以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1を示す図である。図1に示すように、実施の形態1の貯湯式給湯システム1は、貯湯タンクユニット20、ヒートポンプユニット60、制御装置70、及びリモコン80を備える。貯湯式給湯システム1は、蓄熱システムの例である。
貯湯タンクユニット20とヒートポンプユニット60との間は、ヒートポンプ入口配管41、ヒートポンプ出口配管42、及び電気配線(図示省略)を介して接続されている。本実施の形態では、貯湯タンクユニット20に制御装置70が内蔵されている。貯湯タンクユニット20及びヒートポンプユニット60が備える各種の弁類、ポンプ類等の作動は、これらと電気的に接続された制御装置70により制御される。以下、貯湯式給湯システム1の各構成要素について説明する。
ヒートポンプユニット60は、熱媒体を加熱する加熱手段の例である。本実施の形態における熱媒体は、水である。熱媒体は、例えば塩化カルシウム水溶液、エチレングリコール水溶液、アルコール、などの、水以外の液状熱媒体でもよい。加熱手段は、ヒートポンプユニット60に限定されない。加熱手段は、ガス、灯油、重油、石炭のような燃料の燃焼熱で加熱する燃焼式加熱装置でもよい。加熱手段は、太陽熱によって熱媒体を加熱する装置でもよい。
ヒートポンプユニット60は、圧縮機61、水−冷媒熱交換器62、膨張弁63、及び空気熱交換器64を冷媒循環配管65にて環状に接続した冷媒回路を備える。ヒートポンプユニット60は、この冷媒回路の冷媒を循環させることで、冷凍サイクルすなわちヒートポンプサイクルの運転を行う。水−冷媒熱交換器62では、圧縮機61で圧縮された高温高圧の冷媒と、水との間で熱を交換することで、水が加熱される。
ヒートポンプ出口配管42に設置されたHP出口側温度センサ66は、水−冷媒熱交換器62で加熱された高温水の温度を検知する温度センサの例である。ヒートポンプユニット60で高温水を得るためには、ヒートポンプサイクルは、冷媒として二酸化炭素を用い、臨界圧を超える圧力で運転することが好ましい。
貯湯タンクユニット20には、以下の各種部品及び配管などが内蔵されている。貯湯タンク10は、湯水を貯留する。貯湯タンク10は、熱媒体を貯留する蓄熱槽の例である。貯湯タンク10の下部には、水道等の水源から低温水を供給する給水配管2が連通している。貯湯タンク10の上部には、給湯配管3及びタンク上部配管43が連通している。給湯配管3は、貯湯式給湯システム1の外部の給湯端末へ湯を送るための配管である。図示の構成では、給湯配管3及びタンク上部配管43が合流して貯湯タンク10の上部に接続されている。この構成に限らず、給湯配管3及びタンク上部配管43が別々に貯湯タンク10の上部に接続されてもよい。
貯湯式給湯システム1は、蓄熱運転を実行できる。蓄熱運転は、ヒートポンプユニット60を用いて加熱された高温水を貯湯タンク10に蓄積する運転である。蓄熱運転のときには、以下のようになる。貯湯タンク10には、ヒートポンプユニット60を用いて加熱された高温水がタンク上部配管43から流入する。貯湯タンク10の下部には、低温配管40が連通している。貯湯タンク10の下部に貯留された水は、低温配管40を通って、ヒートポンプユニット60へ送られる。貯湯タンク10の内部では、温度による水の密度の差によって、上側が高温で下側が低温になる温度成層が形成される。
貯湯タンク10の表面には、複数の貯湯温度センサ11,12,13が、互いに異なる高さの位置に取り付けられている。貯湯タンク10内の湯水の鉛直方向の温度分布を貯湯温度センサ11,12,13により検知することで、貯湯タンク10内の貯湯量及び蓄熱量を計算できる。制御装置70は、その貯湯量または蓄熱量に基づいて、蓄熱運転の開始及び停止などを制御する。
貯湯タンクユニット20内には、循環ポンプ21及び利用側熱交換器22が内蔵されている。循環ポンプ21は、貯湯タンクユニット20内の後述する各種配管に湯水を循環させるためのポンプである。利用側熱交換器22は、貯湯タンク10またはヒートポンプユニット60から供給される高温水と、2次側の利用側媒体との間で熱を交換することで、利用側媒体を加熱するための熱交換器である。
利用側媒体は、例えば、浴槽50から導かれる浴槽水でもよいし、暖房用の熱媒体でもよい。本実施の形態1では、利用側熱交換器22の2次側の構成として、浴槽50から導かれる浴槽水を循環させる浴槽水循環回路51を例に挙げて説明する。利用側熱交換器22は、浴槽水循環回路51の途中に設置されている。浴槽水循環回路51の途中には、浴槽水を循環させるための浴槽水循環ポンプ52と、浴槽50から出た浴槽水の温度を検知するための浴槽水温度センサ53とが設置されている。浴槽水循環ポンプ52は、利用側媒体を循環させる第2循環ポンプの例である。
次に、貯湯タンクユニット20が備える弁類及び配管類について説明する。貯湯タンクユニット20は、第1の四方弁31及び第2の四方弁32を備える。第1の四方弁31は、湯水が流入する入口であるaポート及びbポートと、湯水が流出する出口であるcポート及びdポートを備える流路切替手段である。第1の四方弁31は、aポート及びbポートのどちらかから湯水が流入し、cポート及びdポートのどちらかから流出するように湯水の経路を切り替え可能に構成されている。つまり、第1の四方弁31は、4つの経路、すなわち、a−c経路、a−d経路、b−c経路、b−d経路の間で流路形態を切り替え可能に構成されている。
