以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下、説明の便宜上、各図に示した方向を基準にして説明する。
図1を参照して、画像形成装置の一例としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。図1はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す正面図である。
カラープリンター1は、略直方体状に形成される装置本体2を備えている。装置本体2の下部には、給紙カセット3が着脱可能に設けられている。装置本体2の上面には、排紙トレイ4が設けられている。
カラープリンター1は、給紙部5と、画像形成部6と、定着装置7と、を装置本体2の内部に備えている。給紙部5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延設される搬送路8に向けて給紙カセット3内のシートSを送り出す。画像形成部6は、搬送路8の中間部に設けられている。定着装置7は、搬送路8の下流側に設けられている。なお、シートSは、紙製の用紙に限らず、樹脂フィルム等を含む。
画像形成部6は、4つのトナーコンテナ10K,10C,10M,10Yと、中間転写ベルト11と、4つのドラムユニット12と、光走査装置13と、含んでいる。中間転写ベルト11は、各トナーコンテナ10K,10C,10M,10Yの下側に配置されている。4つのドラムユニット12は、中間転写ベルト11の下側に配置されている。光走査装置13は、各ドラムユニット12の下側に配設されている。
現像剤容器の一例としての4つのトナーコンテナ10K,10C,10M,10Yは、4色のトナー(現像剤)を収容している。なお、トナーは、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよい。なお、以下の説明では、4つのトナーコンテナ10K,10C,10M,10Yに共通する説明では、算用数字のみを付すこととする。
各ドラムユニット12は、感光体ドラム14と、帯電装置15と、現像装置16と、一次転写ローラー17と、クリーニング装置18と、を含んでいる。なお、4つのドラムユニット12は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット12について説明する。
感光体ドラム14は、中間転写ベルト11の下側に接触している。帯電装置15は、感光体ドラム14の表面を帯電させる。光走査装置13は、感光体ドラム14に向けて走査光を出射する(静電潜像の形成)。現像装置16は、感光体ドラム14の表面の静電潜像をトナー像に現像する。一次転写ローラー17は、図1の矢印方向に移動する中間転写ベルト11にトナー像を一次転写する。
中間転写ベルト11の右側には、二次転写ニップ部Nを形成する二次転写ローラー19が配置されている。中間転写ベルト11には、4色のトナー像が重ねられることでフルカラーのトナー像が形成される。このフルカラーのトナー像は、二次転写ニップ部Nを通過するシートSに二次転写される。定着装置7は、トナー像をシートSに定着させる。定着処理後のシートSは、排紙トレイ4に排出される。
次に、図2ないし図6を参照して、第1実施形態に係るトナーコンテナ10について説明する。図2はトナーコンテナ10および装着部2aを示す斜視図である。図3はトナーコンテナ10を示す斜視図である。図4は、図3のIV−IV断面図である。図5は、図3のV−V断面図である。図6はトナーコンテナ10の攪拌部材22を模式的に示す側面図である。
図2に示すように、装置本体2の上部には、装着部2aが設けられている。装着部2aには、4つのトナーコンテナ10が左右方向に並べられて装着される。装置本体2の上部には、排紙トレイ4を構成するトップカバー(図示せず)が回動可能に支持されている。作業者は、トップカバーを上方に回動させて装着部2aを開放し、装着部2aに対してトナーコンテナ10の着脱作業を行う。
