JP2002198456A - セラミックス回路基板およびパワーモジュール - Google Patents

セラミックス回路基板およびパワーモジュール

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JP2002198456A
JP2002198456A JP2000392581A JP2000392581A JP2002198456A JP 2002198456 A JP2002198456 A JP 2002198456A JP 2000392581 A JP2000392581 A JP 2000392581A JP 2000392581 A JP2000392581 A JP 2000392581A JP 2002198456 A JP2002198456 A JP 2002198456A
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ceramic
corner
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metal
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JP2000392581A
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Norio Nakayama
山 憲 隆 中
Takao Shirai
井 隆 雄 白
Takayuki Naba
波 隆 之 那
Tadashi Tanaka
中 忠 田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 クラックの発生が防止された、実装歩留ま
り、絶縁破壊特性が向上したセラミックス回路基板を提
供する。 【解決手段】 セラミックス焼結体基板1の表面の少な
くとも一方に複数の金属回路板1,2,3,4,5を設
けてなるセラミックス回路基板において、金属回路板の
角部イ,ロ,ハ,ニ,ホ,ヘとこれに隣接する角部との
コーナー形状が異なることを特徴とするセラミックス回
路基板、およびこのセラミックス回路基板にトランジス
タが実装されてなるパワーモジュール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス回路
基板およびパワーモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、セラミックス基板上に導電性
層を設けた回路基板が広く使用されている。特に、窒化
アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、アルミナとジルコ
ニア等の化合物からなるセラミックス焼結体からなる基
板上に、銅、アルミニウム等の金属回路板を設けたセラ
ミックス回路基板は、優れた電気絶縁性、放熱性および
機械的強度を有していることから、例えばパワートラン
ジスタ等の電子部品を実装したモジュール基板に用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】セラミックス回路基板
に電子部品を実装する工程においては、一般に高温の加
熱処理がなされている。セラミックス焼結体基板上に金
属回路板を設けてなるセラミックス回路基板をこのよう
な加熱処理に付した場合、セラミックス焼結体基板と金
属回路板との熱膨張率の違いから応力が発生し、この応
力によってセラミックス焼結体基板にクラックが生じる
ことがある。
【0004】また、近年の電子部品の高出力化に伴い発
熱量が大きくなり、セラミックス回路基板にかかる熱的
な応力も増大する傾向にある。このような熱的な応力が
かかるとセラミックス基板と金属回路板の接合部にクラ
ックが発生してしまう。
【0005】このクラックは、金属回路板のパターンの
コーナー部、特に多数の金属回路板が隣接して設けられ
ておりそのコーナ部間の距離が近い場合に発生すること
が多かった。クラックは、セラミックス回路基板の絶縁
性(絶縁耐圧)および強度を劣化させ、その結果、実装
した電子部品に耐用電圧を印加した場合、セラミックス
基板が絶縁破壊にいたることもあった。特に薄いセラミ
ックス回路基板では、クラックが基板の反対面にまで達
し、耐用電圧を印加した場合に破壊電圧にいたることも
あった。従って、セラミックス回路基板に電子部品を実
装したモジュール製品の実装歩留の低下や、信頼性が十
分に得られていないのが現状であった。
【0006】セラミックス基板のクラック防止に関連す
