縁材料を含み、かつ筐体または封止材よりも熱伝導率が高い。端子は互いに間隔をあけて主表面に交差する方向に複数並ぶように配置される。複数の端子のうち最も放熱体に近い端子は放熱用絶縁部材上に配置される。
本発明の半導体装置は、放熱体と、導体を含む絶縁部材と、半導体チップと、放熱用絶縁部材と、端子と、筐体または封止材とを備える。導体を含む絶縁部材は、放熱体の一方の主表面上の少なくとも一部の領域に配置されている。半導体チップは、導体を含む絶縁部材の放熱体と反対側に配置されている。放熱用絶縁部材は、放熱体の一方の主表面の上の、半導体チップが配置される領域とは異なる他の領域を含むように配置されている。端子は、放熱用絶縁部材の放熱体と反対側における他の領域に配置され、半導体チップと電気的に接続可能である。筐体または封止材は、半導体チップを取り囲んでいる。放熱用絶縁部材は絶縁材料を含み、かつ筐体または封止材よりも熱伝導率が高い。
本発明の半導体装置は、放熱体と、導体を含む絶縁部材と、半導体チップと、放熱用絶縁部材と、端子と、筐体または封止材とを備える。導体を含む絶縁部材は、放熱体の一方の主表面上の少なくとも一部の領域に配置されている。半導体チップは、導体を含む絶縁部材の放熱体と反対側に配置されている。放熱用絶縁部材は、放熱体の一方の主表面の上の、半導体チップが配置される領域とは異なる他の領域を含むように配置されている。端子は、放熱用絶縁部材の放熱体と反対側における他の領域に配置され、半導体チップと電気的に接続可能である。筐体または封止材は、半導体チップを取り囲んでいる。放熱用絶縁部材は絶縁材料を含み、かつ筐体または封止材よりも熱伝導率が低く、筐体または封止材よりも絶縁耐力が高い。
本発明によれば、放熱用絶縁部材が絶縁材料を含み、かつ筐体または封止材よりも熱伝導率が高いため、放熱用絶縁部材の部分の熱抵抗をこの部分に筐体または封止材が配置される場合に比べて低減させることができる。このため、放熱用絶縁部材の配置により、主端子と放熱体との間の領域において、高い絶縁性と高い放熱性との双方が実現できる。
本発明によれば、放熱用絶縁部材が絶縁材料を含み、かつ筐体または封止材よりも熱伝導率が低くかつ絶縁耐力が高いため、放熱用絶縁部材の部分を薄くすることにより、この部分の熱抵抗をこの部分に筐体または封止材が配置される場合に比べて低減させることができる。放熱用絶縁部材の絶縁耐力が高いため、放熱用絶縁部材の配置により、主端子と放熱体との間の領域において、高い絶縁性と高い放熱性との双方が実現できる。
実施の形態1の第1例のパワーモジュールの全体の概略投影図である。 実施の形態1の第1例のパワーモジュールの全体の概略平面図である。 実施の形態1の第1例のパワーモジュールの、図1のX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態1の第1例のパワーモジュールの、図2のX方向左側約半分の領域のみを示す概略平面図である。 実施の形態1の第2例のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態1の第3例のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態1の第4例のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態1の第5例のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態1の第6例のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態2のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態3のパワーモジュールの、図3と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態3のパワーモジュールの、図4と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略平面図である。 図12におけるZ方向上側の主端子の概略平面図(A)と、図12におけるZ方向下側の主端子の概略平面図(B)とである。 実施の形態4の第1例のパワーモジュールの全体の概略投影図である。 実施の形態4の第1例のパワーモジュールの全体の概略平面図である。 実施の形態4の第1例のパワーモジュールの、図14のX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態4の第1例のパワーモジュールの、図15のX方向左側約半分の領域のみを示す概略平面図である。 実施の形態4の第2例のパワーモジュールの、図16と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態4の第3例のパワーモジュールの、図16と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。 実施の形態5のパワーモジュールの、図16と同様にX方向左側約半分の領域のみを示す概略投影図である。
以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず本実施の形態の第1例のパワーモジュールの構成について、図1〜図4を用いて説明する。なお図1および図3は実質的には当該パワーモジュール内の左右方向に延びる直線に沿う部分の概略断面図であるが、そのようにすれば掲載すべき構成部材がすべて含められなくなるため、ここでは正面方向から見た概略投影図としている。また説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。
図1および図2を参照して、本実施の形態の第1例のパワーモジュール101は、たとえば箱状(ほぼ直方体状)の外観を有しており、筐体1と、放熱体としてのベース板3と、絶縁部材としての絶縁基板5と、半導体チップ7と、端子としての主端子9と、放熱用絶縁部材としての高放熱性絶縁体11とを主に備えている。
筐体1は、パワーモジュール101の最外部に配置されることによりその全体を取り囲む箱のような態様を有している。逆に言えば、筐体1はパワーモジュール101を構成する半導体チップ7などをそのX方向およびY方向の合計四方から取り囲むように収納する箱の側壁面として構成されている。筐体1は、機械的強度および絶縁性の高い絶縁材料により形成されており、一般公知のPPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)または液晶ポリマーなどにより形成されている。PPSの熱伝導率は約0.5W/(m・K)である。なお筐体1はパワーモジュール101の最外部のみならず、後述するようにその内部の一部にも(たとえば主端子9を取り囲むように)配置されている。
ベース板3は、筐体1のZ方向下側に配置され、通常の載置状態においてパワーモジュール101全体の基盤として水平方向に沿って広がる主表面を有する平板形状の部材であり、平面視においてたとえば矩形状を有している。ベース板3は銅またはアルミニウムなどの熱伝導性に優れた金属材料により形成されている。ベース板3はそのZ方向下側の主表面上にはたとえばヒートシンク4が接続されることにより、パワーモジュール101の下方(外部)へ放熱する役割を有している。基本的にパワーモジュール101は図2および図4に示すように、ベース板3を土台として載置可能な構成となっている(ベース板3のZ方向上側に各部材が搭載される態様となっている)。
