JP6521714B2 - 固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、空気清浄機又は液晶テレビ等の機器を座席に固定する固定具に関する。
従来、車輌において、空気清浄機又は小型の液晶テレビ等の機器を車内に設置する場合がある。該場合において、機器は、該機器を固定する固定具を介して座席に固定されることが多い。
一般に、車輌の座席は、座部と、該座部から突出する背もたれと、該背もたれにおける前記座部の反対側の端面に取り付けられたヘッドレストとを備えている。ヘッドレストには、所定間隔を隔てて二本の支持棒が突設されている。各支持棒は、背もたれの端面において各支持棒に対応する位置に設けられた孔に挿入され、固定されている。これにより、各支持棒はヘッドレストを背もたれの端面にて支持している。
例えば、特許文献1には、上記の如く構成された座席に取り付けて使用される固定具(車載用モニター取付具)が開示されている。該固定具は、機器(車載用モニター)が固定される棒状のアームと、該アームに取り付けられた二つの係止体(固定台)とを備える。各係止体には、ヘッドレストの支持棒(ヘッドレストステー)が挿通される挿通孔が設けられている。機器は、アームの一端に取り付けられ、二つの係止体は、夫々の挿通孔がヘッドレスト二本の支持棒の間隔に対応する間隔を隔てるように、アームに取り付けられている。固定具は、背もたれから一旦ヘッドレストを取り外して二つの係止部の挿通孔夫々に支持棒を挿通させることにより座席に取り付けられる。
特開2007−30877号公報
しかしながら、特許文献1に記載の固定具では、ヘッドレストを取り外すことができない車種には取り付けることができないという問題がある。また、係止体の挿通孔の大きさ又は材質等は製造段階で定められることとなるので、車種により異なる二本の支持棒の間隔又は支持棒の寸法等に対応することができないという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘッドレストの支持棒への取り付けが容易であり、様々な車種に対応できる固定具を提供することにある。
本発明に係る固定具は、機器を固定する固定部と、該固定部から突出する棒状の突出体と、該突出体に着脱可能に装着され、ヘッドレストの支持棒に係止するための係止体とを備え、機器を座席に固定する固定具において、前記突出体は、前記突出体の突出方向に延びる溝と、外周面に設けられ、前記係止体を係止して前記突出方向に摺動可能に案内する案内レールとを有し、前記係止体は、前記支持棒を係止するフック部と、該フック部の一端に延設され、前記溝に挿入されて前記突出方向に摺動可能に固定された凸部と、前記フック部の前記一端に設けられ、前記案内レールに係止される被係止部とを有することを特徴とする。
本発明に係る固定具は、前記突出体には、前記溝の底部にて、前記突出方向に延びる孔が貫設され、前記係止体は、前記凸部に設けられたねじ穴と、前記孔に挿通され、前記ねじ穴に螺合し、前記凸部を前記突出体に固定するねじとを有し、前記被係止部は、前記案内レールを覆う被覆体と、該被覆体から前記突出体の外周面に向けて突出する凸体とを有し、前記案内レールは、前記溝の側面側に位置し、前記突出方向に延びており、前記凸体を係止する凸条であり、前記孔の一端部は前記案内レールの一端部よりも延び、前記案内レールの前記一端部は前記溝の底部側に曲折しており、前記案内レールの他端部は前記孔の他端部よりも延びていることを特徴とする。
本発明に係る固定具は、前記係止体は、前記凸体を軸として回転可能であることを特徴とする。
本発明に係る固定具は、前記フック部の深さの寸法は、前記ヘッドレストの前記支持棒の径方向の寸法の半分よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る固定具は、前記係止体を二つ有し、該二つの係止体は、夫々の前記フック部の他端が前記突出方向において、対向するか又は反対向きになるように前記突出体に装着されていることを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドレストの支持棒への取り付けが容易であり、様々な車種に対応できる。
実施の形態1に係る固定具及び該固定具が取り付けられた座席を示す平面図である。 座席に取り付けられた固定具を示す斜視図である。 空気清浄機を固定した固定具を示す斜視図である。 図2のIV−IV線による断面図である。 固定具の取り付けの説明図である。 実施の形態2に係る固定具を示す斜視図である。 図6のVII−VII線による断面図である。 実施の形態3に係る固定具を示す斜視図である。 実施の形態3に係る固定具が取り付けられた座席を示す斜視図である。 実施の形態4に係る固定具を示す斜視図である。 実施の形態4に係る固定具を示す斜視図である。 第2係止部の取り付けの説明図である。 実施の形態5に係る固定具を示す斜視図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る固定具及び該固定具が取り付けられた座席を示す平面図である。図1において、1は、車輌の座席であり、座席1は、座部(不図示)に突設された背もたれ10と、該背もたれ10における前記座部の反対側の端面10aに取り付けられたヘッドレスト11とを備える。