第2の四方弁32は、湯水が流入する入口であるbポート及びcポートと、湯水が流出する出口であるaポート及びdポートとを備える流路切替手段である。第2の四方弁32は、3つの経路、すなわち、a−b経路、a−c経路、c−d経路の間で流路形態を切り替え可能に構成されている。第2の四方弁32は、4つの経路、すなわち、a−b経路、a−c経路、c−d経路、b−d経路の間で流路形態を切り替え可能に構成されてもよい。
低温配管40は、貯湯タンク10の下部と、第1の四方弁31のaポートとの間をつなぐ流路である。ヒートポンプ入口配管41は、第1の四方弁31のcポートから、循環ポンプ21を経由して、ヒートポンプユニット60の入口につながる流路である。すなわち、ヒートポンプ入口配管41は、第1の四方弁31のcポートと循環ポンプ21の入口とをつなぐ流路と、循環ポンプ21の出口とヒートポンプユニット60の入口とをつなぐ流路とを備える。ヒートポンプ出口配管42は、ヒートポンプユニット60の出口と、第2の四方弁32のcポートとの間をつなぐ流路である。ヒートポンプ入口配管41は、利用側熱交換器22を経由しない入口側経路の例である。ヒートポンプ出口配管42は、出口側経路の例である。
タンク上部配管43は、第2の四方弁32のdポートと、貯湯タンク10の上部との間をつなぐ流路である。タンク戻し配管44は、第2の四方弁32のaポートと、貯湯タンク10の戻し口14との間をつなぐ流路である。戻し口14の位置は、貯湯タンク10の上部と下部との間の高さにある。戻し口14は、貯湯タンク10の上端より下端に近い位置にある。
バイパス経路45は、第1の四方弁31のdポートから、利用側熱交換器22を経由して、分岐部33につながる流路である。分岐部33は、ヒートポンプ入口配管41の循環ポンプ21の上流側にある。バイパス経路45及び利用側熱交換器22を通過した湯水は、分岐部33にてヒートポンプ入口配管41に合流して、循環ポンプ21に吸入される。
高温配管48の一端は、貯湯タンク10の上部に連通する。高温配管48の他端は、第1の四方弁31のbポートに接続されている。バイパス配管47は、分岐部34と、第2の四方弁32のbポートとの間をつなぐ流路である。分岐部34は、ヒートポンプ入口配管41の循環ポンプ21の下流側にある。
給湯配管3の下流側は、例えば、蛇口、シャワー、浴槽50などの給湯端末に接続されている。貯湯タンク10に貯留された湯を給湯配管3を介して給湯端末へ供給できる。貯湯タンク10内の湯が給湯配管3へ流出すると、給水配管2から貯湯タンク10内に低温水が流入することで、貯湯タンク10は満水状態に維持される。給湯配管3の途中に、水源からの低温水を混合することで給湯温度を調節するための混合弁(図示省略)が備えられてもよい。
本実施の形態1の貯湯式給湯システム1において、制御装置70は、図2〜図10に示す状態に応じて第1の四方弁31を制御して、第1流路形態、第2流路形態、第3流路形態、及び第4流路形態の4つの流路形態の間で、貯湯タンクユニット20内の湯水の流路を切り替える。
第1の四方弁31により選択可能な「第1流路形態」とは、低温配管40が第1の四方弁31のaポート及びcポートを介してヒートポンプ入口配管41に連通する流路形態である。第1の四方弁31により選択可能な「第2流路形態」とは、高温配管48が第1の四方弁31のbポート及びdポートを介してバイパス経路45に連通する流路形態である。第1の四方弁31により選択可能な「第3流路形態」とは、低温配管40が第1の四方弁31のaポート及びdポートを介してバイパス経路45に連通する流路形態である。第1の四方弁31により選択可能な「第4流路形態」とは、高温配管48が第1の四方弁31のbポート及びcポートを介してヒートポンプ入口配管41に連通する流路形態である。
本実施の形態1の貯湯式給湯システム1において、制御装置70は、図2〜図10に示す状態に応じて第2の四方弁32を制御して、第1流路形態、第2流路形態、及び第3流路形態の3つの流路形態の間で、貯湯タンクユニット20内の湯水の流路を切り替える。
第2の四方弁32により選択可能な「第1流路形態」とは、ヒートポンプ出口配管42が第2の四方弁32のcポート及びdポートを介してタンク上部配管43に連通する流路形態である。第2の四方弁32により選択可能な「第2流路形態」とは、ヒートポンプ出口配管42が第2の四方弁32のcポート及びaポートを介してタンク戻し配管44に連通する流路形態である。第2の四方弁32により選択可能な「第3流路形態」とは、バイパス配管47が第2の四方弁32のaポート及びbポートを介してタンク戻し配管44に連通する流路形態である。
第2の四方弁32は、バイパス配管47が第2の四方弁32のbポート及びdポートを介してタンク上部配管43に連通する流路形態である「第4流路形態」をさらに選択可能に構成されてもよい。