ベース板3のZ方向上側の主表面上(一方の主表面上)の少なくとも一部の領域(図1および図2においてはその中央部)には絶縁基板5が配置されている。絶縁基板5は、絶縁基板本体5aと、絶縁基板本体5aのZ方向下側の主表面上に接合された下側導電体5b(導体)と、絶縁基板本体5aのZ方向上側の主表面上に接合された上側導電体5c(導体)とを有している。
絶縁基板5はパワーモジュール101内において半導体チップ7の外側に配置される主回路が形成される基板であり、上側導電体5cおよび下側導電体5bは当該主回路を構成しているたとえば銅製またはアルミニウム製の金属板である。絶縁基板本体5aはアルミナまたは窒化珪素などのセラミックスである絶縁材料により形成された板状部材であり、特に上側導電体5cが構成する主回路および半導体チップ7に形成される半導体素子と、ベース板3とを電気的に絶縁する役割を有している。
絶縁基板本体5aには下側導電体5bと上側導電体5cとの2つの導電体部材が接合されているように、絶縁基板5には複数の導電体部材が接合されていてもよい。
なお以上のように絶縁基板5は導電性材料からなる下側導電体5bなどを含むが、少なくとも絶縁性の絶縁基板本体5aを含むため、ここでは便宜上絶縁基板本体5aおよび下側導電体5bなどをまとめて絶縁部材としての絶縁基板5と表記することとする。
半導体チップ7は、絶縁基板5のベース板3が配置される側(下側)と反対側(上側)に配置されている。特に図2および図4を参照して、ここでは一例として半導体チップ7として、Y方向に関して互いに間隔をあけて2つの半導体チップ7a,7bが配置されている。
半導体チップ7はたとえばシリコンなどの半導体結晶により形成されている。半導体チップ7には、図示されないがたとえばダイオードのような整流素子および、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのスイッチング素子が形成されている。半導体チップ7の上側および下側の主表面には図示されないが電極が設置されており、これにより上記の各種素子はたとえば絶縁基板5に含まれる上記主回路、または主端子9などと電気的に接続されている。
図示されないが、スイッチング素子と整流素子とはボンディングワイヤまたはリードフレームなどにより互いに電気的に接続される。またMOSFETには寄生ダイオードが存在するため、整流素子として、MOSFETに含まれる寄生ダイオードを利用してもよい。なお半導体チップ7には整流素子およびスイッチング素子が複数存在してもよいし、パワーモジュール101内には当該半導体チップ7が複数搭載されていてもよい。
主端子9は、たとえば半導体チップ7の上記各種素子および/または絶縁基板5の上側導電体5cにより構成される主回路と、パワーモジュール101の外部の各種回路とを電気的に接続するために配置された配線の一部として形成されている。主端子9は、図1および図2に示すように、たとえば絶縁基板5が載置される領域と間隔をあけて、そのX方向に関する両側に配置されている(ただし図3および図4においては図1および図2の右側の主端子9の図示が省略されている)。主端子9は、概略投影図においてはベース板3の主表面に沿うほぼ水平方向(X方向およびY方向)に拡がる横方向成分9a,9xと、概略投影図においてはベース板3の主表面に交差するほぼ鉛直方向(Z方向)に延びる縦方向成分9b,9yとを有するように屈曲したL字状の形状を有している。
主端子9はパワーモジュール101の外部の各種回路との電気的接続を容易にするために、縦方向成分9b,9yの一方(上側)の端部が筐体1の最上部よりも上側にまで突き出すように延びており、パワーモジュール101の箱型の本体に対して外側に露出した態様となっている。これにより主端子9は外部との電気的接続を可能としている。なお主端子9は銅などの金属材料により形成されている。主端子9と半導体チップ7、または主端子9と絶縁基板5(上側導電体5c)との電気的接続は、ボンディングワイヤ13(13a,13b,13c)によりなされている。ボンディングワイヤ13はアルミニウム、銅または金からなる群から選択されるいずれかにより形成された細線である。
図1および図2においては、主端子9は半導体チップ7が配置される領域とは異なる(重ならない)他の領域(を少なくとも一部に含むよう)に配置されている。左側の主端子9と半導体チップ7とがボンディングワイヤ13aにより、右側の主端子9と上側導電体5cとがボンディングワイヤ13bにより、それぞれ電気的に接続されている。これにより主端子9は半導体チップ7、絶縁基板5から電気信号をパワーモジュール101の外部に伝えることが可能となっている。
高放熱性絶縁体11は、主端子9の下側の主面と接するように、ベース板3の上側の主表面上に配置されている。したがって主端子9は高放熱性絶縁体11から見てベース板3と反対側に(言い換えれば高放熱性絶縁体11は、ベース板3と主端子9との間に)配置されている。高放熱性絶縁体11は、平面視において半導体チップ7が配置される領域とは異なる(重ならない)他の領域(を少なくともその一部に含むよう)に配置されている。図1においては高放熱性絶縁体11は、主端子9と同様に、絶縁基板5および半導体チップ7のX方向に関する両側に配置されている。
高放熱性絶縁体11は、高放熱性絶縁体本体11aと、高放熱性絶縁体付属導体11bとにより構成される。高放熱性絶縁体本体11aおよび高放熱性絶縁体付属導体11bは、ベース板3の主表面に沿う平面を有する平板形状を有している。図1および図3に示すように、高放熱性絶縁体付属導体11bは、高放熱性絶縁体本体11aの下側(ベース板3側)の主表面に接触するように積層された構成を有している。
本実施の形態においては、高放熱性絶縁体本体11aは、アルミナまたは窒化珪素などの、筐体1よりも熱伝導率の高い絶縁材料により形成されている。具体的には、高放熱性絶縁体本体11aの熱伝導率は20W/(m・K)以上200W/(m・K)以下程度である。高放熱性絶縁体付属導体11bは、銅などの高い熱伝導率を有する導体材料により形成されている。
なお図1〜図4の第1例においては、基本的に高放熱性絶縁体本体11aは絶縁基板本体5aと同一の材料により形成することを想定している。しかし本実施の形態の第1例の高放熱性絶縁体本体11aは、少なくとも筐体1よりも熱伝導率が高ければよく、絶縁基板本体5aより熱伝導率の低い安価なセラミックス材料(ジルコニアなど)が用いられてもよい。パワーモジュール101内においては半導体チップ7の発熱量が最も多く、主端子9の発熱量は半導体チップ7ほど高温になることはない。このため主端子9の真下に配置される高放熱性絶縁体本体11aは絶縁基板本体5aより熱伝導率が低くてもよい。ただし高放熱性絶縁体本体11aは、絶縁基板本体5aより熱伝導率が高いことがより好ましい。
図示されないが、高放熱性絶縁体11は、セラミックス材料よりなる高放熱性絶縁体本体11aの上部と主端子9とが治具で固定され、スペーサ等により高放熱性絶縁体付属導体11bの下に後述する接合材を挟むためのスペースを設けてインサートケース成形を行なうことにより組み込まれる。これにより筐体1が主端子9をX方向およびY方向の双方から取り囲む態様となり、主端子9と高放熱性絶縁体11とが互いに接続される。これにより組み込まれた後に、後述の接合材が所望の箇所に供給されることにより部材間の接合がなされる。