ヘッドレスト11には、所定間隔を隔てて二本の円柱状の支持棒12,12が突設されている。各支持棒12は、背もたれ10の端面10aにおいて各支持棒12に対応する位置に設けられた孔(不図示)に挿入され、固定されている。これにより、各支持棒12はヘッドレスト11を背もたれ10の端面10aにて支持している。また、各支持棒12は、背もたれ10の端面10aの前記孔にて挿入量を調整して固定することができ、また背もたれ10から取り外すことができる。各支持棒12,12には固定具2が取り付けられており、該固定具2には空気清浄機3が固定されている。即ち、空気清浄機3は、固定具2を介して座席1に固定されている。なお、座席1に固定される機器は、空気清浄機3に限られず、液晶テレビ又はタブレット端末等であってもよい。
図2は、座席1に取り付けられた固定具2を示す斜視図であり、図3は、空気清浄機3を固定した固定具2を示す斜視図である。図4は、図2のIV−IV線による断面図である。図2では、空気清浄機3及びヘッドレスト11の図示を省略し、図3では、座席1の図示を省略している。また、図4では、空気清浄機3及び座席1の図示を省略している。
固定具2は、空気清浄機3が固定される固定ブロック20と、該固定ブロック20から互いに反対向きに突出する二本の棒状のアーム21,21と、各アーム21に着脱可能に装着され、固定具2を支持棒12に係止する二つの係止体22,22とを備える。固定具2は全体として、背もたれ10の端面10aよりも小さい。これにより、車輌の利用者が固定具2に衝突することによる固定具2の損壊又は利用者の怪我等を防止することができる。
図3に示すように、空気清浄機3は固定板30を介して、固定具2の固定ブロック20に固定されている。固定板30は、例えば直角に曲がった板であり、背もたれの形状に沿わせて配されて固定ブロック20にねじにより固定されている。また、空気清浄機3は固定板30にねじにより固定されている。
アーム21は、突出方向に長い短冊状の凸板21aと、該凸板21aの一面にて二つの長辺夫々から垂直に立ち上がる側板21b,21bとを有する。アーム21において凸板21a及び側板21b、21bによりアーム21の突出方向に延びる溝が形成されている。なお、アーム21は、溝が形成された四角柱又は円柱等であってもよい。
凸板21aには、前記突出方向に長い長孔21cが設けられている。各側板21bの外面には、夫々前記突出方向に長い凸条21dが設けられている。凸条21dは、固定ブロック20側の一端部が凸板21a側、即ち溝の底部側に向けて直角に曲折しており、全体としてL字状である。長孔21cの固定ブロック20側の一端部は、凸条21dの同側の一端部よりも固定ブロック20側に延びている。また、凸条21dの他端部は長孔21cの他端部よりも固定ブロック20の反対側に延びている。
係止体22は、半円のアーチ状をなし、対向する二枚の平板23a,23aと該平板23a,23aを接続する接続板23bとを有するフック部23を備える。接続板23bは、平板23a,23a夫々におけるアーチ部分に沿って設けられ、アーチ部分の開口の反対側部分を接続している。また、フック部23は、接続板23bの一方の端面、即ち、フック部23の一端に延設された凸部24を有する。平板23a,23aのアーチ部分の径、即ちフック部23の深さの寸法は、支持棒12の半径よりも大きい。なお、フック部23の深さの寸法は15mm以上であることが好ましい。これにより、現存のヘッドレストの支持棒の内、最大寸法である15mmの支持棒に対応することができ、現存の車種におけるすべての座席に対応できる。凸部24には、延設方向にねじ穴24aが設けられている。二つの係止体22,22は、夫々のフック部23の他端がアーム21の突出方向にて対向するようにアーム21に装着されている。
また、係止体22は、凸部24のねじ穴24aに螺合するねじ25を有する。ねじ25は、摘み部25a及び該摘み部25aに突設されたねじ部25bを有する。摘み部25aの直径は長孔21cの短径よりも大きい。ねじ部25bの直径は、長孔21cの短径よりも小さい径である。
更に係止体22は、凸部24側における平板23a,23a夫々の一端から凸部24の延設方向に突出し、互いに対向するように設けられた被覆体26,26を有する。また、図4に示すように、各被覆体26の対向部分には凸体27が設けられている。被覆体26及び凸体27は、凸条21dに係止される被係止部をなす。