4つのトナーコンテナ10は、中間転写ベルト11の移動方向上流側から順にブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナーを収容している(図1参照)。ブラックのトナーを収容するトナーコンテナ10Kは、他のトナーコンテナ10C,10M,10Yよりも大きな容量に形成されている。他のトナーコンテナ10C,10M,10Yは、いずれも同一容量、同一形状に形成されている。なお、4つのトナーコンテナ10の基本構成は略同様であるため、以下、イエローのトナーを収容するトナーコンテナ10について説明する。
図3ないし図5に示すように、トナーコンテナ10は、容器本体20と、搬送スクリュー21と、攪拌部材22と、を含んでいる。容器本体20は、トナー(現像剤)を収容するように形成されている。搬送スクリュー21は、容器本体20の内部のトナーを搬送するために設けられている。攪拌部材22は、容器本体20の内部のトナーを攪拌するために設けられている。
図3に示すように、容器本体20は、例えば、合成樹脂製で前後方向に長い略直方体状に形成されている。容器本体20は、正面から見て上下方向に長い矩形状に形成されている(図5参照)。容器本体20の内部には、トナーを収容するための貯留室が形成されている。
容器本体20は、収容部23と、蓋部24と、を有している。収容部23は、上面を開放された略箱状に形成されている。蓋部24は、収容部23の上面開口を封止するように設けられている。
図4および図5に示すように、収容部23は、底壁25の周囲に立設される一対の側壁26L,26Rと一対の端壁27F,27Bとを含んでいる。一対の側壁26L,26Rは、底壁25を挟んで左右方向に対向して配置されている。一対の端壁27F,27Bは、底壁25を挟んで前後方向に対向して配置されている。
図5に示すように、底壁25は、正面から見て、下向きに膨出する搬送湾曲部25aと攪拌湾曲部25bとを有している。搬送湾曲部25aは、攪拌湾曲部25bの右側に連設されている。搬送湾曲部25aは、攪拌湾曲部25bよりも左右方向に幅狭く(小さな曲率半径に)形成されている。搬送湾曲部25aの前部には、トナー排出口28が穿設されている(図4参照)。また、図示は省略するが、搬送湾曲部25aの前部には、トナー排出口28を開閉するためのシャッターが設けられている。
図3および図4に示すように、前側の端壁27Fには、操作レバー20aが回動可能に設けられている。また、前側の端壁27Fには、操作レバー20aの回動支点を覆うカバー20bが取り付けられている。トナーコンテナ10を装着部2aに装着した状態(装着状態)で、操作レバー20aを回動させると、シャッターが移動し、トナー排出口28が開閉される。なお、装着状態でトナー排出口28が開放されると、トナー排出口28は、トナー補給路(図示せず)を介して現像装置16の補給口(図示せず)に接続される。
収容部23の上部には、外側に延出する本体側フランジ23aが形成されている。蓋部24の下部には、外側に延出する蓋側フランジ24aが形成されている。蓋部24は、蓋側フランジ24aを本体側フランジ23aに接合することで、収容部23に固定される。
図4および図5に示すように、搬送スクリュー21は、搬送湾曲部25aの上側に配設されている。搬送スクリュー21は、スクリュー軸21aと、螺旋羽根21bと、を有している。スクリュー軸21aは、前後一対の端壁27F,27Bに回転可能に支持されている。螺旋羽根21bは、スクリュー軸21aの周面に設けられている。図示は省略するが、スクリュー軸21aは、伝達機構を介して駆動モーターに接続されている。搬送スクリュー21は、駆動モーターから駆動力の入力を受け、スクリュー軸21aを中心に回転する。
図4および図5に示すように、攪拌部材22は、攪拌湾曲部25bの上側に配設されている。攪拌部材22は、攪拌回転軸30と、2枚の攪拌羽根31A,31Bと、を有している。攪拌回転軸30は、容器本体20の内部に回転可能に支持されている。2枚の攪拌羽根31A,31Bは、攪拌回転軸30の長手方向に沿って固定されている。