なお図1および図3に示す状態に対してZ方向の上下を反転させた際における高放熱性絶縁体11の落下を防ぐ観点と沿面での絶縁距離を確保する観点とから、Z方向上側から主端子9の横方向成分9aの一部をZ方向下向きに押さえ込むことが可能な形態の筐体1がインサート成形されてもよい。
以上に述べる各部材が搭載された筐体1の内部は、ゲルなどの封止材21が充填されることにより封止されている。なお図2および図4の平面図においては、封止材21の図示が省略されている。
また筐体1の最外部の一部には制御信号用電極17が1対(制御信号用電極17a,17b)形成されている。この制御信号用電極17a,17bは、半導体チップ7に形成されるIBGTまたはMOSFETなどのスイッチング素子に含まれるゲート配線等に入力すべき制御信号を外部から入力したり、スイッチング素子から制御信号を出力したりするための電極である。このため半導体チップ7と制御信号用電極17とがボンディングワイヤ13cにより電気的に接続されている。制御信号用電極17はその一部が筐体1の最上部よりも上側にまで突き出すように延びており、これにより外部との電気的接続を可能としている。また、図示はしないが、過電流や過度のチップ温度上昇等から半導体チップ7を保護する目的で、制御信号用電極を増やしてもよい。
以上に述べた各部材間は、はんだなどの接合材により互いに接続されている。たとえばベース板3と絶縁基板5との間にははんだ23aが、絶縁基板5と半導体チップ7との間にははんだ23bが、ベース板3と高放熱性絶縁体11との間にははんだ23cがそれぞれ配置され、2つの部材を電気的に接続している。つまりここでは高放熱性絶縁体付属導体11bは、高放熱性絶縁体11とベース板3とをはんだ23cにより接合することを可能にするために設けられている。なお当該接合材としては、はんだの代わりにたとえば後述するように高熱伝導グリスが用いられてもよい。
その他、図示されないが、筐体1とベース板3との間にも接着剤等が供給されており、これにより筐体1とベース板3とが接合されている。またパワーモジュール101内に含まれるその他の図示しない絶縁性の部材同士は、これらの部材間の絶縁状態を保つように接続される。
以下の各種変形例等においては、図面の簡略化の観点から、図3および図4と同様に、図1および図2の右側半分の領域においては図示を省略している。また以下の各図においてはヒートシンク4の図示が省略されるが、以下の各種変形例等においてもパワーモジュール101と同様の態様でヒートシンク4が配置されるものとする。
図5を参照して、本実施の形態の第2例のパワーモジュール102は、パワーモジュール101と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール102は高放熱性絶縁体11が絶縁シートからなる高放熱性絶縁体本体11cにより形成されている点において、パワーモジュール101とは異なっている。絶縁シートからなる高放熱性絶縁体本体11cはアルミナなどからなる高放熱性絶縁体本体11aと同様に、ベース板3の主表面に沿う平面を有する平板形状を有している。当該絶縁シートはさまざまなセラミックス材料のフィラーにシリコンの粉砕粒が充填されたものにより形成されており、電気的に絶縁性を有している。当該絶縁シートの熱伝導率は5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下程度である。この絶縁シートの熱伝導率は、少なくとも筐体1の熱伝導率より高くなっている。
第2例においては、図5に示す状態に対してZ方向の上下を反転させた際における高放熱性絶縁体本体11cの落下を防ぐ観点と沿面での絶縁距離を確保する観点とから、Z方向上側から主端子9の横方向成分9aの一部をZ方向下向きに押さえ込むことが可能な形態の筐体1がインサート成形される。
また、高放熱性絶縁体本体11cのZ方向下側(図5中の23dの位置)には、絶縁シートとしての高放熱性絶縁性本体11cを固定する目的で、薄い筐体1と同一材質の平板部材がインサート成形される。その上に熱伝導率の高い絶縁シートとしての高放熱性絶縁体本体11cを挿入して主端子9との間での絶縁性および高い熱伝導率が確保される。この高放熱性絶縁体本体11cにより、高放熱性絶縁体本体11cのZ方向下側の(熱伝導率の低い)筐体1の部分を薄くし、主端子9のZ方向下側の領域をすべて筐体1で構成する場合に比べて等価的に熱伝導率を上げ、主端子9の熱をZ方向下方へ逃がしやすくすることができる。
なお第2例の高放熱性絶縁体11は絶縁シートの高放熱性絶縁体本体11cの1層のみからなるため、これとベース板3との接合材としてははんだ23cの代わりに高熱伝導グリス23dが用いられることが好ましい。
図6を参照して、本実施の形態の第3例のパワーモジュール103は、パワーモジュール102と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。パワーモジュール103においてもパワーモジュール102と同様に、高放熱性絶縁体11としては絶縁シートからなる高放熱性絶縁体本体11cが用いられる。ただしパワーモジュール103は主端子9と高放熱性絶縁体11との接続、および高放熱性絶縁体11とベース板3とが以下の態様により接続されている点において、パワーモジュール101,102と異なっている。
すなわち、図6のようにベース板3、高放熱性絶縁体11、主端子9がこの順に積層された状態で、主端子9の横方向成分9aの上面からZ方向下側に向けて、これらが接着可能な程度に高い圧力が加えられる。これによりベース板3と高放熱性絶縁体11と主端子9とが互いに接合される。このため第3例においては、ベース板3と高放熱性絶縁体11との間に接合材は配置されていない。
このようにすれば、絶縁シートからなる高放熱性絶縁体11が、ベース板3および主端子9に対して平面視において位置ずれしないように接合できる。またベース板3と高放熱性絶縁体11などとの間に高熱伝導グリス23dなどの接合材が挟まれない。このためベース板3と、高放熱性絶縁体11および主端子9との間の、熱抵抗をより小さくすることができ、主端子9の放熱性が高められる。
図7を参照して、本実施の形態の第4例のパワーモジュール104は、パワーモジュール102と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール104は主端子9がZ方向に延びるように屈曲したL字状の形状を有してはおらず、ベース板3の主表面に沿うほぼ水平方向(X方向およびY方向)に拡がる平板状成分9cのみを有する態様となっている。主端子9は筐体1のX方向左側の側面を突き出し、その外部にまで延びている。この点においてパワーモジュール104はパワーモジュール102と異なっている。
これにより主端子9はパワーモジュール101などと同様に、その外部の各種回路と電気的に接続可能となっている。このように主端子9は、必ずしも筐体1に対してZ方向上側からその外部に取り出す態様になっていなくてもよく、パワーモジュール104のように筐体1に対してX方向左側からその外部に取り出す態様になっていてもよい。
なおパワーモジュール101,103に対して平板状成分9cを有する主端子9が用いられてもよい。
図8を参照して、本実施の形態の第5例のパワーモジュール105は、パワーモジュール101と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール105は、パワーモジュール101の高放熱性絶縁体11のように高放熱性絶縁体付属導体11bが配置されておらず、高放熱性絶縁体11が高放熱性絶縁体本体11aのみにより構成されている。またベース板3と高放熱性絶縁体11との接合材として、はんだ23cの代わりに高熱伝導グリス23dが用いられている。この点においてパワーモジュール105はパワーモジュール101と異なっている。