図2は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における待機状態での回路構成図である。この待機状態とは、蓄熱運転、浴槽水追焚き運転などのいずれの運転も行っていない状態のことである。待機状態では、以下のようになる。循環ポンプ21、ヒートポンプユニット60及び浴槽水循環ポンプ52のいずれも停止状態である。第1の四方弁31は、第1流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第2流路形態になるように、制御される。
図3は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における蓄熱単独運転のときの回路構成図である。蓄熱単独運転とは、ヒートポンプユニット60で加熱された高温水を貯湯タンク10に蓄積する蓄熱運転を単独で行う運転である。
蓄熱単独運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21及びヒートポンプユニット60が運転される。第1の四方弁31は、第1流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第1流路形態になるように、制御される。
蓄熱単独運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の下部から流出した水が、低温配管40、第1の四方弁31、ヒートポンプ入口配管41及び循環ポンプ21を経由して、ヒートポンプユニット60に導かれ、水−冷媒熱交換器62において加熱される。その加熱された高温水は、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク上部配管43を経由して、貯湯タンク10の上部に流入する。このような蓄熱単独運転が実行されることで、貯湯タンク10の内部では、上層部から高温水が貯えられていき、この高温水層が下に向かって徐々に厚くなる。
図4は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における貯湯利用の浴槽水追焚き単独運転のときの回路構成図である。貯湯利用の浴槽水追焚き単独運転とは、貯湯タンク10に貯えられた高温水を利用して、利用側熱交換器22にて浴槽水を加熱する運転を単独で行う運転である。
貯湯利用の浴槽水追焚き単独運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21及び浴槽水循環ポンプ52が運転される。ヒートポンプユニット60は運転を停止しておく。第1の四方弁31は、第2流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第3流路形態になるように、制御される。
貯湯利用の浴槽水追焚き単独運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の上部から流出した高温水が、高温配管48、第1の四方弁31、及びバイパス経路45を経由して、利用側熱交換器22に導かれる。この高温水は、利用側熱交換器22で浴槽水に熱を奪われることで、温度が低下して中温水になる。この中温水は、利用側熱交換器22から、分岐部33、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、分岐部34、バイパス配管47、第2の四方弁32、及びタンク戻し配管44を経由して、戻し口14から貯湯タンク10内に流入する。貯湯タンク10内では、高温水層が徐々に薄くなる。
貯湯利用の浴槽水追焚き単独運転では、浴槽水循環回路51に浴槽水が循環し、利用側熱交換器22で加熱された浴槽水が浴槽50に戻ることで、浴槽50内に張られた湯水が温められる。
図5は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における浴槽水廃熱回収運転のときの回路構成図である。浴槽水廃熱回収運転とは、浴槽50の残り湯すなわち浴槽水が有する廃熱を貯湯タンク10内に回収する運転である。
浴槽水廃熱回収運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21及び浴槽水循環ポンプ52が運転される。浴槽水循環回路51に浴槽水が循環する。ヒートポンプユニット60は運転を停止しておく。第1の四方弁31は、第3流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第3流路形態になるように、制御される。
浴槽水廃熱回収運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の下部から流出した低温水(例えば10℃)が、低温配管40、第1の四方弁31、及びバイパス経路45を経由して、利用側熱交換器22に導かれる。この低温水は、利用側熱交換器22で浴槽水(例えば40℃)の熱を受け取ることで、温度が上昇して中温水(例えば30℃)になる。この中温水は、利用側熱交換器22から、分岐部33、循環ポンプ21、ヒートポンプ入口配管41、分岐部34、バイパス配管47、第2の四方弁32、及びタンク戻し配管44を経由して、戻し口14から貯湯タンク10内に流入し、貯湯タンク10内に貯留される。
