JP6520593B2 - 差幅測定マスター、及びこれを用いたアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置、アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法、並びにアンギュラ玉軸受の製造方法 - Google Patents

差幅測定マスター、及びこれを用いたアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置、アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法、並びにアンギュラ玉軸受の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、差幅測定マスター、及びこれを用いたアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置、ンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法、並びにアンギュラ玉軸受の製造方法に関する。
アンギュラ玉軸受は、図11に示すように、転動体である玉81が、内輪83と外輪85との間に所定の接触角を有して保持された転がり軸受であり、ラジアル荷重とアキシャル荷重との双方を負荷させることが可能である。このようなアンギュラ玉軸受は、アンギュラ玉軸受同士を組み合わせて使用され、アキシャル方向(スラスト方向)に予圧が負荷されることで所定の剛性が得られる。内輪83、外輪85、及び玉81を組み合わせた際、内輪83の背面側端面83aと外輪85の正面側端面85aとには、予圧が無い状態であっても、軸方向位置の差(本明細書においては「差幅」と称する)Δαが生じることがある。同様に、内輪83の正面側端面83bと外輪85の背面側端面85bとの間にも差幅Δαが生じることがある。この差幅が予圧等級に相応した許容範囲内にない場合、耐荷重や振動特性等の軸受性能が損なわれる虞がある。そのため、アンギュラ玉軸受の差幅Δα,Δαは、上記の許容範囲の間に揃えておく必要がある。
従来のアンギュラ玉軸受の所定の差幅やアキシャルすきまを得るために、軌道輪の軌道面に転動体が接触する位置を測定する技術が、例えば特許文献1に提案されている。
また、特許文献2にアンギュラ玉軸受の組み立て状態で差幅の測定を行い、目標とする差幅となるように軸受平面を研削する装置が提案されている。
特開平2−20051号公報 特開2008−290205号公報
しかしながら、従来のアンギュラ玉軸受の差幅調整においては、内輪、外輪、玉を仮組みした状態で差幅を測定する必要があり、この作業が煩雑で多くの時間が掛かるという問題があった。また、特許文献1の測定装置においては、仮組みに使用する玉を、測定毎に違うものを使用すると測定誤差を生じてしまう。しかし、常に同じ玉を使用すると、仮組みの回数が増えるにつれて玉表面の傷付きが増加する。このことは、測定誤差を発生させる一要因となる。
特許文献2の装置においては、軸受の差幅を測定した後に、仮組みした軸受を一旦分解し、分解した内輪と外輪のそれぞれに、測定された差幅を所望の基準値に近づけて適正化する研削加工を施している。しかしながら、軸受を分解して研削する工程は、手間が掛かり、サイクルタイムの増大を招いて生産性を低下させる。また、軸受の分解・組み立て時に、玉や、内輪及び外輪の転動面を傷付け、これらの軸受部品の傷付きによる製品歩留まりを低下させる虞もある。
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、製品の傷付きを抑制しつつ簡単な工程により、アンギュラ玉軸受用転動輪の軸方向位置を高精度に測定できる、差幅測定マスター、及びこれを用いたアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置、ンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法、並びにアンギュラ玉軸受の製造方法を提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
(1) 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、いずれか一方の前記軌道輪と前記玉とに代えて他方の前記軌道輪に組み合わされ、且つ前記他方の軌道輪の軌道面と接触する当接部を有する差幅測定マスターであって、
前記当接部は、前記一方の軌道輪及び前記玉と、前記他方の軌道輪とが組み合わされた状態の軸方向断面において、前記一方の軌道輪の軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記一方の軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する幅測定マスター。
(2) 前記当接部は、前記他方の軌道輪の軌道面全周に接触する環状曲面を有する1)に記載の差幅測定マスター。