攪拌回転軸30は、例えば、合成樹脂製で前後方向に長い棒状に形成されている。攪拌回転軸30は、前後一対の端壁27F,27Bの間に架設されている(図4参照)。攪拌回転軸30は、攪拌湾曲部25bと各側壁26L,26Rの下側とに対して略同一距離だけ離れた位置に設けられている(図5参照)。
攪拌回転軸30は、軸本体30aと、一対の支軸部30bと、を有している。軸本体30aは、正面から見て略矩形状に形成されている(図5参照)。一対の支軸部30bは、軸本体30aの前後両端に連設されている(図4参照)。一対の支軸部30bは、前後一対の端壁27F,27Bに軸支されている。なお、図示は省略するが、攪拌回転軸30は、伝達機構を介して駆動モーターに接続されている。攪拌部材22は、駆動モーターから駆動力の入力を受け、攪拌回転軸30を中心に回転する。
2枚の攪拌羽根31A、31Bは、例えば、可撓性を有する合成樹脂製(ポリエチレンテレフタラート等)のフィルムで形成されている。図6に示すように、各攪拌羽根31A,31Bは、前後方向に長い略台形状に形成されている。各攪拌羽根31A,31Bは、軸本体30aと略同じ長さに形成されている。2枚の攪拌羽根31A,31Bは、攪拌回転軸30の周方向に180°ずれた位置で攪拌回転軸30から径方向外側に向けて延出している。つまり、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、攪拌回転軸30を中心にして互いに反対方向に延出している。
各攪拌羽根31A,31Bの基端側(攪拌回転軸30側)の一辺は、攪拌回転軸30と平行に形成され、軸本体30aに固定されている。軸本体30aに固定された2枚の攪拌羽根31A,31Bは、側面から見て平行四辺形状に形成されている。
各攪拌羽根31A,31Bの先端側の一辺は、攪拌回転軸30に対して傾斜して形成されている。詳細には、攪拌羽根31Aの先端部は、後方から前方に向けて径方向外側から内側に傾斜している。一方、攪拌羽根31Bの先端部は、後方から前方に向けて径方向内側から外側に傾斜している。攪拌羽根31Bは、攪拌羽根31Aを上下および前後に反転させたときの形状に一致している。換言すれば、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、攪拌回転軸30の軸方向中央を対称点として点対称となる形状に形成されている。更に換言すれば、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、それぞれ、軸方向に亘って不均一な径方向長さに形成されている。なお、径方向長さとは、軸本体30aに対する各攪拌羽根31A,31Bの固定部分から各攪拌羽根31A,31Bの先端までの距離を指す。
図5に示すように、攪拌羽根31は、攪拌回転軸30(の軸心)から容器本体20の内面までの距離よりも長く形成されている。詳細には、攪拌羽根31は、攪拌湾曲部25bの内面、各側壁26L,26Rの内面および蓋部24の内面の一部に接触する長さに形成されている。各攪拌羽根31A,31Bは、径方向に最も短い部分でも、上記の内面に接触するように形成されている。なお、蓋部24の内面には、攪拌羽根31が接触しない部分も存在する。
図6に示すように、2枚の攪拌羽根31A,31Bにおいて、軸方向の何れかの位置で周方向の各攪拌羽根31A,31Bの径方向長さを合計した値(以下、「合計値」ともいう。)は、軸方向の何れの位置であっても均一に設定されている。以下、詳細に説明する。
仮に、攪拌回転軸30に沿って前方から後方に向けて3つの点(点F、点M、点R)を設定する。「点F」において、攪拌羽根31Aの径方向長さをA1とし、攪拌羽根31Bの径方向長さをB1とし、これらの合計値をT1とする。これと同様に、「点M」において、攪拌羽根31Aの径方向長さA2と攪拌羽根31Bの径方向長さB2との合計値をT2とし、「点R」において、攪拌羽根31Aの径方向長さA3と攪拌羽根31Bの径方向長さB3との合計値をT3とする。この場合、3つの合計値T1,T2,T3は、同一の値になっている(T1=T2=T3)。すなわち、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、それぞれ、軸方向の何れの位置であっても合計値が均一に(等しく)なるように形成されている。