図9を参照して、本実施の形態の第6例のパワーモジュール106は、パワーモジュール101と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。パワーモジュール106は、高放熱性絶縁体11が、高放熱性絶縁体本体11dと、高放熱性絶縁体付属導体11bとにより構成される。高放熱性絶縁体本体11dは、筐体1よりも熱伝導率が高くかつ筐体1よりも絶縁耐力が高い、ステアタイトのような電気的に絶縁性の材質により形成されている。高放熱性絶縁体11はこのような高放熱性絶縁体本体11dを有する構成であってもよい。逆に言えばパワーモジュール101の高放熱性絶縁体本体11aは、筐体1よりも熱伝導率が高くかつ筐体1よりも絶縁耐力が低い材料により形成されていてもよい。
なお以上の本実施の形態の各実施例において、絶縁基板本体5aの代わりに上記高放熱性絶縁体本体11cを構成する絶縁シートと同じ材質からなる絶縁シートが用いられてもよい。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、上記のいずれの実施例においても、ベース板3と主端子9との間に、絶縁材料を含み、かつ筐体1よりも熱伝導率が高い高放熱性絶縁体11が配置される。このため、たとえばベース板3と主端子9との間に筐体1と同じ材質のPPSなどが配置される場合に比べて、主端子9とベース板3との間の領域の熱抵抗を低減することができる。よって主端子9で発生した熱およびパワーモジュールの外部の配線から主端子9に伝わってきた熱をベース板3により多く伝え、ベース板3から外部に放熱させることができる。このため主端子9の温度をより効率的に下げることができる。主端子9の温度が下がれば、半導体チップ7からボンディングワイヤ13を介して主端子9に伝わる熱量が増加するため、半導体チップ7の温度を下げることもできる。
主端子9の(たとえば縦方向成分9bをその延在方向に交差するように切った)断面の最小面積は、主端子9の発熱量に依存するように決定される。主端子9に電流をより多く流すためには、主端子9の断面積を大きくして、その発熱量をより小さくする必要がある。しかし上記のように高放熱性絶縁体11を用いて主端子9の温度を下げることができれば、主端子9の断面積を小さくすることができるため、パワーモジュールをより小型化することができる。
しかも高放熱性絶縁体11はいずれの実施例においても(ベース板3の主表面に沿う方向に拡がる)絶縁材料を含んでいる。このため、主端子9とベース板3との間の絶縁性を確保しつつ、主端子9の熱を確実にベース板3の方へ放熱させることができる。つまり主端子9とベース板3との間の高い絶縁性と高い放熱性との双方を両立させることができる。
またたとえば図9のパワーモジュール106のように、筐体1よりも熱伝導率が高くかつ絶縁耐力が高い材料により高放熱性絶縁体本体11dが形成されれば、そのZ方向厚みを非常に薄くすることでその熱抵抗を低くしても、その絶縁性を十分に確保することができる。このため高放熱性絶縁体11の高い熱伝導性と電気絶縁性との双方を兼ね備える効果を確保することができる。
なお以上の本実施の形態の各実施例において、半導体チップ7はシリコンの代わりに、炭化珪素(SiC:Silicon Carbide)のようなワイドバンドギャップ半導体により形成されてもよい。このようにすれば、主端子9の電流密度が増加し、より高温となるため、本実施の形態を用いることによる高い放熱性の作用効果がより顕著になる。
(実施の形態2)
図10を参照して、本実施の形態のパワーモジュール201は、実施の形態1のたとえば第2例のパワーモジュール102と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール201は、高放熱性絶縁体11が高放熱性絶縁体本体11cの代わりに高放熱性絶縁体本体11eにより構成されている。
高放熱性絶縁体本体11eは、実施の形態1の高放熱性絶縁体本体11a,11c,11dと同様に、電気的に絶縁性を有している。また高放熱性絶縁体本体11eは、筐体1よりも熱伝導率が低く、かつ筐体1よりも絶縁耐力が高い絶縁紙のような材質により形成されている。
この点においてパワーモジュール201は実施の形態1の各パワーモジュールとは異なるが、他の点については基本的に実施の形態1の各パワーモジュールと同様である。すなわちパワーモジュール201についても、ベース板3と、ベース板3の上側の主表面上の一部の領域に配置された絶縁基板5とを有しており、絶縁基板5は、絶縁基板本体5aと、下側導電体5bと、上側導電体5cとを有している。絶縁基板5のZ方向上側には半導体チップ7が配置されている。高放熱性絶縁体11は平面視において半導体チップ7が配置される領域とは異なる他の領域を少なくとも部分的に含むように配置されている。主端子9は、高放熱性絶縁体11のZ方向上側すなわちベース板3と反対側における、上記他の領域に配置され、半導体チップ7と電気的に接続可能な構成を有している。半導体チップ7を取り囲むように筐体1を有している。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の高放熱性絶縁体11を構成する高放熱性絶縁体本体11eは、筐体1よりも絶縁耐力が高い。このため、たとえばそのZ方向に関する厚みをかなり薄くしたとしても、当該部分すなわち主端子9とベース板3との間の領域における高い絶縁性を確保することができる。したがってその厚みが薄くすることにより、これが厚い場合に比べて、高放熱性絶縁体本体11eの部分の熱抵抗を小さくすることができる。これにより、その厚みを薄くすれば、たとえ筐体1より高放熱性絶縁体11の熱伝導率が低くても、その熱抵抗を小さくすることができ、主端子9からベース板3への放熱をより効率的に行なうことを可能とする。また高放熱性絶縁体11の厚みが薄くなることにより、パワーモジュール201をより小型化させることもできる。
ここで、高放熱性絶縁体本体11eのたとえばZ方向に関する厚みT1は、仮に当該部分を筐体1と同じ材料で形成した場合のZ方向の厚みをT2、高放熱性絶縁体本体11eを構成する材料の熱伝導率をα1、筐体1を構成する材料の熱伝導率をα2とすれば、
T1<T2×(α1/α2)・・・(1)
であることが好ましい。
ただしこの場合、主端子9、高放熱性絶縁体11およびベース板3を覆う封止材21により、主端子9からベース板3までの沿面の絶縁距離を確保しておくことが好ましい。
逆に言えば、実施の形態1のように筐体1よりも熱伝導率が高い高放熱性絶縁体11が用いられる場合には、たとえその部分の厚みを大きくしたとしても、その部分の熱抵抗が主端子9からの放熱効率が非常に低下するほどに高くなる可能性を低減することができる。
(実施の形態3)
図11〜図12を参照して、本実施の形態のパワーモジュール301は、実施の形態1のたとえば第2例のパワーモジュール102と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール301は、主端子がベース板3の主表面に交差するZ方向に関して、互いに間隔をあけて複数(ここでは2つ)並ぶように配置されている領域を少なくともその一部に含んだ構成となっている。言い換えれば、2つの動作中の電位が互いに(無視できない程度に)異なる主端子が、Z方向に関して互いに間隔をあけて配置されている。