(3) 前記当接部は、円周方向に沿った少なくとも3箇所に設けられた、径方向外側へ突出する凸部に形成されている1)に記載の差幅測定マスター。
(4) 前記凸部は、少なくとも一部に前記軌道面と接触する球面を有する3)に記載の差幅測定マスター。
(5) 前記一方の軌道輪と同じ軸方向幅を有する1)乃至(4)のいずれか一つに記載の差幅測定マスター。
(6) 曲率を有する軌道面が設けられた一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象となる被測定軌道輪の一端面を支持する支持部と、
(1)乃至(5)のいずれか一に記載の差幅測定マスターと、
前記支持部に支持された前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求める差幅測定部と、
を備えるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
(7) 前記被測定軌道輪と前記差幅測定マスターとの間に、互いの組み合わせ方向への押圧力を発生させる押圧部を備える(6)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
(8) 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象とする被測定軌道輪の軸方向位置を測定するアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法であって、
前記被測定軌道輪の軌道面に接触する当接部を有し、前記当接部の軸方向断面が、前記被測定軌道輪と対になる相手側軌道輪における前記軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記相手側軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する差幅測定マスターを、前記相手側軌道輪と前記玉とに代えて前記被測定軌道輪に組み合わせ、
前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求めるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法。
(9) (6)又は(7)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置を用いるアンギュラ玉軸受の製造方法。
(10) (8)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法を含むアンギュラ玉軸受の製造方法。
本発明によれば、製品の傷付きを抑制しつつ、簡単な工程によりアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置を高精度に測定することができる。
本発明の実施形態を説明するための図で、第1構成例のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置の要部を示す構成図である。 図1に示すマスターの外観を示す斜視図である。 マスターを一部断面で示す側面図である。 アンギュラ玉軸受の玉と外輪の軌道面との関係を示す軸方向断面図である。 アンギュラ玉軸受の玉と内輪の軌道面との関係を示す軸方向断面図である 玉と内輪及び外輪との接点軌跡を示す説明図である。 外輪とマスターと接点軌跡との関係を示す軸方向断面図である。 変形例のマスターの斜視図である。 変形例のマスターを一部断面で示す側面図である。 第2構成例のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置の要部を示す構成図である。 従来のアンギュラ玉軸受の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置の要部を示す構成図である。ここで、アンギュラ玉軸受は、前述の図11に示すように、曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪(内輪83,外輪85)と、一対の軌道輪の軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉81と、が組み合わされて構成された軸受である。
アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置100(以下、測定装置と略称する)は、支持部13と、差幅測定マスター(以下、マスターと略称する)15と、差幅測定部17A,17Bと、押圧部19とを備える。
支持部13は、測定対象とする被測定軌道輪を支持する。本構成においては、被測定軌道輪が外輪11であり、外輪11の背面側端面11aが支持部13に支持される。マスター15は、支持部13に支持された外輪11の内径側に配置され、外輪11の軸方向正面側から挿入されて、外輪11と組み合わされる。
押圧部19は、外輪11とマスター15とを、互いの組み合わせ方向(図中の軸方向下側に向かう方向)に押圧する。本構成の押圧部19は、マスター15を外輪の正面側から背面側に向けて押圧する。