る技術として、特開平10−214915号公報には、
金属回路のパターンのコーナー部における曲線におい
て、曲線の中央部の曲率半径と直線部からコーナーに入
る点の曲率半径とを変えて所定の関係が成立するような
技術が提案されている。しかし、上記公報には、同一金
属板の同一コーナーについての記述は見られるものの
の、異なる金属板の異なるコーナー部については何ら検
討がなされていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】近年、パワーモジュール
等の高出力化や、実装密度の高密度化あるいはセラミッ
クス基板の薄板化が進むにつれ、セラミックス回路基板
のクラック防止に対する要求はますます高くなってい
る。
【0008】本発明は、セラミックス焼結体基板上に設
けられた複数の金属回路板の隣接する角部のコーナー形
状を規定することによって、上記要求に応えるものであ
る。
【0009】従って、本発明によるセラミックス回路基
板は、セラミックス焼結体基板の表面の少なくとも一方
に複数の金属回路板を設けてなるセラミックス回路基板
において、前記金属回路板の角部とこれに隣接する角部
とのコーナー形状が異なること、を特徴とするものであ
る。
【0010】そして、本発明によるパワーモジュール
は、上記のセラミックス回路基板にトランジスタが実装
されてなること、を特徴とするものである。
【0011】このような本発明では、電子部品実装時の
加熱処理における温度変化によってセラミックス焼結体
基板にクラックが発生すること、ならびに実装した電子
部品を使用する際の繰り返しの温度変化によってセラミ
ックス焼結体基板にクラックが発生することを抑制して
いる。
【0012】よって、本発明によれば、電子部品実装時
の歩留まりが著しく改善され、かつ電子部品に電圧を印
加して使用する際の信頼性、耐久性が高いセラミックス
回路基板およびパワーモジュールを得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるセラミックス回路基
板は、セラミックス焼結体基板の表面の少なくとも一方
に複数の金属回路板を設けてなるセラミックス回路基板
において、前記金属回路板の角部とこれに隣接する角部
とのコーナー形状が異なること、を特徴とするものであ
る。ここで、「金属回路板の角部とこれに隣接する角
部」とは、金属回路板の、ある一つの角部に、金属回路
板が存在しない領域を介して最も近い所に存在する角部
を意味するものである。なお、本発明では、金属回路板
のある一つの角部を「角部(A)」と、これに「隣接し
ている角部」を「角部(B)」と言うことがある。角部
(A)と角部(B)は、異なる金属回路板に存在するの
が普通であるが、角部(A)と角部(B)とは同一の金
属回路板に存在していてもよい。角部(A)と角部
(B)が同一の金属回路板に存在するケースとして、コ
の字状などの金属回路板形状が挙げられる。また、本発
明の角部(A)と角部(B)は金属回路板が存在しない
領域を介して求められるものであるから、金属回路板が
細い長方形形状であり最も近い隣接する角部が同一金属
回路板内にあったとしても、それは対象外となり、あく
まで「金属回路板が存在しない領域を介して」定義付け
られるものである。
【0014】本発明によるセラミックス回路基板は、角
部(A)と角部(B)とはコーナー形状が異なるもので
あるが、このようなコーナー形状は、例えば角部(A)
の曲率半径(r)と角部(B)の曲率半径(r)と
を異ならせることによって為し得ることができる。
【0015】上記の曲率半径(r)と曲率半径
(r)のそれぞれの大きさは、本発明の目的および効
果が達成されるように決定することができる。本発明で
は、曲率半径(r)と曲率半径(r)とが下記の関
係を有する場合が好ましい。 関係式 : r≦0.5mm、r≧1.0mm。 また、さらに好ましくは、r≧1.5mmである。
【0016】一般に、曲率半径が大きい方がセラミック
ス焼結体基板における応力を緩和しやすくクラック発生
の抑制効果が高いことから、隣接した2つの角部(即
ち、角部(A)および角部(B))の内、応力が大きい
方あるいは集中する方の角部を、あるいは応力緩和をは
かる必要性がより高い方の角部を、曲率半径が大きいも
のとするのが好ましい。
【0017】このように隣接する角部(A)と角部
(B)の曲率半径を変えることにより、隣接する角部間
の応力を緩和できるのである。なお、応力緩和のために
角部(A)と角部(B)の曲率半径を両方とも大きくす
ることが考えられるが、曲率半径を大きくすると金属回
路板の面積が小さくなり、回路板として通電容量や実装