次に、図7を参照して、トナーコンテナ10の作用について説明する。図7はトナーコンテナ10の攪拌部材22の状態を説明する断面図である。図7では、説明を簡単にするため、1つの攪拌羽根31Aのみを図示している。以下、攪拌羽根31Aに着目して説明する。なお、トナーコンテナ10は、装着部2aに装着されているものとする。
画像形成処理の実行によってトナーが消費されると、カラープリンター1の制御装置(図示せず)は、以下のようにトナーの補給動作を実行する。駆動モーターは、制御装置に駆動制御され、攪拌部材22および搬送スクリュー21を図7で反時計回りに回転させる。攪拌羽根31A(31B)は、攪拌回転軸30を中心に回転することで、攪拌湾曲部25b上のトナーを攪拌する。
攪拌羽根31Aは、蓋部24側に位置するとき、容器本体20の内面に接触しない第1の状態になる。第1の状態から攪拌部材22が回転すると、攪拌羽根31Aの先端部は、蓋部24の側面から左側の側壁26Lに接触する第2の状態になる。このとき、攪拌羽根31Aが蓋部24等に接触して衝突音を発生させる。攪拌部材22の回転が進むと、攪拌羽根31Aは、回転方向上流側に曲げられた状態(撓んだ状態)で、左側の側壁26Lから攪拌湾曲部25bに向けて摺動する。その後、攪拌羽根31Aは、搬送スクリュー21に接触する第3の状態になる。このとき、攪拌羽根31Aが搬送スクリュー21に接触して衝突音を発生させる。攪拌部材22の回転が進むと、攪拌羽根31Aは、搬送スクリュー21を通過して右側の側壁26Rに接触する第4の状態になる。このとき、攪拌羽根31Aが僅かに撓みを開放するため弾き音を発生させる。また、攪拌羽根31Aが側壁26Rに接触して衝突音を発生させる。更に攪拌部材22の回転が進むと、攪拌羽根31Aが右側の側壁26Rから離れて蓋部24の天面に接触する第5の状態になる。このとき、攪拌羽根31Aは、自身の弾性力(復元力)によって撓みを開放するため弾き音を発生させる。また、攪拌羽根31Aが蓋部24の天面に接触して衝突音を発生させる。
以上のように、攪拌羽根31A(および31B)は、攪拌湾曲部25bの内面や側壁26L,26Rの下側内面に付着したトナーを掻き落す。また、攪拌羽根31A(および31B)は、攪拌湾曲部25b上のトナーを搬送湾曲部25aに押し出す。搬送スクリュー21の螺旋羽根21bは、スクリュー軸21aを中心に回転することで、搬送湾曲部25a上のトナーをトナー排出口28(図4参照)に向けて搬送する。これにより、トナーは、トナー排出口28からトナー補給路(図示せず)を通って現像装置16に補給される。
ところで、トナーコンテナ10に収容されたトナーの残量が少なくなると、上記した衝突音や弾き音等の異音が大きくなることがある。また、2枚の攪拌羽根31A,31Bが容器本体20の内面を擦る摺擦音も大きくなることがある。そこで、第1実施形態に係るトナーコンテナ10は、軸方向に曲げ剛性の異なる2枚の攪拌羽根31A,31Bを設けることで上記の不具合を解決している。
図7に示すように、攪拌羽根31A(および31B)は、容器本体20の内面を摺動するため、回転方向上流側に曲がる(撓む)。図6に示すように、各攪拌羽根31A,31Bの径方向長さは、軸方向に沿って不均一になるように形成されている。このため、各攪拌羽根31A,31Bは、軸方向に亘って不均一な曲げ剛性を有している。