マスター15は、前述の図11に示すアンギュラ玉軸受のいずれか一方の軌道輪である内輪83と、玉81とが一体にされた形状の環状部材であり、図1に示す他方の軌道輪である外輪11に、内輪83と玉81とに代えて組み合わされる。このマスター15は、アンギュラ玉軸受の種類に応じて複数種類のものが予め用意されており、被測定軌道輪に対応するものを選択して測定に用いる。
差幅測定部17Aは、支持部13に支持された外輪11、及び外輪11に組み合わされた状態のマスター15の、軸方向に関して同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求める。つまり、差幅測定部17Aは、外輪11の正面側端面11bと、正面側端面11bと同じ側のマスター15の端面15bとの軸方向位置をそれぞれ測定し、各軸方向位置の差を正面側差幅測定値として出力する。また、差幅測定部17Bは、外輪11の背面側端面11aと、背面側端面11aと同じ側のマスター15の端面15aとの軸方向位置をそれぞれ測定し、各軸方向位置の差を背面側差幅測定値として出力する。
差幅測定部17A,17Bは、ダイヤルゲージ、リニアゲージ等の接触式変位センサ、又はレーザ変位計や静電容量型変位計等の非接触式変位センサを用いて構成することができる。差幅測定部17A,17Bは、それぞれ複数の変位センサを用いて、各端面の軸方向位置を測定し、各軸方向位置の差分を求めるものであってもよく、一つの変位センサを軸方向へ走査して、各端面の軸方向位置の差を測定するものであってもよい。差幅測定部17A,17Bは、差幅が測定できるものであれば、その測定方式や使用するセンサの種類は適宜選定が可能である。
押圧部19は、外輪11とマスター15との間に、互いの組み合わせ方向(軸方向)への押圧力を発生させる。本構成の押圧部19は、マスター15の端面15bを軸方向に押圧して、マスター15に測定圧を付与する。測定圧は、外輪軌道面11cとマスター15の当接部15cとの間の余分な油膜を除去する程度の圧力、又は予め定めた一定圧力に設定される。なお、重力によりマスター15と外輪11との接触状態が良好になる場合には、差幅測定時の押圧部19による押圧を省略することもできる。
図2は図1に示すマスター15の外観を示す斜視図、図3はマスター15を一部断面で示す側面図である。なお、図2、図3に示すマスター15は、図1に示すマスター15を上下反転させた状態で示している。
マスター15は、全体が円環状であり、前述したように被測定軌道輪に対応した形状を有する。本構成のマスター15は、被測定軌道輪である外輪11に適応するように、内周面15dの内径寸法が、外輪11と対となる内輪(図示せず)の内径寸法と等しくされる。また、外周面21の軸方向一端側には大径部15eが形成され、他端側には大径部15eより小径の小径部15fが形成される。マスター15は、外輪11と組み合わされた際に外輪軌道面11c(図1参照)の全周に当接する環状曲面からなる当接部15cを有する。また、外輪11と組み合わされた際に、外周面21の大径部15eは、外輪11の正面側内周面11dに接触せず、小径部15fは、外輪11の背面側内周面11eに接触しない形状にされる。そして、図1に示すマスター15の軸方向幅Bは、外輪11と対となる内輪の軸方向幅(図10に示す内輪83の軸方向幅B)と等しくされる。
マスター15の当接部15cは、大径部15eと小径部15fとが接続される段付き部の外周側に設けられ、軸断面形状が滑らかな曲面にされている。
<差幅測定手順>
次に、上記構成の測定装置100を用いた被測定軌道輪の差幅測定方法の手順を説明する。
まず、図1に示す測定装置100の支持部13に、被測定軌道輪である外輪11の一端面を載置する。そして、この外輪11に対応するマスター15を選定し、選定されたマスター15を外輪11の軸方向正面側から外輪11の内径側に挿入する。これにより、マスター15の当接部15cが外輪軌道面11cに接触して、マスター15が外輪11に支持された状態となる。
そして、押圧部19が、マスター15に外輪11の背面側に向かう軸方向力Fを負荷し、マスター15の当接部15cと外輪軌道面11cとを確実に接触させる。
この状態で、差幅測定部17A,17Bは、外輪11とマスター15との端面同士の軸方向位置を測定し、マスター15の端面15bと外輪11の正面側端面11bの差幅ΔαF0と、マスター15の端面15aと外輪11の背面側端面11a側の差幅ΔαB0とを求める。差幅測定部17A,17Bは、これにより得られた差幅ΔαF0,ΔαB0を、差幅測定結果として出力する。
なお、上記の差幅測定は、図示しない駆動機構により、多数の被測定軌道輪を支持部13に順次に取り付けて行うことで、測定タクトをより短縮できる。また、被測定軌道輪やマスター15の振動や熱変動が定常状態になった後で測定を行えば、測定精度をより向上できる。
<マスターの当接部の形状>
次に、マスター15の当接部15cの形状について説明する。環状の当接部15cは、軸方向断面がマスター15の全周にわたって同じ断面形状を有する。この断面形状は、被測定軌道輪である外輪11に組み込まれる玉の断面形状とは異なる形状にされている。