面積の低下に繋がるから必ずしも好ましいとは言えな
い。そのような観点から本発明では前述のようにr
0.5mm、r≧1.0mmを好ましい範囲とする。
【0018】本発明におけるセラミックス焼結体基板
は、従来からこの種のセラミックス回路基板において用
いられてきたものと本質的に異ならない。従って、本発
明では、一般的な任意のセラミックス焼結体を用いるこ
とができる。高出力トランジスタ等の発熱量が大きいも
のを実装することを考慮すれば、セラミックス焼結体基
板は熱伝導率が大きなもの、例えば熱伝導度率が60W
/m・K以上のもの、が好ましい。そして、セラミック
ス焼結体は、強度が高いもの、例えば3点曲げ強度が3
00MPa以上のもの、が好ましい。
【0019】本発明では、そのようなセラミックス焼結
体として、好ましくは、例えば窒化アルミニウム、窒化
珪素、アルミナ、アルミナとジルコニアの化合物の少な
くとも1種からなる、セラミックス焼結体を使用するこ
とができる。特に、窒化アルミニウム基板は、熱伝導度
率が160W/m・K以上と高熱伝導性に優れたものが
多数あり、窒化珪素基板では3点曲げ強度(室温)が6
00MPa以上と高強度の基板が存在する。また、アル
ミナやアルミナとジルコニアの化合物からなる基板は、
窒化アルミニウムや窒化珪素と比べて安価でありコスト
面でのメリットが大きい。本発明のセラミックス回路基
板は、いずれの材質を主成分とするセラミックス基板に
対しても有効である。
【0020】セラミックス焼結体基板の厚さは任意であ
るが、好ましくは0.2〜1mmである。本発明のセラ
ミックス回路基板は、このようなクラックの発生し易い
薄型の基板形状に対しても有効である。
【0021】本発明における金属回路板も、従来からセ
ラミックス回路基板において用いられているものを用い
ることができる。本発明では、例えば銅、アルミニウ
ム、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、錫、白金、
および上記いすれかの金属の化合物を用いることができ
る。本発明では、銅、アルミニウム、銅合金およびアル
ミニウム合金が特に好ましい。
【0022】金属回路板は、セラミックス焼結体基板の
表面の少なくとも一方に設ける。そして、この金属回路
板の数はセラミックス焼結体基板の表面の一つの面にお
いて3〜20枚が好ましい。隣接する金属回路板間の距
離は、最短距離が1.5mm以下、特に0.5〜1mm
が好ましい。金属回路板の厚さは0.2〜0.5mmが
好ましい。言い換えれば、本発明のセラミックス回路基
板は、少なくとも一つの面に金属回路板が3〜20枚、
金属回路板間の最短距離が0.5〜1.5mm、金属回
路板の厚さが0.2〜0.5mmのものに対して特に有
効であると言える。つまり、一つの面に多数の金属回路
板を設けることができ、金属回路板間の距離を小さくで
きることから、金属回路板を高密度に設けることができ
る。
【0023】金属回路板の枚数が3枚未満の場合、クラ
ックが発生し易い隣接する角部の数が少ないので本発明
の効果が十分得られず、逆に20枚を超えると隣接する
角部の数が多くなりすぎるため本発明の効果を得難くな
る。また、金属回路板間の最短距離が0.5mm未満で
あると金属回路板間の絶縁性を確保し難くなるので必ず
しも好ましいとは言えない。
【0024】なお、複数の金属回路板の材質、厚さ、各
金属回路板間の距離や角部間の距離等は、全ての金属回
路板において同一であってもよく、また異なっていても
よい。これらは、各金属回路板によって形成されるパタ
ーンや、電子部品実装時あるいは使用時に発生する応力
やその集中度、各金属板に求められる絶縁破壊強度等に
応じ、金属回路板ごとに適宜決定することができる。そ
して、各角部の形状も、発生する応力やその集中度、各
金属板に求められる絶縁破壊強度等に応じ、角各部ごと
に決定することができる。
【0025】上記の金属回路板とセラミックス焼結体と
の接合は、活性金属法や直接接合法によって行うことが
できる。また、金属板を接合させる形態以外にも、厚膜
法によって回路を形成することも可能である。なお、角
部の曲率半径は、予めそのような形状を具備させた金属
板を用いても良いし、接合後にエッチングにより所定の
曲率半径を具備させても良い。
【0026】一般に、クラックは、セラミックス焼結体
基板にかかる応力によって発生し、(i)金属回路板が多
いほどあるいは密集しているほど、(ii)金属回路板が厚
いほど、(iii)隣接する金属回路板間の距離が短いほ
ど、そして(iv)セラミックス回路基板が薄いほど、発生