制御装置70は、浴槽水廃熱回収運転状態を実行するかどうか、すなわち浴槽水の廃熱回収が実施可能な状況であるかどうかを以下のようにして判定してもよい。制御装置70は、浴槽水循環ポンプ52を運転した後、浴槽水循環回路51に設置された水流検知センサ(図示省略)が、所定時間内に水流ありを検知した場合に、浴槽水廃熱回収運転を開始してもよい。また、浴槽水循環ポンプ52を運転して、浴槽50内の浴槽水が浴槽水温度センサ53に到達するまで時間(例えば30秒間)が経過したときの浴槽水温度センサ53の検知温度が、所定値(例えば35℃)以上である場合に、浴槽水廃熱回収運転を開始してもよい。あるいは、当該検知温度が、貯湯温度センサ12で検知される貯湯タンク10の下部の水温に比べて高い場合に、浴槽水廃熱回収運転を開始してもよい。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。貯湯式給湯システム1の基本的な機能である蓄熱運転及び浴槽水追焚き運転に使用する部品構成を利用して浴槽水廃熱回収運転を実行できる。すなわち、浴槽水廃熱回収運転を行うためだけの熱交換器または切替弁のような新たに部品を追加する必要がない。従来よりも切替弁の数が少ない構成、すなわち循環ポンプ21の上流側にある切替弁が第1の四方弁31の一つのみである構成で、浴槽水の廃熱を高効率に回収することが可能となる。
次に、蓄熱運転中のふろ機能運転について、図6を用いて説明する。ふろ機能運転とは、浴槽水循環ポンプ52が運転する状態である。ふろ機能運転は、例えば、浴槽水有無検知運転、ふろ配管凍結予防運転、及び浴槽水温度検知運転のうちの少なくとも一つを含む。浴槽水有無検知運転は、浴槽50内の浴槽水の有無を、浴槽水循環回路51に設置された水流検知センサ(図示省略)で検知するために、浴槽水循環ポンプ52が運転される状態である。浴槽水循環回路51を形成する配管は、少なくとも部分的に、屋外を通っていることが多い。このため、冬季に、浴槽水循環回路51の配管内の水が凍結する可能性がある。ふろ配管凍結予防運転は、浴槽水循環回路51の配管内の水が凍結することを予防する目的で浴槽水循環ポンプ52が運転される状態である。浴槽水温度検知運転は、浴槽50内の浴槽水の温度を確認するために、浴槽50内の浴槽水を浴槽水温度センサ53まで引き込む目的で浴槽水循環ポンプ52が運転される状態である。浴槽水温度検知運転は、例えば、浴槽50内の浴槽水の温度を自動的に保温するふろ自動運転の実施中に実行される。
制御装置70は、貯湯タンク10内の貯湯量または蓄熱量と、ユーザーの過去の使用実績を学習した情報とに基づいて、蓄熱運転を制御してもよい。あるいは、制御装置70は、深夜時間帯(例えば23:00から翌日7:00)において、貯湯タンク10内が全量高温湯となるまで蓄熱運転を実施してもよい。このとき、ふろ機能とは関係がなく蓄熱運転が行われる。
図6は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1が蓄熱運転及びふろ機能運転を同時に実行するときの回路構成図である。図6の蓄熱運転の回路は、図3の蓄熱単独運転の回路と同じである。図3の蓄熱単独運転の実行中に、ふろ機能運転(例えば、浴槽水有無検知運転、ふろ配管凍結予防運転、または浴槽水温度検知運転)が必要になった場合に、浴槽水循環ポンプ52が運転を開始することで、図6の状態になる。本実施の形態であれば、蓄熱単独運転のときの回路は利用側熱交換器22を経由しない回路であるので、蓄熱運転とふろ機能運転とが互いに影響を及ぼすことなく、蓄熱運転及びふろ機能運転を同時に実行できる。
図7は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1におけるヒートポンプ配管の凍結予防運転のときの回路構成図である。ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42は、少なくとも部分的に、屋外を通っていることが多い。このため、冬季に、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42内の水が凍結する可能性がある。ヒートポンプ配管の凍結予防運転は、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42内の水の凍結の予防を目的とする運転である。
ヒートポンプ配管の凍結予防運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21が運転される。ヒートポンプユニット60は、運転しなくてもよい。第1の四方弁31は、第1流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第2流路形態になるように、制御される。
制御装置70は、室外の温度を検知する外気温センサ(図示省略)が、所定の温度以下(例えば5℃以下)を検知した場合に、ヒートポンプ配管の凍結予防運転を実行してもよい。