つまり、外輪11の軸方向断面における外輪軌道面11cは、実際には、加工誤差によって径寸法が変化することがある。外輪軌道面11cの径寸法が変化すると、通常は、内輪と玉と外輪11とがバランスするように玉が移動して、内輪及び外輪11と玉との接点位置が変化する。このときの外輪11と玉との接点位置は、ある決まった湾曲線上を移動するようになり、その湾曲線の軌跡(接点軌跡)が本構成の当接部15cの断面形状と等しくされる。なお、上記の加工誤差は、外輪軌道面11cの径寸法の誤差以外にも、外輪軌道面11cの軸方向への片寄りや、軸受の幅寸法等の寸法誤差も含まれる。
次に、この接点軌跡について更に詳細に説明する。
図4はアンギュラ玉軸受23の玉27と外輪軌道面11cとの関係を示す軸方向断面図である。アンギュラ玉軸受23は、前述の被測定軌道輪である外輪11と、内輪25と、外輪軌道面11cと内輪軌道面25cとの間に転動自在に配置される複数の玉27(図示例では1つのみ示す)と、を備える。
軸方向断面における外輪軌道面11cは、外輪軌道面11cの半径Rが玉27の直径DBの半値(半径)よりも大きい。図中の点Oは玉27の中心であり、点OORは外輪軌道面11cの円弧中心である。また、直線Sは、アンギュラ玉軸受23の軸方向に対する接触角を表す直線であり、玉27の中心Oを通る。
図示のように、外輪軌道面11cは点OORを中心とする半径Rの円弧状の軸断面形状を有する。この点OORは、外輪軌道面11cの曲率中心であって、直線S上に存在する。
図5はアンギュラ玉軸受23の玉27と内輪軌道面25cとの関係を示す軸方向断面図である。軸方向断面における内輪軌道面25cは、内輪軌道面25cの半径Rが、玉27の直径DBの半値(半径)よりも大きい。つまり、内輪軌道面25cは、点OIRを中心とする半径Rの円弧状の軸断面形状を有する。
ここで、上記の接点軌跡は、内輪軌道面25cの曲率中心OIRを中心位置としており、玉27の直径DBから内輪軌道面25cの半径Rを減じた距離を半径r(=DB−R)とする円弧形状で表せる。なお、図中には点線で接点軌跡の円を示している。
図6は玉27と内輪25及び外輪11との接点軌跡を示す説明図である。玉27は、外輪11の外輪軌道面11cの径寸法等の変化によって、外輪11と内輪25との間で力のバランスが保たれる位置へ移動する。例えば、玉27が図中の玉271の位置で内輪軌道面25cに接点Pで接触する場合、玉271と外輪軌道面11cとの接点は、接点Pと玉271の中心OB1とを通る直線上の点Qになる。また、玉27が図中の玉272の位置で内輪軌道面25cに接点Pで接触する場合、玉272と外輪軌道面11cとの接点は、接点Pと玉272の中心OB2とを通る直線状の点Qになる。同様にして、点OB3を中心とする玉273,点OB4を中心とする玉274,点OB5を中心とする玉275が各位置で外輪11と接触する接点は、それぞれ点Q,Q,Qとなる。
これらの接点Q〜Qは、いずれも前述の点OIRを中心とする半径rの接点軌跡の円上に配置される。つまり、外輪軌道面11cの径寸法が変化した際、玉27と外輪11との接点は、上記した接点軌跡上のいずれかの位置に配置される。
図7は、外輪11とマスター15と上記の接点軌跡との関係を示す軸方向断面図である。マスター15の当接部15cは、軸方向断面において、点OIRを中心とし、半径rの接点軌跡に沿った曲線を有する。つまり、当接部15cは、接点軌跡に沿った曲面であるため、仮に外輪11が加工誤差等による寸法誤差を有していても、この寸法誤差によるマスター15と外輪軌道面11cとの接触位置の変化は、図5に示す内輪25及び玉27とを組み合わせた構成の場合と同じになる。
上記構成によれば、内輪25及び玉27に代えてマスター15を使用しても、マスター15と外輪軌道面11cとの接触位置が、外輪11の寸法誤差によらず、常に外輪11,内輪25,玉27を組み合わせた場合と同じ状態となる。これにより、被測定軌道輪を外輪11とした場合に、外輪11と対になる内輪25、及び玉27を使用しなくても、高精度な差幅測定が可能となる。よって、差幅測定時に、被測定軌道輪以外の部品である内輪25や玉27を使用する必要がなくなり、内輪25,玉27の傷付きを防止できる。また、差幅測定の被測定軌道輪の取り付け工程が、マスター15だけを外輪11に組み付ける簡単な工程で済む。
そして、本構成によれば、マスター15を外輪軌道面11cに押し当て、マスター15と外輪11の端面同士の相対位置を測定することで、正面側差幅ΔαF0及び背面側差幅ΔαB0を、マスター15を基準として測定できる。
<マスターの変形例>
次に、マスターの形状の変形例を説明する。
図8は変形例のマスター15Aの斜視図、図9は変形例のマスター15Aを一部断面で示す側面図である。なお、前述の第1構成例と同一の部材や対応する部位については、同一の符号を付与することで、その説明を簡単化又は省略する。
本変形例のマスター15Aは、全体が円環状であり、大径部15eと小径部15fとを有する。小径部15fの外周面における少なくとも3箇所に凸部31が配置される。凸部31は、マスター15Aの小径部15fの外周面から径方向外側に向けて突出して形成され、突出先端部に切り欠き31aを有する。