しやすくなる。隣接する角部のコーナー形状を異ならせ
ることによってクラック発生を防止する本発明の効果
は、金属回路板あるいはセラミックス焼結体基板が上記
(i)〜(iv)の通りになるにつれより顕著に認められるよ
うになる。
【0027】また、本発明では金属回路板にメッキ層を
設けることができる。本発明では、メッキ層を例えばニ
ッケルと硼素、あるいはニッケルとリンによって形成す
ることができる。このような金属回路板にメッキ層を設
けたセラミック回路基板は、メッキ層が設けられていな
いものに比べて応力が強くクラックが発生しやすいもの
であるが、本発明ではメッキ層が設けられている場合で
あっても、応力の発生および集中を抑制してクラックの
発生を防止することができる。そのため本発明のセラミ
ックス回路基板では、金属回路板上にメッキ層を3μm
以上設けたものであってもクラックの発生を防止でき
る。
【0028】上記のような本発明によるクラックが防止
されたセラミックス回路基板は、その優れた機械的強
度、電気絶縁性、放熱性を活かして各種の用途に利用で
きるものである。本発明は、上記のセラミックス回路基
板に出力トランジスタが実装されてなることを特徴とす
るパワーモジュールに関するものでもある。
【0029】
【実施例】<実施例1および比較例1>図1に示される
ように、厚さ0.32mm、縦30mm、横60mmの
アルミナ焼結体基板1(熱伝導率25W/m・K、3点
曲げ強度350MPa)の表面に、5枚の厚さ0.3m
mの金属回路板(金属回路板〜金属回路板)を配し
た。各金属回路板の距離は、いずれも1mmである。一
方、上記アルミナ焼結体基板の裏面の全面に厚さ0.2
mmの裏銅板(沿面距離0.5mm)を配し、窒素雰囲
気中で1065〜1083℃の温度で、10分間加熱し
て、アルミナ焼結体基板の表面に5枚の金属回路板を設
け、裏面の全面わたって1枚の裏銅板を設けてなるセラ
ミックス回路基板を2つ作製した。
【0030】この2つのセラミックス回路基板のうちの
1つは、5枚の金属回路板の全ての角部のコーナーを、
曲率半径0.5mmに統一して作製した比較例1のセラ
ミックス回路基板(図1(b))であり、残りの1つ
は、隣接する角部のコーナー形状を角部の曲率半径を下
記の様にすることによって異ならせて作製した実施例1
のセラミックス回路基板(図1(a))である。なお、
各曲率半径はエッチングにより形成した。 金属回路板の角部イ:曲率半径 1.5mm 金属回路板の角部ロ:曲率半径 0.5mm 金属回路板の角部ハ:曲率半径 1.5mm 金属回路板の角部ニ:曲率半径 0.5mm 金属回路板の角部ホ:曲率半径 1.5mm 金属回路板の角部へ:曲率半径 0.5mm なお、角部イ〜ヘ以外の角部は、いずれも曲率半径が
0.5mmである。
【0031】上記で作製した実施例1および比較例1の
セラミックス回路基板を、それぞれ、「(125℃×3
0分)→(常温×10分)→(−40℃×30分)→
(常温×10分)」を1サイクルとしたサーマルサイク
ルテスト(TCT試験)を100サイクル実施後に、フ
ロリナートからなる絶縁液中で、上記セラミックス回路
基板の電気回路板にそれぞれ電極を配し、0.5kV/
分の昇圧速度で交流電圧を印加した。10mA時の時の
破壊電圧を、比較例1および実施例1のセラミックス回
路基板について測定したところ、前者(比較例1)では
平均5.5kVであったものが、後者(実施例1)では
平均7.3kVと、約33%上昇した。このような破壊
電圧特性の違いは、TCT試験によってクラックが発生
したか否かによるものである。
【0032】上記の通り、5枚の金属回路板が設けられ
た実施例1のセラミックス回路基板では、隣接する角部
のコーナー形状を異ならせることによって、クラックの
発生が防止され、それに伴い破壊電圧特性が向上した。
【0033】<実施例2〜4および比較例2〜4>上記
の実施例1、比較例1においてセラミックス焼結体基板
として用いられたアルミナ焼結体基板の代わりに、窒化
珪素焼結体基板(熱伝導率70W/m・K、3点曲げ強
度650MPa)、窒化アルミニウム焼結体基板(熱伝
導率170W/m・K、3点曲げ強度330MPa)、
アルミナとジルコニア化合物からなる焼結体基板(熱伝
導率27W/m・K、3点曲げ強度400MPa)を用
いた以外は、実施例1、比較例と同様にして、セラミッ
クス回路基板を作製した。作製したそれぞれのセラミッ
クス回路基板を、同様のTCT試験によって破壊電圧特
性を評価した。結果は、表1に示される通りである。
【0034】
【表1】 表1に示されるように、本発明によるセラミックス回路
基板では、隣接する角部のコーナー形状を異ならせるこ