ヒートポンプ配管の凍結予防運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の下部から流出した水が、低温配管40、第1の四方弁31、ヒートポンプ入口配管41及び循環ポンプ21を経由して、ヒートポンプユニット60の水−冷媒熱交換器62に導かれる。水−冷媒熱交換器62を通過した水が、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32、及びタンク戻し配管44を経由して、戻し口14から貯湯タンク10内に流入する。
ヒートポンプ配管の凍結予防運転の運転中に、例えばHP出口側温度センサ66で検知される配管内の水温が所定温度(例えば3℃)よりも低い場合には、制御装置70は、ヒートポンプユニット60を起動し、水−冷媒熱交換器62にて水を加熱することで、配管内の温度低下を予防してもよい。
次に、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転について図8を用いて説明する。制御装置70は、図8に示す浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行可能かどうかを以下のようにして判断してもよい。制御装置70は、浴槽水循環ポンプ52を運転し、浴槽水温度センサ53にて、浴槽50内の浴槽水の温度を検知する。浴槽50内の浴槽水の温度(例えば40℃)が、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42内の水温、例えばHP出口側温度センサ66で検知される水温(例えば5℃)より高い場合に、制御装置70は、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行可能と判定してもよい。そうでない場合には、制御装置70は、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行不能と判定してもよい。
図8は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転のときの回路構成図である。浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21及び浴槽水循環ポンプ52が運転される。浴槽水循環回路51に浴槽水が循環する。ヒートポンプユニット60は、運転しなくてもよい。第1の四方弁31は、第3流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第2流路形態になるように、制御される。
浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の下部から流出した低温水が、低温配管40、第1の四方弁31、及びバイパス経路45を経由して、利用側熱交換器22に導かれる。この低温水は、利用側熱交換器22で浴槽水の熱を受け取ることで、温度が上昇して中温水になる。この中温水は、利用側熱交換器22から、分岐部33、循環ポンプ21、及びヒートポンプ入口配管41を経由して、ヒートポンプユニット60の水−冷媒熱交換器62に導かれる。水−冷媒熱交換器62を通過した水が、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32、及びタンク戻し配管44を経由して、戻し口14から貯湯タンク10内に流入する。
制御装置70は、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行可能と判定した場合には図8の凍結予防運転を実行し、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行不能と判定した場合には図7の凍結予防運転を実行してもよい。図7の凍結予防運転の実行中に、浴槽水の廃熱を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が実行可能と判定した場合には、制御装置70は、第1の四方弁31を第1流路形態から第3流路形態へ切り替えるとともに、浴槽水循環ポンプ52の運転を開始することで、図8の凍結予防運転へ移行してもよい。
本実施の形態であれば、浴槽水の廃熱を利用して、ヒートポンプ配管の凍結予防運転をすることが可能となり、熱エネルギーの有効利用が可能となる。
次に、浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転について、図9を用いて説明する。制御装置70は、図3の蓄熱単独運転の実行中に、図9に示す浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転が実行可能かどうかを以下のようにして判断してもよい。制御装置70は、浴槽水循環ポンプ52を運転し、浴槽水温度センサ53にて、浴槽50内の浴槽水の温度を検知する。浴槽50内の浴槽水の温度が、貯湯温度センサ12で検知される貯湯タンク10の下部の水温に比べて高い場合に、制御装置70は、浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転が実行可能と判定してもよい。そうでない場合に、制御装置70は、浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転が実行不能と判定してもよい。