図9に示すように、凸部31の切り欠き31aは、凸部31の外径が大径部15eと同径となるように形成される。この切り欠き31aによって、マスター15Aが外輪11に組み合わされた際に、凸部31が、図1に示す外輪11の正面側内周面11dに干渉することがない。
凸部31は、図9に示すように、凸部31の軸方向断面における切り欠き31aに接続される外側表面31bが、前述した当接部15cと同じ断面形状となっている。つまり、本構成のマスター15Aは、凸部31の外側表面31bが前述した当接部15cとして機能する。
この場合の当接部(外側表面31b)15cは、外輪軌道面11cの全周に当接する面ではなく、円周方向の一部に離散配置された面となる。当接部15cは、円周方向に沿って等間隔に配置された合計3箇所の凸部31に形成され、外輪11とは線接触状態となる。
凸部31は、球面体(ボール)の一部に切り欠き31aを形成した形状であり、軸方向断面の当接部15cの曲面形状を、球面体の曲面形状により構成している。
本変形例のマスター15Aは、外輪11と接触する当接部15cの形状が、球面体の曲面形状を利用して形成される。そのため、当接部15cの加工を煩雑にならず、精密な曲面加工が不要となる。また、マスター15Aが3点で外輪11に支持されるため、マスター15Aの支持姿勢が安定して、外輪11との芯ずれが生じにくくなり、差幅測定をより高精度に行うことができる。
<第2構成例>
次に、アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置の第2構成例を説明する。
図10は第2構成例のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置の要部を示す構成図である。
本構成における測定装置200は、前述の第1構成例の測定装置100が外輪を被測定軌道輪としていることに代えて、内輪を被測定軌道輪としている。そして、マスター16を、外輪と玉とに代えて配置している。その他の構成は、測定装置100と同様である。
マスター16は、全体が円環状であり、一方の軸方向端面16aが支持部13に支持される。また、マスター16の内径側には被測定軌道輪である内輪25が配置される。内輪軌道面25cは、マスター16の当接部16cに接触する。また、内輪25は、押圧部19によって軸方向に押圧される。
マスター16は、外周面16dの外径寸法が、内輪25と対となる外輪(図示せず)の外径寸法と等しい。また、内周面の軸方向一端側に大径部16eが形成され、他端側に大径部16eより小径の小径部16fが形成される。マスター16は、内輪25と組み合わされた際に、内周面の大径部16eが内輪25の背面側内周面25eに接触せず、小径部16fが内輪25の正面側内周面25dに接触しない形状にされている。
差幅測定部17Aは、内輪25の背面側端面25bと、背面側端面25bと同じ側のマスター16の軸方向端面16bとの軸方向位置を測定し、背面側差幅ΔαB0を出力する。また、差幅測定部17Bは、内輪25の正面側端面25aと、正面側端面25aと同じ側のマスター16の軸方向端面16aとの軸方向位置を測定し、正面側差幅ΔαF0を出力する。
本構成のマスター16も前述したマスター15と同様の当接部16cを有する。すなわち、当接部16cは、内輪25と対になる外輪軌道面(図示せず)の曲率中心と同じ中心であり、図示しない玉の直径DB(図示せず)から外輪軌道面の半径Rを減じた距離を半径r(=DB−R)とする円弧形状に形成される。
上記構成によれば、外輪11及び玉27に代えてマスター16を使用した場合、マスター16と内輪軌道面25cとの接触位置が、内輪25が有する寸法誤差によらず、常に外輪11,内輪25,玉27を組み合わせた場合と同じ状態となる。これにより、被測定軌道輪を内輪25とした場合に、内輪25と対になる内輪25、及び玉27を使用しなくても差幅測定が可能となる。よって、被測定軌道輪以外の部品である外輪11や玉27の傷付きを防止できる。また、マスター16だけを内輪25に組み付ける簡単な工程により、高精度な被測定軌道輪の差幅測定が行える。
本構成によれば、マスター16を内輪軌道面25cに押し当て、マスター16と内輪25の軸方向端面同士の相対位置を測定することで、正面側差幅ΔαFi及び背面側差幅ΔαBiを、マスター16を基準として測定することができる。ただし、ここで求まる正面側差幅ΔαFi及び背面側差幅ΔαBiは、マスター6や被測定軌道輪の弾性変形分を含んだ寸法となる。
<内輪と外輪とを組み合わせた後の差幅の算出>
前述の第1の構成例及び第2の構成例で得られるマスター基準の差幅から、内輪、外輪、及び玉の組み合わせた後のアンギュラ玉軸受の正面側差幅Δα、背面側差幅Δαを、下記(1)、(2)式により求めることができる。
Δα = ΔαF0 + ΔαFi + Δα ・・・(1)
Δα = ΔαB0 + ΔαBi + Δα ・・・(2)