具体的には、図12に示すように、パワーモジュール301は、2つの主端子91と主端子92とを有している。図11に示すように主端子91は横方向成分9a1および縦方向成分9b1を有し、主端子92は横方向成分9a2および縦方向成分9b2を有している。横方向成分9a1,9a2はベース板3の主表面に沿うほぼ水平方向(X方向およびY方向)に拡がっており、縦方向成分9b1,9b2はベース板3の主表面に交差するほぼ鉛直方向(Z方向)に延びている。つまり主端子91,92は実施の形態1の主端子9と同様に、概略投影図においては屈曲したL字状の形状を有している。
ただし図12および図13を参照して、主端子91および主端子92は、平面視においても屈曲したL字状の形状を有している。具体的には、主端子91は、図12および図13(A)の左下側の領域に縦方向成分9b1が配置され、横方向成分9a1はそこからX方向右側に延びた後に屈曲してY方向上側に延びる形態をなしている。また主端子92は、図12および図13(B)の左上側の領域に縦方向成分9b2が配置され、横方向成分9a2はそこからX方向右側に延びた後に屈曲してY方向下側に延びる形態をなしている。主端子91の横方向成分9a1がY方向上側に延びる領域と、主端子92の横方向成分9a2がY方向下側に延びる領域とが平面視において互いに重なるように、Z方向に関して互いに並ぶように配置されている。
ここでは一例として、主端子91の横方向成分9a1と半導体チップ7bとはボンディングワイヤ13aにより、主端子92の横方向成分9a2と半導体チップ7aとはボンディングワイヤ13bにより、それぞれ電気的に接続されている。
図11を再度参照して、平面視において互いに重なるように配置される複数の主端子91,92(横方向成分9a1,9a2)のうち最もベース板3に近い主端子は、高放熱性絶縁体11上に配置されている。ここではZ方向に関して、主端子91の横方向成分9a1が主端子92の横方向成分9a2の上に重なるように配置されている。すなわちZ方向に関して主端子91(横方向成分9a1)よりも下側に配置される主端子92(横方向成分9a2)は、高放熱性絶縁体11上に(載置されるように)配置されている。
なおここでの高放熱性絶縁体11は、たとえばパワーモジュール102のように高放熱性絶縁体本体11cからなり、それが高熱伝導グリス23dと接続される態様であってもよい。あるいは高放熱性絶縁体11は、たとえばパワーモジュール101のように筐体1より熱伝導率が高い高放熱性絶縁体11aと高放熱性絶縁体付属導体11bであってもよい。この場合はこれとベース板3との間の接続は図11に示す高熱伝導グリス23dであってもよいがその代わりにはんだ23c(図3参照)であってもよい。
その他、本実施の形態における高放熱性絶縁体11は、たとえば実施の形態2のように筐体1よりも熱伝導率が低くかつ筐体1よりも絶縁耐力が高い高放熱性絶縁体本体11eであってもよい。なお高放熱性絶縁体本体11eが用いられる場合には、実施の形態2と同様の観点から、そのZ方向の厚みをより薄くすることにより、その部分(主端子92とベース板3との間)の熱抵抗を極力小さくするとともに、主端子92からベース板3までの沿面距離を極力長くすることが好ましい。その他、実施の形態1,2の各変形例の高放熱性絶縁体11と、本実施の形態の構成とを適宜組み合わせることができる。また図示されないが、たとえば図7のパワーモジュール104のように、互いに平面的に重なる領域を含む主端子91,92が平板状成分9cを有し、筐体1に対してX方向左側からその外部に配線を取り出す態様になっていてもよい。
一方、Z方向に関して主端子92(横方向成分9a2)よりも上方に配置される主端子91(横方向成分9a1)は、絶縁体12の上に配置されている。この絶縁体12は高放熱性絶縁体11と同一の材料により構成されてもよいが、それとは異なる材料により構成されてもよい。絶縁体12は、横方向成分9a1と横方向成分9a2との間の領域を埋めるように、Z方向に延びるように配置されている。この絶縁体12により、横方向成分9a1と横方向成分9a2との電気的な絶縁が保たれている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては、たとえば高放熱性絶縁体11として筐体1の絶縁材料よりも熱伝導率が高い(高放熱性絶縁体本体11a,11c,11dなど)を用いれば、主端子92とベース板3との間の熱抵抗を下げることができる。このため、主端子92から高放熱性絶縁体11を介してベース板3に伝わる熱の量を増やすことができ、主端子92で発生した熱およびパワーモジュール301の外部の配線から主端子92に伝わってきた熱をベース板3により多く伝え、ベース板3から外部に放熱させることができる。このため主端子92の温度をより効率的に下げることができる。主端子92の温度が下がれば、半導体チップ7からボンディングワイヤ13を介して主端子92に伝わる熱量が増加するため、半導体チップ7の温度を下げることもできる。また以上のように主端子92からの放熱効率が上がるため、実施の形態1と同様に、主端子91,92の延在する方向に交差する断面の面積を小さくし、主端子92の発熱量が増えたとしても、その放熱が可能な体制が整っているといえる。このため、主端子91,92の断面積を小さくし、パワーモジュールをより小型化することができる。
なお、絶縁体12がたとえば筐体1に含まれる絶縁材料と同じ材料により形成される場合には、絶縁体12は主端子92の上部と高放熱性絶縁体11の下部とを治具で固定することにより、絶縁体12は筐体1の成形時に併せて成形することができる。したがってこの場合、たとえば絶縁体12を筐体1と異なる材料により形成する場合に比べて製造工程を減らしコストを低減することができる。
また絶縁体12が高放熱性絶縁体11に含まれる絶縁材料と同じ材料により形成される場合には、主端子91で発生した熱および主端子91(横方向成分9a1)に伝わった熱などが高放熱性絶縁体としての絶縁体12を介してその下の主端子92(横方向成分9a2)に伝えられる。さらに主端子92から高放熱性絶縁体11を伝わることによりその下のベース板3に放熱される。このため主端子91についても主端子92と同様に温度を下げることができる。
ただし上側にある主端子91で発生した熱などは、下のベース板3などの放熱体に向かう放熱経路の途中に、たとえば主端子92などの主端子91と同様に熱を発生する端子の存在により、主端子91から主端子92への熱の伝搬が遮られやすい。このため主端子91は主端子92に比べて、仮にこれと接するように高放熱性絶縁体11などが配置されたとしても、その冷却効果が弱くなる。このため、たとえば仮に高放熱性絶縁体11とは異なる(熱伝導率が高放熱性絶縁体本体11cほど高くない)絶縁性材料により絶縁体12を形成しても冷却効果がさほど変わらない場合には、そのようにすることにより、その製造コストを低減することができる場合がある。つまり、本実施の形態のように複数の主端子91,92を有する構成とすることにより、その冷却の要否の優先順位に応じて場所ごとに異なる絶縁体材料を宛がうなどの工夫をすれば、コストを低減することができる場合がある。
(実施の形態4)
まず本実施の形態の第1例のパワーモジュールの構成について、図14〜図17を用いて説明する。なお図14および図16は実質的には当該パワーモジュール内の左右方向に延びる直線に沿う部分の概略断面図であるが、そのようにすれば掲載すべき構成部材がすべて含められなくなるため、ここでは正面方向から見た概略投影図としている。