各攪拌羽根31A,31Bにおいて、径方向長さが短い部分(例えば、A1やB3)は、高い曲げ剛性を有し、曲がり難く(撓み難く)なる。この曲げ剛性が高い部分は、高い圧力で容器本体20の内面に接触して摺り動くため、衝突音および摺擦音を発生させる。また、この曲げ剛性が高い部分は、急激に撓みを開放するため、容器本体20の内面から素早く離れた後に蓋部24の天面に接触する。このとき、弾き音および衝突音が発生する。一方、各攪拌羽根31A,31Bにおいて、径方向長さが長い部分(例えば、A3やB1)は、低い曲げ剛性を有し、曲がり易く(撓み易く)なる。この曲げ剛性が低い部分は、大きく撓みながら低い圧力で容器本体20の内面に接触して摺り動く。したがって、衝突音および摺擦音の発生が抑制される。また、この曲げ剛性が低い部分は、ゆっくりと撓みを開放するため、容器本体20の内面からゆっくりと離れた後に蓋部24の天面に接触する。したがって、弾き音および衝突音の発生が抑制される。
以上説明した第1実施形態に係るトナーコンテナ10によれば、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、軸方向に沿って異なる曲げ剛性を有している。したがって、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、同時に高い圧力で容器本体20の内面に接触することがない。これにより、大きな衝突音や摺擦音の発生を防止することができる。また、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、それぞれ、タイミングをずらして容器本体20の内面から離間する。つまり、2枚の攪拌羽根31A,31Bの先端部が同時に容器本体20の内面から離れることがない。これにより、大きな弾き音や衝突音の発生を防止することができる。
第1実施形態に係るトナーコンテナ10によれば、攪拌羽根31Aは、後方から前方に向けて徐々に径方向長さを減少(曲げ剛性を増加)させるように形成されている。攪拌羽根31Bは、後方から前方に向けて徐々に径方向長さを増加(曲げ剛性を減少)させるように形成されている。2枚の攪拌羽根31A,31Bは、曲げ剛性の高い部分と低い部分とを前後方向に入れ替えた状態で配置されている。2枚の攪拌羽根31A,31Bは、軸方向の何れの位置であっても等しい合計値になるように形成されている。すなわち、周方向に並ぶ2枚の攪拌羽根31A,31Bの曲げ剛性を合計した値は、軸方向の何れの位置であっても同じ値になる。したがって、2枚の攪拌羽根31A,31Bは、軸方向に亘って曲げ剛性を均一化され、掻き取り能力のバランスをとるように形成される。2枚の攪拌羽根31A,31Bは、回転されることで、軸方向に亘って略均一な圧力を容器本体20の内面に作用させる。これにより、容器本体20の内面に付着したトナーを適切に掻き取ることができる。また、容器本体20内のトナーを適切に攪拌することができる。
なお、第1実施形態に係るトナーコンテナ10は、2枚の攪拌羽根31A,31Bを備えていたが、本発明はこれに限定されない。攪拌羽根31A,31Bを2枚以上備えていてもよい。図8に示すように、第1変形例に係るトナーコンテナ10は、4枚の攪拌羽根31A,31B,31C,31Dを攪拌回転軸30(軸本体30a)に固定している。この場合であっても、4枚の攪拌羽根31A〜31Dにおいて、軸方向の何れかの位置で周方向4枚の攪拌羽根31A〜31Dの径方向長さを合計した値(合計値)は、軸方向の何れの位置であっても均一に設定されている。
なお、第1実施形態に係るトナーコンテナ10は、独立した2枚の攪拌羽根31A,31Bを備えていたが、本発明はこれに限定されない。図9に示すように、第2変形例に係るトナーコンテナ10は、一枚の長方形状の攪拌フィルム32を、二分割された攪拌回転軸33で挟み込んでいる。この場合、攪拌回転軸33は、攪拌フィルム32を斜めに横断するように設けられる。攪拌フィルム32は、攪拌回転軸33を挟んで二枚の攪拌羽根34A,34Bを構成する。
次に、図10を参照して、第2実施形態に係るトナーコンテナ40について説明する。図10はトナーコンテナ40の攪拌部材22を模式的に示す側面図である。なお、以下、第1実施形態に係るトナーコンテナ10と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