ここで、Δαは、玉27の径の違いによって生じる差幅であり、その大きさは玉径に比例する。更に、上式の計算によって求めた差幅算出値と、軸受組み立て後の軸受を実際に測定した差幅測定値と、を比較することで、使用した外輪測定用のマスター15に対するオフセット量、及び内輪測定用のマスター16に対する差幅測定オフセット量を求めることができる。
軸受組み立て後の実際の正面側差幅ΔαFp、及び背面側差幅ΔαBpは、正面側の差幅測定オフセット量をTFoff、背面側の差幅測定オフセット量をTBoffとすると、以下の(3),(4)式で求めることができる。
ΔαFp = Δα + TFoff ・・・(3)
ΔαBp = Δα + TBoff ・・・(4)
各差幅測定オフセット量TFoff、TBoffは、マスター6や被測定軌道輪の弾性変形や、マスターの設計寸法に対する実際のマスターの形状誤差に起因して生じる。上記(3)、(4)式のように、差幅測定オフセット量TFoff、TBoffを考慮することで、次回の軸受組み立て後の差幅ΔαFp,ΔαFpを正確に予測できる。
<内輪と外輪とボールとの組み合わせを決定する手順>
前述の軸受組み立て後の正面側差幅ΔαFp、背面側差幅ΔαBpの各予測値は、軸受の組み立てに有益に利用できる。例えば、内輪と外輪と玉との各部品を、軸受組み立て後の差幅が、目標とする範囲内に収まるような適切な組み合わせで選定することが可能となる。
適切な内輪、外輪、玉の組み合わせで軸受を組み立てることにより、組み立て後の軸受を、目標とする差幅の範囲内に収めることができる。その結果、差幅調整のために研削等の機械加工を軸受に施す必要がなくなり、所望の条件の軸受を煩雑な工程を要さずに得ることができる。
具体的な各部品の組み合わせを選定する手順の一例を以下に示す。
被測定軌道輪の基準とする正面側の差幅基準値をΔαFsとする。その場合に、外輪の差幅測定結果に応じて、その外輪を表1に示すような、予め定めたグループGF1〜GF5のいずれかに分類する。ここでは説明を簡単にするため、5つのグループに分類する例を示すが、グループ数はこれに限らない。分類するグループ数が多いほど、高い軸受寸法精度を得ることができる。
Figure 0006520593
いま、外輪の正面側の差幅測定結果が、正面側差幅測定値Δαであったとする。その場合、測定した外輪11の正面側差幅測定値Δαと正面側差幅基準値ΔαFsとの差zが0であれば、その外輪はグループGF3に属するものとする。正面側差幅測定値Δαと正面側差幅基準値ΔαFsとの差zが−L≦z<0の範囲であれば、その外輪はグループGF2に属するものとする。
また、背面側差幅Δαについても同様に、背面側差幅基準値ΔαBsと背面側差幅測定値Δαとの差に応じて、予め定めた複数のグループGB1〜GB5に分類する。これにより、1つの外輪は、グループGF(kは1〜5のいずれか)と、グループGBに分類される。
上記の外輪の分類処理を、内輪についても同様に行う。更に、玉についても、予め定めた外径の基準値dsと外径測定値との差に応じて、分類処理を行う。
その結果、外輪については、グループGF、GB、内輪については、グループNF(正面側差幅に関するグループ),NB(背面側差幅に関するグループ)、玉については、グループTに分類される。
次に、分類された外輪、内輪、玉の各部品の中から、それぞれ1つずつ選定し、選定された部品を組み立ててアンギュラ玉軸受を完成させる。この選定を行う際に、選定された外輪、内輪、玉が、相互に組み合わされた場合に、それぞれの部品固有の基準値からの差が相殺されて、ゼロ又はゼロに近づく組み合わせにする。そうすることで、外輪、内輪、玉のいずれかの部品の寸法が基準値からプラス側又はマイナス側にずれていても、他の部品との組み合わせによって、組み立て後の軸受が基準値通りの寸法に仕上げることができる。つまり、一方の部品が基準値よりプラス側にずれていても、他方の部品を基準値よりマイナス側にずれたものを選定することで、組み立て後の軸受における基準値からのずれを相殺できる。
上記の組み合わせの選定を行うことで、加工精度が低下し部品であっても軸受部品として有効利用できる。そのため、無駄がなく、且つ目標とする差幅通りの軸受を高効率で製造できる。また、軸受の組み立て後に研削加工等の機械加工を施して差幅を調整する必要がないため、組立工程の煩雑化を防止でき、コスト低減が図られる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、いずれか一方の前記軌道輪と前記玉とに代えて他方の前記軌道輪に組み合わされ、且つ前記他方の軌道輪の軌道面と接触する当接部を有する差幅測定マスターであって、
前記当接部は、前記一方の軌道輪及び前記玉と、前記他方の軌道輪とが組み合わされた状態の軸方向断面において、前記一方の軌道輪の軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記一方の軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する幅測定マスター。