図14および図15を参照して、本実施の形態の第1例のパワーモジュール401は、たとえば箱状(ほぼ直方体状)の外観を有しており、放熱体としてのヒートシンク4と、絶縁部材としての絶縁シート付部材6と、半導体チップ7と、放熱用絶縁部材としての高放熱性絶縁体11と、端子としてのリードフレーム10とを主に備えている。
ただしパワーモジュール401においては、パワーモジュール101のような筐体1が配置されていない。したがってヒートシンク4のZ方向上方の領域において封止材22がその外部に向けて露出している。この点において本実施の形態は、筐体1を備える実施の形態1〜3の各パワーモジュールと大きく異なっている。
パワーモジュール401においては、放熱体としてヒートシンク4のみが設けられているが、実施の形態1〜3と同様に、ベース板3と、そのZ方向下方の主表面上に接続されたヒートシンク4とを有する構成であってもよい。基本的にパワーモジュール401は図14および図16に示すように、ヒートシンク4を土台として載置可能な構成となっている(ヒートシンク4のZ方向上側に各部材が搭載される態様となっている)。
パワーモジュール401においては、主回路を構成する絶縁シート付部材6が配置されている。絶縁シート付部材6は、XY平面に関するほぼ全面に拡がることにより、Z方向に関して、後述する半導体チップ7および高放熱性絶縁体11と、ヒートシンク4との間に配置された態様となっている。絶縁シート付部材6は、実施の形態1において高放熱性絶縁体本体11cなどに用いられる絶縁シートと同様の材質からなる絶縁シート6aと、絶縁シート6aのZ方向下側の主表面上に形成された銅箔6b(導体)と、絶縁シート6aのZ方向上側の主表面上に接合されたヒートスプレッダ6c(導体)とを有している。これら絶縁シート6a、銅箔6b、ヒートスプレッダ6cが、ヒートシンク4の上側の主表面上のほぼ全面に拡がっている。つまり絶縁シート付部材6は絶縁基板5と同様に、ここでは導体材料を含んでいるものとする。
絶縁シート付部材6は実施の形態1などの絶縁基板5と同様に半導体チップ7の外側に形成される主回路を形成する基板である。銅箔6bは銅の薄膜により形成されており、絶縁基板5の下側導電体5bに対応している。ヒートスプレッダ6cはたとえば銅により形成されており、絶縁基板5の上側導電体5cに対応している。ただしパワーモジュール401においても、パワーモジュール101などと同様に、絶縁基板本体5aと、その上下面に設けられた金属板としての下側導電体5bおよび上側導電体5cとを有する絶縁基板5が用いられてもよい。
半導体チップ7は、絶縁シート付部材6のヒートシンク4が配置される側(下側)と反対側(上側)に配置されている。ここでは一例として、X方向に関して互いに間隔をあけて2つの半導体チップ7a,7bが配置されている。
高放熱性絶縁体11は、絶縁シート付部材6の上側の主表面上(ヒートシンク4の上側の主表面の上でもある)の、半導体チップ7が配置される領域とは異なる領域(ここでは半導体チップ7のX方向左側)に配置されている。ここでは実施の形態1の各実施例のいずれの高放熱性絶縁体11が用いられてもよいが、ここでは一例として図6のように圧力を利用してヒートスプレッダ6cなどと接続された態様の高放熱性絶縁体本体11cが示されている。したがって、ここではX方向左側から、高放熱性絶縁体11、半導体チップ7a、半導体チップ7bの順に互いに間隔をあけて絶縁シート付部材6上に並んでいる。
また本実施の形態においては、高放熱性絶縁体11に含まれる高放熱性絶縁体(たとえば高放熱性絶縁体11c)は封止材22よりも熱伝導率の高い絶縁材料となっている。したがって絶縁シート6aも、(高放熱性絶縁体11cと同じ材料であることから)封止材22よりも熱伝導率の高い絶縁材料となっている。
リードフレーム10は、実施の形態1などの主端子9に対応するものである。リードフレーム10は、高放熱性絶縁体11のZ方向上側の主表面上に接続され、かつ半導体チップ7a,7bのZ方向上側の主表面上にも接続されている。つまりリードフレーム10は、高放熱性絶縁体11、半導体チップ7aおよび半導体チップ7bの真上を跨ぐように、X方向に関して延びている。さらにリードフレーム10はこれらの部材を封止する封止材22のX方向左側の端部を突き破ってその左方に突き出すように延びており、これにより外部との電気的接続を可能としている。また図15および図17の平面図に示すように、リードフレーム10は、Y方向に関しても、たとえば高放熱性絶縁体11のY方向寸法と同程度の幅を有している。したがってリードフレーム10は、平面視においてX方向に長く延びる板状の形状を有している。
以上により、ここではリードフレーム10は、半導体チップ7a,7bと高放熱性絶縁体11との双方に直接接続されている。ただしリードフレーム10は半導体チップ7a,7bの代わりにヒートスプレッダ6cに直接接続され、ヒートスプレッダ6cと半導体チップ7とが図示されないボンディングワイヤで接続されることにより半導体チップ7と電気的に接続された態様であってもよい。
なおリードフレーム10は、通常、銅により形成されている。ただしインバーと呼ばれる鉄−ニッケル合金材料を1対の銅材の間に挟む構成にした材料を用いてリードフレーム10を構成してもよい。
封止材22の最外部の一部には制御信号用電極17が複数(たとえば制御信号用電極17a,17b,17c,17d,17eの5つ)形成されている。これは実施の形態1と同様に、半導体チップ7に形成されるIBGTまたはMOSFETなどのスイッチング素子に含まれる図示されないゲート配線等に入力すべき制御信号を外部から入力したり、かつスイッチング素子から制御信号を出力したりするための電極である。このため半導体チップ7と制御信号用電極17とがボンディングワイヤ13により電気的に接続されている。
またリードフレーム10とY方向に関して互いに間隔をあけて、1対の主端子18a,18bが配置されている。これらはたとえば絶縁シート付部材6のヒートスプレッダ6c上に接続されている。図15においてはこれらの主端子18a,18bはX方向に関してリードフレーム10とほぼ平行に延在し、その一部が封止材22から露出されている。これにより、その外部との電気的接続を可能としている。なお主端子18a,18bは、いずれもリードフレーム10とは電位が異なっている。
以上に述べた各部材間は、はんだなどの接合材により互いに接続されている。たとえばヒートシンク4と絶縁シート付部材6との間にははんだ23aが、絶縁シート付部材6と半導体チップ7との間にははんだ23bが、半導体チップ7とリードフレーム10との間にははんだ23eがそれぞれ配置され、2つの部材を電気的に接続している。さらに主端子18と絶縁シート付部材6との間にははんだ23fが配置されこれらを接続している。これらのはんだの代わりに銀が用いられてもよいし、たとえばはんだ23aの代わりに高熱伝導グリス23d(図5参照)が用いられてもよい。また互いに電気的に絶縁すべき各部材間の沿面の絶縁距離は可能な限り長くなるよう確保されている。
以上の態様を組み立てる際には、まずヒートスプレッダ6cの上の所望の位置に高放熱性絶縁体11が配置され、かつヒートスプレッダ6cの上の所望の位置にはんだ23bを介して半導体チップ7a,7bが配置される。また半導体チップ7a,7bのZ方向上側の主表面上には、所望のZ方向厚みを有するようにはんだ23eが供給される。