とによって、クラックの発生が防止され、それに伴い破
壊電圧特性が向上することが確認された。なお、セラミ
ックス焼結体の材質により絶縁破壊電圧が異なっている
が、これは基板の厚さによる違いが主に影響したものと
考えられる。
【0035】<実施例5、比較例5>金属回路板間の距
離を0.5〜1.5mmの範囲にすると共に金属回路板
の枚数を10枚にしたこと以外は実施例1と同様にして
セラミックス回路基板を作製し、同様のTCT試験によ
って破壊電圧特性を評価した。結果は、表2に示される
通りである。
【0036】表2に示される通り、10枚の金属回路板
が設けられた実施例5のセラミックス回路基板では、隣
接する角部のコーナー形状を異ならせることによって、
クラックの発生が防止され、それに伴い破壊電圧特性が
向上する。
【0037】<実施例6、比較例6>金属回路板間の距
離を0.5〜1.5mmの範囲にすると共に金属回路板
の枚数を15枚にしたこと以外は実施例1と同様にして
セラミックス回路基板を作製し、同様のTCT試験によ
って破壊電圧特性を評価した。結果は、表2に示される
通りである。
【0038】表2に示される通り、15枚の金属回路板
が設けられた実施例6のセラミックス回路基板では、隣
接する角部のコーナー形状を異ならせることによって、
クラックの発生が防止され、それに伴い破壊電圧特性が
向上する。このように本発明のセラミックス回路基板で
は基板の一つの面に多数の金属回路板を密集させたもの
であっても効果があることが分かる。
【0039】<実施例7、比較例7>実施例1におい
て、アルミナ焼結体基板の裏面の全面に裏銅板を配する
代わりに5枚の金属回路板を配したことは以外は、実施
例1と同様にしてセラミックス回路基板を作製した。な
お、アルミナ焼結体基板の表面と裏面に設けられた各金
属回路板は同じ厚さのものであり、そして、各金属回路
板はアルミナ焼結体の表面と裏面とのパターンが対称に
なるように設けた。結果は、表2に示される通りであ
る。
【0040】表2に示される通り、セラミックス焼結体
基板の両面に金属回路板が設けられた実施例7のセラミ
ックス回路基板であっても、隣接する角部のコーナー形
状を異ならせることによって、クラックの発生が防止さ
れ、それに伴い破壊電圧特性が向上する。
【0041】<実施例8、比較例8>金属回路板の枚数
を2枚としたこと以外は実施例1と同様にしてセラミッ
クス回路基板を作製し、同様のTCT試験によって破壊
電圧特性を評価した。結果は、表2に示される通りであ
る。
【0042】表2に示される通り、2枚の金属回路板が
設けられた実施例8のセラミックス回路基板では、隣接
する角部のコーナー形状を異ならせることによって、ク
ラックの発生が防止され、それに伴い破壊電圧特性が向
上する。しかしながら、破壊電圧特性の改善率は、5枚
の金属回路板が設けらた実施例1に比べて低い値となっ
ている。このことから、隣接する角部のコーナー形状を
異ならせることによる効果は、金属回路板の数が多いほ
ど顕著になることが分かる。
【0043】
【表2】 <実施例9〜11>実施例1において、角部イ〜ホを表
3に示されるようにした以外は実施例1と同様にしてセ
ラミックス回路基板を作製した。それぞれのセラミック
ス回路基板について、同様のTCT試験を行って、破壊
電圧特性を評価した。結果は、表3に示される通りであ
る。
【0044】
【表3】 表3に示される通り、隣接する角部のコーナー形状を本
発明の好ましい形態にすることによって、さらにクラッ
クの発生が防止され、それに伴い破壊電圧特性が向上す
る。
【0045】<実施例12〜14、比較例9>実施例1
および比較例1のセラミックス回路基板を用い、各金属
回路板上に表4の厚さを有するNiメッキを施したもの
について同様の方法によりTCT試験後の絶縁破壊電圧
を求めた。その結果を表4に示す。
【0046】
【表4】 表4から分かる通り、金属回路板上にNiメッキを施し
たものであっても本発明のセラミックス回路基板は有効
であることが確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、隣接する角部のコーナ
ー形状を異ならせることによって、クラックの発生が防
止されたセラミックス回路基板を得ることができる。よ
って、本発明によれば、高出力トランジスタ等を実装し
たパワーモジュール等を作製する際に実装歩留まりが向
上すると共に、それらに耐用電圧を印加した時に絶縁破
壊にいたること防止して、信頼性を大幅に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)および図1(b)は、セラミックス