上記構成の差幅測定マスターによれば、差幅測定マスターを一方の軌道輪と玉との代わりに用いることで、測定に使用する軸受部品は、測定対象である他方の軌道輪のみとなる。したがって、測定対象以外の軸受部品(一方の軌道輪と玉)は、仮組みに用いることがないため、傷付きを未然に防止でき、製品の品質低下を防止できる。また、差幅測定マスターは、測定対象との当接部が上記の円弧形状であることにより、測定対象の軌道輪が寸法誤差を有していても、高精度な差幅測定が行える。
(2) 前記当接部は、前記他方の軌道輪の軌道面全周に接触する環状曲面を有する1)に記載の差幅測定マスター。
上記構成の差幅測定マスターによれば、当接部が軌道輪の軌道面全周に当接することで、他方の転動輪と組み合わされる差幅測定マスターが安定した姿勢で支持され、差幅測定精度が向上する。
(3) 前記当接部は、円周方向に沿った少なくとも3箇所に設けられた、径方向外側へ突出する凸部に形成されている1)に記載の差幅測定マスター。
上記構成の差幅測定マスターによれば、差幅測定マスターが離散配置された凸部により支持されることで、当接部の加工範囲が狭くなり、加工コストを低減できる。
(4)前記凸部は、少なくとも一部に前記軌道面と接触する球面を有する3)に記載の差幅測定マスター。
上記構成の差幅測定マスターによれば、凸部が有する球面を当接部として用いることにより、当接部を簡単に形成できる。例えば、所望の曲率の外周面を有するボールを凸部として用いることで、当接部を所望の曲率に加工する必要がなくなり、差幅測定マスターを簡単に製作できる。
(5) 前記一方の軌道輪と同じ軸方向幅を有する1)乃至(4)のいずれか一つに記載の差幅測定マスター。
上記構成の差幅測定マスターによれば、差幅測定マスターが、実際に軸受に組み合わせる軌道輪と同じ軸方向幅を有するため、差幅の発生状態を実際の軌道輪と同じ状態で再現できる。よって、作業者の視感や触感によっても差幅の発生状況を容易に確認することができる。
(6) 曲率を有する軌道面が設けられた一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象となる被測定軌道輪の一端面を支持する支持部と、
(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の差幅測定マスターと、
前記支持部に支持された前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求める差幅測定部と、
を備えるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
上記構成のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置によれば、被測定軌道輪の差幅を、差幅測定マスターを基準として測定できる。よって、一対の軌道輪を、測定されたそれぞれの差幅で分類でき、これにより、軸受の組み立ての際、差幅の大小に応じて軌道輪同士を組み合わせることで、所望の差幅の軸受を簡単に得ることができる。
(7) 前記被測定軌道輪と前記差幅測定マスターとの間に、互いの組み合わせ方向への押圧力を発生させる押圧部を備える(6)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
上記構成のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置によれば、押圧力によって被測定軌道輪と差幅測定マスターとの接触状態が良好となり、高精度な差幅測定が行える。
(8) 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象とする被測定軌道輪の軸方向位置を測定するアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法であって、
前記被測定軌道輪の軌道面に接触する当接部を有し、前記当接部の軸方向断面が、前記被測定軌道輪と対になる相手側軌道輪における前記軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記相手側軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する差幅測定マスターを、前記相手側軌道輪と前記玉とに代えて前記被測定軌道輪に組み合わせ、
前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求めるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法。
上記アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法によれば、被測定軌道輪の差幅を、差幅測定マスターを基準として測定できる。よって、一対の軌道輪を、測定されたそれぞれの差幅で分類でき、これにより、軸受の組み立ての際に、差幅の大小に応じて軌道輪同士を組み合わせることで、所望の差幅の軸受を簡単に得ることができる。
(9) (6)又は(7)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置を用いるアンギュラ玉軸受の製造方法。