図9は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転のときの回路構成図である。浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21、浴槽水循環ポンプ52、及びヒートポンプユニット60が運転される。浴槽水循環回路51に浴槽水が循環する。第1の四方弁31は、第3流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第1流路形態になるように、制御される。
図3の蓄熱単独運転の実行中に、浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転が実行可能と判定した場合には、制御装置70は、第1の四方弁31を第1流路形態から第3流路形態へ切り替えるとともに、浴槽水循環ポンプ52の運転を開始することで、図9の浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転へ移行してもよい。
浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の下部から流出した低温水が、低温配管40、第1の四方弁31、及びバイパス経路45を経由して、利用側熱交換器22に導かれる。この低温水は、利用側熱交換器22で浴槽水の熱を受け取ることで、温度が上昇して中温水になる。この中温水は、利用側熱交換器22から、分岐部33、循環ポンプ21、及びヒートポンプ入口配管41を経由して、ヒートポンプユニット60の水−冷媒熱交換器62に導かれる。この中温水は、水−冷媒熱交換器62においてさらに加熱されることで高温水となる。この高温水は、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32及びタンク上部配管43を経由して、貯湯タンク10の上部に流入する。このような浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転が実行されることで、貯湯タンク10の内部では、上層部から高温水が貯えられていき、この高温水層が下に向かって徐々に厚くなる。
本実施の形態であれば、浴槽水の廃熱を利用した蓄熱運転を行うことで、以下の効果が得られる。浴槽水の廃熱を利用して、ヒートポンプユニット60に供給される水を予熱することが可能となる。その結果、ヒートポンプユニット60の消費電力を低減することができ、エネルギーの有効利用が可能となる。
次に、貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転について図10を用いて説明する。図10は、実施の形態1の貯湯式給湯システム1における貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転のときの回路構成図である。貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転のときには、以下のようになる。循環ポンプ21が運転される。浴槽水循環ポンプ52及びヒートポンプユニット60は、停止状態とされる。第1の四方弁31は、第4流路形態になるように、制御される。第2の四方弁32は、第2流路形態になるように、制御される。
貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転では、以下のような回路に水が循環する。貯湯タンク10の上部から流出した高温水が、高温配管48、第1の四方弁31、ヒートポンプ入口配管41、及び循環ポンプ21を経由して、ヒートポンプユニット60の水−冷媒熱交換器62に導かれる。水−冷媒熱交換器62を通過した水が、ヒートポンプ出口配管42、第2の四方弁32、及びタンク戻し配管44を経由して、戻し口14から貯湯タンク10内に流入する。
本実施の形態であれば、貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転を行うことで、以下の効果が得られる。ヒートポンプユニット60を運転せずに、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42の凍結を確実に予防できる。ヒートポンプユニット60の運転時間及び起動停止回数を低減できるので、ヒートポンプユニット60の長寿命化を図ることが可能となる。