係止体22の凸部24は、側板21b、21bの間、即ち溝に挿入され、凸板21aにおける反対側から、長孔21cにねじ部25bが挿入されたねじ25を、凸部24のねじ穴24aに螺合させることにより、係止体22がアーム21に装着される。このとき、各被覆体26は、アーム21の凸条21dを覆っている。また、凸体27は、側板21cの外面、即ちアーム21の外周面に接触し、凸条21dに係止されている。ねじ25の摘み部25aは長孔21cを通らずに凸板21aに引っ掛かるので、係止体22はアーム21に固定される。また、係止体22は、凸体27及びアーム21の凸条21dにより、アーム21と係止し合う。したがって、係止体22は、ねじ25及び凸部24のねじ穴の螺合を緩めた場合において、凸体27を軸としてアーム21に対して回転可能である。
図5は、固定具2の取り付けの説明図である。固定具2を取り付ける場合、固定具2を背もたれ10の端面10a及びヘッドレスト11の間に配し、ねじ25をねじ穴24aに緩く螺合させる。凸体27を軸として各係止体22を回転させて、図5に示すように、フック部23及びアーム21の距離を広げ、支持棒12を間に挟む。その後、ねじ25を強く締めることにより、凸部24をアーム21に固定し、固定具2は座席1に取り付けられる。
上記の構成によれば、フック部23をヘッドレスト12の支持棒11に引っ掛け、凸部24を凸板21a及び側板21b,21bにより形成された溝に挿入して固定することにより、容易に座席1に取り付けることができる。また、凸部24は前記溝において摺動可能であるので、二本の支持棒12,12の間隔に応じて二つの係止体22,22の位置を調整し、二本の支持棒12,12に取り付けることができる。したがって、固定具2は、支持棒12への取り付けが容易であり、様々な車種に対応できる。
振動等によりねじ25が緩むことで凸部24のアーム21への固定が外れた場合でも、凸体27が凸条21dに係止されるので、係止体22のアーム21からの脱落を防止できる。また、凸条21dによりアーム21の突出方向への移動が担保されている。なお、凸条21dに代えて、凸条21dに対応する位置に溝を形成して、凸体27を係止し、アーム21の突出方向への係止体22の移動を担保してもよい。
ねじ25及びねじ穴24aの螺合により容易に凸部24をアーム21に固定することができる。長孔21cの固定ブロック20側の一端部が凸条21dの同側の一端部よりも固定ブロック20側に延びている。したがって、係止体22は、凸条21dの一端部側から凸部24を溝に挿入した場合、凸体27が凸条21dに引っ掛からずに、容易にアーム21に装着できる。また、凸条21dの一端部が係止体22の反対側に曲折しているので、係止体22が凸条21dに沿って前記一端部まで移動した場合に、凸体27が凸条21dから抜け落ちることを防止できる。
更に、凸条21dの他端部は長孔21cの他端部よりも固体ブロック20の反対側に延びているので、係止体22が長孔21cの他端部に移動した場合に、ねじ25が長孔21cの他端部に引っ掛かり、凸体27が凸条21dから抜け落ちることを防止できる。
したがって、係止体22はアーム21から脱落しにくい。また、凸条21dの一端部のみを曲折させればよいので、固定具2の製造の際に、凸条21の両端部を曲折させるよりもアーム21の形成が容易となる。
更に、凸体27を軸として係止体22を回転させるだけで容易にフック部23及びアーム21の距離を離隔させ、ヘッドレスト11の支持棒12を挟み、フック部23を支持棒12に引っ掛けることができる。これにより、固定具2は座席1に容易に取り付けることができる。
また、フック部23の深さの寸法は、支持棒12の半径よりも大きいので、ヘッドレスト11の支持棒12はフック部23に深く引っ掛かる。したがって、振動等によりねじ25が緩むことで凸部24及び溝の固定が緩み、凸条21dから凸体27が抜け落ち、フック部23及びアーム21が離隔した場合であっても、支持棒12がフック部23から抜け落ちることを抑制できる。
更に、二つの係止体22,22は、夫々のフック部23の他端がアーム21の突出方向にて対向するようにアーム21に装着されている。したがって、一方の係止体22が支持棒12から外れた場合であっても、他方の係止体22においては、凸部24が延設された側に支持棒12がより深く引っかかることとなるので、固定具2が座席1から外れにくい。なお、二つの係止体22,22は、夫々のフック部23の一端がアーム21の突出方向にて対向するようにアーム21に装着されていてもよい。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る固定具2を示す斜視図であり、図7は、図6のVII−VII線による断面図である。実施の形態2に係る固定具2の構成について、実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態2の固定具2は、各側板21bにおいて、凸条21dに対応する位置に凸条21dでなく、長孔21eが設けられている。また、係止体22の各被覆体26には凸体27,27でなく、両被覆体26の対向部分に接続された軸体28が設けられている。軸体28は、長孔21eに挿通されている。係止体22は、軸体28を軸として回転することができる。軸体28を有する固定具2においては、例えば、3Dプリンタにより全体を一体として形成することができる。