(10) (8)に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法を含むアンギュラ玉軸受の製造方法。
上記のアンギュラ玉軸受の製造方法によれば、加工精度が低下し部品であっても軸受部品として有効利用でき、無駄がなく、且つ目標とする差幅通りの軸受を高効率で製造できる。また、軸受の組み立て後に研削加工等の機械加工を施して差幅を調整する必要がないため、組立工程の煩雑化を防止でき、コスト低減が図られる。
11 外輪
11a 背面側端面
11b 正面側端面
11c 外輪軌道面
13 支持部
15,16 マスター(差幅測定マスター)
15b 端面
15c 当接部
16a 軸方向端面
16c 当接部
17A,17B 差幅測定部
19 押圧部
23 アンギュラ玉軸受
25 内輪
25a 正面側端面
25b 背面側端面
25c 内輪軌道面
27 玉
31 凸部
100,200 アンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置
DB 玉の直径
OR 曲率中心
IR 内輪軌道面の曲率中心
r 当接部の接点軌跡の半径
R 内輪軌道面の半径
押圧力

Claims (10)

  1. 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、いずれか一方の前記軌道輪と前記玉とに代えて他方の前記軌道輪に組み合わされ、且つ前記他方の軌道輪の軌道面と接触する当接部を有する差幅測定マスターであって、
    前記当接部は、前記一方の軌道輪及び前記玉と、前記他方の軌道輪とが組み合わされた状態の軸方向断面において、前記一方の軌道輪の軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記一方の軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する幅測定マスター。
  2. 前記当接部は、前記他方の軌道輪の軌道面全周に接触する環状曲面を有する求項1に記載の差幅測定マスター。
  3. 前記当接部は、円周方向に沿った少なくとも3箇所に設けられた、径方向外側へ突出する凸部に形成されている求項1に記載の差幅測定マスター。
  4. 前記凸部は、少なくとも一部に前記軌道面と接触する球面を有する求項3に記載の差幅測定マスター。
  5. 前記一方の軌道輪と同じ軸方向幅を有する求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の差幅測定マスター。
  6. 曲率を有する軌道面が設けられた一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象となる被測定軌道輪の一端面を支持する支持部と、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の差幅測定マスターと、
    前記支持部に支持された前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求める差幅測定部と、
    を備えるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
  7. 前記被測定軌道輪と前記差幅測定マスターとの間に、互いの組み合わせ方向への押圧力を発生させる押圧部を備える請求項6に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置。
  8. 曲率を有する軌道面が形成された一対の軌道輪と、一対の前記軌道輪の前記軌道面同士の間に転動自在に配置される複数の玉と、が組み合わされたアンギュラ玉軸受における、一対の前記軌道輪のうち、測定対象とする被測定軌道輪の軸方向位置を測定するアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法であって、
    前記被測定軌道輪の軌道面に接触する当接部を有し、前記当接部の軸方向断面が、前記被測定軌道輪と対になる相手側軌道輪における前記軌道面の曲率中心と同じ位置を中心とし、前記玉の直径から前記相手側軌道輪の軌道面の半径を減じた距離を半径とする円弧形状を有する差幅測定マスターを、前記相手側軌道輪と前記玉とに代えて前記被測定軌道輪に組み合わせ、
    前記被測定軌道輪、及び前記被測定軌道輪に組み合わされた前記差幅測定マスターの、軸方向に同じ側となる端面同士の軸方向位置の差を求めるンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法。
  9. 請求項6又は請求項7に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定装置を用いるアンギュラ玉軸受の製造方法。
  10. 請求項8に記載のアンギュラ玉軸受用軌道輪の軸方向位置測定方法を含むアンギュラ玉軸受の製造方法。
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