制御装置70は、図7のヒートポンプ配管凍結予防運転の実行中に、以下のようにして、凍結のおそれがあるかどうか、すなわち図10の貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が必要かどうかを判断してもよい。HP出口側温度センサ66により、ヒートポンプ入口配管41及びヒートポンプ出口配管42を流れる水の温度を検知する。HP出口側温度センサ66の検知温度が所定温度以下(例えば5℃以下)の場合に、制御装置70は、貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転が必要と判定してもよい。制御装置70が第1の四方弁31を第1流路形態から第4流路形態へ切り替えることで、図7のヒートポンプ配管凍結予防運転から、図10の貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転へ移行できる。
図10の貯湯タンク10の高温水を利用したヒートポンプ配管凍結予防運転へ移行した後、HP出口側温度センサ66の検知温度が所定温度以上(例えば10℃以上)に上昇した場合には、制御装置70は、凍結のおそれが解消したと判定してもよい。その場合には、制御装置70は、循環ポンプ21の運転を停止するか、または第1の四方弁31を第4流路形態から第1流路形態へ切り替えて図7のヒートポンプ配管凍結予防運転をさらに継続してもよい。
リモコン80は、運転動作指令及び設定値の変更に関するユーザーの操作を受け付ける機能を有する。リモコン80は、操作端末またはユーザーインターフェース装置の例である。制御装置70とリモコン80の間は、有線または無線により、双方向にデータ通信可能に接続されている。リモコン80には、貯湯式給湯システム1の状態等の情報を表示する表示部、ユーザーが操作するスイッチ等の操作部、スピーカ、マイク等が搭載されている。リモコン80は、台所に設置されてもよい。リモコン80は、浴室に設置されてもよい。貯湯式給湯システム1は、複数台のリモコン80を備えてもよい。
貯湯式給湯システム1は、第1の四方弁31の流路形態及び第2の四方弁32の流路形態に応じて異なる、上述した複数種類の運転の状態に関する情報をユーザーに報知する手段を備えてもよい。例えば、上述した複数種類の運転のうちのいずれの運転が実行中であるかの情報を、リモコン80の表示部に表示したり、リモコン80から音声で案内してもよい。そのようにすることで、ユーザーが貯湯式給湯システム1の動作状態を容易に確認できるようになり、ユーザーの使い勝手が向上する。
本実施の形態における第2の四方弁32は、ヒートポンプ出口配管42がタンク上部配管43を介して貯湯タンク10の上部に連通する流路形態と、ヒートポンプ出口配管42が、タンク戻し配管44を介して、貯湯タンク10の当該上部より低い位置にある戻し口14に連通する流路形態とを切り替え可能な流路切替手段の例である。また、本実施の形態における第2の四方弁32は、循環ポンプ21の下流の湯水が、ヒートポンプユニット60を経由せずに、バイパス配管47を経由して、貯湯タンク10に戻る流路形態に切り替え可能な流路切替手段の例である。これらの流路切替手段を備えることで、より多様な形態の運転が実行可能になる。これらの流路切替手段は、第2の四方弁32に限定されるものではなく、同様の機能を発揮し得る他の弁構成に置換可能である。
上述した実施の形態1においては、ヒートポンプサイクルを、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルとしたが、臨界圧力以下のヒートポンプサイクルでもよいことは言うまでもない。この場合、冷媒としてはフロンガス、アンモニアなどを用いてもよい。
貯湯式給湯システム1の制御装置70、及びリモコン80が備える制御装置、の各々は、以下のように構成されてもよい。制御装置の各機能は、処理回路により実現されてもよい。制御装置の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備える場合、制御装置の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述されてもよい。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリに格納されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置の各機能を実現してもよい。少なくとも1つのメモリは、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク等を含んでもよい。
制御装置の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェアを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェアを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものでもよい。制御装置の各部の機能がそれぞれ処理回路で実現されても良い。また、制御装置の各部の機能がまとめて処理回路で実現されても良い。制御装置の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置の各機能を実現しても良い。
単一の制御装置により動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の制御装置が連携することで動作を制御する構成にしてもよい。