上記の構成によれば、アーム21に装着された係止体22は、軸体28が長孔21eから抜け落ちず、アーム21から脱落しにくい。また、軸体28を軸として回転させるだけで容易に係止体22及びアーム21の距離を離隔及び近接させることができ、ヘッドレスト11の支持棒12を挟んで固定具2を座席1に容易に取り付けることができる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3に係る固定具2を示す斜視図である。図9は、実施の形態3に係る固定具2が取り付けられた座席1を示す斜視図である。実施の形態3に係る固定具2の構成について、実施の形態1と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、図8においては、係止体22,22の図示は省略している。
実施の形態3に係る固定具2の各アーム21の凸板21aにおける固定ブロック20の反対側の前記他端部には、ねじ孔21fが貫設されている。また、固定具2は、空気清浄機3が固定されるアタッチメント29を有する。アタッチメント29は有底の筒状をなし、底面側部分に外側に突出するフランジ部29aが設けられている。更に、アタッチメント29は、フランジ部29aの反対側部分に貫通孔29bが設けられている。
アタッチメント29は、貫通孔29bをアーム21のねじ孔21fに対応させて取り付けられ、ねじをねじ穴21fに螺合させることにより固定される。また、フランジ部29aには、図9に示すように、空気清浄機3が固定される。アタッチメント29のフランジ部29a側部分及び空気清浄機3は背もたれ10の端面10aから突出している。
上記の構成によれば、座席1の後部に座席が設けられている場合に、後部の座席の着席者の邪魔にならないように空気清浄機3を座席1に取り付けることができる。
(実施の形態4)
図10及び図11は、実施の形態4に係る固定具4を示す斜視図である。固定具4は、実施の形態1と同様の構成の座席1に取り付けられ、空気清浄機3を座席1に固定する。図10においては、ヘッドレスト11及び空気清浄機3の図示は省略している。固定具4は背もたれ10の端面10aに配される。
固体具4は、棒状のアーム40と、該アーム40の中央に取り付けられ、空気清浄機3が固定される固定板41とを備える。また、固定具4は、固定板41を挟むように配され、アーム40に摺動可能に取り付けられた二つの係止体42,42を備える。
係止体42は、固定具4をヘッドレスト11の支持棒12に係止する第1係止部43と、固定具4を背もたれ10に係止する第2係止部44とを有する。第1係止部43は、アーム40に摺動可能に挿通される筒状の基部43aと、該基部43aの外周面から突設されたプレート43bとを有する。プレート43bには、支持棒12が挿通される挿通孔43cが貫設されている。第2係止部44は、プレート状をなし、第1係止部43のプレート43bに対向配置されており、第1係止部43の挿通孔43cに対応する位置にU字状の切り欠き44aが設けられている。
第1係止部43の基部43aにはアーム40が挿通されている。第1係止部43のプレート43b及び第2係止部44は、所定距離離隔した状態で、例えばボルト及びナットにより互いに固定されている。このとき、切り欠き44aの開口は、固定板41の反対側に位置している。また、二つの係止体42、42は、互いの第2係止部44の切り欠き44aの開口部分が反対向きになるようにアーム40に取り付けられている。支持棒12は、第1係止部43の挿通孔43cに挿通され、係止部44のU字状の切り欠き44a内に位置している。
図12は、第2係止部44の取り付けの説明図である。背もたれ10の端面10aには、各支持棒12を保持する二つの保持体13,13が設けられている。保持体13は、直方体状をなし、中央に支持棒12が挿通される挿通孔13aが設けられている。背もたれ10の端面10a及び保持体13の間には、若干の隙間(不図示)がある。
係止体42の第2係止部44は、切り欠き44aの開口部分を保持体13に向けて、端面10a及び保持体13の間の隙間に入り込むように取り付けられる。また、各係止体42は、第1係止部43のプレート43a及び第二係止部の間に保持体13が位置するように、座席1に取り付けられる。