焼結体基板の表面に5枚の金属回路板を配したセラミッ
クス回路基板を模式的に示すものであって、図1(a)
は隣接する角部のコーナー形状を異ならせた実施例のセ
ラミックス回路基板を、図1(b)は比較例のセラミッ
クス基板を、示すものである。
【符号の説明】
1 セラミックス焼結体基板 2 金属回路板 3 金属回路板 4 金属回路板 5 金属回路板 6 金属回路板 イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ 金属回路板の角部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H01L 23/14 C 25/04 C 3/24 (72)発明者 那 波 隆 之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 田 中 忠 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5E338 AA01 AA02 AA18 CC01 CD11 EE28 5E343 AA02 AA24 BB15 BB24 BB28 BB44 BB67 BB71 DD32 DD51 GG01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス焼結体基板の表面の少なくと
    も一方に複数の金属回路板を設けてなるセラミックス回
    路基板において、前記金属回路板の角部とこれに隣接す
    る角部とのコーナー形状が異なることを特徴とする、セ
    ラミックス回路基板。
  2. 【請求項2】金属回路板の角部(A)とこれに最も近い
    角部(B)とのコーナー形状が、角部(A)の曲率半径
    (r)と角部(B)の曲率半径(r)とが異なるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載のセラミックス回路基
    板。
  3. 【請求項3】曲率半径(r)と曲率半径(r)と
    が、下記の関係を有することを特徴とする、請求項2に
    記載のセラミックス回路基板。 r≦0.5mm、r≧1.0mm
  4. 【請求項4】セラミックス焼結体基板が、窒化アルミニ
    ウム、窒化珪素、アルミナ、およびアルミナとジルコニ
    アの化合物の少なくとも1種から形成されたものである
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載
    のセラミックス回路基板。
  5. 【請求項5】セラミックス焼結体基板が、厚さ0.2〜
    1mmのものであることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  6. 【請求項6】金属回路板が、銅またはアルミニウムから
    なることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載のセラミックス回路基板。
  7. 【請求項7】セラミックス焼結体基板の裏表面の少なく
    とも一方に設けられた金属回路板の枚数が、3〜20枚
    であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項
    に記載のセラミックス回路基板。
  8. 【請求項8】隣接する金属回路板同士の最短距離が1.
    5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  9. 【請求項9】少なくとも1枚の金属回路板の上にメッキ
    層が形成されていることを特徴とする、請求項1〜8の
    いずれか1項に記載のセラミックス回路基板。
  10. 【請求項10】上記の請求項1〜9のいずれか1項に記
    載のセラミックス回路基板にトランジスタが実装されて
    なることを特徴とする、パワーモジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002232090A (ja) * 2001-01-30 2002-08-16 Kyocera Corp セラミック回路基板
JP2006286754A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Dowa Mining Co Ltd 金属−セラミックス接合基板
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