トナーコンテナ40は、周方向に180°ずれた位置で攪拌回転軸30から径方向外側に向けて延出する2枚の攪拌羽根50A,50Bを有している。2枚の攪拌羽根50A,50Bの先端部は、それぞれ、複数の段差60を介して凹状または凸状に形成されている。詳細には、攪拌羽根50Aの先端部は、後方から前方に向けて径方向外側から内側に傾斜する階段状に形成されている。一方、攪拌羽根50Bの先端部は、後方から前方に向けて径方向内側から外側に傾斜する階段状に形成されている。攪拌羽根50A(50B)は、段差60を介して複数(例えば7つ)の攪拌面部61A(61B)を軸方向に連ねて一体に形成されている。各攪拌面部61A,61Bは、径方向に長い矩形状に形成されている。複数の攪拌面部61A,61Bの先端部は、それぞれ、攪拌回転軸30と平行に形成されている。
複数の攪拌面部61Aは、後方から前方に向けて径方向長さを減少(曲げ剛性を増加)させるように形成されている。複数の攪拌面部61Bは、後方から前方に向けて径方向長さを増加(曲げ剛性を減少)させるように形成されている。
軸方向の何れかの位置で周方向2枚の攪拌面部61A,61Bの径方向長さを合計した値(合計値)は、軸方向の何れの位置であっても均一に設定されている。例えば、最前端の攪拌面部61Aの径方向長さA11と、最前端の攪拌面部61Bの径方向長さB11との合計値をT11とする。これと同様に、軸方向中央の攪拌面部61Aの径方向長さA21と、攪拌面部61Bの径方向長さB21との合計値をT21とする。この場合、2つの合計値T11,T21は、同一の値になっている(T11=T21)。すなわち、複数の攪拌面部61A,61Bは、それぞれ、軸方向のいずれの位置であっても上記の合計値が均一(等しく)になるように形成されている。
径方向長さが短い攪拌面部61A,61Bは、高い曲げ剛性を有するため、高い圧力で容器本体20の内面に接触し、且つ容器本体20の内面から素早く離れる。このとき、弾き音や衝突音(異音)が発生する。一方、径方向長さが長い攪拌面部61A,61Bは、低い曲げ剛性を有するため、低い圧力で容器本体20の内面に接触し、且つ容器本体20の内面からゆっくりと離れる。したがって、異音の発生が抑制される。以上説明した第2実施形態に係るトナーコンテナ40によれば、複数の攪拌面部61A,61Bが、同時に容器本体20の内面から離間することがない。これにより、大きな異音の発生を抑制することができる。
また、複数の攪拌面部61A,61Bは、軸方向の何れの位置であっても、径方向長さの合計値を等しくする形状を有している。すなわち、周方向に並ぶ2枚の攪拌面部61A,61Bの曲げ剛性を合計した値は、軸方向の何れの位置であっても同じ値になる。したがって、2枚の攪拌羽根50A,50Bは、軸方向に亘って曲げ剛性を均一化され、掻き取り能力のバランスをとるように形成される。複数の攪拌面部61A,61Bは、回転されることで、軸方向に亘って略均一な圧力を容器本体20の内面に作用させる。これにより、トナーの掻き取りやトナーの攪拌を適切に行うことができる。
なお、第2実施形態に係るトナーコンテナ40は、各攪拌羽根50A,50Bの先端部は、階段状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、第2実施形態の変形例に係るトナーコンテナ40は、複数の径方向長さの異なる攪拌面部61A,61Bを軸方向にランダムに配置している。この場合、複数の攪拌面部61A,61Bは、それぞれ、軸方向のいずれの位置であっても上記の合計値が均一(等しく)になるように形成される。
なお、図示は省略するが、第2実施形態に係るトナーコンテナ40は、第1実施形態の第1変形例(図8参照)と同様に、攪拌羽根50A,50Bを2枚以上備えていてもよい。また、図示は省略するが、第2実施形態に係るトナーコンテナ40は、第1実施形態の第2変形例(図9参照)と同様に、一枚の攪拌フィルムを、二分割された攪拌回転軸で挟み込んでもよい。
次に、図12を参照して、第3実施形態に係るトナーコンテナ41について説明する。図12はトナーコンテナ41の攪拌部材22を模式的に示す側面図である。なお、以下、第1または第2実施形態に係るトナーコンテナ10,40と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