第1係止部43の挿通孔43cに支持棒12が挿通されることにより。固定具4は支持棒12に強固に係止される。また、ヘッドレスト11を支持棒12の軸長方向に移動させた場合であっても、第2係止部44が保持体13に引っ掛かるので、支持棒12の移動に伴って固定具4が移動してしまうことを防止できる。
(実施の形態5)
図13は、実施の形態5に係る固定具4を示す斜視図である。実施の形態5に係る固定具4の構成について、実施の形態4と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態5に係る固定具4は、固定板41を有していない。また、各係止体42は、一方がアーム40の中央に位置し、他方が、アーム40の一端部に位置している。また、アーム40の他端部には、空気清浄機3が固定されるアタッチメント45が取り付けられている。アーム40は、背もたれ10の端面10aから突出しておらず、アタッチメント45が背もたれ10の端面10aから突出している。
上記の構成によれば、座席1の後部に座席が設けられている場合に、後部の座席の着席者の邪魔にならないように座席1に空気清浄機3を取り付けることができる。
本発明に係る固定具(2)は、機器(3)を固定する固定部(20)と、該固定部(20)から突出する棒状の突出体(21)と、該突出体(21)に着脱可能に装着され、ヘッドレスト(11)の支持棒(12)に係止するための係止体(22)とを備え、機器(3)を座席(1)に固定する固定具(2)において、前記突出体(21)は、前記突出体(21)の突出方向に延びる溝と、外周面に設けられ、前記係止体(22)を係止して前記突出方向に摺動可能に案内する案内レール(21d,21e)とを有し、前記係止体(22)は、前記支持棒(12)を係止するフック部(23)と、該フック部(23)の一端に延設され、前記溝に挿入されて前記突出方向に摺動可能に固定された凸部(24)と、前記フック部(23)の前記一端に設けられ、前記案内レール(21d,21e)に係止される被係止部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、フック部(23)をヘッドレスト(11)の支持棒(12)に引っ掛けて、凸部(24)を溝に挿入して固定することにより、容易に座席(1)に取り付けることができる。また、凸部(24)は溝において摺動可能であるので、二本の支持棒(12)の間隔に応じて取り付けることができる。したがって、本発明に係る固定具(2)は、支持棒(12)への取り付けが容易であり、様々な車種に対応できる。
また、凸部(24)の突出体(21)への固定が外れた場合でも、被係止部が案内レール(21d,21e)に係止されるので、係止体(22)が突出体(21)から脱落することを防止できる。また、案内レール(21d,21e)により突出体(21)の突出方向への係止体(22)の移動が担保されている。
本発明に係る固定具(2)は、前記突出体(21)には、前記溝の底部(21a)にて、前記突出方向に延びる孔(21c)が貫設され、前記係止体(22)は、前記凸部(24)に設けられたねじ穴(24a)と、前記孔(21c)に挿通され、前記ねじ穴(24a)に螺合し、前記凸部(24)を前記突出体(21)に固定するねじ(25)とを有し、前記被係止部は、前記案内レール(21d)を覆う被覆体(26)と、該被覆体(26)から前記突出体(21)の外周面に向けて突出する凸体(27)とを有し、前記案内レール(21d)は、前記溝の側面側に位置し、前記突出方向に延びており、前記凸体(27)を係止する凸条(21d)であり、前記孔(21c)の一端部は前記案内レール(21d)の一端部よりも延び、前記案内レール(21d)の前記一端部は前記溝の底部(21a)側に曲折しており、前記案内レール(21d)の他端部は前記孔の他端部よりも延びていることを特徴とする。
本発明によれば、凸体(27)が案内レール(21d)に係止されるので、係止体(22)が突出体(21)から脱落することを防止できる。また、ねじ(25)及びねじ穴(24a)の螺合により容易に凸部(24)を突出体(21)に固定することができる。
また、孔(21c)の一端部が案内レール(21d)の一端部よりも延びている。したがって、係止体(22)は、案内レール(21d)の一端部側から凸部(24)を溝に挿入した場合、凸体(27)が案内レール(21d)に引っ掛からず、容易に突出体(21)に装着できる。また、案内レール(21d)の一端部が前記係止体(22)の反対側に曲折しているので、係止体(22)が案内レール(21d)に沿って前記一端部まで移動した場合に、案内レール(21d)の一端部から凸体(27)が抜け落ちることを防止できる。
更に、前記案内レール(21d)の他端部は孔(21c)の他端部よりも延びているので、係止体(22)が孔(21c)の他端部に移動した場合に、ねじ(25)が孔(21c)の他端部に引っ掛かり、凸体(27)が案内レール(21d)から抜け落ちることを防止できる。