次に、これら高放熱性絶縁体11およびはんだ23e(半導体チップ7a,7b)の双方の上に重畳するようにリードフレーム10が配置される。このときリードフレーム10は、半導体チップ7a,7bと高放熱性絶縁体11との間の領域においてZ方向上方を向くように屈曲する。これによりリードフレーム10が半導体チップ7a,7b上のはんだ23eの厚みに応じて高放熱性絶縁体11の真上に比べてZ方向上方に配置可能となる。
たとえば半導体チップ7a,7bとリードフレーム10とを接合するはんだ23eは、その厚みが大きくなれば、半導体チップ7a,7bからリードフレーム10への伝熱の熱抵抗が増加し、半導体チップ7a,7bからリードフレーム10へ伝わる熱量が減少する。このため、半導体チップ7からリードフレーム10への放熱効率を高める観点からは、はんだ23eを厚くするよりも、はんだ23eは薄くしたままリードフレーム10をはんだ23eの上面の高さに適合するように屈曲させる方がよい場合がある。
またリードフレーム10は高放熱性絶縁体11の上側の表面上にも配置されるが、このとき治具で両者が接着可能な程度の圧力が加わるように調節される。この状態で、リフロー工程により、はんだ23a,23b,23e,23fにより各部材間が一括で接合される。このとき、はんだ23a,23b,23e,23fが溶融した際に、リードフレーム10の自重により、リードフレーム10と高放熱性絶縁体11との接続が強固になり、両者間の熱抵抗を減らすことができる。
次に以上により実装された、絶縁シート付部材6およびそのZ方向上方の各部材を封止する封止材22は、エポキシ樹脂などの封止材料が用いられている。封止材22は、その最表面を露出する態様となるため、ゲル状の封止材21に比べて硬度が非常に高くなっている。封止材22はパワーモジュール101などの筐体1と同様に、パワーモジュール201を構成する半導体チップ7などをそのX方向およびY方向の合計四方から取り囲むように収納する箱型(たとえば直方体型)を有している。上記のようにはんだ23a,23b,23e,23fを用いた接合の後に、封止材22を用いて各部材が封止される。
なお、これ以外の本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図18を参照して、本実施の形態の第2例のパワーモジュール402は、パワーモジュール401と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。パワーモジュール402においてもパワーモジュール401と同様に、端子として主端子9(図1参照)の代わりにリードフレーム10が用いられている。ただしパワーモジュール402は、高放熱性絶縁体11が、高放熱性絶縁体本体11aと、そのZ方向下側の主表面上に接合された下側導電体11fと、高放熱性絶縁体本体11aのZ方向上側の主表面上に接合された上側導電体11gとを有する構成となっている。この点においてパワーモジュール402は、高放熱性絶縁体11cが圧力を利用してリードフレーム10に接合されるパワーモジュール401とは異なっている。
高放熱性絶縁体11は上記のような構成を有していてもよい。下側導電体11fおよび上側導電体11gは、たとえば銅製またはアルミニウム製の金属板である。
また下側導電体11fとヒートスプレッダ6cとは、たとえばはんだ23gにより接合されている。上側導電体11gとヒートスプレッダ6cとについても同様に、たとえばはんだ23hにより接合されている。
図18においては、上側導電体11g上のはんだ23hのZ方向最上面と、半導体チップ7上のはんだ23eのZ方向最上面との高さがほぼ等しくなっている。このため両者を跨ぐように接合されるリードフレーム10はZ方向に関して屈曲することなく、ほぼ平板状に延びている。ただしここでも(上記第1例と同様に)絶縁シート6aのZ方向に関する高さと、はんだ23b,23e,23g,23hの厚みとを調整しながら、必要に応じてZ方向に関してリードフレーム10が屈曲されてもよい。たとえば半導体チップ7からリードフレーム10への放熱効率を高める観点からは、はんだ23eを厚くするよりも、はんだ23eは薄くしたままリードフレーム10をはんだ23eの上面の高さに適合するように屈曲させる方がよい場合がある。
パワーモジュール402の形成時においては、ヒートシンク4上のはんだ23aと、半導体チップ7の上下面のはんだ23b,23eと、高放熱性絶縁体11の上下面それぞれと接するはんだ23g,23hとがすべて一括してリフロー工程により固着される。これにより、各はんだ23a,23b,23e,23g,23hに接する部材間が接合される。
図19を参照して、本実施の形態の第3例のパワーモジュール403は、パワーモジュール401と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。ただしパワーモジュール403はリードフレーム10が高放熱性絶縁体11のX方向左側の端部の真上当たりの位置にてほぼ直角に屈曲し、封止材22を突き破ってその最上部よりも上側にまで突き出すように延びている。これにより外部との電気的接続を可能としている。このようにリードフレーム10は、X方向に関して封止材22の外側に突き出してもよいし、Z方向に関して封止材22の外側に突き出してもよい。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においては端子として主端子9(図1参照)の代わりに平面視において板状形状のリードフレーム10が用いられ、これとヒートシンク4との間に高放熱性絶縁体11が配置(接続)される。リードフレーム10により、主端子9がボンディングワイヤ13を介して半導体チップ7と接続される実施の形態1などに比べて、半導体チップ7で発生した熱が直ちにリードフレーム10を介してそのZ方向下方のヒートスプレッダ6cおよびヒートシンク4に放熱できる。すなわちリードフレーム10により半導体チップ7の放熱効率がより向上される。
また実施の形態1と同様に、高放熱性絶縁体11により、リードフレーム10で発生した熱およびパワーモジュールの外部の配線からリードフレーム10に伝わってきた熱をヒートシンク4およびヒートスプレッダ6cなどにより多く伝え、そこから外部に放熱させることができる。したがってリードフレーム10の冷却効率を高めることもできる。高放熱性絶縁体11は、このような高い放熱性および高い絶縁性の双方を両立するように実現させることができる。
リードフレーム10に大電流を流すことにより、リードフレーム10には大量の熱が発生しやすいことから、本実施の形態の放熱システムは特に実益がある。また半導体チップ7はシリコンの代わりに、炭化珪素(SiC:Silicon Carbide)のようなワイドバンドギャップ半導体により形成されてもよい。このようにすれば、リードフレーム10の電流密度が増加し、より高温となるため、本実施の形態を用いることによる高い放熱性の作用効果がより顕著になる。
半導体チップ7とリードフレーム10とを接続するはんだ23eの厚み等により、半導体チップ7からリードフレーム10への放熱効率をいっそう高めることもできる。
また絶縁シート6aとヒートスプレッダ6cとが絶縁シート付部材6の一部(上側導電体)として、平面視において絶縁シート付部材6の(ほぼ)全面に拡がっている。すなわち絶縁シート6aおよびヒートスプレッダ6cは、Z方向に関して半導体チップ7a,7bおよび高放熱性絶縁体11と、ヒートシンク4との間に必ず配置される構成となっている。上記のように絶縁シート6aは封止材22よりも熱伝導率が高く、また銅であるため当然にヒートスプレッダ6cも封止材22よりも熱伝導率が高い。このことも、リードフレーム10から絶縁シート6a、ヒートスプレッダ6cおよびその真下のヒートシンク4などへの放熱効率をより高める効果を有する。