トナーコンテナ41は、第2実施形態に係る攪拌羽根50A,50Bと略同様の攪拌羽根51A,51Bを有している。各攪拌羽根51A,51Bの先端部は、段差60を介して階段状に形成されている。2枚の攪拌羽根51A,51Bは、それぞれ、段差60を介して複数の攪拌面部61A,61Bを軸方向に連ねて一体に形成されている。
各攪拌羽根51A,51Bは、段差60の位置に合せて先端から攪拌回転軸30に向けて切り込まれる複数(例えば7つ)のスリット62を有している。複数のスリット62は、それぞれ、各攪拌羽根51A,51Bの先端側に形成されている。なお、各スリット62は、攪拌回転軸30から径方向外側に所定距離だけ離れた位置までの間には形成されていない。複数の攪拌面部61A,61Bの先端側は、スリット62で分断された複数の攪拌片63A,63Bを構成する。
軸方向の何れかの位置で周方向2枚の攪拌片63A,63Bの径方向長さを合計した値(合計値)は、軸方向の何れの位置であっても均一に設定されている。例えば、最前端の攪拌片63Aの径方向長さA12と、最前端の攪拌片63Bの径方向長さB12との合計値をT12とする。これと同様に、軸方向中央の攪拌片63Aの径方向長さA22と、軸方向中央の攪拌片63Bの径方向長さB22との合計値をT22とする。この場合、2つの合計値T12,T22は、同一の値になっている(T12=T22)。すなわち、複数の攪拌片63A,63Bは、それぞれ、軸方向のいずれの位置であっても上記の合計値が均一(等しく)になるように形成されている。
以上説明した第3実施形態に係るトナーコンテナ41によれば、複数の攪拌片63A,63Bは、個別に曲がるため、容器本体20の内面形状に沿って摺動することができる。また、複数の攪拌片63A,63Bの先端部は、攪拌回転軸30と平行に形成されているため、捩れることなく容器本体20の内面に摺接することができる。これにより、容器本体20の内面に付着したトナーを漏れなく掻き取ることができる。
また、径方向長さが短い攪拌片63A,63Bは、高い曲げ剛性を有するため、容器本体20の内面との間で弾き音や衝突音(異音)を発生させる。一方、径方向長さが長い攪拌片63A,63Bは、低い曲げ剛性を有する。このため、容器本体20の内面との間で発生する異音が抑制される。したがって、複数の攪拌片63A,63Bが、同時に容器本体20の内面から離間することがない。これにより、大きな異音の発生を抑制することができる。
さらに、複数の攪拌片63A,63Bは、軸方向の何れの位置であっても、径方向長さの合計値を等しくする形状を有している。すなわち、周方向に並ぶ2枚の攪拌片63A,63Bの曲げ剛性を合計した値は、軸方向の何れの位置であっても同じ値になる。したがって、2枚の攪拌羽根51A,51Bは、軸方向に亘って曲げ剛性を均一化され、掻き取り能力のバランスをとるように形成される。これにより、トナーの掻き取りやトナーの攪拌を適切に行うことができる。
なお、図13に示すように、複数のスリット62は、第1実施形態(各変形例を含む。)に係るトナーコンテナ10の攪拌羽根31A,31B(31C,31D)に軸方向に間隔をあけて切り込まれてもよい。また、各スリット62は、攪拌面部61A,61Bの先端側にのみ形成されていたが、これに限らず、攪拌回転軸30の近傍まで切り込んでもよい。
なお、図示は省略するが、第3実施形態に係るトナーコンテナ41は、第1実施形態の第1変形例(図8参照)と同様に、攪拌羽根51A,51Bを2枚以上備えていてもよい。また、図示は省略するが、第3実施形態に係るトナーコンテナ41は、第1実施形態の第2変形例(図9参照)と同様に、一枚の攪拌フィルムを、二分割された攪拌回転軸で挟み込んでもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る現像剤容器およびこれを備える画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。