したがって、係止体(22)は、案内レール(21d)から脱落しにくい。また、案内レール(21d)の一端部のみを曲折させればよいので、固定具(2)の製造の際に、案内レール(21d)の両端部を曲折させるよりも突出体(21)の成形が容易となる。
本発明に係る固定具(2)は、前記係止体(22)は、前記凸体(27)を軸として回転可能であることを特徴とする。
本発明によれば、凸体(27、28)を軸として回転させるだけで容易にフック部(23)及び突出体(21)の距離を離隔させ、ヘッドレスト(11)の支持棒(12)を挟み、フック部(23)を支持棒(12)に引っ掛けることができる。これにより、固定具(2)を座席(1)に容易に取り付けることができる。
本発明に係る固定具(2)は、前記フック部(23)の深さの寸法は、前記ヘッドレスト(11)の支持棒(12)の径方向の寸法の半分よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドレスト(11)の支持棒(12)は、フック部(23)に、より深く引っかかる。したがって、凸部(24)及び溝の固定が緩み、案内レール(21d)から被係止部が外れ、フック部(23)及び突出体(21)が離隔した場合であっても、支持棒(12)がフック部(23)から抜け落ちることを抑制できる。
本発明に係る固定具(2)は、前記係止体(22,22)を二つ有し、該二つの係止体(22,22)は、夫々の前記フック部(23)の他端が前記突出方向において、対向するか又は反対向きになるように前記突出体(21)に装着されていることを特徴とする。
本発明によれば、二つの係止体(22,22)の一方が支持棒(12)から外れた場合であっても、他方の係止体(22)においては、凸部(24)が延設された側に支持棒(12)がより深く引っかかることとなるので、固定具(2)が座席(1)から外れにくい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
1 座席
2 固定具
3 空気清浄機(機器)
20 固定ブロック(固定部)
21 アーム(突出体)
21a 凸板(底部)
21c 長孔(孔)
21d 凸条(案内レール)
21e 長孔(案内レール)
22 係止体
23 フック部
24 凸部
24a ねじ穴
25 ねじ
26 被覆体
27 凸体
28 軸体(凸体)

Claims (5)

  1. 機器を固定する固定部と、該固定部から突出する棒状の突出体と、該突出体に着脱可能に装着され、ヘッドレストの支持棒に係止するための係止体とを備え、機器を座席に固定する固定具において、
    前記突出体は、
    前記突出体の突出方向に延びる溝と、
    外周面に設けられ、前記係止体を係止して前記突出方向に摺動可能に案内する案内レールと
    を有し、
    前記係止体は、
    前記支持棒を係止するフック部と、
    該フック部の一端に延設され、前記溝に挿入されて前記突出方向に摺動可能に固定された凸部と、
    前記フック部の前記一端に設けられ、前記案内レールに係止される被係止部と
    を有し、
    前記突出体には、前記溝の底部にて、前記突出方向に延びる孔が貫設され、
    前記係止体は、前記凸部に設けられたねじ穴と、前記孔に挿通され、前記ねじ穴に螺合し、前記凸部を前記突出体に固定するねじとを有し、
    前記被係止部は、前記案内レールを覆う被覆体と、該被覆体から前記突出体の外周面に向けて突出する凸体とを有し、
    前記案内レールは、前記溝の側面側に位置し、前記突出方向に延びており、前記凸体を係止する凸条である
    ことを特徴とする固定具。
  2. 記孔の一端部は前記案内レールの一端部よりも延び、
    前記案内レールの前記一端部は前記溝の底部側に曲折しており、
    前記案内レールの他端部は前記孔の他端部よりも延びていること
    を特徴とする請求項1に記載の固定具。
  3. 前記係止体は、前記凸体を軸として回転可能であることを特徴とする請求項2に記載の固定具。
  4. 前記フック部の深さの寸法は、前記ヘッドレストの前記支持棒の径方向の寸法の半分よりも大きいことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の固定具。
  5. 前記係止体を二つ有し、
    該二つの係止体は、夫々の前記フック部の他端が前記突出方向において、対向するか又は反対向きになるように前記突出体に装着されていること
    を特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の固定具。
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