なおリードフレーム10は半導体チップ7よりも発熱量が少ない。このためリードフレーム10を用いる本実施の形態においては、少なくともエポキシ樹脂などの封止材22よりも熱伝導率の高い高放熱性絶縁体本体(を含む高放熱性絶縁体11)を用いれば、リードフレーム10の比較的少ない発熱を放熱するには十分である。このような高放熱性絶縁体本体の材料として安価な材料を用いることで、製造コストを低減することもできる。
その他、本実施の形態においても、実施の形態1などと同様に、リードフレーム10に電流をより多く流すためには、リードフレーム10の断面積を大きくして、その発熱量をより小さくする必要がある。しかし上記のように高放熱性絶縁体11を用いてリードフレーム10の温度を下げることができれば、リードフレーム10の断面積を小さくすることができるため、パワーモジュールをより小型化することができる。
(実施の形態5)
図20を参照して、本実施の形態のパワーモジュール501は、実施の形態4のたとえば第2例のパワーモジュール402と基本的に同様の構成であるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。すなわち端子としてはパワーモジュール501の外部の配線に接続されるリードフレーム10を有している。ただしパワーモジュール501は、放熱体としてヒートシンク4の代わりにベース板3を有している。ただしここでもヒートシンク4であってもよいし、図1などのようにベース板3とヒートシンク4との双方を有していてもよい。またパワーモジュール501は、絶縁シート付部材6の代わりに実施の形態1などと同様の、ベース板3の上側の主表面上の一部(図20のX方向右側の領域)のみを覆う絶縁基板5が、はんだ23aを介して接合されている。絶縁基板5の上には半導体チップ7が、はんだ23bを介して接合されている。
パワーモジュール501の高放熱性絶縁体11は、パワーモジュール402と同様に、高放熱性絶縁体本体11aと、そのZ方向下側の主表面上に接合された下側導電体11fと、高放熱性絶縁体本体11aのZ方向上側の主表面上に接合された上側導電体11gとを有する構成となっている。ただし図20の高放熱性絶縁体11は、図18の高放熱性絶縁体11に比べてX方向に関する幅が狭くなっており、(実施の形態1などと同様に)絶縁基板5が配置される領域以外の領域におけるベース板3の上側の主表面上に、はんだ23gを介して接合されている。
また半導体チップ7とリードフレーム10とははんだ23eにより、高放熱性絶縁体11とリードフレーム10とははんだ23hにより、それぞれ接合されている。また図示されているすべてのはんだはリフロー工程により一括して固化されることにより、各部材は互いに接合されている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
たとえば高放熱性絶縁体本体11aを形成する平面視における面積を十分に確保できない場合は、図20のように図18に比べて高放熱性絶縁体本体11aの平面積が小さくなってもよい。パワーモジュールの構造などに応じて、パワーモジュール402のように設計するか、あるいはパワーモジュール501のように設計するかを適宜選択し決定することが好ましい。
また本実施の形態においても実施の形態4と同様に、パワーモジュール501内にはリードフレーム10が含まれ、かつ筐体1が含まれない。このため高放熱性絶縁体本体11aとしては少なくとも封止材22よりも熱伝導性の高い材料が用いられればよい。このような高放熱性絶縁体本体の材料として安価な材料を用いることで、製造コストを低減することもできる。
以上に述べた各実施の形態の態様は、技術的に矛盾のない範囲で、適宜組み合わせることができる。たとえば実施の形態4,5において実施の形態2に示す高放熱性絶縁体本体11eが用いられ、当該高放熱性絶縁体本体11eが封止材22よりも熱伝導率が低く絶縁耐力が高い材料であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 筐体、3 ベース板、4 ヒートシンク、5 絶縁基板、5a 絶縁基板本体、5b,11f 下側導電体、5c,11g 上側導電体、6 絶縁シート付部材、6a 絶縁シート、6b 銅箔、6c ヒートスプレッダ、7,7a,7b 半導体チップ、9,18a,18b,91,92 主端子、9a,9a1,9a2,9x 横方向成分、9b,9b1,9b2,9y 縦方向成分、9c 平板状成分、10 リードフレーム、11 高放熱性絶縁体、11a,11c,11d,11e 高放熱性絶縁体本体、11b 高放熱性絶縁体付属導体、12 絶縁体、13,13a,13b,13c ボンディングワイヤ、17,17a,17b,17c,17d,17e 制御信号用電極、21,22 封止材、23a,23b,23c,23e,23f,23g,23h はんだ、23d 高熱伝導グリス、101,102,103,104,105,106,201,301,401,402,403,501 パワーモジュール。

Claims (4)

  1. 放熱体と、
    前記放熱体の一方の主表面上の少なくとも一部の領域に配置された、導体を含む絶縁部材と、
    前記導体を含む絶縁部材の前記放熱体と反対側に配置された半導体チップと、
    前記放熱体の一方の主表面の上の、前記半導体チップが配置される領域とは異なる他の領域を含むように配置された放熱用絶縁部材と、
    前記放熱用絶縁部材の前記放熱体と反対側における前記他の領域に配置され、前記半導体チップと電気的に接続可能な端子と、
    前記半導体チップを取り囲む筐体または封止材とを備え、
    前記放熱用絶縁部材は絶縁材料を含み、かつ前記筐体または封止材よりも熱伝導率が高く、
    前記端子は互いに間隔をあけて前記主表面に交差する方向に複数並ぶように配置され、
    複数の前記端子のうち最も前記放熱体に近い前記端子は前記放熱用絶縁部材上に配置される、半導体装置。
  2. 前記放熱用絶縁部材は前記筐体よりも絶縁耐力が高い材料により形成される、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 放熱体と、
    前記放熱体の一方の主表面上の少なくとも一部の領域に配置された、導体を含む絶縁部材と、
    前記導体を含む絶縁部材の前記放熱体と反対側に配置された半導体チップと、
    前記放熱体の一方の主表面の上の、前記半導体チップが配置される領域とは異なる他の領域を含むように配置された放熱用絶縁部材と、
    前記放熱用絶縁部材の前記放熱体と反対側における前記他の領域に配置され、前記半導体チップと電気的に接続可能な端子と、
    前記半導体チップを取り囲む筐体または封止材とを備え、
    前記放熱用絶縁部材は絶縁材料を含み、かつ前記筐体または封止材よりも熱伝導率が低く、前記筐体または封止材よりも絶縁耐力が高い、半導体装置。
  4. 前記端子は互いに間隔をあけて前記主表面に交差する方向に複数並ぶように配置され、
    複数の前記端子のうち最も前記放熱体に近い前記端子は前記放熱用絶縁部材上に配置される、請求項に記載の半導体装置。
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